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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012701
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ガソリン直噴燃料レール
(51)【国際特許分類】
   F02M 55/02 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
F02M55/02 330Z
F02M55/02 350F
F02M55/02 360Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114718
(22)【出願日】2020-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000120249
【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000501
【氏名又は名称】翠特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西澤 洋行
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AA01
3G066AB02
3G066AD05
3G066BA35
3G066BA48
3G066CB03
3G066CB12
3G066CB19
3G066CD10
3G066CD14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料レール本体から燃焼室までの距離が長くなった場合でも、レイアウトの自由度が高く、かつ繰り返しの高い燃料圧力がかかった場合でも破損が生じにくい燃料レールを簡易な構成を提供する。
【解決手段】熱間鍛造製の燃料レール本体1と、この燃料レール本体1とは別体に形成したインジェクターカップアダプター6とを備えたものにおいて、当該インジェクターカップアダプター6の一端には上記燃料レール本体1に接続するための嵌合凸部7が設けられ、上記燃料レール本体1には、上記インジェクターカップアダプター6を接続するための接続体2を一体的に突設するとともに、当該接続体2には、上記インジェクターカップアダプター6の嵌合凸部7を嵌合可能とする嵌合凹部5が設けられ、当該嵌合凹部5に上記嵌合凸部7が嵌合されるとともに、当該嵌合凹部5と嵌合凸部7との嵌合部14をろう付け固定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間鍛造製の燃料レール本体と、この燃料レール本体とは別体に形成したインジェクターカップアダプターとを備えたものにおいて、当該インジェクターカップアダプターの一端には上記燃料レール本体に接続するための嵌合凸部が設けられ、上記燃料レール本体には、上記インジェクターカップアダプターを接続するための接続体を一体的に突設するとともに、当該接続体には、上記インジェクターカップアダプターの嵌合凸部を嵌合可能とする嵌合凹部が設けられ、当該嵌合凹部に上記嵌合凸部が嵌合されるとともに、当該嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合部がろう付け固定されたことを特徴とするガソリン直噴燃料レール。
【請求項2】
上記インジェクターカップアダプターは、上記接続体の燃料レール本体からの突出方向とは垂直方向に、当該接続体に接続したことを特徴とする請求項1のガソリン直噴燃料レール。
【請求項3】
上記インジェクターカップアダプターは、上記接続体の燃料レール本体からの突出方向に、当該接続体に接続したことを特徴とする請求項1のガソリン直噴燃料レール。
【請求項4】
上記インジェクターカップアダプターと上記接続体との間には、燃料の流通間隔が介在することを特徴とする請求項1、2、または3のガソリン直噴燃料レール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料レール本体とインジェクターカップアダプターとを備えたガソリン直噴燃料レールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より燃料レール本体は、主に材料となるパイプを所望の長さに切断し、当該パイプの円周表面にセンサーボスやブラケット、インジェクターカップ等の部品をろう付け固定することにより、燃料分配機能を備えるよう製造されるものである。そして特許文献1に示す如く、高圧噴射内燃機関用の燃料レールの本体に、袋ナット等の接続部品を介してインジェクターを接続したものが既に公知となっている。
【0003】
しかしながらレイアウト等の関係により、上記の如き燃料レール本体をエンジンの上部に設置した場合などは、カムシャフトやバルブなどの周辺部品の存在により、当該燃料レール本体から燃焼室までの距離が長くなる。そのため、上記の如き従来より一般的に使用されているインジェクターを使用した場合には、燃焼室までの長い距離に対応させることが困難となっていた。
【0004】
そこでこのような問題を解決するためには、上記の如き従来の燃料レール本体に、図4に示す如く当該燃料レール本体(図示せず)から燃焼室(51)までの距離に対応させて長尺に形成した特別なインジェクター(52)を接続する方法や、従来の燃料レール本体に長尺なインジェクターカップを一体形成する方法が考えられる。
【0005】
また従来より用いられているインジェクターカップを使用する場合には、従来のインジェクターカップとレール本体とを、接続パイプを介して接続固定する方法等が考えられる。
【特許文献1】特開2010-7651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図4に示す如くエンジン(50)の上部に設けられた燃料レール本体(図示せず)から当該エンジン(50)の下部に設けられた燃焼室(51)までの距離に対応させて長尺に形成したインジェクター(52)を接続する場合には、この長尺なインジェクター(52)を特別に製作する必要があることから、コストが高くつくものとなっていた。
【0007】
また、燃料レール本体に長尺なインジェクターカップを一体形成する場合には、燃料レール全体がかさ高いものとなる。よって、レイアウトの自由度が低くなるとともに、かさ高い製品の取り扱いが煩雑なものとなっていた。
【0008】
また図5に示す如く、従来のインジェクターカップ(53)と燃料レール本体(54)とを接続部材(55)を介して接続した場合には、燃料レール本体(54)の円周表面に接続部材(55)をろう付けにて接続する方法が一般的である。しかし、燃料レール本体(54)の内周面に燃料噴射に伴う繰り返しの高圧がかかった場合には、当該燃料レール本体(54)が半径方向への膨張と復元とを繰り返すものとなる。
【0009】
そのため、特に上記接続部材(55)を剛性の高い材料にて形成した場合には、当該接続部材(55)と燃料レール本体(54)との接続部(56)に繰り返しの高圧がかかることにより、許容応力を超えた時に、当該接続部(56)に亀裂が発生するものとなる。そして更なる繰り返しの応力発生により、上記接続部材(55)が燃料レール本体(54)から剥がされる動きが加わり、上記接続部(56)にて生じた亀裂が進展して接合面破断に至るおそれがある。
【0010】
そして、接続部材(55)と燃料レール本体(54)には、燃料が流通可能な燃料通路(57)が形成されているため、上記の如く発生した亀裂が更に伸びてこの燃料通路(57)まで達した場合には、当該亀裂から燃料が漏れる事態が生じるものとなる。よって、この燃料漏れにより、車両火災が発生する事態が生じるおそれがある。
【0011】
そこで、本発明は上記の如き課題を解決しようとするものであって、燃料レール本体から燃焼室までの距離が長くなった場合でも、レイアウトの自由度が高く、かつ繰り返しの高い燃料圧力がかかった場合でも破損が生じにくい燃料レールを、簡易な構成にて得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は上述の如き課題を解決したものであって、熱間鍛造製の燃料レール本体と、この燃料レール本体とは別体に形成したインジェクターカップアダプターとを備えたことを前提とするものである。
【0013】
そして、当該インジェクターカップアダプターの一端には上記燃料レール本体に接続するための嵌合凸部が設けられ、上記燃料レール本体には、上記インジェクターカップアダプターを接続するための接続体を一体的に突設するとともに、当該接続体には、上記インジェクターカップアダプターの嵌合凸部を嵌合可能とする嵌合凹部が設けられ、当該嵌合凹部に上記嵌合凸部が嵌合されるとともに、当該嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合部がろう付け固定されたものである。
【0014】
また、上記インジェクターカップアダプターは、上記接続体の燃料レール本体からの突出方向とは垂直方向に、当該接続体に接続したものであってもよい。
【0015】
また、上記インジェクターカップアダプターは、上記接続体の燃料レール本体からの突出方向に、当該接続体に接続したものであってもよい。
【0016】
上記インジェクターカップアダプターと上記接続体との間には、燃料の流通間隔を介在させたものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本願発明は上記の如く、燃料レール本体とインジェクターカップアダプターとを別体に形成することにより、燃料レール本体のみを熱間鍛造により製造することができるため、エンジンの高燃圧化に耐え得る燃料レールを得ることが可能となる。また燃料レール本体と燃焼室との間の距離が長い場合でも、インジェクターカップアダプターの長さを当該距離に対応させることにより、従来より一般的に使用されているインジェクターを用いた場合であっても、当該インジェクターを適切な位置に配置することが可能となる。よって、特別に長尺なインジェクターを使用する必要がないため燃料噴射システム全体の製造コストを低く抑えることができるとともに、燃料レール本体の製造を容易なものとすることができる。
【0018】
また上記の如く、燃料レール本体の接続体を設けた嵌合凹部にインジェクターカップアダプターに設けた嵌合凸部を嵌合することにより両者を接続するものであるから、従来技術の如く燃料レール本体の円周表面にインジェクターカップアダプターの接続部を設ける必要がなく、繰り返しの高い燃料圧力がかかった場合でも破損が生じるという事態が生じにくいものとなる。よって、燃料漏れなどの事態が生じにくくなり、安全な使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1を示す断面図。
図2】実施例2を示す断面図。
図3】他の異なる実施例を示す断面図。
図4】従来例を示す斜視図。
図5】従来例を示す部分拡大斜視図。
【実施例0020】
本発明の実施例1について、図1において以下に説明すると、図1に示す如く(1)は熱間鍛造製の燃料レール本体であって、この燃料レール本体(1)は、内部に燃料通路(3)を設けた長尺な管状に形成されている。このように燃料レール本体(1)を熱間鍛造により形成することにより、当該燃料レール本体(1)の強度を高いものとすることができるため、今後のエンジンの高燃圧化に対応可能な製品を得ることができる。
【0021】
そしてこの燃料レール本体(1)の外周面には、接続体(2)を当該燃料レール本体(1)の管軸方向に一体的に突設している。そしてこの接続体(2)は、断面長方形に形成したものであって、図1に示す如く、その一端を燃料レール本体(1)内の燃料通路(3)に連通させた連通路(4)が貫通形成されている。またこの連通路(4)の他端には、底面(15)側に向けて嵌合凹部(5)が凹設されている。
【0022】
そして、上記の如く燃料レール本体(1)に一体形成された接続体(2)には、切削加工製のインジェクターカップアダプター(6)を接続している。即ち、当該インジェクターカップアダプター(6)の一端には、上記の如く接続体(2)に設けた嵌合凹部(5)に嵌合可能な嵌合凸部(7)を設けるとともに、他端にはインジェクターの一端を連結するための連結凹部(8)を設けている。
【0023】
そしてこのインジェクターカップアダプター(6)の嵌合凸部(7)と接続体(2)の嵌合凹部(5)とを嵌合するとともに、この嵌合凸部(7)と嵌合凹部(5)との嵌合部(14)をろう付け固定している。これにより、上記インジェクターカップアダプター(6)と上記接続体(2)との嵌合部(14)が接続固定されるものとなり、上記インジェクターカップアダプター(6)と 接続体(2)との間における液漏れ等を防ぐことができる。
【0024】
また、この嵌合凸部(7)と連結凹部(8)との間には、燃料レール本体(1)の燃料通路(3)から接続体(2)の連通路(4)を介してインジェクターカップアダプター(6)の燃料流通路(12)に燃料を流通させるための流通間隔(13)が設けられている。
【0025】
上記の如く、燃料レール本体(1)の接続体(2)に設けた嵌合凹部(5)に、インジェクターカップアダプター(6)に設けた嵌合凸部(7)を嵌合することにより、燃料レール本体(1)とインジェクターカップアダプター(6)とを接続するものであるから、従来技術(図5)の如く接続部材(55)を介した接合とは異なり燃料レール本体(1)の外周面にインジェクターカップアダプター(6)の接続部を設ける必要がない。そのため、繰り返しの高い燃料圧力がかかった場合でも破損が生じにくいものとなるため、燃料漏れなどの事態が生じることなく安全な使用が可能となる。
【0026】
また上記の如く燃料レール本体(1)とインジェクターカップアダプター(6)とを別体に形成することにより、燃料レール本体(1)のみを熱間鍛造により製造することができるため、エンジンの高燃圧化に耐え得る燃料レールを得ることが可能となる。
【0027】
尚、上記の如く燃料レール本体(1)の接続体(2)にインジェクターカップアダプター(6)を接続固定することにより、当該インジェクターカップアダプター(6)は、上記接続体(2)の燃料レール本体(1)からの突出方向とは垂直方向に接続された状態で配置されるものとなる。
【0028】
また、本実施例では燃料レール本体(1)をエンジンの上部に設けている。そのため、燃料レール本体(1)と燃焼室との間の距離が長いものとなるが、上記燃料レール本体(1)から燃焼室との長尺な距離に対応させて、インジェクターカップアダプター(6)を長尺に形成することができる。従って、従来より広く使用されている一般的な長さのインジェクターを上記長尺なインジェクターカップアダプター(6)に接続することによって、燃焼室に臨ませてインジェクターを適正な位置に配置することが可能となる。
【0029】
そのため、長尺なインジェクターを特別に使用する必要がないことから、燃料噴射システム全体の製造コストを低く抑えることができる。また上記の如くインジェクターカップアダプター(6)を長尺に形成することにより、上記燃料レール本体(1)から燃焼室との長尺な距離に対応させてインジェクターを適切な位置に配置することができるため、製造を容易なものとすることができる。
【0030】
またインジェクターカップアダプター(6)を燃料レール本体(1)とは別体に形成するとともに、当該インジェクターカップアダプター(6)を切削加工にて形成するものであるから、燃料レール本体(1)からインジェクターまでの距離との間の寸法調整を容易に行うことが可能となる。また、エンジンに組付けられている他の部品の位置に対応させて、インジェクターカップアダプター(6)の長さを適宜調整することができるため、レイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【実施例0031】
本発明の実施例2について、図2において以下に説明すると、図2に示す如く(31)は熱間鍛造製の燃料レール本体であって、この燃料レール本体(31)は、内部に燃料通路(33)を設けた長尺な管状に形成されている。このように燃料レール本体(31)を熱間鍛造により形成することにより、当該燃料レール本体(31)の強度を高いものとすることができるため、今後のエンジンの高燃圧化に対応可能な製品を得ることができる。
【0032】
そしてこの燃料レール本体(31)の外周面には、接続体(32)を当該レール本体の管軸方向に一体的に突設している。そしてこの接続体(32)は、断面長方形に形成したものであって、図2に示す如く、その一端を燃料レール本体(31)内の燃料通路(33)に連通させた連通路(34)が貫通形成されている。またこの連通路(34)の他端には、底面(45)側に向けて嵌合凹部(35)が凹設されている。
【0033】
そして上記の如く燃料レール本体(31)に一体形成された接続体(32)には、切削加工製のインジェクターカップアダプター(36)を接続している。即ち、インジェクターカップアダプター(36)の一端には、上記の如く接続体(32)に設けた嵌合凹部(35)に嵌合可能な嵌合凸部(37)を設けるとともに、他端にはインジェクターの一端を連結するための連結凹部(38)を設けている。
【0034】
そしてこのインジェクターカップアダプター(36)の嵌合凸部(37)と接続体(32)の嵌合凹部(35)とを嵌合するとともに、この嵌合凸部(37)と嵌合凹部(35)との嵌合部(44)をろう付け固定している。これにより、上記インジェクターカップアダプター(36)と上記接続体(32)との嵌合部(44)が接続固定されるものとなり、上記インジェクターカップアダプター(36)と接続体(32)との接続部との間における液漏れ等を防ぐことができる。
【0035】
また、上記インジェクターカップアダプター(36)には燃料流通路(42)を設けている。そしてこの燃料流通路(42)は、上記の如く接続体(32)とインジェクターカップアダプター(36)とを嵌合固定した際に、図2に示す如く接続体(32)の連通路(34)とインジェクターカップアダプター(36)の燃料流通路(42)が連通するよう設けられている。
【0036】
そのため上記の如く、燃料レール本体(31)とインジェクターカップアダプター(36)とを接続体(32)を介して嵌合固定することにより、図2に示す如く、燃料レール本体(31)内の燃料通路(33)が、接続体(32)の連通路(34)を介してインジェクターカップアダプター(36)の燃料流通路(42)と連通した状態とすることができる。
【0037】
上記の如く、燃料レール本体(31)の接続体(32)に設けた嵌合凹部(35)に、インジェクターカップアダプター(36)に設けた嵌合凸部(37)を嵌合することにより、燃料レール本体(31)とインジェクターカップアダプター(36)とを接続するものであるから、従来技術の如く燃料レール本体(31)の外周面にインジェクターカップアダプター(36)の接続部を設ける必要がない。そのため、繰り返しの高い燃料圧力がかかった場合でも破損が生じにくいものとなるため、燃料漏れなどの事態が生じることなく安全な使用が可能となる。
【0038】
また本実施例では図2に示す如く、接続体(32)の嵌合凹部(35)とインジェクターカップアダプター(36)の嵌合凸部(37)とを嵌合させるとともに、嵌合凹部(35)の底面(40)と嵌合凸部(37)の天面(41)とを面接触させた状態で両者を嵌合固定しているが、他の異なる実施例では図3に示す如く、嵌合凹部(35)の底面(40)と嵌合凸部(37)の天面(41)との間に間隔を設け、この間隔を燃料の流通間隔(43)とすることで燃料の脈動低減も可能である。
【0039】
また上記の如く燃料レール本体(31)とインジェクターカップアダプター(36)とを別体に形成することにより、燃料レール本体(31)のみを熱間鍛造により製造することができるため、エンジンの高燃圧化に耐え得る燃料レールを得ることが可能となる。
【0040】
尚、本実施例及び他の異なる実施例では図2、3に示す如くインジェクターカップアダプター(36)が、上記接続体(32)の燃料レール本体(31)からの突出方向に、当該接続体(32)に接続された状態となる。
【0041】
ここで、本実施例では、燃料レール本体(31)をエンジンの上部に設けている。そのため、燃料レール本体(31)と燃焼室との間の距離が長いものとなるが、上記燃料レール本体(31)から燃焼室との長尺な距離に対応させて、インジェクターカップアダプター(36)を長尺に形成することにより、燃料レール本体(31)と燃焼室との長い距離に対応させることが可能となる。
【0042】
そのため、従来より広く使用されている一般的な長さのインジェクター(12)を上記長尺なインジェクターカップアダプター(36)に接続することによって、燃焼室に臨ませてインジェクター(12)を適正な位置に配置することが可能となる。
【0043】
そのため、長尺なインジェクターを特別に使用する必要がないことから、燃料噴射システム全体の製造コストを低く抑えることができる。また上記の如くインジェクターカップアダプター(36)を長尺に形成することにより、上記燃料レール本体(31)から燃焼室との長尺な距離に対応させてインジェクターを適切な位置に配置することができるため、製造を容易なものとすることができる。
【0044】
またインジェクターカップアダプター(36)を燃料レール本体(31)とは別体に形成するとともに、当該インジェクターカップアダプター(36)を切削加工にて形成するものであるから、燃料レール本体(31)からインジェクターまでの距離との間の寸法調整を容易に行うことが可能となる。また、エンジンに組付けられている他の部品の位置に対応させて、インジェクターカップアダプター(36)の長さを適宜調整することができるため、レイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1,31 燃料レール本体
2,32 接続体
5,35 嵌合凹部
6,36 インジェクターカップアダプター
7,37 嵌合凸部
13,43 流通間隔
14,44 嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5