(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127071
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】熱交換器及び熱交換コアの交換方法
(51)【国際特許分類】
F28D 9/00 20060101AFI20220824BHJP
F28F 3/10 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
F28D9/00
F28F3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024994
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 啓祐
(72)【発明者】
【氏名】金子 毅
(72)【発明者】
【氏名】谷本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中拂 博之
(72)【発明者】
【氏名】上藤 陽一
(72)【発明者】
【氏名】原 伸英
(72)【発明者】
【氏名】桐原 健治
(72)【発明者】
【氏名】長井 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】飯田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 雄太
(72)【発明者】
【氏名】江口 駿作
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA03
3L103AA05
3L103BB30
3L103CC02
3L103CC27
3L103DD62
(57)【要約】
【課題】比較的小型であるとともに耐圧性能が比較的高い熱交換器を実現する。
【解決手段】一実施形態に係る熱交換器は、熱交換コアと、熱交換コアを取り囲むように設けられるシェルと、熱交換コアの外面とシェルの内面とによって囲まれる空間に設けられ、熱交換コアに連通する第1ヘッダ空間と、熱交換コアに連通する第2ヘッダ空間とに仕切るための第1仕切壁と、を備える。第1仕切壁を隔てて第1ヘッダ空間と第2ヘッダ空間とが隣り合う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換コアと、
前記熱交換コアを取り囲むように設けられるシェルと、
前記熱交換コアの外面と前記シェルの内面とによって囲まれる空間に設けられ、前記熱交換コアに連通する第1ヘッダ空間と、前記熱交換コアに連通する第2ヘッダ空間とに仕切るための第1仕切壁と、
を備え、
前記第1仕切壁を隔てて前記第1ヘッダ空間と前記第2ヘッダ空間とが隣り合う
熱交換器。
【請求項2】
前記熱交換コアは、柱形状を有し、
前記第1仕切壁は、前記空間の内、前記柱形状の軸線に沿った一方側の前記空間を前記第1ヘッダ空間とし、他方側の前記空間を前記第2ヘッダ空間とするように前記空間を仕切り、
前記第1ヘッダ空間及び前記第2ヘッダ空間は、前記柱形状の周面に相当する前記外面に囲まれている
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1ヘッダ空間と前記第2ヘッダ空間とをシールする第1シール部材
を備えている
請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1シール部材は、前記第1仕切壁と前記シェルとをシールするOリングである
請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記熱交換コアの外面と前記シェルの内面とによって囲まれる前記空間に設けられ、前記熱交換コアに連通する第3ヘッダ空間と、前記第1ヘッダ空間又は第2ヘッダ空間とに仕切るための第2仕切壁
をさらに備え、
前記第2仕切壁を隔てて前記第1ヘッダ空間又は第2ヘッダ空間と前記第3ヘッダ空間とが隣り合う
請求項1乃至4の何れか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第2仕切壁は、前記シェルの軸方向に沿って伸縮可能な伸縮部材を介して前記シェルの前記内面に取り付けられている
請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1ヘッダ空間と前記第3ヘッダ空間とをシールする第2シール部材
を備えている
請求項5に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第2シール部材は、前記第2仕切壁と前記シェルとをシールするOリングである
請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記シェルは、円筒形状を有し、
前記熱交換コアは、柱形状を有し、
前記熱交換コアは、前記柱形状の軸線が前記円筒形状の軸線と実質的に平行となるように、前記シェル内に配置され、
前記第1仕切壁は、前記第1ヘッダ空間と前記第2ヘッダ空間とを前記円筒形状の軸線に沿った一方側と他方側とに隔てる
請求項1乃至8の何れか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記シェルは、
第1内径を有する第1内径部と、
前記第1内径よりも大きな第2内径を有する第2内径部と、
前記第1内径部から前記第2内径部に向かうにつれて内径が前記第1内径から前記第2内径まで漸次変化するテーパー部と
を含む
請求項9に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記熱交換コアは、前記シェル内に前記円筒形状の軸線に沿って複数配置されている
請求項9又は10に記載の熱交換器。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の熱交換器の前記シェルと前記熱交換コアとの結合を解除する工程と、
前記シェルから少なくとも前記熱交換コアを前記シェルの軸方向に移動させて、前記熱交換コアを前記シェルから取り出す工程と、
前記熱交換コアを取り外した前記シェルに、新たな前記熱交換コアを該シェルに対して前記軸方向に移動させて挿入する工程と、
前記シェルと前記新たな前記熱交換コアとを結合する工程と、
を備える
熱交換コアの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器及び熱交換コアの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、2つの流体間で熱交換を行うための熱交換素子(熱交換コア)では、流体の流れる方向に沿って延在する複数の流路群を有する。そして、2つの流体の間では、複数の流路群を流れる際に、2つの流体間を隔てる隔壁等を介して熱交換が行われる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載のように、複数の流路を含む流路層が複数層積層されている構成を有する熱交換コアでは、例えばシェルアンドチューブ型の熱交換器に比べて小型化を図ることができる。そのため、熱交換器を小型化するために、特許文献1に記載のような構成を有する熱交換コアを採用することが考えられる。
しかし、熱交換コアに流通させる流体の圧力が比較的高い場合には、熱交換コアの損傷を抑制するための対策が必要となる。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、比較的小型であるとともに耐圧性能が比較的高い熱交換器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器は、
熱交換コアと、
前記熱交換コアを取り囲むように設けられるシェルと、
前記熱交換コアの外面と前記シェルの内面とによって囲まれる空間に設けられ、前記熱交換コアに連通する第1ヘッダ空間と、前記熱交換コアに連通する第2ヘッダ空間とに仕切るための第1仕切壁と、
を備え、
前記第1仕切壁を隔てて前記第1ヘッダ空間と前記第2ヘッダ空間とが隣り合う。
【0007】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コアの交換方法は、
上記(1)の構成の熱交換器の前記シェルと前記熱交換コアとの結合を解除する工程と、
前記シェルから少なくとも前記熱交換コアを前記シェルの軸方向に移動させて、前記熱交換コアを前記シェルから取り出す工程と、
前記熱交換コアを取り外した前記シェルに、新たな前記熱交換コアを該シェルに対して前記軸方向に移動させて挿入する工程と、
前記シェルと前記新たな前記熱交換コアとを結合する工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、比較的小型であるとともに耐圧性能が比較的高い熱交換器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る熱交換器の模式的な断面図である。
【
図3】他の実施形態に係る熱交換器の模式的な断面図である。
【
図4】さらに他の実施形態に係る熱交換器の模式的な断面図である。
【
図5】幾つかの実施形態に係る熱交換器の直列接続の一例を示す図である。
【
図6】幾つかの実施形態に係る熱交換器の直列接続の他の一例を示す図である。
【
図7】幾つかの実施形態に係る熱交換器の変形例の一例を示す図である。
【
図8】幾つかの実施形態に係る熱交換器を既設の熱交換器と併用する場合の一例について説明するための模式的な図である。
【
図9】幾つかの実施形態に係る熱交換器を既設の熱交換器と併用する場合の他の一例について説明するための模式的な図である。
【
図10A】
図1に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図10B】
図1に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図11A】
図3に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図11B】
図3に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図11C】
図3に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図12A】
図4に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図12B】
図4に示す熱交換器の熱交換コアの交換方法ついて説明するための図である。
【
図13】幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0011】
図1は、一実施形態に係る熱交換器の模式的な断面図である。
図2は、
図1のII-II矢視断面図である。
図3は、他の実施形態に係る熱交換器の模式的な断面図である。
図4は、さらに他の実施形態に係る熱交換器の模式的な断面図である。
【0012】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、第1流体と第2流体との間で熱交換をさせるためのものである。幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、例えば比較的温度が低い燃料ガスFGと、比較的温度が高い水Wとの間での熱交換に用いることができる。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、例えばガスタービン等で燃料として用いられる燃料ガスの昇温のために用いることができる。
なお、説明の便宜上、以下の説明では、第1流体が水Wであり、第2流体が燃料ガスFGであるものとする。
【0013】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、熱交換コア10と、熱交換コア10を取り囲むように設けられるシェル20とを備えている。
【0014】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、シェル20は、圧力容器としての機能を備えた比較的高い内圧に耐え得る円筒形状の円筒部21と、軸線AXsに沿った一方の端部及び他方の端部に形成されたフランジ部23とを備えている。
幾つかの実施形態に係るシェル20では、円筒部21には、円筒部21の内部と外部とを連通する連通孔25が例えば2つ形成されている。2つの連通孔25には、円筒部21の外部から短管31がそれぞれ接続されている。なお、短管31の端部にもフランジ部が形成されている。
【0015】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、シェル20は、円筒部21の内部に熱交換コア10を保持している。具体的には、シェル20は、熱交換コア10を直接又は間接的に保持するリブ5を介して熱交換コア10を保持している。
リブ5を介して熱交換コア10を保持する構造については、後で詳述する。
【0016】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、熱交換コア10は、例えば四角柱形状を有するコア筐体11の内部に、複数本の不図示の第1流路と、第1流路とは非連通である複数本の不図示の第2流路とが形成されている。幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、第1流路を流れる流体と第2流路を流れる流体との間で熱交換するように構成されている。
なお、コア筐体11は、円柱形状を有していてもよく、四角柱以外の多角柱形状を有していてもよい。
【0017】
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、複数本の不図示の第1流路のそれぞれの一方端に連通する不図示の連通孔、及び他方端に連通する不図示の連通孔が四角柱形状を有するコア筐体11の周面11sに形成されている。なお、複数本の第1流路のそれぞれの一方端に連通する連通孔は、コア筐体11の周面11sのうち、四角柱形状の軸線AXcに沿った一方側の領域11aに設けられている。複数本の第1流路のそれぞれの他方端に連通する連通孔は、コア筐体11の周面11sのうち、四角柱形状の軸線AXcに沿った他方側の領域11bに設けられている。
【0018】
幾つかの実施形態に係る熱交換コア10では、複数本の不図示の第2流路のそれぞれの一方端に連通する不図示の連通孔は、コア筐体11における四角柱形状の両端面の一方の端面11cに形成されている。複数本の不図示の第2流路のそれぞれの他方端に連通する不図示の連通孔は、コア筐体11における四角柱形状の両端面の他方の端面11dに形成されている。
【0019】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、リブ5は、例えば第1リブ51と、第2リブ52と、第3リブ53とを含んでいる。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1リブ51は、円筒部21の軸線AXsに沿って一方側と他方側とに配置される第2リブ52と第3リブ53との間に配置される。
以下の説明では、第1リブ51のことを中央リブ51とも称する。また、第2リブ52及び第3リブ53のことを、端部リブ52、53とも称する。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、それぞれのリブ5は、後述する一部のリブを除いて、例えば
図2に示した第3リブ53のように、円盤形状を有する板部材の中央に、コア筐体11の周面11sに対応する矩形の貫通孔5aが形成されている。
【0020】
図1に示す熱交換器1では、図示左方の端部リブ52(第2リブ52)、及び図示右方の端部リブ53(第3リブ53)は、それぞれ、外周側で円筒部21の内面21aに全周溶接によって接続され、内周側でコア筐体11の周面11sに全周溶接によって接続されている。
図1に示す熱交換器1では、中央リブ51は、外周側の端部51aに配置されたOリング91によって円筒部21の内面21aとの間でシールされており、内周側でコア筐体11の周面11sに全周溶接によって接続されている。
【0021】
なお、Oリング91に代えて、又は、Oリング91とともに、液体パッキン等のシール材によって、中央リブ51の外周側の端部51aと円筒部21の内面21aとをシールするようにしてもよい。幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、中央リブ51の外周側の端部51aと円筒部21の内面21aとをシールする、上記Oリング91や液体パッキン等のシール材を総称して第1シール部材とも称する。
【0022】
図1に示す熱交換器1では、中央リブ51で隔てられた後述する第1ヘッダ空間71と後述する第2ヘッダ空間72とで、流通する流体がいずれも第1流体(水W)であるので、仮に、第1シール部材によるシールが不完全だったとしても、異種の流体が混入するわけではない。
【0023】
図3に示す熱交換器1では、図示左方の端部リブ52は、軸線AXs方向の端部がコア筐体11の一方の端面11cに全周溶接によって接続され、図示右方の端部リブ53は、軸線AXs方向の端部がコア筐体11の他方の端面11dに全周溶接によって接続されている。また、
図3に示す熱交換器1では、図示左方の端部リブ52及び図示右方の端部リブ53は、それぞれ、軸線AXsに沿って伸縮可能な伸縮部材81を介して円筒部21の内面21aに取り付けられている。
伸縮部材81は、例えばベローズである。
【0024】
図3に示す熱交換器1では、中央リブ51は、外周側で円筒部21の内面21aに全周溶接によって接続される外周側リブ511と、外周側リブ511は別の部材であって、内周側でコア筐体11の周面11sに全周溶接によって接続される内周側リブ512とによって構成されている。そして、外周側リブ511と内周側リブ512とは、例えばボルト96等の締結部材によって接続されるように構成されている。なお、締結部材を用いずに、外周側リブ511と内周側リブ512とを嵌合させることで外周側リブ511と内周側リブ512とを接続するようにしてもよい。
【0025】
図4に示す熱交換器1では、図示右方の端部リブ53は、内周側でコア筐体11の周面11sに全周溶接によって接続されている。
図4に示す熱交換器1では、円筒部21には、内面21aにおいて径方向内側に突出するように突部21bが形成されている。
図4に示す熱交換器1では、図示右方の端部リブ53は、図示右方の端面が突部21bに対して図示左方から当接している。そして、図示右方の端部リブ53と突部21bとは、例えばボルト97等の締結部材によって接続されるように構成されている。
【0026】
図4に示す熱交換器1では、中央リブ51は、外周側の端部51aに配置されたOリング91によって円筒部21の内面21aとの間でシールされており、内周側でコア筐体11の周面11sに全周溶接によって接続されている。
図4に示す熱交換器1では、図示左方の端部リブ52は、外周側の端部52aに配置されたOリング91によって円筒部21の内面21aとの間でシールされており、内周側でコア筐体11の周面11sに全周溶接によって接続されている。
【0027】
なお、上述したように、Oリング91に代えて、又は、Oリング91とともに、液体パッキン等のシール材によって、中央リブ51の外周側の端部51aと円筒部21の内面21aとをシールするようにしてもよい。
また、Oリング91に代えて、又は、Oリング91とともに、液体パッキン等のシール材によって、端部リブ52の外周側の端部52aと円筒部21の内面21aとをシールするようにしてもよい。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、端部リブ52の外周側の端部52aと円筒部21の内面21aとをシールする、上記Oリング91や液体パッキン等のシール材を総称して第2シール部材とも称する。
【0028】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、
図1、
図3及び
図4に示すようにシェル20の内部に熱交換コア10が配置された状態では、熱交換コア10の外面とシェル20の内面(円筒部21の内面21a)とによって囲まれる空間70の内、第1リブ51と第3リブ53との間の空間に第1ヘッダ空間71が形成される。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、
図1、
図3及び
図4に示すようにシェル20の内部に熱交換コア10が配置された状態では、上記空間70の内、第1リブ51と第2リブ52との間の空間に第2ヘッダ空間72が形成される。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1リブ51は、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とを仕切る。そこで、以下の説明では、第1リブ51は、第1仕切壁51とも称する。
【0029】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、
図1、
図3及び
図4に示すようにシェル20の内部に熱交換コア10が配置された状態では、上記空間70の内、第2リブ52の図示左方の空間に第3ヘッダ空間73が形成される。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第2リブ52は、第2ヘッダ空間72と第3ヘッダ空間73とを仕切る。そこで、以下の説明では、第2リブ52は、第2仕切壁52とも称する。
【0030】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、
図1、
図3及び
図4に示すようにシェル20の内部に熱交換コア10が配置された状態では、上記空間70の内、第3リブ53の図示右方の空間に第4ヘッダ空間74が形成される。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第3リブ53は、第1ヘッダ空間71と第4ヘッダ空間74とを仕切る。そこで、以下の説明では、第3リブ53は、第3仕切壁53とも称する。
【0031】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1ヘッダ空間71には、コア筐体11の周面11sのうち、四角柱形状の軸線AXcに沿った一方側の領域11aが面している。したがって、コア筐体11の内部に形成された複数本の不図示の第1流路のそれぞれの一方端に連通する不図示の連通孔は、第1ヘッダ空間71に開口している。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第2ヘッダ空間72には、コア筐体11の周面11sのうち、四角柱形状の軸線AXcに沿った他方側の領域11bが面している。したがって、コア筐体11の内部に形成された複数本の不図示の第1流路のそれぞれの他方端に連通する不図示の連通孔は、第2ヘッダ空間72に開口している。
【0032】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第3ヘッダ空間73には、コア筐体11における四角柱形状の両端面の一方の端面11cが面している。したがって、コア筐体11の内部に形成された複数本の不図示の第2流路のそれぞれの一方端に連通する不図示の連通孔は、第3ヘッダ空間73に開口している。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第4ヘッダ空間74には、コア筐体11における四角柱形状の両端面の他方の端面11dが面している。したがって、コア筐体11の内部に形成された複数本の不図示の第2流路のそれぞれの他方端に連通する不図示の連通孔は、第4ヘッダ空間74に開口している。
【0033】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1ヘッダ空間71には、2つの連通孔25の一方を介して、図示下方の短管31が接続され、第2ヘッダ空間72には、2つの連通孔25の他方を介して、図示上方の短管31が接続されている。
なお、図示下方の短管31には、不図示の上流側の水配管が接続され、図示上方の短管31には、不図示の下流側の水配管が接続されている。
【0034】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第3ヘッダ空間73には、図示左方のフランジ部23と結合された板フランジ33を介して上流側の燃料配管35Uが接続されている。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第4ヘッダ空間74には、図示右方のフランジ部23と結合された板フランジ33を介して下流側の燃料配管35Dが接続されている。
【0035】
(第1流体及び第2流体の流れについて)
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1流体及び第2流体は、以下のように熱交換器1の内部を流通する。
【0036】
(第1流体の流れ)
第1流体としての水Wは、不図示の上流側の水配管に接続されている図示下方の短管31から第1ヘッダ空間71に流入する。
第1ヘッダ空間71に流入した水Wは、第1ヘッダ空間71に開口しているコア筐体11の不図示の連通孔からコア筐体11の内部に形成された複数本の不図示の第1流路に流入し、第1流路を流れる過程で第2流路を流れる燃料ガスFGに熱を与える。第1流路を流れた水Wは、第2ヘッダ空間72に開口しているコア筐体11の不図示の連通孔から第2ヘッダ空間72に流入する。
第2ヘッダ空間72に流入した水Wは、図示上方の短管31を介して不図示の下流側の水配管に流入する。
【0037】
(第2流体の流れ)
第2流体としての燃料ガスFGは、上流側の燃料配管35Uから第3ヘッダ空間73に流入する。第3ヘッダ空間73に流入した燃料ガスFGは、第3ヘッダ空間73に開口しているコア筐体11の不図示の連通孔からコア筐体11の内部に形成された複数本の不図示の第2流路に流入し、第2流路を流れる過程で第1流路を流れる水Wからの熱で加熱される。第2流路を流れた燃料ガスFGは、第4ヘッダ空間74に開口しているコア筐体11の不図示の連通孔から第4ヘッダ空間74に流入する。
第4ヘッダ空間74に流入した燃料ガスFGは、第4ヘッダ空間74から下流側の燃料配管35Dに流入する。
【0038】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1は、上述したように、上記空間70に設けられ、熱交換コア10に連通する第1ヘッダ空間71と、熱交換コア10に連通する第2ヘッダ空間72とに仕切るための第1仕切壁51と、を備える。幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1仕切壁51を隔てて第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とが隣り合う。
これにより、熱交換器1の使用時には、熱交換コア10の外面、具体的には熱交換コア10の周面11sとシェル20の内面21aとによって囲まれる空間は、第1ヘッダ空間71に供給された第1流体及び第2ヘッダ空間72に供給された第2流体で満たされることとなる。そのため、熱交換コア10の外面には、第1ヘッダ空間71に供給された第1流体及び第2ヘッダ空間72に供給された第2流体の圧力が作用する。そのため、熱交換コア10で熱交換を行う流体の圧力が比較的高くても熱交換コア10が損傷し難くなる。また、熱交換コア10の外面とシェル20の内面21aとによって囲まれる空間70に第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とを設けることができるので、熱交換器1を小型化し易くなる。これにより、比較的小型であるとともに耐圧性能が比較的高い熱交換器1を実現できる。
【0039】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、熱交換コア10は、柱形状を有しているとよい。第1仕切壁51は、上記空間70の内、柱形状の軸線AXcに沿った一方側の空間を第1ヘッダ空間71とし、他方側の空間を第2ヘッダ空間72とするように空間を仕切るとよい。第1ヘッダ空間71及び第2ヘッダ空間72は、柱形状の周面11sに相当する外面に囲まれているとよい。
これにより、熱交換コア10における柱形状の周面11sに相当する外面に対して第1ヘッダ空間71に供給された第1流体及び第2ヘッダ空間72に供給された第2流体の圧力を作用させることができる。
【0040】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とをシールする第1シール部材(例えばOリング91等)を備えていてもよい。
これにより、第1ヘッダ空間と第2ヘッダ空間とをシールし易くなる。
【0041】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1シール部材は、第1仕切壁51とシェル20とをシールするOリング91であってもよい。
これにより、第1ヘッダ空間と第2ヘッダ空間とを容易にシールできる。
【0042】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、熱交換コア10の外面とシェル20の内面21aとによって囲まれる空間70に設けられ、熱交換コア10に連通する第3ヘッダ空間73と、第1ヘッダ空間71又は第2ヘッダ空間72とに仕切るための第2仕切壁52をさらに備えていてもよい。第2仕切壁52を隔てて第1ヘッダ空間71又は第2ヘッダ空間72と第3ヘッダ空間73とが隣り合うとよい。
これにより、シェル20内に第3ヘッダ空間73を設けることができるので、熱交換器1を小型化し易くなる。
【0043】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第2仕切壁52及び第3仕切壁53は、軸線AXs方向に沿って伸縮可能な伸縮部材81を介してシェル20の内面21aに取り付けられているとよい。
これにより、シェル20と熱交換コア10との熱伸びの差を伸縮部材81で吸収できるので、シェル20や熱交換コア10における熱応力を低減できる。
また、伸縮部材81を切断等することで、シェル20から熱交換コア10の取り外しが容易となるので、熱交換コア10の交換作業の負荷を低減できる。
【0044】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第1ヘッダ空間71と第3ヘッダ空間73とをシールする第2シール部材(例えばOリング91等)を備えているとよい。
これにより、第1ヘッダ空間71と第3ヘッダ空間73とをシールし易くなる。
【0045】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、第2シール部材は、第2仕切壁52とシェル20とをシールするOリング91であってもよい。
これにより、第1ヘッダ空間71と第3ヘッダ空間73とを容易にシールできる。
【0046】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、シェル20は、円筒形状を有しているとよく、熱交換コア10は、柱形状を有しているとよい。熱交換コア10は、柱形状の軸線AXcが円筒形状の軸線AXsと実質的に平行となるように、シェル20内に配置されているとよい。第1仕切壁51は、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とを円筒形状の軸線AXsに沿った一方側と他方側とに隔てるとよい。
これにより、熱交換器の構造が合理的になるので、熱交換器1を小型化し易くなる。
【0047】
(その他の特徴について)
図1及び
図4に示す熱交換器1では、例えば、熱交換器1の組立て時において、リブ5が取り付けられた熱交換コア10を円筒部21内に挿入する際に、Oリング91が円筒部21の内面21aと不必要に擦れて損傷することを抑制するため、熱交換コア10を円筒部21内に挿入する際の入口側となる円筒部21の内径を一部広げている。そして、熱交換コア10を円筒部21内に挿入する際に、熱交換コア10が円筒部21における固定位置に到達する直前で中央リブ51の外周側の端部51aや端部リブ52の外周側の端部52aと円筒部21の内面21aとの距離が徐々に適切な距離となるように、円筒部21の内面21aの直径が徐々に変化するテーパー部21cを設けている。
【0048】
すなわち、
図1に示す熱交換器1では、後述する
図10Bに示すように、シェル20は、第1内径d1を有する第1内径部21dと、第1内径d1よりも大きな第2内径d2を有する第2内径部21eと、第1内径部21dから第2内径部21eに向かうにつれて内径が第1内径d1から第2内径d2まで漸次変化するテーパー部21cとを含む。
同様に、
図4に示す熱交換器1では、後述する
図12Bに示すように、シェル20は、第1内径d1を有する第1内径部21dと、第1内径d1よりも大きな第2内径d2を有する第2内径部21eと、第1内径部21dから第2内径部21eに向かうにつれて内径が第1内径d1から第2内径d2まで漸次変化するテーパー部21cとを含む。
また、
図4に示す熱交換器1では、
図12Bに示すように、シェル20は、第2内径d2よりも大きな第3内径d3を有する第3内径部21fと、第2内径部21eから第3内径部21fに向かうにつれて内径が第2内径d2から第3内径d3まで漸次変化するテーパー部21cとを含む。
これにより、熱交換器1の組立て時において、リブ5が取り付けられた熱交換コア10を円筒部21内に挿入する際に、Oリング91が円筒部21の内面21aと不必要に擦れて損傷することを抑制できる。
【0049】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、円筒部21の両端にフランジ部23を設け、短管31の端部にもフランジ部を形成している。これにより、熱交換器1の着脱が容易となる。
なお、燃料配管35U、35Dに取り付けられている熱交換器1を取り外すにあたり、フランジ部23と板フランジ33との締結を解除してもよく、燃料配管35U、35Dのフランジと板フランジ33との締結を解除してもよい。
【0050】
図4に示す熱交換器1では、円筒部21に対して軸線AXs方向への熱交換コア10の移動を拘束する箇所は、ボルト97等の締結部材によって突部21bに固定された図示右方の端部リブ53だけである。すなわち、
図4に示す熱交換器1では、熱交換コア10の軸線AXs方向に沿った一端は固定端であるが、他端は自由端となる。そのため、シェル20と熱交換コア10との熱伸びの差を自由端の移動によって吸収できるので、シェル20や熱交換コア10における熱応力を低減できる。
また、
図4に示す熱交換器1では、ボルト97等の締結部材によって突部21bとの結合を解除することで、シェル20から熱交換コア10を容易に取り外すことができる。
【0051】
(伝熱量の増加方法について)
図5は、幾つかの実施形態に係る熱交換器1の直列接続の一例を示す図である。
図6は、幾つかの実施形態に係る熱交換器1の直列接続の他の一例を示す図である。
図7は、幾つかの実施形態に係る熱交換器1の変形例の一例を示す図である。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、例えば
図5に示すように、短管37を介して円筒部21の端部同士を接続することで、複数の熱交換器1を直列に接続できる。
また、
図6に示すように、短管37を介さずに、フランジ部23同士を直接結合することで、複数の熱交換器1を直列に接続してもよい。
図1、
図3及び
図4に示した何れの熱交換器1であっても、
図5及び
図6に示すように複数の熱交換器1を直列に接続できる。
なお、
図7に示すように、円筒部21の内部に、軸線AX方向に沿って複数の熱交換コア10を配置するようにしてもよい。また、
図7に示した熱交換器1の複数を
図5及び
図6に示すように直列に接続してもよい。
【0052】
(既存の熱交換器との併用について)
図8は、幾つかの実施形態に係る熱交換器1を既設の熱交換器と併用する場合の一例について説明するための模式的な図である。
図9は、幾つかの実施形態に係る熱交換器1を既設の熱交換器と併用する場合の他の一例について説明するための模式的な図である。
【0053】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、例えば
図8に示すように、既設の熱交換器Hが例えばシェルアンドチューブ型の比較的容積が大きい熱交換器である場合に、既設の熱交換器Hの周囲を取り囲むように配置することができる。
図8に示す例では、例えば並列に接続された複数の熱交換器1を含む熱交換器群100を既設の熱交換器Hに例えば直列に接続してもよい。
【0054】
幾つかの実施形態に係る熱交換器1では、例えば
図9に示すように、既設の熱交換器Hが例えばシェルアンドチューブ型の比較的容積が大きい熱交換器である場合に、架台110等にまとめて設置した熱交換器群100を既設の熱交換器Hの近傍に配置することができる。
図9に示す例では、例えば並列に接続された複数の熱交換器1を含む熱交換器群100を既設の熱交換器Hに例えば直列に接続してもよい。
【0055】
(熱交換コアの交換方法について)
図10A及び
図10Bは、
図1に示す熱交換器1の熱交換コア10の交換方法ついて説明するための図である。
図11A乃至
図11Cは、
図3に示す熱交換器1の熱交換コア10の交換方法ついて説明するための図である。
図12A及び
図12Bは、
図4に示す熱交換器1の熱交換コア10の交換方法ついて説明するための図である。
図13は、幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法についてのフローチャートである。
【0056】
幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法は、熱交換器1のシェル20と熱交換コア10との結合を解除する工程S10と、シェル20から少なくとも熱交換コア10をシェル20の軸方向に移動させて、熱交換コア10をシェル20から取り出す工程S20を備える。幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法は、新たな熱交換コア10をシェル20に挿入する工程S30と、シェル20と新たな熱交換コア10とを結合する工程S40とを備える。
【0057】
以下、シェル20から熱交換コア10を取り外す手順について説明する。
幾つかの実施形態に係る熱交換器1の熱交換コア10を交換するにあたり、燃料配管35U、35Dに取り付けられている熱交換器1を事前に取り外し、フランジ部23と板フランジ33との締結を解除して、
図10A、
図11A及び
図12Aに示すようにフランジ部23を開放しておく。なお、
図5及び
図6に示すように、複数の熱交換器1が直列に接続されている場合、個々の熱交換器1に分離しておく。
【0058】
(シェル20と熱交換コア10との結合を解除する工程S10)
幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法では、シェル20と熱交換コア10との結合を解除する工程S10は、各リブ51、52、53を介して結合されているシェル20と熱交換コア10との結合を解除する工程である。
【0059】
例えば、
図1に示す熱交換器1の場合、
図10Aに示す、図示左方の端部リブ52及び図示右方の端部リブ53とシェル20の内面21aとの全周溶接部93を例えばグラインダ等を用いて削り取る等して、端部リブ52、53とシェル20との結合を解除する。
これにより、
図1に示す熱交換器1において、シェル20と熱交換コア10との結合が解除される。
【0060】
例えば、
図3に示す熱交換器1の場合、
図11Aに示す伸縮部材81を切断するとともに、伸縮部材81とシェル20の内面21aとの全周溶接部95、及び、図示左方の端部リブ52及び図示右方の端部リブ53と伸縮部材81との全周溶接部94を例えばグラインダ等を用いて削り取る等して、端部リブ52、53とシェル20との結合を解除する(
図11B参照)。
そして、中央リブ51において外周側リブ511と内周側リブ512とを締結しているボルト96等の締結部材(
図3参照)を取り外す。
これにより、
図3に示す熱交換器1において、シェル20と熱交換コア10との結合が解除される。
【0061】
例えば、
図4に示す熱交換器1の場合、
図12Aに示すように、図示右方の端部リブ53と突部21bとを締結しているボルト97等の締結部材(
図4参照)を取り外す。
これにより、
図4に示す熱交換器1において、シェル20と熱交換コア10との結合が解除される。
【0062】
(熱交換コア10をシェル20から取り出す工程S20)
幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法では、熱交換コア10をシェル20から取り出す工程S20は、シェル20と熱交換コア10との結合を解除する工程S10の実施によってシェル20との結合が解除された熱交換コア10をシェル20から取り出す工程である。
【0063】
例えば、
図1に示す熱交換器1の場合、
図10Bに示すように、各リブ51、52、53が取り付けられている熱交換コア10を各リブ51、52、53ともに、例えば図示左方に移動させてシェル20から取り出す。
例えば、
図3に示す熱交換器1の場合、
図11Cに示すように、内周側リブ512と端部リブ52、53とが取り付けられている熱交換コア10を各リブ512、52、53ともに、例えば図示左方に移動させてシェル20から取り出す。
例えば、
図4に示す熱交換器1の場合、
図12Bに示すように、各リブ51、52、53が取り付けられている熱交換コア10を各リブ51、52、53ともに、例えば図示左方に移動させてシェル20から取り出す。
【0064】
シェル20へ新たな熱交換コア10を取り付ける手順は、おおよそ、シェル20から熱交換コア10を取り外す上述した手順とは逆の手順となる。以下、シェル20へ新たな熱交換コア10を取り付ける手順について説明する。
【0065】
(新たな熱交換コア10をシェル20に挿入する工程S30)
幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法では、新たな熱交換コア10をシェル20に挿入する工程S30は、熱交換コア10を取り外したシェル20に、新たな熱交換コア10を該シェル20に対して軸方向に移動させて挿入する工程である。
【0066】
例えば、
図1に示す熱交換器1の場合、
図10Bに示した熱交換コア10の取り外しの場合とは反対に、各リブ51、52、53が取り付けられている新たな熱交換コア10を例えば図示左方からシェル20内に挿入する。なお、中央リブ51と円筒部21の内面21aとの間をOリング91でシールする場合、中央リブ51の外周側の端部51aにはOリング91を予め配置しておくとよい。
新たな熱交換コア10を図示左方の開口端からシェル20内に挿入してシェル20内を図示右方に移動させる場合、Oリング91が第2内径部21eからテーパー部21cを通過して第1内径部21dに移動することとなる。そのため、Oリング91が円筒部21の内面21aと不必要に擦れて損傷することを抑制できる。
【0067】
例えば、
図3に示す熱交換器1の場合、
図11Cに示した熱交換コア10の取り外しの場合とは反対に、内周側リブ512と端部リブ52、53とが取り付けられている新たな熱交換コア10を例えば図示左方からシェル20内に挿入する。
【0068】
例えば、
図4に示す熱交換器1の場合、
図12Bに示した熱交換コア10の取り外しの場合とは反対に、各リブ51、52、53が取り付けられている新たな熱交換コア10を例えば図示左方からシェル20内に挿入する。なお、中央リブ51や図示左方の端部リブ52と円筒部21の内面21aとの間をOリング91でシールする場合、中央リブ51の外周側の端部51a及び端部リブ52の外周側の端部52aにはOリング91を予め配置しておくとよい。
新たな熱交換コア10を図示左方の開口端からシェル20内に挿入してシェル20内を図示右方に移動させる場合、中央リブ51に配置したOリング91が第2内径部21eからテーパー部21cを通過して第1内径部21dに移動し、端部リブ52に配置したOリング91が第3内径部21fからテーパー部21cを通過して第2内径部21eに移動することとなる。そのため、Oリング91が円筒部21の内面21aと不必要に擦れて損傷することを抑制できる。
【0069】
(シェル20と新たな熱交換コア10とを結合する工程S40)
幾つかの実施形態に係る熱交換コアの交換方法では、シェル20と新たな熱交換コア10とを結合する工程S40は、シェル20内に挿入した新たな熱交換コア10をシェル20と結合する工程である。
【0070】
例えば、
図1に示す熱交換器1の場合、
図10Aに示すように、図示左方の端部リブ52及び図示右方の端部リブ53とシェル20の内面21aとを全周溶接する。
これにより、
図1に示す熱交換器1において、シェル20と熱交換コア10とが結合される。
【0071】
例えば、
図3に示す熱交換器1の場合、
図11Bに示すように、中央リブ51において外周側リブ511と内周側リブ512とをボルト96等の締結部材(
図3参照)で締結する。
そして、
図11Aに示すように、シェル20の両端から伸縮部材81をシェル20内にそれぞれ挿入し、伸縮部材81とシェル20の内面21aとを全周溶接するとともに、図示左方の端部リブ52及び図示右方の端部リブ53と伸縮部材81とを全周溶接する。
これにより、
図3に示す熱交換器1において、シェル20と熱交換コア10とが結合される。
【0072】
例えば、
図4に示す熱交換器1の場合、
図12Aに示すように図示右方の端部リブ53の図示右方の端面を突部21bに対して図示左方から当接させ、図示右方の端部リブ53と突部21bとをボルト97等の締結部材(
図4参照)によって締結する。
これにより、
図4に示す熱交換器1において、シェル20と熱交換コア10とが結合される。
【0073】
以上で、熱交換コア10の交換が完了する。熱交換コア10の交換が完了した熱交換器1は、適宜直列に接続することや、燃料配管35U、35Dに取り付けることができる。
【0074】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0075】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器1は、熱交換コア10と、熱交換コア10を取り囲むように設けられるシェル20と、熱交換コア10の外面とシェル20の内面(円筒部21の内面21a)とによって囲まれる空間70に設けられ、熱交換コア10に連通する第1ヘッダ空間71と、熱交換コア10に連通する第2ヘッダ空間72とに仕切るための第1仕切壁51と、を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器1では、第1仕切壁51を隔てて第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とが隣り合う。
【0076】
上記(1)の構成によれば、熱交換コア10で熱交換を行う流体の圧力が比較的高くても熱交換コア10が損傷し難くなる。また、上記空間70に第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とを設けることができるので、熱交換器1を小型化し易くなる。これにより、比較的小型であるとともに耐圧性能が比較的高い熱交換器1を実現できる。
【0077】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、熱交換コア10は、柱形状を有しているとよい。第1仕切壁51は、上記空間70の内、柱形状の軸線AXcに沿った一方側の空間を第1ヘッダ空間71とし、他方側の空間を第2ヘッダ空間72とするように空間を仕切るとよい。第1ヘッダ空間71及び第2ヘッダ空間72は、柱形状の周面11sに相当する外面に囲まれているとよい。
【0078】
上記(2)の構成によれば、熱交換コア10における柱形状の周面11sに相当する外面に対して第1ヘッダ空間71に供給された流体及び第2ヘッダ空間72に供給された流体の圧力を作用させることができる。
【0079】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とをシールする第1シール部材(例えばOリング91等)を備えているとよい。
【0080】
上記(3)の構成によれば、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とをシールし易くなる。
【0081】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、第1シール部材は、第1仕切壁51とシェル20とをシールするOリング91であってもよい。
【0082】
上記(4)の構成によれば、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とを容易にシールできる。
【0083】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、熱交換コア10の外面とシェル20の内面21aとによって囲まれる空間70に設けられ、熱交換コア10に連通する第3ヘッダ空間73と、第1ヘッダ空間71又は第2ヘッダ空間72とに仕切るための第2仕切壁52をさらに備えていてもよい。第2仕切壁52を隔てて第1ヘッダ空間71又は第2ヘッダ空間72と第3ヘッダ空間73とが隣り合うとよい。
【0084】
上記(5)の構成によれば、シェル20内に第3ヘッダ空間73を設けることができるので、熱交換器1を小型化し易くなる。
【0085】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、第2仕切壁52は、シェル20の軸方向(軸線AXs方向)に沿って伸縮可能な伸縮部材81を介してシェル20の内面21aに取り付けられているとよい。
【0086】
上記(6)の構成によれば、シェル20と熱交換コア10との熱伸びの差を伸縮部材81で吸収できるので、シェル20や熱交換コア10における熱応力を低減できる。
【0087】
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、第1ヘッダ空間71と第3ヘッダ空間73とをシールする第2シール部材(例えばOリング91等)を備えているとよい。
【0088】
上記(7)の構成によれば、第1ヘッダ空間71と第3ヘッダ空間73とをシールし易くなる。
【0089】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、第2シール部材は、第2仕切壁52とシェル20とをシールするOリング91であってもよい。
【0090】
上記(8)の構成によれば、第1ヘッダ空間71と第3ヘッダ空間73とを容易にシールできる。
【0091】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、シェル20は、円筒形状を有しているとよく、熱交換コア10は、柱形状を有しているとよい。熱交換コア10は、柱形状の軸線AXcが円筒形状の軸線AXsと実質的に平行となるように、シェル20内に配置されているとよい。第1仕切壁51は、第1ヘッダ空間71と第2ヘッダ空間72とを円筒形状の軸線AXsに沿った一方側と他方側とに隔てるとよい。
【0092】
上記(9)の構成によれば、熱交換器1の構造が合理的になるので、熱交換器1を小型化し易くなる。
【0093】
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、シェル20は、第1内径d1を有する第1内径部21dと、第1内径d1よりも大きな第2内径d2を有する第2内径部21eと、第1内径部21dから第2内径部21eに向かうにつれて内径が第1内径d1から第2内径d2まで漸次変化するテーパー部21cとを含むとよい。
【0094】
上記(10)の構成によれば、熱交換器1の組立て時において、リブ5が取り付けられた熱交換コア10を円筒部21内に挿入する際に、第1シール部材(例えばOリング91等)が円筒部21の内面21aと不必要に擦れて損傷することを抑制できる。
【0095】
(11)幾つかの実施形態では、上記(9)又は(10)の構成において、熱交換コア10は、シェル20内に円筒形状の軸線AXsに沿って複数配置されていてもよい。
【0096】
上記(11)の構成によれば、熱交換器1における伝熱量を容易に増やすことができる。また、熱交換コア10を1つ備える熱交換器1を複数用意する場合と比べて、熱交換器1が占めるスペースを抑制できる。
【0097】
(12)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コアの交換方法は、上記(1)乃至(11)の何れかの構成の熱交換器1のシェル20と熱交換コア10との結合を解除する工程S10と、シェル20から少なくとも熱交換コア10をシェル20の軸方向に移動させて、熱交換コア10をシェル20から取り出す工程S20とを備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換コアの交換方法は、熱交換コア10を取り外したシェル20に、新たな熱交換コア10を該シェル20に対して軸方向に移動させて挿入する工程S30と、シェル20と該新たな熱交換コア10とを結合する工程S40とを備える。
【0098】
上記(12)の方法によれば、熱交換器1内の熱交換コア10を比較的容易に交換できる。
【符号の説明】
【0099】
1 熱交換器
5 リブ
10 熱交換コア
11 コア筐体
11s 周面
20 シェル
21 円筒部
21a 内面
21c テーパー部
21d 第1内径部
21e 第2内径部
51 第1仕切壁(中央リブ、第1リブ)
52 第2仕切壁(端部リブ、第2リブ)
53 第3仕切壁(端部リブ、第3リブ)
70 空間
71 第1ヘッダ空間
72 第2ヘッダ空間
73 第3ヘッダ空間
74 第4ヘッダ空間
81 伸縮部材
91 Oリング