(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127075
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】角パイプの直交連結構造
(51)【国際特許分類】
F16B 12/40 20060101AFI20220824BHJP
F16B 12/50 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
F16B12/40 Z
F16B12/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025002
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】594187105
【氏名又は名称】倉敷レーザー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】特許業務法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】難波 慶太
【テーマコード(参考)】
3J024
【Fターム(参考)】
3J024AA12
3J024AA47
3J024CA15
(57)【要約】
【課題】連結体及び規制体等の別部材を用いることなく、複数の角パイプだけを直交関係で簡便かつ強固に連結させる角パイプの直交連結構造を提供する。
【解決手段】第1角パイプ1及び第2角パイプ2をL字状の直交関係に連結させた角パイプの直交連結構造であって、第1角パイプ1及び第2角パイプ2は、連結関係にある端部において、嵌合する連結用蟻組のオス部231及びメス部141を設けた上側面13,23と直交する前側面11及び右側面21に、連結用蟻組のオス部231及びメス部141の嵌合方向から嵌合する固定用蟻組のオス部111及びメス部211を設けたことを特徴とする角パイプの直交連結構造である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造であって、
複数の角パイプは、連結関係にある端部又は中間部において、
嵌合する連結用蟻組を設けた側面と直交する側面に、連結用蟻組の嵌合方向から掛合又は嵌合する固定手段を設けたことを特徴とする角パイプの直交連結構造。
【請求項2】
前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる第1角パイプの右端部と、右側面、左側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延びる第2角パイプの前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造であって、
第1角パイプは、前側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された右端部において、連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の一方を前側面の端縁に設け、
第2角パイプは、右側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された前端部において、連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の他方を右側面の端縁に設けて構成され、
第1角パイプの右端部と第2角パイプの前端部とを突き合わせた状態で連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、90度折り曲げた固定用蟻組のオス部を固定用蟻組のメス部に嵌合させて、第1角パイプ及び第2角パイプが連結させられる請求項1記載の角パイプの直交連結構造。
【請求項3】
前側面、後側面、左側面及び右側面に囲まれて上下方向に延びる第1角パイプの下端部と、前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる第2角パイプの上側面とを結合させてT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造であって、
第1角パイプは、側面視水平に切除された下端部において、連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を前側面及び後側面の端縁それぞれに設け、前方又は後方のいずれか同方向を向いた固定用差込鍵部を左側面及び右側面の端縁それぞれに設け、
第2角パイプは、中間部において、上向きの連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を、上側面から前側面及び後側面それぞれにかけて形成された前側面側切り欠き及び後側面側切り欠きそれぞれに設け、左右方向に折り曲げ自在な固定用押さえ片を有する前後方向の固定用溝部を上側面に設けて構成され、
第1角パイプの下端部を第2角パイプの上側面に突き当てた状態で連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、固定用溝部に差し込んだ固定用鍵部を第2角パイプの上側面に掛合させた状態で折り曲げた固定用押さえ片により拘束させて、第1角パイプ及び第2角パイプが連結させられる角パイプの直交連結構造。
【請求項4】
前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる第1角パイプの右端部と、右側面、左側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延びる第2角パイプの前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させ、前側面、後側面、左側面及び右側面に囲まれて上下方向に延びる第3角パイプの下端部と連結済みの第1角パイプ及び第2角パイプとを結合させてT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造であって、
第1角パイプは、前側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された右端部において、第1連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、変形自在な固定用押さえ片を有する前後方向の固定用溝部を上側面に設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の一方を前側面の端縁に設け、上方を向いた第2連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を、上側面から前側面にかけて形成された前側面側切り欠きの下縁に設け、
第2角パイプは、右側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された前端部において、第1連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、前方に突出する凸部を有する固定用開口部を上側面に設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の他方を右側面の端縁に設け、前方を向いた固定用掛合受け部を、上側面から右側面にかけて形成された右側面側切り欠きに設け、
第3角パイプは、側面視水平に切除された下端部において、第2連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を前側面の端縁に設け、後方を向いた固定用差込鍵部を左側面の端縁に設け、後方を向いた固定用掛合鍵部を右側面の端縁に設け、前後方向の開口を有する固定用凸片を後側面の端縁に設けて構成され、
第1角パイプの右端部と第2角パイプの前端部とを突き合わせた状態で第1連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、折り込んだ固定用蟻組のオス部を固定用蟻組のメス部に嵌合させて、第1角パイプ及び第2角パイプが連結させられ、第3角パイプの下端部を連結済みの第1角パイプ及び第2角パイプの上側面に突き当てた状態で第2連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、固定用溝部に差し込んだ固定用鍵部を第1角パイプの上側面に掛合させた状態で折り曲げた固定用押さえ片により拘束させ、固定用凸片の開口を固定用開口部の凸部に嵌合させ、固定用掛合鍵部を固定用掛合受け部に掛合させて、第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプが連結させられる請求項1記載の角パイプの直交連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の角パイプを連結させて家具、収納庫や棚のフレームを構成する場合、通常、角パイプを直交して連結する。例えば左右方向に延びる第1角パイプの右端部と、前後方向に延びる第2角パイプの前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造は、前側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された第1角パイプの右端部と、右側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された第2角パイプの前端部とを突き当てて隅肉溶接すれば、強固な連結構造となる。しかし、溶接を用いた角パイプの連結構造は、角パイプの大きさや材質に左右されるものの、熱変形の恐れがあり、精度のよい連結構造を実現することは難しい。これから、角パイプを機械的に連結させただけで連結される直交連結構造が提案される(特許文献1)。
【0003】
特許文献1は、直交関係で連結させる角パイプそれぞれの直交する側面に設けた連結溝に連結体及び規制体を架け渡して構成される角パイプの直交連結構造を開示する(特許文献1・[請求項1])。特許文献1が開示する角パイプの直交連結構造は、連結体及び規制体が着脱自在であるため、連結解除自在である。例示は、上下方向に延びる第1角パイプの下端部と、左右方向に延びる第2角パイプの上側面とを結合させてT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造であり、第1角パイプの下端部における左側面及び右側面の端縁から突出された連結突片を、第2角パイプの中間部における上側面の連結溝に差し込んだ状態で、対となる連結溝に連結体及び規制体を差し込んで、第1角パイプ及び第2角パイプを連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示する角パイプの直交連結構造は、連結体及び規制体が着脱自在であるため、連結解除自在である点が優れ、角パイプを連結させた状態のフレームではなく、角パイプで運搬又は保管できる利点がある。しかし、角パイプの連結のため、角パイプと別部材である連結体及び規制体が必要になる問題がある。連結体及び規制体は、角パイプを連結させたフレームに面材を取り付ける際、支持部材として利用できる(特許文献1・
図8参照)。しかし、面材を取り付ける支持部材は、連結体及び規制体でなくても構わないし、連結体及び規制体がかえって邪魔になる場合も考えられる。このことから、連結体及び規制体を用いない直交連結構造が望ましい。
【0006】
角パイプを連結させる際に角パイプ以外の部材がなければ、角パイプの連結作業が簡便になる。また、家具、収納庫や棚のフレームは永続的に構造強度を担う構造要素を構成することから、フレームを構成する角パイプは簡単に分離される必要がなく、連結体及び規制体を省略しながら、連結強度を高める連結構成が好ましいと考えられる。そこで、連結体及び規制体等の別部材を用いることなく、複数の角パイプだけを直交関係で簡便かつ強固に連結させる角パイプの直交連結構造を提供するため、検討した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
検討の結果開発したものが、複数の角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造であって、複数の角パイプは、連結関係にある端部又は中間部において、嵌合する連結用蟻組を設けた側面と直交する側面に、連結用蟻組の嵌合方向から掛合又は嵌合する固定手段を設けたことを特徴とする角パイプの直交連結構造である。本発明の角パイプの直交連結構造は、木材の連結によく見られる蟻組を利用し、連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させた角パイプを、連結用蟻組の嵌合方向から掛合又は嵌合する固定手段により拘束し、連結用蟻組が解除されないようにして、連結状態を維持する。
【0008】
連結関係にある端部の連結用蟻組は、側面の端縁に設けられる。また、連結関係にある中間部の連結用蟻組は、連結する角パイプが端部を突き当てる側面から、直交する側面にかけて形成された切り欠きに設けられる。固定手段は、連結用蟻組の嵌合方向から嵌合される固定用蟻組や、連結用蟻組の嵌合方向を向いた固定用差込鍵部と、固定用押さえ片を有する固定用溝部との組み合わせがある。固定用蟻組は、オス部及びメス部が直交する位置関係になるので、固定用蟻組のオス部を折り曲げて固定用蟻組のメス部に嵌合させる。固定用差込鍵部は、固定用溝部から差し込まれ、固定用溝部を設けた側面に掛合し、固定用押さえ片を折り曲げて拘束させる。
【0009】
具体的な角パイプの直交連結構造は、前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる第1角パイプの右端部と、右側面、左側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延びる第2角パイプの前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させる構成がある。この場合、第1角パイプは、前側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された右端部において、連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の一方を前側面の端縁に設け、第2角パイプは、右側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された前端部において、連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の他方を右側面の端縁に設けて構成される。これにより、第1角パイプの右端部と第2角パイプの前端部とを突き合わせた状態で連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、90度折り曲げた固定用蟻組のオス部を固定用蟻組のメス部に嵌合させて、第1角パイプ及び第2角パイプが連結させられる。
【0010】
第1角パイプ及び第2角パイプは、説明の便宜上、前後方向、左右方向に沿って延びていると仮定して側面及び延在方向を区別しているだけで、発明を構成する側面及び延在方向を限定しない。例えば第1角パイプが左側面、右側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延び、第2角パイプが前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる場合、第1角パイプの前端部又は後端部と第2角パイプの左端部又は右端部とを連結する。また、第1角パイプが前側面、後側面、左側面及び右側面に囲まれて上下方向に延び、第2角パイプが前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる場合、第1角パイプの上端部又は下端部と第2角パイプの左端部又は右端部とを連結する。第1角パイプ及び第2角パイプをL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造は、固定用蟻組が固定手段であり、固定用蟻組のオス部を折り曲げて固定用蟻組のメス部に嵌合させる。
【0011】
また、別の角パイプの直交連結構造は、前側面、後側面、左側面及び右側面に囲まれて上下方向に延びる第1角パイプの下端部と、前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる第2角パイプの上側面とを結合させてT字状の直交関係に連結させる構成がある。この場合、第1角パイプは、側面視水平に切除された下端部において、連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を前側面及び後側面の端縁それぞれに設け、前方又は後方のいずれか同方向を向いた固定用差込鍵部を左側面及び右側面の端縁それぞれに設け、第2角パイプは、中間部において、上向きの連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を、上側面から前側面及び後側面それぞれにかけて形成された前側面側切り欠き及び後側面側切り欠きそれぞれに設け、左右方向に折り曲げ自在な固定用押さえ片を有する前後方向の固定用溝部を上側面に設けて構成される。
【0012】
これにより、第1角パイプの下端部を第2角パイプの上側面に突き当てた状態で連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、固定用溝部に差し込んだ固定用鍵部を第2角パイプの上側面に掛合させた状態で折り曲げた固定用押さえ片により拘束させて、第1角パイプ及び第2角パイプが連結させられる。第1角パイプ及び第2角パイプは、上述同様、説明の便宜上、上下方向、左右方向に沿って延びていると仮定して側面及び延在方向を区別しているだけで、発明を構成する側面及び延在方向を限定しない。例えば第1角パイプが左側面、右側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延び、第2角パイプが前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる場合、第1角パイプの前端部又は後端部と第2角パイプの中間部とを連結する。
【0013】
第1角パイプ及び第2角パイプをT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造は、固定用差込鍵部及び固定用溝部の組み合わせが固定手段となる。固定用差込鍵部は、第2角パイプの上側面の厚みでスリットを有する差込片で、連結用蟻組を嵌合させる前方向又は後方向の一方から固定用溝部に差し込まれ、固定用溝部の縁部から第2角パイプの上側面をスリットに差し込ませる。固定用押さえ片は、片持ち支持状態で固定用溝部の内側に突出する突起状片で、固定用溝部に差し込む固定用差込鍵部を阻害しない位置にあり、第2角パイプの上側面に掛合した固定用差込鍵部に向けて折り曲げ、固定用差込鍵部に当接又は掛合させて拘束する。
【0014】
更に、別の角パイプの直交連結構造は、前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる第1角パイプの右端部と、右側面、左側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延びる第2角パイプの前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させ、前側面、後側面、左側面及び右側面に囲まれて上下方向に延びる第3角パイプの下端部と連結済みの第1角パイプ及び第2角パイプとを結合させてT字状の直交関係に連結させる構成がある。この場合、第1角パイプは、前側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された右端部において、第1連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、変形自在な固定用押さえ片を有する前後方向の固定用溝部を上側面に設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の一方を前側面の端縁に設け、上方を向いた第2連結用蟻組のオス部又はメス部の一方を、上側面から前側面にかけて形成された前側面側切り欠きの下縁に設け、第2角パイプは、右側面側が鋭角となるように平面視45度に切除された前端部において、第1連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を上側面及び下側面の端縁それぞれに設け、前方に突出する凸部を有する固定用開口部を上側面に設け、固定用蟻組のオス部又はメス部の他方を右側面の端縁に設け、前方を向いた固定用掛合受け部を、上側面から右側面にかけて形成された右側面側切り欠きに設け、第3角パイプは、側面視水平に切除された下端部において、第2連結用蟻組のオス部又はメス部の他方を前側面の端縁に設け、後方を向いた固定用差込鍵部を左側面の端縁に設け、後方を向いた固定用掛合鍵部を右側面の端縁に設け、前後方向の開口を有する固定用凸片を後側面の端縁に設けて構成される。
【0015】
これにより、第1角パイプの右端部と第2角パイプの前端部とを突き合わせた状態で第1連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、折り込んだ固定用蟻組のオス部を固定用蟻組のメス部に嵌合させて、第1角パイプ及び第2角パイプが連結させられ、第3角パイプの下端部を連結済みの第1角パイプ及び第2角パイプの上側面に突き当てた状態で第2連結用蟻組のオス部及びメス部を嵌合させ、固定用溝部に差し込んだ固定用鍵部を第1角パイプの上側面に掛合させた状態で折り曲げた固定用押さえ片により拘束させ、固定用凸片の開口を固定用開口部の凸部に嵌合させ、固定用掛合鍵部を固定用掛合受け部に掛合させて、第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプが連結させられる。第1角パイプ及び第2角パイプは、上述同様、説明の便宜上、上下方向、左右方向に沿って延びていると仮定して側面及び延在方向を区別しているだけで、発明を構成する側面及び延在方向を限定しない。例えば第1角パイプが左側面、右側面、上側面及び下側面に囲まれて前後方向に延び、第2角パイプが前側面、後側面、上側面及び下側面に囲まれて左右方向に延びる場合、第1角パイプの前端部又は後端部と第2角パイプの中間部とを連結する。
【0016】
第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造は、第1角パイプと第2角パイプとでは固定用蟻組が固定手段であり、固定用蟻組オス部を折り曲げて固定用蟻組メス部に嵌合させる。また、第3角パイプと第1角パイプ及び第2角パイプとでは固定用差込鍵部と固定用溝部との組み合わせが固定手段であり、固定用溝部に差し込んだ固定用差込鍵部を、折り曲げた固定用押さえ片により拘束する。第2連結用蟻組は、第1角パイプ及び第3角パイプを連結する。固定用凸片の開口と固定用開口部の凸部との組み合わせや、固定用掛合鍵部及び固定用掛合受け部の組み合わせは、第2角パイプ及び第3角パイプを連結する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、別部材を用いることなく、複数の角パイプだけを直交関係で簡便かつ強固に連結させる角パイプの直交連結構造を提供する。本発明の角パイプの直交連結構造は、連結用蟻組による連結と固定手段による連結とを組み合わせて用いる。連結用蟻組は、角パイプを簡便に連結させる。固定手段は、固定用蟻組のオス部や固定用押さえ片を折り曲げるだけなので、角パイプを簡便に連結させる。そして、固定手段は、連結用蟻組を設けた側面と直交する側面に設けられるため、連結蟻組が嵌合方向に外れることを防止する。こうして、本発明の角パイプの直交連結構造は、角パイプの強固な連結を実現する。
【0018】
第1角パイプ及び第2角パイプをL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造が用いる固定手段は、固定用蟻組であり、固定用蟻組のオス部を折り曲げて固定用蟻組のメス部に嵌合させるだけで角パイプを簡便に連結させる。また、第1角パイプ及び第2角パイプをL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造が用いる固定手段は、折り曲げられた固定用蟻組のオス部が固定用蟻組のメス部に嵌合して抜止が図られ、連結蟻組が嵌合方向に外れることを防止して、角パイプの強固な連結を実現する。
【0019】
第1角パイプ及び第2角パイプをT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造が用いる固定手段は、固定用差込鍵部及び固定用溝部の組み合わせであり、連結蟻組の嵌合方向から固定用溝部に差し込んだ固定用差込鍵部を、折り曲げた固定用押さえ片に拘束させるだけで角パイプを簡便に連結させる。また、第1角パイプ及び第2角パイプをT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造が用いる固定手段は、固定用差込鍵部が固定用押さえ片に拘束され、連結蟻組が嵌合方向に外れることを防止して、角パイプの強固な連結を実現する。
【0020】
第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造が用いる固定手段は、固定用蟻組や固定用差込鍵部及び固定用溝部の組み合わせであり、それぞれ上述した通り、第1連結蟻組が嵌合方向に外れることを防止して、角パイプの強固な連結を実現する。固定用凸片の開口と固定用開口部の凸部との組み合わせや、固定用掛合鍵部及び固定用掛合受け部の組み合わせは、第2連結用蟻組と協働して第3角パイプを第1角パイプ及び第2角パイプに連結させると共に、第2連結蟻組の嵌合方向からしか嵌合又は掛合しない部位として、固定手段の働きも有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1角パイプ及び第2角パイプをL字状の直交関係に連結させた角パイプの直交連結構造である第1例を前方から見た斜視図である。
【
図2】第1例の第1角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図3】第1例の第1角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図4】第1例の第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図5】第1例の第2角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図6】連結用蟻組を嵌合させる手順1における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図7】固定用蟻組を嵌合させる手順2における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図8】第1角パイプ及び第2角パイプをT字状の直交関係に連結させた角パイプの直交連結構造である第2例を前方から見た斜視図である。
【
図9】第2例の第1角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図10】第2例の第1角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図11】第2例の第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図12】第2例の第2角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図13】第1角パイプを第2角パイプに突き当てる手順1における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図14】連結用蟻組を嵌合させる手順2における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図15】固定用押さえ片で固定用差込鍵部を拘束させる手順3における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図16】第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造である第3例を前方から見た斜視図である。
【
図17】第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造である第3例を後方から見た斜視図である。
【
図18】第3例の第1角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図19】第3例の第1角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図20】第3例の第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図21】第3例の第2角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図22】第3例の第3角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図23】第3例の第3角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図24】第1連結用蟻組を嵌合させる手順1における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図25】固定用蟻組を嵌合させる手順2における第1角パイプ及び第2角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図26】第3角パイプを第1角パイプ及び第2角パイプに突き当てる手順3における第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図27】第2連結用蟻組を嵌合させる手順4における第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを前方から見た斜視図である。
【
図28】第2連結用蟻組を嵌合させる手順4における第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを後方から見た斜視図である。
【
図29】固定用押さえ片で固定用差込鍵部を拘束させる手順5における第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明は、
図1にみられるように、前側面11、後側面12、上側面13及び下側面14に囲まれて左右方向に延びる第1角パイプ1の右端部と、右側面21、左側面22、上側面23及び下側面24に囲まれて前後方向に延びる第2角パイプ2の前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造(第1例)に適用される。第1角パイプ1や第2角パイプ2の延在方向やそれぞれの側面の呼称は、説明の便宜上のもので、第1例に示す第1角パイプ1や第2角パイプ2の延在方向やそれぞれの側面の呼称に限定されない。
【0023】
第1角パイプ1は、
図2及び
図3に見られるように、前側面11側が鋭角となるように平面視45度に切除された右端部において、連結用蟻組のメス部131,141を上側面13及び下側面14の端縁それぞれに設け、固定用蟻組のオス部111を前側面11の端縁に設けて構成される。第2角パイプ2は、
図4及び
図5に見られるように、右側面21側が鋭角となるように平面視45度に切除された前端部において、連結用蟻組のオス部231,241を上側面23及び下側面24の端縁それぞれに設け、固定用蟻組のメス部211を右側面21の端縁に設けて構成される。連結用蟻組及び固定用蟻組は、転写形状の関係にある台形状片及び台形状切り欠きの組み合わせで、いずれも丸く面取りされている。
【0024】
第1例の角パイプの直交連結構造は、連結用蟻組のメス部131,141を2個ずつ第1角パイプ1に割り当て、オス部231,241を第2角パイプ2に割り当てた構成であるが、これに限定されない。例えば第1角パイプ1に割り当てられた連結用蟻組が単数又は3個以上あったり、オス部のみとしたり、オス部及びメス部を組み合わせたりしてもよい(後掲
図18ほか参照)。固定用蟻組も同様で、個数を問わず、第1角パイプ1及び第2角パイプ2の割り当てを逆にしたり、オス部及びメス部を組み合わせて第1角パイプ1及び第2角パイプ2に振り分けて設けたりしてもよい。
【0025】
第1例の連結手順を説明する。第1角パイプ1及び第2角パイプ2は、手順1として、互いの上側面13,23を平行にし、第1角パイプ1の前側面11と第2角パイプ2の右側面21とを直交させる位置関係で、
図6に見られるように、第2角パイプ2に対して第1角パイプ1を上方から接近させ、連結用蟻組のメス部131,141とオス部231,241とを嵌合させる。このとき、第1角パイプ1の右端部のおける端縁と第2角パイプ2の左端部の端縁とが、板厚の幅で接面したり、一方の側面に他方の側面を当接させたりすると、連結状態が安定する。こうして、第1角パイプ1及び第2角パイプ2は、前後方向及び左右方向に分離不能に連結させられるが、上下方向に分離可能な状態となる。
【0026】
連結蟻組を嵌合させただけの段階では、第1角パイプ1の固定用蟻組のオス部111と、第2角パイプ2の固定用蟻組のメス部211とが、直交する位置関係にある。そこで、手順2として、
図7に見られるように、第1角パイプ1の前側面11の端縁から突出させた固定用蟻組のオス部111を90度折り曲げ、第2角パイプ2の右側面21の端縁に設けた固定用蟻組のメス部211に嵌合させ、第1角パイプ1及び第2角パイプ2を上下方向に分離不能にする。こうして、第1角パイプ1及び第2角パイプ2をL字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造(
図1参照)が完成する。固定用蟻組のオス部111の折り曲げは塑性変形であるが、例えばドライバーを差し込むことにより開いて、固定用蟻組のメス部211から外し、第1角パイプ1及び第2角パイプ2を分離することもできる。
【0027】
本発明は、
図8にみられるように、前側面31、後側面32、左側面33及び右側面34に囲まれて上下方向に延びる第1角パイプ3の下端部と、前側面41、後側面42、上側面43及び下側面44に囲まれて左右方向に延びる第2角パイプ4の上側面41とを結合させてT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造(第2例)にも適用される。第1角パイプ3や第2角パイプ4の延在方向やそれぞれの側面の呼称は、説明の便宜上のもので、第2例に示す第1角パイプ3や第2角パイプ4の延在方向やそれぞれの側面の呼称に限定されない。
【0028】
第1角パイプ3は、
図9及び
図10に見られるように、側面視水平に切除された下端部において、連結用蟻組のオス部311,321を前側面31及び後側面32の端縁それぞれに設け、後方を向いた固定用差込鍵部331,341を左側面33及び右側面34の端縁それぞれの前後中間に設けて構成される。第2例の第1角パイプ3の下端は、前側面31及び後側面32と左側面33及び右側面34との端縁が上下方向にずれているが、揃えてもよい。固定用差込鍵部331,341は、第2角パイプ4の上側面43の厚みのスリットを有する鍵状片である。第2例の固定用差込鍵部331,341は、いずれも前方に向けてもよい。連結用蟻組は、転写形状の関係にある台形状片及び台形状切り欠きの組み合わせで、丸く面取りされている。
【0029】
第2角パイプ4は、
図11及び
図12に見られるように、中間部において、上向きの連結用蟻組のメス部412,422を、上側面43から前側面41又は後側面42にかけて形成された前側面側切り欠き411及び後側面側切り欠き421それぞれに設け、左右方向に折り曲げ自在な固定用押さえ片432を有する前後方向の固定用溝部431を上側面43に設けて構成される。固定用溝部431は、固定用差込鍵部331,341が通過する大きさで前側面41寄りに位置する前後方向の溝と、溝に連通して設けられる開口とから構成され、溝を内側にした左右対称な位置関係で、第1角パイプ3の幅(左側面33及び右側面34の間隔)で2個設けられる。固定用押さえ片432は、水平に折り曲げ自在な鍵状片で、固定用溝部43の開口内に設けられる。
【0030】
第2例の角パイプの直交連結構造は、連結用蟻組のオス部311,321を2個ずつ第1角パイプ3に割り当て、メス部412,422を第2角パイプ4に割り当てた構成であるが、これに限定されない。例えば第1角パイプ3に割り当てられた連結用蟻組が単数又は3個以上あったり、メス部のみとしたり、オス部及びメス部を組み合わせたりしてもよい(後掲
図18ほか参照)。また、前側面側切り欠き411及び後側面側切り欠き421は、それぞれ個別に深さを決定してもよい。例えば、前側面側切り欠き411及び後側面側切り欠き421が共に上側面43と前側面41及び後側面42との境界を切除する程度に浅いものであったり、両者の深さを異らせたりしても構わない。
【0031】
第2例の連結手順を説明する。第1角パイプ3及び第2角パイプ4は、手順1として、互いの前側面31,41を平行にし、第1角パイプ1の左側面33及び右側面34と第2角パイプ2の上側面43とを直交させる位置関係で、
図13に見られるように、第2角パイプ2に対して第1角パイプ3を上方から接近させ、左右の固定用差込鍵部331,341を対応する固定用溝部431の溝に差し込み、第1角パイプ3の左側面33及び右側面34の端縁を第2角パイプ4の上側面43に当接させる。このとき、固定用溝部431の溝が第2角パイプ4の前側側面41寄りに設けられているから、左右の固定用差込鍵部331,341を固定用溝部431の溝に差し込んだ状態では、第1角パイプ3の前側面31が第2角パイプ4の前側面41より前方にずれた位置関係にある(
図14参照)。
【0032】
手順2は、
図14に見られるように、第1角パイプ3を後方に平行移動させ、連結用蟻組のオス部311,321とメス部412,422とを嵌合させる。このとき、固定用差込鍵部331,341も後方へ移動し、スリットに第2角パイプ4の上側面43を差し込ませ、掛合する。こうして、第1角パイプ1及び第2角パイプ2は、連結用蟻組の嵌合や、固定用差込鍵部331,341を第2角パイプ4の上側面43に掛合させて、上下方向及び左右方向に分離不能に連結させられるが、前後方向に分離可能な状態となる。
【0033】
そこで、手順3として、
図15に見られるように、固定用溝部431が有する固定用押さえ片432を折り曲げて固定用指込鍵部331,341に掛合させ、固定用指込鍵部331,341が前後に移動できないように拘束する。こうして、第1角パイプ3は、第2角パイプ4に対して前後方向にも移動不能となり、第2角パイプ4との連結状態が維持され、第1角パイプ1及び第2角パイプ2をT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造(
図8参照)が完成する。固定用押さえ片432の折り曲げは塑性変形であるが、例えばドライバーを差し込むことにより開いて、固定用指込鍵部331,341を解放でき、第1角パイプ3を第2角パイプ4から分離することもできる。
【0034】
本発明は、
図16及び
図17にみられるように、前側面51、後側面52、上側面53及び下側面54に囲まれて左右方向に延びる第1角パイプ5の右端部と、右側面61、左側面62、上側面63及び下側面64に囲まれて前後方向に延びる第2角パイプ6の前端部とを結合させてL字状の直交関係に連結させ、前側面71、後側面72、左側面73及び右側面74に囲まれて上下方向に延びる第3角パイプ7の下端部と連結済みの第1角パイプ及び第2角パイプとを結合させてT字状の直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造(第3例)にも適用される。第1角パイプ5、第2角パイプ6や第3角パイプ7の延在方向やそれぞれの側面の呼称は、説明の便宜上のもので、第3例に示す第1角パイプ5、第2角パイプ6や第3角パイプ7の延在方向やそれぞれの側面の呼称に限定されない。
【0035】
第1角パイプ5は、
図18及び
図19に見られるように、前側面51側が鋭角となるように平面視45度に切除された右端部において、第1連結用蟻組のオス部531及びメス部532を上側面53の端縁に、また第1連結用蟻組のメス部541を下側面54の端縁に設け、変形自在な固定用押さえ片534を有する前後方向の固定用溝部533を上側面53に設け、固定用蟻組のオス部511を前側面51の端縁に設け、上方を向いた第2連結用蟻組のメス部513を、上側面53から前側面51にかけて形成された前側面側切り欠き512の下縁に2個設けて構成される。固定用溝部533は、固定用差込鍵部331,341が通過する大きさで前側面41寄りに位置する前後方向の溝と、溝に連通して設けられる開口とから構成され、溝を内側にした左右対称な位置関係で、第1角パイプ3の幅(左側面33及び右側面34の間隔)で2個設けられる。固定用押さえ片432は、水平に折り曲げ自在な鍵状片で、固定用溝部43の開口内に設けられる。
【0036】
第2角パイプ6は、
図20及び
図21に見られるように、右側面側61が鋭角となるように平面視45度に切除された前端部において、第1連結用蟻組のオス部631及びメス部632を上側面63の端縁に、また第1連結用蟻組のオス部641を下側面64の端縁に設け、前方に突出する凸部634を有する固定用開口部633を上側面63に設け、固定用蟻組のメス部611を右側面61の端縁に設け、前方を向いた固定用掛合受け部613を、上側面63から右側面61にかけて形成された右側面側切り欠き612に設けて構成される。固定用開口部633は、第3角パイプ7の固定用凸片721が通過する大きさで、前後方向に長い平面視長方形の開口であり、後方側の内周縁から凸部634を突出させている。固定用掛合受け部613は、右側面61を切り欠いて、上段が前方に突出するように形成される鍵状部分で、第3角パイプ7の固定用掛合鍵部741の転写形状である。
【0037】
第3例の角パイプの直交連結構造は、第1角パイプ5の上側面53と第2角パイプ6の上側面63の連結では、第1連結用蟻組のオス部531,631及びメス部532,632を組み合わせて割り当てられているが、第1角パイプ5の下側面54と第2角パイプ6の下側面64では、それぞれに第1連結用蟻組のメス部541とオス部641とが2個ずつ割り当てられた構成であるが、これに限定されない。また、第1角パイプ5の前側面側切り欠き512や第2角パイプ6の右側面切り欠き612は、設けられる構成要素(第2連結用蟻組のメス部513、固定用掛合受け部613)の働きが異なることから、それぞれ個別に深さが決定される。
【0038】
第3角パイプ7は、
図22及び
図23に見られるように、側面視水平に切除された下端部において、第2連結用蟻組のオス部711を前側面71の端縁に2個設け、後方を向いた固定用差込鍵部731を左側面73の端縁に設け、後方を向いた固定用掛合鍵部741を右側面74の端縁に設け、前後方向の開口722を有する固定用凸片721を後側面72の端縁に設けて構成される。固定用差込鍵部731は、第1角パイプ5の上側面53の厚みのスリットを有する鍵状片である。固定用掛合鍵部741は、右側面64を切り欠いて、下段が前方に突出するように形成される鍵状部分で、第2角パイプ6の固定用掛合受け部613の転写形状である。ある。固定用凸片721は、第2角パイプ6の固定用開口部633を通過する大きさの凸片であり、固定用開口部633の内側に凸部634を通過させる開口722を設けている。
【0039】
第3角パイプ7の下端部は、第1角パイプ5の上側面52に当接する左側面73の端縁と、第2角パイプ6の上側面63に当接する後側面72の端縁とを同じ高さに揃えつつ、第2連結用蟻組のオス部711を設けた前側面71の端縁と、固定用掛合鍵部741を設けた右側面74の端縁とを、下方に突出させている。前側面71の端縁と右側面74の端縁とは、設けられる構成要素(第2連結用蟻組のオス部711、固定用掛合鍵部741)の働きが異なることから、それぞれ個別に突出量が決定される。第1連結用蟻組、第2連結用蟻組及び固定用蟻組は、転写形状の関係にある台形状片及び台形状切り欠きの組み合わせで、いずれも丸く面取りされている。
【0040】
第3例の連結手順を説明する。第1角パイプ5及び第2角パイプ6は、互いの上側面53,63を平行にし、第1角パイプ1の前側面51と第2角パイプ2の右側面61とを直交させる位置関係で、
図24に見られるように、第2角パイプ6に対して第1角パイプ5を上方から接近させ、第1連結用蟻組のメス部532,541とオス部532,541とを嵌合させる。このとき、第1角パイプ5の右端部のおける端縁と第2角パイプ6の左端部の端縁とが、板厚の幅で接面したり、一方の側面に他方の側面を当接させたりすると、連結状態が安定する。こうして、第1角パイプ5及び第2角パイプ6は、前後方向及び左右方向に分離不能に連結させられるが、上下方向に分離可能な状態となる。
【0041】
次に手順2として、
図25に見られるように、第1角パイプ5の前側面51の端縁から突出させた固定用蟻組のオス部511を90度折り曲げ、第2角パイプ6の右側面61の端縁に設けた固定用蟻組のメス部611に嵌合させ、第1角パイプ5及び第2角パイプ6を上下方向に分離不能にする。固定用蟻組のオス部511の折り曲げは塑性変形であるが、例えばドライバーを差し込むことにより開いて、固定用蟻組のメス部611から外し、第1角パイプ5及び第2角パイプ6を分離することもできる。手順2までは、第1例と同じである。
【0042】
続いて手順3として、前側面51,71を平行にし、かつ右側面61,74を面一にして、第3角パイプ7の左側面73と第1角パイプ5の上側面53とを直交させ、第3角パイプ7の後側面72と第2角パイプ6の上側面63とを直交させる位置関係で、
図26に見られるように、連結された第1角パイプ5及び第2角パイプ6に対して第3角パイプ7を上方から接近させ、固定用差込鍵部731を対応する固定用溝部533の溝に差し込み、固定用凸片721を固定用開口部633に差し込み、第3角パイプ7の左側面73及び右側面74の端縁を第1角パイプ5及び第2角パイプ6の上側面53,63に当接させる。
【0043】
このとき、固定用溝部533の溝が第1角パイプ5の前側側面51寄りに設けられているから、固定用差込鍵部731を固定用溝部533の溝に差し込んだ状態では、第3角パイプ7の前側面71が第1角パイプ5の前側面51より前方にずれた位置関係にある(
図27参照)。また、固定用掛合部741は、第3角パイプ7の右側面74と第2角パイプ6の右側面61とを面一に揃えているため、固定用掛合受け部613を避けて下降させて、固定用掛合受け部613の前方で右側面側切り欠き621に下縁に当接させる。これから理解されるように、第1角パイプ5に対する第3角パイプ7の位置関係は、固定用掛合部741が固定用掛合受け部613を避けて下降できるだけ、前方にずれていればよい。
【0044】
手順4は、
図27及び
図28に見られるように、第3角パイプ7を後方に平行移動させ、第2連結用蟻組のオス部711とメス部513とを嵌合させる。このとき、固定用差込鍵部731、固定用凸片721、そして固定用掛合鍵部741も後方へ移動する。固定用差込鍵部731は、スリットに第1角パイプ5の上側面53を差し込ませ、掛合する。また、固定用凸片721は、開口722に固定用開口部633の凸部634を嵌合させる。そして、固定用掛合鍵部741は、固定用掛合受け部613と掛合する。こうして、第3角パイプ7と第1角パイプ1及び第2角パイプ2とは、上下方向及び左右方向に分離不能に連結させられるが、前後方向に分離可能な状態となる。
【0045】
最後に手順5として、
図29に見られるように、固定用溝部533が有する固定用押さえ片534を折り曲げて固定用指込鍵部731に掛合させ、固定用指込鍵部731が前後に移動できないように拘束する。こうして、第3角パイプ7は、第1角パイプ5及び第2角パイプ6に対して前後方向にも移動不能となり、第1角パイプ5及び第2角パイプ6との連結状態が維持され、第1角パイプ、第2角パイプ及び第3角パイプを直交関係に連結させる角パイプの直交連結構造(
図16及び
図17参照)が完成する。固定用押さえ片534の折り曲げは塑性変形であるが、例えばドライバーを差し込むことにより開いて、固定用指込鍵部731を解放でき、第3角パイプ7を第1角パイプ5及び第2角パイプ6から分離することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 第1角パイプ
11 前側面
111 固定用蟻組のオス部
12 後側面
13 上側面
131 連結用蟻組のメス部
14 下側面
141 連結用蟻組のメス部
2 第2角パイプ
21 右側面
211 固定用蟻組のメス部
22 左側面
23 上側面
231 連結用蟻組のオス部
24 下側面
241 連結用蟻組のオス部
3 第1角パイプ
31 前側面
311 連結用蟻組のオス部
32 後側面
321 連結用蟻組のオス部
33 左側面
331 固定用差込鍵部
34 右側面
341 固定用差込鍵部
4 第2角パイプ
41 前側面
411 前側面側切り欠き
412 連結用蟻組のメス部
42 後側面
421 後側面側切り欠き
422 連結用蟻組のメス部
43 上側面
431 固定用溝部
432 固定用押さえ片
44 下側面
5 第1角パイプ
51 前側面
511 固定用蟻組のオス部
512 前側面側切り欠き
513 第2連結用蟻組のメス部
52 後側面
53 上側面
531 第1連結用蟻組のオス部
532 第1連結用蟻組のメス部
533 固定用溝部
534 固定用押さえ片
54 下側面
541 第1連結用蟻組のメス部
6 第2角パイプ
61 右側面
611 固定用蟻組のメス部
612 右側面側切り欠き
613 固定用掛合受け部
62 左側面
63 上側面
631 第1連結用蟻組のオス部
632 第1連結用蟻組のメス部
633 固定用開口部
634 凸部
64 下側面
641 第1連結用蟻組のオス部
642 第1連結用蟻組のメス部
7 第3角パイプ
71 前側面
711 第2連結用蟻組のオス部
72 後側面
721 固定用凸片
722 開口
73 左側面
731 固定用差込鍵部
74 右側面
741 固定用掛合鍵部