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特開2022-127227搬送業務支援システム、搬送業務支援システム用の車載器および搬送業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127227
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】搬送業務支援システム、搬送業務支援システム用の車載器および搬送業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20220824BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220824BHJP
【FI】
G06Q50/30
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025250
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】土屋 幸一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的な搬送業務の支援を行うことが可能な搬送業務支援システムを提供する。
【解決手段】搬送業務支援システムにおいて、搬送業務を行う車両(タクシー)の車載器(タクシーメータ)TM1は、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成部(152)と、車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集部(153)と、稼働情報および稼働実績情報を格納する情報格納部(161)と、搬送業務を行う営業エリアの地図データを格納する地図データ格納部(162)と、搬送業務支援情報を表示する表示部(16)を有する。運行管理サーバ(SA1)は、現時点における顧客需要情報を算出する顧客需要情報算出部(410)と、顧客需要情報を地図データに重畳した搬送業務支援情報を生成する搬送業務支援情報生成部(411)と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送業務を行う車両について、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成部と、
前記車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集部と、
前記稼働情報および前記稼働実績情報を格納する情報格納部と、
前記車両が搬送業務を行う営業エリアの地図データを格納する地図データ格納部と、
前記稼働情報、前記稼働実績情報および前記地図データに基づいて、現時点における顧客需要情報を算出する顧客需要情報算出部と、
前記顧客需要情報を前記地図データに重畳した搬送業務支援情報を生成する搬送業務支援情報生成部と、
前記車両に搭載され、前記搬送業務支援情報を表示する表示部を有する車載器と、
を備える搬送業務支援システム。
【請求項2】
前記車両の運行を管理する外部装置としての運行管理サーバと、
該運行管理サーバに対して前記稼働情報および前記稼働実績情報を送信する送信部と、
を備え、
前記顧客需要情報算出部および前記搬送業務支援情報生成部は、前記運行管理サーバが備え、
前記車載器は、前記運行管理サーバから前記搬送業務支援情報を受信する通信部を備える請求項1に記載の搬送業務支援システム。
【請求項3】
前記運行管理サーバは、前記車載器、前記車両の管理者が所有する情報処理装置および前記車両の乗務員が所持する情報端末に対して前記搬送業務支援情報を配信する配信部を備える請求項2に記載の搬送業務支援システム。
【請求項4】
前記搬送業務支援情報は、前記車両がタクシーである場合の客待ち時間を分析した分析データを含む請求項1から請求項3の何れか1項に記載の搬送業務支援システム。
【請求項5】
前記表示部には、前記車両の現在地から最も近く待ち時間が少ない場所の情報、または搬送距離が長い顧客の情報を強調表示する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の搬送業務支援システム。
【請求項6】
前記稼働実績情報は、前記車両の空車情報、位置情報、時刻情報、天気情報、待ち時間に関する情報に基づいて選定される請求項1から請求項5の何れか1項に記載の搬送業務支援システム。
【請求項7】
搬送業務支援システム用の車載器であって、
該車載器を搭載した車両について、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成部と、
前記車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集部と、
前記稼働情報および前記稼働実績情報を格納する情報格納部と、
前記車両が搬送業務を行う営業エリアの地図データを格納する地図データ格納部と、
前記車両の運行を管理する外部装置としての運行管理サーバに対して前記稼働情報および前記稼働実績情報を送信する送信部と、
顧客需要情報を前記地図データに重畳した搬送業務支援情報を前記運行管理サーバから受信する受信部と、
前記搬送業務支援情報を表示する表示部と、
を備える搬送業務支援システム用の車載器。
【請求項8】
前記搬送業務支援情報は、前記車両がタクシーである場合の客待ち時間を分析した分析データを含む請求項7に記載の搬送業務支援システム用の車載器。
【請求項9】
搬送業務支援システムで実行され、
搬送業務を行う車両について、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成過程と、
前記車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集過程と、
前記稼働情報および前記稼働実績情報を格納する情報格納過程と、
前記稼働情報、前記稼働実績情報および前記車両が搬送業務を行う営業エリアの地図データに基づいて、現時点における顧客需要情報を算出する顧客需要情報算出過程と、
前記顧客需要情報を前記地図データに重畳した搬送業務支援情報を生成する搬送業務支援情報生成過程と、
前記搬送業務支援情報を表示部に表示させる表示制御過程と、
を有する搬送業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシー等の営業などに適用される搬送業務支援システム、搬送業務支援システム用の車載器および搬送業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タクシーの配車などの搬送業務を管理する技術は種々提案されている(特許文献1)。
【0003】
ところで、タクシーの営業(搬送業務)が一旦終了した際に、次に何れの場所に向かうと効率的に搬送業務を行うことができるかについては、各乗務員が経験上蓄積したノウハウ、或いはタクシー会社等からの無線による情報などで判断していた。
【0004】
そのため、例えば、ノウハウに乏しい新人の乗務員などは、有効な判断材料が少ないため、主要駅など乗車客が集まる場所に向かう(所謂、駅待ち)ことが多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-162297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、駅などで何台のタクシーが待って居て、客を乗せるまでの待ち時間がどれ程になるか等については、現場まで行ってみないと分からない場合が多く、効率的な搬送業務の実践が難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、効率的な搬送業務の支援を行うことが可能な搬送業務支援システム、搬送業務支援システム用の車載器および搬送業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様に係る搬送業務支援システムは、搬送業務を行う車両について、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成部と、前記車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集部と、前記稼働情報および前記稼働実績情報を格納する情報格納部と、前記車両が搬送業務を行う営業エリアの地図データを格納する地図データ格納部と、前記稼働情報、前記稼働実績情報および前記地図データに基づいて、現時点における顧客需要情報を算出する顧客需要情報算出部と、前記顧客需要情報を前記地図データに重畳した搬送業務支援情報を生成する搬送業務支援情報生成部と、前記車両に搭載され、前記搬送業務支援情報を表示する表示部を有する車載器と、を備える。
【0009】
前記車両の運行を管理する外部装置としての運行管理サーバと、該運行管理サーバに対して前記稼働情報および前記稼働実績情報を送信する送信部と、を備え、前記顧客需要情報算出部および前記搬送業務支援情報生成部は、前記運行管理サーバが備え、前記車載器は、前記運行管理サーバから前記搬送業務支援情報を受信する通信部を備えることが好ましい。
【0010】
前記運行管理サーバは、前記車載器、前記車両の管理者が所有する情報処理装置および前記車両の乗務員が所持する情報端末に対して前記搬送業務支援情報を配信する配信部を備えることが好ましい。
前記搬送業務支援情報は、前記車両がタクシーである場合の客待ち時間を分析した分析データを含むことが好ましい。
前記表示部には、前記車両の現在地から最も近く待ち時間が少ない場所の情報、または搬送距離が長い顧客の情報を強調表示することが好ましい。
前記稼働実績情報は、前記車両の空車情報、位置情報、時刻情報、天気情報、待ち時間に関する情報に基づいて選定されることが好ましい。
【0011】
本発明の他の態様に係る搬送業務支援システム用の車載器は、該車載器を搭載した車両について、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成部と、前記車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集部と、前記稼働情報および前記稼働実績情報を格納する情報格納部と、前記車両が搬送業務を行う営業エリアの地図データを格納する地図データ格納部と、前記車両の運行を管理する外部装置としての運行管理サーバに対して前記稼働情報および前記稼働実績情報を送信する送信部と、前記顧客需要情報を前記地図データに重畳した搬送業務支援情報を前記運行管理サーバから受信する受信部と、前記搬送業務支援情報を表示する表示部と、を備える。
前記搬送業務支援情報は、前記車両がタクシーである場合の客待ち時間を分析した分析データを含むことが好ましい。
【0012】
本発明の他の態様に係る搬送業務支援プログラムは、搬送業務支援システムで実行され、搬送業務を行う車両について、現時点における稼働情報を定期的に更新して生成する稼働情報生成過程と、前記車両についての稼働実績情報を収集する稼働実績情報収集過程と、前記稼働情報および前記稼働実績情報を格納する情報格納過程と、前記稼働情報、前記稼働実績情報および前記車両が搬送業務を行う営業エリアの地図データに基づいて、現時点における顧客需要情報を算出する顧客需要情報算出過程と、前記顧客需要情報を前記地図データに重畳した搬送業務支援情報を生成する搬送業務支援情報生成過程と、前記搬送業務支援情報を表示部に表示させる表示制御過程と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効率的な搬送業務の支援を行うことが可能な搬送業務支援システム、搬送業務支援システム用の車載器および搬送業務支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態に係る搬送業務支援システムの概略構成を示す構成図である。
図2】実施の形態に係る搬送業務支援システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
図3】実施の形態に係る搬送業務支援システムに適用されるタクシーメータの構成例を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る搬送業務支援システムのタクシーメータ側で実行される搬送業務支援処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
図5】タクシーメータの表示例を示す説明図である。
図6】実施の形態に係る搬送業務支援システムの運行管理サーバ側で実行される搬送業務支援処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態に係る搬送業務支援システムで実行されるサブルーチンとしての待ち地点解析処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態に係る搬送業務支援システムにおける管理者(タクシー会社)のPCで実行される搬送業務支援処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態に係る搬送業務支援システムの運行管理サーバ側で実行される搬送業務支援処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態に係る搬送業務支援システムのタクシーメータ側で実行される待ち計算処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
図11】実施の形態に係る搬送業務支援システムにおける管理者(タクシー会社)のPCの表示例を示す説明図である。
図12】実施の形態に係る搬送業務支援システムにおける管理者(タクシー会社)のPCの他の表示例を示す説明図である。
図13】実施の形態に係る搬送業務支援システムにおける情報端末(タブレット)の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図13を参照して、本発明の実施の形態に係る搬送業務支援システムS1について説明する。
【0016】
(搬送業務支援システムの機能構成)
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る搬送業務支援システムS1の機能構成等について説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る搬送業務支援システムS1は、タクシーVに搭載される車載器(タクシーメータ等)TM1と、外部装置としての運行管理サーバSA1と、タクシーVを管理する管理者としてのタクシー会社TKに設置される情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)600と、タクシーVの乗務員Dが所持するタブレット、スマートフォン等の情報端末TB1とから構成される。
運行管理サーバSA1と、車載器TM1、PC600、情報端末TB1との間は、それぞれ無線回線N1、N2、N3を介して通信接続されている。
【0017】
本実施の形態において、車載器TM1は、車載器を搭載したタクシーVについて、現時点における稼働情報(営業運転に関する情報)を定期的に更新して生成するCPU151等で構成される稼働情報生成部152を備える。
また、タクシーVについての稼働実績情報を収集するCPU151等で構成される稼働実績情報収集部を備える。
【0018】
なお、稼働実績情報は、タクシーVの空車情報、位置情報(例えば、GPSによる位置情報)、時刻情報、天気情報(例えば、天候情報提供サイトから取得した情報)、待ち時間に関する情報に基づいて選定されるようにできる。
また、車載器TM1は、稼働情報および稼働実績情報を格納するフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)160等で構成される情報格納部161を備える。
【0019】
また、フラッシュメモリ160等は、タクシーVが搬送業務を行う営業エリアの地図データ(例えば、地図の画像データ等)を格納する地図データ格納部162を構成する。
また、車載器TM1は、運行管理サーバSA1に対して稼働情報および稼働実績情報を送信する通信部17で構成される送信部170を備える。
また、通信部17は、顧客需要情報を地図データに重畳した搬送業務支援情報を運行管理サーバSA1から受信する受信部171を構成する。
また、車載器TM1は、タッチパネル等で構成され、搬送業務支援情報を表示する表示部16を備える。
なお、具体的な処理手順や表示例等については後述する。
【0020】
一方、運行管理サーバSA1は、車載器TM1から受信したタクシーVの稼働情報、稼働実績情報および地図データに基づいて、現時点における顧客需要情報を算出するCPU等の処理部401で構成される顧客需要情報算出部410を備える。
なお、地図データについては、車載器TM1から取得してもよいし、運行管理サーバSA1の格納部400に各タクシーV毎に予め格納するようにしてもよい。
また、処理部401は、顧客需要情報を地図データに重畳した搬送業務支援情報を生成する搬送業務支援情報生成部411を構成する。
【0021】
また、運行管理サーバSA1は、車載器TM1、管理者が所有するPC600およびタクシーVの乗務員が所持する情報端末TB1に対して搬送業務支援情報を無線回線N1、N2、N3を介して配信する配信部412を備える。
なお、搬送業務支援情報には、タクシーVの客待ち時間を分析した分析データを含むようにできる。分析データの表示例等については後述する。
また、車載器TM1の表示部16、PC600のモニタ601および情報端末TB1の表示部500には、タクシーVの現在地から最も近く待ち時間が少ない場所の情報、または搬送距離(営業運転の距離)が長い顧客の情報を強調表示するようにできる。これにより、乗務員D等は、効率的な搬送業務を行い得る顧客を優先的に選択することができる。
【0022】
(車載器の構成例)
図3を参照して、本実施の形態に係る搬送業務支援システムS1に適用される車載器(タクシーメータ)TM1の構成例について説明する。
タクシーメータTM1は、タクシー(車両)Vに搭載され、例えばカーナビゲーションユニット(所謂カーナビ)機能、タクシーメータ機能等を備えている。
カーナビ機能としては、例えば車両の現在位置を検出する機能や、現在位置を含む地図の情報を出力する機能などが含まれる。
【0023】
図3に示す構成例では、タクシーメータTM1の内部に、稼働情報生成部152、稼働実績情報収集部153等を構成するマイクロコンピュータ(CPU)151、演算処理の作業領域等を構成する記憶部(RAM)52を備える。
【0024】
また、演算プログラム等のソフトウェアや運賃データ等の各種データを格納する固定情報記憶部(ROM)53、タッチパネル型の表示部(LCD)16を備える。
また、入力インタフェース56、57、59、60および演算タイミング等を図るクロック信号を生成する時計IC(RTC)58を備える。
さらに、位置情報取得部を構成するGPS(Global Positioning System)受信器10を備える。
【0025】
また、各種データを書き込み可能なメモリカード64を装着可能なカードR/Wインタフェース54、空車、賃走、累計、迎車等の操作を行う操作部40a~40cを備える。
また、運行管理サーバSA1との間で稼働情報および稼働実績情報等の送受信を行う通信部17を備える。
また、報知部18を構成するスピーカ、運賃等を印刷する印字部を構成する感熱式等のプリンタ65等が設けられている。
なお、メモリカード64には、例えば、乗務員の認証に必要なデータ、タクシー車両の走行履歴、運賃履歴等の営業データや時系列データ等を保存する。
【0026】
また、マイクロコンピュータ(CPU)151には、車両から出力される走行パルスP1が入力され、実走運賃に相当するメータ値を算出する。また、マイクロコンピュータ(CPU)151には、タリフ情報が入力されるようになっている。
また、入力インタフェース56には、車内情報取得手段14を構成するドライブレコーダ等が接続される。
また、入力インタフェース56には、稼働情報および稼働実績情報を格納するフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)160が接続される。
【0027】
(輸送業務支援処理(タクシーメータ側)について)
次に、図4のフローチャートを参照して搬送業務支援システムS1のタクシーメータTM1側で実行される輸送業務支援処理の処理手順の例について説明する。
なお、本処理は、例えば車載器(タクシーメータ)TM1側のCPU151等で実行され、車載器(タクシーメータ)が備えるOS(オペレーティングシステム)と所定のアプリケーションプログラムとの協働により実現することができる。但し、各種機能の一部または全部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
この処理が開始されると、ステップS10で、駅等における待ち分析を開始してステップS11に移行する。
【0028】
ステップS11では、待ち情報提供のリクエストデータを一定時間毎に運行管理サーバSA1に対して送信してステップS12に移行する。なお、運行管理サーバSA1における処理については後述する。
ステップS12では、運行管理サーバSA1から処理結果を受信してステップS13に移行する。
ステップS13では、空車中か否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS14に移行する。
ステップS14では、処理結果をタクシーメータTM1の表示部16に表示して処理を終了する。
表示部16には、処理結果として、例えば図5に示すように、
「A駅南口 待ち1台(平均)15分 2000円
A駅北口 待ち4台(平均) 8分 1400円 …」などと表示される。
また、ステップS13で「No」と判定された場合はステップS15に移行する。
ステップS15では、実車(営業運転)ボタンを押下したか否かが判定され、「No」の場合は待機し、「Yes」の場合はステップS16に移行する。
ステップS16では、支払ボタンを押下したか否かが判定され、「No」の場合は待機し、「Yes」の場合はステップS17に移行する。
ステップS17では、待ち情報提供のリクエストデータを運行管理サーバSA1に送信してステップS18に移行する。
ステップS18では、空車中か否かが判定され、「No」である場合には待機し、「Yes」の場合にはステップS19に移行する。
ステップS19では、処理結果をタクシーメータTM1の表示部16に表示して処理を終了する。
表示部16には、処理結果として、上述の図5に示すような表示を行う。
これにより、乗務員は、駅待ちを行う場合に、待ち台数、平均待ち時間、平均売上等の情報を知得することができ、効率的な搬送業務(営業運転)の支援を行うことができる。
【0029】
(輸送業務支援処理(運行管理サーバ側)について)
次に、図6のフローチャートを参照して搬送業務支援システムS1の運行管理サーバSB1側で実行される輸送業務支援処理の処理手順の例について説明する。
【0030】
なお、本処理は、例えば運行管理サーバSB1側の処理部401等で実行され、運行管理サーバSB1が備えるOS(オペレーティングシステム)と所定のアプリケーションプログラムとの協働により実現することができる。但し、各種機能の一部または全部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
この処理が開始されると、ステップS20で、駅等における待ち分析を開始してステップS21に移行する。
【0031】
ステップS21では、上述の図5のフローチャートにおけるステップS11において、タクシーメータTM1側から送信された待ち情報提供のリクエストデータを受信して、待ち地点解析処理のサブルーチンSR1を実行してステップS22に移行する。サブルーチンSR1の処理手順については後述する。
ステップS22では、タクシーメータTM1等に対して処理結果を送信して処理を終了する。
【0032】
(待ち地点解析処理(サブルーチン)について)
図6で説明した輸送業務支援処理(運行管理サーバ側)で実行される待ち地点解析処理のサブルーチンSR1の処理手順を図7のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
ステップS30では、乗務員側の操作が有ったか否かが判定され、「No」の場合にはステップS31に移行する。ステップS31では、乗務員側の操作(例えば、タクシーメータTM1のタッチパネル等の操作による地点の選択操作)に基づいて、駅等の地点を選択してステップS33に移行する。
【0034】
ステップS30で「Yes」と判定された場合にはステップS32に移行する。ステップS32では、タクシーメータTM1からGPSデータを取得してステップS33に移行する。
ステップS33では、閾値の範囲内(例えば、営業エリア内)の待ち地点の情報を取得してステップS34に移行する。
ステップS34では、天気情報を例えば気象情報提供サイト等から取得してステップS35に移行する。
ステップS35では、時刻情報を内蔵時計、或いは時刻情報提供サイト等から取得してステップS36に移行する。
【0035】
ステップS36では、他車両(タクシーV以外のタクシー等)のリアルタイムデータ(位置情報、空車情報、営業運転情報等)を取得してステップS37に移行する。
ステップS37では、タクシーV等についての稼働実績情報の一種として、平均売上、平均待ち時間等の過去データを解析し、処理結果のデータを生成して図6のメイン処理に戻る。
【0036】
これにより、待ち情報をリクエストした乗務員は、駅待ちを行う場合などに、待ち台数、平均待ち時間、平均売上等の情報を知得することができ、効率的な搬送業務(営業運転)の支援を実現できる。
【0037】
(輸送業務支援処理(管理者のPC側)について)
次に、図8のフローチャートを参照して搬送業務支援システムS1の管理者(タクシー会社等)のPC(パーソナルコンピュータ)600側で実行される輸送業務支援処理の処理手順の例について説明する。
【0038】
なお、本処理は、例えばPC600側のCPU等で実行され、PC600が備えるOS(オペレーティングシステム)と所定のアプリケーションプログラムとの協働により実現することができる。但し、各種機能の一部または全部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
この処理が開始されると、ステップS40で、駅等における待ち分析を開始してステップS41に移行する。
【0039】
ステップS41では、待ち情報提供のリクエストデータを運行管理サーバSA1に対して送信してステップS42に移行する。なお、運行管理サーバSA1における処理については後述する。
ステップS42では、運行管理サーバSA1から処理結果を受信してステップS43に移行する。
ステップS43では、処理結果をPC600のモニタ601に表示して処理を終了する。表示例については後述する。
【0040】
(輸送業務支援処理(運行管理サーバ側)について)
次に、図8のフローチャートを参照して搬送業務支援システムS1の運行管理サーバSB1側で実行される輸送業務支援処理の処理手順の例について説明する。
なお、本処理は、例えば運行管理サーバSB1側の処理部401等で実行され、運行管理サーバSB1が備えるOS(オペレーティングシステム)と所定のアプリケーションプログラムとの協働により実現することができる。但し、各種機能の一部または全部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
この処理が開始されると、ステップS50で、駅等における待ち分析を開始してステップS51に移行する。
【0041】
ステップS51では、上述の図8のフローチャートにおけるステップS41において、管理者(タクシー会社等)のPC(パーソナルコンピュータ)600側から送信された待ち情報提供のリクエストデータを受信する。ステップS52では、動態情報のマッピングを行う。
次いで、待ち地点解析処理のサブルーチンSR1を実行してステップS53に移行する。サブルーチンSR1の処理手順については前出の図7で説明した通りである。
ステップS53では、管理者のPC600等に対して処理結果を送信して処理を終了する。
【0042】
(待ち計算処理(タクシーメータ側)について)
次に、図10のフローチャートを参照して搬送業務支援システムS1のタクシーメータTM1側で実行される待ち計算処理の処理手順の例について説明する。
なお、本処理は、車載器(タクシーメータ)TM1側のCPU151等で実行され、車載器(タクシーメータ)が備えるOS(オペレーティングシステム)と所定のアプリケーションプログラムとの協働により実現することができる。但し、各種機能の一部または全部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
この処理が開始されると、ステップS50で、タクシーVの待ち時間を開始してステップS61に移行する。
ステップS61では、空車中であるか否かが判定され、「No」の場合には待機し、「Yes」の場合にはステップS62に移行する。
ステップS62では、走行パルス信号は有るか否かが判定され、「Yes」の場合には待機し、「No」の場合にはステップS63に移行する。
ステップS63では、待ち判定をしてステップS64に移行する。ステップS64では、待ち情報の提供を要求するリクエストデータを一定時間毎に運行管理サーバSB1に送信して処理を終了する。
これにより、タクシーVの待ち時間を計算することができる。
【0043】
(管理者のPC等における表示例について)
図11図12を参照して、管理者のPC600における表示例について説明する。
図11に示す表示例では、管理者のPC600モニタ601上に、タクシーVの営業エリアの地図M1が表示されている。
図M2には、複数のタクシー待ちの場所の位置(P1~P8等)が重畳して表示されている。
図11に示すタクシー待ちの場所の位置(P1~P8等)は、図12に示す詳細データの地点に対応している。
即ち、例えばP1はA駅南口、P2はA駅北口等に対応する。
【0044】
そして、例えば、管理者によるPC600のマウス操作により、マウスカーソルCを位置P7まで移動させると、「待ち時間45分 料金2500円」などと、位置P7(Cスーパー)におけるタクシーの待ちに関する情報が表示される。
【0045】
さらに詳細なデータを閲覧したい場合には、例えば位置P7にマウスカーソルCを置いた状態でマウスをクリックすると、図12に示すような画面に切り替わり、各地点の詳細なデータが表示される。
【0046】
即ち、位置P7については、例えばリアルタイムにおける待ち台数が「0台」であるなどの情報が表示される。また、図12に示す表示例では、直近1ケ月の平均売上、営業台数等の情報も併せて表示される。
【0047】
これにより、管理者(タクシー会社等)は、稼働中のタクシーVについて、効率的な営業運転が行われているか等を把握して管理することができる。また、管理者は、図12に示す情報を参照して、無線等により、タクシーVの乗務員に対し、次の客待ちをP1~P8等の何れで行うとよいか等の指示を与えることもできる。
図13は、タクシーVの乗務員等が所持する情報端末(タブレット、スマートフォン等)TB1の表示例を示す。
図13に示す表示例では、情報端末TB1の表示部500の左側には地図M2が表示されている。
図M2の中央付近にはタクシーVの位置P20が表示されると共に、複数のタクシー待ちの場所の位置(P1~P8等)が重畳して表示されている。
【0048】
また、タクシーVの位置P20を中心とした同心円状の距離指標700が表示され、タクシー待ちの場所(P1~P8等)までの概略距離が分かるようになっている。
また、情報端末TB1の表示部500の右側には、タクシー待ちの場所の位置(P1~P8等)の詳細情報が表示されている。
即ち、例えば、「P1:A駅南口 待ち1台 (平均)15分/2000円」等の情報が羅列して表示される。
【0049】
これにより、乗務員等は、タクシーVから離れているような場合であっても情報端末(タブレット、スマートフォン等)TB1の表示を確認することで、次の客待ちをP1~P8等の何れで行うとよいかを判断することができ、効率的な搬送業務の支援を行うことができる。
【0050】
以上、本発明の搬送業務支援システムS1を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0051】
例えば、車載器(タクシーメータ)TM1の表示部16等には、タクシーVの現在地から最も近く待ち時間が少ない場所の情報、または搬送距離が長い顧客の情報を強調表示(例えば、該当表示を点滅させるなど)するようにできる。これにより、乗務員等に対して、より効率的な搬送業務の支援を行うことができる。
【0052】
また、本実施の形態では、搬送業務支援システムS1をタクシーVの搬送業務に適用する場合について述べたが、これに限らず、貨物等を搬送する車両などの搬送業務支援に適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
S1 搬送業務支援システム
SA1 運行管理サーバ(外部装置)
V タクシー(車両)
TB1 情報端末(タブレット等)
TM1 車載器(タクシーメータ)
152 稼働情報生成部
153 稼働実績情報収集部
410 顧客需要情報算出部
411 搬送業務支援情報生成部
412 配信部
600 情報処理装置
図1
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