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特開2022-126824多重圧迫力を有する圧迫ガーメント及びそれを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126824
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】多重圧迫力を有する圧迫ガーメント及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/05 20060101AFI20220823BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20220823BHJP
   A41D 1/06 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
A41D13/05 143
A41D13/12 154
A41D1/06 L
A41D1/06 501D
【審査請求】有
【請求項の数】37
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102727
(22)【出願日】2022-06-27
(62)【分割の表示】P 2017157308の分割
【原出願日】2017-08-17
(31)【優先権主張番号】16185109.2
(32)【優先日】2016-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17167582.0
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】507343327
【氏名又は名称】サンコ テキスタイル イスレットメレリ サン ベ ティク エーエス
【氏名又は名称原語表記】SANKO TEKSTIL ISLETMELERI SAN. VE TIC. A.S.
【住所又は居所原語表記】Organize Sanayi Bolgesi 3. Cadde 16400 Inegol-Bursa(TR)
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ファティー コヌコウルー
(72)【発明者】
【氏名】オズレム コヌコウルー
(72)【発明者】
【氏名】エルトゥグ エルクシュ
(72)【発明者】
【氏名】エルドアン バルシュ オッデン
(72)【発明者】
【氏名】ファトマ コルクマズ
(72)【発明者】
【氏名】リアン コーナー
(72)【発明者】
【氏名】オズギュル シバノグル
(72)【発明者】
【氏名】セルカン メルツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】普通の衣料品の外観を有していて、ファッショナブルな日常着として着用することができる生地製の圧迫ガーメントの提供。
【解決手段】均一弾性の伸縮性生地10で製造される圧迫ガーメント68は生地を幾何学的に裁断6、8してガーメント円周方向部分の全長に伸びる一枚以上の生地パネル2、4に成形し着用した時、様々なガーメント圧迫度を発揮し、円周方向部分は肉体部分を包み軸方向に沿った様々な位置12、14、16、18、20、22、24、26において異なる圧迫度を含み、幾何学的裁断は非線形縁部6A、6B、8A、8Bを成形しかつ幾何学的裁断は様々な軸方向位置において望ましい圧迫レベルを付与するように生地の様々な円周方向長12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F、26Fを与えかつ生地及び製造しようとするガーメントの様々なファクタを考慮した式及びアルゴリズムを使用して計算される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
均一な弾性を有している伸縮性織布生地(10)の単一層で製造され、様々な軸方向位置において延伸度を示すことを特徴とし、円周方向部分(66)を含んでいる圧迫ガーメント(68)であって、前記円周方向部分は、前記伸縮性織布生地の少なくとも1枚の生地パネル(2)、(4)を含んでおり、前記生地パネル(2)、(4)は、それぞれ、前記円周方向部分(66)の一方の長手方向端部(21)から、前記円周方向部分(66)の対向する長手方向端部(23)へ完全に延伸していて、前記円周方向部分は、軸に沿って延伸しており、かつ軸方向へ延伸している縫い目(65)及び複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において様々な円周方向長さ(12F)、(14F)、(16F)、(18F)、(20F)、(22F)、(24F)、(26F)を有しており、前記円周方向長さは、前記複数の様々な軸方向位置の少なくとも3つの連続した軸方向位置(14)、(16)、(18)に沿って増加及び減少しており、前記円周方向部分(66)は、応力緩和状態にある圧迫ガーメント(68)。
【請求項2】
前記延伸度は、((延伸状態にあるU)-(緩和状態にあるU)/(緩和状態にあるU))を備え、延伸状態にあるUは、着用時の延伸状態における前記圧縮ガーメントの円周方向長さを備えており、緩和状態にあるUは、応力緩和状態における前記圧縮ガーメントの円周方向長さを備えている、請求項1に記載の圧縮ガーメント(68、80)。
【請求項3】
普通の着用者(70)が着用して、前記円周方向部分が延伸状態にあるとき、前記円周方向部分(66)は、前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において様々な円周方向圧迫値を付与するようになっており、かつ前記円周方向圧迫値は、前記複数の様々な軸方向位置の少なくとも3つの連続した軸方向位置(225)、(227)、(229)に沿って、先ず減少し、次いで増加し、次いで減少している、請求項1に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項4】
前記円周方向圧迫値は、前記普通の着用者(70)が着用して、前記円周方向部分は延伸した時、前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)の少なくとも1つにおいて、前記円周方向圧迫値はゼロ(0)である、請求項3に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項5】
最大円周方向圧迫は、前記普通の着用者(70)が着用して、前記円周方向部分が縫い合わされている場合、前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)の中間で付与され、かつ前記縫い目は、チェーンスティッチ縫い目、セーフティースティッチ縫い目、オーバーラップスティッチ縫い目又はフラットスティチ縫い目である、請求項3に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項6】
前記円周方向部分(66)はパンツ脚部(60)を含んでおり、前記普通の着用者(70)が前記パンツを着用した時、前記様々な円周方向長さは、軸方向(62)に沿った圧迫力勾配を形成し、かつふくらはぎ部分(16)及び足首部分(12)で最大圧迫を含む様々な円周方向圧迫値を付与する、請求項1に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項7】
前記円周方向部分(66)は、前記伸縮性織布生地(10)の前記生地パネル(2)、(4)を1枚だけ含んでいる、請求項1~6のいずれか1項に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項8】
前記圧迫ガーメントは、1対のジーンズ(68)であって、前記伸縮性織布生地は、伸縮性デニムで、前記円周方向部分は、パンツ脚部(60)を含んでいる、請求項1~7のいずれか1項に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項9】
前記円周方向部分(51)の長手方向端部(55)に接合されており、前記軸(59)に沿って延伸し、かつ非弾性生地で製造された別の非圧迫性円周方向部分(53)を更に含んでいる、請求項1~8のいずれか1項に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項10】
血行不良、リンパ水腫、血栓症、又は他の静脈及びリンパ系機能障害の治療における使用のための請求項1~9のいずれか1項に記載の圧迫ガーメント(68)。
【請求項11】
普通の着用者に非均一性圧迫を付与する方法であって、前記方法は、
a) 均一な弾性を有し、様々な軸方向位置において延伸度を示すことを特徴とし、伸縮性織布生地の単一層(10)で製造された円周方向部分(66)を含んでいる圧迫ガーメント(68)であって、前記円周方向部分(66)は、前記伸縮性織布生地の単一層(10)の少なくとも1枚の生地パネル(2)、(4)を含んでいて、前記生地パネル(2)、(4)は、それぞれ、前記円周方向部分(66)の一方の長手方向端部(25)から前記円周方向部分(66)の対向する長手方向端部(27)へ完全に延伸していて、前記円周方向部分は、軸(28)、軸方向へ延伸した縫い目、及び複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において様々な円周方向長さ(12C)、(14C)、(16C)、(18C)、(20C)、(22C)、(24C)、(26C)を有しており、前記円周方向部分が応力緩和状態にある時、前記円周方向長さは、前記複数の様々な軸方向位置の3つの連続した軸方向位置(62)に沿って増加及び減少している、圧迫ガーメント(68)を提供すること;及び
b) 前記円周方向部分を普通の着用者(70)の肉体部分に配置することによって、前記円周方向部分を延伸し、前記円周方向部分の前記複数の様々な軸方向位置において、円周方向に前記普通の着用者(70)にガーメント圧迫度を付与することを含む普通の着用者に非均一性圧迫を付与する方法。
【請求項12】
前記ステップa)は、前記延伸度を((延伸状態にあるU)-(緩和状態にあるU)/(緩和状態にあるU))として生成し、延伸状態にあるUは、着用時の延伸状態における前記圧縮ガーメントの円周方向長さを備えており、緩和状態にあるUは、応力緩和状態における前記圧縮ガーメントの円周方向長さを備えている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップb)は、前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において、前記円周方向部分を様々な度合いで延伸させる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップb)は、前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において、前記円周方向部分を同じ度合いで延伸させる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップb)は、前記軸方向(62)に沿って、前記複数の様々な軸方向位置の少なくとも3つの連続した軸方向位置(18)、(20)、(22)に沿って増加及び減少する前記ガーメント圧迫値を発生させる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップb)は、前記軸方向の少なくとも1つにおいてゼロ(0)である前記ガーメント圧迫値を発生させ、かつ前記軸方向に延伸している縫い目は、チェーンスティッチ縫い目、セーフティースティッチ縫い目、オーバーラップスティッチ縫い目又はフラットスティチ縫い目である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップb)は、前記複数の様々な軸方向位置の少なくとも中間において、ゼロ(0)である前記ガーメント圧迫値を発生させる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記円周方向部分は、パンツ脚部(60)で、前記単一層の伸縮性織布生地は、伸縮性デニムである、請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
非弾性生地で製造された別の円周方向部分(53)を、前記円周方向部分の前記長手方向両端部(55)の1つに、前記軸(59)に沿って接合することを更に含む、請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ステップb)は、前記軸方向位置の中間位置(14)、(16)、(18)、(20)、(22)において、前記ガーメント圧迫の最大値を発生する、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
圧迫ガーメントを製造する方法であって、前記方法は、
a)前記圧迫ガーメントのサイズチャ-トに、ある程度、基づいて、様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において様々な円周方向圧迫度を生成する圧迫ガーメント部分(60)を製造するのに必要な、前記圧迫ガーメント部分(60)の複数の円周方向生地長さ(12C)、(14C)、(16C)、(18C)、(20C)、(22C)、(24C)を決定すること;
b)均一な弾性を有している単一層の伸縮性織布生地(10)に裁断して(1005)、隣接する直線(215)又は湾曲部分(217)に関して角度がある少なくとも1つの直線セグメントを含む少なくとも1つの非線形縁部(206A)、(208A)を有している、前記伸縮性織布生地の少なくとも1枚の生地パネル(2)、(4)を成形すること;及び
c)前記少なくとも1つの非線形縁部を、前記単一層伸縮性織布生地の別の縁部に接合することによって、前記圧迫ガーメント部分の軸(59)に沿って延伸する縫い目(65)を形成し、前記生地パネルを、それぞれ、前記圧迫ガーメント部分の一方の長手方向端部(25)から、前記圧迫ガーメント部分の対向する長手方向端部(27)へ完全に延伸させることによって、前記圧迫ガーメント部分(60)を製造すること(1007)を含む圧迫ガーメントを製造する方法。
【請求項22】
前記ステップc)は、前記円周方向生地長は、前記様々な軸方向位置の少なくとも3つの連続する軸方向位置(223)、(225)、(227)に沿って増加し、かつ減少することを特徴とする、前記様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)において、前記複数の円周方向生地長さを有するように、前記圧迫ガーメント部分を製造することを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記ステップc)は、前記圧迫ガーメントを普通の着用者(70)が着用して、前記圧迫ガーメントが延伸状態にある時、前記様々な軸方向位置において、様々な円周方向圧迫度を発揮するように、前記圧迫ガーメント部分を製造する、請求項21の方法。
【請求項24】
前記様々な円周方向圧迫度は、前記圧迫ガーメントを、前記普通の着用者(70)が着用して、前記圧迫ガーメントが延伸状態にある時、前記軸方向位置の3つの連続する軸方向位置(14)、(16)、(18)の少なくとも1つのグループに沿って増加し、次いで減少する圧迫値を含んでいる、請求項23の方法。
【請求項25】
前記様々な円周方向圧迫度は、少なくとも1つの前記軸方向位置において圧迫値ゼロ(0)を含んでいる、請求項23の方法。
【請求項26】
前記様々な円周方向圧迫度は、前記軸方向位置の中間において最大の圧迫値を含んでいる、請求項23の方法。
【請求項27】
前記ステップa)は、前記複数の円周方向生地長さを式(1)に従って計算して、前記普通の着用者(70)が前記圧迫ガーメントを着用して、前記円周方向ガーメント部分が延伸状態にある時、前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)のそれぞれにおいて、普通の着用者の肉体部分に負荷される望ましいガーメント圧Pを算出することを含む請求項21の方法、
Pi=(20ΠFi)/U (1)
但し、前記圧迫ガーメント部分の前記複数の様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)の対応する位置と関連したそれぞれの測定点iにおいて、P=ガーメント圧迫(kPa)、F=ガーメント圧迫力(N/cm)、及びU=肉体部分の円周方向の長さ(cm)であり、かつ前記裁断は前記計算に基づく。
【請求項28】
前記ステップa)は、前記単一層伸縮性織布生地(10)の前記少なくとも1つのパネルを使用してモデル円周方向ガーメント部分を製造すること(2005);
応力緩和状態の前記モデル円周方向ガーメント部分の応力緩和された円周方向長さを測定すること(2007);
前記モデル円周方向ガーメント部分を、前記それぞれの軸方向における既知の円周方向長さを有する肉体部分モデルに載置することによって前記モデル円周方向ガーメント部分を延伸して(2011)複数の延伸された円周方向長さを提供すること(2013);
前記モデル円周方向ガーメント部分の前記軸方向位置における前記ガーメント圧Pを測定すること(2019);及び
前記それぞれの軸方向位置において、前記測定されたガーメント圧Pに基づいて
ガーメント圧迫力Fを計算すること(2023)を含む請求項27の方法。
【請求項29】
前記ステップa)は、
前記延伸状態における前記延伸された円周方向長さ及び前記緩和状態における前記応力緩和された円周方向長さを使用して、前記各軸方向位置おける延伸度を計算すること(2015)、(2017);
前記伸縮性単一層織布生地(10)の応力-歪み曲線及び前記各軸方向位置における前記算出された延伸度を使用して、前記各軸方向位置おける生地圧迫力fを決定すること(2029);
前記算出されたガーメント圧迫力Fと前記決定された生地圧迫力fを比較することによって、縫い目補正ファクタを決定すること(2013);
前記各軸方向位置における前記決定されたガーメント圧迫を発生させるのに必要な、必要ガーメント圧迫力Fを決定すること(2039);
前記必要ガーメント圧迫力Fに前記縫い目補正ファクタを乗じて、前記各軸方向位置において、前記必要ガーメント圧迫力Fを、必要な生地圧迫力fに変換すること(2043)、及び
前記必要な生地圧迫力f及び前記応力-歪み曲線を使用して前記円周方向生地長さを決定すること(2051)を更に含んでいる請求項28の方法。
【請求項30】
前記肉体部分モデルは、前記圧迫ガーメントの望ましいサイズと関連したサイズチャートを表わす寸法を含んでいる、請求項28の方法。
【請求項31】
前記ステップa)は、前記単一層伸縮性織布生地(10)の応力―歪み曲線、製造者特定サイズチャート、及び複数の前記様々な軸方向位置(12)、(14)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)のそれぞれにおける望ましい圧迫クラスに基づいている、請求項21の方法。
【請求項32】
前記すくなくとも1枚のパネル(2)、(4)は、単一パネルを含んでいて、かつ前記縫い目は、ヒート縫い目シール又は超音波溶着又はレーザー溶着によって形成された縫い目を含んでいる、請求項21の方法。
【請求項33】
前記伸縮性単一層織布生地(10)はデニムである、請求項21の方法。
【請求項34】
前記ステップb)において裁断された前記伸縮性単一層織布生地(10)はデニムで、前記圧迫ガーメント(10)は、1対のパンツを含んでおり、前記圧迫ガーメント部分(60)は、前記1対のパンツのパンツ脚部を含んでいる、請求項21の方法。
【請求項35】
非弾性生地で製造された円周方向ガーメント部分(53)を、前記圧迫ガーメント部分(51)の前記長手方向両端部(55)に、前記軸(59)に沿って接合することを、更に含んでいる請求項21の方法。
【請求項36】
請求項21~35のいずれか1項の方法に従って製造される非均一性円周方向圧迫を有する圧迫ガーメント。
【請求項37】
圧迫ガーメントは、1対のパンツである、請求項36の圧迫ガーメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維産業分野に属するもので、衣服の製造に関する。本発明は、様々の異なる圧迫特性を有する伸縮性衣服、それを製造する方法、及び伸縮性圧迫ガーメントを着用するヒトに圧迫力を負荷する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧迫ガーメントは、着用者の肉体の複数の部位を圧迫する衣料品である。圧迫ガーメントは、多くの医療分野で、筋肉支持の改良、及び/又は血流促進等多くの目的に対して有用である。圧迫ガーメントは、運動の増進、筋肉疲労の軽減、及び筋肉回復の補助をするスポーツウェアとして人気がある。
【0003】
医療及び治療用として設計された多くの圧迫ガーメントは、圧迫ストッキング、又は着用者の肉体部位の周りを包み、血行不良、リンパ水腫、血栓症、又は静脈及びリンパ系機能不全を治療するのに使用される衣服のような圧迫物品である。スポーツウェアとして設計された圧迫ガーメントは、スポ-ツをしている間、血行及び筋肉の動きを高める。これらの圧迫ガーメントは、筋肉の硬直による痛みを軽減し、その間、筋肉への血流と酸素飽和を向上させ、スポーツ活動を助長する。スポーツウェアとしての圧迫ガーメントには、多数の肉体の部位用の、シャツ、ショーツ、パンツ、タイツ、ソックス、スリーブス、及び下着がある。
【0004】
衣服業界で製造されている通常の衣服は、多様な弾性を有する各種の衣服である。高度の弾性を有するガーメントは、破断することなく、かなりの長さに伸縮できるポリウレタン繊維等の多種多様の弾性材料で製造される。
【0005】
弾性繊維としては、エラスタン及びスパンデックス、並びにその他の類似の繊維がある。低弾性の衣服は、多種多様の天然及び合成繊維を使用して製造することができる。低弾性繊維の弾性には限界があるが、回復性能は高い。様々な弾性率を有する多様な繊維は、特許文献1(複合伸縮性ヤーン、その製造方法及び編織布)に記載されている。
【0006】
医療用及びスポーツ用の圧迫ガーメントは、従来、ニット技術で製造されている。然しながら、ニットで製造されたガーメントには、多くの欠点及び限界がある。この限界の一つは、ニット技術は、染色、洗濯、レーザー処理、及びその他の多様な織物処理に適しないことである。従って、ニットで製造された圧迫ガーメントは、非常に使用し難く、かつ好ましくない。
【0007】
圧迫ガーメントには、様々な圧迫強度及び外観を有している様々な細長い生地(以下、「パネル」という)を複数枚使用し、かつそれらを一緒に接合することによって、ガーメントの様々の位置において、様々な圧迫レベルを示すものが得られる。ある例では、医療用の圧迫ガーメントを使用して血流を促進させ、ガーメント全体に亘って、様々な圧迫レベルを示すようにしている。このような圧迫ガーメントは、編織技術で製造されている。然しながら、上述したように、様々な圧迫レベルを有する生地圧迫ガーメントの欠点は、ガーメントの多様な領域において、様々な圧迫レベルを有するものとするために、様々な圧迫強度、及び様々な外観を有する多種多様の生地の多重パネルを使用して、それらを一緒に接合しなければならないことである。
【0008】
特許文献2は、前記ガーメントの中の1つ以上の部位は、複数のエリアを有し、各エリアにおいて、各前記ガーメントの生地の弾性は、予め低減されているものを開示している。特に、これらの部位には、プリントされた模様が施されていてもよい。これらの部位においては、模様が施されている部分の生地の弾性は小さい。
【0009】
特許文献3は、多重パネルで形成したガーメントを記載している。このガーメントにおいて、第2のパネルの伸縮性材料は、第1のパネルの伸縮性材料と比較すると、高い伸縮性及び回復特性を有している。
【0010】
特許文献4は、様々な密度をもつように編織されているズボン用生地を有し、着用者の脚の関節により、骨盤の周りで外側に回転させる力を発生させるようになっているズボンを記載している。
【0011】
特許文献5は、圧迫ガーメント、特に、循環機能を改善するようになっている下半身の全長に及ぶガーメントを記載している。特許文献5に記載されている圧迫ガーメントは、様々な多重生地パネルで製造されている。多様な外観を有する多重生地パネルは、縫い合わせてガーメントに成形される各セクションの多様性のため、及び各セクション間の縫い目の多様性のために、審美的に満足できるものではない。これは、使用者が、特別に外出するとき以外に、「普段着」のファッショナブルなガーメントとして着用したい場合には、特に問題がある。更に、複数の多重生地パネルを接合するための多重縫い目が各所にあり、かつ多重縫い目の相互作用により、全体として、着用者を不快にさせることは明らかである。
【0012】
多重の圧迫強度を有する多重生地パネルは、多種多様なタイプの生地で製造される。単一の圧迫ガーメントを製造するのにも、多数の様々な生地が必要であり、多重の生地片を製造し、一緒に接合して、生地パネルを製造しなければならない。多種多様なタイプの生地が必要であるため、単一の圧迫ガーメントの製造コストは非常に高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0260129号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/210487A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/2222187A1号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/100778A1号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2013/174317A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする第1の課題は、通常の衣料品の外観を有しており、ファッショナブルな日常着としても着用することができる生地からなる圧迫ガーメントを提供することである。
【0015】
本発明が解決しようとする別の課題は、多様な圧迫力を発揮させるために、多種多様な別々の生地パネルを使用することなく、円周方向部分の複数の様々な軸方向の位置において、様々な円周方向圧迫度を有するガーメントを提供することである。
【0016】
本発明が解決しようとする更なる課題は、一つ以上の軸方向の位置において、圧迫力を発揮しない部分を有し、複数の様々な軸方向の位置において、様々な円周方向圧迫度を有するガーメントを提供することである。
【0017】
更に、本発明の目的は、デニム生地、特に仕上げ加工を施したデニム生地で製造された圧迫ガーメントを提供することである。
【0018】
本発明が解決しようとする更に別の課題は、様々な圧迫度を有する円周方向部分で製造され、かつ、非圧迫性の円周方向衣服部分に接続された、円周方向部分の全長に亘って延びている少なくとも1枚の生地パネルから製造されたガーメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらの課題及び目的は、請求項1に記載した圧迫ガーメント、請求項11に記載した普通の着用者に不均一な圧迫力を付与する方法、及び請求項21に記載した圧迫ガーメントを製造する方法によって達成される。本発明は、生地の弾性がガーメント全体に亘って同じであるが、円周方向の圧迫力が異なるガーメントを提供するものである。
【0020】
幾つかの態様において、作用する円周方向圧迫力は、軸方向に沿って徐々に変化し、また、幾つかの態様においては、円周方向圧迫力は、一つの軸方向に沿って急に変化し、特定の圧迫プロファイルを形成する。幾つかの態様においては、圧迫度は、軸方向に沿って連続的に変化し、他方、別の態様では、円周方向圧迫は、単一の軸方向に沿って増減し、それによって、多様な治癒力がある圧迫モデルが提供される。
【0021】
本発明は、均一な弾性特性を有する伸縮性生地の単一層のみから製造された円周方向部分を含む圧迫ガーメントを提供するものである。円周方向部分は、少なくとも1枚の伸縮性生地のパネルを含んでいる。生地パネルは、それぞれ、一つの長手方向端部から、対向する円周方向部分の長手方向端部へ延びている。前記円周方向部分は、軸に沿って延びており、かつ軸方向に延びた縫い目と、軸方向の様々な複数の位置において、様々な円周方向の長さを有している。円周方向の長さは、複数の様々な軸方向位置の少なくとも3つの連続した軸方向位置に沿って、長く、或いは短くなる。
【0022】
幾つかの態様において、圧迫ガーメントの少なくとも1枚の生地パネルは、縫い目部分を形成する縁部を含んでおり、かつ、互いに角度がある複数の直線状セグメント、及び/又は湾曲部分に対して角度がある直線状セグメントを有している。
【0023】
幾つかの態様において、着用者が着用して、円周方向部分が延びた時、円周方向の圧迫値は、最初は、小さく、次いで大きくなり、次に、複数の異なった軸方向位置の三つの連続した軸方向位置の少なくとも1グループに沿って小さくなった場合、円周方向部分は、複数の異なった軸方向位置で、異なった円周方向圧迫値をもつようになっている。
【0024】
幾つかの態様において、普通の着用者が圧迫ガーメントを着用して、円周方向部分が延びた場合、複数の様々な軸方向位置の少なくとも1つにおける円周方向圧迫値はゼロ(0)になる。幾つかの態様において、普通の着用者が圧迫ガーメントを着用して、円周方向部分が延びた場合、複数の様々な軸方向位置の中間位置に、最大円周方向圧迫がある。幾つかの態様において、普通の着用者がパンツ脚部を履いた場合、円周方向部分は、1つのパンツ脚部を含んでおり、様々な円周方向の長さは、複数の様々な円柱方向圧迫値を有し、軸方向に沿って傾斜する圧迫力を生成し、ふくらはぎ部分で最大圧迫となる。
【0025】
幾つかの態様において、円周方向部分は、伸縮性生地のパネルだけを有している。
【0026】
幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、1対のジーンズを含んでおり、伸縮性生地は伸縮性デニムで、円周方向部分は一つのパンツ脚部を含んでいる。
【0027】
幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、円周方向部分の長手方向端部に結合された更に別の非圧迫性円周方向部分を含んでいる。前記別の非圧迫性円周方向部分は、軸に沿って延びており、かつ非弾性生地で製造されている。
【0028】
また、本発明の開示により、医療用の圧迫ガーメントが提供される。圧迫ガーメントは、種々の医療用に応用され、血行不良、リンパ浮腫、血栓症、又はその他種々の静脈及びリンパ系疾患の治療に使用することができる。
【0029】
本発明の開示により、典型的な着用者に非均一な圧縮力を与える方法が提供される。前記方法は、均一な弾性を有する伸縮性の生地で織られた単一層だけで製造された円周方向部分を含む圧迫ガーメントを提供することを含んでいて、前記円周方向部分は、伸縮性の生地で織られた単一層の少なくとも1枚の生地パネルを含んでいる。各生地パネルは、円周方向部分の、一方の長手方向端部から対向する長手方向端部へ完全に延びている。円周方向部分は、軸、軸方向に延びた縫い目、および複数の様々な軸方向位置において多様な円周方向長さを有している。円周方向長さは、前記円周方向部分が応力緩和状態にある場合、前記複数の様々な軸方向位置の3つの連続する軸方向位置に沿って長くなり、かつ短くなる。更に、前記方法は、円周方向部分を典型的な着用者の肉体部分に着用させ、典型的な着用者に、円周方向部分の複数の多様な軸方向位置において、円周方向における様々なガーメント圧縮力を付与することを含んでいる。
【0030】
幾つかの態様において、前記方法は、縫い目部分を形成する縁部を含み、かつ相互に角がある複数の直線部分及び複数の湾曲部分を含んでいる少なくとも1枚の生地パネルを含んでいる。
【0031】
幾つかの態様において、前記円周方向部分は、複数の様々な軸方向位置において、様々な程度で、延伸させられる。
【0032】
幾つかの態様において、前記延伸は、円周方向部分を複数の様々な軸方向位置において、同じ程度で、延伸させられる。
【0033】
幾つかの態様において、前記延伸は、軸方向に沿った複数の様々な軸方向位置の少なくとも3つの連続軸方向位置に沿って、増加し、かつ、減少するガーメント圧縮値を生成する。
【0034】
幾つかの態様において、伸縮性は、軸方向位置の少なくとも1つにおいて、ゼロ(0)となるガーメント圧迫値を有している。
【0035】
幾つかの態様において、様々な複数の軸方向位置の少なくとも中間位置において、ゼロ(0)となるガーメント圧迫値を有している。
【0036】
幾つかの態様において、本発明の方法は、パンツ脚部を製造し、単層の伸縮性生地は、伸縮性デニムである。
【0037】
幾つかの態様において、本発明の方法は、弾力性の無い生地で製造された更に別の円周方向部分と、円周方向部分の長手方向において軸に沿った端部の一つとを結合させることを更に含んでいる。
【0038】
幾つかの態様において、延伸ステップは、軸方向位置の中間位置において、ガーメント圧迫力の最大値を示す。
【0039】
本発明は、圧迫ガーメントの製造方法をも提供するものである。本発明の圧迫ガーメントの製造方法は、部分的に、圧迫ガーメントの寸法図に基づき、圧迫ガーメント部分の様々な軸方向の位置において、様々な円周方向圧迫度を付与するのに必要な複数の円周方向生地の長さを決定することを含んでいる。
【0040】
本発明の圧迫ガーメントを製造する方法は、均一な弾性を有する単層の伸縮性生地に裁断して、伸縮性生地の少なくとも1枚の生地パネルであって、隣接する直線又は湾曲部分に関して角度をもった少なくとも1つの直線セグメントを含む少なくとも1つの非線形縁部を有するパネルを製造することを含んでいる。
【0041】
更に、本発明の圧迫ガーメントを製造する方法は、少なくとも1つの非線形縁部を、更に別の単一層の伸縮性生地の別の縁部に結合させ、各生地パネルが、一つの長手方向端部から、圧迫ガーメント部分の対向する長手方向端部に完全に延びるように、圧迫ガーメント部分の軸に沿って延びる縫い目を形成することを含んでいる。
【0042】
更に、本発明の圧迫ガーメントを製造する方法の幾つかの態様において、様々な円周方向の圧迫は、圧迫ガーメントを普通の着用者が着用して、圧迫ガーメントが延伸状態にある時、大きくなり、次いで小さくなり、次いで軸方向位置の3つの連続した軸方向位置の少なくとも1つのグループに沿って大きくなる圧迫値を含んでいる。
【0043】
更に、本発明の圧迫ガーメントを製造する方法の幾つかの態様においては、様々な円周方向圧迫度は、少なくとも1つの軸方向位置において圧迫度ゼロ(0)を含んでいる。
【0044】
更に、本発明の圧迫ガーメントを製造する方法の幾つかの態様においては、様々な円周方向圧迫度は、軸方向位置の中間位置において、最大圧迫を含んでいる。
【0045】
幾つかの態様において、本発明の圧迫ガーメントを製造する方法は、複数の円周方向生地の長さを計算し、式(1)に従って、複数の様々な軸方向位置のそれぞれの位置において、着用者によって着用された円周方向ガーメント部分が延伸状態にある場合に、着用者の肉体部分に影響を及ぼす好ましいガーメント圧Pを提供する。
Pi=(20ΠFi)/Ui (1)
但し、圧迫ガーメント部分の複数の様々な軸方向位置の対応する一つと関連している各測定点iにおいて、P=ガーメント圧(kPa)、F=ガーメント圧迫力(N/cm)、及びU=円周方向の肉体長さ(cm)、但し、前記裁断は計算に基づく。
【0046】
幾つかの態様において、本発明の圧迫ガーメントを製造する方法は、単層の伸縮性生地の少なくとも1枚のパネルを使用して、モデルとしての円周方向ガーメント部分を製造すること、複数の様々な軸方向位置のそれぞれにおける、弛緩状態にある前記モデルの円周方向ガーメント部分の応力緩和した円周方向の長さを測定すること、前記モデルの円周方向ガーメント部分を、それぞれの軸方向位置における円周方向の長さが予め分かっている肉体部分モデルの上に載置することによって、前記モデルの円周方向ガーメント部分を延伸し、複数の延伸した円周方向の長さを提供すること、前記モデルの円周方向ガーメント部分のそれぞれの軸方向位置におけるガーメント圧Pを測定すること、及び測定したガーメント圧Pに基づくガーメント圧迫力Fを算出することを含んでいる。
【0047】
幾つかの態様において、前記製造方法は、前記延伸した円周方向に長い生地及び応力緩和した円周方向に長い生地を使用して、それぞれの軸方向位置における延伸率を計算すること、伸縮性単層生地の応力-歪み曲線及びそれぞれの軸方向位置における算出した延伸率を使用して、それぞれの軸方向位置における生地圧迫力を決定すること、計算したガーメント圧迫力Fを、決定した生地圧迫力fと比較して、縫い目補正率を決定すること、
それぞれの軸方向位置における望ましいガーメント圧迫を生成するのに必要なガーメント圧迫力Fを決定すること、必要なガーメント圧迫力Fに前記縫い目補正率を乗ずることによって、必要なガーメント圧迫力Fを、それぞれの軸方向位置における生地圧迫力fに変換すること、及び前記必要な生地圧迫力f及び応力-歪み曲線を使用して、円周方向生地長さを決定することを更に含んでいる。
【0048】
前記製造方法の幾つかの態様において、肉体部分モデルは、圧迫ガーメントの望ましいサイズに関連した寸法チャートを表わす寸法を含んでいる。
【0049】
前記製造方法の幾つかの態様において、前記計算は、単層伸縮性生地の応力-歪み特性、製造業者が特定した寸法チャート、及び複数の様々な軸方向位置のそれぞれにおける望ましい圧迫レベルに基づいて実行される。
【0050】
前記製造方法の幾つかの態様において、前記少なくとも1枚のパネルは、単一のパネルである。
【0051】
前記製造方法の幾つかの態様において、伸縮性単層生地は、デニムである。
【0052】
前記製造方法の幾つかの態様において、前記伸縮性単層生地はデニムであり、圧迫ガーメントは、1対のパンツを含んでおり、圧迫ガーメント部分は、前記対のパンツのパンツ脚部を含んでいる。
【0053】
幾つかの態様において、前記製造方法は、非弾性生地で製造された円周方向ガーメント部分を、圧迫ガーメント部分の長手方向両端部の一つに、かつ軸に沿って接合することを更に含んでいる。
【0054】
本発明は、さらに本発明の製造方法及び幾つかの態様によって製造された不均一性の円周方向圧迫力を有する圧迫ガーメントを提供するものである。
【発明の効果】
【0055】
様々な多重生地パネルを縫い合わせて製造されていた従来の圧迫ガーメントは、多重縫い目が様々な箇所にあり、かつ多重縫い目が集まって、全体として、着用者を不快にさせ、審美的に満足できるものではなかった。他方、本発明の圧迫ガーメントは、均一な弾性を有しており、少なくとも1枚の生地パネルを含んでいる単一層の伸縮性生地だけで製造された円周方向部分から構成されているので、医療用及びスポーツ用としての圧迫ガーメントの本来の機能はもとより、ファッショナブルな日常着としても着用することができる副次的な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明を何ら制限するものではない実施例、及び添付した図面を参照することにより、以下の詳細な説明から、本発明をよく理解しうると思う。
図1】結合して1対のジーンズ用パンツ脚部を製造することができる2枚の伸縮性生地を示す図。2枚の伸縮性生地は、それぞれ、本発明の構成によって裁断された幾何学的形状を有している。
図2】結合して1対のジーンズ用パンツ脚部を製造することができる2枚の伸縮性生地の別の態様を示す図。2枚の伸縮性生地は、それぞれ、本発明の構成によって裁断された幾何学的形状を有している。
図3】結合して1対のジーンズ用パンツ脚部を製造することができる2枚の伸縮性生地の更に別の態様を示す図。2枚の伸縮性生地は、それぞれ、本発明の構成によって裁断された幾何学的形状を有している。
図4】従来技術によって裁断されたパンツ脚部と、本発明によって裁断されたパンツ脚部の一部分である生地のパネルの一態様との比較図。
図5】一緒に結合されて、本発明の一態様によるパンツ脚部を形成する、図1に示した2枚の伸縮性生地の図。
図6】普通の着用者が着用するべく、本発明によって製造された圧迫ガーメントのパンツ脚部を示す図。
図7】非弾性材料で製造された円筒形ガーメント部分に結合された伸縮性弾性材料で製造された円筒形圧迫ガーメント部分で製造されたガーメント部分を示す図。
図8】本発明によって製造された圧迫ガーメントの圧迫ソックスの一例を示す図。
図9】本発明による圧迫ガーメントを製造するのに使用する方法を示すフローチャート。
図10A】本発明による圧迫ガーメントを製造するのに使用する方法の更なる詳細を示すフローチャート。
図10B】本発明による圧迫ガーメントを製造するのに使用する方法の更なる詳細を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の、幾つかの態様により、伸縮性生地で製造された圧迫ガーメントが提供される。このガーメントは、着用者の肉体部分を包む少なくとも1つの円周方向部分を備えている。幾つかの態様では、前記ガーメント又はガーメントの少なくとも円周方向部分は、単一の生地で製造されている。
【0058】
本発明の効果的な幾つかの態様によれば、伸縮性生地自体は、均一性、即ち一定の弾性を有している。一方、他の態様では、弾性は、生地全体で変化する。ガーメントは、デニムガーメントが好ましい。本発明の効果的な幾つかの態様によれば、圧迫ガーメントは、1対のソックス又は1対のパンツ或いはズボンである。ガーメントの圧迫は円周方向に作用する。前記ガーメントの圧迫は、ガーメントの円周方向全体に均一か、又は、ガーメントが、普通の着用者によって着用された時、即ちガーメントが伸びて、ストレスを受けた時、円周方向部分の異なった軸方向位置に沿って変化し得る。
【0059】
圧迫ガーメント全体に均一に圧迫する円周方向ガーメント、又は圧迫ガーメントの軸方向位置に沿って効果的に変化し得る圧迫値を有している円周方向ガーメントは、軸方向又は長手方向に沿って相互に結合される複数の生地ピースを必要としない。むしろ、横方向に結合されて、長手方向に延びる単数または複数の縫い目を形成する1枚の生地ピース、又は2枚以上の生地ピースを使用して、均一又は様々な軸方向位置で効果的に変化し得るガーメント圧迫を生成することができる。単数の生地パネル又は複数の生地パネルのそれぞれは、円周方向部分の長手方向の一端から、対向する長手方向端部まで完全に延びている。明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を通じて、用語「円周方向部分」「管状部分」、又は「円筒形部分」は、互換的に使用され、脚、腕、足、足首、手首、前腕、胴、又はそれらの部分のような着用者の肉体部分の周りに着用されるガーメント又はガーメント部分を意味する。幾つかの態様では、多重生地パネルは、着用される伸縮性生地タイプから製造される。即ち、生地パネルは、それぞれ、均一の弾性を有する生地のような同じ材料で製造され、結合されて、圧迫ガーメントの筒状部分になる。
【0060】
本発明によって、ヒト又は他の動物の血行不良、リンパ腫、血栓症、又は他の静脈、及びリンパ系機能障害を治療する方法が提供される。この方法は、本発明の種々の特徴による圧迫衣服を製造すること、及び治療用の圧迫ガーメントの円周方向部分を着用する着用者を含んでいる。
【0061】
本発明は、前述したガーメントを、ヒト又は他の動物の血行不良、リンパ腫、血栓症、又は他の静脈及びリンパ系機能障害の治療へ使用することを含んでいる。
【0062】
本発明により、寸法を計算して、対応する幾何学的裁断片を形成し、望ましい寸法、及び種々の軸方向位置において望ましいガーメント圧迫を伴った円周方向ガーメント部分を製造する方法が提供される。
【0063】
圧迫ガーメントは、円周方向部分の様々な軸方向位置において、複数の円周方向バンドを有していることを特徴とする。前記の「バンド」の全ては、単又は複数の同じ生地材料で製造されており、用語「バンド」は、単に、軸方向、即ち筒状ガーメント部分の長手方向に沿って限定された長さを含んでいる筒状ガーメント部分の軸方向位置を意味しているに過ぎない。換言すれば、いわゆる「バンド」の軸方向位置とは無関係に、バンドは、単に、ガーメントの様々な軸方向位置を表している。本発明の態様において、バンドは、全て単一の生地材料で製造されており、円周方向部分は、1枚の生地パネルで製造されているか、それぞれ、同じ円周方向に結合されている2枚のパネルで製造されており、結合されて円周方向部分を形成する。幾つかの態様において、円周方向部分のパネルは、円周方向部分の長手方向端部から、対向する長手方向端部まで完全に延びている。円周方向バンドは、円周方向部分の様々な軸方向位置に沿って変化する圧迫値を付与するように、即ち、円周方向バンドは、様々な軸方向位置で様々な圧迫値を付与するように製造することができる。円周方向部分は、様々な軸方向位置で、望ましい圧迫度を発揮するように製造される。幾つかの軸方向位置は、同じ圧迫度を含んでいるが、適用される圧迫は、円周方向部分の全体に亘って、全ての軸方向位置で同じではない。普通の着用者が圧迫ガーメントを着用した時、円周方向バンドは、様々な伸縮度を示すか、又は同じ伸縮度を示す。幾つかの態様では、様々な軸方向位置において、様々な伸縮度を示し、結果として、適用される圧迫は様々なものとなる。更に、幾つかの態様において、以下に記載するように、同じ伸縮度によって、様々なガーメント圧迫が生成される。
【0064】
「伸縮度」は、応力緩和状態の生地の長さに対する特定時間の生地の伸張長さを意味する。
【0065】
明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書で使用する用語「着用者」、及び表現「普通の着用者」は、主として、特定のガーメントサイズ及びタイプに関して、正常な形状、サイズ、及び相対サイズ範囲、即ち、特定のガーメントタイプ及びサイズを着用するヒトにとって、平均的又は正常な範囲内にある形状、サイズ、及び相対サイズで規定された解剖学的構造を有しているヒトに対して使用する。幾つかの態様において、普通の着用者とは、肉体部分の寸法が、特定のガーメントの特定サイズに関するサイズ、又は寸法チャートに等しい肉体部分寸法を有している着用者である。
【0066】
ガーメントの圧迫は、普通の着用者がガーメントを着用した時、即ち圧迫ガーメントの円周方向部分が延びて、応力が掛かった状態にある時に発揮される。
【0067】
本発明は、生地を幾何学的又は他の形状に裁断して、生地の少なくとも1枚のパネルを形成する。前記パネルは、少なくとも1つの非線形縁部を有している。非線形縁部は、ギザギザの鋭角部分、即ち互いに角度がある直線部分を含んでいてもよく、さらに、又は湾曲部分を含んでいてもよい。パネルは、別のパネル又は同じ生地パネルの別の縁部と接合されて、圧迫ガーメントの円周方向部部分を形成する。パネルは、それぞれ、円周方向部分の1つの長手方向端部から、別の長手方向端部に延びている。
【0068】
一つの態様において、生地の弾性は、生地全体で均一であり、形成されたガーメントは、着用者が着用した時、様々な円周を有する解剖学的構造位置を含む全ての位置で均一な圧迫を発揮する。均一な弾性ガーメントに関するこの態様において、幾何学的裁断により、ガーメントに沿った種々の位置において、特定の生地寸法及び圧迫レベルが形成されるので、伸縮度は、様々な軸方向位置において変化し、円周方向部分全体で同じガーメント圧迫を発揮する。換言すれば、様々な位置における均一な圧迫は、本発明の態様によって使用者がガーメントを着用した時、ガーメントが様々な伸縮度を与えるように寸法設計することによって与えられる。圧迫は、円周方向で、ガーメントによって作用される力である。
【0069】
効果的な態様において、生地の弾性は、生地自体の全体に均一である。一方、圧迫は、普通の着用者が着用した時、伸縮度が様々な、又は同じであるので、円周方向部分の様々な位置において異なっている。
【0070】
本発明は、均一、即ち一定の、又は不均一な弾性を有する伸縮性生地、及び生地を幾何学的又は他の形状に裁断して、生地の少なくとも1枚のパネルを製造する方法をも提供するものである。幾何学的裁断は、生地及び製造しようとするガーメントに関する種々の要素を考慮した計算によって決定される。製造される生地は、少なくとも1つの非線形縁部のような様々な形状を含む縁部を有していてもよく、また、エンジニヤリングパターン設計によって決定される種々の位置において、特定の寸法を有している。
【0071】
パネルは、別のパネル又は生地パネルの別の縁部と結合されて、1本の縫い目、及び圧迫ガーメント又は圧迫ガーメントの円周方向部分を形成する。圧迫ガーメント又は圧迫ガーメントの円周方向部分は、生地の弾性が、生地全体で均一又は異なっている態様を含めて、全ての軸方向位置で圧迫が均一である。圧迫ガーメントの円周方向部分は、円周方向部分の長手方向に沿って配置され、かつ相互に結合されている複合的な生地パネルを必要としない。
【0072】
圧迫ガーメントは、円周方向部分を備えている。前記円周方向部分は、着用者の肉体を包み、かつ軸方向に沿った様々な位置、従って、着用者が着用した時、様々な円周方向長さを有するヒト解剖学的構造の様々な位置に対して算出された望ましいガーメント圧迫度を有している。
【0073】
裁断は、ガーメントを着用した時、望ましい延伸度を付与し、かつガーメントの様々な位置において望ましい圧迫効果を発揮するように計算した様々な位置における特定のガーメント寸法を提供する工学的パターン設計に基づいて実行される。幾何学的裁断によって、1つ以上の特注の縁部を有する生地パネルが製造される。生地パネルを使用し、生地パネルの2つの縁部を一緒に結合して円周方向部分を形成することによって、圧迫ガーメントを製造した場合、着用した時、円周方向部分は、様々な位置において、望ましい圧迫度を発揮する。
【0074】
円周方向位置で発揮される圧迫は、生地のタイプ、ガーメントの延伸度、更には、ガーメントの特定の位置における着用者の解剖学的構造の周囲に依存している。
【0075】
着用者の肉体部分に作用する圧迫、即ちガーメント圧Pは、下記の式(1)から算出される。
Pi=(20π*Fi)/Ui (式1)
但し、
P=測定点(i)におけるガーメント圧迫(kPa)
F=測定点(i)におけるガーメント圧迫力(N/cm)
U=測定点(i)におけるガーメントの周長(cm)
【0076】
ガーメント圧迫は、着用者がガーメントを着用した時のように、ガーメントが延伸された状態の時に発揮される。この状態において、U、即ち測定点iにおけるガーメントの周長は、測定点iにおける肉体部分の周長と同じである。ガーメント圧迫力(F)は、ガーメントの延伸度で決定される。延伸度は、延伸度の函数としてガーメント圧迫力を示す応力-歪み曲線を使用して、ガーメント圧迫力(F)に変換される。
【0077】
延伸度は、ガーメントの弛緩状態の長さよりも、延伸されたガーメントの長さに依存していて、かつ特定の測定位置(i)における着用者の解剖学的構造の寸法に依存している。延伸度が決定されると、延伸度を、特定の生地に関連した応力-歪み曲線と協働して使用し、ガーメント圧迫力(F)値を得る。式(1)は、脚の周長(U)が異なっている位置で、様々な延伸度が同じガーメント圧迫(P)を発揮できることを示している。
【0078】
幾何学的裁断を決定するのに使用する計算は、多くのファクタに基づいており、様々な式又はアルゴリズムを使用して、様々な位置における望ましい圧迫を生成する幾何学的裁断を行なうことができる。
【0079】
ファクタには、生地の応力-歪み特性、サイズ、又はブランドに基づくガーメントの寸法チャート、縫い目の補正、及びその他様々な補正要素、及び圧迫標準規格等がある。望ましい圧迫は、望ましい圧迫等級、及び様々な他の要因に基づいている。前述した内容及び要素を考慮した様々なアルゴリズム及び数式を使用して、多様なダイアグラムが形成される。
【0080】
本発明の態様によって、多種類の圧迫ガーメントが製造される。ガーメントの円周方向部分とは、袖スリーブ又は膝スリーブ及び脚スリーブのようなスリーブ、靴下、シャツ、カラー、またはその他様々な部分である。幾つかの態様において、圧迫ガーメント自体は、円周方向ガーメント、即ち、ソックス、又は複数の膝スリーブ及び複数の脚スリーブのように、着用者の1つの肉体部分を包むガーメントである。本発明の幾つかの態様は、着用者の膝にまで延びる圧迫ソックスを提供するが、違う長さの圧迫ソックスも提供する。幾つかの態様において、「圧迫ソックス」は、実際に、着用者の足首から膝まで達するスリーブである。即ちそれらは、着用者の足まで覆うものではない。本発明の幾つかの態様は、手首サポート、肘サポート、膝サポート、又は足首サポート等圧迫装具を提供する。幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、1対のタイツである。幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、普段着のファッションガーメントである。幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、1対のパンツ又は伸縮性デニムで製造されたジーンズであって、多くの態様において、デニムパンツは、足首で圧迫度が大きく、それぞれのパンツ脚部に沿って上に向かって圧迫度が小さくなっている。他の態様において、圧迫ガーメントは、1対のパンツ又は伸縮性デニムで製造された圧迫ソックスであり、円周方向に発揮される圧迫力度は異なっている。
【0081】
図1は、生地の2枚のパネルを示している。これらは結合されて、1対のパンツ又はジーンズの脚部を形成する。図1は、結合してパンツ脚部を形成する生地の2枚のパネルを示しているが、様々な別の態様において、本発明に従ったガーメント長計算及び幾何学的裁断を使用して製造された生地パネルを使用して、圧迫ソックス又はスリーブ、或いは前述した他のガーメントのような別の円周方向ガーメント、及び円周方向ガーメント部分を製造できることを理解されるべきである。他の態様では、1枚のパネル又は複数のパネルを、様々な他の形状とし、かつ使用して、様々な他のガーメント及びアパレルを製造することができる。
【0082】
図1に示す前方パネル2及び後部パネル4は結合されて1対のズボン、即ちジーンズ又はパンツのパンツ脚部を形成する。前方パネル2は、裁断縁部6によって画定されており、後部パネル4は、裁断縁部8によって画定されている。図示した態様では、前方パネル及び後方パネル4は、それぞれ、生地10で形成されている。生地10は、前述した適切な伸縮性生地なら如何なるものでもよい。効果的な態様では、生地10は、生地全体で弾性が一定であることを特徴としている。均一の弾性の幾つかの態様では、縦糸方向の弾性は、横糸方向の弾性とは異なっていてもよい。他の態様では、縦糸方向及び横糸方向の弾性は同じである。他の複数の態様では、弾性は生地10全体で違っている。幾つかの態様において、生地10は、未処理の生地である。幾つかの態様において、生地10は、表面塗布していない生地である。幾つかの態様において、生地10は、未処置及び表面塗布していない生地である。別の態様においては、2枚以上の生地パネルが、生地10、即ち均一の弾性を有する同じタイプの生地から製造される。これら2枚のパネルは結合されて、圧迫ガーメントの円周方向部分を形成する。各パネルは、形成された円周方向部分の全長に沿って延びている。前述した又は後述する幾つかの態様において、前方パネル2、及び/又は後方パネル4は、均一な弾性、又は不均一な弾性を有している。
【0083】
幾つかの態様において、生地10は、本発明に従って製織された生地である伸縮性生地であると効果的である。生地10は、非弾性又は弾性ファイバーを含んだ混合製織生地材料でもよい。様々な効果的な態様に従って、生地10は伸縮性製織デニムであるが、他の態様では、生地10は、様々な他の適切な伸縮性生地の1つであればよい。
【0084】
生地10は、エラスタン及びスパンデックス、及びその他類似の材料の様な高弾性率の様々なタイプの弾性繊維で製造される。生地10は、単層又は単一レベルの材料が効果的的である。生地10に使用され、かつ低弾性率の繊維としては、天然の繊維、及びポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリエステルのような合成繊維、及びPBTのようなエラストマルチエステル,及びバイオコンポーネントポリエステルポリ(トリメチレンテレフタレート)/ポリエチレンテレフタレート(PTT/PER)が例示される。確認された弾性繊維は、単なる例であって、様々な態様においては、様々な別の適切な弾性繊維又は様々な弾性繊維の組み合わせを使用して生地10を製造することができる。弾性繊維は、同じ又は様々な弾性率を有する同じ又は様々な繊維で製造される。幾つかの態様において、2種類の弾性繊維を使用して、生地10のヤーンが製造されるが、前記弾性繊維の1つは、原長の400%まで伸びる伸張度があり、他の1つの弾性繊維は、原長の約20%しか伸びない低伸張性繊維である。別の態様では、生地10を製造するのに使用される繊維は、様々な弾性率を有している繊維の組合わせである。幾つかの態様において、軟質セグメント及び硬質セグメントを組み合わせた構成を有していて特別な弾性を有する熱可塑性エラストマー及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)が使用される。多種多様な弾性ポリウレタン材料が、集合的にエラスタンと使用される。
【0085】
生地10は、生地材料の単層である。生地10は、結合されて複合繊維をはじめとして様々なヤーンを形成する様々な繊維から製造される。幾つかの態様においては、非弾性及び弾性繊維は、生地10の縦糸方向及び横糸方向の両方に伸びる。幾つかの態様においては、弾性材料は、モノフィラメント及び/又はステープルファイバーに紡糸され、そのまま、又は他の繊維と一緒にヤーンとして使用される。幾つかの態様においては、生地10は、1つ以上の弾性繊維の弾性コアを含んでおり、かつ前記コアを覆う非弾性シースを有する弾性ヤーンで製造される。一つの特定の態様においては、弾性コアは、原長の400%の伸張度ある高弾性繊維と、原長の約20%の伸張度の低弾性繊維の2本の弾性繊維を含んでいる。他の態様においては、生地10を製造するのに使用される繊維は、様々な弾性率を有する繊維の組み合わせである。非弾性シースは、コットン、又は他の天然繊維或いは合成繊維で製造される。弾性特性を有する1本以上の複合繊維を含伸縮性コアと、絶縁性シース被覆を組み合わせることによるヤーンを製造する方法は、米国特許出願公開第2013/0260129号明細書に開示されている。なお、米国特許出願公開第2013/0260129号明細書に記載されている内容の全ては、本明細書の一部を構成するものとして援用する。弾性コアヤーンを使用する幾つかの態様において、コアは、1本以上の複合繊維の1束を含んでおり、その内の幾つか又は全ては、弾性繊維である。コアを形成する繊維は、撚り、混合、又は同時押し出しによって一緒に結合される。繊維を交絡する態様において、繊維は様々な交絡度に交絡される。弾性コアは、1つ以上のコア繊維によって付与される優れた回復性、及びレジリエンス性を特徴としている。
【0086】
コア繊維紡績技術及びリング繊維紡績技術は、繊維産業界で、周知の汎用技術であり、それぞれ様々な性質を有する2本以上の繊維を結合して、1本のヤーン構成体を形成する技術を含んでいる。繊維を紡糸して、ヤーンを製造するその他の多種多様な方法を使用して、生地10を製造することができる。
【0087】
生地10は、本発明の様々な態様によって、圧迫ガーメントを製造するために使用することができる下記の生地で製造することもできる。非染色生地、及びインディゴ、反応性、ピグメント、及び硫黄後染め化工生地のようなあらゆるタイプの染色生地を、生地10として使用することができる。ビスコース、レーヨン、モダル、キュプラ(テンセルのような有枝鎖繊維)のようなセルロース系繊維と、コットンとのブレンドのような繊維を有する生地を生地10として使用することができる。リネン、ウール、カシミア等のような天然繊維の混合繊維を生地10として使用することができる。本発明の態様により、コットンと、ポリエステル、pbt(ポリブチレンテレフタレート)、ナイロン6.0、ナイロン6.6[例、コーヂュラ(CORDURA(登録商標))、T400(登録商標)等]のような人造繊維との混合繊維を使用して生地10を製造することができる。ポリエステル、ナイロン等のようなステープル又はフィラメント繊維のような繊維を使用して製造された様々な生地も使用することができる。上述した繊維と共に製造された平織、綾織、キャンバス(パナマ)、サテン、及びドビータイプの織布等様々なタイプの織布を使用して、生地10を製造することができる。横糸方向、縦糸方向、及び横糸及び縦糸両方向にエラスタンを使用した伸縮性織布、又はエラスタン、pbt(ポリブチレンテレフタレート)、T400(登録商標)、ポリエステル等のような弾性繊維との伸縮性メリヤス生地も使用できる。幾つかの態様において、生地3は、生地質量が1oz/sqyd(33.906gr/sqm)~14oz/sqyd(474gr/sqm)の生地であるが、他の態様では、様々な生地質量も使用される。
【0088】
幾つかの態様において、前方パネル2及び後方パネル4は、両方とも、前述した生地10で製造される。幾つかの態様では、前方パネル2及び後方パネル4は、同じ生地で製造される。生地、即ち生地10は、均一な弾性を有している点が有利である。別の態様では、前方パネル2だけ、又は後方パネル4だけが前述した生地10で製造されており、前方パネル2及び後方パネル4の他方は、別の生地材料で製造されている。
【0089】
本発明の一態様によって、均一な弾性を有する生地10で製造された1枚のパネルを、様々な材料の生地に結合させて、パンツ脚部又は他の円周方向圧迫ガーメント又はガーメント部分を製造して、円周方向圧迫ガーメント又はガーメント部分が、それぞれの軸方向位置で、同じ生地パネル又は複数枚の生地パネルで製造して、即ち、各パネルが、円周方向圧迫ガーメント又はガーメント部分の一方の長手方向端部から他方の長手方向端部まで、完全に延びているように製造する。
【0090】
更に、図1を参照して説明する。前方パネル2は、裁断縁部6で画定されていて、かつ長手方向、即ち、結果として前方パネル2の軸方向(軸方向28)全体において、前方パネル2は、対向する縁部6A及び6Bで画定されている。同様に、後方パネル4は、裁断縁部8で画定されていて、かつ長手方向、即ち、結果として後方パネル4の軸方向全体において、後方パネル4は、対向する縁部8A及び8Bで画定されている。前方パネル2及び後方パネル4の寸法、即ち対向する縁部6A及び6Bの間の距離、及び対向する縁部8A及び8Bの間の距離は、パネル2及び4が結合されてパンツ脚部を形成する時、それぞれ、本発明の技術的パターン設計に基づいて決定され、望ましい圧迫効果及び望ましい円周方向寸法を与えるように設計される。様々な位置の寸法が決定されると、幾何学的裁断を行なって、図5に示すように、寸法が決定される。
【0091】
別の態様では、単一パネルを使用して、縫い目が1本だけのパンツ脚部を形成し、寸法を決定するための幾何学的裁断をして、単一パネルを形成する。この態様によれば、単一パネル材料は、対向する長手方向縁部を有しており、対向する長手方向縁部は、互いに結合されて、1本の縫い目を形成し、それによって、円周方向圧迫ガーメント、即ちパンツ脚部を形成する。
【0092】
再度図1を参照して説明する。様々な態様により、生地10は、単層、即ち、一重の生地で、1枚以上の生地10のパネルで製造された円周方向部分は、生地10の1枚のパネル又は生地10の複数枚のパネルから構成されており、これらは、1つ以上の軸方向に延びている縫い目で、一緒に結合される。円周方向部分は、圧迫性円周方向部分で、即ち、普通の着用者が着用して応力が負荷された時、圧迫を付与する。圧迫性円周方向部分は、圧迫力を加え、パネルには十分な重なり部分は無い。然しながら、当然、縫い目は、2枚の生地パネルの間に僅かな重なり部分を含んでいる。本発明の様々な態様において、ロックスティッチ、チェーンスティッチ、セーフティスティッチ、サージングスティッチ、重なりスティッチ、ジグザグスティッチ、カバースティッチ、ブラインドスティッチ、メロースティッチ、フラットロックティッチ、接着テープによる熱シームシール、超音波ウェルディング、レーザーウェルディング、又はそれらの多様な組み合わせ等様々なタイプの縫い目を使用することができるが、これらに限定されない。伸縮性織布生地の単層で製造された圧迫性円周方向部分は、如何なる弾性ストラップ、又は圧迫性円周方向部分に付着又は圧迫性円周方向部分に積層されたその他の圧迫性機能、又はストラップが無いことを特徴としている。圧迫性円周方向部分も、生地の平面に鋭角又は直角方向に延びかつ不均等な厚さを有する生地を形成する如何なる生地又は延長部分を含んでいない。
【0093】
前述した様々な態様において、後方パネル4及び前方パネル2のような2枚のパネル又は単一パネルは、それぞれ長手方向の長さ、即ち長手方向28に沿ったガーメントの長さ、即ちパネル2及び4だけで製造された円周方向部分の一方の長手方向端部21から対向する長手方向端部にまで完全に延びている。
【0094】
幾つかの態様によって、均一な弾性を有する同じ生地の多重パネルを配置し、長手方向に沿って完全に延ばし、円周方向圧迫ガーメントを製造する。換言すれば、均一な弾性を有する生地10を多重生地パネルに裁断し、それを結合して、圧迫ガーメントの円周方向部分を形成し、それぞれの多重生地パネルを圧迫ガーメントの円周方向部分の一方の端部から他方の端部へ延ばし、円周方向に付与される圧迫を、生地パネルで製造された円周方向部分だけで、即ち、内部又は外部の圧迫性ストラップ又はその他の装具によらずに生成する。
【0095】
図1に示した態様において、前方パネル2及び/又は後方パネル4を、生地10の繊維の縦糸方向及び横糸方向に対して様々な角度で裁断する。前方パネル2の対向する縁部6A及び6Bは、図示した態様のように、生地10の幾何学的裁断によって形成される非線形縁部である。また、図示した態様のように、後方パネル4の対向する縁部8A及び8Bは、生地10の幾何学的裁断によって形成される非線形縁部である。用語「非線形」は、それぞれの縁部の一つ以上が多重線形セグメントを含んでいたとしても、それぞれの縁部は連続した線形縁部ではないこと、即ち連続した直線縁部ではないことを意味する。幾つかの態様において、前方パネル2及び/又は後方パネル4は、ギザギザがある形状であり、前方パネル2及び後方パネル4の縁部は、徐々に滑らかになっている。他の態様では、対向する縁部の一方は直線の縁部で、他方の縁部は、大げさに裁断されている。
【0096】
様々な態様において、縁部6A、6B、8A及び8Bは、多くの直線部分セクション、及び多くの湾曲部分セクションを含んでいる。幾つかの態様において、直線部分は、互いに角度をもった隣接する直線部分を含んでいる。従って、それらは結合して、連続した直線縁部を形成しない。幾つかの態様において、1つ以上の縁部6A、6B、8A及び8Bは、多くの直線縁部だけで形成された非線形縁部である。幾つかの態様において、1つ以上の縁部6A、6B、8A及び8Bは、直線部分と接続した少なくとも1つの湾曲部分を含んでいる。幾つかの態様において、全ての縁部6A、6B、8A、及び8Bは、連続した湾曲縁部である。幾つかの態様において、全ての縁部6A、6B、8A、及び8Bは、連続した直線縁部である。幾つかの態様において、対向する縁部、例えば後方パネル4の対向する縁部8A及び8Bは、互いに平行である。
【0097】
このことは、前方パネル2及び/又は後方パネル4に関しても言えることである。他の態様では、対向する縁部、例えば、前方パネル2の対向する縁部6A及び6Bは、それぞれ直線で、互いに対して角度をもっている。これは、前方パネル2及び/又は後方パネル4に対して適用する。幾つかの態様では、1つ以上の縁部6A、6B、8A、及び8Bは、湾曲部分及び直線部分の両方を含んでおり、直線部分は、パネルの大部分の長さ、即ち位置12から位置24へ沿って延びている。縁部6A、6B、8A及び8Bは、それぞれ、ジグザグ又は曲がったような様々な非線形形状であってもよく、非線形縁部の形状は、規則的な反復セクション又は不規則な縁部を含んでいる。
【0098】
図1において、前方パネル2及び後方パネル4は、それぞれ、多くの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26を持つように示してある。これらは、本発明の特徴を説明するのに役立つように、幾分自由に描いてあり、8つの位置は、例示的目的で記載したものである。幾つかの態様において、測定位置は、ガーメントの寸法を計算するための業界標準位置を表わしている。望ましい圧迫を生成するのに必要なガーメント長は、12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれに対して算出され、生地は、その算出に従って裁断される。様々な態様により、このようにして同定されたいずれの「位置」において、図示した寸法及び生地材料の弾性又は他の特徴が、それぞれ、即ち前方パネル2及び/又は後方パネル4全体で一定であること以外には、生地材料における物理的な違いは無い。
【0099】
再度、式(1)を参照して説明する。12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置は、測定点「i」で表わされる。測定点「i」において、圧迫(P)及び望ましいガーメント長が計算される。既に記載した通り、他の態様では、計算は、例示した8つの位置の代りに、その他様々な位置で実施される。
【0100】
図1において、前方パネル2は、図示した非線形の対向する縁部6A及び6Bと関連した様々な位置12、14、16、18、20、22、24、及び26において特定の幅を有している。後方パネル4は、図示した非線形の対向する縁部8A及び8Bと関連した様々な位置12、14、16、18、20、22、24、及び26において特定の幅を有している。任意に記載した8つの領域12、14、16、18、20、22、24、及び26は、それぞれ対向する縁部の特定の形状、配置又は位置に関連づけて記載されている。
【0101】
複数の態様において、より多くの数の指定された領域が使用され、多くの数の特定の幅が決定される。従って、指定した領域間には、多くの数のセグメントが存在し、曲がった縁部のように、皺を伸ばしたように見える滑らかな縁部が形成される。
【0102】
図2は、前方パネル及び後方パネルの対向する縁部を形成するのに使用される幾何学的裁断を示している。図2において、前方パネル102は、図示したように、対向する縁部106A及び106Bに関連した様々な位置112、114、116、120、122、124、及び126において特定の幅を有している。対向する縁部106A及び106B部分は、直線で、かつ互いに角度をもっていて、対向縁部106A及び106B部分は、曲がっている。後方パネル104は、図示したように、非線形を特徴とする対向縁部108A及び108Bに関連した様々な位置112、114、116、120、122、124、及び126において特定の幅を有している。記載した8つの領域112、114、116、120、122、124、及び126、それぞれ対向する縁部の特定の形状、配置又は位置に関連づけて記載されている領域であるが、寸法が算出された位置の部分だけを表わしている。例えば、縁部108が曲がっている位置では、互いに接近した複数の位置で多重計算を行なって、滑らかな効果を発揮させた。
【0103】
図2における、112、114、116、120、122、124、及び126の位置、並びに多くの他の位置において、記載に従って決定した幾何学的裁断を行なって、望ましい寸法を出している。即ち、対応する位置112、114、116、120、122、124、及び126において、寸法112R、114R、116R、120R、122R、124R、126R及び寸法112F、114F、116F、120F、122F、124F、及び126Fを出している。幾つかの態様において、112R、114R、116R、120R、122R、124R、及び126Rの大部分又は全ての寸法は、互いに異なっていて、112F、114F、116F、120F、122F、124F、及び126Fの大部分又は全ての寸法は、互いに異なっている。
【0104】
図3は、本発明に成された幾何学的裁断の他の態様を示している。図3において、前方パネル202は、対向縁部206A及び206Bによって画定されており、後方パネル204は、対向縁部208A及び208Bによって画定されているが、ガーメント長さが決定された特定の位置は示していない。縁部206Aは、多重の直線セグメント及び曲がった部分を含んでいる。曲がった部分は、共に直ぐ近くに離隔された軸方向位置であり、ガーメント長さが決定される多数の位置を使用した結果として形成される。縁部206Aは、例えば、隣接する線形セグメント209,221及び213を含んでおり、それぞれ互いに角度をもっており、湾曲部分217に隣接し、湾曲部分217に対して角度を持っている直線セグメント219を示している。湾曲部分215は、線形セグメント213に隣接していて、かつ線形セグメント213に対して角度をもっている。用語「互いに対して角度を持っている」は、それらが共線状ではないことを意味している。縁部206A及び206Bは、それぞれ、縁部208A及び208Bと結合されて、円周方向ガーメントを形成している。軸方向28に沿って観察すると、3つの連続した軸方向位置225、227、及び229に沿って、前方パネル202の幅が広くなり、狭くなっていることが分かる。前方パネル202の幅は、点223から点225へ狭くなり、次いで位置225と位置227の間で大きくなり、さらに位置227と位置229の間で大きくなっている、等々。前方パネル202と後方パネル204を接合して圧迫ガーメントを製造する時、円周方向ガーメント部分の円周方向の長さが、長くなり、かつ短くなることを特徴としている。
【0105】
前述した態様のいずれによっても、対向する縁部6A、6B、8A、8B、106A、106B、108A、108B、206A、206B、208A、208Bは、複数の様々な位置における望ましい寸法を計算することによる特別な値である。
【0106】
再度図1を参照して説明する。12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置において、本発明の態様によって決定された幾何学的裁断を行なって望ましい寸法、即ち、対応する位置12、14、16、18、20、22、24及び26における寸法12R、14R、16R、18R、20R、22R、24R、及び26R、及び寸法12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F及び26Fが決定される。幾つかの態様において、12R、14R、16R、18R、20R、22R、24R及び26Rの大部分又は全ては、互いに異なっている。幾つかの態様において、12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F及び26Fの大部分又は全ては、互いに異なっている。
【0107】
図1において、算出された寸法12R、14R、16R、18R、20R、22R、24R及び26R、並びに寸法12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F及び26Fを設計して、前方パネル2と後方パネル4を結合して縫い目を形成し、普通の着用者が着用した時、望ましい圧迫効果を発揮させるように、円周方向ガーメント部分を製造する。
【0108】
同じく、図2において、算出された寸法112R、114R、116R、118R、120R、122R、124R及び126R、並びに寸法112F、114F、116F、118F、120F、122F、124F及び126Fは、技術的パターン設計に基づいて計算し、前方パネル102と後方パネル104を結合して縫い目を形成し、普通の着用者が着用した時、望ましい圧迫効果を発揮するように、円周方向ガーメント部分を製造する。図示した態様のように、ガーメント又はガーメント部分は、パンツの脚部である。他の態様において、他の円周方向ガーメント又は円周方向ガーメント部分が製造される。用語「円周方向ガーメント又は円周方向ガーメント部分」は、ガーメント又はガーメント部分が、着用者の腕、脚、胴体、足首、膝、肘等の肉体部分を取り囲むという意味である。
【0109】
寸法は、1つの軸、又は長手方向28に沿って連続して長くなっているか、或いは軸方向に沿って長く及び短くなっている。即ち、寸法は、図3に示したように、1つの軸、又は長手方向28に沿って連続して長くも、短くもなっていない。別の言い方をすれば、幾つかの態様において、軸方向28に沿って進むと、エンジニヤード・ガーメントの寸法は、まず、2つの連続した位置の間で大きくなっている。例えば、位置22から20までの間で大きくなり、次いで位置20と18の間で小さくなっている。換言すれば、最小及び/又最大寸法は、中央のどこかにあり、末端位置12又は26のいずれには無い。
【0110】
以下の記載は、図1に示した態様及び図2及び図3に示した態様の両方に適用されるが、表現を簡潔及び明快にするために、図1に関して以下の記載を続ける。
【0111】
算出した寸法を計算して、圧迫ガーメントの円周方向部分の円周方向寸法に沿った全寸を出す。前方パネル2及び後方パネル4の両方を使用する幾つかの態様において、例えば位置14における円周方向寸法の全長は、寸法14F及び14Rの総計である。前方パネル2及び後方パネル4のような2枚のパネルを使用する複数の態様の場合、パネルは接合されて長手方向、即ち、ガーメントの円周方向部分の軸方向に沿って延びる縫い目を形成する。換言すれば、2つのパネルは結合されて、円周方向への縫い目を形成しない。1枚だけのパネルを使用し、対向する縁部を相互に結合する幾つかの態様においては、算出された寸法は、図5に示すように、寸法12c、14c、及び16Cのように、全円周方向の長を表わしている。例えば、後方パネル4だけを使用して、圧迫方向ガーメントの円周方向部分を形成する場合、寸法14F自体は、位置14における円周方向寸法に沿った全寸法を表わしている。
【0112】
再度図1を参照する。対向する縁部6A及び6B、及び対向する縁部8A及び8Bを形成するのに使用される幾何学的裁断を決定するガーメント寸法は、幾つかのファクタに基づいて決定され、多くのファクタは、様々な数学的式又はアルゴリズムに織り込まれる。
【0113】
幾つかの態様において、上述したように、一つのファクタは、生地10の応力-歪み特性である。特定の材料が示す応力と歪みとの間の関係は、特定の材料の応力-歪み曲線として知られている。応力-歪み曲線は、材料毎に固有で、異なった引張り間隔又は圧迫負荷(応力)における変形(歪み)量を記録することによって見いだされる。応力-歪み曲線は、しばしば、最良適合公式によって生成される曲線を使用することで表わされる。最良適合公式曲線が、応力-歪み関係における他のデータポイントの推定を可能にする。これらの曲線は、弾性率(E)を始め多くの性質を示し、幾何学的裁断を決定するファクタと考えられる応力-歪み特性を示す。応力-歪み曲線を使用して生地圧迫力を推定することができ、生地圧迫力(F)を使用して、上述した式(1)の圧迫力(P)を予測することができる。生地圧迫力は、延伸率に基づいている。前記延伸率は、延伸したサイズ、即ち、特定の位置の応力緩和した状態のガーメントの円周方向の長さに対する使用者の解剖学的構造のサイズに依存している。
【0114】
応力-歪み曲線を、既知又は望ましい圧迫(P),測定された生地圧迫力(F)、及び式(1)のUのような既知の解剖学的構造寸法と関連させて使用し、好ましいガーメント圧迫(P)を生成するのに実用な応力緩和したガーメント寸法、例えば、寸法12R、14R、16R、18R、20R、22R、24R及び26Rを決定することもできる。
【0115】
望ましいガーメント圧迫、即ち様々な位置におけるガーメント圧迫を決定するのに考察されるファクタは、望ましい圧迫クラスである。圧迫は、単位ミリメータ水銀(mmHg)で表わされることがあり、かつ様々なカテゴリ又はクラスに分類され、それぞれ、例えば、8-15mmHg、15-20mmHg、20-30mmHg、25-35mmHg、30-40mmHg、40-50mmHg、及び50mmHg以上の圧迫力の範囲を伴っている。幾つかの取り決めによれば、圧迫クラス1は、圧迫20-30mmHgと規定されていて、圧迫クラス2は、圧迫30-40mmHgと規定されており、圧迫クラス3は、圧迫40-50mmHgと規定されており、圧迫クラス4は、50mmHg以上と規定されている。幾つかの取り決めによれば、8-15mmHgを、適度な圧迫と規定していて、15-20mmHgを、中間圧迫と規定している。圧迫クラスに関する他の取り決め、及び定義を使用することができる。然しながら、どのように圧迫クラスを規定したかということとは無関係に、寸法、即ち幾何学的裁断を算出すると考えられるファクタの一つは、特定の肉体部位にとって望ましい圧迫クラスである。
【0116】
望ましい寸法を決定するのに考察されるその他のファクタ、即ちどのようにして、どこを幾何学的に裁断して、様々の位置において望ましい寸法を形成するかは、裁断しようとするガーメントのサイズチャートである。サイズチャートは、製造業者から製造業者へ変化し、又は部分から部分へ変化するが、基本的には、様々の位置におけるガーメントサイズと着用者の解剖学的構造のサイズに関連しており、通常、標準サイズである。例えば、日本におけるサイズ「M」は、米国合衆国におけるサイズ「M」とは異なっており、ヒトの肉体の様々な寸法に関連している。
【0117】
寸法チャートは、ジーンズの特定スタイルのようなサイズチャートに関連する特定のガーメントの特定のサイズを表わしている。寸法チャートは、ガーメントの様々な位置における特定のサイズ及ぶスタイルの特定のガーメントを着用する着用者の解剖学的構造のサイズと関連しており、一人の製造者が製造したとしても、製品毎に異なっている。寸法チャートは、主として、製造者の仕様と製品仕様の両者の仕様であり、本発明では、寸法チャートは、本発明の方法及び原理によって決定され、それぞれガーメントのタイプ及びそれぞれ様々な生地によって変わり得る。
【0118】
特定のガーメントの場合、望ましい圧迫値Pを発揮するのに必要なガーメント寸法の計算は、特定のサイズチャートに関係した普通の着用者の使用サイズ情報、即ち式(1)において張力を計算するための「U」、式(1)の「F」、及び応力-歪み曲線及び延伸したガーメント寸法の使用を含んでおり、望ましい圧迫値を生成するのに必要な応力緩和したガーメントの周囲が決定される。
【0119】
更なるファクタには、縫い目の補正、その他の補正等補正ファクタがある。縫い目補正は、縫い目の形成が、伸縮性ガーメントに作用する衝撃、特に特定の縫い目がガーメントの圧迫特性に作用する衝撃を考慮にいれる。その他の補正ファクタとしては、幾何学的裁断を決定する際のファクタであって、生地の仕様、ブランド、又は製造業者の仕様、又は製造仕様補正ファクタ等のファクタが考えられる。
【0120】
他の態様において考えられる他のファクタは、製造業者又はブランド仕様で選択された圧迫等級、選択された圧迫標準規格、選択されたサイズチャート及びその他のファクタがある。
【0121】
上述したファクタは、種々の組み合わせ、および種々の式、並びに上記方程式(1)のようなアルゴリズムにおいて使用され、様々なガーメント方向におけるガーメント圧縮力F,及びガーメント圧縮荷重Pを評価又は計算することができる。逆に言えば、方程式(1)のようなこれらの方程式も、ガーメント圧縮荷重P及び/又はガーメント圧縮力Fに基づいて,緩和状態にあるガーメントの円周方向長さの計算を可能にする。
【0122】
上記で記載したファクタは、単なる例と考えるべきで、望ましい寸法を決定又は/計算するための様々な数式に関して使用される様々なファクタを制限するべきではない。一旦、望ましいガーメントの寸法を決定したら、幾何学的裁断を行なって、望ましい寸法を出して、着用される圧迫ガーメントの長手方向に沿った様々な位置における望ましい圧迫力及びガーメント圧迫値を発揮する望ましい寸法を決定する。幾つかの態様において、上述した2つ以上のファクタが考察され、かつ他のファクタを関連付けて検討される。幾つかの態様において、様々なファクタを別々に重要視して、幾何学的裁断を行う計算をし、望ましいガーメント寸法が決定される。
【0123】
幾つかの態様において、式(1)又は他の式で示したファクタを使用して、前述した位置のように様々な位置において望ましい圧迫を付与するのに必要な前方パネル2及び後方パネル4の望ましい幅を決定する。生地10を裁断して、確定された位置において決定された寸法を有するパネルを形成する。幾つかの態様において、幾何学的裁断により、対向する両縁部は非線形縁部とされる。幾つかの態様において、本発明に従った機械的なパターン設計に基づいて設計された円周方向の長さをもった幾何学的裁断の結果として、対向する縁部の一方の縁部は、直線又は従来通りの裁断のままで、対向する縁部の他方の縁部は、非線形、又は曲がっているか、或いは部分的に曲がった又は直線である。幾つかの態様において、それぞれのパネル2及び4の対応する縁部に対して相補的な幾何学的裁断を行ない、改良されて簡単な接合として、それぞれのパネル2及び4を、ミシンがけ、又はその他の手段で一緒に接合する。
【0124】
ガーメントの寸法を決定する方法及び機械的パターン設計を使用して、望ましいガーメント寸法を求める一例は、以下の通りである。
【0125】
生地を選択したら、生地の応力-歪み曲線及び生地にとって最適の規格を得る。次に、幾つかの態様において、前記選択した生地で、圧迫ガーメントのサンプルを製造する。このサンプルの圧迫ガーメントは、円周方向、即ち、筒状である。次いで、図1に示したように、位置12、14、16、18、20、22、24、及び26のように多重測定点において、このサンプルの圧迫ガーメントの応力緩和した状態での円周方向の長さを測定する。図1に示した位置12、14、16、18、20、22、24、及び26は、パンツ脚部の測定をするのに効果的な位置ではあるが、これらの位置は、任意に選択した位置で、別の態様では、他の位置及び位置の数を使用している。幾つかの態様において、応力緩和した状態におけるサンプルの圧迫ガーメントから得たこれらの円周方向の測定値を、12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置におけるガーメントの特定のサイズ又は測定チャートと比較する。その理由は、特定のサイズ又は測定チャートは、指定したそれぞれの位置において、特定のサイズをもっている普通の着用者の円周方向の長さを表わしている。これは、着用者が着用して伸びた時のガーメントの伸張した長さと等しいからである。
【0126】
次いで、幾つかの態様において、サンプルの圧迫ガーメントの、12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置において測定された実際のガーメント圧迫力Pをテストする。多くの態様において、ガーメント圧迫力の測定値は、kPA「キロパスカル(ニュートン/cm)、又はmmHgで表わされる。或る態様では、12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置における実際のガーメント圧迫力は、mmHgのような圧力単位で測定され、下記の式を使用して圧力からガーメント圧迫力(F)に変換される。
F=[(測定圧力)×(サイズ又は測定チャートからのサイズ測定値)/470]
これによって、単位がN/cmのガーメント圧迫力(F)を得ることができる。他の態様では、実際のガーメント圧迫力Pは、単位kPaとして測定され、上記の式(1)を使用して圧力からガーメント圧迫力Fへ変換される。本発明は、上記の計算に限定されない。他の態様においては、他の単位及び他の変換を使用して、ガーメント圧Pを測定し、かつガーメント圧迫力Fを測定する。
【0127】
伸び率は、応力緩和したガーメントの測定値に対する、延伸した円周方向の長さ、即ち体にピッタリとしたガーメントに対する着用者の解剖学的構造「U」のサイズの比であるので、サイズ又は測定チャートに基づいて、伸びたガーメントの円周方向長さと、12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置における応力緩和したサンプルの圧迫ガーメントの長さを比較することによって決定される。幾つかの態様において、測定されたUは、12、14、16、18、20、22、24、及び26のそれぞれの位置における[(延伸時のU-応力緩和した時のU)/応力緩和した時のU]で表わされる。或る効果的な態様では、サンプルの圧迫ガーメントは、サンプルの圧迫ガーメントを、サイズ又は測定チャートに指示されているサイズを有している着用者又は肉体部分のモデルに着せることによって測定される。換言すれば、延伸したサンプルの圧迫ガーメントの円周方向の長さは、サイズ又は測定チャートによって調べるか、又は延伸したサンプルの圧迫ガーメントの長さを測定することで決定される。2つの長さ(延伸したガーメントの円周方向の長さ、及び応力緩和したガーメントの円周方向の長さ)は、12、14、16、18、20、22、24、及び26の位置における伸縮率、及び応力-歪み曲線、生地圧迫力fを示している。
【0128】
縫い目の補正ファクタは、測定されたガーメント圧Pを使用して得たガーメント圧迫力Fを、上述した位置12、14、16、18、20、22、24、及び26における応力-歪み曲線から得た生地圧迫力fと比較することによって得ることができる。
【0129】
次いで、圧力で表わされた望ましいガーメント圧を、位置12、14、16、18、20、22、24、及び26毎に識別又は確認する。
【0130】
次いで、圧力として表わされた望ましいガーメント圧、及び、例えば、望ましいガーメント圧が圧力単位kPaと同じである時、式(1)を使用して、それぞれの位置における標準サイズチャート測定値を使用し、望ましいガーメント圧を得るのに必要な生地圧迫力fを計算する。次いで、それぞれの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26における縫い目補正ファクタに、ガーメント圧迫力Fを乗じることによって、ガーメント圧迫力Fを生地圧迫力に変換する。
【0131】
次いで、応力-歪み曲線を使用して、この生地圧迫力fと、それぞれの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26毎に算出された伸び率Uを結合させる。サイズ又は測定チャートに従って、既知の伸び率及び既知の延伸されたガーメントの長さを利用して、望ましいガーメント圧Pを付与する応力緩和されたガーメントの長さを、それぞれの位置毎に決定することができる。
【0132】
次いで、生地を幾何学的裁断して、前述したようにして決定した応力緩和状態のガーメントの長さの測定値を有している一つ以上の生地パネルを形成する。応力緩和状態のガーメントの長さを決定する方法を、図10A及び図10Bに示してある。
【0133】
前記の記載した内容は、ガーメントの様々な位置における望ましい圧迫値及び他のファクタに基づいて、ガーメントに沿った適切な位置における必要なガーメント測定値を決定するために作成されたサンプル圧迫ガーメントを使用した一例であることに留意するべきである。他の態様において、様々な他の方法及び技術を使用して、様々な位置における望ましい圧迫値に基づいて、望ましいガーメント寸法が決定される。多くの態様において、作成されたサンプル圧迫ガーメントは必要なく、ガーメント寸法は、前述したファクタの多様性に基づいている。
【0134】
幾つかの態様において、それぞれの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26における望ましい圧迫値は、望ましい圧迫等級、又は他の圧迫レベル、及び圧迫規準と定義される。それぞれの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26における圧迫値を選択して結合し、最大治療効果を挙げる圧迫ガーメントが提供される。幾つかの態様において、形成された圧迫値は、それぞれの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26において同じである。
【0135】
効果がある態様において、形成された圧迫値は、それぞれの位置12、14、16、18、20、22、24、及び26の一つ以上、又は全てにおいて異なっている。このような態様によれば、様々な位置における様々な圧迫値は、徐々に、突然或いは不規則に変化する。圧迫値は、一つの軸又は長手方向28に沿って、連続的に大きくなって、圧迫勾配を形成する。又は圧迫値は、軸方向に沿って増加及び減少する。幾つかの態様において、圧迫値は、一つの軸又は長手方向28に沿って、連続的に増加も、連続的に減少もしない。換言すれば、最大又は最小ガーメント圧迫値は、ガーメントの一つの端部には無く、むしろ幾つかの中間位置にある。
【0136】
生地10を幾何学的に裁断して、望ましいガーメント圧迫値を発揮するのに必要なガーメント寸法に基づいて、前方パネル2及び後方パネル4を製造する。
【0137】
望ましい圧迫力を発揮するように決定されたガーメント寸法は、圧迫ガーメントの円周方向部分の様々な軸方向位置毎に決定される円周方向部分を表わしている。唯1枚のパネル、例えば前方パネル2又は後方パネル4を使用する幾つかの態様において、円周方向の長さは、上記した(12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F、及び26F、12R、14R、16R、18R、20R、22R、24R、及び26R)ガーメント寸法の1つを表わしている。前方パネル2が後方パネル4に接合されている他の態様において、円周方向の長さは、前記2つのパネルが一緒に接合されている時の全円周方向の長さである。例えば、位置16における全円周方向の長さは、ガーメント寸法16Fとガーメント寸法16Rの総和である。なぜならば、パネル16Fとパネル16Rは、位置16で一緒に接合されているからである。円周方向の長さは、図5において、12C、14C、16C、18C、20C、22C、24C、及び26Cとして示してある。
【0138】
決定されたガーメント寸法に基づいて幾何学的裁断を行なって、ガーメントの様々な位置におけるガーメント寸法12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F、及び26F、12R、14R、16R、18R、20R、22R、24R、及び26Rを出す。
【0139】
一つの態様に従って、生地10を幾何学的裁断をした後、前方パネル2及び後方パネル4を形成し、これらのパネルを円周方向部材として製造し、前方パネル2及び後方パネル4のそれぞれの縁部を縫い合わせることで接合して、1つのパンツ脚部を製造する。
【0140】
図4は、本発明の態様に従って製造された前方パネル2と従来の裁断による後方パネル34との間の比較を表わしている。図4は、従来の裁断による後方パネル34の外側縁部36が、前方パネル2の対向する縁部6A、6Bとは顕著に異なっていることを表わしている。本発明の態様に従って製造された前方パネル2の裁断と、従来の裁断による後方パネル34との間の違いは、本発明によって、前方パネル2の特定の寸法が決定された位置である任意の位置38、40、42、44、46、48、50、52及び54をはじめ様々な位置で明らかにすることができる。
【0141】
図5は、円周方向部材として製造された、図1に示したような生地10の2枚のパネル、即ち、図示した態様において、1対のパンツである圧迫ガーメントのパンツ脚部60を示している。他の態様では、他の圧迫ガーメントが製造される。他の態様に従って、圧迫ガーメントの他の円周方向部分又は他の圧迫ガーメントが製造される。パンツ脚部60は軸方向62及び円周方向64で画定され、かつ円周方向のガーメント部分であって、筒状又は円柱状ガーメント部分と呼称される。
【0142】
円周方向部分、即ち図5に示したような応力緩和状態にある状態のパンツ脚部は、軸方向62に直線の外側縁部を有していない。むしろ、図1に示したように、位置12、14、16、18、20、22、24、及び26は、様々な幅、即ち、円周方向64に沿って異なった長さを有している。位置12、14、16、18、20、22、24、及び26において、パンツ脚部60は、様々な円周方向長さ12C、14C、16C、18C、20C、22C、24C、及び26Cを有している。この原因は、図1に示し、かつ説明したように、縁部6A、6B、8A、8B、及び8Bの幾何学的裁断による。他の態様において、位置12、14、16、18、20、22、及び24において、パンツ脚部60は、一定の円周方向長さを有しており、位置12、14、16、18、20、22、及び24において、図1に示したように、縁部6A、6B、8A,及び8Bの幾何学的裁断に因って、様々な圧迫を発揮している。
【0143】
再度、図5を参照する。パンツ脚部60は、位置18において、位置16におけるよりも狭くなっている。即ち、パンツ脚部60が応力緩和状態にある時、パンツ脚部60は、円周方向64において、位置18における長さは、位置16における長さより短くなっている。効果的な態様において、パンツ脚部60の生地は、一定の弾性(即ち、均一弾性)を有していて、位置12、14、16、18、20、22、及び24において、複数の円周方向バンド領域を有していることを特徴としている。これら複数の円周方向バンド領域は、実質的に相互に平行で、軸方向62を横切っている。円周方向バンドは、生地10の様々な長さを含んでいる。更に、図5は、生地の円周方向の長さが、図示したように、軸方向長さ62の1つ及び対向する軸方向に沿って、長くなり、かつ短くなっていることも示している。換言すれば、円周方向の長さ12C、14C、16C、18C、20C、22C、及び24Cは、応力緩和状態で、長手方向軸28の1つの軸に沿って、連続的に長くもなっていないし、連続的に短くもなっていない。換言すれば、幾つかの態様において。軸方向28に沿って進むと、機械的設計によるガーメントの円周方向の長さは、先ず、2つの連続した位置の間で長くなり、次いで短くなっている。例えば、応力緩和状態の機械的設計によるガーメントの円周方向の長さは、位置22から20で長くなっていて、次いで位置20から18で短くなっている。換言すれば、最大及び/又は最小寸法は、例えば、位置16、20又は22のような中間位置においてである。
【0144】
他の態様において、パンツ60の円周方向の長さは、軸方向62に沿って、絶えず、増減していて、軸方向に沿って勾配を形成している。
【0145】
前述した態様のいずれかに従って、12、14、16、18、20、22、24,及び26の様々な位置において、圧迫力は、同じか、又は異なっていてよい。パンツ脚部60の円周方向の寸法は、位置12、14、16、18、20、22、24,及び26において、同じか、又は異なっていてもよく、全ての位置で同じか、又は様々な位置で変化する円周方向ガーメント圧迫を発揮することができる。
【0146】
図6は、円周方向部材、即ち、ガーメンントの普通の着用者である着用者70の肉体部分にぴったりと着用されて応力状態のパンツ脚部60を示している。肉体部分は、ヒトの脚であるが、他の態様では、円周方向部材は、ヒトの解剖学的構造の他の部分又は動物に着用されてもよい。図6は、着用者がパンツ68を着用した時、パンツ脚部60は、着用者70によってぴったりと着用されており、着用者の肉体部分の形状にぴったり適合しているので、パンツ68のパンツ脚部60が、着用者の肉体、即ち脚66の直線箇所に対応する幾つかの箇所の軸方向62において、ほぼ直線状の外表面を含んでいることを示している。パンツ脚部60は、円周方向、即ち、筒状又は円筒状ガーメント部分で、接合されて縫い目を形成する一つ又は2つの生地パネルから製造されている。生地パネルは、それぞれ、一方の長手方向の端部から他方の長手方向の端部、即ち、位置25から位置27へ完全に延張している。縫い目65は、軸方向62へ延びており、幾つかの態様では、チェーンスティッチ、セイフティースティッチ、又はオーバーラップスティッチであるが、これら以外に様々な縫い目を使用することができる。縫い目65は、例示的な位置にのみ記載したが、他の態様では、縫い目を別の位置に形成してもよい。
【0147】
パンツ脚部60は、12、14、16、18、20、22、24,及び26のそれぞれの位置において、同じ圧迫力、又は様々な圧迫力で延びることができ、延伸率及び応力緩和状態のガーメント寸法に基づいて、12、14、16、18、20、22、24,及び26のそれぞれの位置において、同じ圧迫力、又は様々な圧迫力を付与することを特徴としている。好ましい態様によれば、12、14、16、18、20、22、24,及び26のそれぞれの位置における延伸率は、同じか、又は異なっており、生地の弾性は、生地全体で均一である。
【0148】
従って、図6に関して様々な態様が考えられる。幾つかの態様において、普通の着用者が着用した時、円周方向の圧迫率は、位置12又は24のような端部において最大及び/又は最小値となる。幾つかの態様において、円周方向の圧迫率は、位置16のような、ふくらはぎの位置において最大及び/又は最小値となる。幾つかの態様において、最小円周方向圧迫率はゼロ、即ち圧迫は無い。他の態様において、位置14、16又は22のような中間位置において、円周方向圧迫率は、最大及び/又は最小になる。即ち、円周方向圧迫率は、軸方向62に沿って、連続的には、増加も、減少もしない。換言すれば、ガーメント圧迫は、軸方向62に沿って、増加し、かつ減少する。圧迫プロファイルは、軸方向位置16、18、及び20のように3つの連続した軸方向位置の少なくとも1グループに沿って、圧迫値は、増加し、次いで減少し、次いで増加することを特徴としている。様々な態様において、適用された圧迫値は、軸方向62に沿って、増加し、次いで減少し、次いで増加し、次いで減少する。他の態様において、適用された円周方向ガーメント圧迫は、連続的に減少又は増加して、着用者の肉体部分の軸方向に沿って圧迫勾配を形成する。幾つかの態様において、幾何学的裁断によって、圧迫ガーメントの長さ全体に亘って同じ円周方向圧迫力を有する円周方向圧迫ガーメントを形成する。
【0149】
他の態様において、円周方向部材は、添付した図面に示したようなパンツ脚部以外の圧迫ガーメント又は圧迫ガーメントの一部を形成する。幾つかの態様において、円周方向部材は、2枚の生地パネルで製造されており、前記2枚の生地パネルは、それぞれ、円周方向部材の長手方向全長に沿って延びている。他の態様では、円周方向部材は、2枚以上の生地パネルで製造されており、前記2枚以上の生地パネルは、それぞれ、円周方向部材の長手方向全長に沿って延びている。一方、幾つかの態様では、圧迫ガーメントの円周方向部材は、織布10の単一材である。
【0150】
図7は、本発明の圧迫ガーメントの別の態様を示している。図7は、様々な軸方向位置12、14、16、18及び20において、ガーメントによって適用される円周方向圧迫度を有している上述したパンツ脚部60の円周方向ガーメント部分51を示している。円周方向ガーメント部分51は、長手方向の一方の端部55から、同じく他方の端部57へ延びている1枚の生地、又は複数枚の生地ピースで製造されており、円周方向ガーメント部分51に接合され、更に、円周方向ガーメント部分53に接合されている。円周方向ガーメント部分53は、非圧迫ガーメント部分である。即ち、円周方向ガーメント部分53は、非弾性の生地で製造される。更に、円周方向ガーメント部分53は、長手方向端部55において、長手方向に、円周方向ガーメント部分51に接合されており、円周方向ガーメント部分51と共通軸59を共有している。この態様に従って製造されるガーメントは、円周方向部分51と別の円周方向部分53との組み合わせで、圧迫力がゼロの部分を含む、軸方向に沿った非均一円周方向圧迫値を有していることを特徴としている。
【0151】
図8は、本発明の態様によって製造される圧迫ガーメントである圧迫靴下80を示している。圧迫靴下80は、前述した方法のいずれかに従って製造され、様々な圧迫度を有している。幾つかの態様において、圧迫靴下80は、普通の着用者が着用した時のように応力が負荷された状態の時、矢印(→)で示す位置のように、様々な軸方向位置における様々な向円周方向圧迫度を有している。幾つかの態様において、圧迫靴下80は、足(踝以下)84を含んでいないで、着用者の下肢を被覆し、足首の位置88だけに下方に延びている。
【0152】
図9は、本発明による圧迫ガーメントを製造する方法を示している。ステップ1001において、生地が提供される。生地は、伸縮性生地で、前述したように生地10である。ステップ1003は、生地の裁断、即ち幾何学的裁断が計算される。更に特定すると、前述したような多数のファクタに基づいて、様々な位置におけるガーメントの寸法が決定される。1枚又は多重幾何学的裁断を行ない、1枚以上の生地パネルを製造し、望ましい寸法を出す。様々な数学的式及び/又はアルゴリズムを使用して、前記ファクタに基づいてパネル裁断片を製造する。裁断設計を行なって、ガーメントの様々な異なった位置における望ましい圧迫値を算出する。圧迫値は、ガーメントの様々な位置で、異なっているか、又は同じである。様々な位置における生地の伸縮率は、円周方向における材料の様々な長さ、例えば、図1における長さ12F、14F、16F、18F、20F、22F、24F、26F、12R、14R、16R,18R、20R、22R、24R、26Rの結果として、同じか、又は異なっている。ステップ1005において、生地は、1枚以上のパネルに裁断される。前述したように、1枚以上のパネルは、少なくとも1つの創意工夫に富む非線形、ギザギザに尖った、又はその他の縁部を含んでいる。ステップ1007において、圧迫ガーメントは、着用者の肉体部分を包む円周方向部分を含んでいる。幾つかの態様において、円周方向部分は、一枚の生地パネルの両縁部を接合して、単一の縫い目を有する円周方向部分を形成することによって製造される。他の態様において、円周方向部分は、パネルを含む複数の生地ピースを、少なくとも1つの非線形縁部で接合することによって製造される。
【0153】
図10A及び図10Bは、共に、式(1)に従って、幾何学的裁断を行って圧迫ガーメントを製造するための手順、及び様々な計算を実行するためのフローチャートを表している。
ステップ2001において、生地、即ち、前述したような均一な弾性を有する伸縮性織布を選択する。ステップ2003において、最適な式を使用して、選択した生地ごとに発生する生地の応力-歪み曲線を得る。ステップ2005において、選択した生地で、サンプル圧迫ガーメントを製造する。サンプル圧迫ガーメントは、筒状、即ち円周方向の形状をしている。ステップ2007において、サンプル圧迫ガーメントの円周を、サンプル圧迫ガーメントが、応力緩和状態にある時、複数の点で測定する。複数の点iは、サンプル圧迫ガーメントの軸方向に沿った複数の点を表わしている。ステップ2009は、応力緩和状態のUは、ステップ2007で得られることを示している。ステップ2011で、標準のサイズチャート測定値は、普通の着用者の解剖学的構造を示しており、従って、様々な位置において延伸状態にある圧迫ガーメントの円周長を表している。幾つかの態様において、サンプル圧迫ガーメントは、標準サイズチャート又は測定チャート測定値を含む肉体の部分モデルに着用される。延伸状態のサンプル圧迫ガーメント長さUは、それぞれ、ステップ2011で得られる。ステップ2015において、サンプル圧迫ガーメントの実際の伸びは、延伸状態にあるU、及び応力緩和状態にあるUを使用して算出される。ステップ2017は、実際の伸びは、U(計算値)=((延伸状態にあるU)ー(緩和状態にあるU)/(緩和状態にあるU))で算出される。
【0154】
ステップ2019において、サンプル圧迫ガーメントによって発揮するガーメント圧迫は、サンプル圧迫ガーメントのそれぞれの点で測定される。この圧力測定は、圧力単位[kPa](キロパスカル)で表されるが、他の態様では、[mmHg]のような他の圧力単位を使用することもできる。
【0155】
ステップ2021は、ガーメント圧力Pが、ステップ2019におけるそれぞれの点iにおいて得られることを示している。
【0156】
ステップ2023において、ガーメント圧迫力(F)は、ステップ2019で得られ測定されたガーメント圧力(P)と、kPaで測定されたガーメント圧力Pと一緒に式(1)を使用して、実際に測定された延伸状態にある円周方向長さU(サイズチャート測定値)に基づいて算出される。他の態様において、ガーメント圧力(P)は、mmHgで測定され、ガーメント圧迫力(F)を計算するのに使用される式は、[ガーメント圧迫力F=(ガーメント圧迫*U(延伸状態)/470]でよい。換言すれば、関連する他の材料も使用することができる。ステップ2023で算出されるガーメント圧迫力は、ステップ2025で得るように記載される。ステップ2027において伸び、即ちU(計算値)は、ステップ2029に記載したように、応力-歪み曲線と一緒に使用して、それぞれの位置iにおける生地圧迫力fを算出することがきる。
【0157】
ステップ2031において、縫い目の補正が計算される。縫い目の補正は、それぞれの位置iにおいて、ステップ2029で記載した生地圧迫力fに対する、ステップ2025で得たガーメント圧迫力Fの比である。縫い目の補正ファクタは、純粋数である。ステップ2033において、様々な圧迫レベルと圧迫標準が考えられるが、それらは、ステップ2035において、それぞれの位置iごとに望ましいガーメント圧迫が決定されるという考えに基づいている。次いで、ステップ2037において、望ましいガーメント圧力Pは、各位置iにおいて得られる。
【0158】
ステップ2039において、ステップ2023及びステップ2025と関連した計算を実行して、望ましいガーメント圧Pを得るために必要なガーメント圧迫力Fを決定する。ステップ2041は、「必要なF」が得られる、ということを示している。ステップ2043において、それぞれの位置iにおいて、ガーメント圧迫力Fを調整して、望ましい生地力fを得る。特に、ガーメント圧迫力Fは、縫い目の補正ファクタを乗じて、関連した生地圧迫力fを算出し、望ましいガーメント圧Pを算出する。算出された生地圧迫力fを利用して、ステップ2047において、生地の応力-歪み曲線を使用して、伸びU(計算値)が決定される。伸びに関しては、Uはステップ2049で計算されて既知となり、延伸したUの値も既知となる。即ち、標準サイズチャート測定値のU値、応力緩和状態にあるUの値は、ステップ2051におけるそれぞれの位置において決定することができる。
【0159】
これらの値、即ち、応力緩和状態のUは、上述したようにして製造される圧迫ガーメント又は圧迫ガーメント部分の円周方向の長さの値である。
【0160】
開示した本発明の圧迫ガーメントを使用して、着用者の肉体部分へ圧力を掛けることができる。本発明は、全体に弾性を有しており、かつ様々な位置において望ましい圧迫レベルを発生するように適応させた様々な軸方向位置において、織布の円周方向長さを有する円周方向部分を含んでいる織布の圧迫ガーメントを提供する。前述し、かつ図5に示したように、このガーメントは、応力緩和状態にある時、円周方向の長さは、様々な位置において、異なっているか、又は同じである。
【0161】
応力が負荷された状態、例えば、着用者が着用した時、ガーメントは、様々な位置で、様々な程度又は同じ程度に延伸し、前述したように、軸方向位置に沿って同じか又は異なっている圧迫量を生成する。幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、図5及び6に示したような1対のジーンズである。幾つかの態様において、ジーンズは、ファッショナブルな外観をもった伸縮性デニムで製造される。幾つかの態様において、圧迫ガーメントは、図8に示したような1対の圧迫ソックスである。
【0162】
前記は、単に、本発明の原理を記載したに過ぎない。従って、当業者は、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に明確には記載または示されていないが、本発明の原理を具体化し、かつ、その精神及び特許請求の範囲に含まれている様々なアレンジメントを創出することができることを理解されると思う。更に、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書で記載した全ての実施例及び条件付の用語は、主として、単に、学習上の目的の意図、及び本発明の原理及び当該技術を促進、助成するべく発明者によって寄与された概念を読者が理解するのを補助することを意図し、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に特定して記載された実施例及び条件は、それらに制限を加えずに、解釈、理解されるべきである。さらに、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に記載した本発明の原理、特徴及び態様、並びにそれらの特定の実施例は、構成及び機能面の両方からそれらの均等物も包含することを意図するものである。更に、このような均等物は、現在公知の均等物、及び将来開発される均等物、即ち、構成の如何に拘わらず、同じ機能を達成する如何なる要素をも含むことを意図している。
【0163】
例示的な態様に関する記載は、全ての記載の一部と考えるべき添付した図面と関連付けて理解されるべきである。明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に記載した相対的用語「より低い」、「より上位」、「水平な」、「垂直な」、「上に」、「下に」、「上へ」、「下へ」、「先端」及び「底部」並びにそれらの派生語(例:「水平に」、「下方へ」、「上方へ」等)は、その際記載した方向、又は論究した図面に示した方向を言及していると理解されるべきである。これらの相対的用語は、便宜上の表現であって、装置が、特定の方向に構成又は操作されるべきであることを要しない。「結合される」及び「連結される」のような取り付け、結合等に関する用語は、特段の断り書きが無い限り、複数の構成体が、直接的又は間接的に、介在する構成物を介して、可動的又は固着或いは相関関係をもって、相互に確保又は取り付けられている関係を意味している。
【0164】
以上、本発明を例示的な態様に関して記載したが、本発明は、それらの態様に限定されない。むしろ、添付した複数の請求項は、本発明の範囲及び本発明の均等物の範囲を逸脱せずに当業者が創出する、開示した内容の他の変形及び態様も包含するものと広範に考えるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B