(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127180
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220824BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025166
(22)【出願日】2021-02-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年1月1日 ▲1▼ウェブサイトのアドレス https://new-ordinary.jp/ ▲2▼開催日 令和3年1月21日 ▲2▼開催場所 愛知県ステーションAiマンスリーピッチで発表 ▲3▼開催日 令和3年1月28日 ▲3▼開催場所 東京海上日動主催SDGs勉強会で発表
(71)【出願人】
【識別番号】520173428
【氏名又は名称】株式会社New Ordinary
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】作井 孝至
(72)【発明者】
【氏名】和歌 汰樹
(72)【発明者】
【氏名】古賀 一徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 ユーザの嗜好に基づいた新たな提案ができる技術を提供する。
【解決手段】 本発明の方法は、第1のユーザ端末からSNS基本情報またはMaaS基本情報を含むユーザ情報と位置情報を取得し、SNS基本情報を基に、SNSアカウントからSNS投稿文字、画像、タグ、コメント、URLリンク、フォロー、フォロワー、共感または好きではない意志を示す機能がタグ付けされる内容の何れか1つ、またはMaaS基本情報を基にMaaSアカウントから交通手段選択情報、行動履歴、移動パターン、予約情報、決済情報、時間情報、移動手段使用率データの何れか1つ、を含むユーザ嗜好情報を取得し、ユーザ嗜好情報とアイテム情報からユーザの嗜好を分析し、分析した分析結果と位置情報を含む地図情報を出力する、ことを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ端末からSNS基本情報またはMaaS基本情報を含むユーザ情報と位置情報を取得し、
前記SNS基本情報を基にSNSアカウントからSNS投稿文字、画像、タグ、コメント、URLリンク、フォロー、フォロワー、共感または好きではない意志を示す機能がタグ付けされる内容の何れか1つ、または前記MaaS基本情報を基にMaaSアカウントから交通手段選択情報、行動履歴、移動パターン、予約情報、決済情報、時間情報、移動手段使用率データの何れか1つ、を含むユーザ嗜好情報を取得し、
前記ユーザ嗜好情報とアイテム情報からユーザの嗜好を分析し、
前記分析した分析結果と前記位置情報を含む地図情報を出力する、ことを含む方法。
【請求項2】
前記分析結果はさらに優先度化されることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置情報から周辺情報を取得することをさらに含み、
前記アイテム情報は前記周辺情報を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第2のユーザ端末から店舗情報を取得することをさらに含み、
前記アイテム情報は前記店舗情報を含む、請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記店舗情報はSNS基本情報を含み、SNSアカウントからリアルタイム情報を取得することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記分析結果と前記ユーザ情報を前記第2のユーザ端末に通知する、ことをさらに含む請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記分析結果が選択されると前記第2のユーザ端末に通知する、ことをさらに含む請求項4乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記アイテム情報はイベント情報を含む、請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記分析結果が選択されると経路を案内する、ことをさらに含む請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法を、
コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おすすめの目的地を提示して案内する方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが興味を持つと思われる情報を提案するレコメンダ技術が知られている。特許文献1においては、ユーザの訪問地にて将来開催されるイベントを、ユーザが訪問地を離れた後でも案内することができるため、ユーザは、将来開催されるイベントのために同一の目的地を再度訪れるか否かを検討することができる。特許文献2においては、ユーザの行動履歴やインターネットの検索履歴などから、ユーザの嗜好を推定して提案が行われることから、ユーザが好む他の行動を推定することができ、ユーザにとって有意な提案が行われる可能性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-138830号公報
【特許文献2】特開2020-181427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザの既訪問地や、行動履歴、インターネットの検索履歴などからユーザの嗜好を分析し目的地をレコメンドする場合、似通った目的地のみの提案になり、嗜好の新発見を促すような提案が難しい。本発明は、ユーザの嗜好に基づいた新たな提案ができる技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る方法は、第1のユーザ端末からSNS基本情報またはMaaS基本情報を含むユーザ情報と位置情報を取得し、SNS基本情報を基にSNSアカウントからSNS投稿文字、画像、タグ、コメント、URLリンク、フォロー、フォロワー、共感または好きではない意志を示す機能がタグ付けされる内容の何れか1つ、またはMaaS基本情報を基にMaaSアカウントから交通手段選択情報、行動履歴、移動パターン、予約情報、決済情報、時間情報、移動手段使用率データの何れか1つ、を含むユーザ嗜好情報を取得し、ユーザ嗜好情報とアイテム情報からユーザの嗜好を分析し、分析した分析結果と位置情報を含む地図情報を出力する、ことを含む。
【0006】
分析結果はさらに優先度化されることを含んでもよい。
【0007】
位置情報から周辺情報を取得することをさらに含み、アイテム情報は周辺情報を含んでもよい。
【0008】
第2のユーザ端末から店舗情報を取得することをさらに含み、アイテム情報は店舗情報を含んでもよい。
【0009】
店舗情報はSNS基本情報を含み、SNSアカウントからリアルタイム情報を取得することをさらに含んでもよい。
【0010】
分析結果とユーザ情報を第2のユーザ端末に通知する、ことをさらに含んでもよい。
【0011】
分析結果が選択されると第2のユーザ端末に通知する、ことをさらに含んでもよい。
【0012】
アイテム情報はイベント情報を含んでもよい。
【0013】
分析結果が選択されると経路を案内する、ことをさらに含んでもよい。
【0014】
アイテム情報は目的地が集約されたweb情報ページを含んでも良い。
【0015】
上記に記載の方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によると、ユーザの嗜好に基づいた新たな提案ができる。特に、ユーザの既訪問地や、行動履歴、インターネットの検索履歴などにとらわれない提案をするため、嗜好の新発見を促すような提案をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレコメンダシステムの概要を説明する図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサーバと携帯端末のハードウェア構成を説明する図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るプログラムの概要を説明する図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る方法を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る方法を説明するフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る方法を説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る方法を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るプログラムの流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0019】
[レコメンダシステムの構成]
発明の一実施形態に係るレコメンダシステム1の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るレコメンダシステム1の概要図である。レコメンダシステム1は、サーバ10と携帯端末20で構成される。また、サーバ10と携帯端末20とは、ネットワーク30を介して相互に接続されている。サーバ10と携帯端末20は複数であってもよい。また、サーバ10が複数ある場合、サーバ10同士は、ネットワーク30を介して相互に接続されていてもよい。
【0020】
サーバ10は、携帯端末20とデータの送受信を行う。サーバ10は、ユーザが興味を持つと思われる情報を提供するためのアプリケーションプログラムがインストールされた携帯端末20から、ユーザ情報を取得する。サーバ10は、ユーザ情報とアイテム情報に基づいてユーザの嗜好をAIで分析し、分析結果を携帯端末20に送信する。サーバ10は、携帯端末20との間のデータ及び処理要求などの送受信をAPI(Application Programming Interface)によって行う。
【0021】
携帯端末20は、例えば、スマートフォンなどの電子機器やウェアラブル端末などの移動電子端末である。
【0022】
[サーバのハードウェア構成]
図2(A)は、サーバのハードウェア構成100を示す図である。サーバ10は、制御部101、メモリ102、記憶部103、及び通信部104を備える。
【0023】
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や量子コンピュータ等であり、プログラムを実行する。制御部101は、例えば、記憶部103に記録されているプログラムを読み出し、メモリ102に展開して実行する。
【0024】
記憶部103は、例えば、不揮発性メモリやHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の恒久的な情報保持及び情報の書き換えが可能な記録装置である。記録媒体は、プログラム、及びプログラムの動作において必要となるパラメータ等の情報を格納する。サーバ10が複数ある場合、サーバ10は他のサーバ10と接続し、例えばデータベースとして用いてもよい。
【0025】
メモリ102は、例えば、揮発性メモリ等の一時的な情報保持に用いられる書き換え可能な記憶装置である。メモリ102は、記憶部103に記録されているプログラムの展開領域、及びプログラムの動作において出力された中間データ等を記憶する格納領域として用いられる。
【0026】
通信部104は、通信インターフェースである。本実施形態では、サーバ10は通信部104を介することで、ネットワーク30を経由して携帯端末20と接続し、携帯端末20との間でデータの送受信を行う。サーバ10が複数ある場合、サーバ10は通信部104を介することで、ネットワーク30を経由して他のサーバ10と接続し、データの送受信を行ってもよい。
【0027】
[携帯端末のハードウェア構成]
図2(B)は、携帯端末20のハードウェア構成200を示す図である。携帯端末20は、制御部201、メモリ202、記憶部203、通信部204、表示部205、及び操作部206を備える。
【0028】
制御部201は、例えば、CPUや量子コンピュータ等であり、プログラムを実行する。制御部201は、例えば、記憶部203に記録されているプログラムを読み出し、メモリ202に展開して実行する。通信部204は、サーバ10とデータの送受信を行う。
【0029】
表示部205は、液晶ディスプレイ又はELディスプレイやプロジェクタ等である。操作部206は、操作キーやボタンなどであってもよく、操作キーやボタンに代えて、ディスプレイのタッチ座標を検知することが可能なタッチセンサや、音声操作、画像認識でもよい。操作部206がタッチセンサである場合、入力操作は例えば、タッチセンサとプログラムとにより制御されるソフトウェアキー等とにより実現される。操作部206が画像認識である場合、入力操作は例えば、ジェスチャーや手話をカメラの画像認識により判別し、操作、指示することにより実現される。
【0030】
[プログラム構成]
図3は、サーバ10および携帯端末20のプログラム構成を示す図である。
【0031】
サーバ10において、ユーザが興味を持つと思われる情報を提供するためのプログラムは、入力部11と、AI部12と、出力部13とを備える。
【0032】
入力部11は、ユーザの携帯端末20から、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、例えば、ユーザプロファイルを含んでもよい。ユーザプロファイルとしては、例えば、ユーザが携帯端末20に入力するアプリケーション内初期設定であり、性別、年齢、住所、職業、初期嗜好情報、決済登録等などであってもよい。初期嗜好情報とは、例えば、ナッジ初期設定情報であってもよく、ナッジにおいてユーザ自身が行動選択の初期設定をできることであり、ユーザはその設定を適宜変更できてもよい。
【0033】
ユーザ情報は、さらに、ユーザ嗜好情報を含んでもよい。ユーザ嗜好情報は、SNS基本情報、MaaS基本情報、行動履歴(閲覧履歴)、ネット情報、未来の情報、音情報、音楽アプリ情報、生体情報、他者からのお勧め情報などであってもよい。SNS基本情報およびMaaS基本情報は、SNSまたはMaaSのID連携に必要な情報であってもよく、SNS、MaaSのアカウントから得られる情報であってもよい。SNSのアカウントから得られるユーザ嗜好情報とは、例えば、SNS投稿文字、画像、タグ、コメント、URLリンクなどであってもよく、フォロー、フォロワー、共感または好きではない等の意志を示す機能などがタグ付けされる内容であってもよい。MaaSのアカウントから得られるユーザ嗜好情報とは、例えば、ユーザの交通手段選択情報、行動履歴、移動パターン、予約情報、決済情報と、時間情報および移動手段使用率データなどであってもよい。行動履歴としてしては、例えば、位置情報、GPS履歴、ナビ検索ワード、閲覧履歴(行動に至る前に、ユーザが興味を持って閲覧したアイテム情報、時間など)、とそれらの時間帯情報などであってもよい。ネット情報としてしては、例えば、ユーザのネット検索履歴、SNS投稿文字および画像や音声とそれらの時間帯、カレンダー情報、天候情報などであってもよい。未来の情報としてしては、例えば、ユーザの行きたいとこリスト(お気に入り)などであってもよい。音情報としてしては、例えば、ユーザの音声や周囲の環境音や音楽から読み取る感情、場所、状況の情報などであってもよい。例えば言語障害者が音情報を利用する場合、自身は発話できなくても、周囲の人の会話や環境音を入力情報として利用することができる。音楽アプリ情報としてしては、例えば、音楽アプリの履歴などであってもよい。生体情報としてしては、例えば、携帯端末20に入力される体温、心拍数、歩数、ストレス値、睡眠時間などであってもよい。他者からのお勧め情報としては、例えば、フォローしている人や店舗、会社などからのお勧め情報であってもよい。同行者がいる場合、入力部11はさらに、同行者のユーザ情報を取得してもよい。入力部11は、取得したユーザ情報をAI部12に送信する。
【0034】
入力部11は、さらにアイテム情報を取得する。アイテム情報は、例えば、店舗、施設情報、モノの情報、イベント情報を含んでもよい。アイテム情報は、定期的にインターネットサイトから取得してもよく、例えば、周辺情報、観光情報、イベント情報、目的地が集約されたweb情報ページであってもよい。店舗、施設情報としては、例えば、店舗、施設などの携帯端末20から入力するアプリケーション内初期設定であり、カテゴリ、場所、営業時間、SNS基本情報などであってもよい。SNS基本情報は、店舗、施設などのSNSのID連携に必要な情報であってもよく、SNSのアカウントから得られる情報であってもよい。モノの情報、イベント情報としては、例えば、店舗、施設などの携帯端末20から登録・発信するイベント情報、出来立て商品の情報、割引情報などのリアルタイム情報であってもよい。リアルタイム情報は、店舗、施設などのSNSサイトで発信された情報を抽出してもよい。アイテム情報としてはまた、ユーザのMaaSサイトから得られる店舗、施設情報、モノの情報、イベント情報であってもよい。また、アイテム情報としては、SNS、MaaSアプリケーションなどのサーバと連携することで、SNS、MaaSサイトで発信された店舗、施設情報、モノの情報、イベント情報を抽出してもよい。
【0035】
AI部12は、入力部11が取得したユーザ情報とアイテム情報からユーザの嗜好をAIで分析する。ユーザ情報として、例えば、SNSアカウントから得られるSNS投稿文字および画像を用いることで、ユーザの行動履歴などにとらわれない嗜好情報の抽出が可能となり、嗜好情報の精度が向上する。また、ネガティブな情報の抽出も可能となり、嗜好情報のフィルターとして用いることができる。ユーザ情報として、例えば、MaaSアカウントから得られる交通手段選択情報、行動履歴、移動パターン、予約情報、決済情報と、時間情報および移動手段使用率データなどを用いることで、ユーザの生活習慣や予定などに合わせた嗜好情報の抽出が可能となり、嗜好情報の精度が向上する。アイテム情報として、例えば、リアルタイム情報を用いることで、リアルタイムな情報を提案することができる。
【0036】
出力部13は、AI部12が分析した分析結果をユーザの携帯端末20に出力する。分析結果は、例えば、静的な目的地、動的な目的地、ネット情報などであってもよい。静的な目的地としてしては、例えば、店舗情報などであってもよい。動的な目的地としてしては、例えば、非定常型イベントなどであってもよく、美術館展示情報、休日イベント情報などであってもよい。ネット情報としてしては、例えば、イベント情報サイトに掲載されるイベント情報などであってもよい。これらの分析結果は、場所を示す位置情報と開催・開店時間を示す時間情報を含んでもよい。
【0037】
これらの分析結果は、さらにユーザの嗜好に合うものを優先度化してもよい。優先度化とは例えば、ノイズ除去、ランク化などであってもよい。ノイズ除去とは、例えば、ユーザの嗜好に合わないもの、ユーザーが現在置かれているコンテクストに合わないものを除去してもよい。ランク化とは、例えば、ユーザの嗜好に近いものをランク付けしてもよく、さらにランク上位のみを表示してもよい。分析結果は、さらにユーザの顧客層別にしてもよい。顧客層とは例えば、年代、性別、趣味嗜好などの区分であってもよい。趣味嗜好の区分は、その時々によって変化する情報の区分であり、その時のユーザの嗜好により合う分析結果を提供することができる。
【0038】
一方で、出力部13は、AI部12が分析した分析結果をユーザ情報、時間情報、位置情報などと共に、店舗、施設の携帯端末20に出力してもよい。AI部12が分析した分析結果、ユーザ情報、時間情報、位置情報などを店舗、施設の携帯端末20に出力することで、店舗、施設などに嗜好情報が合うユーザを提案することができる。店舗、施設などは、嗜好情報が合うユーザの情報を得ることで、いつどのような情報を誰に提案すればよいかがわかる。さらに、顧客の嗜好に合うさらなる提案を送ることができ、ユーザの嗜好と店舗、施設などの提案をすり合わせることができ、ユーザの嗜好により合う分析結果を提供することができる。
【0039】
携帯端末20において、ユーザが興味を持つと思われる情報を提供するためのプログラムは、提供部21と、入力部22と、出力部23とを備える。しかしながらこれに限定されず、携帯端末20も、AI部を備えることもある。また、携帯端末20は、前述の入力部11と、AI部12と、出力部13とを備えてもよい。この場合、サーバ10はなくてもよい。
【0040】
提供部21は、携帯端末20の表示部205に、AI部12が分析した分析結果を含む地図情報や空間情報を提供する。例えば、VR/AR等の端末である場合、複数の次元における空間情報の中で提供されてもよい。地図情報は、移動手段を設定することで現在位置から分析結果への所要時間を含んでもよい。分析結果を含む地図情報は、例えば、現在地周辺目的地、旅行プラン、寄り道目的地、未来の目的地、店舗からの提案を含んでもよい。寄り道目的地とは、例えば、ユーザの移動経路の途中で寄り道ができるおすすめの目的地を提案してもよい。寄り道目的地とは、渋滞、行き先店舗の混雑情報などを踏まえた渋滞、混雑回避のための空いている時間を考慮した寄り道目的地を提案してもよい。未来の目的地とは、例えば、美術展示、マルシェ、広場などでの非定常イベントに行動予約ができるよう提案してもよい。広場は、公園や施設内の空きスペースや駐車場でも良い。店舗からの提案とは、例えば、広告、セール情報、商品入荷情報、ゲスト情報などを含むイベント情報、混雑情報などを提案してもよく、これらの情報は店舗のSNSやユーザ間のSNSと連動していてもよい。ユーザ間のSNSと連動することで、SNSを活用していない店舗等においてもより多くの情報を提案することができる。店舗からの提案としてSNSを連動することで、狙った顧客に通知を送ることができ、またリアルタイムな情報を提案することができる。リアルタイムな情報は、時間情報や所要時間、混雑情報、在庫情報などを踏まえてより効率的な順番で目的地を提案することができる。例えば、在庫数が多い場合や消費期限が近い場合は、より積極的に提案をすることでフードロス対策に寄与することができる。
【0041】
入力部22は、AI部12が分析した分析結果をユーザが確認および選択するためのソフトウェアキーボード、タッチパネル、マイク、カメラ、ARグラス、各種センサー(光、温度、湿度、加速度、ジャイロ、圧力、振動、距離)等である。ユーザは、AI部12が分析した分析結果から目的地を確認および選択することができる。ユーザが確認および選択したことは、ユーザの同意の上で店舗に通知してもよい。ユーザが確認および選択したことを店舗に通知することで、店舗側はどんな顧客が何に興味があるのか分かり、ユーザは自身の趣味嗜好を店舗側へ伝えることができる。
【0042】
出力部23は、携帯端末20の表示部205に、ユーザが入力部22で入力した目的地を含む地図情報を提供する。地図情報は、現在位置から目的地への経路案内を含んでもよく、移動手段を設定することで所要時間を含むこともできる。現在位置から目的地への経路案内は複数あってもよく、混雑情報や所要時間と組み合わせて提供してもよい。また、ユーザが選択した分析結果が未来の目的地である場合、ユーザが行動予約をすることで、未来のイベント開催日時にナビが自動的に開始するように設定することもできる。カレンダーと連携することで、未来の目的地は、カレンダーに自動で予約を設定することもできる。ユーザの行動予約は店舗に通知してもよい。ユーザの行動予約を店舗に通知することで、店舗側はどんな顧客が来るのか予め分かることから、マーケティングの正確性を向上することができる。
【0043】
[おすすめの目的地を提示する方法]
次に、本発明の一実施形態に係るおすすめの目的地を提示する方法について、
図4を参照して説明する。サーバ10は、それぞれの処理を制御部101によって実行させる。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態に係る方法の一連の処理の流れを説明するフローチャートである。まず、サーバ10の入力部11は、携帯端末20の記憶部203からユーザ情報(システムにログインしたユーザの初期嗜好情報を含むユーザプロファイル)を取得する(ステップS401)。しかしながらこれに限定されず、ユーザはシステムにログインしない状態でも、アプリケーション起動時に初期嗜好情報を入力してもよい。また、サーバ10の入力部11は、携帯端末20から現在位置を取得する(ステップS402)。
【0045】
サーバ10の入力部11は、ステップS402で得られた現在位置の情報を基にインターネットサイトから周辺情報を取得する(ステップS403)。
【0046】
サーバ10のAI部12は、ステップS403で取得した周辺情報からユーザの嗜好にあった情報を推薦する(ステップS404)。例えば、パン屋が好き、絵画が好き、自然を感じる海や山が好きなどの初期嗜好情報から、それらに合った店や地点を推薦する
【0047】
次にサーバ10の入力部11は、携帯端末20からユーザの行動履歴を取得する(ステップS405)。また、サーバ10の入力部11は、携帯端末20の記憶部203からユーザのお気に入り(ユーザ嗜好情報)を取得する(ステップS406)。
【0048】
サーバ10のAI部12は、ステップS405で取得したユーザ行動履歴およびステップS406で取得したお気に入りとアイテム情報からユーザの嗜好を分析する(ステップS407)。
【0049】
サーバ10の出力部13は、ステップS407で得た分析結果を優先度化してランク上位のみ(Top-N Shop for user)を抽出してもよい(ステップS408)。
【0050】
さらに同行者がいる場合、ステップS401からステップS407にて、同行者の携帯端末20から得たユーザ情報を用いて同行者の嗜好を分析してもよい。サーバ10の出力部13は、ステップS408で得た分析結果のランク付けを同行者の分析結果で最適化してもよい(ステップS409)。最適化はさらに、施設・店舗、同行者、グループ、資金の条件によって分析結果を絞り込んでもよい。施設・店舗の条件とは、例えば、カテゴリ、年齢制限、時間制限、場所、言語、利用可能人数などの条件であってもよい。同行者の条件とは、例えば、体質(アレルギー)、障害、宗教、食文化(ビーガン、ベジタリアン、ハラールなど)価値観などであってもよい。グループの条件とは、例えば、人数、移動手段などであってもよい。資金の条件とは、例えば、利用可能な資金上限などであってもよい。
【0051】
サーバ10の出力部13は、ユーザの嗜好にあったナッジUI(User Interface)を生成してもよい。ナッジUIとしては、例えば、パーソナルタイプ別のUIであってもよく、パーソナルタイプが効率重視タイプであれば時間効率を強調してもよく、文章嗜好タイプであれば心地よい文章であってもよく、ビジュアル嗜好タイプであれば見栄えの良い画像・動画であってもよく、心配性タイプであれば早めの予約を促してもよく、貢献タイプであれば貢献心を促してもよく、健康志向タイプであればカロリー表示を強調してもよく、音声嗜好タイプであればボイスUIであってもよい。
【0052】
サーバ10の出力部13は、ステップS407~S409で得た分析結果(最適推薦情報)を含む地図情報をS410で生成したナッジUIを用いて携帯端末20に提供する。(ステップS411)。
【0053】
さらに、サーバ10の入力部11は、定期的にインターネットサイトからアイテム情報を収集してもよい(ステップS412)。アイテム情報は、例えば、目的地が集約されたweb情報ページなどであってもよい。サーバ10の入力部11は、ステップS412で得たアイテム情報からユーザの嗜好との類似度を算出してもよい(ステップS413)。サーバ10の入力部11は、ステップS412で得たアイテム情報と、ステップS413で得たユーザの嗜好との類似度からアイテム情報を優先度化してランク上位のみ(Top-N Shop for shop)を抽出してもよい(ステップS414)。ステップS414で得られた優先度化したアイテム情報はステップS408に提供することで、ユーザの分析結果の優先度化に用いてもよい。
【0054】
[SNS基本情報またはMaaS基本情報を用いてユーザの嗜好を分析する方法]
次に、ユーザ情報としてSNS基本情報またはMaaS基本情報を用いてユーザの嗜好を分析する方法について詳細に説明する。
図5は、SNS基本情報またはMaaS基本情報を用いてユーザの嗜好を分析する方法を説明するフローチャートである。まず、ユーザは携帯端末20(第1のユーザ端末)のアプリケーションプログラム上でSNSまたはMaaSのID連携設定を行う(ステップS501)。SNSとしては例えば、Instagram(インスタグラム)、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)などが挙げられる。MaaSとしては例えば、Whim(ウィム)、moovel(ムーベル)、my route(マイルート)などが挙げられる。しかしながらこれに限定されず、例えば、Spotify、Apple Music、Amazon Musicなどの音楽配信サービスのID連携設定を行ってもよく、Yahoo!、Google、Amazon、PodcastサービスなどのアカウントのID連携設定を行ってもよい。
【0055】
次に、サーバ10の入力部11は、ステップS501で設定されたSNSまたはMaaSのID情報を基にSNSまたはMaaSのアカウントからユーザ嗜好情報を取得する(ステップS502)。SNSのアカウントから得られるユーザ嗜好情報とは、例えば、SNS投稿文字、画像、タグ、コメント、URLリンクなどであってもよく、フォロー、フォロワー、共感または好きではない等の意志を示す機能などがタグ付けされる内容であってもよい。MaaSのアカウントから得られるユーザ嗜好情報とは、例えば、ユーザの交通手段選択情報、行動履歴、移動パターン、予約情報、決済情報と、時間情報および移動手段使用率データなどであってもよい。
【0056】
サーバ10のAI部12は、ステップS502で取得したユーザ嗜好情報とアイテム情報からユーザの嗜好を分析する(ステップS503)。これらの分析結果は、場所を示す位置情報、時間を示す時間情報などをさらに含んでもよい。
【0057】
サーバ10の出力部13は、ステップS503で得た分析結果を時系列化して順位付けてもよい(ステップS504)。過去のユーザ嗜好情報を蓄積してもよい。
【0058】
サーバ10の出力部13は、ステップS503、S504で得た分析結果を優先度化(ランク付け)して、を含む地図情報とともに携帯端末20に提供する。(ステップS505)。
【0059】
[非定常イベントを提案する方法]
次に、非定常イベントを提案する方法について詳細に説明する。
図6は、非定常イベントを提案する方法を説明するフローチャートである。まず、店舗は携帯端末20(第2のユーザ端末)のアプリケーションプログラム上で店舗の基本情報を登録する(ステップS601)。店舗の基本情報としては、例えば、カテゴリなどが挙げられる。
【0060】
次に、店舗は携帯端末20のアプリケーションプログラム上でイベント情報の登録をする(ステップS602)。イベント情報としては、例えば、イベント名称、場所、時間、カテゴリなどが挙げられる。
【0061】
サーバ10の入力部11は、ステップS602で登録されたイベント情報を取得し、インターネットサイトに公開・告知する(ステップS603)。
【0062】
サーバ10のAI部12は、ステップS407、S503で取得したユーザの嗜好の分析結果から嗜好対象ユーザを絞り込む(ステップS604)。
【0063】
サーバ10の出力部13は、ステップS604で絞り込んだ対象ユーザにイベント情報を通知する(ステップS605)。イベント情報とは、例えば、ステップS602で登録されたイベント情報であってもよく、また直近のイベント画像であってもよい。さらに、サーバ10の出力部13は、ステップS604で絞り込んだ対象ユーザの情報を、イベント情報を登録した店舗の携帯端末20に通知してもよい。対象ユーザの情報を、店舗に通知することで、店舗側はいつどのような情報を誰に提案すればよいかがわかる。
【0064】
ユーザはステップS604で受け取ったイベント情報の通知から、行動予約をする(ステップS606)。ユーザの行動予約情報は、店舗の携帯端末20に通知してもよい。ユーザの行動予約を店舗に通知することで、店舗側はどんな顧客が来るのか予め分かることから、マーケティングの正確性を向上することができる。イベント情報の通知には割引クーポンなどが添付されていてもよく、ユーザはイベント情報の通知から、割引クーポンなどを取得してもよい(ステップS607)。
【0065】
サーバ10の出力部13は、ユーザがステップS606で行った行動予約に対して行動リマインドを含む地図情報を携帯端末20に提供する。(ステップS608)。
【0066】
サーバ10の入力部11は、携帯端末20から、ユーザのイベント利用の実績を収集してもよい(ステップS609)。このとき、イベント利用の実績とともにポイント(各種の商品・役務の購入金額あるいは来店回数等に応じて、一定の条件で計算された点数)などの利用の実績も収集してもよい。
【0067】
サーバ10の入力部11は、ユーザの行動履歴と店舗実績情報を更新してもよい(ステップS610)。
【0068】
[リアルタイムな情報を提案する方法]
次に、リアルタイムな情報を提案する方法について詳細に説明する。
図7は、リアルタイムな情報を提案する方法を説明するフローチャートである。まず、店舗、施設は携帯端末20のアプリケーションプログラム上で店舗、施設の基本情報を登録する(ステップS701)。店舗の基本情報としては、例えば、カテゴリ、場所、営業時間などが挙げられる。
【0069】
次に、店舗、施設は携帯端末20のアプリケーションプログラム上でリアルタイム情報の登録・発信する(ステップS702)。リアルタイム情報としては、例えば、イベント、出来立て商品の情報、割引情報などが挙げられる。
【0070】
サーバ10の入力部11は、登録された店舗、施設の基本情報とリアルタイム情報を取得する(ステップS703)。
【0071】
ユーザは携帯端末20のアプリケーションプログラム上で自身(端末)の位置情報を設定する(ステップS704)。
【0072】
サーバ10の入力部11は、設定されたユーザの位置情報を取得する(ステップS705)。
【0073】
サーバ10のAI部12は、ステップS703で取得した店舗、施設の基本情報とS705で取得したユーザの位置情報、ステップS703で取得したリアルタイム情報からステップS407、S503で取得したユーザの嗜好にあった情報を分析する(ステップS706)。
【0074】
サーバ10の出力部13は、ステップS706で絞り込んだリアルタイム情報を対象ユーザに通知する(ステップS707)。
【0075】
[プログラムの概要]
次に、本発明の一実施形態に係るプログラムの概要について、
図8を参照して説明する。
【0076】
図8は、本発明の一実施形態に係るプログラムの流れを説明するフローチャートである。まず、ユーザは、携帯端末20(第1のユーザ端末)にアプリケーションプログラムをダウンロードする(ステップS801)。しかしながらこれに限定されず、例えばSaaS(Software as a SERVICE)である場合、ステップS801はなくてもよい。ユーザは携帯端末20のアプリケーションプログラム上で、顧客アカウントの登録(ステップS802)、位置情報の提供を承認(ステップS803)、SNSまたはMaaSのID連携の登録(ステップS804)、初期嗜好情報の登録(ステップS805)を行う。
【0077】
次にユーザは、地図画面を表示(ステップS806)して、行き先を選択(ステップS807)する。ユーザが行き先を選択すると、地図画面には現在位置、目的地、および現在位置から目的地への経路上の寄り道情報が表示される。ユーザは寄り道(複数の行き先を選択)するかどうかを検討し、寄り道する場合、他の行き先を選択する(ステップS808)。寄り道情報は、ユーザの予定する行き先の前であってもよく、後であってもよい。このため、ユーザの予定する行き先には時間情報を紐づけてもよい。ユーザの予定する行き先に時間情報を紐づけすることで、寄り道情報の時間と所要時間をうまく組み合わせることができ、ユーザにとってより有効な提案をすることができる。
【0078】
ユーザは、すべての行き先が決まった時点でルートを決定する(ステップS809)。プログラムはナビゲーション画面へ遷移(ステップS810)し、ステップS809で決定したルートに従ってナビゲーションを提供する。ナビゲーション画面はアプリケーションプログラムから提供されてもよいし、他のナビゲーション画面(例えばグーグルマップのルート案内)を利用してもよい。
【0079】
一方で店舗は、まず、携帯端末20(第2のユーザ端末)にアプリケーションプログラムをダウンロードする(ステップS811)。店舗は携帯端末20のアプリケーションプログラム上で、店舗アカウントの登録(ステップS812)、位置情報の提供を承認(ステップS813)、SNSのID連携の登録(ステップS814)、を行う。
【0080】
店舗は、SNSサイトから情報を発信してもよい。アプリケーションプログラムは、SNSサイトで発信された情報を抽出し、位置情報と紐づけてもよい。SNSサイトで発信された情報は店舗基本情報とともに、ユーザの携帯端末20の地図画面に寄り道情報として表示されてもよい。店舗からの提案として位置情報にSNSを連動することで、趣味嗜好に合った顧客に通知を送ることができ、またリアルタイムに情報を提案することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…レコメンダシステム、10…サーバ、11…入力部、12…AI部、13…出力部、20…携帯端末、21…提供部、22…入力部、23…出力部、30…ネットワーク