(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126857
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20220823BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220823BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220823BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220823BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220823BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20220823BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220823BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20220823BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220823BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220823BHJP
A61P 27/06 20060101ALI20220823BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220823BHJP
A61P 39/02 20060101ALI20220823BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220823BHJP
A61K 38/13 20060101ALI20220823BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20220823BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20220823BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220823BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20220823BHJP
C07K 14/585 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
A61K45/00 ZNA
A61P3/06
A61P9/10
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/02
A61P25/04
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/28
A61P27/06
A61P29/00
A61P39/02
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K38/13
A61K38/17
A61K38/22
A61K39/395 N
A61K45/06
C07K14/585
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105144
(22)【出願日】2022-06-29
(62)【分割の表示】P 2019533291の分割
【原出願日】2017-08-30
(31)【優先権主張番号】62/383,334
(32)【優先日】2016-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519072534
【氏名又は名称】ソアレス クリストファー ジェイ.
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソアレス クリストファー ジェイ.
(57)【要約】
【課題】患者に神経保護を提供することを目的とする医薬組成物を提供する。
【解決手段】
本発明は、患者に神経保護を提供するための、有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に神経保護を提供する医薬組成物であって、有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、下記式(I)の構造を含むペプチドであり、
X1-Y1-Z1(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、前記N末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、前記領域のC末端の残基はCysであり、前記領域のC末端のCys残基の直前の残基が、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コア領域であり、前記中心コアの少なくとも1つのアミノ酸が、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、前記中心コアがa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、前記C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸が、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である、ことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、吸入によって鼻腔内に、筋肉内に、舌下に又は経口的に投与される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射、皮下注射、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入投与、筋肉内投与、舌下投与又は経口投与用に製剤化された医薬ビヒクル中にある、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記CGRP受容体アンタゴニストの量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg又は約1000mg、あるいは、前述の任意の2つの値により画定される範囲の量である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記組成物は、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回又は1週間に4回投与される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回又は1日1回投与される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記患者は、神経損傷、神経変性疾患又は癌に罹患している、ことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記神経損傷は、身体的損傷、糖尿病、癌、糖尿病性ニューロパチー、頭部外傷、発作、感染又は化学療法薬の摂取によるものである、ことを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記化学療法薬は、神経機能障害に関連する副作用に関連している、ことを特徴とする請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、緑内障、脳血管虚血、運動ニューロン疾患、認知症、糖尿病性ニューロパチー、ハンチントン病、発作又は頭部外傷である、ことを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記患者は、神経保護処置を受けるように同定又は選択される、ことを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記有効量の前記CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中又は投与後に、前記患者の神経活動機能のレベルを監視又は測定する、ことを特徴とする請求項1~14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記患者は、薬物を摂取するように同定又は選択される、ことを特徴とする請求項1~15のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記薬物は、神経機能障害に関連する副作用に関連している、ことを特徴とする請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記神経機能障害に関連する薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort又は駆虫薬である、ことを特徴とする請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される、ことを特徴とする請求項1~18のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中又は投与後に、前記薬物を前記患者に導入、提供又は投与する、ことを特徴とする請求項16~19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記CGRP受容体アンタゴニストは前記薬物と組み合わせて使用される、ことを特徴とする請求項20に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月2日に出願された米国仮特許出願第62/383,334号の利益を主張する。
【0002】
(配列表、表、又はコンピュータプログラムリストの参照)
本出願は、電子フォーマットの配列表と共に提出される。配列表は、2017年8月30日に作成された15.9kbサイズのCSOAR.003WO.TXTというファイルとして提供される。この情報は、配列表の電子フォーマットであり、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本実施形態は、神経保護のための、並びに急性及び慢性の疾患、及び例えば緑内障の処置を含む神経変性に関連する障害の処置におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト(拮抗剤)の治療的使用に関する。加えて、アンタゴニストを用いて、高いLDLレベルに関連する疾患を処置する方法が本明細書で提供される。
【背景技術】
【0004】
ペプチドのカルシトニンファミリーのメンバーであるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、片頭痛などのいくつかの疼痛症候群及び熱傷の病因において重要な役割を有する強力な37アミノ酸ペプチド血管拡張薬である。血管拡張におけるその役割に加えて、CGRPは、広範囲の生物学的効果を発揮し得る。
【0005】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニン/カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CT/CGRP)ファミリーのペプチドホルモンの中でよく研究されたペプチドであり、Evansらの米国特許第4,530,838号明細書に記載されているように、強力な血管拡張作用及び強心作用を有する感覚神経ペプチドとして作用し得る。CGRPは、中枢神経系及び末梢神経系の両方に存在し、そして自律神経系の入力に関連して限られた量で後角から感覚入力を受け取る身体の領域で濃縮されている。脳内では、ペプチドは、知覚神経及び運動性脳神経の核、並びに視床下部、視索前野、腹内側視床、及び海馬などの細胞体に存在する(Poyner et al.1992)。
【0006】
CT/CGRPペプチドファミリーには、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、アドレノメデュリン(ADM)、インターメジン(IM)、カルシトニン(CT)、及びアミリンが含まれる。これらのペプチドの生物学的作用は、2つの密接に関連したII型Gタンパク質共役受容体(GPCR)、カルシトニン受容体(CTR)、及びカルシトニン受容体様受容体(CRLR)への結合によって媒介される(Christopoulos,et al.1999;Poyner et al.2002)。カルシトニン受容体は、カルシトニン作用の主要なメディエーターである。しかしながら、カルシトニン受容体は、この受容体が受容体活性修飾タンパク質(RAMP)に結合している場合、アミリンに優先的に結合する(例えば、Tilikaratne,et al.2000を参照)。クローニング及び機能的研究は、CGRP、ADM、IM、及びより少ない程度ではあるがアミリンが同様に、CRLRと3つの受容体活性修飾タンパク質の異なる組み合わせ(RAMP-1、RAMP-2、及びRAMP-3)と相互作用することを示した(例えば、McLatchie et al.1998及びRoh et al.2004を参照)。カルシトニン受容体様受容体(CRLR)と受容体活性修飾タンパク質(RAMP)の共発現は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、アドレノメデュリン(ADM)、及びインターメジン(IM)の機能的ヘテロダイマー受容体を生成するために必要である。RAMP-1とCRLRとの共発現は、CGRP受容体の形成をもたらす一方、RAMP-2及びRAMP-3のCRLRとの共発現はそれぞれ、ADM及びIM受容体を形成する(Miret,et al.2002)。IMは、3つ全てのRAMP/CRLR補助受容体に対する非選択的アゴニストであることが示されている。
【0007】
CGRPは、CGRP受容体に結合することによって生物学的応答を開始する。CGRP受容体は、3つのサブユニット:カルシトニン様受容体(CLR)と呼ばれる7回膜貫通タンパク質、受容体活性修飾タンパク質1(RAMP1)と呼ばれるリガンド特異性を決定する1回膜貫通タンパク質、及び受容体成分タンパク質(RCP)と呼ばれる細胞内タンパク質から構成される。CGRP受容体は、細胞内cAMP及び活性化プロテインキナーゼA(PKA)の増加をもたらすGasシグナル伝達経路に結合している(Poyner et al,2002)。
【0008】
CGRP受容体は、例えば:(1)CGRP受容体が血管の弛緩を引き起こし得る脳血管平滑筋(Poyner et al,2002);(2)神経性炎症の間にCGRPが炎症誘発性サイトカイン及び炎症性物質を放出することが示されている硬膜肥満細胞(Marquest et ah,2006);(3)三叉神経節ニューロン(Zhang et ah,2007)及び疼痛感覚の伝達に関与する尾側脳幹の三叉神経核内の二次感覚ニューロン(Russo etah,2015)を含む複数の領域に見られる。
【0009】
CGRP受容体は、中枢神経系及び末梢神経系で発現される(Cumberbatch et ah,1999;Marquez de Prado et ah,2006)。CGRPに対する受容体レベルでの阻害剤は、過剰なCGRP受容体活性化が起こった病態生理学的状態において有用であると推論される。これらの中には、神経性血管拡張、神経性炎症、片頭痛、群発性頭痛及び他の頭痛、熱傷、循環性ショック、更年期性紅潮、及び喘息が含まれる。CGRP受容体の活性化は、特に片頭痛の病因に関与している(Edvinsson et ah 2001;Grant et ah,2002)。片頭痛は、その病理に続いて起こる頭痛の強さで有名である。片頭痛に関連する頭痛は、片頭痛事象に関連する深刻な脳血管拡張に起因すると推論される。CGRP含有神経線維は、CGRPが血管拡張を延長させると考えられる脳血管及び硬膜血管を神経支配する(Moskowitz et ah 1992)。さらに、CGRPの血清レベルは、片頭痛中に上昇し(Goadsby,et ah 1990)、そして抗片頭痛薬による処置により、頭痛の軽減と同時にCGRPレベルを正常に戻す(Gallai,et ah 1995)。片頭痛患者は、対照と比較して基礎CGRPレベルの上昇を示す(Ashina,et ah,2000)。CGRPの静脈内注入は、片頭痛患者に持続的な頭痛を引き起こす(Lassen,et al.2002)。CGRPアンタゴニストペプチド及び偏頭痛の処置におけるそれらの使用は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月8日に出願された米国特許出願第13/821,936号明細書(Soares et al)に記載されている。
【0010】
神経損傷はまた、神経及び脊髄におけるCGRPレベルの上昇をもたらし得る。MDBiosciencesによって行われた研究では、CGRP mRNAのレベルが、坐骨神経損傷による神経炎性ニューロパチーを持続したブタで著しく増加した(Castel et al.2016)。
【0011】
小分子、ペプチド、及び抗体アンタゴニストを含む、CGRP受容体のアンタゴニストが知られている。CGRP受容体の小分子アンタゴニストには、例えば、オルセゲパント(olcegepant)、テルカゲパント(telcagepant)、及びウブロゲパント(ubrogepant)などのゲパント(gepant)クラスの分子が含まれる。ペプチドアンタゴニストとしては、例えば、切断型CGRPペプチド、例えば、CGRP(8-37)、CGRP(28-37)、[TyrO]CGRP(28-37)、及びCGRP(12-37);h-a-CGRP(9-37)、h-a-CGRP(10-37)、h-a-CGRP(11-37)(Mimeault,M.et al,1992);[Ala9]-h-a-CGRP(8-37)、[Ala10]-h-a-CGRP(8-37)、[Ala11]-h-a-CGRP(8-37)、及び[Ala12]-h-a-CGRP(8-37)、id;及びh-a-CGRP(19-37)、h-a-CGRP(23-37)、及びアセチル-h-a-CGRP(19-37)(Rovero,P.et al.1992)が挙げられる。
【0012】
CGRP受容体の非切断型ペプチドアンタゴニストは、例えば、本明細書及び2013年8月1日に公開されたSoares,CJによるPCT国際公開第2013/112912号パンフレットに記載されている。このようなCGRP受容体の非切断型又は完全長ペプチドアンタゴニストは、多くの小分子アンタゴニストで見られるように、オフターゲット効果を有するとは予想できない非常に強力なアンタゴニストであることを示している。さらに、LY2951742、ALD403、及びTEV-48125などのCGRPリガンドに対する抗体と同様に、AMG334などの抗体結合CGRP受容体が知られている。今日まで、このようなCGRP受容体及びリガンド抗体は、片頭痛及び変形性関節症の疼痛などの疼痛関連障害の処置における使用について研究されてきた。
【0013】
毎年、世界中で何百万もの人々が、傷害又は疾患によって引き起こされる神経変性の結果に苦しんでいる。包括的な用語、神経変性疾患は、ニューロンの死を含むニューロンの構造及び/又は機能の進行性の減少を指す。神経変性疾患の例としては、緑内障、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、クロイツフェルトヤコブ病、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病性ニューロパチー、及びハンチントン病が挙げられる(Gupta,et al,2007;Song et al,2016;Mufson et al)。今日まで、典型的には進行性の変性及び/又はニューロン細胞の死をもたらし、そして患者の死をもたらし得るこのような疾患に対する治療法は存在しない。神経変性は、分子から全身に至るまでの多くの異なるレベルの神経回路に見られ得る。
【0014】
緑内障は、失明の最も一般的な原因の1つである神経変性疾患であり、世界中で7000万人以上が罹患している。加齢に伴う、視神経、網膜、及び脳の慢性変性疾患である緑内障は、筋萎縮性側索硬化症を含む神経系の他の慢性変性の分子及び細胞の特徴との類似性を示す。緑内障をもたらす根本的な機序は、まだ研究中であるが、緑内障の十分に確立された1つの原因は、小柱網の破壊によって引き起こされる眼内圧に起因する機械的損傷の結果による網膜神経節細胞の損傷である(Nafissi et al.2015)。緑内障は、視神経に損傷を与え、そして非常に頻繁に失明をもたらすいくつかの眼疾患群を含む。緑内障は、一般に眼圧(IOP)の上昇を特徴とするが、IOPの同時上昇を伴わない網膜及び視神経の神経節細胞の損傷もまた、緑内障の既知の形態である(正常眼圧緑内障)。同様に、遺伝的突然変異及び酸化的傷害も、神経節細胞のアポトーシスを引き起こし得る。従って、網膜及び視神経の神経節細胞を保護するための戦略を開発する必要がある。
【0015】
緑内障の最近の再考察では、主に脳内の末梢神経線維の軸索の正常な機能に影響を与える障害である軸索変性症も、緑内障をもたらし得ることが示唆された(Chader et al,2016)。視神経及び視神経頭の変化には、患者が年をとるにつれて緑内障性損傷を蓄積させる視神経線維における分子輸送の障害が含まれ得る。特殊な脳構造の傷害は、緑内障の初期段階でも見られる。緑内障はまた、糖尿病性眼疾患による合併症にも起因し得る。糖尿病に罹患している人は、年をとると、非糖尿病患者と比較して緑内障を発症する可能性が2倍である。
【0016】
従って、神経変性は、複雑な疾患であり、いくつかの群の人々は、神経線維に影響を与える疾患の発症について一般の集団よりもかなり高いリスクがある。神経変性疾患の最大のリスク因子の1つは老化である。例えば、ミトコンドリアDNA変異及び酸化ストレスは、加齢及び他の神経変性の両方に関連している。
【0017】
加齢は、緑内障を引き起こし得る別の因子である。例えば、加齢は、原発性開放隅角緑内障(POAG)の発症において重要な役割を果たす。このため、他の加齢に伴う疾患の進行は、様々な処置法の開発に役立ち得る。例えば、視神経路のニューロンを保護するために開発された方法は、例えばニューロンを保護する必要があるアルツハイマー病及びAMDなどの他の神経系疾患にも適用することができる。
【0018】
これまでのところ、FDA承認プロスタグランジン(すなわち、Xalatan、Lumigan、Travatan Z、及びRescula)、β遮断薬(すなわち、Timoptic XE、Istalol、及びBetopic)、及びαアドレナリン作動薬(すなわち、イオピジン(iopidine)、Alphagan、及びAlphagan-P)などの処置は、眼圧の低下に焦点を当ててきた。これらの薬物のいくつかは、最初に他の目的に使用されたが、その後、緑内障の処置において安全かつ有効であることが分かった。これらの薬物は、眼の表面に適用される点眼薬であるため、これらの薬物は比較的低リスクである。しかしながら、これらの薬物は、緑内障の全てのケースに有効であるわけでも、治療法を構成するわけでもないが、これらの薬物は、処置された患者の機能的な視力を長持ちさせるために使用することができる。従って、疾患のより良好な管理を達成し、視力の低下をさらに軽減又は予防する治療が依然として必要とされている。
【0019】
ニューロンを保護する方法は、細胞死(アポトーシス)に対する光受容体細胞などの網膜ニューロンを含む神経変性疾患の発症の抑制及び神経細胞の損傷の抑制をもたらし得る、又は神経変性疾患の進行及び関連するニューロンの損傷の遅延をもたらし得る。従って、これらの新たな方法を使用して、末梢神経系又は中枢神経系における神経損傷を予防及び/若しくは遅らせる、又は網膜ニューロン若しくは神経を保護することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示は、例えばペプチドアンタゴニストを含む、CGRP受容体アンタゴニストを使用して、ニューロンの死を含む神経細胞損傷を抑制又は減少させ、かつ神経保護を提供することができるという発見に基づいている。CGRP受容体アンタゴニスト及びこれを含む組成物は、神経変性疾患を処置するために使用することができる。限定されるものではないが、これらのCGRPアンタゴニストペプチド及び組成物を使用して、急性又は慢性の損傷からニューロンを保護し、細胞死を阻害又は遅延させ、それによって、例えば、緑内障、ニューロパチー、自発的神経活動、及び神経炎などのニューロン損傷に関連する障害を処置することができる。
【0021】
また、LDLレベルを低下させ、これにより高いLDLレベルから生じる疾患を処置するためのCGRP受容体アンタゴニストの使用も開示される。
【0022】
第1の態様では、神経の自発的活動の低下を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、その薬学的に許容可能な塩を含む有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチドであり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中、X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この領域のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり、Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み、かつZ1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約5mg、約10mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回、又は1週間に4回行われる。いくつかの実施形態では、自発的神経活動は、神経損傷又は神経変性疾患によるものである。いくつかの実施形態では、神経損傷は、身体的損傷、糖尿病、癌、糖尿病性ニューロパチー、頭部外傷、発作、感染、又は化学療法薬などの医薬品若しくは薬物の摂取によるものである。いくつかの実施形態では、神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、緑内障、脳血管虚血、運動ニューロン疾患、認知症、糖尿病性ニューロパチー、又はハンチントン病である。いくつかの実施形態では、患者は、神経変性疾患、神経血管障害、又は癌などの疾患のための薬物を摂取するように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、薬物は、自発的神経活動及び/又は神経障害に関連している。神経損傷が医薬品又は薬物からであるいくつかの実施形態では、医薬品又は薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン(almitrine))、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール(chlorampheticol)、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。いくつかの実施形態では、この方法は、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に前記患者に薬物を導入する、提供する、又は投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬物と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、神経は、C侵害受容器又はグループC神経線維(Group C nerve fiber)である。いくつかの実施形態では、この方法は、自発的神経活動に関連する疼痛の軽減を、それを必要とする患者において、CGRPアンタゴニストの投与によって行うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。
【0023】
第2の態様では、神経保護の提供を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、その薬学的に許容可能な塩を含む有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは式Iの構造を含むペプチドである。
X1-Y1-Z1
(I)
式中、X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片のC末端残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、トレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり、Y1は、中心コアであり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み、かつZ1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約5mg、約10mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回、又は1週間に4回行われる。いくつかの実施形態では、患者は、神経損傷、神経変性疾患、又は癌などの疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、神経損傷は、身体的損傷、糖尿病、癌、糖尿病性ニューロパチー、頭部外傷、発作、感染、又は化学療法薬などの医薬品若しくは薬物の摂取によるものである。いくつかの実施形態では、神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、緑内障、脳血管虚血、運動ニューロン疾患、認知症、糖尿病性ニューロパチー、ハンチントン病、発作、又は頭部外傷である。いくつかの実施形態では、患者は、神経保護処置を受けるように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、患者は薬物を摂取するように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、薬物は、神経機能障害に関連する副作用に関連している。いくつかの実施形態では、神経機能障害に関連する薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に薬物を前記患者に導入すること、提供すること、又は投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬物と組み合わせて使用される。
【0024】
第3の態様では、神経炎の処置を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:
X1-Y1-Z1
(I)式中、X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片(領域)のC末端のアミノ酸残基はCysであり、C末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位に見られるトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり、Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み、かつZ1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約5mg、約10mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回、又は1週間に4回行われる。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、患者は、薬物を摂取するように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、薬物は、神経機能障害を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、神経炎は、身体的損傷、血管損傷、毒素、加齢、遺伝的障害、感染症(ウイルス性又は細菌性)、ジフテリア、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、ハンセン病、ライム病、化学療法などの化学傷害、放射線療法、アルコール依存症、自己免疫疾患、多発性硬化症、ギランバレー症候群、脚気(ビタミンB1欠乏症)、癌、セリアック病、糖尿病(糖尿病性ニューロパチー)、甲状腺機能低下症、ポルフィリン症、ビタミンB12欠乏症、ビタミンB6過剰症、上腕神経炎、脳神経炎、ベル麻痺、視神経炎、又は前庭神経炎によるものである。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。いくつかの実施形態では、神経機能障害を引き起こす薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。いくつかの実施形態では、この方法は、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に薬物を前記患者に導入すること、提供すること、又は投与することをさらに含む。
【0025】
第4の態様では、患者の緑内障を処置する方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:X1-Y1-Z1
(I)式中、X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり、Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み、かつZ1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端領域の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回行われる。いくつかの実施形態では、患者は糖尿病を有する。いくつかの実施形態では、患者は、緑内障の薬物を摂取するように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、薬物は、神経若しくは中枢神経系の損傷又は神経機能障害を引き起こし得る(すなわち、β遮断薬)。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に薬物を前記患者に導入すること、提供すること、又は投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬物と組み合わせて使用される。
【0026】
第5の態様では、LDLの低下を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:
X1-Y1-Z1
(I)式中、X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この領域のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトGCRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり、Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み、かつZ1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、患者は、血中の高いLDL濃度に苦しんでいる。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後にLDLのレベル又は量を前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、患者は男性である。いくつかの実施形態では、患者は家族性高コレステロール血症を有する。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、静脈内に、口腔内に、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回行われる。
【0027】
第6の態様では、神経障害又は神経性炎症から患者を保護する方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、患者は、虚血後事象に苦しんでいる。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中、X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この領域のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり、Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み、かつZ1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、Z1領域の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回行われる。
【0028】
第7の態様では、神経の自発的神経活動の低下を、それを必要とする患者において行うのに使用するための有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト、又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは式Iの構造を含むペプチドであり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この領域のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、使用のためのCGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射投与、皮下注射投与、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入投与、筋肉内投与、舌下投与、又は経口投与用に製剤された医薬担体中である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストの有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約5mg、約10mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、又は1週間に4回投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、自発的神経活動は、神経損傷又は神経変性疾患によるものである。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経損傷は、身体的損傷、糖尿病、癌、糖尿病性ニューロパチー、頭部外傷、発作、感染、又は化学療法薬などの医薬品若しくは薬物の摂取によるものである。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、緑内障、脳血管虚血、運動ニューロン疾患、認知症、糖尿病性ニューロパチー、又はハンチントン病である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は、神経変性疾患、神経血管障害、又は癌などの疾患のための薬物を摂取するように同定又は選択されている。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経損傷が医薬品又は薬物からであり、医薬品又は薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物を、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に前記患者に投与する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬物と組み合わせて使用される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経は、C侵害受容器又はグループC神経線維(Group C nerve fiber)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、自発的神経活動に関連する疼痛
の軽減を、それを必要とする患者において行う。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。
【0029】
第8の態様では、神経保護の提供を、それを必要とする患者において行うのに使用するための有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチドであり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片のC末端残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、トレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コアであり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射投与、皮下注射投与、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入投与、筋肉内投与、舌下投与、又は経口投与用に製剤された医薬担体中である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約5mg、約10mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、又は1週間に4回投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は、神経損傷、神経変性疾患、又は癌などの疾患に罹患している。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経損傷は、身体的損傷、糖尿病、癌、糖尿病性ニューロパチー、頭部外傷、発作、感染、又は化学療法薬などの医薬品若しくは薬物の摂取によるものである。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、医薬品又は薬物は、神経機能障害に関連する副作用に関連している。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、緑内障、脳血管虚血、運動ニューロン疾患、認知症、糖尿病性ニューロパチー、ハンチントン病、発作、又は頭部外傷である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は、神経保護処置を受けるように同定又は選択されている。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は薬物を摂取するように同定又は選択されている。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物は、神経機能障害に関連する副作用に関連している。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経機能障害に関連する薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物を、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に前記患者に導入する、提供する、又は投与する。使用のためのカルシトニ
ン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬物と組み合わせて使用される。
【0030】
第9の態様では、神経炎の処置を、それを必要とする患者において行うのに使用するための有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩は式Iの構造を含み:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片(領域)のC末端のアミノ酸残基はCysであり、C末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位に見られるトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射投与、皮下注射投与、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入投与、筋肉内投与、舌下投与、又は経口投与用に製剤された医薬担体中である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約5mg、約10mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、又は1週間に4回投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は薬物を摂取するように同定又は選択されている。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物は神経機能障害を引き起こし得る。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、神経機能障害を引き起こす薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、身体的損傷、血管損傷、毒素、加齢、遺伝的障害、感染症(ウイルス性又は細菌性)、ジフテリア、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、ハンセン病、ライム病、化学療法などの化学傷害、放射線療法、アルコール依存症、自己免疫疾患、多発性硬化症、ギランバレー症候群、脚気(ビタミンB1欠乏症)、癌、セリアック病、糖尿病(糖尿病性ニューロパチー)、甲状腺機能低下症、ポルフィリン症、ビタミンB12欠乏症、ビタミンB6過剰症、上腕神経炎、脳神経炎、ベル麻痺、視神経炎、又は前庭神経炎によるものである。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物は、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に投与される。
【0031】
第10の態様では、患者の緑内障の処置に使用するための有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端領域の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射投与、皮下注射投与、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入投与、筋肉内投与、舌下投与、又は経口投与用に製剤された医薬担体中である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は糖尿病を有する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は、緑内障の薬物を摂取するように同定又は選択されている。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物は、神経若しくは中枢神経系の損傷又は神経機能障害に関連する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物はβ遮断薬である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、薬物を、CGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に前記患者に導入する、提供する、又は投与する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬物と組み合わせて使用される。
【0032】
第11の態様では、LDLの低下を、それを必要とする患者において行うのに使用するための有効量のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この断片のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトGCRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は、血中の高いLDL濃度に苦しんでいる。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後にLDLのレベル又は量を前記患者で監視又は測定する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は男性である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は、家族性高コレステロール血症を有する。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射による投与、皮下注射による投与、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入による投与、筋肉内投与、舌下投与、又は経口投与用に製剤された医薬担体中である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回投与される。
【0033】
第12の態様では、神経障害又は神経性炎症から患者を保護するのに使用するための有効なカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、患者は虚血後事象に苦しんでいる。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を含むペプチド又はその薬学的に許容可能な塩であり:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾N末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基のみがシステイン(Cys)であり、この領域のC末端の残基はCysであり、この領域のC末端のCys残基の直前の残基は、ヒトCGRPの6位のトレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、中心コア領域であり、この中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含むカルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、Z1領域の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、配列番号1(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号2(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号3(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号4(NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号5(NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号6(NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号7(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号8(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号9(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号10(NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号11(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号12(NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号13(NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2)、配列番号14(Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2)、配列番号15(Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、配列番号57(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)、又は配列番号58(NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2)のうちの1つに記載の配列、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に記載の配列からなる群から選択される配列を含む。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、局所投与、皮膚投与、皮内投与、皮下投与、皮膚注射による投与、皮下注射による投与、眼内投与、口腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、吸入による投与、筋肉内投与、舌下投与、又は経口投与用に製剤された医薬担体中である。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストは、少なくとも1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回投与される。使用のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストのいくつかの実施形態では、有効量は、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの量、又は前述の任意の2つの値によって定義される範囲の間の任意の量を含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、CGRPアンタゴニスト(配列番号1;NH
2-ACDTAACVLGRLSQELHRLQTYPRTNVGSKAF-NH
2)の投与前後の自発的に活動的なC侵害受容器の例を示す。上のパネル:受容野の刺激に応答して記録された電気的活動の個々の掃引。下のパネル:自発的なC侵害受容器のプロファイルを示す潜時ラスタープロット。矢印はCGRPアンタゴニスト化合物の投与の瞬間を示す。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、CGRP受容体アンタゴニストの投与前後の自発的活動の分析を示す。
図2(a)及び
図2(b):CGRP受容体アンタゴニストの投与の10分前及び10分後に得られた2つの自発的活動の測定値、SLI/10分(2B)(
図2(a))及びTI(%)(2C)(
図2(b))の比較。有意差は観察されなかった(対応のあるt検定)。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、CGRP受容体アンタゴニストの投与後の自発的活動の分析を示す。薬物投与後90分間の各10分のビンについて得られた自発的活動の2つの測定値、SLI/10分(
図3(a))及びTI(%)(
図3(b))の比較が示されている。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、RGC(レチノール神経節細胞)の数の測定値を示す。
図4(a)は、Brn3a陽性プロファイルの数が、反対側の対照の眼と比較して、ビヒクル群のレーザー照射された眼で20.3%有意に減少したことを示す(対応のある試料のt検定、P=0.042)。
図4(b)は、CGRPアンタゴニスト群(配列番号1;NH
2-ACDTAACVLGRLSQELHRLQTYPRTNVGSKAF-NH
2)においてBrn3a陽性細胞の数が3.0%増加したことを示す(P=0.43)。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、視神経軸索の総数にアクセスした実験の実験データを示す。
図5(a)(対照)及び
図5(b)(CGRP受容体アンタゴニスト(配列番号1;NH
2-ACDTAACVLGRLSQELHRLQTYPRTNVGSKAF-NH
2)は、視神経軸索の総数が、どの処置群においてもレーザー照射された眼と反対側の対照の眼との間に有意差がなかったことを示すが、ビヒクル処置群は、全ての処置群の中で軸索の総数の最大の減少を示し、CGRPアンタゴニスト(配列番号1;NH
2-ACDTAACVLGRLSQELHRLQTYPRTNVGSKAF-NH
2)群は、軸索の総数において最小の減少を示した(対応のある試料のt検定、全ての群でP>0.05)。
【発明を実施するための形態】
【0035】
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する分野の一般的な技術者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
【0036】
測定可能な値に関して本明細書で使用される「約」は、指定された値から±20%又は±10%、より好ましくは±5%、より一層好ましくは±1%、なおさらに好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味する。
【0037】
本明細書で使用される「アンタゴニスト」は、相補的な生物活性受容体に結合し、そしてこの受容体の生理学的応答を阻害する生物活性リガンドを指す。例として、本明細書で使用される「CGRP受容体アンタゴニスト」及び「CGRPアンタゴニスト」は、CGRP受容体に結合し、そしてその受容体の生理学的応答を阻害するリガンドを指す。
【0038】
本明細書で使用される「アゴニスト」は、その相補的な生物活性受容体に結合し、そしてこの受容体を活性化させて、この受容体に生物学的応答を引き起こすか、又はこの受容体の既存の生物学的活性を増強する生物活性リガンドを指す。
【0039】
本明細書で使用される「薬学的に許容可能な塩」は、当技術分野において周知の方法によって調製されたナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム、及びプロタミン亜鉛塩を含む、製薬業界で一般的に使用される無毒性のアルカリ金属、アルカリ土類金属、及びアンモニウム塩を指す。この用語はまた、本明細書に開示される修飾カルシトニン遺伝子関連ペプチドアンタゴニストを適切な有機酸又は無機酸と反応させることによって一般的に調製される無毒性の酸付加塩も含む。代表的な塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、及びナプシル酸塩などが挙げられる。従って、この用語は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ生物学的に又は他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸などの無機酸、並びに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸などの有機酸で形成される塩を指す。プロドラッグとしての薬学的に許容可能な塩の説明については、Bundgaard et ah,1985を参照されたい。
【0040】
本明細書で同定される配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、必要に応じて最大の配列同一性パーセントを達成するためにギャップを導入した後の、参照配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義され、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピューターソフトウェアを用いて、当業者の範囲内である様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。例えば、WU-BLAST-2コンピュータープログラム[Altschul et al.,Methods in Enzymology,266:460-480(1996)]を用いて生成されたパーセントアミノ酸配列同一性の値は、そのほとんどがデフォルト値に設定されているいくつかの検索パラメータを使用する。デフォルト値に設定されていないパラメータ(すなわち、調整可能なパラメータ)は、次の値で設定される:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリックス=BLOSUM62。パーセントアミノ酸配列同一性の値は、(a)表2に示される参照キメラ受容体配列のポリペプチドアミノ酸配列のそれぞれ又は全部と、WU-BLAST-2によって決定される目的の比較アミノ酸配列との間で一致する同一のアミノ酸残基の数を、(b)目的のポリペプチドのアミノ酸残基の総数で除算することによって決定される。いくつかの代替では、アミノ酸又は核酸のパーセント配列同一性は、コンピューターソフトウェアによって決定される。
【0041】
本明細書で使用される「自発的神経活動」又は「神経の自発的活動」は、神経系における神経振動又は律動的若しく反復的な神経活動を指す。この振動は、個々のニューロンによって、又はニューロン間の相互作用によって多くの方法で発生され得る。これらの神経振動は、てんかんの発作の活動中などの神経疾患において、及び、例えばパーキンソン病の患者の振戦中において重要な役割を果たし得る。てんかんは、発作を特徴とする一般的な慢性神経疾患である。本明細書に記載される振戦は、1つ以上の身体部分の前後の動きを伴う、不随意のやや律動的な筋肉収縮及び弛緩であり得る。最も一般的な振戦は、手、腕、眼、顔、頭、声帯、胴、及び脚の振戦を含み得る。自発的神経活動は、神経への部分的な損傷の後にC線維でも起こり得る。いくつかの実施形態では、神経損傷後の患者の神経における自発的活動を低下させる方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、ペプチドアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、ペプチドアンタゴニストは、配列番号1~15、57、及び58のいずれかに記載の配列を含む。本明細書の例示的な実施形態に記載されるように、配列番号1に示される配列を含むペプチドアンタゴニストを、C侵害受容器及びC神経線維において病理学的な自発的活動を有するラットモデルで使用した。
【0042】
本明細書で使用される「神経変性疾患」は、多くの場合シナプスによって相互接続されているニューロンの特定の集団の進行性の機能不全、変性、及び死を特徴とする一群の遺伝性又は散発性状態の任意の疾患である。本明細書で使用される「神経変性」は、ニューロンの構造又は機能の進行性の消失を指し、かつニューロンの死を含み得る。神経変性は、例えば、バランス、運動、会話、呼吸、視覚、及び心機能などの身体の活動に影響を及ぼし得る神経変性神経疾患によって引き起こされ得る。神経変性の原因の例としては、限定されるものではないが、遺伝子、病状の素因、アルコール依存症、腫瘍、卒中、毒素、化学物質、及びウイルスを挙げることができる。場合によっては、原因は不明である。変性神経疾患又は神経変性疾患としては、例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、フリードライヒ運動失調、ハンチントン病、レヴィー小体病、パーキンソン病、脊髄性筋萎縮症、糖尿病性ニューロパチー、及び緑内障を挙げることができる。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、神経変性の影響を処置、予防、又は改善するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、神経変性の原因は、遺伝子、病状の素因、アルコール依存症、腫瘍、卒中、毒素、化学物質、及びウイルスに起因し得る。
【0043】
本明細書で使用される「神経血管障害」又は「神経筋疾患」は、直接的に随意筋の病状であるか、又は間接的に神経若しくは神経筋接合部の病状である、筋肉の機能を低下させ得る多くの疾患及び病気を包含する。限定されるものではないが、神経血管障害には、筋力低下、硬直、筋肉制御の喪失、ミオクローヌス(単収縮、痙攣)、及び筋肉痛(myalgia)(筋肉痛(muscle pain))が含まれ得る。
【0044】
本明細書で使用される用語「神経炎」又は「神経損傷」には、末梢神経の損傷、例えば、裂傷、局所挫傷(focal contusion)、伸展(ストレッチ)/牽引損傷、圧迫、薬物注射傷害、薬物、化学療法薬、神経血管障害、電気的損傷、上腕神経叢損傷、下垂足損傷、腓骨神経及び坐骨神経の損傷、知覚異常性大腿神経痛(meralgia paresthetic)(外側大腿皮神経及び大腿神経の損傷)、脊髄副神経損傷(脊髄副神経及び脳神経の損傷)、及び外傷神経損傷が含まれ得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、神経損傷の患者を処置するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、神経損傷は、裂傷、局所挫傷(focal contusion)、伸展/牽引損傷、圧迫、薬物注射傷害、電気的損傷、上腕神経叢損傷、下垂足損傷、腓骨神経及び坐骨神経の損傷、知覚異常性大腿神経痛(外側大腿皮神経及び大腿神経の損傷)、又は脊髄副神経損傷(脊髄副神経及び脳神経の損傷)によるものである。神経損傷は、神経変性も引き起こし得る。神経損傷及び神経変性疾患の処置としては、限定されるものではないが、細胞周期阻害剤、神経保護剤、向知性薬、抗痙攣薬、抗不安薬、抗精神病薬、鎮痛薬、血管保護薬(vasoprotectant)、抗アミロイド生成薬(anti-amyloidogenic)、免疫調節薬、抗炎症薬、抗パーキンソン病薬、免疫抑制薬、血管拡張薬、免疫刺激薬、血管保護薬、代謝調節薬、降圧薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬、アポトーシス阻害薬、成長因子作用薬、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、神経栄養薬、代謝活性剤、イオノトロピックグルタミン酸受容体アンタゴニスト、降圧薬、抗高コレステロール血症薬、抗アミロイド形成薬、抗不安薬;造影剤;BDZアゴニスト、クラスIV抗不整脈薬、TRHアゴニスト、及び心臓保護薬を挙げることができる。神経炎用の薬物は、限定されるものではないが、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、Kenalog-40、トリアムシノロン、又はClinacortを挙げることができる。いくつかの実施形態では、神経炎は、自発的神経活動を引き起こし得る。
【0045】
本明細書で使用される用語「神経保護」は、ニューロンの構造及び/又は機能の保存を指す。神経変性傷害の間、ニューロンの完全性の相対的な保存は、経時的なニューロン消失の速度の低下を意味する。このため、さらなる神経損傷を防止するための開発方法が探求されてきた。例えば、酸化ストレスのレベルの上昇は、ある程度は、酸化ストレスによってさらなる損傷をさらにもたらし得る神経性炎症によって引き起こされ得る。限定されるものではないが、アセチルシステイン、コシン(cocin)、魚油、及びレスベラトロールなどの抗酸化物質は、神経保護におけるこれらの役割を調べるために試験されている。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、神経保護の提供を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。
【0046】
化学療法薬などのいくつかの医薬品は、神経毒性又は神経損傷によって神経系の細胞に影響を与え得る。化学療法薬は、中枢神経系、末梢神経系、及び脳神経と呼ばれる末梢神経系の一部に影響を与え得るか、又は損傷を与え得る。いくつかの実施形態では、神経障害の患者を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態では、神経障害は、化学療法薬などの医薬品によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、シスプラチン化学療法薬又は5-フルオロウラシル(5-FU)化学療法薬を含む。シスプラチン化学療法薬は、限定されるものではないが、シスプラチン、シスプラチン、プラタミン(platamin)、ネオプラチン(neoplatin)、シスマプラット(cismaplat)、又はシスジアミンジクロリド白金(III)の使用を含み得る。これらの種類の化学療法薬の使用は、限定されるものではないが、視覚及び聴覚障害を含む、神経毒性を引き起こし得る。
【0047】
本明細書で使用される「C侵害受容器」という用語は、脊髄及び脳にシグナルを送ることによって損傷を与える又は潜在的に損傷を与える刺激に反応する感覚神経細胞である。このプロセスは、侵害受容と呼ばれ、知覚者に痛みの知覚を引き起こし得る。侵害受容器は、外的又は内的に有害な刺激を感知し得る身体のあらゆる領域に見られる感覚ニューロンである。限定されるものではないが、これらは、例えば、皮膚(皮膚侵害受容器)、角膜、及び粘膜などの組織で見ることができる。内部侵害受容器は、筋肉、関節、膀胱、腸、及び消化管に沿って続いている部分などの様々な器官に存在する。これらのニューロンの細胞体は、後根神経節又は三叉神経節のいずれかに位置している。三叉神経節は、顔の特殊な神経であり、一方、後根神経節は、体の他の部分に関連している。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、神経損傷を処置する方法が提供され、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、神経損傷は、C侵害受容器にあるか、又はグループC神経線維(Group C nerve fiber)にある。
【0048】
本明細書で使用される用語「グループC神経線維(Group C nerve fiber)」は、中枢神経系及び末梢神経系における3つのクラスの神経線維のうちの1つである。C線維群は無髄であり、小さい直径及び低い伝導速度を有する。これらは、自律神経系(ANS)における節後線維、及び後根における神経線維(IV線維)を含む。これらの線維は感覚情報を伝える。これらの神経線維の損傷又は傷害は、神経因性疼痛を引き起こす。
【0049】
本明細書で使用される用語「神経筋電図記録法(electromyoneurography)」(EMNG)は、神経活動のレベルを試験するための方法である。EMNGは、筋活動の電気的記録と共に刺激時の末梢神経の伝導速度の測定のための筋電図検査及び誘発筋電図検査(electroneurography)の併用である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、患者の神経損傷を処置する方法が提供され、この方法では、患者に、有効量のCGRPアンタゴニストペプチドを投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、監視は、この神経筋電図記録法によって行われる。
【0050】
本明細書で使用される用語「神経伝導速度試験」(NCV)は、機能、並びに人体の運動神経及び感覚神経の電気伝導の能力を評価するために一般に使用される試験である。神経伝導速度(NCV)は、この試験中に行われる一般的な測定法である。神経伝導速度試験は、電気インパルスが神経に沿ってどれだけ迅速に移動するかを測定する。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、患者の神経損傷を処置する方法が提供され、この方法では、患者に、有効量のCGRPアンタゴニストペプチドが投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この監視は、神経伝導速度試験によって行われる。
【0051】
本明細書で使用される用語「糖尿病」は、長期間にわたって血糖値が高い一群の代謝性疾患である。本明細書に記載の「糖尿病性ニューロパチー」は、糖尿病に罹患しているときに起こり得る神経障害の一種を指す。高血糖は、患者の体中の神経線維を損傷させ得るが、糖尿病性ニューロパチーは、多くの場合、例えば、脚及び足の神経を障害し得る。いくつかの実施形態では、ニューロパチーの患者を処置する方法が提供され、この方法では、患者に、有効量のCGRPアンタゴニストが投与される。いくつかの実施形態では、ニューロパチーは、糖尿病性ニューロパチーである。
【0052】
糖尿病性ニューロパチーは、糖尿病の一般的な重篤な合併症である。それでも、多くの場合、厳しい血糖コントロール及び健康的な生活様式で糖尿病性ニューロパチーを予防する又はその進行を遅らせることができる。罹患神経に応じて、糖尿病性ニューロパチーの症状は、患者の四肢の痛み及び痺れから患者の消化器系、尿路、血管、及び心臓の問題まで広範囲であり得る。一部の人では、これらの症状は軽度であり;その他の人では、糖尿病性ニューロパチーは、痛みを伴い、損傷させ、そして致命的でさえあり得る。場合によっては、糖尿病性ニューロパチーに起因する痛みを制御するために投薬が必要である。
【0053】
本明細書に記載の用語「緑内障」は、視神経の損傷及び失明をもたらす一群の眼疾患である。緑内障の危険因子には、限定されるものではないが、眼内圧の上昇、病気の家族歴、片頭痛、高血圧、糖尿病、及び肥満が含まれる。眼圧の場合、21mmHg又は2.8kPa以上の値は、多くの場合、より大きいリスクをもたらす高めの圧力として使用される。緑内障の処置には、限定されるものではないが、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害剤、高浸透圧薬、コリン作動薬、アドレナリン作動薬、及びプロスタグランジン類似体が含まれ得る。しかしながら、一部の患者は、何年もの間高い眼圧を有し得るが、決して損傷が起こらない。しかしながら、視神経障害は、正常圧で起こり得、正常眼圧緑内障として知られている。いくつかの実施形態では、視神経に神経保護を提供する方法が提供され、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、患者は緑内障に罹患している。いくつかの実施形態では、患者は糖尿病に罹患している。
【0054】
限定されるものではないが、緑内障の2つの例には、開放隅角緑内障及び閉塞隅角緑内障が含まれる。開放隅角緑内障は、緑内障の最も一般的な形であり、全ての緑内障症例の少なくとも90%を占める。開放隅角緑内障は、排液管のゆっくりとした目詰まりによって引き起こされ、結果として眼圧が上昇し、虹彩と角膜との間に広い開放角を有し、ゆっくりと進行し、そして気付かれない症状及び障害を有する生涯にわたる状態である。用語「開放隅角」は、虹彩が角膜に接触する角度が、虹彩と角膜との間に広い開放隅角を有する。開放隅角緑内障は、緑内障の最も一般的なタイプであり、約300万人のアメリカ人が罹患している。
【0055】
閉塞隅角緑内障は、緑内障のそれほど一般的ではない形であり、閉塞した排液管によって引き起こされ、結果とし眼圧が急激に上昇する。閉塞隅角緑内障では、虹彩は、本来あるべき幅ほど広く開いておらず、虹彩と角膜との間に閉じた角度又は狭い角度を有する。このタイプの緑内障は、非常に早く発症し、非常に顕著な症状及び障害を有しており、直ちに治療が必要である。限定されるものではないが、開放隅角緑内障及び閉塞隅角緑内障の他の変形としては、続発性緑内障、色素性緑内障、偽落屑緑内障、外傷性緑内障、神経血管性緑内障、虹彩角膜内皮症候群(ICE)、及びブドウ膜炎緑内障を挙げることができる。どのタイプの緑内障による失明も、一旦発症すると永久的である。
【0056】
本明細書で使用される用語「家族性高コレステロール血症」(FH)は、血中の高いコレステロールレベル、具体的には高レベルの低密度リポタンパク質(LDL、又は「悪玉コレステロール」)及び初期の心血管疾患を特徴とする遺伝性疾患である。FHの人は、基礎となる体内の生化学がわずかに異なるため、FH患者の高いコレステロールレベルは、FHではない人で通常はより効果的であるタイプのコレステロール制御方法(例えば、食事の改善及びスタチン錠)にはあまり反応しない。FHは、攻撃的で早期の心血管疾患を引き起こし得る。限定されるものではないが、FHによって引き起こされる問題には、心臓発作、卒中、及び心臓弁の狭窄が含まれ得る。FHの人にとっては、食事及び生活様式は重要であるが、これらは高レベルのLDLの原因ではない。一部のFH患者では、遺伝子変異により、肝臓が過剰なLDLを代謝(又は除去)できなくなる。結果として、LDLレベルが非常に高くなり、これが早期の心血管疾患(CVD)をもたらし得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、FH患者のLDLレベルを低下させる方法が提供され、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、患者は、LDLレベルを制御するために薬物を摂取する又は治療を受けるように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、治療は、スタチン、選択的コレステロール吸収阻害剤、樹脂、胆汁酸封鎖剤、胆汁酸結合薬、又は脂質低下薬を含む、LDLレベルを制御するための投与である。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に前記患者のLDLのレベル若しくは量を監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、患者は、既にLDLレベルを下げるための治療を受けている。いくつかの実施形態では、有効量のCGRP受容体アンタゴニストは、LDLレベルを低下させるための薬物と共に投与される。いくつかの実施形態では、患者は男性である。
【0058】
ヘテロ接合FHは、通常は、スタチン、胆汁酸封鎖剤、又はコレステロールレベルを低下させる他の脂質低下剤で処置される。ホモ接合型FHは、多くの場合、薬物療法に反応しないため、LDLアフェレーシス(透析と同様の方法でのLDLの除去)及び場合によっては肝移植を含む他の処置を必要とすることがある。アメリカ心臓協会は、LDLレベルに基づいて心臓病のリスクを分類している。1OOmg/dL未満が最適であると考えられ、約129mg/dLまでが最適に近いと考えられる。境界線上の高LDLは、約130mg/dL~159mg/dLであり、約160~約189mg/dLが高いと考えられる。190mg/dLを超える量は非常に高いと分類されている。多くのFH患者は、境界線上のLDL範囲以上のLDLレベルを有するため、これらの患者のLDLレベルを制御するために新たな方法が切に必要とされている。
【0059】
本明細書に記載の「対象」又は「患者」は、例えば、実験、診断、予防、及び/又は治療目的のために、実施形態を使用又は投与することができる任意の生物を指し得る。限定されるものではないが、対象は、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳動物;昆虫;蠕虫など)を含み得る。患者はまた、本明細書に記載の処置方法を受けるように登録又は同定されたあらゆる対象であり得る。
【0060】
本明細書に記載の「併用療法」は、対象が2つ以上の異なる医薬品に同時に曝露されるように、2つ以上の異なる医薬品が重複投与計画で投与される状況を指す。
【0061】
本明細書に記載の「治療有効量」は、関連する集団で見たときに、その投与が、例えば、疾患若しくは障害の改善又は疾患若しくは障害の進行の遅延を含む特定の治療効果の達成と相関するか又は相関が合理的に予想される治療薬の量を指し得る。治療効果は、客観的(すなわち、一部の試験又はマーカーによって測定可能)又は主観的(すなわち、対象が、効果の指標を伝えるか又は効果を感じる)であり得る。治療有効量は、複数の単位用量を含み得る投与計画で一般的に投与される。どの特定の治療用ペプチドでも、治療有効量(及び/又は有効な投与計画内の適切な単位用量)は、例えば、投与経路又は他の医薬品との組み合わせによって変動し得る。また、どの特定の患者に対する具体的な治療有効量(及び/又は単位用量)も、処置される障害及び障害の重症度を含む様々な因子;利用した特定の医薬品の活性;利用した特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、及び食事;利用した特定の融合タンパク質の投与時間、投与経路、及び/又は排泄若しくは代謝の速度;処置期間;並びに医学の分野で周知の因子などに依存し得る。
【0062】
本明細書に記載の「予防有効量」は、リスクのある患者の特定の疾患又は障害を予防、遅延、又はその重症度を軽減できる量を指す。
【0063】
本明細書に記載の「ヘルペスウイルス」は、ヒトに感染するヘルペスウイルスファミリー、ヘルペスウイルス科に属する。限定されるものではないが、症状は、皮膚又は粘膜における水泡を含み得る。病変は、ヘルペス性疾患に特徴的なかさぶたで治癒する。時には、ウイルスは、発生中に非常に軽度又は非定型症状を引き起こす。しかしながら、神経向性ウイルス及び神経侵襲性ウイルスとして、HSV-1及びHSV-2は、潜在性となってニューロンの細胞体中の免疫系から隠れることによって体内で存続する。ヘルペスウイルスは、神経及び神経系に侵入し得る。帯状疱疹は、ヒトの体内での水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)、ヘルペスウイルスの再活性化によるものである。水痘は、VZVの初期感染によるものである。水痘が消散すると、ウイルスは、神経細胞内で不活性のままであり得る。帯状疱疹を発症した人々は、ヘルペス後神経痛と呼ばれる状態である、数ヶ月又は数年間持続し得る継続的な神経痛を発症し得る。本明細書に提供される処置方法のいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス患者に、CGRPアンタゴニストが投与される。
【0064】
本明細書で定義される「虚血事象」又は「虚血」は、器官、又は、例えば心筋を含み得る身体の一部への不十分な血液供給を指す。血液循環の減少は、敏感な神経組織及び筋肉組織を生じさせ得る。
【0065】
詳細な説明
本明細書に記載されるように、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体のアンタゴニストを使用して、特定の生物学的応答を制御することができる。特に、CGRP受容体のペプチドアンタゴニストは、神経炎、緑内障、及び他の神経変性疾患の処置に有用であり、かつ神経保護及び/又は高LDLの制御を提供するのに有用である。
【0066】
投与用のCGRPペプチドアンタゴニスト
処置方法のいくつかの実施形態では、方法は、本明細書では、様々にCGRP受容体ペプチドアンタゴニスト、又はCGRPペプチドアンタゴニスト、及び/又はCGRPアンタゴニストとも呼ばれるペプチドCGRP受容体アンタゴニストの投与を含む。ペプチドCGRP受容体アンタゴニストは、式Iの構造を有し得:
X1-Y1-Z1
(I)
式中:
X1は、少なくとも5~7個のアミノ酸残基を含む修飾カルシトニン遺伝子関連ペプチドのN末端断片(すなわち、領域)であり、このN末端断片の2つのアミノ酸残基はシステイン(Cys)であり、最終残基(すなわち、C末端残基)はCysであり、最終Cys残基の直前の残基は、トレオニン(Thr)残基の非トレオニン置換であり;
Y1は、15~24超、15~24、15~22、18~22、又は19~20の残基を含む中心コア領域であり、この中心コアの少なくともいくつかの残基は、生理学的条件下でa-ヘリックスを形成することができ、中心コアの少なくとも1つのアミノ酸は、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)であり、中心コアはa-ヘリックスを含み;かつ
Z1は、C末端アミドを有する5~7個のアミノ酸残基を含む修飾カルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち、領域)であり、C末端断片の少なくとも1つのアミノ酸残基は、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、又はヒドロキシプロリン(Hyp);
又はこれらの薬学的に許容可能な塩である。
【0067】
いくつかの実施形態では、投与用のCGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドはアンタゴニスト活性を保持している。
【0068】
いくつかの実施形態では、投与用のCGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドはアンタゴニスト活性を保持している。
【0069】
本明細書に記載の処置方法のいくつかの実施形態では、式IのX1領域は、C末端のシステインよりもアミノ酸位置が4つ前、5つ前、又は6つ前の残基もシステインであるため、この2つのシステインがジスルフィド結合を形成し得るという特徴を有する。ジスルフィド結合に関与する2つのCys残基間の残基は、上記のように、断片のC末端のCys残基の前の残基がThrであってはならないこと、及びX1断片のC末端の7つの残基に3つ以上のシステインが存在してはならないことを除いて、配列が制約されない。前述のジスルフィド結合は、X1の構造を安定化させ、下記のY1におけるα-へリックスの形成及びCGRPと競合するCGRP受容体の膜貫通成分へのX1の結合の両方を促進する。
【0070】
本明細書に記載の処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストが投与される。本明細書に開示されるアンタゴニストは、15~22の残基を含む中心コアY1を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアンタゴニストは、24超、15~24、15~22、18~22、又は19~20の残基を含む中心コアY1を含み、中心コアの残基の少なくともいくつかが、生理学的条件下でa-ヘリックスを形成することができる。この中心コアのN末端から4番目の残基は、多くの場合、アルギニン(Arg)又はリジン(Lys)のいずれかの正電荷残基である。18番目の残基は、高頻度でアルギニンである。中心コアの長さは、残基の数自体によってではなく、X1及びZ1がそれぞれ、細胞膜表面の標的受容体及び細胞外ドメインの標的受容体と、CGRPと競合して相互作用し得るようにX1及びZ1を配置する必要がある立体的な考慮によって制約される。
【0071】
Z1は、C末端アミドを有する、5~7個以上のアミノ酸残基を含む修飾カルシトニン遺伝子関連ペプチドの修飾C末端断片(すなわち領域)であり、Z1領域の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、チロシン(Tyr)、又はヒドロキシプロリン(Hyp)である。上記のY1と同様に、Z1は、その配列によってではなく機能要件によって制約される。Z1の場合、その要件は、アンタゴニストが、CGRP受容体と競合してCGRP受容体に結合したときに、X1が、細胞表面の受容体と相互作用するように配置され、Z1が受容体のRAMP部分と相互作用するように、Z1がその細胞外ドメインの部位で標的受容体と相互作用することである。
【0072】
本明細書に記載の処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。
【0073】
本明細書に記載の処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。
【0074】
この処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、18~22の残基のコア領域を含む。
【0075】
この方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、N末端断片(X1)は以下を含み:
X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17(配列番号16)、
式中:
X11は、アラニン(Ala)、システイン(Cys)、グリシン(Gly)、イソロイシン(He)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、トリプトファン(Trp)、及びバリン(Val)からなる群から選択することができ;
X12は、システイン(Cys)、セリン(Ser)、及びチロシン(Tyr)からなる群から選択することができ;
X13は、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gin)、ヒスチジン(His)、リジン(Lys)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、チロシン(Tyr)、及びバリン(Val)からなる群から選択することができ;
X14は、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gin)、ヒスチジン(His)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、フェニルアラニン(Phe)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、チロシン(Tyr)、及びバリン(Val)からなる群から選択することができ;
X15は、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、イソロイシン(He)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、セリン(Ser)、トリプトファン(Typ)、及びバリン(Val)からなる群から選択することができ;
X16は、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、イソロイシン(He)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、セリン(Ser)、トリプトファン(Typ)、及びバリン(Val)からなる群から選択することができ;かつ
X17は、システイン(Cys)であり、かつX11、X12、又はX13のシステイン残基とジスルフィド架橋を形成することができ;そして
X1の2残基のみ(すなわち、X17と、X11、X12、及びX13のうちの1つのみ)がシステイン残基であるというさらなる制限を有する。
【0076】
処置方法のいくつかの実施形態では、この処置方法におけるCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X11は、Ala、Cys、及びGlyからなる群から選択される。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X12は、Cys及びSerからなる群から選択されるが、X11及びX12の一方のみがCysであり得ることに注意されたい。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X13は、Arg、Asn、Asp、及びValからなる群から選択される。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X14は、Leu、Phe、及びThrからなる群から選択される。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X15は、Ala、Gly、及びSerからなる群から選択される。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X15は、Ala、Ile、Leu、Ser、及びValからなる群から選択される。
【0077】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17は、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys(配列番号17)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys(配列番号18)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys(配列番号19)、NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys(配列番号20)、NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys(配列番号21)、NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys(配列番号22)、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys(配列番号23)、NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys(配列番号24)、NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys(配列番号25)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys(配列番号26)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys(配列番号27)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys(配列番号28)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys(配列番号29)、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys(配列番号30)、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys(配列番号31)、NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys(配列番号32)、及びNH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys(配列番号33)からなる群から選択される。
【0078】
処置方法のいくつかの実施形態では、1つ以上の追加の残基がX11のN末端に融合され、これにより、X1に対する残基のN末端伸長を有するポリペプチドが生成される。この処置方法のいくつかの実施形態では、この伸長は、投与後のアンタゴニストの安定性に影響を及ぼす。
【0079】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、中心コア領域(Y1)は、ヒトカルシトニン又はサケカルシトニンの中心コア断片を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、ヒトカルシトニン又はサケカルシトニンの断片は、18~21個のアミノ酸を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、ヒトカルシトニン又はサケカルシトニンの断片は、18~20個のアミノ酸を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、Y1は、19~20個のアミノ酸を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、Y1は、-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号34)又はVal-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号35)である。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、Y1は、-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号34)又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号35)と95%の配列同一性を有する。
【0080】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、中心コアは、あらゆる範囲の種に由来するカルシトニンの断片を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、Y1は、配列番号34(Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-)のY1と60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を有し得る。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、Y1は、-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号35)、又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asp-(配列番号36)、又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Phe-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号37)、又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Asp-Ile-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号38)、又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Met-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asp-(配列番号39)、又は-Leu-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Thr-Arg-Thr-Asp-(配列番号40)、又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Asp-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Phe-Pro-Arg-Thr-Asp-(配列番号41)、又は-Met-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Asp-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Phe-Pro-Arg-Thr-Asp-(配列番号42)、又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Asp-Ile-His-Lys-Leu-Gln-Thr-His-Pro-Arg-Thr-Asp-(配列番号43)であり得る。処置方法のいくつかの実施形態では、Y1は、上記のY1の配列のいずれかと60%以上の配列同一性を有し得る。
【0081】
この処置方法のいくつかの実施形態は、上記のY1ポリペプチド断片に対して少なくとも約60%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約61%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約62%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約63%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約64%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約65%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約66%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約67%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約68%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約69%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約70%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約71%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約72%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約73%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約74%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約75%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約76%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約77%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約78%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約79%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するY1ポリペプチドを提供する。
【0082】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、Z1は、Z11-Z12-Z13-Z14-Z15-Z16(配列番号45)を含み、式中:
Z11は、Ala、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、及びValからなる群から選択され;
Z12は、Ala、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、及びValからなる群から選択され;
Z13は、セリン(Ser)及びチロシンからなる群から選択され;
Z14は、Arg、Asn、Asp、Glu、Gin、His、Lys、Ser、Thr、及びTyrからなる群から選択され;
Z15は、Ala、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、及びValからなる群から選択され;かつ
Z16は、Ala、Gly、He、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、及びValからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Z11はValである。いくつかの実施形態では、Z12はGlyである。いくつかの実施形態では、Z13はSerである。いくつかの実施形態では、Z14はLysである。いくつかの実施形態では、Z15はAlaである。いくつかの実施形態では、Z16はPheである。いくつかの実施形態では、Z11-Z12-Z13-Z14-Z15-Z16は、ポリペプチドのC末端がカルボキシ部分(配列番号46)であるように-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Pheであるか、又はポリペプチドのC末端がカルボキサミド部分(配列番号47)であるように-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2である。
【0083】
処置方法のいくつかの実施形態では、Z1のC末端残基は、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、又はヒドロキシプロリンである。いくつかの実施形態では、Z1のC末端残基はフェニルアラニンである。
【0084】
いくつかの実施形態では、Z1は、少なくとも1つのPhe残基を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、Z1のC末端は、アミド化カルボキシ(-C(=O)NH2)部分によって結合されるように修飾されている。
【0086】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、X1は、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-(配列番号17)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-(配列番号18)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-(配列番号19)、NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-(配列番号20)、NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-、NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-(配列番号21)、NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-(配列番号22)、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-(配列番号23)、NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-(配列番号24)、Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-(配列番号25)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-(配列番号26)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-(配列番号27)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-(配列番号28)、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-(配列番号29)、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-(配列番号30)、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-(配列番号31)、NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys(配列番号32)、及びNH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-(配列番号33)からなる群から選択され;Y1は、-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号34)又は-Val-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-(配列番号35)であり得;かつZ1は、カルボキシ末端を有する-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe(配列番号46)又は-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号47)であり得る。
【0087】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、このアンタゴニストは、28~35個のアミノ酸残基、31~37個のアミノ酸残基、31~33個のアミノ酸残基、又は32個のアミノ酸残基を含む。
【0088】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、このアンタゴニストは、-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-X16-Cys-(配列番号49)を含み、式中、X16は、Thr以外の任意のアミノ酸残基である。
【0089】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、このアンタゴニストは、7個以下のアミノ酸残基を有する第1のペプチド断片/領域を含み、前記第1のペプチド断片は、修飾カルシトニン遺伝子関連ペプチド由来の配列を有する。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、このアンタゴニストは、7個以下のアミノ酸残基を有する第2のペプチド断片を含み、前記第1及び第2のペプチド断片は不連続であり、それぞれ独立して、カルシトニン遺伝子関連ペプチド由来の修飾され得る配列を有する。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、このアンタゴニストは、20個以下のアミノ酸残基を有する第3のペプチド断片を含み、この第3のペプチド断片は、サケカルシトニン由来の配列を有する。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、第2のペプチド断片及び第3のペプチド断片は隣接している。
【0090】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号1)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。いくつかの実施形態では、このアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ser-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号2)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号3)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号4)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号5)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Arg-Phe-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号6)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号7)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。いくつかの実施形態では、このアンタゴニストは、NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号8)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有する。いくつかの実施形態では、このアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Leu-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号9)又はその薬理学的に許容可能な塩の構造を有する。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ile-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号10)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号11)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Cys-Ser-Asn-Thr-Ala-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号12)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NF^-Ala-Cys-Asn-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2(配列番号13)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。いくつかの実施形態では、このアンタゴニストは、Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Val-Asp-Pro-Ser-Ser-Pro-His-Ser-Tyr-NH2(配列番号14)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有する。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、Ala-Cys-Asp-Thr-Ala-Ala-Cys-Val-Thr-His-Arg-Leu-Ala-Gly-Leu-Leu-Ser-Arg-Ser-Gly-Gly-Val-Val-Lys-Asn-Asn-Phe-Val-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号15)又はその薬理学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Ala-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号57)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、NH2-Ala-Cys-Asp-Leu-Ser-Val-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Lys-Ala-Phe-NH2(配列番号58)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を含む。本開示のCGRPペプチドアンタゴニストはまた、上記の化合物のうちの1つを含む医薬組成物中で投与することができる。医薬組成物は、本明細書に提供される実施形態のうちのいずれか1つの方法で使用することができ、この方法は、有効量のCGRPペプチドアンタゴニストを個体に投与することを含む。
【0091】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、式Iの構造を含み、式中、Y1は、-Ala-Glu-Ala-Ala-Ala-Lys-Glu-Ala-Ala-Ala-Lys-Glu-Ala-Ala-Ala-Lys-Ala-(配列番号50)、-Ala-Lys-Ala-Ala-Ala-Glu-Lys-Ala-Ala-Ala-Glu-Lys-Ala-Ala-Ala-Glu-Ala-(配列番号51)、-Ala-Glu-Ala-Ala-Lys-Ala-Glu-Ala-Ala-Lys-Ala-Glu-Ala-Ala-Lys-Ala-(配列番号52)、又は-Ala-Lys-Ala-Ala-Glu-Ala-Lys-Ala-Ala-Glu-Ala-Lys-Ala-Ala-Glu-Ala-(配列番号53)を含む。
【0092】
処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13に示される配列からなる群から選択される配列を含む。
【0093】
処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。処置方法のいくつかの実施形態では、投与用のCGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。いくつかの実施形態では、このアミノ酸配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有することができ、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。いくつかの実施形態では、このアミノ酸配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有することができ、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。いくつかの実施形態では、このアミノ酸配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有することができ、前記ペプチドは、アンタゴニスト活性を保持している。
【0094】
アンタゴニストの投与量及び投与経路
処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、特定の神経変性疾患に罹患しやすいか又はそうでなければそのリスクがある患者に投与することができ、この投与は、このような疾患の重症度を予防、遅延、又は軽減するのに十分な量である。このような量は、「予防有効量」又は「予防有効用量」と定義され、「治療有効量」と呼ばれることもある。この使用では、投与されるべき正確な量は、例えば、患者の健康状態及び体重に依存し、かつ当業者によって容易に決定することができる。好ましい実施形態では、このアンタゴニストは、神経保護を必要としている患者に投与することができる。
【0095】
限定されるものではないが、神経保護を必要とする患者は、神経障害を引き起こす可能性が高い攻撃、例えば、虚血事象、薬物若しくは疾患による神経損傷、又は視神経に影響を与える眼内圧などに苦しんでいる。
【0096】
神経保護を必要とする患者は、神経変性疾患、例えば、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、及び多系統萎縮症に罹患している可能性がある。
【0097】
処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、例えば疼痛若しくは不快感をもたらし、かつ/又は進行性神経障害の一因となる自発的神経活動に苦しんでいる患者に治療有効量で投与することができる。このような自発的神経活動は、神経、特にC侵害受容器の慢性刺激又は慢性機能不全の結果であり得る。いくつかの実施形態では、自発的神経活動の低下を必要とする患者はヘルペスウイルスに罹患している。いくつかの実施形態では、自発的神経活動の低下を必要とする患者は帯状疱疹に罹患している。
【0098】
処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、高LDLレベルの患者に、治療有効量、すなわち前記LDLレベルを低下させるのに十分な量で投与することができる。この使用では、投与されるべき正確な量は、例えば、患者の健康状態及び体重に依存し、かつ当業者が容易に決定することができる。
【0099】
本明細書に記載の本方法のためのアンタゴニストの投与量範囲は、治療効果を発揮するのに十分な投与量範囲である。
【0100】
本明細書で提供される処置方法のいくつかの実施形態では、CGRP受容体ペプチドアンタゴニストは、このCGRP受容体ペプチドアンタゴニストと医薬担体又は希釈剤などの不活性成分とを含む医薬組成物中で提供される。ペプチドアンタゴニスト含有医薬組成物は、限定されるものではないが、経口、肺、非経口(筋肉内注射、腹腔内注射、静脈内注射、又は皮下注射)、吸入(微粉末製剤又はエアロゾルにして)、経皮、鼻腔内、眼内、口腔内、又は舌下の投与経路を含む、当業者に公知の任意の手段によって投与することができ、かつ各投与経路に適した剤形に製剤化することができる。いくつかの実施形態では、ペプチドアンタゴニスト含有医薬組成物は、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、眼内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。例えば、1993年12月23日に公開されたBernsteinらのPCT国際公開第93/25221号パンフレット;1994年8月18日に公開されたPittらのPCT国際公開第94/17784号パンフレット;及び1994年9月7日に公開されたPittらの欧州特許出願公開第613,683号明細書を参照されたい。
【0101】
正確な投与量は、症状ごとに決定されるが、殆どの場合、投与量についていくつかの一般化を行うことができる。成人患者の1日投与量の計画は、例えば、0.001mg~100mgの例示的な範囲又は0.005mg~5mgの例示的な範囲でのアンタゴニストの眼内投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、又は筋肉内投与であり得る。当業者であれば、局所投与、経皮投与、経口投与、経肺投与(吸入による)、鼻腔内(intranasal)投与、口腔内投与、舌下投与、又は関連する非経口投与以外の投与経路の方が非経口投与よりも高いであろうことを理解する。この場合の投与量は、例えば100mgよりも多くすることができ、例えば200mg、300mg、400mg、600mg、500mg、1000mgにすることができ、又は前述の量のうちの任意の2つの間の任意の量とすることができる。さらに、CGRPアンタゴニストは、CGRPペプチドの投与及び/又は摂取を容易にする1つ以上の成分と共に製剤化することができる。薬学的に許容可能な塩を投与する場合、投与量は、遊離塩基として計算することができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回、又は1週間に4回投与される。本明細書に記載の処置方法のいくつかの実施形態では、組成物は、1日に1回、2回、3回、又は4回、又は単回急性投与として投与される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、徐放製剤として、例えばデポー注射又は注入ポンプによって投与することができる。例えば、CGRPアンタゴニストは、1ヶ月に1回の投与を可能にするように、又は1年に1回の投与を可能にする徐放小型ポンプ装置(例えば、送達用の埋め込み型浸透圧ポンプ装置)での使用を可能にするように製剤化することができる。
【0102】
この投与方法に適した投与経路も同様に、当業者に公知であり、例えば、限定されるものではないが、経口、眼内、経粘膜、又は局所送達;筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、髄腔内、腹腔内、鼻腔内、又は眼内注射を含む非経口送達、並びに無針皮下送達を挙げることができる。あるいは、アンタゴニストは、本明細書に記載される組成物の任意の実施形態の一部であり得、そして好ましくは、1日に1000mgまでの各活性成分の投与量で、連続静脈内注射によって投与することができる。慢性的な神経痛の対象は、連続的な静脈内注入又は制御注入、例えば注入ポンプから恩恵を受けることができる。緑内障の対象は、組成物の眼内投与から恩恵を受けることができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、活性成分の投与量は、50μg、60μg、70μg、80μg、90μg、100μg、200μg、300μg、400μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mg、5mg、10mg、40mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、又は500mg、1000mg、又は2000mg、又は任意の2つの前述の値間の任意の量である。いくつかの実施形態では、前述の投与量は、単回投与で投与される。いくつかの実施形態では、このペプチドは、連続療法の期間、例えば1週間以上、又は数ヶ月、又は数年間投与される。
【0103】
典型的には、患者に投与される組成物の投与量範囲は、患者の体重1kg当たり約0.000001~約10mgであり得る。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、患者に投与される組成物の投与量範囲は、患者の体重1kg当たり0.000001mg、0.000010mg、0.00010mg、0.0010mg、0.010mg、0.10mg、1mg、5mg、又は10mg、又は任意の2つの前述の値間の任意の量とすることができる。投与量は、患者に必要とされるように、1日以上の間に1回又は一連の2回以上であり得る。化合物のヒト投与量が少なくともいくつかの状態について確立されている場合、本実施形態は、確立された投与量と同じ投与量、又は確立されたヒト投与量の約0.1%~500%、より好ましくは約25%~250%の投与量を使用する。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、投与量は、確立されたヒト投与量の0.1%、1%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、又は500%、又は任意の2つの前述の値間の任意の量である。新たに発見された医薬化合物の場合のようにヒト投与量が確立されていない場合、適切なヒト投与量は、動物での毒性試験及び有効性試験によって定量化される、ED50若しくはID50値、又はinvitro若しくはinvivo試験から得られる他の適切な値から推論することができる。
【0104】
本明細書に提供される任意の方法でペプチドアンタゴニストを投与する方法の他の投与量範囲は、初期用量反応曲線からのデータ及び日常的な方法によって得ることができる他のデータに基づき、当業者には明らかであろう。薬学的に許容可能な塩を投与する場合、投与量は、遊離塩基として計算することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される任意の方法のペプチドアンタゴニストは、1日に1回、2回、3回、又は最大4回、又は単回急性投与として投与される。いくつかの実施形態では、ペプチドは、連続療法の期間、例えば1週間以上、又は数ヶ月、又は数年間投与される。患者が経験する慢性的な神経痛などの疾患の重症度に応じて、投与は、少なくとも1日1回、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回行われる。
【0105】
処置方法のいくつかの実施形態では、この化合物は、所定の速度での長期投与及び/又は時限パルス投与では、限定されるものではないが、デポー注射、浸透圧ポンプ、及び経皮(エレクトロトランスポートを含む)パッチなどを含む、持続的又は制御放出剤形で投与される。
【0106】
処置方法のいくつかの実施形態では、患者は、慢性的な神経痛又は虚血後事象に苦しんでいる。虚血障害は、循環の中断により起こり得、そして神経障害をもたらし得る。いくつかの実施形態では、慢性的な神経痛又は虚血後事象の患者に、このアンタゴニストを連続静脈内注射によって投与することができる。いくつかの実施形態では、このアンタゴニストは、必要に応じて制御された量のアンタゴニストを患者が自己送達することを可能にするために外部注入ポンプによって投与される。
【0107】
(例えば、上記のRemington’s Pharmaceutical Sciencesにおける)任意の周知の技術、担体、及び賦形剤を、当分野で適切であり、かつ理解されるように使用することができる。
【0108】
投与量及び投与間隔は、調節効果を維持するのに十分な活性部分の血漿レベル又は最小有効濃度(MEC)を提供するために個々に調整することができる。MECは、化合物ごとに異なるが、in vitroデータから推定することができる。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特徴及び投与経路に依存する。しかしながら、HPLCアッセイ又はバイオアッセイを用いて血漿濃度を決定することができる。
【0109】
CGRPアンタゴニストの投与による神経障害後の神経の自発的活動の低下
一態様では、必要としている患者における神経障害後の神経の自発的活動を低下させる方法が提供され、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。CGRP受容体アンタゴニストは、上記の実施形態に記載されている式Iの構造を有し得る。
【0110】
投与用のCGRPペプチドアンタゴニストの投与量は上記の通りである。CGRPペプチドアンタゴニストは、単独で又はその薬学的に許容可能な塩として送達することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1~15、57、又は58に記載の配列から選択される配列を含む。
【0112】
例えば神経損傷後の、神経における自発的活動を低下させるためのいくつかの方法では、式I(X1Y1Z1)のCGRP受容体アンタゴニストが、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、皮下注射によって、眼内に、口腔内に、静脈内に、鼻腔内に、眼内に、吸入によって、筋肉内に、舌下に、又は経口的に投与される。いくつかの実施形態では、投与は、毎日、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回行われる。いくつかの実施形態では、投与は、1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回行われる。
【0113】
いくつかの実施形態では、神経損傷は、化学療法薬などの薬物に起因する。いくつかの実施形態では、神経損傷は、神経血管障害又は神経変性疾患に起因する。いくつかの実施形態では、神経損傷を引き起こす薬物は、心臓薬(すなわち、アルミトリン)、抗癌剤、抗生物質(すなわち、クロラムフェティコール、Cipro)、抗真菌剤、免疫抑制剤(すなわち、シクロスポリン)、筋弛緩薬(すなわち、Hydrazaline)、抗けいれん薬(すなわち、フェニトイン)、抗ウイルス薬、抗HIV薬、抗炎症薬、中枢性筋弛緩薬、向知性薬(nootropic agent)、アポトーシス抑制剤、成長因子アゴニスト、平滑筋弛緩薬(smooth muscle relaxantium)、クロロキン、イソニアジド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、サリドマイド、エタネルセプト、インフリキシマブ、レフルノミド、ダプソン、フェニトイン、ジスルフィラム、ジダノシン、スタブジン、Kenalog-40、トリアムシノロン、Clinacort、又は駆虫薬である。いくつかの実施形態では、神経は、C侵害受容器又はグループC神経線維(Group C nerve fiber)である。
【0114】
いくつかの実施形態では、神経損傷は、ウイルスに起因する。いくつかの実施形態では、患者は、ヘルペスウイルスに罹患している。いくつかの実施形態では、患者は、帯状疱疹に罹患している。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1に示される配列を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、患者は、神経変性疾患用の薬物又はウイルスを摂取するように同定又は選択されている。
【0116】
CGRP受容体アンタゴニストの投与によって神経保護を提供する方法
別の態様では、神経保護の提供を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。神経保護は、神経構造及び機能の保存を指す。神経変性傷害の間に、ニューロンの完全性の相対的な保存は、経時的なニューロンの喪失率の低下を意味する。神経保護は、中枢神経系(CNS)障害に対する広く研究されている処置法の選択肢である。これらのCNS障害には、限定されるものではないが、神経変性疾患、卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、及び神経毒の摂取(すなわち、メタンフェタミン過剰投与)の緊急治療が含まれ得る。神経保護を使用して、ニューロンの喪失を停止又は少なくとも遅延させることによって、疾患の進行及び二次的損傷を予防又は遅延することができる。CNS障害に関連する症状又は損傷の違いにもかかわらず、神経変性の背後にあるメカニズムの多くは同じである。一般的なメカニズムには、酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害、興奮毒性、炎症性変化、鉄蓄積、及びタンパク質凝集のレベルの上昇が含まれる。一般的な神経保護処置は、グルタミン酸アンタゴニスト及び抗酸化物質であり、それぞれ、興奮毒性及び酸化ストレスを制限することを目的としている。CGRP受容体アンタゴニストも同様に神経保護性であり得ることが見出された。
【0117】
いくつかの実施形態では、神経保護を必要とする患者は、緑内障などの神経変性疾患に罹患しているか、又は卒中などの急性事象若しくは脊髄損傷を患っている。
【0118】
いくつかの実施形態では、神経保護の提供を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストを患者に投与することを含む。CGRP受容体アンタゴニストは、上記の実施形態に記載されているように、式Iの構造を有するペプチドアンタゴニストであり得る。
【0119】
投与用のCGRPペプチドアンタゴニストの投与量は上記の通りである。CGRPペプチドアンタゴニストは、単独で又はその薬学的に許容可能な塩として送達することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のうちの1つに記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13のうちの1つに記載の配列を含む。
【0121】
本投与方法のいくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、非経口的に、眼に、眼内に、口腔内に、舌下に、経口的に、局所的に、皮膚に、皮内に、皮下に、皮膚注射によって、又は皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、投与は、毎日、1週間に1回、1週間に2回、又は1週間に3回行われる。いくつかの実施形態では、投与は、1日4回、1日3回、1日2回、又は1日1回行われる。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、1ヶ月に1回の投与又は連続投与を可能にするように製剤化される。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、患者は、緑内障、糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロチシー、脳血管虚血、運動ニューロン疾患、認知症、発作、頭部外傷、又は神経損傷を患っている。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のうちの1つに記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13のうちの1つに記載の配列を含む。
【0122】
CGRP受容体アンタゴニストの投与による神経炎性ニューロパチーの処置方法
神経炎は、神経の炎症又は末梢神経系の炎症の総称である。神経炎の原因には、限定されるものではないが、身体的損傷、血管損傷、毒素、加齢、遺伝的障害、感染症(ウイルス性又は細菌性)、ジフテリア、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、ハンセン病、ライム病、化学療法などの化学傷害、放射線療法、アルコール依存症、自己免疫疾患、多発性硬化症、ギランバレー症候群、脚気(ビタミンB1欠乏症)、癌、セリアック病、糖尿病(糖尿病性ニューロパチー)、甲状腺機能低下症、ポルフィリン症、ビタミンB12欠乏症、及びビタミンB6過剰症が含まれ得る。神経炎の種類としては、限定されるものではないが、上腕神経炎、ベル麻痺などの脳神経炎、視神経炎、及び前庭神経炎を挙げることができる。
【0123】
別の態様では、神経炎を処置する方法が提供される。この方法は、前述のように、有効量のCGRP受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む。
【0124】
CGRPペプチドアンタゴニストは、上記のように式Iの構造を有し得る。CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得、このペプチドは、これらの方法においてアンタゴニスト活性を保持している。
【0125】
投与用のCGRPペプチドアンタゴニストの投与量は前述されている。CGRPペプチドアンタゴニストは、上記のように単独で又はその薬学的に許容可能な塩として送達することができる。
【0126】
CGRP受容体アンタゴニストは、前述のように投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後に神経活動機能のレベルを前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、神経炎は、身体的損傷、血管損傷、毒素、加齢、遺伝的障害、感染症(ウイルス性又は細菌性)、ジフテリア、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、ハンセン病、ライム病、化学療法などの化学傷害、放射線療法、アルコール依存症、自己免疫疾患、多発性硬化症、ギランバレー症候群、脚気(ビタミンB1欠乏症)、癌、セリアック病、糖尿病(糖尿病性ニューロパチー)、甲状腺機能低下症、ポルフィリン症、ビタミンB12欠乏症、及びビタミンB6過剰症に起因する。神経炎の種類としては、限定されるものではないが、上腕神経炎、ベル麻痺などの脳神経炎、視神経炎、及び前庭神経炎を挙げることができる。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58に記載の配列を含む。
【0127】
患者における緑内障の処置方法
別の態様では、患者の緑内障を処置する方法が提供される。この方法は、上記のように、必要としている患者に有効量のCGRP受容体アンタゴニストを投与することを含む。CGRPペプチドアンタゴニストは、上記のように式Iの構造を有し得る。
【0128】
CGRPペプチドアンタゴニストの投与量及び投与経路は上記の通りである。
【0129】
いくつかの実施形態では、患者は糖尿病に罹患している。いくつかの実施形態では、患者は、緑内障の薬物を摂取するように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、薬物は、β遮断薬、プロスタグランジン、又はαアドレナリン作動薬である。いくつかの実施形態では、CGRP受容体アンタゴニストは、β遮断薬、プロスタグランジン、又はa-アドレナリン作動薬などの他の薬物に加えて、又はこれらと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58に記載の配列を含む。処置方法のいくつかの実施形態では、CGRPペプチドアンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中で投与される。
【0130】
CGRP受容体アンタゴニストの投与によってLDLレベルを低下させる方法
低密度リポタンパク質(LDL)は、リポタンパク質の5つの主要な群のうちの1つである。これらの群は、最小密度から最大密度まで、カイロミクロン、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質、及び高密度リポタンパク質である。LDL粒子は、酸化型がプロテオグリカンによってより容易に保持されるため、これらが内皮に侵入して酸化されると心血管疾患のリスクをもたらし得る。LDL粒子の濃度の上昇は、経時的な動脈壁内のアテローム性動脈硬化の蓄積速度の増加と強く関連し、最終的には動脈の管腔内の突然のプラークの破裂及び血栓の誘発、又は管腔の狭窄又は閉鎖、すなわち心血管疾患、卒中、及び他の血管疾患の合併症をもたらす。
【0131】
家族性高コレステロール血症(FH)は、非常に有意に上昇した低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを有する個体の診断である。FHは、非常に高レベルのLDL-C、並びに総コレステロールによって特徴付けられる。この状態は、動脈の硬化(アテローム性動脈硬化症)のリスクを大幅に高め、これにより、心臓発作、卒中、及び他の血管の状態がもたらされ得る。FHの人は、冠動脈心疾患(CHD)のリスクが20倍高い。未処置の男性は、50歳までは非致命的又は致命的な冠動脈事象のリスクが50%あり;未処置の女性は60歳まではリスクが30%ある。
【0132】
境界線上の高LDLは、約130mg/dL~159mg/dLの範囲であり、約160~約189mg/dLが高いと考えられる。190mg/dLを超える量は、非常に高いと分類される。いくつかの実施形態では、患者は、130mg/dL、140mg/dL、150mg/dL、160mg/dL、170mg/dL、180mg/dL、190mg/dL、200mg/dL、又は任意の前述の値間の任意の濃度のLDLレベルを有する。
【0133】
PCSK9は、FH症例のごく一部にのみ関与している。正常なPCSK9遺伝子は、コレステロール受容体がその機能を果たした後にこのコレステロール受容体を分解する酵素をコードする。この遺伝子の変異は、影響を受けた遺伝子を機能不全にする殆どの変異とは異なる。PCSK9変異は、遺伝子の機能を増大させ、残存LDL受容体が過少となり、従ってLDLコレステロールのレベルが上昇する。PCSK9は、FH症例及び高LDLレベルの両方のごく一部のみに関与するため、高LDLレベルの人々に他の治療薬を提供する必要がある。
【0134】
別の態様では、LDLの低下を、それを必要とする患者において行う方法が提供される。この方法は、上記のように、必要としている患者に有効量のCGRP受容体アンタゴニストを投与することを含む。CGRPペプチドアンタゴニストは、上記のように式Iの構造を有し得る。
【0135】
CGRPペプチドアンタゴニストの投与量及び投与経路は上記の通りである。
【0136】
いくつかの実施形態では、患者は、血中の高いLDL濃度に苦しんでいる。いくつかの実施形態では、患者は、LDLレベルを制御するための薬物を摂取する又は療法を受けるように同定又は選択されている。いくつかの実施形態では、この方法は、有効量のCGRP受容体アンタゴニストの投与前、投与中、又は投与後にLDLのレベル又は量を前記患者で監視又は測定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この療法は、スタチン、選択的コレステロール吸収阻害剤、樹脂、胆汁酸封鎖剤、胆汁酸結合薬、又は脂質低下薬を含む、LDLレベルを制御するための投与である。いくつかの実施形態では、患者は、LDLレベルを下げるための処置を既に受けている。いくつかの実施形態では、患者は男性である。いくつかの実施形態では、患者は、家族性高コレステロール血症を有する。いくつかの実施形態では、CGRPアンタゴニストは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、57、又は58に記載の配列を含むペプチドである。治療方法のいくつかの実施形態では、投与のためのCGRPペプチドアンタゴニストは、薬学的に許容可能な製剤中である。
【0137】
いくつかの実施形態では、患者は、200mg/dLを超えるLDLレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者は、200mg/dL、220mg/dL、240mg/dL、260mg/dL、280mg/dL、又は300mg/dL、又は任意の2つの前述の値間の任意の濃度のLDLレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者は、300mg/dLを超えるLDLレベルを有する。
【0138】
追加の実施形態
実施形態1:
神経損傷のラットモデルにおけるC侵害受容器の自発的活動に対するペプチドCGRP受容体アンタゴニスト(配列番号1)の効果の評価
C侵害受容器における病理学的な自発的活動に対するCGRP受容体アンタゴニストの効果を調べるために、Sprague-Dawlyラットで以下の実験を行った。圧挫誘発性坐骨神経障害(crush inducing sciatic neuropathy)を12匹の雄Sprague-Dawleyラットに生じさせた。次いで、損傷したC侵害受容器における自発的活動をマイクロニューログラフィで検出し、そしてCGRP受容体アンタゴニストに対する応答を非盲検条件下で評価した。この研究は、神経因性疼痛のモデルにおける損傷したC侵害受容器の亜集団における自発的活動の電気生理学的評価基準に対するCGRP受容体アンタゴニストの効果を評価し、そして抹消C侵害受容器の病理学的な自発的活動に対するCGRP受容体アンタゴニストの効果を調べることを目的とした。
【0139】
材料及び方法
全ての実験は、実験動物の世話及び使用に関する政府の勧告に従って行われ、動物研究における倫理に関する適切な制度委員会によって承認された。
【0140】
本明細書に記載されているように、実験は、神経因性疼痛のモデルにおける損傷したC侵害受容器の亜集団における自発的活動の電気生理学的評価基準に対する、配列番号1に記載のアンタゴニストなどのCGRP受容体アンタゴニストの効果を評価することを目的とした。
【0141】
自発的神経行動を試験するための動物
実験は、神経損傷の日に、体重312±12g(平均±SD(標準偏差))の12匹の成体雄Sprague-Dawleyラット(Charles River,Laboratorios Espana,Barcelona,Spain)の1つの群で行った。実験開始の72時間前にラットに検疫期間を設けた。
【0142】
動物の飼育
ラットは、1ケージ当たり3匹ずつの群で飼育した。ケージの清掃は、少なくとも週に2回行った。動物は、ラット食餌及び水道水を自由に摂取した。動物は、温度及び湿度が制御された環境において、標準的な光周期(午前7時~午後7時)下で維持した。
【0143】
圧挫誘発性坐骨神経障害の実験モデル
全ての外科処置は全身麻酔下(ケタミン90mg/kg+キシラジン10mg/kg i.p.(腹腔内))で行った。坐骨神経を大腿中央レベルで露出させた。標準外傷を、第3指の先端から90mmの定点で非常に先が尖った鉗子を用いて連続して3回神経を潰すことによって生じさせた。次いで、創傷を幾重にも縫合し、そしてポビドンヨードで消毒した。動物には、鎮痛薬ブプレノルフィンを皮下投与(s.c.)し、麻酔薬から完全に回復するまで温かい環境に維持し、そして最低70日間、神経損傷から回復させた。
【0144】
CGRP受容体アンタゴニストの投与
CGRP受容体アンタゴニスト(配列番号1)を、製造業者の指示に従って25μg/Kgの最終濃度で生理食塩水溶液に溶解した。腹腔内(i.p.)注射ボーラスの容量は0.48~0.58mlの範囲とした。
【0145】
マイクロニューログラフィ記録
記録当日に体重478±36g(平均±SD)の動物を、ケタミン(90mg/Kg)及びキシラジン(10mg/Kg)のi.p(腹腔内)注射で麻酔した。麻酔レベルを維持するのに必要とされる最初の投与量の半分の反復投与を、通常は1時間ごとに行った。
【0146】
坐骨神経を、坐骨切痕から膝までの大腿中央レベルで露出させ、そして周囲の組織から注意深く分離した。動物を、恒温毛布(Harvard Apparatus、Holliston、Massachusetts、USA)上で腹臥位にした。研究中の神経単位の受容野に近い皮膚に向けられた赤外線遠隔温度計を用いて皮膚温度を監視した。記録が完了したら、過剰量のペントバルビタールナトリウムをi.p(腹腔内)注射してラットを安楽死させた。
【0147】
坐骨神経の電気的活動の記録を、マイクロマニピュレータを使用してタングステン微小電極(FHC,Bowdoinham,ME,USA、公称インピーダンス50~100KΩ、シャフト0 175μm(0=直径))を坐骨神経幹に挿入することによって得た。特徴的な神経音響シグナルを聞くことができるようになるまで、マイクロマニピュレータを用いて記録電極を慎重に神経内に進めた。この方法は、ヒト患者に採用されているマイクロニューログラフィ技術と同じ原理に従う。
【0148】
神経シグナルは、最初に、隔離された高入力インピーダンス増幅器で増幅し、帯域通過フィルタリングし(最大範囲50~5000Hz)、そしてノイズ除去器に通した。次いで、このシグナルを、ノイズクリッパを備えたAM10音響監視装置(Grass Technologies,Warwick,RI,USA)、及び自発的及び電気的に誘発された活動を収集するために別々のソフトウェアを実行しているコンピュータに供給した。電気刺激を、定電流刺激装置(DS7A,Digitimer,Welwyn Garden City,Hertfordshire,UK)によってユニットの皮膚受容野(cutaneous receptive field)に送達した。
【0149】
電気刺激を誘発し、電気刺激に対する応答を記録し、そしてQTRACソフトウェア(著作権、Institute of Neurology,London,UK)を実行しているPC及びPCI-6221Mデータ取得ボード(National Instruments,Oklahoma City,Oklahoma,USA)を用いて分析した。自発的活動を20kHzでデジタル化し、LabChartソフトウェア(PowerLab Systems,ADInstruments Ltd.,Bella Vista,New South Wales,Australia)を実行しているコンピュータの1つに連続的に記録した。自発的活動を検出及び定量するために、Neuroscience Technologies社(Science Park of Barcelona,Spain)によって書かれたソフトウェアを用いて分析を行った。
【0150】
記録されたC線維の伝導速度のADSを誘発するのに必要な異なる周波数でトリガーパルスを刺激装置に送達した。デジタル化された応答を、オフライン分析用の生データとしてコンピュータに保存した。活動電位のよりよい視覚化のために、デジタルフィルタリング(バンドパス 0.3~2kHz)及びベースラインのクランピングをオンライン及びオフライン分析中の両方で行った。
【0151】
坐骨神経に記録された活動電位を、潜時のラスタープロットとして表示した。潜時ラスタープロットでは、指定されたレベルを超える各ピークは、潜時を縦座標として、経過時間を横座標としてプロット上に点で表される。選択されたレベルに応じて、点は、活動電位又はノイズを表すことがある。本明細書で提示されるラスタープロットは、十分な信号対雑音比を有する選択されたユニットのみを表示しており、各点は、識別された単一のユニットを表している。
【0152】
無髄軸索で伝播された活動電位は、伝導速度の持続的な(最大で数分)活動依存性減速(ADS)を引き起こす。記録されたC線維のADSを、(Serra et al.,1999;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている修正プロトコルを使用して評価した。これは、次の一連の5つのステップからなる:(1)0.25Hzで3分間のベースライン刺激;(2)3分の休止(OHz);(3)0.25Hzで3分;(4)3分間の2Hz train;及び(5)潜時が元の値に戻るまで、0.25Hzのベースラインに戻す。この刺激方法は、末梢神経線維の特定の機能的タイプに対応する個々のC線維における伝導速度のADSのプロファイルの区別(識別)を可能にする:
タイプ1:漸進的に減速し(2Hzで28.3%の平均潜時増加)、そして侵害受容器に対応する。侵害受容器は次のように細分した:
タイプ1A:本質的に刺激の休止による影響を受けず、機械感受性侵害受容器に対応する。
タイプIB:侵害受容器は、休止の最後の潜時におけるかなりの減少を示し、そして機械非感受性侵害受容器に対応する。
タイプ2:線維は、2Hzでの刺激の1分以内でプラトーに達するのが遅い(平均潜時増加は5.2%)、特異的な低温受容器である。
タイプ3:2Hzでの刺激による影響を本質的に受けない(減速>3%);これらの機能は、不明のままである(最近の報告は、これらが恐らく低閾値の機械感受性C線維の集団を表すことを示唆した)。
タイプ4:線維は、プラトーに達するのが遅く、2Hzの期間中に伝導速度を部分的に回復し、そして遠心性交感神経線維に対応する。
【0153】
この研究では、同定された侵害受容器ユニットのみを試験した。伝導速度は、伝導距離を0.25Hzの刺激率でのベースライン潜時で除算することによって推定した。
【0154】
ラット神経因性疼痛モデルにおけるいくつかのC侵害受容器は、進行中の自発的活動により、ベースライン潜時において異常な突然のシフト(変異)を示す。ラスタープロットとの相関は、自発的活動のバーストに続いて一過性のADS(活動依存性の減速)が、潜時プロファイルに、神経因性疼痛の患者で既に説明されたものと同一である「鋸歯状」の外観を与えることを示している。
【0155】
C線維のタイプの同定後、C侵害受容器に対するCGRP受容体アンタゴニストの効果を試験するために、少なくとも1本の線維における自発的活動を評価し、上記のプロトコルの最後のステップを以下のように延長した:
1.0.25Hzのベースラインに戻すための60分
2.CGRPアンタゴニストの投与
3.化合物の可能性のある効果を評価するための60~90分の一定の0.25Hzのベースライン刺激。
【0156】
記録された自発的C侵害受容器において、以下の測定を行った:
1.有意な潜時増加(SLI):ベースラインからの全ての逸脱>300μ秒(自発的活動によって引き起こされる潜時変動のカットオフ)。SLIは、SLI/分として表した。SLIは、そのユニットが少なくとも2つの追加の活動電位の自発的活動に何回関わったかの尺度である。
2.全増加(TI):所与の単位時間内での全SLIの増加率(%)の合計。’HはTI/分で表され、そして単位時間あたりに発生した余分なスパイクの総数の直接推定値を表す。
【0157】
ベースライン測定値を、薬物投与直前の60分間記録した。処置後の記録は、60~90分間続けた。自発的活動に対する処置の効果の分析を、記録が終了するまで、10分のビンにおいてベースライン活動(BT)を処置後の効果(AT)と比較することによって行った(BT=ベースライン活動-活動前)。
【0158】
統計分析
統計的差異の分析を、ソフトウェアパッケージPrism
5.1(GraphPad Software,Inc.,La Jolla,California,USA)を使用して行った。0.05未満のP値は、統計的に有意と見なされた。対応のあるスチューデントt検定を使用して、2つの一致する群の平均を比較した。
【0159】
結果試験した集団の人口統計
この試験では、合計12匹のラットを使用した。表1は、動物数、ラットID(識別コード)、マイクロニューログラフィ記録当日の体重、及び圧挫誘発後の成熟日数を列挙する。全てのラットを処置し、そして全ての記録を分析した。
【0160】
【0161】
記録したC線維の数と機能サブタイプ
分析した12匹のラットから、合計42個のC線維ユニットが同定された。ラット及びヒトで記載されているように、C侵害受容体及び交感神経線維タイプが優勢であった。活動依存性減速の尺度を全ての線維タイプから得たが、C侵害受容器タイプのみをさらに分析した。線維サブクラスの分布及び相対百分率を表2に列挙する。
【0162】
【0163】
タイプIB侵害受容器は、他の全てのタイプの線維よりも明らかに優勢であった。記録したC侵害受容器のタイプは、異なる動物間で一様な分布であり、自発的線維を過剰に示す特定の動物は存在しなかった。
【0164】
続いて、常に病理学的現象であるC侵害受容器における自発的活動のみを分析した。
【0165】
C侵害受容器における自発的活動
図1に、CGRP受容体アンタゴニストの投与前後の自発的C線維のラスタープロットを示す。分析した35個の侵害受容器から、それらのうちの14個が自発的活動を示し(全線維の33.33%)、これらの全てはタイプIBであった。この選択性は、最近、ヒト及び動物の両方におけるいくつかの神経因性疼痛状態で説明されている。
図1に示すように、坐骨神経において記録された活動電位は、CGRP受容体アンタゴニストの導入後に、興奮が実質的に全く観察されなかった。従って、CGRPアンタゴニスト(配列番号1)は、C線維におけるさらなる自発的活動を防止するという驚くべき効果をもたらした。
【0166】
CGRP受容体アンタゴニストの即効性を
図2(a)及び
図2(b)に示す。SLI(有意な潜時増加)及びTI(全増加)の分析では、投与後の最初の10分の間のC侵害受容器の自発的活動に対する統計的に有意な効果は明らかにならなかった。残りの記録についても同じ分析を行い、結果を
図3(a)及び3(b)に示す。
【0167】
罹患率及び死亡率
試験した全てのラットは、全ての手順の間は良好な状態であり、そして実験の最後に屠殺した。
【0168】
結論
末梢性ニューロパチーは、一般に、タイプIBのC侵害受容器に自発的活動を誘発し、この自発的活動は、末梢性ニューロパチーの患者における自発的灼熱痛及び深部痛を引き起こすベースである。
【0169】
CGRPペプチドアンタゴニストは、血管拡張の研究のみに使用されていて、CGRP受容体もニューロンに位置し得るため、CGRPペプチドアンタゴニストの機能を、神経機能におけるその役割について調べた。
【0170】
この研究では、CGRPアンタゴニスト化合物の投与後、長い期間で自発的活動が少なかった。
【0171】
実施形態2;ラット緑内障実験モデルにおけるCGRPアンタゴニストの使用
網膜及び視神経の神経節細胞は、緑内障における主要な障害部位である。初期の損傷は、遺伝子変異、眼内圧の上昇、又は酸化的損傷などいくつかの可能性があり得、これらは全て、活性化されると細胞死をもたらす自然ではあるが通常は休止している経路である、神経節細胞のアポトーシスをもたらし得る。病的細胞、損傷細胞、又はストレスを受けた細胞は本質的に「自殺」する。視覚研究者は、神経節細胞のアポトーシス経路における多くの段階を研究し、そして経路を遮断し、従って少なくとも神経節細胞機能不全及び死を遅らせることができる阻害剤の試験を開始することができる。
【0172】
この研究の目的は、ラット緑内障実験モデルにおけるCGRPアンタゴニストの神経保護特性を調べることであった。
【0173】
この研究では、Wistarラット(n=12)を実験に使用した。化合物の神経保護特性を緑内障のラットレーザーモデルで調べた。ラットを、それぞれ6匹のラットの2つの群に分けた。一方の群は、ビヒクル(NaCl)注射を受けるプラセボ対照としての役割を果たし、他方の群は、ペプチドCGRP受容体アンタゴニスト(配列番号1)で処置した。全12匹のラットについて、反対側の未処置の眼は、未処置の病気でない対照としての役割を果たした。ビヒクル対照及び試験化合物(20mg/kg)を、2週間の全追跡期間にわたって毎日全身(LP)投与した。経心臓灌流を用いて動物を屠殺した。次いで、網膜ホールマウントを、網膜神経節細胞(RGC)マーカーBrn3a及び星状細胞マーカーGFAP(グリア線維性酸性タンパク質)に対して免疫染色した。Brn3a陽性プロファイルの数を、網膜の中心部及び周辺部から得られた網膜像から手動で計数した。GFAP免疫反応性細胞(網膜星状細胞)の総数を立体学を用いて推定した。視神経におけるRGC軸索の総数を立体学を用いて推定した。
【0174】
実験の結果は、Brn3a陽性細胞の数が、未処置の眼と比較してビヒクル処置群では約20%減少し、そしてCGRPアンタゴニスト処置群では約3%増加したことを示す。同様に、視神経軸索の総数は、反対側の対照の眼の視神経と比較して、ビヒクル群では18%減少し、そしてCGRPアンタゴニスト処置群では1.7%増加した。これらの群間では、網膜星状細胞の総数に差がなかった。
【0175】
結論:CGRPアンタゴニストは、片頭痛の処置及びCGRP誘導性血管拡張の調節に関与しているが、ラット緑内障モデルにおけるCGRPアンタゴニストの全身投与は、驚くべきことに、細胞レベル及び視神経軸索レベルの両方において、神経保護、血管拡張の無関係の効果を示した。さらに、CGRPアンタゴニストによる処置は、驚くべきことに、網膜像におけるBrn3a陽性細胞の数の増加、並びに視神経軸索の数の増加を示し、神経変性を明らかにした。
【0176】
緑内障研究用の動物
全ての動物は、フィンランドの動物実験委員会(Experimentica Ltd.動物ライセンス番号ES AVI/219/04.10.07/2014)によって承認され監視されたプロトコルを用いて、動物実験用のARVO Statement for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Research and the EC Directive 86/609/EECに従って処置した。
【0177】
強膜上静脈光凝固のラットレーザーモデル
ラット緑内障モデルを、既に記載したように(Kalesnykas et al,2007)、強膜上静脈のレーザー光凝固によって一方向に誘導した。麻酔は、ペントバルビタールナトリウム(30mg/kg)を使用して行った。反対側の目は、対照としての役割を果たした。Wistarラット(n=12)(Laboratory Animal Center,University of Eastern Finland,Kuopio,Finland)を使用した。以下の有効性指標を試験した:
1.手動の立体学を用いた網膜ホールマウントからのBrn3a細胞及びGFAP陽性細胞の定量。
2.立体学を用いた視神経軸索の定量。
【0178】
処置投与
緑内障を誘発する外科手術後に、CGRPアンタゴニスト(配列番号1)(各20μg/kg)又はビヒクル対照(NaCl)を、緑内障誘発手術後2週間、毎日腹腔内(LP)投与した。
【0179】
動物の屠殺及び組織の採取
研究/追跡期間の最後に、0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4中の4%パラホルムアルデヒドを用いた経心臓灌流によって動物を屠殺した。脳、眼、及び視神経を採取し、網膜ホールマウントを免疫組織化学染色のために調製した。
【0180】
網膜ホールマウントの形態学的評価
網膜ホールマウントを、RGC(Brn3a)及び星状細胞(GFAP)抗体に対して免疫染色し、細胞数を手動(Brn3a)か、又は既に記載したように(Kalesnykas et al,2008)定量した。
【0181】
視神経軸索の形態学的評価
視神経の半薄切片(厚さ1μm)を調製し、軸索の総数を既に記載したように推定した(Kalesnykas et al,2012;Ragauskas et al,2014)。
【0182】
結果動物
各処置群における動物のベースライン体重及び屠殺前の動物の体重を表3に示す。
【0183】
【0184】
群間の体重に有意差はなかった(マンホイットニーU検定、P>0.05)。
【0185】
RGCの数
網膜を、RGC特異的抗体Brn3aに対して免疫染色し、網膜を画像化し、そしてBrn3a陽性プロファイルをImage Jソフトウェア(NIH,Bethesda,Maryland,USA)を用いて手動で計数した。4番のラット(CGRPアンタゴニストでの処置群)は最終分析から除外した。
【0186】
図4(a)に示すように、Brn3a陽性プロファイルの数は、反対側の対照の眼と比較して、ビヒクル群のレーザー照射された眼では20.3%有意に減少した(対応のある試料のt検定、P=0.042)。
【0187】
図4(b)に示すように、Brn3a陽性細胞の数は、CGRPアンタゴニスト処置群では3.0%(P=0.43)増加した。
【0188】
視神経軸索の総数
視神経軸索の総数を、Stereolnvestigatorソフトウェア(MicroBrightfield Inc.,Williston,Vermont,USA)を使用して1μm厚の切片から推定した。
【0189】
図5(a)に示すように、視神経軸索の総数は、ビヒクル処置群におけるレーザー照射された眼は、反対側の対照の眼と比較して減少した。対照的に、CGRPアンタゴニスト群は、反対側の対照の眼と比較して、軸索の総数の僅かな増加を示した(
図5(b))(対応のある試料のt検定、両方の群においてP>0.05)。
【0190】
材料及び方法
視神経軸索の処理、染色、及び立体学
視神経を4%PFA(pH7.4、0.1Mリン酸緩衝液中)溶液中で後固定した後、これらを1%オスミウムに入れ、上昇するアルコール濃度で脱水し、そして100%エタノール中、1%酢酸ウラニルに1時間入れた(Cone et al,2012)。次いで、視神経を、エポキシ樹脂混合物中に60℃で48時間包埋し、そして視神経の半薄切片(厚さ1μm)を切断した(Cone et al,2012)。軸索の総数を、既に記載されたように光学分画法を使用して推定した(Ragauskas et al,2014)。簡単に述べると、Stereo Investigatorソフトウェア(MicroBrightField,VT,USA)を使用して軸索を手動で計数した。最初に、CFI Plan Achro 4倍対物レンズ(N.A.0.1、W.D.30)を用いて視神経切片の概要を調べた。その後、CFI Plan Fluor IOO倍油浸対物レンズ(N.A.1.30、W.D.0.20)を軸索計数に使用した。
【0191】
免疫組織化学及び網膜ホールマウントの立体学
網膜ホールマウントを、RGC特異的マーカーBrn3a(希釈1:1,000;MAB1585、ロット番号2557607;Chemicon,Hayword,California,USA;)及びGFAP(1:1000;Dako,z0334、ロット番号20005461)に対して免疫染色した。以下の二次抗体を使用した:ヤギ抗マウスAlexa Fluor 488(1:250、A11001、ロット番号1572559;Life Technologies,San Diego,California)及びヤギ抗ウサギAlexa Fluor 594(1:250 A11037、ロット番号1588554;Life Technologies,San Diego,California)。DAPI(1:1,000、D9542、ロット番号034M4031V;Sigma,St.Louis Missouri,USA)を対比染色として使用した。
【0192】
データ分析
定量的データをグラフ化し、分析し、そして平均±標準偏差(SD)又は平均標準誤差(SEM)として示した。パラメトリックデータは、対応のある試料のT検定を用いて分析した(同じ動物の反対側の眼が対照としての役割を果たす)。ノンパラメトリックデータは、マンホイットニーU検定(2群の比較)又はウィルコクソンの対応のある試料のT検定を使用して分析した。細胞数については、データをガウス分布と見なして、カラム平均値からの2標準偏差の全てのデータ点を除外した。差は、P<0.05レベルで統計的に有意であると見なされる。
【0193】
結果は、Brn3a陽性細胞数が、未処置の眼と比較して、ビヒクル処置群では約20%減少し、そしてCGRPアンタゴニスト処置群では約3%増加したことを示す。同様に、視神経軸索の総数は、反対側の対照の眼の視神経と比較して、ビヒクル群で18%減少し、そしてCGRPアンタゴニスト処置群で1.7%増加した。網膜星状細胞の総数は、群間で差がなかった。
【0194】
結論
ラット緑内障モデルにおけるペプチドCGRPアンタゴニストの全身投与は、予想外にも細胞レベル及び視神経軸索レベルの両方で神経保護を示した。
【0195】
実施形態3.ラットにおけるLDLのレベルに対するCGRP受容体アンタゴニスト投与の効果の評価
家族性高コレステロール血症(FH)は、高コレステロールレベル、具体的には血中の非常に高いレベルの低密度リポタンパク質(LDL)、及び早期心血管疾患を特徴とする遺伝性疾患である。FHを有する個体は、コレステロールレベルを制御するために使用される標準的な処置方法にあまり反応しない高いコレステロールレベルを有し得る。限定されるものではないが、これらの種類の処置には、スタチン、選択的コレステロール吸収阻害剤、樹脂(胆汁酸封鎖剤又は胆汁酸結合薬)、及び脂質低下薬が含まれる。それにもかかわらず、処置(高用量のスタチンを含む)及び生活様式の変化は、FH患者に採用される処置の標準である。
【0196】
研究
化合物の標的外効果を評価するためのペプチドCGRPアンタゴニスト(配列番号1)の日常的研究の過程において、試験化合物が、血中のLDL濃度を好都合に低下させることが見いだされた。
【0197】
実験の要約
Sprague Dawleyラットに、14日間の期間にわたって皮下経路によりCGRPアンタゴニストを毎日投与したところ、LDL低下の驚くべき効果が得られた。56匹の動物(雄36匹、雌20匹)を4つの群に分けた(各群はそれぞれ雄5匹と雌5匹からなり、バックアップとして試験群にそれぞれ4匹の雄を追加した)。群は、次の通りとした:G1-対照、G2-低用量-100mcg/kg、G3-中間用量-300mcg/kg、G4-高用量-1000mcg/kg。
【0198】
処置群のラットに、処置群ごとに異なる投与量レベルで、生理食塩水で再構成したCGRP受容体アンタゴニスト(配列番号1)を14日間皮下投与した。対照動物にはビヒクルのみを投与した。
【0199】
10日目に嗜眠を示した高用量群の4匹の雄を除いて、全試験期間中に死亡又は罹患はなく、臨床的徴候も観察されなかった。これらの4匹の動物のうち、3匹が、11日目まで嗜眠を示し続けたが、全ての動物は12日目から正常化した。
【0200】
摂餌量は、全ての研究群の全ての動物で正常であった。同様に、群間で体重に統計的に有意な差は観察されなかった。
【0201】
実験手順試験システムの詳細/特徴付け
研究に使用した種は、Palamur Biosciences Pvt.Ltdからのドブネズミ(Rattus norvegicus)(ラット)種及びSprague Dawley系統であった。投与時の体重変動は、各性別の平均体重の約±20%であった。投与時の週齢は約10~12週であった。雄ラット及び雌ラットは、未経産で妊娠していなかった。動物の数は56匹のラット(雄36匹と雌20匹)であった。無作為化及び馴化中の動物の交換のために、各群(全部で16匹)について4匹の雄ラットを追加として使用した。従って、1群あたりの動物数は、雄9匹と雌5匹であった。
【0202】
馴化期間は、少なくとも7日間であった。無作為化のために、動物を、エクセルプログラムを使用して投与の1日前(0日目)の体重を使用することによる層別無作為化に基づいて選択し、分類した。アンタゴニストの投与経路は皮下法によるものであった。投与頻度は、14日間毎日であった。投与量は、5ml/kg体重に設定した。処置期間は14日間であり、投与は毎日ほぼ同じ時間に行った。
【0203】
動物は、温度20.1~22.7℃、相対湿度49~59%で飼育した。動物は、12時間の明暗期の光周期又は曝露であった。部屋の空気交換は、1時間あたり少なくとも10~15回の空気交換であった。ケージに入れる時には、動物を稲藁床を用いたポリプロピレンラットケージに群ごとに収容した。床材は毎日交換した。動物は、ケージカード及び割り当てられた動物識別番号で識別した。ラットの飼料は、Amrutげっ歯類飼料及びRO水で構成され、これらを自由に摂取させた。
【0204】
試験項目の準備及び管理
剤形(用量製剤)を調製している間、必要量の試験項目(すなわち、CGRPアンタゴニスト)を別々に秤量した。必要量の生理食塩水を試験項目に加えた。試験項目に生理食塩水を添加した後に透明な溶液が得られた。試験項目を、最大14日間、1日1回、所望の投与レベルで皮下投与した。ビヒクル中の試験項目の均一性は投与中維持した。
【0205】
観察
以下の観察結果を記録した:
【0206】
1.臨床的徴候
全ての動物を、毛皮、眼、分泌物の発生、過度の手入れ、自傷行為、流涙、立毛、瞳孔サイズ、歩き方の変化、姿勢、並びに取扱い及び痙攣に対する応答を含む、目に見える全ての臨床的徴候について観察した。
【0207】
2.体重
体重を1日目、7日目、11日目及び15日目に記録した。
【0208】
3.摂餌量
摂餌量を毎日記録し、毎週報告した。
【0209】
4.採血及び室内実験
血液試料を15日目に全ての動物から採取した。動物は、採血の前に一晩絶食させたが、血液学及び生化学のために水は自由に摂取できるようにした。マイクロヘマトクリットヘパリン添加ガラス毛細管を用いて、眼窩後神経叢から血液試料を採取した。血液試料を遠心分離し(3500rpm)、そして遠心分離後に血漿をさらなる分析のために分離した。
【0210】
以下の採血の時間枠は、逸脱とは見なされなかった:0.25時間では±1分、0.5時間では±2分、そして1~8時間では±5分、そして24時間で±15分。
【0211】
臨床生化学
雄ラット及び雌ラットについてそれぞれ、総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質、及び高密度リポタンパク質のパラメータを表4及び表5に示す。LDL分析からのデータは網掛けした。測定した他の非コレステロール関連パラメータは示していないが、対照と有意に異なるものはなかった。
【0212】
【0213】
【0214】
ラットのLDLレベルの低下
示しているように、CGRP受容体アンタゴニストの投与は、ラットのLDLレベルを低下させるという驚くべき効果をもたらした。表4及び表5に示すように、実質的なLDLの低下は、特に雄ラット及び投与された全ての試験投与量(100~1000mc/kg体重)で見ることができる。
【0215】
結論
ペプチドCGRPアンタゴニストの全身投与は、驚くべきことに、正常なラットのLDLレベルを低下させることによって代謝効果を示した。
【0216】
本明細書における複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は用途に適するように、複数形から単数形及び/又は単数形から複数形に置き換えることができる。明確にするために、様々な単数形/複数形の置き換えを本明細書に明示的に記載することもある。
【0217】
当業者であれば、一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般に「開放」の用語(例えば、用語「含んでいる(including)」は、「限定されるものではないが、~を含んでいる」と解釈されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも~を有する」と解釈されるべきであり、用語「含む(include)」は、「限定されるものではないが、~を含む」と解釈されるべきである、などである)を意図することを理解されよう。当業者であれば、特定の数の導入された請求項の列挙が意図される場合、このような意図は、特許請求の範囲において明示的に列挙され、このような列挙が存在しない場合は、このような意図が存在しないことをさらに理解されよう。例えば、理解を助けるために、添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を紹介するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の用法を含み得る。しかしながら、たとえ同じ請求項が、導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」と不定冠詞、例えば「1つの(a)」又は「1つの(an)」とを含む場合でも、このような句の使用は、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による請求項の列挙の導入が、このような導入された請求項の列挙を含む任意の特定の請求項を、このような列挙の1つのみを含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではなく(例えば、「1つの(a)」及び/又は「1つの(an)」は「少なくとも1つ」及び/又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである);同じことが、請求項の列挙を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、特定の数の導入された請求項の列挙が明示的に列挙されている場合であっても、当業者であれば、このような列挙が少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを理解されよう(例えば、他の修飾語のない裸の列挙である「2つの列挙」は、少なくとも2つの列挙又は2つ以上の列挙を意味する)。さらに、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような構造は、当業者が慣例を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されるものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はAとBとCとを一緒に有するなどのシステムを含むであろう)。「A、B、又はCの少なくとも1つなど」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような構造は、当業者が慣例を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されるものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はAとBとCとを一緒に有するなどのシステムを含むであろう)。明細書、特許請求の範囲、又は図面にかかわらず、2つ以上の代替用語を提示する実質的にあらゆる離接語及び/又は離接句は、用語のうちの1つ、どちらか一方、又は両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることを当業者はさらに理解するであろう。例えば、句「A又はB」は、「A」又は「B」、あるいは「A及びB」の可能性を含むことを理解されたい。
【0218】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュグループに関して説明されている場合、本開示がマーカッシュグループの任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループに関しても説明されていることを当業者は理解するであろう。
【0219】
第1の態様から第12の態様までの実施形態の特徴のいずれも、本明細書で明らかにされた全ての態様及び実施形態に適用可能である。さらに、第1の態様から第12の態様までの実施形態のいずれかの特徴を、何らかの形で、本明細書に記載の他の実施形態と部分的又は全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、又は3つ以上の実施形態を、全体的又は部分的に組み合わせることができる。さらに、第1の態様から第12の態様までの実施形態のいずれかの特徴は、他の態様又は実施形態に対して任意とすることができる。
【0220】
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