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特開2022-126931ログインしたユーザIDを個人情報と照合するユーザID通知方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126931
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ログインしたユーザIDを個人情報と照合するユーザID通知方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220824BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220824BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024789
(22)【出願日】2021-02-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】506166387
【氏名又は名称】一般社団法人組込みシステム技術協会
(71)【出願人】
【識別番号】304012596
【氏名又は名称】株式会社CRI・ミドルウェア
(71)【出願人】
【識別番号】510214388
【氏名又は名称】株式会社エクスモーション
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】武部 桂史
(72)【発明者】
【氏名】押見 正雄
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 博之
(72)【発明者】
【氏名】幅 朝徳
(72)【発明者】
【氏名】花房 宏通
(72)【発明者】
【氏名】小澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】野口 道雄
(72)【発明者】
【氏名】山形 祐也
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一久
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ログインしたユーザIDをページサイトの公開者に通知する方法等を提供する。
【解決手段】ログインサーバと、Webサーバと、照合装置とを有するシステムを用いて、(S1)照合装置が、公開者ID毎に、ユーザIDを登録し、(S2)ログインサーバが、ログイン認証に成功したユーザ端末のユーザIDを、Webサーバへ送信し、(S3)Webサーバが、ログインサーバから受信したユーザIDを、照合装置へ送信し、(S4)照合装置が、Webサーバから受信したユーザIDが既に登録されているか否を判定し、真と判定したユーザIDに対応する公開者IDを、当該Webサーバへ応答し、(S5)Webサーバが、公開者IDに対応する公開者端末へ向けて、当該ユーザIDを通知する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に対するログインサイトを公開するログインサーバと、
公開者ID(IDentifier)が付与されたパネルが並ぶページサイトを公開するWebサーバと、
公開者ID毎に、ユーザIDを照合する照合装置と
を有するシステムのユーザID通知方法であって、
照合装置が、公開者ID毎に、ユーザIDを登録する第1のステップと、
ログインサーバが、ログイン認証に成功したユーザ端末のユーザIDを、Webサーバへ送信する第2のステップと、
Webサーバが、ログインサーバから受信したユーザIDを、照合装置へ送信する第3のステップと、
照合装置が、Webサーバから受信したユーザIDが既に登録されているか否を判定し、真と判定したユーザIDに対応する公開者IDを、当該Webサーバへ応答する第4のステップと、
Webサーバが、公開者IDに対応する公開者端末へ向けて、当該ユーザIDを通知する第5のステップと
を有することを特徴とするシステムのユーザID通知方法。
【請求項2】
システムは、デジタル展示会に基づくものであって、
ログインサーバは、主催者サーバであり、
Webサーバは、展示会サーバであり、
公開者端末は、出展者が操作する端末であり、
ページサイトは、スクロール方向を進行方向とした複数のパネルが並んでおり、
パネルは、出展者専用サイトの入口となる画像又は動画であり、
ユーザ端末は、展示会内を閲覧するユーザとして操作される
ことを特徴とする請求項1に記載のシステムのユーザID通知方法。
【請求項3】
第1のステップについて、照合装置は、公開者ID毎に、メッセージを登録し、
第4のステップについて、照合装置は、公開者IDと共に、メッセージを、当該Webサーバへ応答し、
Webサーバは、ユーザ端末へメッセージを送信し、当該メッセージを当該ユーザ端末に表示させる第6のステップと
を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシステムのユーザID通知方法。
【請求項4】
メッセージには、ページサイトのスクロール位置又は他のページサイトのアドレスが記述されており、
ユーザ操作に応じてユーザ端末から、当該ページサイトのスクロール位置又は他のページサイトのアドレスへアクセスされる
ことを特徴とする請求項3に記載のシステムのユーザID通知方法。
【請求項5】
第1のステップについて、照合装置は、ユーザIDに対応する個人情報を更に登録し、
第5のステップについて、
Webサーバが、ユーザIDを含む専用ページを公開者端末へ通知し、
公開者端末が、専用ページを実行することによって、ユーザIDを含む個人情報取得要求を照合装置へ送信し、
照合装置が、ユーザIDに対応する個人情報を、公開者端末へ応答し、
公開者端末が、専用ページの中で、ユーザIDに対応する個人情報を表示する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシステムのユーザID通知方法。
【請求項6】
第1のステップについて、
照合装置は、公開者端末に対して、認証シーケンスを予め実行し、
公開者端末は、ユーザIDを照合装置に登録する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシステムのユーザID通知方法。
【請求項7】
ユーザ端末に対するログインサイトを公開するログインサーバと、
パネルが並ぶページサイトを公開するWebサーバと、
公開者ID毎に、ユーザIDを照合する照合装置と
を有するシステムであって、
ログインサーバは、ログイン認証に成功したユーザ端末のユーザIDを、Webサーバへ送信し、
照合装置は、
公開者ID毎に、ユーザIDを登録するユーザ情報登録手段と、
Webサーバから受信したユーザIDが既に登録されているか否を判定し、真と判定したユーザIDに対応する公開者IDを、当該Webサーバへ応答するユーザID判定手段と
を有し、
Webサーバは、
ログインサーバから受信したユーザIDを、照合装置へ送信する照合要求手段と、
公開者IDに対応する公開者端末へ向けて、当該ユーザIDを通知するユーザID通知手段と
を有することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報としてのユーザID(IDentifier)を照合する技術に関する。特に、デジタル展示会における主催者と出展者との間で、個人情報を照合する用途に適する。
【背景技術】
【0002】
従来の展示会や見本市によれば、出展者としては、自社の商品やサービスなどを、ショーケースに展示し又はデモンストレーションによって、一度に多数の来場者へアピールすることができる。
また、来場者としては、展示会等に来場するだけで、多数の出展者の商品やサービスを見ることができるだけでなく、自ら目的とする商品等の比較検討や、出展者と対面で商談までもすることができる。
更に、主催者としては、展示会や見本市を大規模に開催するほど、出展者から出展料を徴収し、来場者からは来場費を徴収することによって、ビジネスとして成立していた。
【0003】
一方で、近年、コロナ禍の下、ニューノーマル(新たな常態)に対応するために、大規模な展示会や見本市を開催することによって集客することが困難となってきている。人の流れを抑制するべく、企業の社員であっても、テレワーク化によって、リアル展示会に足を運ぶこともできなくなっている。
【0004】
これに対し、「デジタル展示会」(オンライン展示会、バーチャル展示会)が注目されてきている。デジタル展示会によれば、リアルな会場に集客することなく、インターネット上の仮想空間の会場に集客する。特に、リアルな会場で展示会を運営していた主催者が、リアル展示会のリプレイスとして、デジタル展示会のプラットフォームを提供しようとしている。
【0005】
従来、リアル展示会で利用されていた展示会管理システムの技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、展示会の出展者が、ブースで行う来場者の情報を知った状態で、その来場者と応対することができる。システムとしては、来場者の来場者端末と、出展者の出展者端末と、サーバ装置とを有する。サーバ装置は、来場者の来訪情報を来場者端末から取得し、出展者端末へ、その来場者の情報を閲覧可能な出展者閲覧用画面を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-161036号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】XMLHttpRequestの解説、[online]、[令和3年1月28日検索]、インターネット<URL:https://b-risk.jp/blog/2020/09/ajax/>
【非特許文献2】axiosの解説、[online]、[令和3年1月28日検索]、インターネット<URL:https://qiita.com/ksh-fthr/items/2daaaf3a15c4c11956e9>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、リアル展示会を想定したものである。そのために、この技術をデジタル展示会に適用した場合、例えば以下のような課題がある。
【0009】
第1の課題として、特許文献1に記載の技術によれば、来場者情報データベースから来場者情報がそのまま、出展者端末に提供されることにある。来場者情報は、個人情報であって秘匿性を要するものである。このような個人情報が、出展者端末に表示されることには、個人情報の漏洩が問題となる。
【0010】
第2の課題として、リアル展示会であってもデジタル展示会であっても、主催者と出展者とが存在する。主催者は、デジタル展示会に来場する来場者の個人情報を自ら保持し、一方で、出展者も、日頃の営業活動によって顧客の個人情報を自ら保持している。このように、主催者も出展者もユーザの個人情報は、極めて重要な営業秘密情報である。デジタル展示会を一緒に開催しようとする主催者及び出展者であっても、自らの営業秘密情報を交換することはできない。
【0011】
これに対し、本願の発明者は、デジタル展示会に限らず、ログインサーバ(主催者)の個人情報と、公開者(出展者)が保有するユーザの個人情報とが相互に漏洩することなく、ログインしたユーザ(来場者)のユーザIDをページサイトの公開者(出展者)に通知し、そのユーザを事前に特定させることが、出展者の営業上も有効であろう、と考えた。
【0012】
そこで、本発明は、ログインしたユーザIDをページサイトの公開者に通知し、そのユーザを事前に特定させることができるユーザID通知方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、ユーザ端末に対するログインサイトを公開するログインサーバと、
公開者IDが付与されたパネルが並ぶページサイトを公開するWebサーバと、
公開者ID毎に、ユーザIDを照合する照合装置と
を有するシステムのユーザID通知方法であって、
照合装置が、公開者ID毎に、ユーザIDを登録する第1のステップと、
ログインサーバが、ログイン認証に成功したユーザ端末のユーザIDを、Webサーバへ送信する第2のステップと、
Webサーバが、ログインサーバから受信したユーザIDを、照合装置へ送信する第3のステップと、
照合装置が、Webサーバから受信したユーザIDが既に登録されているか否を判定し、真と判定したユーザIDに対応する公開者IDを、当該Webサーバへ応答する第4のステップと、
Webサーバが、公開者IDに対応する公開者端末へ向けて、当該ユーザIDを通知する第5のステップと
を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のシステムのユーザID通知方法によれば、
システムは、デジタル展示会に基づくものであって、
ログインサーバは、主催者サーバであり、
Webサーバは、展示会サーバであり、
公開者端末は、出展者が操作する端末であり、
ページサイトは、スクロール方向を進行方向とした複数のパネルが並んでおり、
パネルは、出展者専用サイトの入口となる画像又は動画であり、
ユーザ端末は、展示会内を閲覧するユーザとして操作される
ことも好ましい。
【0015】
本発明のシステムのユーザID通知方法によれば、
第1のステップについて、照合装置は、公開者ID毎に、メッセージを登録し、
第4のステップについて、照合装置は、公開者IDと共に、メッセージを、当該Webサーバへ応答し、
Webサーバは、ユーザ端末へメッセージを送信し、当該メッセージを当該ユーザ端末に表示させる第6のステップと
を更に有することも好ましい。
【0016】
本発明のシステムのユーザID通知方法によれば、
メッセージには、ページサイトのスクロール位置又は他のページサイトのアドレスが記述されており、
ユーザ操作に応じてユーザ端末から、当該ページサイトのスクロール位置又は他のページサイトのアドレスへアクセスされる
ことも好ましい。
【0017】
本発明のシステムのユーザID通知方法によれば、
第1のステップについて、照合装置は、ユーザIDに対応する個人情報を更に登録し、
第5のステップについて、
Webサーバが、ユーザIDを含む専用ページを公開者端末へ通知し、
公開者端末が、専用ページを実行することによって、ユーザIDを含む個人情報取得要求を照合装置へ送信し、
照合装置が、ユーザIDに対応する個人情報を、公開者端末へ応答し、
公開者端末が、専用ページの中で、ユーザIDに対応する個人情報を表示する
ことも好ましい。
【0018】
本発明のシステムのユーザID通知方法によれば、
第1のステップについて、
照合装置は、公開者端末に対して、認証シーケンスを予め実行し、
公開者端末は、ユーザIDを照合装置に登録する
ことも好ましい。
【0019】
本発明のシステムのユーザID通知方法によれば、
ユーザ端末に対するログインサイトを公開するログインサーバと、
パネルが並ぶページサイトを公開するWebサーバと、
公開者ID毎に、ユーザIDを照合する照合装置と
を有するシステムであって、
ログインサーバは、ログイン認証に成功したユーザ端末のユーザIDを、Webサーバへ送信し、
照合装置は、
公開者ID毎に、ユーザIDを登録するユーザ情報登録手段と、
Webサーバから受信したユーザIDが既に登録されているか否を判定し、真と判定したユーザIDに対応する公開者IDを、当該Webサーバへ応答するユーザID判定手段と
を有し、
Webサーバは、
ログインサーバから受信したユーザIDを、照合装置へ送信する照合要求手段と、
公開者IDに対応する公開者端末へ向けて、当該ユーザIDを通知するユーザID通知手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のユーザID通知方法及びシステムによれば、ログインしたユーザIDをページサイトの公開者に通知し、そのユーザを事前に特定させることができる。また、本発明によれば、デジタル展示会に限らず、ログインサーバ(主催者)の個人情報と、公開者(出展者)の個人情報とが相互に漏洩することなく、ログインしたユーザ(来場者)のユーザIDをページサイトの公開者(出展者)に通知し、そのユーザを事前に特定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ユーザ端末から見たページサイトの構成を表す説明図である。
図2】本発明におけるシステム構成図である。
図3】本発明におけるシーケンス図である。
図4】出展者から見た、公開者端末における来場者情報の登録画面である。
図5】来場者から見た、ユーザ端末におけるログインサーバのログイン画面である。
図6】出展者から見た、公開者端末のける出展者専用ページである。
図7】来場者から見た、ユーザ端末におけるログイン直後のロビーサイトである。
図8】案内メッセージのアドレスへ移動を表す説明図である。
図9】来場者から見た、ユーザ端末における案内メッセージの誘導に基づく出展者パネルの表示画面である。
図10】本発明におけるWebサーバ及び照合装置の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1は、ユーザ端末から見たページサイトの構成を表す説明図である。
【0024】
図1によれば、ログインサーバ2は、ユーザ端末4へ、認証フォームを有するログインサイトを公開する。ユーザ端末4を操作するユーザの認証成功後、ログインサーバ2は、ユーザ端末4に、Webサーバ1のロビーサイト(ページサイト)へアクセスさせる。
【0025】
Webサーバ1は、ユーザ端末4からアクセス可能なロビーサイト(ページサイト)を公開する。ロビーサイトでは最初に、エントランスパネルが閲覧でき、その後、スクロール方向に複数の「パネル」が並ぶ。デジタル展示会の場合、スクロール方向は、ユーザ端末4を操作する来場者の進行方向となり、スクロールは、来場者の歩行を意味する。その歩行方向に出展者のパネルが並んでいるように、ユーザに印象付ける。
パネルは、出展者専用サイトの入口となる画像又は動画であり、来場者はそのパネルから、出展者の専用サイトにアクセス(入場)することができる。
また、パネル毎に、「公開者ID」が紐付けられる。公開者IDは、出展者の専用サイトにも紐付けられ、結果的に、公開者端末5を操作する出展者に対応付けられる。出展者の専用サイトは、その出展者が操作する公開者端末によって管理される。
【0026】
図2は、本発明におけるシステム構成図である。
【0027】
図2によれば、ユーザIDを通知するシステムであって、インターネットを介して、Webサーバ1と、ログインサーバ2と、照合装置3と、ユーザ端末4と、公開者端末5とが接続されている。
本発明のシステムは、例えばデジタル展示会の用途に基づくものであって、各装置を以下のように対応付けられる。
Webサーバ :展示会サーバ
ログインサーバ:主催者サーバ
ユーザ端末 :来場者が操作する端末
公開者端末 :出展者が操作する端末
尚、図2によれば、Webサーバ1、ログインサーバ2及び照合装置3はそれぞれ、クラウドサーバとして実装されるものであってもよい。
【0028】
Webサーバ1は、複数のユーザ端末4からアクセス可能なロビーサイトと、出展者の専用サイトとを公開する。
【0029】
ログインサーバ2は、ユーザ端末4に対するログインサイトを公開し、ログイン認証に成功すると、ユーザ端末4からWebサーバ1のロビーサイトへアクセスが可能となる。ログインサーバ2は予め、認証情報となるユーザID及びパスワードを対応付けて登録しておく。
また、展示会システムの場合、ログインサーバ2は、主催者によって運用管理されるものである。この場合、ログインサーバ2は、主催者自ら保有するユーザの個人情報(例えば名前、会社名、所属先など)を蓄積したものであってもよい。本発明のログインサーバ2は、来場者としてのユーザを認識し、ユーザIDを特定する。
【0030】
ユーザ端末4は、ブラウザを搭載したパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットであって、ログインサーバ2のログインサイトや、Webサーバ1の専用サイトアクセスすることができる。ユーザ端末4には、既存のブラウザが予めインストールされている。ブラウザとしては、具体的にはChrome(登録商標)、Firefox(登録商標)、Edge(登録商標)、Safari(登録商標)などがある。
【0031】
公開者端末5は、Webサーバ1のパネル及び専用サイトを公開している公開者が操作する端末である。これも、ブラウザを搭載したパーソナルコンピュータ等である。
また、展示会システムの場合、公開者端末5は、出展者によって操作されるものであり、出展者自ら、ユーザの個人情報も保有する。そして、公開者端末は予め、自らの公開者IDと共に、自ら保有するユーザID、個人情報及び案内メッセージを、照合装置3へ登録しておく。案内メッセージは、ユーザID毎に登録されるものであってもよい。
【0032】
照合装置3は、本発明の特徴的なものであって、公開者端末5から受信したユーザIDと、ログインサーバ2にログインしたユーザIDとを照合するものである。照合装置3は予め、出展者の公開者ID毎に、ユーザID、個人情報及び案内メッセージを登録しておく。
ここで、照合装置3に登録される秘匿性を要する個人情報は、ログインサーバ2やWebサーバ1に転送されることはない。この点で、ログインサーバ2を管理する主催者が保有する個人情報と、照合装置3に登録する出展者が保有する個人情報とは、システム内で混在することもなく、相互に秘匿性が確保される。
【0033】
図3は、本発明におけるシーケンス図である。
【0034】
(S1)公開者端末5は、出展者の操作に応じて、照合装置3との間で認証シーケンスを実行する。
ここでは、ユーザID及びパスワードのような認証情報のみならず、多要素認証及び多段階認証を用いて、照合装置3にアクセス可能な公開者端末5に対するセキュリティを高めておく必要がある。照合装置3は、出展者における秘匿性を要する個人情報のユーザIDを登録するものであるためである。
多要素認証としては、例えば電子証明書や、ICカード、セキュリティトークン、USBトークン、乱数表、ワンタイムパスワード管理アプリ、指紋、静脈、網膜・光彩などの生体認証、スマートフォンを用いた認証アプリなどを用いることもできる。
多段階認証としては、例えば出展者の誕生日や質問回答を、更に入力させることもできる。
【0035】
図4は、出展者から見た、公開者端末における来場者情報の登録画面である。
図4によれば、S1について、公開者の認証成功後、公開者端末5に表示される登録画面である。この登録画面は、照合装置3にアクセスし、ブラウザに表示されたものである。この登録画面によれば、公開者端末5は、出展者自ら保有する来場者のユーザIDと、ユーザ毎の個人情報(例えば名前、会社名、所属など)とを、照合装置3に登録することができる。また、来場者が展示会サイトにログインした際に直ぐに、その来場者に対して表示される「案内メッセージ」も登録することができる。
尚、ユーザIDとしては、例えばメールアドレスであってもよいし、グローバルなサービスにおけるアカウントやメッセージIDであってもよい。
【0036】
照合装置3は、出展者毎に、セキュリティを確保した専用ディスクエリアを備える。また、照合装置3は、出展者が持つ「公開者ID」に紐付けて、「ユーザID」「個人情報」「案内メッセージ」を登録して管理する。
【0037】
(S2)ログインサーバ2は、来場者の認証情報(ユーザID及びパスワード)と、主催者自ら保有する来場者の個人情報とを予め保持している。
最初に、来場者が操作するユーザ端末4は、ログインサーバ2へアクセスする。これに対し、ログインサーバ2は、ユーザ端末4へログインサイトを応答する。
【0038】
図5は、来場者から見た、ユーザ端末におけるログインサーバのログイン画面である。
図5によれば、ログインサイトは、ユーザ端末4を操作する来場者に対して、ログインサイトに、ユーザID及びパスワードを入力させる。
ユーザID:bbb@bbb.jp
パスワード:******
入力されたユーザID及びパスワードは、ログインサーバ2へ送信され、ログインサーバ2は、認証の可否を判定する。
【0039】
そして、ログインサーバ2は、認証成功後、ログイン認証に成功したユーザ端末のユーザIDを、Webサーバ1へ送信する。図3によれば、ユーザID:bbb@bbb.jpが、Webサーバ1へ送信されている。
【0040】
Webサーバ1は、ユーザ端末4に対して、XHR(XMLHttpRequest)のAPI(Application Programming Interface)を提供する。これによって、ユーザ端末4とWebサーバ1との間で、非同期通信を実現する。例えば、既に読み込んだページから更にHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)リクエストを送信することができ、ページを遷移することなく、データを送受信することができる。
XHRは、データの要求(GET)だけではなく、データの送信(POST)も可能となる。実装に使用しているコマンド(モジュール)としては、例えばaxios(登録商標)がある(例えば非特許文献2参照)。これは、ブラウザのコンテンツに対するボタンのクリックなどのイベント情報を、Webサーバへ送信することができる。
これによって、Webサーバ1は、ロビーサイトを、ユーザ端末4へ送信し、表示させることができる。
【0041】
(S3)次に、Webサーバ1は、ログインサーバ2から受信したユーザID(例えばbbb@bbb.jp)を、照合装置3へ送信する。
【0042】
(S4)これに対し、照合装置3は、Webサーバ1から受信したユーザIDが、いずれの「公開者ID」に対応して既に登録されているか否を判定する。そして、照合装置3は、真と判定した場合、その旨と共に、そのユーザIDに対応する公開者IDを、Webサーバ1へ応答する。
このとき、照合装置3は、公開者IDと共に、案内メッセージも、Webサーバ2へ送信する。
【0043】
(S5)そして、Webサーバ1は、公開者IDに対応する公開者端末5へ向けて、ユーザIDを通知する。ここで、Webサーバ1は、ユーザIDを含む出展者専用ページを、公開者端末5へ送信する。
ここで、出展者専用ページは、具体的にはJavaScript(登録商標)のようなWebブラウザ用のスクリプト言語で記述されたプログラムが組み込まれており、公開者端末5によって直ぐに実行される。これによって、公開者端末5は、ユーザIDを含む個人情報取得要求を、照合装置3へ送信する。
これに対し、照合装置3は、ユーザIDに対応する個人情報を、公開者端末5へ応答する。
そして、公開者端末5は、出展者専用ページの中で、ユーザIDに対応する個人情報を表示する。これによって、公開者端末5を操作する出展者は、展示会システムにログインしてきた来場者のユーザIDを視認することができると共に、そのユーザの個人情報も一緒に視認することができる。
【0044】
図6は、出展者から見た、公開者端末のける出展者専用ページである。
図6によれば、出展者は、出展者専用ページによって、「bbb社」の「技術部」のユーザ「bbb@bbb.jp」さんが展示会に来場したことを、即時に認識することができる。
【0045】
(S6)Webサーバ1は、ユーザ端末4へ案内メッセージを送信し、その案内メッセージをユーザ端末4のブラウザに表示させる。例えば、ユーザ端末4のブラウザに既に表示されているロビーサイトに、サブページが重畳的に表示され、そのサブページに案内メッセージが表示されるものであってもよい。
【0046】
図7は、来場者から見た、ユーザ端末におけるログイン直後のロビーサイトである。
図7によれば、ロビーサイトに、案内メッセージのサブページが重畳的に表示されている。来場者は、ログインした直後、ロビーサイトを閲覧した時点で、出展者からの案内メッセージを視認することができる。来場者から見て、自らの個人情報を保有する出展者は、例えば取引先である場合も多い。
【0047】
(S7)案内メッセージには、出展者専用サイトのアドレス(URL(Uniform Resource Locator))が記述されていてもよい。また、ロビーサイトにおける出展者パネルのスクロール位置が記述されていてもよい。来場者は、その来場者は、そのアドレス又はスクロール位置をクリック(タップ)することができる。
これによって、ユーザ端末4のブラウザには、出展者専用サイト、又は、ロビーサイトの出展者パネルが表示される。
【0048】
図8は、案内メッセージのアドレスへ移動を表す説明図である。
【0049】
ユーザ端末4は、図7でクリックされた出展者のパネル又は専用サイトへ飛ぶことができる。
図8によれば、出展者のパネルへ飛ぶ場合を表す。ロビーサイトのスクロール方向が縦方向である場合、ブラウザの表示設定から「ブラウザの表示エリアの縦ピクセル数」を検出することができる。
ロビーサイトには、スクロール方向に複数のパネルが並んでおり、パネル毎に、以下の情報も予め設定されている。
「ロビーサイト先頭からパネル先頭までの縦ピクセル数」
「パネルの縦ピクセル数」
勿論、ロビーサイトのスクロール方向が横方向である場合、横ピクセル数を設定する。
【0050】
ロビーサイトに組み込まれたプログラムを実行することによって、ブラウザの表示エリアの先頭位置を検出することができる。具体的にはJavaScript(登録商標)のようなWebブラウザ用のスクリプト言語で記述されたプログラムである。
これによって、ブラウザの表示エリアの縦ピクセル数から、出展者のパネルの位置を特定し、ブラウザの表示を飛ばせることができる。
【0051】
図9は、来場者から見た、ユーザ端末における案内メッセージの誘導に基づく出展者パネルの表示画面である。
来場者は、展示会サイトにログインすると同時に、取引先である出展者から案内メッセージが届き、その案内メッセージのリンクアドレスをクリックすることによって、その出展者のパネル又は専用サイトへ飛ぶことができる。
【0052】
図10は、本発明におけるWebサーバ及び照合装置の機能構成図である。
【0053】
[照合装置3]
照合装置3は、ユーザ情報登録部30と、ユーザID判定部32と、ユーザ情報送受信部33と、認証機能34とを有する。
ユーザ情報登録部30は、公開者ID毎に、ユーザID、個人情報及び案内メッセージを登録する。これら情報は、出展者が操作する公開者端末5から受信したものである。
ユーザID判定部32は、Webサーバ1から受信したユーザIDが既に登録されているか否を判定し、真と判定したユーザIDに対応する公開者IDを、当該Webサーバへ応答する。
ユーザ情報送受信部33は、公開者端末5に対して出展者専用ページを提示し、ユーザID、個人情報及び案内メッセージをユーザ情報登録部30に登録させる。
認証機能34は、公開者端末5を操作する出展者との間で、認証シーケンスを実行する。
【0054】
[Webサーバ1]
Webサーバ1は、コンテンツ蓄積部10と、ページサイト送信部11と、照合要求部12と、ユーザID通知部13とを有する。
コンテンツ蓄積部10は、複数の出展者のパネルが並ぶロビーサイトと、出展者毎の専用サイトとを蓄積する。
ページサイト送信部11は、ユーザ端末4から受信したページ取得要求に応じて、そのページコンテンツ(最初にロビーサイト)を応答する。
照合要求部12は、ログインサーバ2から受信したユーザIDを、照合装置3へ送信する。そして、照合装置3から、ユーザIDが登録されているか否か、及び、登録されている場合にはその公開者ID及び案内メッセージを受信する。照合装置3によって真と判定された場合、その公開者IDを、ユーザID通知部13へ出力する。
ユーザID通知部13は、公開者IDに対応する公開者端末へ向けて、当該ユーザIDを通知する。
尚、ユーザIDが照合装置3に登録されている場合、ページサイト送受信部11は、案内メッセージを、ユーザ端末4へ送信し表示させる。
【0055】
[ログインサーバ2]
ログインサーバ2は、ユーザ端末4との間でログイン認証シーケンスを実行し、認証成功の場合、ユーザ端末4からログインしたユーザIDを、Webサーバ1へ送信する。
【0056】
[ユーザ端末4]
ユーザ端末4は、Webサーバ1からロビーサイトのページコンテンツを受信し、ユーザインタフェースとなるブラウザに表示する。ロビーサイトのページコンテンツには、前述したように例えばJavaScriptで記述されたプログラムが組み込まれており、ブラウザで直ぐに実行される。
【0057】
以上、詳細に説明したように、本発明のユーザID通知方法及びシステムによれば、ログインしたユーザIDをページサイトの公開者に通知し、そのユーザを事前に特定させることができる。また、本発明によれば、デジタル展示会に限らず、ログインサーバ(主催者)の個人情報と、公開者(出展者)の個人情報とが相互に漏洩することなく、ログインしたユーザ(来場者)のユーザIDをページサイトの公開者(出展者)に通知し、そのユーザを事前に特定させることができる。
【0058】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0059】
1 Webサーバ
10 コンテンツ蓄積部
11 ページサイト送信部
12 照合要求部
13 ユーザID通知部
2 ログインサーバ
3 照合装置
30 ユーザ情報登録部
32 ユーザID判定部
33 ユーザ情報送受信部
34 認証機能
4 ユーザ端末
5 公開者端末
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10