(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127289
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】遊技盤用全自動風車取付機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A63F7/02 312B
A63F7/02 312C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025349
(22)【出願日】2021-02-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売場所:株式会社平和(群馬県伊勢崎市香林町2-1818) 販売日:令和2年11月27日
(71)【出願人】
【識別番号】391003819
【氏名又は名称】株式会社ハッピージャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】横尾 政好
(72)【発明者】
【氏名】逸見 巖夫
(72)【発明者】
【氏名】宇井 公一
(72)【発明者】
【氏名】川合 圭人
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA07
(57)【要約】
【課題】風車を遊技盤上に高精度かつ安定して取り付けることができる遊技盤用全自動風車取付機を提供する。
【解決手段】遊技盤用全自動風車取付機10として、釘NAを把持する釘把持機構44と、風車PWを保持する風車保持機構46と、釘NAと風車PWとを移動する移動機構38、52と、釘NAを遊技盤12に打ち付ける打付け機構106と、を備えており、釘把持機構44は、把持した釘NAを風車PWの穴部PW3に挿入し、風車保持機構46は、釘NAが穴部PW3に挿入された状態で風車PWを保持し、移動機構38、52は、風車PWが遊技盤12に当接するように釘把持機構44と風車保持機構46とを移動させ、打付け機構106は、風車PWが保持された状態で釘NAを打ち付ける仮打ちと、仮打ち後に、風車PWを風車保持機構46から解放した状態で釘NAを打ち付ける本打ちと、によって風車PWを遊技盤12に取り付ける。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釘供給部から供給された1つ又は複数の釘を個別に把持する釘把持機構と、
風車供給部から供給された1つ又は複数の風車を個別に保持する風車保持機構と、
前記釘把持機構によって把持された1つ又は複数の前記釘と、前記風車保持機構によって保持された1つ又は複数の前記風車と、を遊技盤の所定の位置へ移動する移動機構と、
前記遊技盤の所定の位置へ移動させた前記風車を取り付けるために、前記釘を前記遊技盤に打ち付ける打付け機構と、
を備える遊技盤用全自動風車取付機であって、
前記釘把持機構は、把持した1つ又は複数の前記釘を、1つ又は複数の前記風車の軸方向に沿って貫通形成された穴部に挿入し、
前記風車保持機構は、前記釘把持機構によって把持された前記釘が前記穴部に挿入された状態で前記風車を保持し、
前記移動機構は、前記風車が、前記遊技盤の所定の位置に当接するように、前記釘を把持した前記釘把持機構と前記風車を保持した前記風車保持機構との1つの組み合わせを個別に移動させ、
前記打付け機構は、前記風車が保持された状態で、前記釘を前記遊技盤に打ち付ける仮打ちと、該仮打ち後に、前記風車を前記風車保持機構から解放した状態で、前記釘を前記遊技盤に打ち付ける本打ちと、によって前記風車を前記遊技盤に取り付ける、ことを特徴とする遊技盤用全自動風車取付機。
【請求項2】
前記打付け機構は、前記釘を前記遊技盤に打ち付ける力を検出するための圧力検出機構と、前記遊技盤に打ち付けた前記釘の高さを検出する高さ検出機構と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技盤用全自動風車取付機。
【請求項3】
前記風車保持機構は、薄い肉厚の弾性体で形成された風車保持部によって前記風車を保持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技盤用全自動風車取付機。
【請求項4】
前記打付け機構は、前記移動機構による前記釘把持機構及び前記風車保持機構の上下移動とは独立して上下移動するために、前記移動機構とは別個に設けられた打付け用上下駆動装置を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の遊技盤用全自動風車取付機。
【請求項5】
前記遊技盤において、前記風車が所定の位置に取り付けられたこと検出するための風車検出機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の遊技盤用全自動風車取付機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤用、特にはパチンコ台のための遊技盤用全自動風車取付機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技盤、例えば、パチンコ台のための遊技盤には、盤面上でパチンコ玉が衝突すると回転し、衝突したパチンコ玉を振り分ける風車と称する部品が複数個設けられている。このような風車は、従来は、作業者が、風車釘を遊技盤に打ち付けることによって取り付けられていたが、近年では、例えば、特許文献1又は特許文献2に記載されている様な装置を用いた取付けも可能になっている。これらの装置は、一般的には、風車供給機から整列移送された複数の風車が、1個ずつ供給され、遊技盤上の所定の位置において、風車の鍔の部分が爪状のクランプによって把持される。把持された風車の上方側では、釘供給装置から供給された釘が把持される。シリンダ等によって駆動されるハンマが、把持された釘を、風車を通じて遊技盤へ打付け、打付けられた釘の下降に従って釘と風車の把持が解除されるように構成されている。
【0003】
しかしながら、パチンコ台のような遊技盤では、風車とその外周形状に沿って配置される釘との間隔が狭いことが多く、例えば、風車の外縁に対して径方向に1mm程度外側の位置に釘が配置されることがある。このような遊技盤に、特許文献1又は特許文献2に記載されている様な装置のように、風車を爪状のクランプによって把持する装置を適用した場合には、釘を打付けることができる高さ位置まで風車を下降させることが不可能となる場合がある。上記装置以外にも、例えば、磁力や空気圧によって風車を保持することが考えられるが、遊技盤に用いられる風車には、樹脂等の金属以外の材料が用いられ、また、軽量化のために、円板部分には多数の穴が形成される場合があり、磁力や空気圧による風車の保持は困難となる。このため、風車は、所定の高さ位置から自由落下させることによって遊技盤に配置しなければならない場合がある。さらに、シリンダによって駆動されるハンマは、一旦、釘へ向けて駆動を開始すると、途中で停止することができない。このため、取付位置がずれることによって、取付精度が低下する可能性や、位置がずれた又は傾いた状態で取り付けられることによって、取付けが不安定になる可能性がある。さらに、このような取付けを修正又はやり直しすることによって作業工数や作業時間が増加し、釘、風車及び遊技盤の取換えに起因する部品点数の増加も引き起こしうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-059913号公報
【特許文献2】実開昭60-184580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記問題に鑑み、風車を遊技盤上に高精度かつ安定して取り付けることができる遊技盤用全自動風車取付機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、遊技盤用全自動風車取付機は、釘供給部から供給された1つ又は複数の釘を個別に把持する釘把持機構と、風車供給部から供給された1つ又は複数の風車を個別に保持する風車保持機構と、釘把持機構によって把持された1つ又は複数の釘と、風車保持機構によって保持された1つ又は複数の風車と、を遊技盤の所定の位置へ移動する移動機構と、遊技盤の所定の位置へ移動させた風車を取り付けるために、釘を遊技盤に打ち付ける打付け機構と、を備える遊技盤用全自動風車取付機であって、釘把持機構は、把持した1つ又は複数の釘を、1つ又は複数の風車の軸方向に沿って貫通形成された穴部に挿入し、風車保持機構は、釘把持機構によって把持された釘が穴部に挿入された状態で風車を保持し、移動機構は、風車が、遊技盤の所定の位置に当接するように、釘を把持した釘把持機構と風車を保持した風車保持機構との1つの組み合わせを個別に移動させ、打付け機構は、風車が保持された状態で、釘を遊技盤に打ち付ける仮打ちと、仮打ち後に、風車を風車保持機構から解放した状態で、釘を遊技盤に打ち付ける本打ちと、によって風車を遊技盤に取り付ける、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の態様によれば、打付け機構は、釘を遊技盤に打ち付ける力を検出するための圧力検出機構と、遊技盤に打ち付けた釘の高さを検出する高さ検出機構と、を備えてもよい。
【0008】
さらに、本発明の別の態様によれば、風車保持機構は、薄い肉厚の弾性体で形成された風車保持部によって風車を保持してもよい。
【0009】
また、本発明の別の態様によれば、打付け機構は、移動機構による釘把持機構及び風車保持機構の上下移動とは独立して上下移動するために、移動機構とは別個に設けられた打付け用上下駆動装置を有してもよい。
【0010】
さらに、本発明の別の態様によれば、遊技盤において、風車が所定の位置に取り付けられたこと検出するための風車検出機構を備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、釘把持機構によって、釘供給部から供給された複数の釘を個別に把持すると共に、風車保持機構によって、釘把持機構によって把持された釘が穴部に挿入された状態の風車を保持することができる。また、これらの釘と風車は、移動機構によって遊技盤に当接するように移動されて、打付け機構によって風車に挿入されている釘が遊技盤に打ち付けられる。このため、風車が遊技盤の所定の位置に当接するまで、釘と風車とを安定した状態で移動することができると共に、釘を仮打ち後に、風車を解放した状態で、釘を本打ちすることによって、遊技盤へ安定して打付けることができる。これによって、風車を遊技盤上に高精度かつ安定して取り付けることができる。
【0012】
また、本発明の別の態様によれば、圧力検出機構によって、釘を遊技盤に打ち付ける力を検出することができるため、釘が十分な力で遊技盤に打付けられているかどうかを検出することができる。また、高さ検出機構によって、打付け後の釘の高さを検出することができるため、打付け後の釘の高さが所定の高さであることや必要な長さが遊技盤に打ち込まれていることを確認することができる。これによって、風車を遊技盤上に高精度かつ安定して取り付けることができる。
【0013】
さらに、本発明の別の態様によれば、風車保持機構の風車保持部は、薄い肉厚の弾性体で形成されているため、風車を保持する際に、風車保持部から風車に余分な力が作用することを抑制し、風車のキズ、位置ずれ等を防止又は抑制することができる。また、風車の取付位置近傍に配置された釘等と干渉することなく、風車を保持することができる。このため、風車を遊技盤上に安定して取り付けることができる。
【0014】
また、本発明の別の態様によれば、打付け機構は、打付け用上下駆動装置を有しており、釘を把持する釘把持機構及び風車を保持する風車保持機構とは独立して上下移動させることができる。このため、打付ける釘の高さ位置の調節が容易になるため、釘の遊技盤への打ち付けを安定かつ効率的に行うことができる。また、釘把持機構に把持された複数の釘の長さ(釘の高さ)が異なる場合であっても、釘の遊技盤への打ち付けを安定かつ効率的に行うことができる。
【0015】
さらに、本発明の別の態様によれば、風車検出機構によって、風車の取り付け位置が適切かどうかを検定することができる。これによって、風車を遊技盤上に高精度に取り付けることができる。
【0016】
以上のことから、本発明に係る遊技盤用全自動風車取付機は、風車を遊技盤上に高精度かつ安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る遊技盤用全自動風車取付機の全体構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る釘供給機構の拡大平面図を示す。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る風車供給機構の拡大平面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、本実施形態に係る釘風車移動機構の側面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、本実施形態に係る打付け機構の側面図を示す。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る風車検出機構の側面図を示す。
【
図7A】
図7Aは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7B】
図7Bは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7C】
図7Cは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7D】
図7Dは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7E】
図7Eは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7F】
図7Fは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7G】
図7Gは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7H】
図7Hは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7I】
図7Iは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図7J】
図7Jは、本実施形態に係る取付機による釘及び風車の取付けを作動順に示す側面図である。
【
図8A】
図8Aは、風車保持機構の第1変形例の側面図を示す。
【
図9】
図9は、風車保持機構の第2変形例の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る遊技盤用全自動風車取付機を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺を変更して説明する場合がある。また、添付の図面に示された遊技盤用全自動風車取付機は、一例とされており、これに限らず、異なる寸法の遊技盤用全自動風車取付機が構成されてもよい。
【0019】
図1は、パチンコ台(図示省略)用の遊技盤12(
図6参照)に風車PWを取り付けるための本実施形態に係る遊技盤用全自動風車取付機10(以下、取付機10と称する。)の全体構成を示す概略的な平面図である。ここでは、取付機10に配置された遊技盤12の取付け面12A(
図6参照)をXY平面(水平面)とする。図中には、取付機10及び遊技盤12の長手方向(X方向)及び短手方向(Y方向)を矢印で示す。図中のXは、長手方向先端側を示しており、図中のYは、短手方向外側を示す。また、
図2以降には、取付機10の上下方向(Z方向)を矢印で示す。図中のZは、上方側を示す。
【0020】
図1に示されるように、取付機10の長手方向後方側には、遊技盤12(図示省略)を供給するための供給コンベア14が設けられており、前処理が施された遊技盤12は、供給コンベア14によって、取付機10の長手方向に沿って取付機10の中央部へと移動される。中央部へ移動された遊技盤12は、取付機10の略中央部に配置されたワーク昇降部16によって、下方側から持ち上げられる。これによって、遊技盤12の上下方向位置(高さ位置)が調整される。
【0021】
取付機10の長手方向前方側における短手方向の一方の端部には、釘NA(
図2参照)を供給するための釘供給機構18が設けられている。釘供給機構18は、収容されている複数の釘NAを供給する釘供給部20と、複数の釘NAを個別に分離すると共に、整列させる釘分離整列部22と、を備えている。釘供給部20は、釘NAを収容する釘パーツフィーダ24に釘直線フィーダ26を連結させることによって構成されている。
【0022】
取付機10の長手方向前方側における短手方向の他方の端部には、風車PW(
図3参照)を供給するための風車供給機構28が設けられている。風車供給機構28は、収容されている複数の風車PWを供給する風車供給部30と、複数の風車PWを個別に分離すると共に、整列させる風車分離整列部32と、を備えている。風車供給部30は、風車PWを収容する風車パーツフィーダ34に風車直線フィーダ36を連結させることによって構成されている。
【0023】
さらに、取付機10は、略中央部において、釘NAと風車PWとを移動させるための移動機構として、1つ又は複数の釘NAと風車PWとを釘供給機構18及び風車供給機構28の側から遊技盤12側へ移動させるためのコラム移動機構38と、1組の釘NAと風車PWとを遊技盤12上の所定の位置へ移動するための釘風車移動機構52と、を備えている。移動機構38、52や供給コンベア14等の取付機10の各機構や可動部は、取付機10に設けられた制御部CTによって、その作動が制御されている。
【0024】
コラム移動機構38は、取付機10の短手方向に沿って形成されたコラム部40と、コラム部40上に設けられた支持部42と、を備える。支持部42は、釘NAを1本ずつ把持するための釘把持機構44と、風車PWを1個ずつ保持するための風車保持機構46と、を支持するように構成されている。また、コラム移動機構38は、コラム部40を取付機10の長手方向に沿って移動させるためのX方向移動機構48と、支持部42をコラム部40上で取付機10の短手方向に沿って移動させるためのY方向移動機構50と、を備える。さらに、コラム移動機構38は、支持部42に、Z方向移動機構54を備えており、Z方向移動機構54は、釘把持機構44と風車保持機構46とを支持部42に対して横移動及び上下移動させるための釘風車移動機構52を上下移動させる。
【0025】
X方向移動機構48は、取付機10の短手方向の両外側に長手方向に沿って配置された2本のX軸レール56を備えており、コラム部40は、2本のX軸レール56に架け渡されている。コラム部40は、サーボモータを用いたボールネジ駆動(いずれも図示省略)によって、X軸レール56上を取付機10の長手方向(X方向)に沿って移動可能となるように構成されている。
【0026】
Y方向移動機構50は、コラム部40上に取付機10の短手方向に沿って配置されたY軸レール58(
図4参照)を備えている。支持部42は、サーボモータを用いたボールネジ駆動(いずれも図示省略)によって、Y軸レール58上を取付機10の短手方向(Y方向)に沿って移動可能となるように構成されている。
【0027】
Z方向移動機構54は、
図4に示されるように、モータ駆動のアブソリュート型エンコーダを有する第1上下駆動装置60と、第1上下駆動装置60と連結されると共に、上下方向に沿って配置された第1リニアガイド62と、を備えている。第1リニアガイド62の固定部側(レール側)は、支持部42に固定されており、移動部側(ブロック側)は、支持部42の長手方向前方側において上下方向に沿って延在された略平板状の上下部材63に固定されている。釘把持機構44、風車保持機構46及びこれらの1つの組み合わせを選択するために横方向へ移動させる機構を備えた釘風車移動機構52は、上下部材63を介して第1リニアガイド62と連結されており、第1上下駆動装置60による第1リニアガイド62の上下移動によって、支持部42に対して上下方向(Z方向)に移動させることができる。
【0028】
図2には、複数の釘NAが整列された釘供給機構18の拡大平面図が示されている。釘供給部20から供給される複数の釘NAを個別に分離すると共に、整列させる釘分離整列部22は、第1釘ストッパ64と、第2釘ストッパ66と、釘押し出し部68と、を備える。また、釘分離整列部22は、釘押し出し部68によって送り出された(押し出された)釘NAを収容する釘整列ユニット70と、釘整列ユニット70を取付機10の短手方向に沿って移動させる釘整列駆動部72と、を備える。
【0029】
釘整列駆動部72は、釘NAを釘整列ユニット70に収容する釘収容位置CNと釘整列ユニット70に収容された釘NAを釘把持機構44によって把持する釘取り出し位置TNとの間で釘整列ユニット70を移動させる。ここでは、釘整列ユニット70は、4本の釘を収容可能に構成されている。また、釘把持機構44(
図4A参照)は、釘整列ユニット70に収容可能な釘NAと同じ数だけ設けられており、ここでは、4個の釘把持機構44が設けられている。なお、ここでは、釘整列ユニット70は、4本の釘NAを収容可能であるとして説明するが、これに限らず、釘整列ユニットは、3本以下の釘を収容してもよく、又は、5本以上の釘を収容してもよい。
【0030】
釘パーツフィーダ24から1本ずつ供給された釘NAは、釘直線フィーダ26を通じて、上部NA1を上方側へ向けた状態で釘分離整列部22へ向けて水平方向に押し出される。押し出された釘NAは、第1釘ストッパ64によって、その位置に留められる。押し出された釘NAのうち2番目以降の釘NAは、先頭の釘NAと2番目の釘NAとの間に挿入された第2釘ストッパ66によって、その位置に留められる。先頭の釘NAだけが、第1釘ストッパ64が戻されることによって、自由になり、釘押し出し部68に設けられた爪(図示省略)に押し出されることによって、釘収容位置CNに配置された釘整列ユニット70へ収容される。釘整列ユニット70は、釘NAが収容されると、釘整列駆動部72によって、1ピッチずつ釘取り出し位置TN側へ移動された後、さらに釘NAを収容する。釘整列ユニット70の全ての収容箇所(4箇所)への釘NAの収容が完了すると、釘整列駆動部72は、釘整列ユニット70を釘取り出し位置TNへと移動させる。釘取り出し位置TNに移動された釘整列ユニット70は、釘把持機構44によって把持することができるように、収容されている釘NAを上方側へ向けて持ち上げることができる。
【0031】
図3には、複数の風車PWが整列された風車供給機構28の拡大平面図が示されている。風車供給部30から供給される複数の風車PWを個別に整列させる風車分離整列部32は、第1風車ストッパ74と、第2風車ストッパ76と、風車押出部78と、を備える。また、風車分離整列部32は、風車押出部78によって押し出された風車PWを収容する風車整列ユニット80と、風車整列ユニット80を取付機10の短手方向に沿って移動させる風車整列駆動部82と、を備える。風車整列ユニット80は、釘整列ユニット70と同軸上に配置されている。具体的には、風車整列ユニット80と釘整列ユニット70とは、取付機10の短手方向に沿って配置されている。これによって、釘NAの風車PWへの挿入を高速で(効率よく)行うことができる。
【0032】
図4Dに示されるように、風車供給部30から供給される風車PWは、回転軸を形成する軸部PW1と、軸部PW1の一方の端部側に一体で形成された円板部PW2と、を有しており、例えば、樹脂材料等によって軽量に構成されている。軸部PW1は、その中心が円板部PW2の中心と一致するように形成されており、軸部PW1と円板部PW2との中心には、穴部PW3が、軸方向に沿って貫通形成されている。また、円板部PW2には、風車PWをより軽量にするために、複数の穴(図示省略)が厚さ方向に沿って貫通形成されている。
【0033】
図3に示されるように、風車整列駆動部82は、風車PWを風車整列ユニット80に収容する風車収容位置CPと風車整列ユニット80に収容された風車PWを風車保持機構46によって保持する風車取り出し位置TPとの間で風車整列ユニット80を移動させる。ここでは、風車整列ユニット80は、4個の風車を収容可能に構成されている。また、風車保持機構46(
図4A参照)は、風車整列ユニット80に収容可能な風車PWと同じ数だけ設けられており、ここでは、4個の風車保持機構46が設けられている。なお、ここでは、風車整列ユニット80は、4個の風車PWを収容可能であるとして説明するが、これに限らず、風車整列ユニットは、3個以下の風車を収容してもよく、又は、5個以上の風車を収容してもよい。
【0034】
風車パーツフィーダ34から1個ずつ供給された風車PWは、風車直線フィーダ36を通じて、風車分離整列部32へ向けて水平方向に押し出される。押し出された風車PWは、第1風車ストッパ74によって、その位置に留められる。押し出された風車PWのうち、2番目以降の風車PWは、先頭の風車PWと2番目の風車PWとの間に挿入された第2風車ストッパ76によって、その位置に留められる。先頭の風車PWだけが、第1風車ストッパ74が戻されることによって自由になり、風車押出部78に押し出されることによって、風車収容位置CPに配置された風車整列ユニット80へ収容される。風車整列ユニット80は、風車PWが収容されると、風車整列駆動部82によって、1ピッチずつ風車取り出し位置TP側へ移動された後、さらに風車PWを収容する。風車整列ユニット80の全ての収容箇所(4箇所)への風車PWの収容が完了すると、風車整列駆動部82は、風車整列ユニット80を風車取り出し位置TPへと移動させる。
【0035】
釘把持機構44(
図4A参照)は、釘取り出し位置TNへ移動された釘整列ユニット70から持ち上げられた釘NAを把持すると共に、風車整列ユニット80に整列されている風車PWの穴部PW3へ挿入するように構成されている。
【0036】
図4Aから
図4Fには、釘風車移動機構52を構成する釘把持機構44及び風車保持機構46が示されている。取付機10は、釘風車移動機構52によって釘NA及び風車PWの遊技盤12上への詳細に位置調整をすることができる。釘風車移動機構52は、支持部42に設けられており、釘把持機構44と風車保持機構46との1つの組み合わせを選択するために横方向(短手方向)へ移動させるための横移動機構84と、選択された1組の釘把持機構44と風車保持機構46だけを上下方向(Z方向)に移動させるための上下移動機構86と、を備える。
【0037】
横移動機構84は、モータ駆動のアブソリュート型エンコーダを有する横方向駆動装置88と、取付機10の短手方向に沿って形成されたガイド溝90と、横方向駆動装置88と連結されており、ガイド溝90の内部をスライド可能なカムフォロア92と、を備える。
【0038】
カムフォロア92は、釘把持機構44と風車保持機構46の組み合わせの数(本実施形態では、4組)と同じ個数だけ設けられており、釘把持機構44と風車保持機構46との組み合わせは、上下方向に沿って配置された第2リニアガイド94を介してカムフォロア92と連結されている。このため、横方向駆動装置88によってカムフォロア92をガイド溝90の内部でスライドさせることによって、釘把持機構44及び風車保持機構46を支持部42に対して横方向(Y方向)に沿って移動可能となるように構成されている。
【0039】
図4Bに示されるように、上下移動機構86は、支持部42の上方側に配置されたガイド付きシリンダ96と、ガイド付きシリンダ96の下方側と連結されると共に、固定部側(レール側)の上方側の端部においてカムフォロア92と連結されており、上下方向に沿って配置された第2リニアガイド94と、を備える。ガイド溝90は、下降部分PDの左右両側(短手方向両側)で分割されており、下降部分PDは、ガイド付きシリンダ96に上下移動可能に連結されている。このため、下降部分PDの左右両側のガイド溝90が固定されているのに対して、下降部分PD及び下降部分PDへ移動されたカムフォロア92は、下降及び上昇可能に構成されている。
【0040】
釘把持機構44と風車保持機構46の1つの組み合わせは、これらと連結されているカムフォロア92が、横移動機構84によって下降部分PDまで移動される。カムフォロア92が下降部分PDへ横移動された釘把持機構44及び風車保持機構46は、エアが注入されたガイド付きシリンダ96が下降することによって、遊技盤12側へ向けて下降される。遊技盤12への風車PWと釘NAの取付けが完了すると、ガイド付きシリンダ96が上昇することによって、釘把持機構44及び風車保持機構46を上昇させることができる。
【0041】
取付機10は、取付け面12A上(
図6参照)への全ての風車PWの取付けが完了すると、ワーク昇降部16による遊技盤12の支持が解放すると共に、次の工程に供するために、供給コンベア14によって、遊技盤12を取付機10の長手方向前方側へ向けて移動するように構成されている。
【0042】
図4Cに示されるように、釘把持機構44は、釘NAを把持するための、上下方向に延在する2本のアーム部44Aを有したエアチャック44Cと、を備える。2本のアーム部44Aは、その上端部を介してエアチャック44Cの短手方向の両端部にそれぞれ連結されている。このため、エアチャック44Cのクランプ側にエアを注入することによって、2本のアーム部44Aが短手方向内側へ移動するため、アーム部44Aの先端部(下方側端部)おいて、釘NAを把持することができる。また、エアチャック44Cのアンクランプ側にエアを注入することによって、2本のアーム部44Aが短手方向外側へ移動するため、アーム部44Aの先端部は、釘NAを解放することができる。
【0043】
図4Eに示されるように、風車保持機構46は、穴部PW3に釘NAが挿入された風車PWを保持するために、風車PWの外周形状に沿って薄い肉厚で形成された略板状の風車保持部100を備える。ここでは、「薄い肉厚で形成される」とは、風車PWが保持されている間及び風車PWの保持が解除された際に、風車PWの外縁近傍における釘NA等の他の部品と干渉しない程度に薄い肉厚で形成されていることをいう。風車保持部100は、板バネ、樹脂等の弾性体によって形成されており、風車PWを保持する際に、風車PWのキズ、位置ずれ等を防止又は抑制することができる。風車保持機構46は、エアチャック44Cの上方側に長手方向に沿って配置されたエアシリンダACと、側面視で逆L字状に形成されており、エアシリンダACと直結されたコネクタ102と、を備える。風車保持部100は、コネクタ102の下端部の連結部104と回動可能に連結されている。
【0044】
エアシリンダACにエアを注入してコネクタ102を風車PW側と反対側に引くことによって、風車保持部100が連結部104を中心として回動するため、風車PWに当接すると共に、風車PWを後方側へ向けて押す(
図4A参照)。このため、風車PWが水平方向に移動し、釘NAが穴部PW3の前方側(風車保持部100側)の内壁と当接する。これによって、風車保持部100と釘NAとによって、風車PWを保持することができる。また、コネクタ102を前方側へ押し出すことによって、風車保持部100も前方側へ移動するため、風車保持部100と風車PWとの接触が解除され、風車PWが解放される。
【0045】
図5A及び
図5Bには、取付機10に設けられ、遊技盤12に釘NAを打付けるための打付け機構106の側面図及び正面図が示されている。打付け機構106は、打付け機構106を上下移動させるための打付け用上下駆動装置としての第2上下駆動装置108と、上下方向に沿って配置されると共に第2上下駆動装置108と連結された第3リニアガイド110と、を備えている。第2上下駆動装置108は、モータ駆動のアブソリュート型エンコーダを有しており、高さ検出機構としても構成されている。第3リニアガイド110の固定部側(レール側)は、支持部42に固定されており、移動部側(ブロック側)には、上下方向に沿って配置された、遊技盤12に釘NAを打付けるためのハンマ装置112に固定されている。このため、打付け機構106は、支持部42と共に水平方向(X方向、Y方向)の移動が可能とされ、かつ、第2上下駆動装置108によって上下移動が可能とされている。また、釘把持機構44及び風車保持機構46を上下動する第1上下駆動装置60とは、別個に第2上下駆動装置108を設けることによって、打付け機構106は、軸部NA2の高さ(釘高さ)の異なる風車PW(釘NA)に対して、調節可能に構成されている。
【0046】
図5Bに示されるように、ハンマ装置112の下端部には、釘NAを打付けるためのハンマ114が配設されている。ハンマ114の中心は、遊技盤12上に下降された釘NA及び風車PWと同軸となるように構成されている。釘NAの軸部NA2にはらせん溝が形成されている場合があり、遊技盤12へ打付ける際には、釘NAが回転するため、釘NAとハンマ114との間には摩擦力等が生じる可能性がある。このことによる釘NAの上部NA1及びハンマ114の損傷等を防止又は抑制するために、ハンマ114は、回転軸116に取り外し可能(交換可能)に取り付けられており、回転軸116の上端部は、ベアリング118によって回転可能に構成されている。また、第2上下駆動装置108は、モータ駆動のアブソリュート型エンコーダを有するため、ハンマ114の高さ位置(上下位置)を検出することができる。このため、ハンマ114が釘NAを打付ける際の釘NAの高さを検出することができる。
【0047】
回転軸116の上方側には、ボルト120を介してプレート122の下面側に固定された圧力検出機構としてのロードセル124が配置されている。このため、遊技盤12へ釘NAを打付ける際の力を、ボルト120を介してロードセル124へ伝えることができる。ロードセル124が固定されたプレート122は、その上方側に配置されたコネクタ126を介して、また、プレート122は、第3リニアガイド110からは分離されている2本のリニアブッシュ128に連結されている。このため、ロードセル124及びプレート122は、第3リニアガイド110からは独立して上下方向に変位可能に構成されている。また、2本のリニアブッシュ128の上方側には、それぞれスプリング130が設けられている。スプリング130は、ハンマ114及び回転軸116の重量と釣り合うように、バネ定数が設定されている。このため、ロードセル124には、ハンマ114及び回転軸116の重量を打ち消して、釘NAを打付ける力(荷重)を負荷させることができる。これによって、釘NAを打付ける荷重が、正常に釘NAを打付けていると判定しうる所定の範囲内にあるかどうかを正確に確認することができる。ここでは、正常に釘NAを打付けるとは、例えば、必要以上に大きな荷重で打付けていない、遊技盤12の下穴等が大きすぎる等の要因によって、必要とされている荷重よりも小さい荷重で打付けていない、等の状態を含む。
【0048】
図6には、風車検出機構の側面図を示す。ここでは、風車検出機構として、反射型ファイバセンサ132及びレーザセンサ134の2種類のセンサを備えている。これらのセンサ132、134は、釘把持機構44、風車保持機構46及び打付け機構106よりも後方側で支持部42に固定されている。風車PWは、表面が黒系統の色合いを帯びている場合や透明である場合があるため、2種類のセンサを備えて、少なくとも1方で風車を検知できるように構成されている。これによって、釘NAを打ち付ける位置における風車PWの存在を検知し、異常があれば警報を発する、及び/又は、警告を表示するように構成されている。
【0049】
本実施形態の作用及び効果について、以下に説明する。
【0050】
図7Aから
図7Iを用いて、取付機10を用いた釘NA及び風車PWの取付けについて説明する。
図7Aから
図7Cに示されるように、複数の釘把持機構44及び風車保持機構46の組み合わせは、コラム移動機構38によって、釘取り出し位置TNへ移動された釘整列ユニット70の上方側へ移動される(
図7A)。複数の釘把持機構44は、第1上下駆動装置60による第1リニアガイド62の下降によって、纏めて下降される。さらに、各釘把持機構44は、エアチャック44Cによって作動された2本のアーム部44Aを用いて、釘整列ユニット70によって上方側へ持ち上げられた釘NAの上部NA1を把持する(
図7B)。釘NAを把持した複数の釘把持機構44は、第1上下駆動装置60による第1リニアガイド62の上昇によって、纏めて上昇される(
図7C)。
【0051】
図7Dから
図7Fに示されるように、釘NAを把持した釘把持機構44と風車保持機構46とは、コラム移動機構38によって、風車取り出し位置TPへ移動された風車整列ユニット80の上方側へ移動される(
図7D)。複数の風車保持機構46は、第1上下駆動装置60による第1リニアガイド62の下降によって、纏めて下降される。さらに、各風車保持機構46は、エアシリンダACへのエアの注入によって風車PW側(後方側)へ押し出された風車保持部100と釘把持機構44によって把持された釘NAとを用いて、風車PWを保持する(
図7E)。風車PWを保持した複数の風車保持機構46は、第1上下駆動装置60による第1リニアガイド62の上昇によって、纏めて上昇される(
図7F)。
【0052】
図7Gから
図7Jに示されるように、釘NAを把持した釘把持機構44と風車PWを保持した風車保持機構46とは、コラム移動機構38によって、遊技盤12上の風車PWの取付け位置まで移動される(
図7G)。次に、1組の釘把持機構44及び風車保持機構46と連結されているカムフォロア92は、横移動機構84によって下降部分PDまで移動される。下降部分PDへ横移動されたカムフォロア92は、エアが注入されたガイド付きシリンダ96と共に下降部分PDが下降することによって、遊技盤12側へ向けて下降される。このため、釘把持機構44によって把持された釘NAと風車保持機構46によって保持された風車PWとが、遊技盤12上へ移動(配置)される。風車PWは、遊技盤12の表面に当接するまで下降され、風車PWと共に下降された釘NAは、第2上下駆動装置108によって下降されたハンマ装置112のハンマ114によって、例えば、2mm程度遊技盤12に仮打ちされる(
図7H)。これによって、釘NAと風車PWとが遊技盤12に対し固定され、釘NAの把持と風車PWの保持が解除される。エアチャック44Cのアンクランプ側にエアを入れることによって、2本のアーム部44Aが引き戻され、エアシリンダACのアンクランプ側にエアを入れることによって、風車保持部100が引き戻される。その後、ハンマ装置112のハンマ114は、釘NAを遊技盤12の所定の深さまで本打ちする(
図7I)。釘NAと風車PWの取付けが完了した釘把持機構44及び風車保持機構46は、ガイド付きシリンダ96の上昇によって、上昇される。さらに、コラム移動機構38によって、遊技盤12上における次の釘NA及び風車PWの取り付け位置まで移動されると共に、風車PWの遊技盤12への取り付けを繰り返す(
図7J)。
【0053】
本実施形態によれば、釘把持機構44によって、釘供給部20から供給された複数の釘NAを個別に把持すると共に、風車保持機構46の風車保持部100によって、釘把持機構44によって把持された釘NAが穴部PW3に挿入された状態の風車PWを個別に保持することができる。また、これらの釘NAと風車PWは、コラム移動機構38及び釘風車移動機構52によって、遊技盤12上まで移動されて、打付け機構106によって、風車PWに挿入されている釘NAが遊技盤12に打ち付けられる。この際、風車PWの外周形状に沿って薄い肉厚で形成された風車保持部100が、風車PWの取付位置近傍の釘NA等と干渉することなく、釘NAと風車PWとを遊技盤12上へ移動させることができる。このため、風車PWが遊技盤12の所定の位置に当接するまで、釘NAと風車PWとを安定した状態で移動することができ、かつ、遊技盤12上の釘NAの下穴と釘NAとを正確に位置合わせできる。さらに、釘NAを遊技盤12に、例えば、2mm程度仮打ちし釘NAと風車PWとを固定した後に、風車PWの保持を解除した状態で、釘NAを所定の深さまで遊技盤12に本打ちすることによって、釘NAと風車PWとを安定した状態で遊技盤12の所定の位置まで移動することができると共に、釘NAを遊技盤12へ安定して打付けることができる。これによって、風車PWと釘NAの姿勢を保ったまま釘NAを遊技盤12上の正確な位置に打ち付けることができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、ロードセル124によって、釘NAを遊技盤12に打ち付ける力を検出することができるため、釘NAが十分な力で打付けられているかどうかを検出することができる。また、打付け機構106の第2上下駆動装置108のエンコーダによって、打付け後の釘NAの高さを検出することができるため、釘NAの高さが所定の高さであることや釘NAが必要な長さだけ遊技盤12に打ち込まれていることを確認することができる。これによって、遊技盤12に打ち付ける複数の釘NAの高さが多様である場合や取り付ける風車PWの高さ(軸部PW1の長さ)が多様である場合であっても、風車PWを遊技盤12上に高精度かつ安定して取り付けることができる。
【0055】
さらに、本実施形態によれば、釘把持機構44によって保持された釘NAと風車供給機構28によって整列された風車PWとは、取付機10の短手方向に沿った同軸上に配置されているため、釘NAを風車PWの穴部PW3へ安定かつ高速に(効率よく)挿入することができる。また、打付け機構106と選択された釘把持機構44によって保持された釘NA及び風車保持機構46によって保持された風車PWとは、上下方向に沿った同軸上に配置することができるため、釘NAと風車PWとを遊技盤12上へ移動させて、風車PWに挿入された釘NAを遊技盤12に打ち付ける、といった一連の作動を安定かつ高速に(効率よく)行うことができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、釘把持機構44及び風車保持機構46を上下動する第1上下駆動装置60と、打付け機構106を上下動する第2上下駆動装置108は別個に設けられている。これによって、打付け機構106と干渉することを防止又は抑制した上で、釘把持機構44及び風車保持機構46を横移動及び上下移動させることができる。さらに、打付け機構106は、取付位置毎に変わり得る風車PW(釘NA)の軸部NA2の高さ(釘高さ)に応じて、ハンマ114の位置を容易に調整することができる。
【0057】
さらに、本実施形態によれば、風車保持部100は、風車PWの外周形状に沿って薄い肉厚で形成されている。このため、風車PWとその外縁の近傍に配置されている釘NAとの隙間が狭く、風車PWの円板部PW2を、例えば、ツメ等で把持した場合のように釘NA等と干渉することなく、保持した風車PWを遊技盤12上へ下降させることができる。また、風車PWの取り付け後も他の釘NAと干渉することなく風車保持部100を上昇させることができる。さらに、風車保持部100と穴部PW3に挿入された釘NAとによって保持する構成であるため、例えば、風車PWが樹脂等の磁力で保持できないような場合や、風車PWの円板部PW2に軽量化のための穴が設けられているために真空吸引等ができない場合であっても安定して風車PWを保持することができる。また、風車保持部100は、弾性体で形成されているため、風車PWを保持する際に、風車保持部100から風車PWに余分な力が作用することを抑制し、風車PWのキズ、位置ずれ等を防止又は抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、反射型ファイバセンサ132及びレーザセンサ134(風車検出機構)によって、風車PWの取り付け位置が適切かどうかを検定することができる。具体的には、風車PWの取り損い又は搬送中の落下等による、風車PWの有無を検知でき、かつ、風車PWの取付け位置が適切かどうかを検知することができる。さらに、異常時には、警報を発する、及び/又は、警告を表示することができる。これによって、風車PWを遊技盤12上に高精度に取り付けることができる。
【0059】
以上のことから、本実施形態に係る取付機10は、風車PWを遊技盤12上に高精度かつ安定して取り付けることができる。
【0060】
(第1変形例)
以下、本実施形態に係る風車保持機構140の変形例について説明する。本実施形態と同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
図8A及び
図8Bには、第1変形例に係る風車保持機構140が示されている。第1変形例に係る風車保持部142は、風車保持部142の上方側へ延在する保持アーム144と一体で形成されており、風車PWの径方向において対向するように2個設けられている。また、保持アーム144の上端側は、釘把持機構44のアーム部44Aと連結されている。このため、2個の風車保持部142は、エアシリンダACによって、釘把持機構44のアーム部44Aが作動するのにあわせて風車PWの径方向内側へ移動し、風車PWを保持することができる。
【0062】
本変形例によれば、風車保持部142は、風車PWの外周形状に沿って薄い肉厚で形成されている。このため、風車PWとその外縁の近傍に配置されている釘NAとの隙間が狭い場合であっても、釘NA等と干渉することなく、釘NAと風車PWとを遊技盤12上へ下降させることができる。また、風車保持部142は、風車PWの径方向において対向するように2個設けられているため、安定して風車PWを保持することができる。さらに、風車保持部142は、弾性体で形成されているため、風車PWを保持する際に、風車保持部142から風車PWに余分な力が作用することを抑制し、風車PWのキズ、位置ずれ等を防止又は抑制することができる。また、風車PWの保持を解除する際に、隣接する釘NA等を傷つけることを防止又は抑制することができる。
【0063】
(第2変形例)
図9には、第2変形例に係る風車保持機構150が示されている。ここでは、風車保持部100は、上下方向に沿って配置されると共にアーム152に固定されており、アーム152を介して直動型ガイド付きシリンダ154に連結されている。このため、直動型ガイド付きシリンダ154が、アーム152を押し出して水平移動させることによって、風車保持部100を、風車PW側へ水平移動させることができる。
【0064】
本変形例によれば、風車保持部100は、風車PWの外周形状に沿って薄い肉厚で形成されている。このため、風車PWとその外縁の近傍に配置されている釘NAとの隙間が狭い場合であっても、釘NA等と干渉することなく、釘NAと風車PWとを遊技盤12上へ下降させることができる。また、風車保持部100は、アーム152に固定されており、僅かに水平移動させることによって風車PWを保持することができるため、簡便な構成とすることができる。さらに、風車保持部100は、弾性体で形成されているため、風車PWを保持する際に、風車保持部100から風車PWに余分な力が作用することを抑制し、風車PWのキズ、位置ずれ等を防止又は抑制することができる。また、風車PWの保持を解除する際に、隣接する釘NA等を傷つけることを防止又は抑制することができる。
【0065】
なお、本実施形態に係る取付機10は、パチンコ台用の遊技盤として説明したが、これに限らず、パチンコ台以外の遊技盤に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 取付機
12 遊技盤
20 釘供給部
28 風車供給機構
30 風車供給部
38 コラム移動機構(移動機構)
44 釘把持機構
46 風車保持機構
52 釘風車移動機構(移動機構)
100 風車保持部
106 打付け機構
108 第2上下駆動装置(打付け用上下駆動装置、高さ検出機構)
124 ロードセル(圧力検出機構)
132 反射型ファイバセンサ(風車検出機構)
134 レーザセンサ(風車検出機構)
140 風車保持機構(第1変形例)
142 風車保持部(第1変形例)
150 風車保持機構(第2変形例)
NA 釘
PW 風車
PW3 穴部
【手続補正書】
【提出日】2021-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
図7Gから
図7Jに示されるように、釘NAを把持した釘把持機構44と風車PWを保持した風車保持機構46とは、コラム移動機構38によって、遊技盤12上の風車PWの取付け位置まで移動される(
図7G)。次に、1組の釘把持機構44及び風車保持機構46と連結されているカムフォロア92は、横移動機構84によって下降部分PDまで移動される。下降部分PDへ横移動されたカムフォロア92は、エアが注入されたガイド付きシリンダ96と共に下降部分PDが下降することによって、遊技盤12側へ向けて下降される。このため、釘把持機構44によって把持された釘NAと風車保持機構46によって保持された風車PWとが、遊技盤12上へ移動(配置)される。風車PWは、遊技盤12の表面に当接するまで下降され
(図7H)、風車PWと共に下降された釘NAは、第2上下駆動装置108によって下降されたハンマ装置112のハンマ114によって、例えば、2mm程度遊技盤12に仮打ちされる(
図7I)。これによって、釘NAと風車PWとが遊技盤12に対し固定され、釘NAの把持と風車PWの保持が解除される。エアチャック44Cのアンクランプ側にエアを入れることによって、2本のアーム部44Aが引き戻され、エアシリンダACのアンクランプ側にエアを入れることによって、風車保持部100が引き戻される。その後、ハンマ装置112のハンマ114は、釘NAを遊技盤12の所定の深さまで本打ちする(
図7J)。釘NAと風車PWの取付けが完了した釘把持機構44及び風車保持機構46は、ガイド付きシリンダ96の上昇によって、上昇される。さらに、コラム移動機構38によって、遊技盤12上における次の釘NA及び風車PWの取り付け位置まで移動されると共に、風車PWの遊技盤12への取り付けを繰り返す(
図7J)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
図8A及び
図8Bには、第1変形例に係る風車保持機構140が示されている。第1変形例に係る風車保持部142は、風車保持部142の上方側へ延在する保持アーム144と一体で形成されており、風車PWの径方向において対向するように2個設けられている。また、保持アーム144の上端側は、釘把持機構44のアーム部44Aと連結されている。このため、2個の風車保持部142は、エア
チャックACによって、釘把持機構44のアーム部44Aが作動するのにあわせて風車PWの径方向内側へ移動し、風車PWを保持することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】