(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127098
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】媒体処理方法
(51)【国際特許分類】
G07D 11/00 20190101AFI20220824BHJP
G07D 11/60 20190101ALI20220824BHJP
G07D 11/12 20190101ALI20220824BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20220824BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
G07D11/00 131Z
G07D11/60 121C
G07D11/12
G07G1/01 301E
G07G1/12 321K
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025046
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淺田 年英
【テーマコード(参考)】
3E040
3E141
3E142
【Fターム(参考)】
3E040AA01
3E040AA05
3E040BA07
3E040CA01
3E040CB05
3E040FC02
3E040FJ06
3E040FL10
3E141AA01
3E141AA05
3E141BA07
3E141CA01
3E141CB05
3E141FC02
3E141FJ07
3E141FL10
3E142DA09
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】金融機関における業務効率を向上させる。
【解決手段】媒体処理方法は、プライマリ処理機2が、媒体の処理に関する客の要求を受け付け、処理が第1処理である場合に、プライマリ処理機が、第1処理の対象の媒体をプライマリ処理機の中に収納し、それによって、第1処理が完了し、処理が第2処理である場合に、プライマリ処理機が、セカンダリ処理機3へ客を案内する情報を発する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリ処理機が、媒体の処理に関する客の要求を受け付け、
前記処理が第1処理である場合に、前記プライマリ処理機が、前記第1処理の対象の媒体を前記プライマリ処理機の中に収納し、それによって、前記第1処理が完了し、
前記処理が第2処理である場合に、前記プライマリ処理機が、セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発する、
媒体処理方法。
【請求項2】
前記第1処理は、小切手の換金処理でかつ、客の口座への入金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第1処理の実行時に、小切手を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納する、
請求項1に記載の媒体処理方法。
【請求項3】
前記第2処理は、小切手の換金処理でかつ、現金の出金処理であり、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、小切手を前記セカンダリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、前記セカンダリ処理機の中から、小切手の額に対応する現金を払い出す、
請求項1又は2に記載の媒体処理方法。
【請求項4】
前記第2処理は、小切手の換金処理でかつ、現金の出金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第2処理の実行時に、小切手を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、前記セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発し、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、前記セカンダリ処理機の中から、小切手の額に対応する現金を払い出す、
請求項1又は2に記載の媒体処理方法。
【請求項5】
前記第2処理は、帳票を使った送金処理であって、現金による送金処理であり、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、帳票及び現金を前記セカンダリ処理機の中に取り込んで収納する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項6】
前記第2処理は、帳票を使った送金処理であって、現金による送金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第2処理の実行時に、帳票を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、前記セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発し、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、現金を前記セカンダリ処理機の中に取り込んで収納する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項7】
前記第1処理は、帳票を使った送金処理でかつ、客の口座からの送金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第1処理の実行時に、帳票を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、客の口座からの送金処理を行う、
請求項1~6のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項8】
前記プライマリ処理機は、前記第1処理の対象の媒体が正常であるか否かを判断し、
前記媒体が正常である場合、前記プライマリ処理機は、媒体を前記プライマリ処理機の中に収納し、
前記媒体が正常でない場合、前記プライマリ処理機は、媒体を収納しないで、前記セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項9】
前記セカンダリ処理機は、第1セカンダリ処理機及び第2セカンダリ処理機を含み、
前記処理が第2処理である場合に、前記プライマリ処理機は、選択されたセカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項10】
前記第1セカンダリ処理機の機能と、前記第2セカンダリ処理機の機能とは相違する、
請求項9に記載の媒体処理方法。
【請求項11】
前記第2処理が、前記第1セカンダリ処理機及び前記第2セカンダリ処理機のそれぞれによって実行可能である場合、前記プライマリ処理機は、予め決められている優先順位に基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、前記客を案内する情報を発する、
請求項9又は10に記載の媒体処理方法。
【請求項12】
前記第2処理が、前記第1セカンダリ処理機及び前記第2セカンダリ処理機のそれぞれによって実行可能である場合、前記プライマリ処理機は、前記第1セカンダリ処理機の稼働状態と前記第2セカンダリ処理機の稼働状態とに基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、前記客を案内する情報を発する、
請求項9~11のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項13】
前記第2処理が、前記第1セカンダリ処理機及び前記第2セカンダリ処理機のそれぞれによって実行可能である場合、前記プライマリ処理機は、前記第1セカンダリ処理機の混雑状況と前記第2セカンダリ処理機の混雑状況とに基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、前記客を案内する情報を発する、
請求項9~12のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項14】
前記プライマリ処理機が、第1の第2処理及び第2の第2処理を受け付けた場合、前記プライマリ処理機は、第1の第2処理のための第1セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報、及び、第2の第2処理のための第2セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報の両方を発する、
請求項9~13のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項15】
前記第1セカンダリ処理機は、ロビーに設置されかつ、客が操作する媒体処理機であり、
前記第2セカンダリ処理機は、ロビーに設置されかつ、客が操作する媒体処理機である、
請求項9~14のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項16】
前記第1セカンダリ処理機は、ロビーに設置されかつ、客が操作する媒体処理機であり、
前記第2セカンダリ処理機は、有人窓口に設置されかつ、行員が操作する媒体処理機である、
請求項9~14のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項17】
前記プライマリ処理機の制御部が、受け付けた処理が前記第1処理であるか、又は、前記第2処理であるかを判断すると共に、媒体の収納、又は、情報の発報を切り替える、
請求項1~16のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項18】
前記プライマリ処理機に接続された管理装置が、前記プライマリ処理機が受け付けた処理が前記第1処理であるか、又は、前記第2処理であるかを判断すると共に、前記プライマリ処理機による、媒体の収納、又は、情報の発報を切り替える、
請求項1~16のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【請求項19】
前記プライマリ処理機は、複数のプライマリ処理機を含み、
前記複数のプライマリ処理機はそれぞれ、互いに独立して処理を実行する、
請求項1~18のいずれか1項に記載の媒体処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、大容量の硬貨入出金機が接続されることによって、釣銭準備金の出金又は両替が可能なATM(Automatic Teller Machine)が記載されている。このATMは、現金の出金の予約が可能に構成されている。利用者は、パソコン又は携帯電話機を使って予約を行うと共に、予約された日にATMを操作することによって、ATMが払い出した現金を受け取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば銀行の営業店舗には、主に、現金の入出金処理、及び、顧客の口座からの送金処理を行う自動処理機が設置されている。自動処理機は、たとえば、ATMや、いわゆるセルフ機が例示される。セルフ機は、ATMの機能に加えて、帳票による送金処理、及び、小切手の換金処理等の処理を行うことができる。
【0005】
利用者は、ATMやセルフ機などの自動処理機を用いて、所望の処理を行う。処理の内容によっては、利用者が自動処理機を占有する時間が長くなりがちである。その結果、営業店舗における業務効率が低下する恐れがある。
【0006】
本開示は、金融機関における業務効率を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示する媒体処理方法は、
プライマリ処理機が、媒体の処理に関する客の要求を受け付け、
前記処理が第1処理である場合に、前記プライマリ処理機が、前記第1処理の対象の媒体を前記プライマリ処理機の中に収納し、それによって、前記第1処理が完了し、
前記処理が第2処理である場合に、前記プライマリ処理機が、セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発する。
【0008】
プライマリ処理機は、客の要求に応じた処理機を、客に割り当てる。金融機関における業務効率が高まる。
【0009】
前記第1処理は、小切手の換金処理でかつ、客の口座への入金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第1処理の実行時に、小切手を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納する、としてもよい。
【0010】
小切手による換金処理でかつ、客の口座への入金処理は、現金が取り扱われない。客は、プライマリ処理機を使用することによって、第1処理を完了できる。
【0011】
また、プライマリ処理機は、現金を新たに収納することもなく、また現金を予め収納していない装置として構成できる。プライマリ処理機は、現金を収納しないため、簡易な構成にできる。尚、プライマリ処理機に収納した小切手は、無効化の印字をすることもできる。プライマリ処理機は、相対的に安価な装置である。金融機関において、プライマリ処理機の設置台数を増やすことができる。プライマリ処理機の設置台数を増やすと、金融機関の業務効率の向上に有利である。プライマリ処理機は、固定設置してもよいし、可搬型に構成してもよい。
【0012】
前記第2処理は、小切手の換金処理でかつ、現金の出金処理であり、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、小切手を前記セカンダリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、前記セカンダリ処理機の中から、小切手の額に対応する現金を払い出す、としてもよい。
【0013】
セカンダリ処理機は、現金を扱う処理機である。セカンダリ処理機は、小切手を使う処理の内、現金を扱う処理を主に行う。プライマリ処理機及びセカンダリ処理機のそれぞれが小切手を使う処理を実行でき、現金の取り扱いの有無に応じて、処理の実行が、プライマリ処理機及びセカンダリ処理機に割り振られる。このため、金融機関における業務効率が向上する。
【0014】
前記第2処理は、小切手の換金処理でかつ、現金の出金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第2処理の実行時に、小切手を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、前記セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発し、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、前記セカンダリ処理機の中から、小切手の額に対応する現金を払い出す、としてもよい。
【0015】
プライマリ処理機及びセカンダリ処理機が、一つの処理を分担するため、金融機関における業務効率が向上する。
【0016】
前記第2処理は、帳票を使った送金処理であって、現金による送金処理であり、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、帳票及び現金を前記セカンダリ処理機の中に取り込んで収納する、としてもよい。
【0017】
セカンダリ処理機は、帳票を使う処理の内、現金を扱う処理を主に行う。プライマリ処理機及びセカンダリ処理機のそれぞれが帳票を使う処理を実行でき、現金の取り扱いの有無に応じて、処理の実行が、プライマリ処理機及びセカンダリ処理機に割り振られる。このため、金融機関における業務効率が向上する。
【0018】
前記第2処理は、帳票を使った送金処理であって、現金による送金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第2処理の実行時に、帳票を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、前記セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発し、
前記セカンダリ処理機は、前記第2処理の実行時に、現金を前記セカンダリ処理機の中に取り込んで収納する、としてもよい。
【0019】
プライマリ処理機及びセカンダリ処理機が、一つの処理を分担するため、金融機関における業務効率が向上する。
【0020】
前記第1処理は、帳票を使った送金処理でかつ、客の口座からの送金処理であり、
前記プライマリ処理機は、前記第1処理の実行時に、帳票を前記プライマリ処理機の中に取り込んで収納すると共に、客の口座からの送金処理を行う、としてもよい。
【0021】
プライマリ処理機は、帳票を使う処理の内、現金を取り扱わない処理を行う。帳票を使う処理が、現金の取り扱いの有無に応じてプライマリ処理機及びセカンダリ処理機に割り振られるため、金融機関における業務効率が向上する。
【0022】
前記プライマリ処理機は、前記第1処理の対象の媒体が正常であるか否かを判断し、
前記媒体が正常である場合、前記プライマリ処理機は、媒体を前記プライマリ処理機の中に収納し、
前記媒体が正常でない場合、前記プライマリ処理機は、媒体を収納しないで、前記セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発する、としてもよい。
【0023】
媒体が正常であれば、客は、プライマリ処理機を使って第1処理を完了できる。媒体が正常でない場合に限って、客は、セカンダリ処理機へ案内される。金融機関における業務効率の向上に有利である。
【0024】
前記セカンダリ処理機は、第1セカンダリ処理機及び第2セカンダリ処理機を含み、
前記処理が第2処理である場合に、前記プライマリ処理機は、選択されたセカンダリ処理機へ前記客を案内する情報を発する、としてもよい。
【0025】
第2処理の実行が、複数のセカンダリ処理機に割り振られるため、金融機関における業務効率が向上する。
【0026】
前記第1セカンダリ処理機の機能と、前記第2セカンダリ処理機の機能とは相違する、としてもよい。
【0027】
第2処理に応じて、第1セカンダリ処理機と第2セカンダリ処理機とに、処理の実行が割り振られるため、金融機関における業務効率が向上する。
【0028】
前記第2処理が、前記第1セカンダリ処理機及び前記第2セカンダリ処理機のそれぞれによって実行可能である場合、前記プライマリ処理機は、予め決められている優先順位に基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、前記客を案内する情報を発する、としてもよい。
【0029】
優先順位に基づいて、第2処理の実行が、複数のセカンダリ処理機に割り振られるため、金融機関における業務効率が向上する。
【0030】
前記第2処理が、前記第1セカンダリ処理機及び前記第2セカンダリ処理機のそれぞれによって実行可能である場合、前記プライマリ処理機は、前記第1セカンダリ処理機の稼働状態と前記第2セカンダリ処理機の稼働状態とに基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、前記客を案内する情報を発する、としてもよい。
【0031】
第2処理の実行に適したセカンダリ処理機に、第2処理の実行が割り振られる。金融機関における業務効率の向上に有利になる。
【0032】
前記第2処理が、前記第1セカンダリ処理機及び前記第2セカンダリ処理機のそれぞれによって実行可能である場合、前記プライマリ処理機は、前記第1セカンダリ処理機の混雑状況と前記第2セカンダリ処理機の混雑状況とに基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、前記客を案内する情報を発する、としてもよい。
【0033】
第2処理の実行が、すいているセカンダリ処理機に割り振られる。金融機関における業務効率の向上に有利になる。
【0034】
前記プライマリ処理機が、第1の第2処理及び第2の第2処理を受け付けた場合、前記プライマリ処理機は、第1の第2処理のための第1セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報、及び、第2の第2処理のための第2セカンダリ処理機へ前記客を案内する情報の両方を発する、としてもよい。
【0035】
客は、第1の第2処理及び第2の第2処理を、二台のセカンダリ処理機を使ってスムースに完了できる。
【0036】
前記第1セカンダリ処理機は、ロビーに設置されかつ、客が操作する媒体処理機であり、
前記第2セカンダリ処理機は、ロビーに設置されかつ、客が操作する媒体処理機である、としてもよい。
【0037】
複数人の客が、ロビーに設置された複数のセカンダリ処理機それぞれを利用できるため、金融機関における業務効率が向上する。
【0038】
前記第1セカンダリ処理機は、ロビーに設置されかつ、客が操作する媒体処理機であり、
前記第2セカンダリ処理機は、有人窓口に設置されかつ、行員が操作する媒体処理機である、としてもよい。
【0039】
客は、行員の補助を受けながら、有人窓口に設置されたセカンダリ処理機を利用できるため、処理をスムースに完了できる。
【0040】
前記プライマリ処理機の制御部が、受け付けた処理が前記第1処理であるか、又は、前記第2処理であるかを判断すると共に、媒体の収納、又は、情報の発報を切り替える、としてもよい。
【0041】
システムを、簡易に構築できる。
【0042】
前記プライマリ処理機に接続された管理装置が、前記プライマリ処理機が受け付けた処理が前記第1処理であるか、又は、前記第2処理であるかを判断すると共に、前記プライマリ処理機による、媒体の収納、又は、情報の発報を切り替える、としてもよい。
【0043】
管理装置は、プライマリ処理機及びセカンダリ処理機の両方を管理しながら、金融機関における業務を管理できる。
【0044】
前記プライマリ処理機は、複数のプライマリ処理機を含み、
前記複数のプライマリ処理機はそれぞれ、互いに独立して処理を実行する、としてもよい。
【0045】
プライマリ処理機は、安価な装置である。複数のプライマリ処理機を金融機関に設置すれば、金融機関における業務がスムースに遂行できる。
【発明の効果】
【0046】
前記の媒体処理方法は、金融機関における業務効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、媒体処理方法が実施される金融機関の営業店舗を例示している。
【
図3】
図3(a)は、プライマリ処理機の変形例を示している。(b)は、プライマリ処理機を含むシステムを例示している。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係るシステムを例示している。
【
図5】
図5は、媒体処理方法に係るフローチャートである。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係るシステムを例示している。
【
図7】
図7は、第4実施形態に係るシステムを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、媒体処理方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する媒体処理方法は例示である。
【0049】
ここで、以下において使用する用語を定義する。プライマリ(primary)は、「第1」又は「最初」を意味する。以下において使用するプライマリは、precedingに言い換えることができる。セカンダリ(secondary)は、「第2」又は「次」を意味する。以下において使用するセカンダリは、subsequentに言い換えることができる。
【0050】
金融機関は、銀行を含む。但し、金融機関は銀行に限定されない。営業店舗は、客が来店し、様々な処理を行うことができる店舗である。振替処理及び振込処理は、送金処理と呼び、区別しない。尚、振替処理は、同一金融機関の同一店舗における同一名義の口座間における資金移動である。振込処理は、異なる銀行間における資金移動、同じ金融機関の他の営業店舗間における資金移動、又は、同じ金融機関の同一営業店舗における他人の口座間における資金移動である。
【0051】
図1は、媒体処理方法が実施される金融機関の営業店舗1のロビーを例示している。
図1には営業店舗1が簡略化して描かれている。営業店舗1のロビーには、プライマリ処理機2と、セカンダリ処理機3とが設置されている。プライマリ処理機2は、営業店舗1を訪れた客が最初に操作する装置である。後述するように、プライマリ処理機2は、各種の処理を行うよう構成されている。プライマリ処理機2が、客が要求する処理を実行できる場合、客は、プライマリ処理機2を使って処理を行う。プライマリ処理機2が、客が要求する処理を実行できない場合、客は、セカンダリ処理機3を使って処理を行う。客は、セカンダリ処理機3を操作する。営業店舗1において、客が要求する処理は、プライマリ処理機2とセカンダリ処理機3とに割り振られる。営業店舗1における業務効率が向上する。
【0052】
図2は、例示的なプライマリ処理機2を示している。プライマリ処理機2は、タッチディスプレイ21と、カードリーダ22と、投入部23と、識別部24と、収納部25と、投出部26と、制御部27とを備えている。後述するように、プライマリ処理機2は、現金を取り扱わない装置である。プライマリ処理機2は、現金を新たに収納することもなく、また予め現金を収納していない装置である。また、プライマリ処理機2は、固定設置してもよいし、可搬型に構成してもよい。
【0053】
タッチディスプレイ21は、表示部かつ操作部である。客は、タッチディスプレイ21に表示された情報を見ながら、タッチディスプレイ21に触れることによって、様々な情報及び/又は指示を入力する。プライマリ処理機2は、タッチディスプレイ21に代えて、又は、タッチディスプレイ21と共に、表示部及び/又は操作部を備えてもよい。
【0054】
カードリーダ22は、客が所有するカード情報を読み取る。カードリーダ22が読み取った情報(例えば口座番号などの情報)と、タッチディスプレイ21において入力された情報(例えば暗証番号)とに基づいて、客の認証が行われる。プライマリ処理機2は、カードリーダ22に代えて、又は、カードリーダ22と共に、生体認証機を備えてもよい。
【0055】
投入部23は、客が、処理対象の媒体を投入する部分である。プライマリ処理機2は、現金を取り扱わない。投入部23に投入される媒体は、例えば、振り込みに使用される帳票、又は、小切手である。投入部23はまた、客の通帳が投入されるよう構成してもよい。投入部23は、投入された媒体を装置内へ送り込む。
【0056】
識別部24は、イメージスキャナ及びプリンタを有している。イメージスキャナは、投入部23から取り込まれた媒体の画像を取得する。取得された画像は、プライマリ処理機2、又は、プライマリ処理機2に接続されている管理装置に記憶される。
図2の例では、識別部24は、イメージスキャナ及びプリンタを有しているが、イメージスキャナを有する識別部24と別に、プリンタを設けてもよい。
【0057】
識別部24は、帳票又は小切手に印字されている文字及び数字を読み取るOCR(Optical Character Reader)機能を有している。識別部24はまた、帳票又は小切手に印字されているコード(バーコード又は二次元コード)を読み取るコードリーダ機能を有している。識別部24は、投入部23から取り込まれた媒体が正常であるか、正常でないかの識別を行う。
【0058】
プリンタは、投入部23から取り込まれた媒体に印刷する。プリンタは、例えば小切手に対して、無効化のための印刷を行う。
【0059】
収納部25は、投入部23から取り込まれた媒体(つまり、帳票及び小切手)であって、識別部24が正常であると識別した媒体を収納する。収納部25に収納されている媒体は、送金用の帳票、又は、プリンタにより無効化印刷がされた小切手である。これらの媒体は価値を有しない。そのため、プライマリ処理機2には、金庫と同等のセキュリティ性が要求されない。プライマリ処理機2は、簡易な構成にすることが可能であり、相対的に安価な装置である。
【0060】
投出部26は、識別部24が正常でないと識別した媒体が払い出される。投出部26はまた、プライマリ処理機2に取り込んだ通帳であって、客の通帳を払い出すよう構成してもよい。投入部23はさらに、プライマリ処理機2が実行した処理に関するレシートを投出してもよい。尚、投入部23と投出部26とは、一体に設けてもよい。
【0061】
制御部27は、プライマリ処理機2の制御を行う。制御部27の制御によって、プライマリ処理機2は、様々な処理を実行する。制御部27は、プロセッサ、メモリ、及び、I/F回路を少なくとも備えている。プロセッサは、プログラムを実行する。メモリは、処理機の動作のためのプログラム及びデータを格納する。メモリは、例えばRAM(Random Access Memory)及び/又はROM(Read Only Memory)である。I/F回路は、制御部27と制御部27に接続された各機器との間の電気信号の入出力を行う。
【0062】
セカンダリ処理機3は、プライマリ処理機2とは種類が異なる。セカンダリ処理機3は、例えばATM、又は、セルフ機などの自動処理機である。ATMは、現金の入出金処理を始めとした、現金を取り扱う処理が実行できる機能を有している。ATMはまた、帳票を使わない送金処理を実行できる。ATMは、現金による送金処理の他に、客の口座からの送金処理も可能である。ATMは、複合機能を有している。尚、ATMは、小切手を取り扱う機能を有してもよい。
【0063】
セルフ機は、ATMが有する全機能を有する上に、帳票及び小切手を取り扱う機能を有している。セルフ機はさらに、装置が受け付けることのできない現金が入れられた封筒を収納する強制入金庫を備える場合もある。セルフ機も、複合機能を有している。尚、セルフ機は、帳票及び小切手を取り扱う機能であって、現金を取り扱う機能を有し、ATMが有する機能を有しない装置に構成してもよい。
【0064】
セカンダリ処理機3の構成は、公知である。セカンダリ処理機3として、たとえばATM、セルフ機、入出金機などが例示できる。セカンダリ処理機3は、現金の取り扱いを行う点で、プライマリ処理機2と相違する。セカンダリ処理機3は、プライマリ処理機2が実行できる処理を一部又は全て行うことができると共に、プライマリ処理機2が実行できない処理も行うことができる。
【0065】
次に、
図1を参照しながら、媒体処理方法に付いて詳細に説明する。営業店舗1の出入口10から店舗内に入った客は、プライマリ処理機2を操作する(矢印11参照)。
【0066】
プライマリ処理機2のタッチディスプレイ21は、メニュー画面を表示する。客はメニュー画面から、所望の処理を選択する操作を行う。ここでは、客が選択可能な処理に、
(1)小切手の換金処理であって、客の口座に入金する処理(現金を取り扱わない)
(2)小切手の換金処理であって、現金を出金する処理
(3)帳票を使った送金処理であって、客の口座から出金した資金を送金する処理(現金を取り扱わない)
(4)帳票を使った送金処理であって、現金を受け入れて送金する処理
の4種類の処理が含まれる例を説明する。(1)~(4)の処理は、当該営業店舗1において実行可能な処理であるものの、プライマリ処理機2が実行できる処理と、プライマリ処理機2が実行できない処理と、の両方を含んでいる。つまり、プライマリ処理機2のタッチディスプレイ21は、プライマリ処理機2が実行できる処理と、プライマリ処理機2が実行できない処理とを含むメニュー画面を表示すると共に、客が何れかの処理を選択する操作を行うことにより、客の要求を受け付ける。
【0067】
プライマリ処理機2は、前述した四つの処理の内、(1)又は(3)の現金が取り扱われない処理が選択された場合、選択された処理を実行する。
【0068】
具体的に、プライマリ処理機2は、(1)小切手の換金処理であって、客の口座に入金する処理を実行する場合、カードリーダ22が、客のカード情報を読み取ると共に、タッチディスプレイ21は、客に暗証番号を入力させる。プライマリ処理機2は認証を行う。
【0069】
プライマリ処理機2は、客に、処理対象の小切手を、投入部23に投入させる。投入部23は投入された小切手をプライマリ処理機2の中に送り込む。識別部24のイメージスキャナは、小切手の画像を撮影し、小切手が正常であるか否かを判断する。識別部24が、小切手が正常でないと判断した場合、当該小切手は、投出部26へ払い出される。小切手が正常である場合、識別部24が読み取った小切手の情報、具体的には金額に基づいて、制御部27は、当該客の口座への入金処理を行う。また、識別部24のプリンタは、入金処理が完了した小切手に対して無効化の印刷を行い、収納部25は、無効化された小切手を収納する。
【0070】
また、プライマリ処理機2は、(3)帳票を使った送金処理であって、客の口座から出金した資金を送金する処理を実行する場合、前記と同様に、カードリーダ22は、客のカード情報を読み取ると共に、タッチディスプレイ21は、客に暗証番号を入力させる。プライマリ処理機2は認証を行う。
【0071】
プライマリ処理機2は、客に、処理対象の帳票を、投入部23に投入させる。投入部23は投入された帳票をプライマリ処理機2の中に送り込む。識別部24のイメージスキャナは、帳票の画像を撮影し、帳票が正常であるか否かを判断する。識別部24が、帳票が正常でないと判断した場合、当該帳票は、投出部26へ払い出される。帳票が正常である場合、識別部24が読み取った帳票の情報、具体的には金額に基づいて、制御部27は、当該客の口座からの出金処理を行うと共に、帳票から読み取られた送金先への送金処理を行う。また、収納部25は、送金処理が完了した帳票を収納する。
【0072】
プライマリ処理機2において処理が完了すれば、
図1の101に示すように、客は営業店舗1から退出する(矢印12参照)。客は、プライマリ処理機2のみを使って処理を完了できる。客の手間が省かれる。また、前述した(1)及び(3)の処理は、セカンダリ処理機3においても実行可能な処理であるが、セカンダリ処理機3を使わなくても、プライマリ処理機2において実行されるため、その間、別の客は、セカンダリ処理機3を使って、別の処理、例えばプライマリ処理機2が実行できない処理を実行することができる。金融機関の営業店舗1における業務効率が向上する。
【0073】
プライマリ処理機2は、前述した四つの処理の内、(2)又は(4)の現金が取り扱われる処理が選択された場合、セカンダリ処理機3へ客を案内する情報を、タッチディスプレイ21を通じて、客に提供する。
図1の102に示すように、客は、案内に従ってセカンダリ処理機3へ向かい(矢印13参照)、セカンダリ処理機3において、(2)小切手の換金処理であって、現金を出金する処理、又は、(4)帳票を使った送金処理であって、現金を受け入れて送金する処理、を行う。セカンダリ処理機3において処理が完了すれば、客は、営業店舗1から退出する(矢印14参照)。
【0074】
営業店舗1に来店した客が、最初にプライマリ処理機2を操作することによって、希望する処理を選択するため、セカンダリ処理機3は、プライマリ処理機2が実行できない処理(2)又は(4)を、主に実行する。営業店舗1における処理が、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3に割り振られるため、営業店舗1における業務効率が向上する。
【0075】
また、帳票又は小切手使う処理の一部が、プライマリ処理機2を使って実行されるため、セカンダリ処理機3が一人の客に占有される時間が短くなって、営業店舗1における業務効率が向上する。
【0076】
尚、(2)小切手の換金処理であって、現金を出金する処理が選択された場合、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3は、次のように処理を実行してもよい。つまり、プライマリ処理機2は、客に小切手を投入させると共に当該小切手をプライマリ処理機2の中に取り込んで収納すると共に、プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機3へ客を案内する。客は、案内に従ってセカンダリ処理機3へ向かい、セカンダリ処理機3において、認証処理を行うことによって、前記の小切手の額に相当する現金を、セカンダリ処理機3から受け取る。
【0077】
同様に、(4)帳票を使った送金処理であって、現金を受け入れて送金する処理が選択された場合に、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3は、次のように処理を実行してもよい。つまり、プライマリ処理機2は、客に帳票を投入させると共に当該帳票をプライマリ処理機2の中に取り込んで収納すると共に、プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機3へ客を案内する。客は、案内に従ってセカンダリ処理機3へ向かい、セカンダリ処理機3において、認証処理を行うことによって、前記の帳票の額に相当する現金を、セカンダリ処理機3に投入する。セカンダリ処理機3は当該現金を取り込んで収納すると共に、送金処理を行う。
【0078】
(プライマリ処理機の変形例)
図3(a)は、プライマリ処理機2の変形例を示している。このプライマリ処理機2は、
図1及び
図2のプライマリ処理機の変形例である。プライマリ処理機2は、タッチディスプレイ21、カードリーダ22、投入部23、識別部24、収納部25、投出部26、制御部27、及び、通信部28を備えている。このうち、通信部28は、プライマリ処理機2とセカンダリ処理機3との間で、有線通信又は無線通信を介して、情報の送受を行う。
【0079】
プライマリ処理機2とセカンダリ処理機3との間の通信機能が設けられていると、
図1の102に示すように、プライマリ処理機2から、セカンダリ処理機3へ客が案内される場合に、プライマリ処理機2は、既に取得した情報を、プライマリ処理機2からセカンダリ処理機3へ提供できる。プライマリ処理機2は、例えば客の情報、及び、客が選択した処理の情報を、セカンダリ処理機3へ提供してもよい。客が、セカンダリ処理機3において所定の認証操作を行えば、セカンダリ処理機3は、プライマリ処理機2から提供された情報を使って、処理を引き継ぐことができる。客は、セカンダリ処理機3において、改めて操作を行う必要がなくなる。
【0080】
図3(b)は、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3を含むシステムの変形例を示している。このシステムは、
図1のシステムの変形例である。システムは、管理装置5をさらに備えている。プライマリ処理機2、セカンダリ処理機3、及び、管理装置5は、それぞれネットワーク4につながっている。ネットワーク4は、広域及び/又は狭域のネットワークである。
【0081】
管理装置5は、プロセッサ、メモリ、及び、I/F回路を少なくとも備えている。プロセッサは、プログラムを実行する。メモリは、管理装置の動作のためのプログラム及びデータを格納する。メモリは、例えばRAM(Random Access Memory)及び/又はROM(Read Only Memory)である。I/F回路は、管理装置5における各機器間の電気信号の入出力、及び、管理装置5と管理装置5に接続された機器との間の電気信号の入出力を行う。
【0082】
管理装置5は、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3それぞれの情報を、ネットワーク4を通じて取得できる共に、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3のそれぞれへ、ネットワーク4を通じて情報を提供できる。管理装置5は、営業店舗1に設置される場合、及び、営業店舗1とは異なる場所に設置される場合がある。
【0083】
このシステムにおいても、プライマリ処理機2とセカンダリ処理機3との間の通信機能が設けられているため、
図1の102に示すように、プライマリ処理機2から、セカンダリ処理機3へ客が案内される場合に、プライマリ処理機2は、既に取得した情報を、プライマリ処理機2から、ネットワーク4及び管理装置5を介して、セカンダリ処理機3へ提供できる。客は、プライマリ処理機2からセカンダリ処理機3へ案内された後、セカンダリ処理機3において、改めて操作を行う必要がなくなる。たとえば、プライマリ処理機2において客のカード情報を取得している場合は、セカンダリ処理機3はプライマリ処理機2から客のカード情報を取得してもよい。これにより、客は重複した操作を行わなくてよいので店舗の業務効率が控除する。
【0084】
(システムの第2実施形態)
図4は、システムの第2実施形態を示している。このシステムは、
図1のシステムの変形例である。システムは、金融機関の営業店舗1に構築されている。システムは、プライマリ処理機2と、複数のセカンダリ処理機31-36とを備えている。
【0085】
図4の構成例では、複数のセカンダリ処理機31-36は、相互に種類が異なる。
図4の構成例において、セカンダリ処理機31はセルフ機、セカンダリ処理機32はATM、セカンダリ処理機33は(現金)入金機、セカンダリ処理機34は(現金)出金機、及び、セカンダリ処理機35は両替機である。セカンダリ処理機31-35は、営業店舗1のロビーに設置されている。また、セカンダリ処理機36は、営業店舗1の中に設けられた有人窓口15に設置されている。
【0086】
入金機は、例えば現金の入金処理のみを実行できる装置である。入金機は、単一の機能を有している。出金機は、例えば現金の出金処理のみを実行できる装置である。出金機は、単一の機能を有している。両替機は、例えば現金の両替処理のみを実行できる装置である。両替機は、単一の機能を有している。
【0087】
セカンダリ処理機36は、例えばセルフ機であって、金融機関の行員、つまり、係員が、客のセカンダリ処理機36の操作を、必要に応じて手助けする。客は、係員の補助を受けながら、有人窓口15に設置されたセカンダリ処理機36を利用できるため、処理をスムースに完了できる。係員が、客に代わって、セカンダリ処理機36を操作する場合もある。尚、セカンダリ処理機31-35は、基本的には、客が操作をする処理機である。
【0088】
プライマリ処理機2、各セカンダリ処理機31-36、及び、管理装置5は、ネットワーク4につながっている。管理装置5は、営業店舗1内に設置されたプライマリ処理機2、及び、各セカンダリ処理機31-36を管理する。
【0089】
次に、
図5のフローチャートを参照しながら、システムにおける処理手順を説明する。ここでは、理解を容易にするため、営業店舗1には、セルフ機であるセカンダリ処理機31、ATMであるセカンダリ処理機32、及び、有人窓口15に設置されたセカンダリ処理機36と、プライマリ処理機2とが設置されていると仮定する。プライマリ処理機2は、必要に応じて、ATM、セルフ機及び有人窓口15のセカンダリ処理機へ、客を案内する。また、
図5のフローチャートでは、プライマリ処理機2は、小切手を使った処理を実行可能であり、現金を扱う処理は実行できないとする。尚、プライマリ処理機2は、前述したように、小切手以外にも、帳票を使った処理を実行可能である。
【0090】
図5のフローチャートは、プライマリ処理機2の制御部27が実行する処理手順である。従って、
図5のフローチャートに含まれる判断ステップの主体は、プライマリ処理機2の制御部27である。先ず、ステップS1において、プライマリ処理機2は、客の認証処理を実行する。続くステップS2において、プライマリ処理機2は、客がタッチディスプレイ21を操作することに伴う客の要求の受付を行う。
【0091】
ステップS3においてプライマリ処理機2の制御部27は、入力された要求の処理に、小切手を使った処理があるか否かを判断する。ステップS3の判断がYESの場合、プロセスはステップS4に進む。ステップS3の判断がNOの場合、プロセスはステップS6に進む。
【0092】
ステップS4において、プライマリ処理機2は、客が入力した処理、つまり、小切手を使った処理を実行する。ここにおいて客は、処理対象の小切手を、プライマリ処理機2の投入部23に投入し、プライマリ処理機2は、投入された小切手を、装置の中に取り込んで収納部25に収納する。
【0093】
続くステップS5において、プライマリ処理機2の制御部27は、客が要求する処理の中に、現金を取り扱う処理があるか否かを判断する。処理がない場合、つまりNOの場合、プロセスは終了する。前述したように、小切手の換金処理であって、客の口座に入金する処理であれば、プロセスは終了する。
【0094】
一方、現金を取り扱う処理がある場合、つまり、ステップS5において、YESの場合、プロセスはステップS6へ移行する。前述したように、小切手の換金処理であって、現金を出金する処理であれば、プロセスはステップS6へ移行する。また、小切手の換金処理とは別の処理であって、現金を取り扱う第2の処理を客が要求する場合も、プロセスはステップS5からステップS6へ移行する。
【0095】
ステップS6において、プライマリ処理機2の制御部27は、ATMが、客が要求する処理を、実行可能か否かを判断する。ATMは、例えば帳票及び小切手を使わない処理であって、現金を取り扱う処理を実行可能である。ステップS6の判断がYESの場合、プロセスはステップS7へ移行する。
【0096】
ステップS7においてプライマリ処理機2は、タッチディスプレイ21に、ATMであるセカンダリ処理機32への案内を発報する。客は、タッチディスプレイ21の表示内容を見て、セカンダリ処理機32へ移動し、所望の処理を行う。
【0097】
前述した小切手の換金処理であって、現金を出金する処理であれば、プロセスはステップS6からステップS7へ移行する。客は、案内されたATMにおいて認証操作を行う。プライマリ処理機2からセカンダリ処理機32へ、小切手に関する情報を提供しておくことにより、ATMは現金を出金できる。客は、ATMが出金した現金を受け取ることができる。
【0098】
一方、ステップS6の判断がNOの場合、プロセスはステップS8へ移行する。
【0099】
ステップS8において、プライマリ処理機2の制御部27は、セルフ機が、客が要求する処理を、実行可能か否かを判断する。セルフ機は、例えば帳票及び小切手を使った処理を実行可能である。ステップS8の判断がYESの場合、プロセスはステップS9へ移行する。プライマリ処理機2は、タッチディスプレイ21に、セルフ機であるセカンダリ処理機31への案内を発報する。客は、タッチディスプレイ21の表示内容を見て、セカンダリ処理機31へ移動し、所望の処理を行う。ステップS8の判断がNOの場合、プロセスはステップS10へ移行する。
【0100】
ステップS10において、プライマリ処理機2は、タッチディスプレイ21に、有人窓口15に設置されたセカンダリ処理機36への案内を発報する。客は、タッチディスプレイ21の表示内容を見て、セカンダリ処理機36へ移動する。客は、係員の補助を受けながら、セカンダリ処理機36を使って、所望の処理を行う。
【0101】
尚、プライマリ処理機2は、ステップS4において処理を実行する際に、プライマリ処理機2へ取り込んだ小切手が正常であるか否かを判断してもよい。そして、小切手が正常である場合は、そのままプライマリ処理機2が処理を実行し、小切手が正常でない場合、プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機3、例えば有人窓口15に設置されたセカンダリ処理機36へ客を案内するようにしてもよい。
【0102】
尚、
図5のフローチャートのステップの順番は一例に過ぎない。ステップの順番は、可能な範囲で入れ替えてもよい。また、一部のステップは省略することもできる。
【0103】
図5のフローチャートは、小切手の換金処理であって、現金を出金する処理の場合、客は、プライマリ処理機2に小切手を投入し、その後、セカンダリ処理機3から現金を受け取る。つまり、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3が、一つの処理を分担して実行する。この手順に代えて、小切手の換金処理であって、現金を出金する処理の場合、プライマリ処理機2は、小切手を受け入れずに、セカンダリ処理機3へ客を案内してもよい。この場合、客は、セカンダリ処理機3に小切手を投入し、セカンダリ処理機3は小切手を中に取り込んで収納する。そして、当該セカンダリ処理機3は、小切手の額に対応する現金を払い出し、客はセカンダリ処理機3が出金した現金を受け取ることができる。この場合、客は、基本的には、セカンダリ処理機3を操作すればよいため、その操作が簡便になる。また、現金の取り扱いの有無に応じて、処理の実行が、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3に割り振られるため、金融機関における業務効率が向上する。
【0104】
尚、プライマリ処理機2及び/又はセカンダリ処理機3は、帳票を使った送金処理に関しても、前述した小切手を使った処理と同様に、帳票の使用の有無、及び、現金の取り扱いの有無に基づいて処理を実行できる。
【0105】
尚、
図5のフローチャートは、プライマリ処理機2の制御部27に代わって、管理装置5が実行する処理手順であってもよい。つまり、
図5のフローチャートに含まれる判断ステップの主体は、管理装置5であってもよい。
【0106】
例えば、客の要求する処理が、プライマリ処理機2において実行可能な第1処理、セカンダリ処理機31~35において実行可能な第1の第2処理、及び、有人窓口15のセカンダリ処理機36において実行可能な第2の第2処理である場合、管理装置5は、プライマリ処理機2において第1処理を実行させた後、第1の第2処理を実行するためのセカンダリ処理機31~35と、第2の第2処理を実行するためのセカンダリ処理機36と、のそれぞれを、プライマリ処理機2のタッチディスプレイ21を通じて、客に案内する。
【0107】
尚、客への案内は、プライマリ処理機2のタッチディスプレイ21を通じて行う以外に、客が、第1の第2処理を実行するためのセカンダリ処理機31~35を案内され、そのセカンダリ処理機において第1の第2処理が実行された後、当該セカンダリ処理機が、第2の第2処理を実行するためのセカンダリ処理機36を、改めて客に案内してもよい。管理装置5は、複数のセカンダリ処理機それぞれの稼働状況を判断することによって、客に、最適な順番で、セカンダリ処理機を案内できる。客の待ち時間が減ると共に、営業店舗1における業務効率の向上も図られる。
【0108】
さらに、管理装置5を介さずに、プライマリ処理機2とセカンダリ処理機3とが連携することによって、プライマリ処理機2及びセカンダリ処理機3が、客への案内の発報を行ってもよい。
【0109】
(システムの第3実施形態)
図6は、システムの第3実施形態を示している。このシステムは、
図1のシステムの変形例である。システムは、金融機関の営業店舗1に構築されている。システムは、プライマリ処理機2と、複数のセカンダリ処理機311、312、321、322とを備えている。複数のセカンダリ処理機311、312、321、322は、営業店舗1のロビーに設置されている。
【0110】
複数のセカンダリ処理機のうち、セカンダリ処理機311とセカンダリ処理機312とはセルフ機である。また、セカンダリ処理機321とセカンダリ処理機322とはATMである。このシステムには、同じ種類のセカンダリ処理機が、複数台、含まれている。尚、セカンダリ処理機36は、営業店舗1の中に設けられた有人窓口15に設置されている。
【0111】
プライマリ処理機2、各セカンダリ処理機311、312、321、322、36及び、管理装置5は、ネットワーク4につながっている。
【0112】
プライマリ処理機2の制御部27は、
図5のフローチャートに準じて制御を行う。
図5のフローのステップS6において、客の要求する処理がATMによって実行可能である場合、プライマリ処理機2の制御部27は、セカンダリ処理機321とセカンダリ処理機322とから選択したセカンダリ処理機へ、客を案内する。
【0113】
プライマリ処理機2は、予め決められている優先順位に基づいて、セカンダリ処理機321とセカンダリ処理機322とから選択したセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。
【0114】
プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機321の稼働状態とセカンダリ処理機322の稼働状態とに基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。稼働状態は、例えばセカンダリ処理機の在高であってもよい。つまり、現金を入金する処理が要求されている場合、プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機321の在高とセカンダリ処理機322の在高とを比較して、在高の少ないセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。また、現金を出金する処理が要求されている場合、プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機321の在高とセカンダリ処理機322の在高とを比較して、在高の多いセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。また、稼働状態は、例えばセカンダリ処理機の在高に替えセカンダリ処理機に収納された特定金種の枚数とすることもできる。特定金種はセカンダリ処理機が設置された地域で流通する紙幣のうち流通量が最も大きい金種であってもよい。入金処理が要求されている場合、特定金種の枚数が少ないセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。出金処理が要求されている場合、特定金種の枚数が大きいセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。
【0115】
また、稼働状態は、例えばセカンダリ処理機の処理件数であってもよい。つまり、複数のセカンダリ処理機の処理件数を均等化すべく、プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機321の処理件数とセカンダリ処理機322の処理件数とを比較して、処理件数の少ないセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。また、プライマリ処理機2は、処理件数に代えて処理時間に基づき、複数のセカンダリ処理機の処理時間が均等化するように、セカンダリ処理機を選択してもよい。
【0116】
プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機321の混雑状態とセカンダリ処理機322の混雑状態とに基づいて選択されたセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。
【0117】
混雑状況は、プライマリ処理機2の制御部27により判断できる。たとえば、各セカンダリ処理機が当該セカンダリ処理機の前に並んでいる客の数を検知できる人感センサを備える場合は、制御部27は、人感センサにより取得した情報に基づいて混雑状況を判断できる。
【0118】
また、たとえば、営業店舗1に当該営業店舗1の内部を撮像するカメラ(たとえば防犯カメラ)が設置されている場合は、制御部27は、カメラが撮像した画像を取得し、その画像を画像解析することにより混雑状況を判断できる。
【0119】
プライマリ処理機2は、セカンダリ処理機321の混雑状態とセカンダリ処理機322の混雑状態とを比較して、相対的にすいているセカンダリ処理機へ、客を案内してもよい。こうすることで、複数のセカンダリ処理機が、効率的に、処理を実行できる。
【0120】
尚、プライマリ処理機2に代わって、管理装置5が、
図5のフローチャートを実行してもよい点は、前記と同じである。
【0121】
(システムの第4実施形態)
図7は、システムの第4実施形態を示している。このシステムは、
図1のシステムの変形例である。システムは、金融機関の営業店舗1に構築されている。システムは、複数のプライマリ処理機201、202、203と、複数のセカンダリ処理機31、32、36とを備えている。
【0122】
複数のプライマリ処理機201、202、203は、営業店舗1のロビーに設置されている。複数のプライマリ処理機201、202、203は互いに同じ機能を有している。複数のプライマリ処理機201、202、203は、互いに独立して処理を実行する。複数のプライマリ処理機201、202、203はそれぞれ、前述したように、客の要求入力を受け付ける。前述したように、プライマリ処理機2は、相対的に安価な装置である。一つの営業店舗1に複数のプライマリ処理機201、202、203を設置しても、負担は小さい。複数のプライマリ処理機201、202、203が営業店舗1に設置されていれば、営業店舗1における業務効率が向上する。
【0123】
図7のシステムは、
図5のフローチャートに準じて制御される。このシステムでは、管理装置5が、
図5のフローチャートを実行してもよい。管理装置5は、複数のプライマリ処理機201、202、203のそれぞれと、複数のセカンダリ処理機31、32、36のそれぞれを、一括で制御できる。複数のプライマリ処理機201、202、203と、複数のセカンダリ処理機31、32、36とを含むシステムにおいて、管理装置5は、プライマリ処理機とセカンダリ処理機との連携を含む制御をスムースに実行できる。営業店舗1における業務効率の向上に有利である。
【0124】
尚、プライマリ処理機の数と、セカンダリ処理機の数とは、
図7のように同数である必要はない。プライマリ処理機の数を多くしてもよい。こうすることで、金融機関における業務効率の向上に有利になる。
【符号の説明】
【0125】
15 有人窓口
2 プライマリ処理機
201 プライマリ処理機
202 プライマリ処理機
203 プライマリ処理機
27 制御部
3 セカンダリ処理機
31 セカンダリ処理機
311 セカンダリ処理機
312 セカンダリ処理機
32 セカンダリ処理機
321 セカンダリ処理機
322 セカンダリ処理機
33 セカンダリ処理機
34 セカンダリ処理機
35 セカンダリ処理機
36 セカンダリ処理機
5 管理装置