IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-中性床用クリーナー組成物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126869
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】中性床用クリーナー組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/722 20060101AFI20220823BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20220823BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20220823BHJP
   C11D 3/34 20060101ALI20220823BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
C11D1/722
C11D1/72
C11D3/20
C11D3/34
C11D3/50
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107111
(22)【出願日】2022-07-01
(62)【分割の表示】P 2018546517の分割
【原出願日】2017-03-03
(31)【優先権主張番号】62/304,009
(32)【優先日】2016-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】カーマイン サバグリオ
(72)【発明者】
【氏名】テレサ エル クック
(72)【発明者】
【氏名】ホリー アン ヘイル
(57)【要約】
【課題】
最適な洗浄効果を有し、塗布された表面に残存物及び/又はストリークがほとんど又は全くない中性床用クリーナー組成物が開示される。
【解決手段】
組成物は、水、少なくとも2つの洗浄剤、少なくとも1つの増進剤、少なくとも1つの安定剤、及び少なくとも1つのキレート剤を含んでもよい。さらに、洗浄剤の1つは水溶性であり、洗浄剤のもう1つは水不溶性である。2つの洗浄剤の量はまた、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有してもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄組成物であって、
第1の量の第1の洗浄剤と、
第2の量の第2の洗浄剤と、
少なくとも1つの増進剤と、を含み、
第1の量の第1の洗浄剤と第2の量の第2の洗浄剤とのブレンドは、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有する、洗浄組成物。
【請求項2】
前記第1の洗浄剤と第2の洗浄剤の総量に対する前記増進剤の百分率が約1%~約10%の範囲内である、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記第1の洗浄剤及び前記第2の洗浄剤が、下記の式に表されるアルキルポリアルキレングリコールエーテルである、請求項1に記載の洗浄組成物。
[式1]
RO(LO)(CHCHO)
(式中、RがC~C12アルキル基であり、LがCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCHCHO基はランダム又はブロック順である。)
【請求項4】
前記アルキルポリアルキレングリコールエーテルの一方が水溶性であり、前記アルキルポリアルキレングリコールエーテルの他方が水不溶性である、請求項3に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記組成物が、少なくとも1つの安定剤をさらに含む、請求項4に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの安定剤が、水不溶性のアルキルポリアルキレングリコールエーテルを水中に分散するようにする、請求項5に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記洗浄組成物がアルコールエトキシレートをさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
前記アルコールエトキシレートが約2重量%~約6重量%の量で存在する、請求項7に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤の総量が、約15重量%~約30重量%である、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの増進剤が、約0.1重量%~約4重量%の量で存在する、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの増進剤が有機塩である、請求項10に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
前記有機塩がクエン酸ナトリウムである、請求項11に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの安定剤がスルホン酸塩を含む、請求項5に記載の洗浄組成物。
【請求項14】
前記スルホン酸塩がキシレンスルホン酸ナトリウムである、請求項13に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
前記洗浄組成物が、キレート剤、添加剤、増進剤、香料、芳香剤、又はこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項16】
前記洗浄組成物が約6.5~約9のpH値を有する、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項17】
前記洗浄組成物が水で希釈されてすぐに使える洗浄組成物を生成し得る、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項18】
洗浄組成物であって、
第1の界面活性剤と第2の界面活性剤の総量を約15重量%~約30重量%、
第3の界面活性剤の量を約2重量%~約6重量%、
少なくとも1つの増進剤の量を約0.1重量%~約4重量%、を含み、
前記第1及び第2の界面活性剤は、下記の式に表され、
[式2]
RO(LO)(CHCHO)
(式中、RはC~C12アルキル基であり、LはCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCHCHO基は、ランダム又はブロック順である。)、
前記第1界面活性剤と第2の界面活性剤の総量は、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有し、
前記第3の界面活性剤が第2級アルコールエトキシレートであり、
前記第1の界面活性剤と前記第2の界面活性剤と第3の界面活性剤の合計に対する増進剤の百分率は、約1%~約10%の範囲内である、洗浄組成物。
【請求項19】
前記洗浄組成物が水で希釈されてすぐに使える洗浄組成物を生成し得る、請求項18に記載の洗浄組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1つの増進剤がクエン酸ナトリウムである、請求項18に記載の洗浄組成物。
【請求項21】
前記洗浄組成物が安定剤をさらに含む、請求項18に記載の洗浄組成物。
【請求項22】
洗浄組成物であって、
第1の界面活性剤と第2の界面活性剤と、
安定化剤と、を含み、
前記第1の界面活性剤は水溶性であり、前記第2の界面活性剤は水不溶性であり、
前記安定化剤は、添加する際、透明な水系組成物を提供する、洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年3月4日に出願された米国仮特許出願第62/304,009号の利益を主張し、あらゆる目的のために、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
【0002】
本開示は、一般に、床用クリーナー組成物に関し、より詳細には、洗浄効率の向上及び残存物の低減を示す中性床用クリーナー組成物に関する。特に、床用クリーナー組成物は、硬質表面上での使用のためのものであり、水、洗浄剤、増進剤、安定剤、及びキレート剤を含んでもよい。
【背景技術】
【0003】
異物汚染(soil contamination)を低減するために、硬質表面、例えば床面を洗浄及び/又は処理するために多くの組成物が利用可能である。現在の洗浄組成物は、酸性、中性又はアルカリ性のいずれかのpHを有する。特に、中性床用クリーナー組成物は、それらの環境に優しい性質であり、ユーザに対する毒性が低下するか又は全くないために有利である。例えば、理想的な中性床用クリーナー組成物が使用される際、市販の酸性クリーナー又は塩基性クリーナーのいずれかでの使用に必要とされる個人用保護具が必要でない可能性がある。さらに、中性床用クリーナー組成物は、酸性又は塩基性床用クリーナー組成物よりも床面への損傷(例えば、床面上の光沢の損失)を少なくすることができる。
【0004】
多くの洗浄組成物は、化合物を石鹸に化学的に変換し従って、水溶性にする、即ち鹸化するか、又は水相中に油相を懸濁させて洗い流す、即ち乳化することにより表面から異物を除去する。しかし、前述のような向上した洗浄特性を提供するために、アルカリ性又は酸性の洗浄剤が望ましい場合がある。特に、アルカリ性洗浄剤は、公知の中性床用洗浄組成物と比較して、より多くの異物及び/又は他の望ましくない成分を塗布領域から除去することによって、洗浄効率を改善するのに役立ち得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
直観的には、洗浄組成物には高い洗浄効果が要求される。特に、多くの洗浄組成物では、異物、埃、及び/又は油分の有効な除去を有する製剤を望んでいる。さらに、多くの洗浄組成物では、使用後に残存物がほとんど又は全く残らず、床面に対する損傷を与えないか又は低下させない製剤を望んでいる。しかし、最適な洗浄効果を有する多くの従来の洗浄組成物は、本質的に床損傷を引き起こし、及び/又は残存物を残す。以下のように、多くの洗浄組成物は、床損傷を防止するために洗浄効果を犠牲にしなければならず、またその逆もある。
【0006】
従って、商業的に知られている及び入手可能なクリーナーよりも向上した洗浄性能及び効率を有する中性床用クリーナー組成物を提供することが非常に重要である。具体的には、現在入手可能な床用クリーナー組成物の洗浄性能特性と同等又はそれを超える洗浄性能特性を提供しながら、保護具をほとんど又は全く使用しない中性床用洗浄組成物が必要とされる。さらに、床面への損傷が少なくなり、残された残存物のレベルが低下することができる中性床用洗浄組成物が必要とされる。
【0007】
従って、本開示の実施形態の利点は、改善された洗浄性能を有する中性床用クリーナー組成物を開発することにある。本開示の実施形態の別の利点は、他の市販のクリーナーよりも改善された洗浄効率(例えば同等又は追加の異物汚染の除去)を有する中性床用クリーナー組成物を提供することにある。本開示の一実施形態の別の利点は、処理された床面の光沢を保持し、処理された床面に残存物が減少されるか又は全くないようにしながら、顕著な洗浄性能を提供する中性床用クリーナー組成物を提供することにある。酸性及び/又は塩基性溶液を使用しない、本開示の一実施形態による特有の中性床用洗浄組成物は、既存の洗浄剤と比較して同一の又は高い洗浄効率を有する組成物を提供することによって、驚くべき予期しない結果をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、塗布される表面を効率的かつ効果的に洗浄する洗浄組成物を提供する。他の非限定的な実施形態では、本開示は、有効成分の特有の組み合わせを床面及び他の硬質表面に塗布することによって消費者に効率的な洗浄経験の利益を提供する。いくつかの実施形態では、水溶性エトキシル化アルコールと水不溶性エトキシル化アルコールの特有のブレンドを含めることによって、安定性、効率及び有効性の改善が達成される。本開示の一実施形態による特有の製剤は、性能、安全性、及び塗布された床面又は他の硬質表面への損傷が減少するか又は全くないという驚くべき予期しない結果をもたらす。
【0009】
例示的な実施形態では、本開示は中性床用クリーナー組成物を開示する。組成物は、水、少なくとも2つの洗浄剤、少なくとも1つの安定剤、少なくとも1つのキレート剤、及び少なくとも1つの増進剤を含んでもよい。一実施形態では、洗浄剤の1つは水溶性であり、洗浄剤のもう1つは水不溶性である。一実施形態では、少なくとも2つの洗浄剤は、下記の式に表される2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルを含んでもよい。
[式1]
RO(LO)(CHCHO)
(式中、RはC~C12アルキル基であり、LはCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14である。好ましくは、Rは分岐状アルキル基を含んでもよい。LO及びCHCHO基は、ランダム又はブロック順であってもよい)。いくつかの実施形態では、2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルの一方は水溶性であり、2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルの他方は水不溶性である。2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、組成物の総重量に基づいて約9%~約20%、より好ましくは約12%~約18%の量で存在することに考えられる。さらに、一実施形態では、少なくとも2つの洗浄剤は、アルキルオキシポリエチレンオキシエタノール又はアルコールエトキシレートをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルキルオキシポリエチレンオキシエタノール又はアルコールエトキシレートは、組成物の総重量に基づいて、約1%~約15%、又はより好ましくは約2%~約6%の量で存在する。
【0010】
一実施形態では、水は、組成物中に、組成物の総重量に基づいて約50%~約80%、又は約55%~約75%、又はより好ましくは約60%~約70%の量で存在する。
【0011】
さらに、一実施形態では、少なくとも1つの増進剤は、有機塩を含んでもよい。いくつかの実施形態では、有機塩はクエン酸ナトリウムであってもよい。クエン酸ナトリウムは、組成物の総重量に基づいて約0.1%~約4%の量であってもよいことに考えられる。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つの安定剤は、スルホン酸塩を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スルホン酸塩は、キシレンスルホン酸ナトリウムであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキレート剤は、イミノジコハク酸四ナトリウムを含んでもよい。さらに、本明細書に開示された実施形態は、添加剤、増進剤、芳香剤、pH調整剤、及び/又は染料の少なくとも1つを含んでもよい。一実施形態では、組成物は中性pH値を有する。このように、組成物のpH値は、約6.5~約9の範囲、好ましくは約6.5~約8.5の範囲である。
【0013】
例示的な実施形態では、本開示は、中性床用クリーナー組成物を提供する。組成物は、(a)組成物の総重量に基づいて約50%~約70%の量の水と、(b)下記の式に表され、集合的に組成物の総重量に基づいて約9%~約20%の量の少なくとも2つ以上のアルキルポリアルキレングリコールエーテルと、(c)組成物の総重量に基づいて約0.1%~約2%の量の少なくとも1つの増進剤と、(d)組成物のpH値を約6.5~約9の範囲にする少なくとも1つのpH調整剤と、(e)少なくとも1つの安定剤と、(f)少なくとも1つのキレート剤とを含む。
[式2]
RO(LO)(CHCHO)
(式中、Rは分枝状C~C12アルキル基であり、LはCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14の整数であり、LO及びCHCHO基は、ランダム又はブロック順である)
【0014】
さらに、この例示的な実施形態では、少なくとも2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルの1つは水溶性であり、少なくとも2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルのもう1つは水不溶性である。いくつかの実施形態では、組成物は、アルキルオキシポリエチレンオキシエタノール又はアルコールエトキシレートをさらに含んでもよい。
【0015】
更なる例示的な実施形態では、本開示は、中性pH条件下で床を洗浄する方法を開示する。本方法は、(a)約1:64~約1:1024の比で濃縮された中性床用クリーナーと水を混合してクリーナー溶液を形成するステップであって、前記濃縮された中性床用クリーナーは前記組成物を含むステップと、(b)前記洗浄溶液を床に塗布するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】商業的に知られている製品及び本開示の実施形態による、複数の中性床用洗浄組成物の異物除去率と、親水性-親油性バランス(HLB)数、全界面活性剤の量、界面活性剤に対する増進剤の量との関係を示す。
【0017】
本開示の実施形態の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を考慮して明らかになり、類似の構造は同様又は類似の参照符号を付する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の任意の実施形態が詳細に開示される前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は以下の図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で行われるか又は実施されることが可能である。
【0019】
以下の説明は、当業者が本発明の実施形態を製造し、使用することを可能にするために提示される。例示された実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書の包括的な原理は、本発明の実施形態から逸脱することなく他の実施形態及び応用に適用してもよい。従って、本発明の実施形態は、例示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。以下の詳細な説明は図面を参照して読むべきである。必ずしも縮尺通りではない図面は、選択された実施形態を示し、本発明の実施形態の範囲を限定するものではない。当業者はまた、本明細書で提供される実施例が多くの有用な代替物を有し、本発明の実施形態の範囲内に入ることを認識し得る。
【0020】
本開示は、中性床用クリーナー組成物及びそのような組成物を使用する方法に関する。さらに、本明細書中に開示される本発明の洗浄組成物の実施形態は、改善された洗浄効果、効果的な異物除去を示し、塗布される処理された表面上に残存物をほとんど又は全く残さない。さらに、本発明の洗浄組成物のいくつかの実施形態の他の態様は、低い初期泡及び非常に低い泡立ち特性を有する製剤を提供する。好ましい実施形態では、本発明の洗浄組成物は、スクラビング又はリコート用途のような深層洗浄用途に使用するためのものである。本開示は多くの異なる形態で具体化されてもよいが、本開示は本開示の原理の例示としてのみ考慮されるべきであり、本開示を例示の実施形態に限定することを意図するものではないという理解と共にいくつかの特定の実施形態を本明細書で説明する。
【0021】
本明細書で使用される用語「約」又は「略」は、例えば実社会で濃縮液又は溶液を製造するために使用される典型的な測定及び液体取り扱い順序によって、これらの手続きにおける故意ではない誤りによって、組成物を製造するか又は方法を実施するために使用される成分の製造社、供給源又は純度の差異を介して、生じる数値的量の変動を指す。用語「約」はまた、特定の初期混合物に起因する組成物についての異なる平衡条件のために異なる量を包含することがある。一実施形態では、用語「約」は、指定された値の±5%の範囲を指す。
【0022】
本明細書で使用される用語「濃縮された」は、販売、出荷、保管又は任意の他の適切な状況のために希釈されていない製剤で形成された組成物を指す。これらの非希釈製剤は、使用前に水で希釈するように設計されている。本明細書で使用される用語「希釈された」及び「すぐに使える」は、さらに希釈することなくそのまま使用することを意図した組成物を意味してもよい。本明細書に開示された濃縮された洗浄溶液は、所望に応じて希釈されてもよいことが理解されるべきである。好ましい実施形態では、濃縮された洗浄溶液を水で約1:64~約1:1024の容量で希釈してもよい。
【0023】
塗布中に、脱イオン(DI)水を使用して本発明の中性床用クリーナー組成物を製造してもよい。しかし、出願人は、他の種類の水もまた本開示に適していると考えている。
【0024】
本明細書で使用される用語「soil」は、限定するものではないが、グラウトされた採石場のタイル床などのような硬質表面上に形成された土壌を指し、タンパク質性土壌、糖質土壌、硬度成分又は洗浄材料又はその両方に由来する土壌、遊離脂肪酸又はナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどの脂肪酸塩を含む脂肪性土壌及び中性脂肪又はそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも2つの成分の混合物を含む。さらに、用語「soil」は、油又は油ブレンドを指す場合もある。一般に、本明細書で使用される用語「soil」は、一般に、表面上の任意の異物を指す。
【0025】
本明細書で使用される用語「洗浄」は、異物の除去、漂白、微生物個体群の減少、すすぎ、又はそれらの組み合わせの実施又は補助を意味する。一実施形態では、本明細書で使用される用語「洗浄剤」は、硬質表面から異物の汚染物質又は複数の異物の汚染物質の全て又は一部を除去することができる任意の化合物又は物質を指す。一実施形態では、本開示の洗浄剤は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0026】
本明細書で使用される用語「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(weight%)」、「重量百分率(percent by weight)」、「wt%(% by weight)」、及びそれらの変形は、物質の重量を組成物の総重量で割って100を掛けたものとしての物質の濃度を指す。本明細書中で使用される「百分率」、「%」などは、「重量百分率」、「重量%」などと同義であり得ることが理解される。
【0027】
本明細書で使用される用語「水溶性」は、有意な濃度、例えば約1重量%を超える濃度で水に溶解し得る化合物を指す。本明細書で使用される用語「水不溶性」は、水中にわずかな濃度、例えば約0.1重量%未満の濃度で溶解することができる化合物を指す。
【0028】
本明細書で使用される用語「硬質表面」には、床、壁、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、カウンタトップ(Countertop)、窓、鏡、車両などが挙げられる。好ましい一実施形態では、洗浄組成物は硬質床面を洗浄するために使用される。さらに、本発明の中性クリーナー製品を塗布及び/又は貼付することができる任意の表面が考えられ、任意の表面では、例えば、カーペット、ラグ、ドレープ、カーテン、室内装飾品などのような軟質表面が挙げられる。さらに、本発明の中性クリーナー製品は、例えば、木材、金属、セラミック、ガラス、高分子、硬質床タイル、塗装面、紙、石積み材料、岩石、繊維/複合材料、ゴム、コンクリート等を含む他の硬質基板にも同様に塗布してもよい。本発明の中性クリーナー製品は、例えば、予め染色された、染色後の、予め製造された、製造後の表面などを含む、任意の製造された表面に塗布されることができることも考えられる。さらに、本発明の中性クリーナー製品は、表面を含む特定の製品又は物体の製造プロセス中に塗布されてもよい。本発明の中性クリーナー製品が塗布される及び/又は貼付される表面は、使用される特定の本発明の中性クリーナー製品に依存して、乾燥した、実質的に乾燥した、濡れた、実質的に濡れた、湿潤した、湿っていることがある。さらに、本開示の本発明の中性クリーナー製品は、実質的に平坦な、滑らかな、及び/又は平らな表面、又は粗い、凹凸のある、滑らかでない、ステップ状の、傾斜した、傾いた、斜めになる、傾いている及び/又は乱れた表面を含む他の任意の表面に塗布してもよい。
【0029】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、直鎖及び分枝鎖基及び環状基の両方を含む。直鎖及び分枝鎖基は、特に明記しない限り、約30個以下の炭素原子を有してもよい。環状基は、単環式又は多環式であってもよき、いくつかの実施形態では、約3~約10個の炭素原子を有してもよい。本明細書で使用される用語「分枝鎖」は、その鎖構造が少なくとも1つの第2級及び/又は第3級炭素を有する任意のアルキル又は類似の基を指す。
[洗浄剤/界面活性剤]
【0030】
本開示の一実施形態の中性床用洗浄組成物は、最適な洗浄効果を確実にするために、少なくとも1つの洗浄剤、又はより詳しくは少なくとも1つの界面活性剤を必然的に含む。好ましい実施形態では、中性床用洗浄組成物は、2つ、好ましくは3つの界面活性剤を含む。さらに、界面活性剤は、洗浄組成物が塗布された表面上に残存物及び/又はストリークが減少しているか又は全く残っておらず、現在知られている中性床用洗浄組成物と比較して改善された洗浄効果を提供するように選択された。上述の特性を有する特定の界面活性剤については、本明細書でさらに説明する。
【0031】
一般に、界面活性剤は、該床用クリーナー組成物中に複数の範囲で組み込むことができる。一実施形態では、洗浄組成物は、約4%~約40%の範囲の量の、好ましくは約5%~約25%の範囲の量の界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせを含む。
【0032】
本明細書中で使用される用語「界面活性剤」は、2つの液体間の界面張力を低下させる化合物を指す。本明細書中で使用される用語「非イオン性界面活性剤」は、界面活性剤を形成する分子が帯電していない界面活性剤を指す。
【0033】
非イオン性界面活性剤には、長鎖アルコール、例えば脂肪アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール(主にセチルアルコール及びステアリルアルコールからなる)及びオレイルアルコールが挙げられる。非イオン性界面活性剤には、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル又はペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルなどのポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル:CH-(CH10-16-(O-C1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤にはまた、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル:CH-(CH10-16-(O-C1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤にはまた、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、及びオクチルグルコシドなどのグルコシドアルキルエーテル:CH-(CH10-16-(O-グルコシド)1-3-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤には、さらにSigma Aldrichから購入してもよいTriton X-100などのポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル:C17-(C)-(O-C1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤にはまた、ノノキシノール-9(Nonoxynol-9)などのポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル:C19-(C)-(O-C1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤には、さらにラウリン酸グリセリルのようなグリセロールアルキルエステルが挙げられる。非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えばポリソルベート)、ソルビタンアルキルエステル(例えばスパン(span))、コカミド(Cocamide)MEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミン酸化物、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体(例えばポロキサマー)、又はポリエトキシル化獣脂アミン(例えば、POEA)又は任意の他の適切な化合物が挙げられる。一実施形態では、本開示の非イオン性界面活性剤には、アルキルポリアルキレングリコールエーテル及び/又はアルコールエトキシレートが挙げられる。一実施形態では、本発明の非イオン性界面活性剤には、さらにアルキルオキシポリエチレンオキシエタノール及び/又はアルコールエトキシレートが挙げられる。
【0034】
本明細書で使用される用語「アルキルエトキシレートアルコール」、「エトキシレートアルコール」、「エトキシル化アルコール」及び「アルコールエトキシレート」は、同じ組成物を指す場合があり、交換可能に使用されてもよい。さらに、本明細書で使用される用語「アルキルエトキシレートアルコール」は、下記の式に表される化合物を指す。
[式3]
RO(CHCHO)
式中、mは約1~約15の整数であり、Rはアルキル部分に約6~約24個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状の脂肪族ラジカルであり、約1~約18の親水性-親油性バランス(HLB)数、好ましくは約10.5~約12.5のHLB数を有する。好ましくは、アルキルエトキシレートアルコールは、約8~約20個の炭素原子を有するR基を含み、直鎖状第1級エトキシル化アルコール、分岐状第1級エトキシル化アルコール、又は第2級エトキシル化アルコールの1つである。より好ましくは、R基は約11~約16個の炭素原子を有する。エトキシレート基に関して、mは約1~約5の数であることが好ましい。いくつかの実施形態では、本開示のアルキルエトキシレートアルコールは、エトキシル化ゲルベアルコール(Guerbet alcohols)である。
【0035】
本明細書で使用される用語「ゲルベアルコール」は、ゲルベ合成反応を使用して製造されたベータ分岐を有する第1級アルコールを指す。本明細書で使用される「エトキシル化ゲルベアルコール」又は「ゲルベ界面活性剤」は、ゲルベアルコールから製造された界面活性剤を指す。例えば、ゲルベ界面活性剤には、ゲルベアルコール及びアルキレン酸化物又はエチレン酸化物から製造された非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0036】
好ましい一実施形態では、用語「アルキルエトキシレートアルコール」はまた、反復エトキシ基のメチレン基の1つに少なくとも1つのC~Cアルキル基が存在する分岐状アルコールアルコキシレートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルキルエトキシレートアルコール又はエトキシル化ゲルベアルコールは、市販の製品である。
【0037】
市販のエトキシル化アルコール製品の他の例には、さらにゲナポール(Genapol)(登録商標)UD030(3EOを有するC11-オキソ-アルコールポリグリコールエーテル)、ゲナポール(登録商標)UD050(5EOを有するC11-オキソ-アルコールポリグリコールエーテル)、ゲナポール(登録商標)UD079、ゲナポール(登録商標)UD080(8EOを有するC11-オキソ-アルコールポリグリコールエーテル)、ゲナポール(登録商標)UD088、及びゲナポールUD110(11EOを有するC11-オキソ-アルコールポリグリコールエーテル)などのClariantのゲナポール(登録商標)UDタイプが挙げられる。市販の製品の他の例は、ゲナポール(登録商標)X040(4EOを有するイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル)及びゲナポール(登録商標)X080(8EOを有するイソ-トリデシルアルコールポリグリコールエーテル)などのClariantによって提供されるゲナポール(登録商標)X製品を含む。
【0038】
一実施形態では、組成物は、少なくとも2つの洗浄剤を含む。この特定の実施形態では、少なくとも2つの洗浄剤は、2つの非イオン性界面活性剤を含む。この実施形態では、2つの非イオン性界面活性剤は、ゲルベ合成反応から製造されたアルコキシル化ゲルベアルコールである。特に、2つの非イオン性界面活性剤は、下記の式に表されるアルキルポリアルキレングリコールエーテルである。
[式4]
RO(LO)(CHCHO)
式中、RはC~C12アルキル基であり、LはCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCHCHO基は、ランダム又はブロック順である。好ましくは、Rは分岐状アルキル基であってもよい。さらに、好ましい実施形態では、2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルの一方は水溶性であり、他方は水不溶性である。2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、各々、少なくとも約2重量%の量であり、上述のように、好ましい実施形態では、2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、約4%~約40%の量である。本明細書における洗浄剤又は界面活性剤として使用されてもよい市販のアルキルポリアルキレングリコールエーテルの例としては、BASFによって製造されるルテゾール(Lutensol)(登録商標)XLタイプ、例えばルテゾール(登録商標)XL40、ルテゾール(登録商標)XL50、ルテゾール(登録商標)XL60、ルテゾール(登録商標)XL70、ルテゾール(登録商標)XL79、ルテゾール(登録商標)XL80、ルテゾール(登録商標)XL90、ルテゾール(登録商標)XL99、ルテゾール(登録商標)XL100及びルテゾール(登録商標)140が挙げられるが、これらに限定するものではない。ルテゾール(登録商標)XLタイプは以下の構造式に表される。
[式5]
1021O(CHCHCHO)(CHCHO)
(式中、aは平均値1.0~1.5であり、bは4~14である。例として、ルテゾール(登録商標)XL40(HLB=10.5)では、bは4であり、ルテゾール(登録商標)XL70(HLB=12.5~13.0)では、bは7である。)
【0039】
さらに、好ましい実施形態では、少なくとも2つの洗浄剤は、第3の洗浄剤をさらに含む。第3の洗浄剤は別の非イオン性界面活性剤であってもよいと考えられる。特定の一実施形態では、第3の洗浄剤は、アルキルオキシポリエチレンオキシエタノール又はアルコールエトキシレートである。一実施形態では、アルキルオキシポリエチレンオキシエタノール又はアルコールエトキシレートは、組成物の総重量に基づいて約1%~約15%、最も好ましくは約2%~約6%の量で存在する。市販のアルコールエトキシレートの例は、テルギトール(TERGITOL)(商標)15-S-7又は類似の化合物であってもよい。
【0040】
好ましい実施形態では、前記界面活性剤は、界面活性剤の特定の組み合わせに加えて、高い洗浄効果、即ち、異物の比較的高い除去率を示し、残存物をほとんど又は全く残さない。
[ヒドロトロープ又は安定化剤]
【0041】
本明細書で使用される用語「安定化剤」又は「安定剤」は、本発明の中性クリーナー組成物を安定化させることができる任意の化合物又は物質を指す。一実施形態では、安定剤はアニオン性界面活性剤であってもよい。
【0042】
本明細書で使用される用語「アニオン性界面活性剤」は、アニオン性官能基、例えば硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩及び/又はカルボン酸塩を含む界面活性剤を指す。顕著なアルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及び関連するアルキルエーテル硫酸ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)として知られている)及びミレス硫酸ナトリウムが挙げられる。アニオン性界面活性剤には、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)、ペルフルオロブタンスルホン酸塩、及び直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAB)などのドキュセートも挙げられる。アニオン性界面活性剤にはまた、アルキルアリールエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルリン酸塩、又は任意の他の適切なアニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0043】
安定剤又はアニオン性界面活性剤は、組成物の総重量に基づいて約1%~約20%の量で中性床用洗浄組成物中に存在してもよい。さらに、安定剤又はアニオン性界面活性剤は、組成物の総重量に基づいて、約5%~約16%、最も好ましくは約8%~約10%の好ましい量で存在してもよい。
【0044】
一実施形態では、安定剤はヒドロトロープである。本明細書で使用される用語「ヒドロトロープ」は、疎水性化合物を水溶液中で可溶化する化合物を指す場合がある。典型的には、ヒドロトロープは、界面活性剤のような親水性部分と疎水性部分とからなるが、疎水性部分は一般に自己凝集を起こすには小さすぎる。ヒドロトロープは、自己凝集が「急に」起こり始める臨界濃度(臨界ミセル濃度又はcmc及び臨界小胞濃度又はcvcを各々有するミセル及び小胞形成界面活性剤に見られる)を有さないことがある。代わりに、いくつかの種のヒドロトロープは段階的自己凝集プロセスで凝集し、徐々に凝集大きさを増加させる。しかし、多くのヒドロトロープは、可溶化物が添加されていない限り、全く凝集していないようである。ヒドロトロープは工業的に使用されている可能性がある。ヒドロトロープの例としては、金属p-トルエンスルホン酸塩及び金属キシレンスルホン酸塩、例えばナトリウムp-トルエンスルホン酸塩及び/又はキシレンスルホン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロトロープの別の例は、クメンスルホン酸ナトリウムのような金属クメンスルホン酸塩である。
【0045】
一実施形態では、中性床用クリーナー組成物の透明な水溶液を製造するためにヒドロトロープが必要である。例えば、中性床用クリーナー組成物中に非水溶性界面活性剤を含む実施形態では、透明な水溶液を得るためにヒドロトロープが必要な場合がある。
【0046】
好ましい実施形態では、安定剤はスルホン酸塩である。さらに、一実施形態では、安定剤は、キシレンスルホン酸ナトリウムであってもよい。他の実施形態では、安定剤はクメンスルホン酸ナトリウムである。
[pH調整剤]
【0047】
いくつかの実施形態では、中性床用クリーナー組成物は、pH調整剤をさらに含んでもよい。特に、pH調整剤は、組成物中の1つ以上の成分、例えばアニオン性界面活性剤を中和するために使用され得る。特定の一実施形態では、pH調整剤は、組成物の総重量に基づいて約0.01%~約2%、より好ましくは約0.05%~約1%、最も好ましくは約0.07%~約0.09%の量のアルキルアミン対イオンである。
【0048】
本発明のクリーナー組成物のpH調整剤は、濃縮形態の組成物のpH値が約6.5~約9の範囲にある濃度で存在し、希釈形態の組成物のpH値は、約6.5~約8.5、又は好ましくは約7の範囲である。
【0049】
本明細書で使用される用語「pH調整剤」は、一般に、中性床用洗浄組成物のpH値を調整するために使用される物質を指す場合がある。一般的なpH調整剤としては、有機塩、有機酸又は無機酸を含む酸、塩基、中和剤、及び/又は緩衝系が挙げられるが、限定されない。適切な酸には、モノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸、例えば酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、及びアスコルビン酸などの脂肪族有機酸、安息香酸、サリチル酸及びカフェー酸などの芳香族有機酸、及び塩酸、硫酸及び硝酸などの無機酸、又は任意の他の適切な酸が挙げられる。適切な塩基には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び重炭酸カリウム又は任意の他の適切な塩基が挙げられる。適切な緩衝系には、TAE緩衝系、TBE緩衝系、EDTA緩衝系、EGTA緩衝系、Tris-HCl緩衝系、クエン酸緩衝系、リン酸緩衝系、酢酸緩衝系、SSPE緩衝系、SSPE緩衝系、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝系、及びピペラジン-N、N’-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)緩衝系又は任意の他の適切な緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
好ましい一実施形態では、pH調整剤は、アルキルアミン対イオン、好ましくは、略のアニオン性界面活性剤を中和することができるモノプロパノールアミン対イオンである。本明細書で使用される用語「アルキルアミン対イオン」は、少なくとも1つの炭素原子及びアミンを含む対イオンを指す。アニオン性界面活性剤を中和する場合、アルキルアミンは分子のカチオン性共役酸を形成する。このカチオンは、適切には「アルキルアンモニウム」対イオンと呼んでもよい、一貫性のために、用語「アルキルアミン」又は「アルキルアミン対イオン」も本開示の目的に使用してもよい。好ましくは、アルキルアミン対イオンは、少なくとも2つ又は少なくとも3つの炭素原子を含んでもよい。アルキルアミン対イオンは、約4、5又はそれ以上の炭素原子をさらに含んでもよいが、通常は3つの炭素原子を含んでもよい。アルキルアミン対イオンは好ましくはヒドロキシルの置換を含む。アルキルアミン対イオンの例には、モノエタノールアミン(MEA)、コリン、及びプロパノールアミン対イオンなどが含まれる。
【0051】
好ましい一実施形態では、アルキルアミン対イオンはプロパノールアミン対イオンである。本明細書で使用される用語「プロパノールアミン」は、「モノプロパノールアミン」を指す。アニオン性界面活性剤を中和すると、プロパノールアミンは、分子のカチオン性又は共役酸を形成してもよい。このカチオンは、適切には「プロパノールアンモニウム」対イオンと呼んでもよいが、一貫性のために、用語「プロパノールアミン」又は「プロパノールアミン対イオン」も本開示の目的に使用してもよい。本明細書で使用される「プロパノールアミン対イオン」又はイオンの文脈における用語「プロパノールアミン」の使用は、プロパノールアミンのカチオン性共役酸を指す。本開示のいくつかの実施形態における対イオンとしての使用に適した好ましいプロパノールアミンは、2-アミノ-1-プロパノール(「2AP」)、モノイソプロパノールアミン(「MIPA」又は「1-アミノ-2-プロパノール」)及び1-アミノ-3-プロパノールなどが挙げられる。イソプロパノールアミンは、塩基性、緩衝性及び/又はアルカリ性の目的を達成するために多くの用途に使用できる塩基性化学物質である。さらに、イソプロパノールアミンは、油及び/又は脂肪成分を可溶化することができ、脂肪酸及び/又はスルホン酸系界面活性剤を中和するために使用してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、pH調整剤には、さらにモノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ、クエン酸、乳酸、アンモニアなどが挙げられる。好ましい実施形態では、本開示のpH調整剤はMIPAである。
[キレート剤]
【0053】
キレート剤はまた、約0.1%~約4%の範囲の量で、最も好ましくは約0.5%~約1%の範囲の量で、本明細書中に開示される中性床用洗浄組成物に組み込むことができる。一般に、本明細書で使用される用語「キレート剤」又は「金属キレート剤」は、金属に結合し得る化合物を指す。キレート剤は、2価金属キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、[エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)]四酢酸(EGTA)、1、2-ビス(2-アミノフェノキシ)エタン-N、N、N’、N’-四酢酸(BAPTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、イミノジコハク酸、及び/又はそれらの塩である。金属キレート剤にはまた、N、N-ビス(カルボキシメチル)-DL-アラニン三ナトリウム塩(又はニトリロ三酢酸三ナトリウム)又は任意の他の適切なキレート剤が挙げられる。
【0054】
一実施形態では、本開示のキレート剤はイミノジコハク酸塩である。特定の一実施形態では、本開示のキレート剤は、イミノジコハク酸四ナトリウムである。
【0055】
更なる実施形態では、少なくとも1つのキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、[エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)]四酢酸(EGTA)、1、2-ビス(2-アミノフェノキシ)エタン-N、N、N’、N’-四酢酸(BAPTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、及びイミノジコハク酸塩又はそれらの塩が挙げられる。好ましい一実施形態では、少なくとも1つのキレート剤は、イミノジコハク酸四ナトリウムなどの金属イミノジコハク酸塩であってもよいが、これに限定されない。
[増進剤]
【0056】
中性床用洗浄組成物はまた、洗浄組成物にアルカリ性をさらに加えることができる増進剤を含んでもよい。特に、本明細書で使用される用語「増進剤」は、化合物又は組成物を中和することによって別の化合物又は組成物を安定化することができる化合物又は物質を指す場合もある。さらに、増進剤は、そうでなければ補助界面活性剤又は共界面活性剤と結合してそれを有効にしない可能性があるカルシウム及びマグネシウム硬度イオンを封鎖してもよい。増進剤はまた、補助界面活性剤又は共界面活性剤が使用される場合に特に有用であり、組成物が使用前に例外的に硬質水道水、例えば約12グレイン/ガロン以上で希釈される場合にさらに有用である。
【0057】
一実施形態では、本開示の増進剤は金属塩であってもよく、他の実施形態では、増進剤は有機塩であってもよい。より好ましくは、有機塩は、金属クエン酸塩、例えばクエン酸ナトリウムのようなアルカリ金属クエン酸塩であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示の増進剤にはまた、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩(他のカルボン酸塩)、ケイ酸塩、ゼオライト又はホスホン酸塩が挙げられる。
【0058】
好ましい一実施形態では、本発明の中性床用クリーナー組成物は、界面活性剤を安定化するための少なくとも1つの増進剤を含む。少なくとも1つの増進剤は、有機塩、有機酸又は無機酸を含む酸、塩基、中和剤、及び/又は緩衝系であってもよいが、これに限定されるものではないと考えられる。このように、増進剤は、pH調整剤及び/又はキレート剤としても作用し得る。好ましい一実施形態では、少なくとも1つの増進剤及び/又はpH調整剤は、有機塩であってもよく、クエン酸ナトリウムのような金属クエン酸塩であってもよい。一実施形態では、少なくとも1つの増進剤は、中性床用洗浄組成物中に、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約4重量%の量で、最も好ましくは約0.5重量%~約1.5重量%の量で存在してもよい。
【0059】
特定の実施形態では、増進剤は、洗浄剤及び/又は界面活性剤又は洗浄剤及び/又は界面活性剤の組み合わせに対する相対比及び/又は割合を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄剤に対する増進剤の百分率は約1%~約10%であり、好ましい実施形態では、少なくとも1つの洗浄剤に対する増進剤の百分率は約1%~約6%である。さらに、特定の実施形態では、増進剤は、少なくとも1つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルに対する相対比及び/又は割合を有してもよい。この実施形態では、増進剤は、増進剤に対するアルキルポリアルキレングリコールエーテルの比が約1:1~約10:1であり、好ましい実施形態では約1:1~約6:1である。
[水]
【0060】
好ましい一実施形態では、本発明の中性床用クリーナー組成物は水溶液である。このように、本発明の中性床用クリーナー組成物は、溶媒として水を含んでもよい。さらに、一実施形態では、水は、中性床用クリーナー組成物中に存在する唯一の溶媒である。水は、組成物の総重量に基づいて約50%~約80%の範囲の量で存在してもよい。他の実施形態では、水は、組成物の総重量に基づいて、約55%~約75%、より好ましくは約60%~約70%、最も好ましくは約64%~約68%の量であってもよい。
[その他の成分]
【0061】
洗浄組成物は、好ましくは、防腐剤、消泡剤、芳香剤、腐食防止剤、及び/又は染料などの添加剤の少なくとも1つを含む。本明細書で使用される用語「添加剤」は、他の物質又は生成物の特性を変更する能力のために、別の物質又は生成物に添加され得る化合物又は物質を指す場合がある。例えば、添加剤は、乳化剤、消泡剤、腐食防止剤などであってもよい。本明細書で使用される用語「乳化剤」は、その動的安定性を増加させることによって乳化を安定化させる物質を指す場合がある。乳化剤の1つのクラスは、「界面活性化剤」又は界面活性剤として知られている。あるいは、乳化剤又は添加剤は、脂肪酸であってもよい。脂肪酸は、洗浄組成物に組み込まれてもよく、それに塗布される表面から類似の脂肪を乳化するのに適していてもよい。脂肪酸は、動物油脂及びグリース及び/又は植物油及び種子油からのものなどの天然の脂肪及び/又は油から得ることができ、例えば、獣脂、魚油、グリース、ヤシ油、パーム油、ピーナッツ油、トウモロコシ油などが挙げられる。好ましい実施形態では、ヤシ脂肪酸を使用してもよい。特定の一実施形態では、ヤシ脂肪酸は、Vantage Oleochemicalsによって提供される商品名:VDISTILL(商標)で市販されている製品である。さらに、特定の一実施形態では、中性床用洗浄組成物は、添加剤として少なくとも1つの腐食防止剤をさらに含んでもよい。例えば、好ましい実施形態では、腐食防止剤は、一塩基性又は二塩基性のリン酸ナトリウムである。さらに、添加剤は組成物中に、組成物全体に対して約0.1重量%~約3重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0062】
また、洗浄組成物の塗布中に知覚され得る十分な芳香剤及び場合によっては一時的に持続する香りを添加することが好ましい場合がある。芳香剤は、天然に由来する(即ち、花、ハーブ(herb)、ブロサム(blossom)又は植物の抽出によって得られる)もの、人工的に誘導又は生成されるもの(即ち、天然油及び/又は油成分)、及び合成生成物質(臭気物質)又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の水溶性芳香剤物質又はそのような物質の混合物であってもよい。一実施形態では、市販の芳香剤を使用してもよい。最も簡単な実施形態では、芳香剤は、組成物の総重量に対して約1%~約3%の範囲の量で洗浄組成物に組み込んでもよい。
【0063】
洗浄組成物はまた、着色剤又は染料を含有してもよい。特に、染料は、洗浄組成物の他の成分と相溶性であるように選択され、洗浄組成物が塗布された表面を染色しないように選択される顔料又は他の着色剤を含んでもよい。例えば、本発明の洗浄組成物の実施形態に使用するために好ましい染料は、組成物の総重量に基づいて約0.001%~約0.1%の範囲の量のLiquitint(登録商標)クリムゾン(Crimson)染料又はLiquitint(登録商標)ブリリアントオレンジ(Brilliant Orange)染料である。
【0064】
本発明の洗浄組成物の実施形態に含まれてもよい他の任意の添加剤は、増粘剤、金属イオン封鎖剤、香料、塩、増白剤、酵素、防腐剤などが挙げられるが、これらに限定されない。審美性及び/又は洗浄性能を高めるために、任意の添加剤を組成物に使用してもよい。しかし、これらの添加剤は、組成物中の有効成分と適合性があるべきであり、本明細書で説明するようなビニル染色の阻害を妨げるべきではない。
【0065】
さらに、一実施形態では、組成物は、約20cP~約30cP、より好ましくは約25cP~約30cP、最も好ましくは約28cP~約29cPの範囲の粘度で提供される。いくつかの実施形態では、組成物はまた、約1~約1.1、より好ましくは約1~約1.03の比重を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、組成物は約20%~約30%の固形分の百分率を有し、より好ましくは約24%~約26%の固形分の百分率を有する。
[希釈]
【0066】
本開示は、中性床用クリーナー組成物の実施形態を提供する。本実施形態では、中性床用クリーナー組成物は、約6.5~約9のpH範囲を有する濃縮物として提供されてもよい。この場合、本発明の中性床用クリーナー組成物は、販売、出荷、保管、又は他の適切な目的に使用するために希釈されていない製剤に形成されてもよい。あるいは、中性床用クリーナー組成物は、すぐに使える組成物、即ち濃縮物からの希釈物として提供されてもよい。この特定の実施形態では、濃縮製剤は、使用前に水で希釈するように設計されてもよい。あるいは、中性床用洗浄組成物は、すぐに使える組成物として簡単に提供されてもよい。任意の適切な量の水を濃縮溶液に加えて、それを本開示の実施形態の希釈物又はすぐに使える組成物にしてもよい。例えば、本開示のそのような希釈物又はすぐに使える組成物は、約1:16から約1:3072、好ましくは約1:32から約1:2048、より好ましくは約1:64~約1:1024の濃縮された中性洗浄組成物と水の比で、本明細書に開示された濃縮物に水を添加することによって製造され得る。しかし、希釈された形態では、中性床用洗浄組成物は約7、即ち約6.5~約8.5の範囲のpH値を保持することが好ましい。
【0067】
本明細書に記載されるように、中性床用クリーナー用の本発明の組成物の実施形態は、水、少なくとも1つの水溶性アルキルポリアルキレングリコールエーテル及び少なくとも1つの水不溶性アルキルポリアルキレングリコールエーテルを含む成分の新規で非自明な組み合わせと、有機塩の少なくとも1つの増進剤(例えば、金属クエン酸塩)と、少なくとも1つの安定剤(例えば、ヒドロトロープ)と、少なくとも1つのキレート剤とを含む。
[使用方法]
【0068】
本開示の中性床用洗浄組成物のいくつかの実施形態は、従来の又は他の公知の工業用床洗浄方法及び従来の設備に従って使用して洗浄及び強化された研磨利益を提供し得る。有利に多くの床用クリーナーの使用に必要とされる個人用保護具が、本開示の組成物では必要でない可能性がある。さらに、本発明の中性床用洗浄組成物中の有効成分としての化学物質の新規で非自明な組み合わせは、消費者が床面又は他の硬質表面を、残存物又はストリークが低減されるか又は残存しないようにより効率的かつ効果的に洗浄することを可能にする。このように、本明細書に開示された特有の製剤は、公知の市販製品の他の組み合わせを使用する製剤よりも驚くべき予期しない結果をもたらす。
【0069】
一実施形態では、中性pH条件下で床面を洗浄する方法は、(a)約1:64~約1:1024の比で濃縮された中性床用クリーナーと水を混合することによって洗浄溶液を調製するステップであって、濃縮された中性床用クリーナーは、(i)クリーナーの総重量に基づいて約50%~約70%の量の水と、(ii)下記の式に表される少なくとも2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルであって、クリーナーの総重量に基づいて約4~約30%、好ましくは約9~約20%である少なくとも2つのアルキルポリアルキレングリコールエーテルと、(iii)クリーナーのpH値が約6.5~約9の範囲にあるようにクリーナーの総重量に基づいて約0.01%~約1%の量の少なくとも1つのpH調整剤と、(iv)少なくとも1つの安定剤、例えばヒドロトロープと、(v)少なくとも1つのキレート剤と、を含むステップと、
(b)洗浄溶液を床に塗布するステップと、を含む。
[式6]
RO(LO)(CHCHO)
(式中、RはC~C12アルキル基であり、LはCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14の整数であり、L0及びCHCHO基はランダム又はブロック順である)。
【0070】
床面を洗浄する好ましい方法は、自動スクラバーを使用してもよい。このような自動スクラバーは市販されており、自動的に洗浄組成物を塗布し、床を擦り、及び/又は床をスキージーして使用済みの洗浄組成物を除去することができる。自動スクラバーでフロアを洗浄する好ましい一方法は、約1:64~約1:1024の濃縮された洗浄組成物と水の比で濃縮された中性洗浄組成物に水道水又は任意の他の適切な供給源からの水を添加することによって調製された希釈された中性洗浄組成物を使用する。得られた希釈組成物は、約100ppm~約12000ppmの非イオン性界面活性剤、及び約1ppm~約100ppmの増進剤を含んでもよい。
【0071】
別の好ましい方法では、濃縮された中性床用洗浄組成物を、最初に約1:64~約1:1024の濃縮された洗浄組成物と水の比で水で希釈する。希釈された組成物は、本明細書に記載されるように、約100ppm~約12000ppmの非イオン性界面活性剤を含む。希釈された組成物はまた、約200ppm~約12000ppmのレベルの非イオン性界面活性剤を含んでもよき、さらに約1ppm~約100ppmのレベルの増進剤を含んでもよい。希釈された組成物は、モップ又は任意の他の適切な方法を使用して床に塗布され、すすがなくて乾燥させてもよい。
【0072】
本明細書に記載した実施形態のいずれも、他の実施形態に関連して開示された構造又は方法論のいずれかを含むように変更してもよい。さらに、当業者であれば、特定の実施形態及び実施例に関連して本発明を前記説明してきたが、本発明は必ずしもそのように限定されず、他の多くの実施形態、実施例、及び使用、並びに実施形態、実施例及び使用からの変更及び逸脱は、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとすることが理解される。本明細書に引用された各特許及び刊行物の全開示は、そのような各特許又は刊行物が個々に参照により本明細書に組み込まれているかのように、参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、下記の特許請求の範囲に記載されている。
[実施例]
【0073】
本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これは決して限定するものと解釈されるべきではない。他に記載がない限り、これらの実施例に列挙された百分率は全て、指定された組成物重量の合計に基づく重量百分率である。さらに、前述したように、本明細書に開示されている洗浄組成物は、塗布された表面に残存物及び/又はストリークがほとんど又は全くない最適な洗浄効果を示す。このように、本明細書に開示される下記の実施例及び試験は、そのようなことを示す比較結果を提供する。
[実施例1]
【0074】
表1は、本発明の中性床用洗浄組成物のいくつかの実施形態によるいくつかの組成物を列挙する。表中の数字の項目は、組成物の総重量に基づく特定成分の重量百分率、即ち重量%である。このように、下記の5つの組成物、即ち組成物1~5を以下に示すように製造し、続いて本明細書に記載の相対性能試験に使用した。
【0075】
【表1】
【0076】
表2は、組成物1~5の測定された組成物の特性及び特徴を列挙する。特に、HLB(合計)値は、界面活性剤の親水性部分の分子量をとり、界面活性剤の分子量で除算し、次いで20を掛けて算出し、界面活性剤に対する増進剤の百分率は、増進剤の百分率を全界面活性剤の百分率で割って100を掛けて算出した。
【0077】
HLB値又は数は、界面活性剤の親水性部分と界面活性剤の親油性部分との間の関係又はバランスを表す。要約すると、親水性の程度が高いほど、HLB値が高くなり、親油性が高いほど、数は低くなる。HLB値は、4ほど低くてもよく、18ほど高くてもよい。
【0078】
【表2】

[試験]
【0079】
この実施例では、組成物1~5の洗浄有効性又は洗浄効果を評価した。さらに、市販のアルカリ洗浄組成物、例えば、Sealed AirからのUHSTM/MC及びGP ForwardTM/MC、及び 市販の中性洗浄組成物、例えばSealed AirからのProminenceTM/MCを比較目的で試験した。洗浄有効性の試験は、洗浄組成物を塗布した後の異物除去率を観察することによって行った。上述したように、本明細書で使用される用語「soil」は、一般に、表面上の任意の異物を指す場合がある。
【0080】
本発明の中性洗浄組成物の5つの非限定的な実施例は、前述の市販の洗浄組成物と共に、洗浄効果試験を施した。最初に、各組成物を開示のように希釈し、開示されている略の量の異物をタイルのストリップ上に置き均一に広げた。試験した組成物の量、即ち約15gをタイルにスポンジを使用して塗布し、10回の打撃行った。さらに、試験した各組成物について3つのタイルを使用した。除去率を測定するための類似の試験方法は、ASTM国際指定番号D4488-95に開示されており、弾性床材及び洗える壁に使用する製品の洗浄性能を試験するための標準試験方法である。ASTM国際指定番号D4488-95の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0081】
表3は、洗浄効果試験の定性的性能結果をまとめたものである。表3に示すように、中性床用洗浄組成物は、約10.5~約12.5の範囲のHLBで約50%を超える洗浄効率を達成し、全界面活性剤の百分率が約15%~約30%であり、増進剤界面活性剤の固形分に対する増進剤の百分率が約3%~約12%である。
【0082】
【表3】

[実施例2]
【0083】
表4~6は、本発明の中性床用洗浄組成物のいくつかの実施形態によるいくつかの組成物を列挙する。表中の数字の項目は、組成物の総重量に基づいて特定成分の重量百分率、即ち重量%である。以下に示すように組成物1~11を製造し、続いて本明細書に記載の相対性能試験に使用した。
【0084】
組成物1~9は、比較的類似の化学成分を有するが、それらの相対的重量百分率に関して異なる。特に、組成物1~9は水と、増進剤、キレート剤及び/又はpH調整剤としてのクエン酸ナトリウムと、界面活性剤としてテルギトール(商標)15-s-7、ルテゾール(登録商標)XL-70、及びルテゾール(登録商標)XL-40と、ヒドロトロープとしてのキシレンスルホン酸ナトリウムと、pH調整剤としてのモノイソプロパノールアミン(MIPA)と、添加剤としてVDISTILL(商標)DC01及び市販の芳香剤とを含む。組成物10は、追加の添加剤を含む本発明の中性床用クリーナー組成物の他の実施形態を表す。この例では、組成物10は、キレート剤、即ち、イミノジコハク酸四ナトリウムと、染料、即ちLiquitint(登録商標)クリムゾンと、防腐剤、即ちProxel(登録商標)GXLとをさらに含む。さらに他の実施形態では、組成物11として示されるように、中性床用洗浄組成物は、代替の界面活性剤、例えばゲナポール(登録商標)UD30及び/又は染料、例えばLiquitint(登録商標)ブリリアントオレンジを含んでもよい。従って、表4~6に列挙した組成物は、中性床用洗浄組成物のいくつかの実施形態を開示するが、本発明は必ずしもそのように限定されず、本明細書に記載の他の多くの実施形態は、そこに塗布された表面に残存物及び/又はストリークがほとんど又は全くない最適な洗浄効果を提供することができる。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
表7は、組成物1~10の測定された組成物の特性及び特徴を列挙する。特に、HLB(XL Blend)値は、XL界面活性剤の親水性部分の分子量をとり、分子全体の分子量で割って20を掛けて算出した。HLB(合計)値は、界面活性剤の親水性部分の分子量をとり、界面活性剤の分子量で割って20を掛けることによって算出した。界面活性剤に対する増進剤の百分率は、増進剤の百分率を全界面活性剤の百分率で割って100を掛けて算出した。
【0089】
上に開示すように、HLB値又は数は、界面活性剤の親水性部分と界面活性剤の親油性部分との間の関係又はバランスを表す。要約すると、親水性の程度が高いほど、HLB値が高くなり、親油性が高いほど、数は低くなる。HLB値は、4ほど低くてもよく、18ほど高くてもよい。
【0090】
【表7】
【0091】
前述のように、本発明の中性床用洗浄組成物の実施形態は、ストリーク及び/又は残存物がほとんど又は全くない、最適な洗浄効果を有する洗浄組成物を提供する。具体的には、本明細書に開示された特定の成分は、互いの組成物と共に、前述の特性をもたらす。特に、本明細書に開示される界面活性剤は、最も高い洗浄効果を有する最も低い残存物を提供する。さらに、前述のように、増進剤を使用して界面活性剤を安定化させることができる。
【0092】
図1は、他の市販製品と比べて、本開示の一実施形態による、中性床用クリーナー組成物の異物除去率(好ましくは約54.45%)と、HLB値、全界面活性剤の量、又は面活性剤に対する増進剤の量との関係を示す。従って、中性床用洗浄組成物の性能に影響を与え得る特定のパラメータが決定された。具体的には、洗浄効果及び/又はストリークを制御するためのパラメータは、HLB値、界面活性剤の総量、及び界面活性剤の固形分に対する増進剤の百分率の組み合わせである。このように、組成物1~10で使用される界面活性剤の量及び増進剤の量を変更して、その効果を観察した。また、HLB値、界面活性剤の総量、及び界面活性剤の固形分に対する増進剤の百分率の好ましい値は、各々、約11.5、20.19及び5.046であり得ることが判明した。
【0093】
上述したように、図1に示すように、洗浄効果及び残存物等級は、組成物の、HLB系、全界面活性剤の百分率、及び界面活性剤の固形分に対する増進剤の百分率に直接相関していることが判明した。従って、組成物1~10について更なる試験を実施し、具体的には、試験した組成物のHLB値、XL界面活性剤の百分率及び界面活性剤の固形分特性に対する増進剤の百分率と比較した。
[試験]
【0094】
最初に、組成物1~11の洗浄有効性又は洗浄効果を評価した。さらに、市販のアルカリ性洗浄組成物、即ち、Sealed AirからのUHSTM/MC及びGP ForwardTM/MC及び市販の中性洗浄組成物、即ちSealed AirからのProminenceTM/MCを比較目的で試験した。洗浄有効性の試験は、洗浄組成物を塗布した後の異物除去率を観察することによって行った。上述したように、本明細書で使用される用語「soil」は、一般に、表面上の任意の異物を指す場合がある。
【0095】
本発明の中性洗浄組成物の11つの非限定的な実施例は、前述の市販の洗浄組成物と共に、当技術分野で公知の方法を使用して洗浄効果試験を施した。要約すると、各組成物は最初に1:64の希釈を行った。次いで、略の量の異物を、タイルのストリップ上に置き均一に広げた。試験した組成物の約15gをタイルにスポンジを使用して塗布し、10回の打撃を行った。さらに、試験した各組成物について3つのタイルを使用した。除去率を測定するための類似の試験方法は、ASTM国際指定番号D4488-95に開示されており、弾性床材及び洗える壁に使用する製品の洗浄性能を試験するための標準試験方法である。ASTM国際指定番号D4488-95の全体が参照により本明細書に組み込まれる。組成物10はまた、ASTM国際指定番号D4488-95に開示されている試験方法を使用し、比色計を使用して試験した。
【0096】
さらに、第2の試験を実施して、洗浄組成物が塗布された表面に存在する残存物の量に対するストリーク等級を決定した。前記市販のアルカリ性及び中性洗浄組成物と共に表4~6に記載の洗浄組成物を以下のようにして残存物試験を施した。試験した組成物に対して1:128希釈を行った。次いで、試験した組成物を、タイル上に置き均一に分布させた。観察された全残存物を定性的にランク付けするために3点スケール(0~3)を使用した。スコア「0」は、タイル上に目に見える残存物が検出されなかったことを示す。スコア「3」は、かなりの残存物が見えることを示す。ストリーク又は残存物の等級を測定するための同様の試験方法は、窓又は鏡のようなガラス表面上での使用を意図した製品のフィルム及びストリーク特性をCSPA指定番号DCC-09Aで評価するための標準試験方法であり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。残存物及び/又はストリーク等級を決定するために別の方法を使用してもよい。
【0097】
表8は、洗浄効果及び残存物試験の定性的性能結果をまとめたものである。表7の組成物を使用して、表8に示すように、中性床用洗浄組成物は、約10.5~約12.5の範囲のHLBで、50%を超える洗浄効果、又は好ましくは約55%の洗浄効率を達成し、全界面活性剤は約15%~約30%であり、界面活性剤の固形分に対する増進剤の百分率は約3%~約12%である。
【0098】
以前に開示すように、組成物10は、ASTM国際指定番号D4488-95の下に開示された試験方法を使用し、比色計を使用してさらに試験された。この試験の間、除去率は54.79%であると決定された。対照的に、組成物10の除去率は、本明細書で使用される方法で試験した場合、55.25%であると決定された。その結果、本明細書で使用される試験方法及びその結果は、ASTM国際指定番号D4488-95の下で開示された試験方法を相当に類似していることが決定された。しかし、代替の方法を使用して、洗浄効果を決定してもよい。
【0099】
【表8】
【0100】
表8に示すように、現在開示されている中性洗浄組成物の多くは、改良された洗浄特性を示す。特に、改良された洗浄特性は、本発明の中性床用クリーナーの実施形態の化学物質、例えば、少なくとも1つの水溶性アルキルポリアルキレングリコールエーテル及び少なくとも1つの水不溶性アルキルポリアルキレングリコールエーテルの特有の組み合わせの結果である。好ましい実施形態では、中性床用洗浄組成物は、少なくとも2つの市販のアルカリ性洗浄組成物、即ちSealed AirからのUHSTM/MC及びGP ForwardTM/MC及び少なくとも1つの市販の中性洗浄組成物、即ちProminenceTM/MCを実証する。
【0101】
前述したように、特定の実施形態及び実施例に関連して本発明を上述したが、本発明は必ずしもそのように限定されず、他の多くの実施形態、実施例、使用、並びに実施形態、実施例及び使用からの変更及び逸脱は、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとする。本明細書に引用された各特許及び刊行物の全開示は、そのような各特許又は刊行物が個々に参照により本明細書に組み込まれているかのように、参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本開示は、少なくとも2つの洗浄剤を含有する中性床用クリーナー組成物を提供する。本開示はまた、これらの中性床用クリーナー組成物を使用する方法を提供する。
【0103】
前記の説明を考慮して、本開示に対する複数の変更が当業者には明らかであろう。従って、この説明は、例示に過ぎないと解釈されるべきであり、当業者が本開示の実施形態を作成して使用することを可能にし、同様の実施の最良の形態を教示することを可能にするために提示される。添付の特許請求の範囲に含まれる全ての変更に対する排他的権利は留保される。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄組成物であって、
室温で水溶性である第1の洗浄剤と、
室温で水不溶性である第2の洗浄剤と、
を含み、
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤の総量が、約15重量%~約30重量%であり、
前記第1の洗浄剤及び前記第2の洗浄剤が少なくとも約10.5の親水性-親油性バランスを有し下記の式に表されるアルキルポリアルキレングリコールエーテルゲルベ界面活性剤であり、
[式1]
RO(LO) (CH CH O)
(式中、RがC ~C 12 アルキル基であり、LがCH CH CH 又はCH CH CH CH であり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCH CH O基はランダム又はブロック順である。)
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤とのブレンドは、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有する、洗浄組成物。
【請求項2】
増進剤(builder)を更に含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤の総量に対する前記増進剤の百分率が約1%~約10%の範囲内である、請求項に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤の総量に対する前記増進剤の百分率が約5%である、請求項3に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記増進剤は前記洗浄組成物の総重量に基づいて約0.1%~約4%の量である、請求項4に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記増進剤は有機塩である、請求項5に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記有機塩がクエン酸ナトリウムである、請求項6に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤とのブレンドは、約11.5の親水性-親油性バランスを有する、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤との総量は約20重量%である、請求項8に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
前記第1の洗浄剤及び前記第2の洗浄剤のうちの一方であるアルキルポリアルキレングリコールエーテルゲルベ界面活性剤が水溶性であり、前記第1の洗浄剤及び前記第2の洗浄剤のうちの他方であるアルキルポリアルキレングリコールエーテルゲルベ界面活性剤が水不溶性である、請求項に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
前記洗浄組成物が、少なくとも1つの安定剤をさらに含む、請求項10に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの安定剤が、水不溶性の前記アルキルポリアルキレングリコールエーテルゲルベ界面活性剤を水中に分散するようにする、請求項11に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
前記洗浄組成物がアルコールエトキシレートをさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項14】
前記アルコールエトキシレートが約2重量%~約6重量%の量で存在する、請求項13に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの安定剤がスルホン酸塩を含む、請求項11に記載の洗浄組成物。
【請求項16】
前記スルホン酸塩がキシレンスルホン酸ナトリウムである、請求項15に記載の洗浄組成物。
【請求項17】
前記洗浄組成物が、キレート剤、添加剤、増進剤、芳香剤、染料又はこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項18】
前記洗浄組成物が約6.5~約9のpH値を有する、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項19】
前記洗浄組成物が水で希釈されてすぐに使える洗浄組成物を生成し得る、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項20】
洗浄組成物であって、
前記洗浄組成物の総重量に基づいて約50%~約80%の水と、
室温で水溶性である第1の界面活性剤と、室温で水不溶性である第2の界面活性剤と、前記第1の界面活性剤と前記第2の界面活性剤の総量は前記洗浄組成物の総重量に基づいて約15重量%~約30重量%であり
前記洗浄組成物の総重量に基づいて約2重量%~約6重量%の量の第3の界面活性剤
前記洗浄組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約4重量%の量の少なくとも1つの増進剤、を含み、
前記第1の界面活性剤及び前記第2の界面活性剤は、下記の式に表され、
[式2]
RO(LO)(CHCHO)
(式中、RはC~C12アルキル基であり、LはCHCHCH又はCHCHCHCHであり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCHCHO基は、ランダム又はブロック順である。)、
前記第1界面活性剤と前記第2の界面活性剤のブレンドは、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有し、
前記第3の界面活性剤が第2級アルコールエトキシレートであり、
前記第1の界面活性剤と前記第2の界面活性剤と前記第3の界面活性剤の合計に対する前記増進剤の百分率は、約1%~約10%の範囲内である、洗浄組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの増進剤がクエン酸ナトリウムである、請求項20に記載の洗浄組成物。
【請求項22】
前記洗浄組成物が安定剤をさらに含む、請求項20に記載の洗浄組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
前記の説明を考慮して、本開示に対する複数の変更が当業者には明らかであろう。従って、この説明は、例示に過ぎないと解釈されるべきであり、当業者が本開示の実施形態を作成して使用することを可能にし、同様の実施の最良の形態を教示することを可能にするために提示される。添付の特許請求の範囲に含まれる全ての変更に対する排他的権利は留保される。
[付記1]洗浄組成物であって、
第1の量の第1の洗浄剤と、
第2の量の第2の洗浄剤と、
少なくとも1つの増進剤と、を含み、
第1の量の第1の洗浄剤と第2の量の第2の洗浄剤とのブレンドは、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有する、洗浄組成物。
[付記2]前記第1の洗浄剤と第2の洗浄剤の総量に対する前記増進剤の百分率が約1%~約10%の範囲内である、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記3]前記第1の洗浄剤及び前記第2の洗浄剤が、下記の式に表されるアルキルポリアルキレングリコールエーテルである、付記1に記載の洗浄組成物。
RO(LO) (CH CH O) H(式中、RがC ~C 12 アルキル基であり、LがCH CH CH 又はCH CH CH CH であり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCH CH O基はランダム又はブロック順である。)
[付記4]前記アルキルポリアルキレングリコールエーテルの一方が水溶性であり、前記アルキルポリアルキレングリコールエーテルの他方が水不溶性である、付記3に記載の洗浄組成物。
[付記5]前記組成物が、少なくとも1つの安定剤をさらに含む、付記4に記載の洗浄組成物。
[付記6]前記少なくとも1つの安定剤が、水不溶性のアルキルポリアルキレングリコールエーテルを水中に分散するようにする、付記5に記載の洗浄組成物。
[付記7]前記洗浄組成物がアルコールエトキシレートをさらに含む、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記8]前記アルコールエトキシレートが約2重量%~約6重量%の量で存在する、付記7に記載の洗浄組成物。
[付記9]前記第1の洗浄剤と前記第2の洗浄剤の総量が、約15重量%~約30重量%である、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記10]前記少なくとも1つの増進剤が、約0.1重量%~約4重量%の量で存在する、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記11]前記少なくとも1つの増進剤が有機塩である、付記10に記載の洗浄組成物。
[付記12]前記有機塩がクエン酸ナトリウムである、付記11に記載の洗浄組成物。
[付記13]前記少なくとも1つの安定剤がスルホン酸塩を含む、付記5に記載の洗浄組成物。
[付記14]前記スルホン酸塩がキシレンスルホン酸ナトリウムである、付記13に記載の洗浄組成物。
[付記15]前記洗浄組成物が、キレート剤、添加剤、増進剤、香料、芳香剤、又はこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記16]前記洗浄組成物が約6.5~約9のpH値を有する、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記17]前記洗浄組成物が水で希釈されてすぐに使える洗浄組成物を生成し得る、付記1に記載の洗浄組成物。
[付記18]洗浄組成物であって、
第1の界面活性剤と第2の界面活性剤の総量を約15重量%~約30重量%、
第3の界面活性剤の量を約2重量%~約6重量%、
少なくとも1つの増進剤の量を約0.1重量%~約4重量%、を含み、
前記第1及び第2の界面活性剤は、下記の式に表され、
RO(LO) (CH CH O) H(式中、RはC ~C 12 アルキル基であり、LはCH CH CH 又はCH CH CH CH であり、kは1~2であり、mは2~14であり、LO及びCH CH O基は、ランダム又はブロック順である。)、
前記第1界面活性剤と第2の界面活性剤の総量は、約10.5~約12.5の範囲の親水性-親油性バランスを有し、
前記第3の界面活性剤が第2級アルコールエトキシレートであり、
前記第1の界面活性剤と前記第2の界面活性剤と第3の界面活性剤の合計に対する増進剤の百分率は、約1%~約10%の範囲内である、洗浄組成物。
[付記19]前記洗浄組成物が水で希釈されてすぐに使える洗浄組成物を生成し得る、付記18に記載の洗浄組成物。
[付記20]前記少なくとも1つの増進剤がクエン酸ナトリウムである、付記18に記載の洗浄組成物。
[付記21]前記洗浄組成物が安定剤をさらに含む、付記18に記載の洗浄組成物。
[付記22]洗浄組成物であって、
第1の界面活性剤と第2の界面活性剤と、
安定化剤と、を含み、
前記第1の界面活性剤は水溶性であり、前記第2の界面活性剤は水不溶性であり、
前記安定化剤は、添加する際、透明な水系組成物を提供する、洗浄組成物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1