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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127391
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】組立玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/16 20060101AFI20220824BHJP
   A63H 9/00 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
A63H3/16
A63H9/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025515
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山上 篤史
(72)【発明者】
【氏名】戸澗 宏太
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA13
2C150BC02
2C150CA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、例えば組立工程に関する情報や当該組立玩具に関する情報が組立部品に好適に形成され、ユーザの組立作業を支援する仕組みを提供する。
【解決手段】本組立玩具は、複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、第1組立部品が接合される第2組立部品とを備える。また、第1組立部品では、複数のパーツが正確に組み立てられると、第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立玩具であって、
複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、
前記第1組立部品が接合される第2組立部品と
を備え、
前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報が形成されることを特徴とする組立玩具。
【請求項2】
前記接合部において形成される前記組立玩具又は前記組立工程に関する情報は、前記第2組立部品に嵌め込まれる嵌合部を形成することを特徴とする請求項1に記載の組立玩具。
【請求項3】
前記複数のパーツが正確に組み立てられなければ、前記組立玩具又は前記組立工程に関する情報が形成されないことを特徴とする請求項1又は2に記載の組立玩具。
【請求項4】
前記第1組立部品は、前記組立玩具又は前記組立工程に関する情報が形成されなければ、前記組立玩具の一部品として機能しないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項5】
前記組立玩具に関する情報とは、前記組立玩具が対象とするモデルに関する情報であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項6】
前記組立工程に関する情報とは、前記第1組立部品が前記組立玩具の何れの部位に対応するかを示す情報であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項7】
前記組立工程に関する情報とは、前記第1組立部品が接合される先を示唆する情報であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項8】
前記組立玩具に関する情報又は前記組立工程に関する情報が形成されたパーツをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項9】
前記組立玩具に関する情報又は前記組立工程に関する情報は、図形、文字、記号、及び模様の少なくとも1つによって現わされることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項10】
前記第2組立部品は、1つのパーツであるか、又は複数のパーツから組み立てられることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の組立玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
初心者や年少者にとっても容易に組み立て可能な組立玩具が知られている。例えば、特許文献1には、ランナーが無く隣接した2つの主要パーツがゲートで繋がれ、当該ゲートを折り曲げるだけでほぼ完成する組立玩具が提案されている。ランナーから切り離して組み立てる必要がないため、切り離したパーツがどの部分のパーツかを把握する必要がなく、容易に組み立てることができる。
【0003】
また、特許文献2には、一直線に配置可能な複数の構成部材を重ねて、それぞれの貫通孔に棒状の支持部材を挿入して組み立てを行う組み立て玩具が提案されている。この組み立て玩具では支持部材を挿入して軸中心に回動させることにより各構成部材をロックすることができる。したがって、年少者にとっても容易に組み立てることができ、かつ安全で、楽しく、知育遊びにもなる組み立て玩具が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平8-7915号公報
【特許文献2】特開2012-148172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、パーツ数が少ないものであれば容易に組み立て可能である。しかし、パーツ数が増えるほど組み立て工程は煩雑になり、年少者では組立順序や組立途中の段階における組立部品が全体のどこの部位に相当するかなど説明書等から判断することは難しいものである。例えば、左脚、右脚をそれぞれ複数のパーツで組み立てて、胴体部へ接続する組立工程においては、組立途中において、注目パーツが左脚と右脚の何れのバーツであるか、或いは、途中段階の組立部品がどちらの脚の部品であるかの判断は年少者にとっては難しいものであり、各部品の結合先を判断することも難しい。また、組立途中においてそれまでの組立工程が問題なく行われているのか否かを判断することは難しく、間違えたまま組立を進めると、後に行き詰まることがあり、組立ユーザは組立工程に煩わしさを感じてしまう。このような状況に陥ると、複数のパーツを組み立てて作り上げていく工程の楽しさや達成感を感じることができず、さらに難しい組立玩具へ挑戦するという意欲を与えることができない。このような従来技術では、プラスチックモデル等の組立工程の楽しさを知り、次の玩具への販売促進効果を得ることができない。
【0006】
本発明は、例えば、組立工程に関する情報や当該組立玩具に関する情報が組立部品に好適に形成され、ユーザの組立作業を支援する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、組立玩具であって、複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、前記第1組立部品が接合される第2組立部品とを備え、前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のパーツを組み上げていく組立途中において、組立工程に関する情報や当該組立玩具に関する情報が組立部品に好適に形成され、ユーザの組立作業を支援する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る組立玩具の外観正面の一例を示す図。
図2】一実施形態に係る組立玩具の顔の分解図。
図3】一実施形態に係る組立玩具における顔部品の(a)分解図及び(b)組立図。
図4】一実施形態に係る組立玩具における脚部の分解図。
図5】一実施形態に係る組立玩具における右足部の分解図。
図6】一実施形態に係る組立玩具における左足部の分解図。
図7】一実施形態に係る組立玩具における胸部の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<組立玩具の外観>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る組立玩具100の外観構成の一例について説明する。図1は組立玩具100の外観正面を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における組立玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0012】
組立玩具(人形玩具)100は、組立後の最終組立品を示す。組立玩具100は、複数の組立部品から構成され、例えば、右腕102a、左腕102b、胴体部103、及び右脚部104a、左脚部104bを含んで構成される。なお、図1に示すように、右脚部104a及び左脚部104bは、胴体部103に含まれるズボンパーツによって覆われる形態となる。本実施形態に係る組立部品とは、複数のパーツから構成される組立玩具100の一部品を示す。また、本実施形態では人の組立玩具を例に説明するため、これらの組立部品を例示しているが、本発明に係る組立玩具は人に限らず、様々な物体をモデルにすることができるものであり、組立部品についても種々の物体が含まれるものである。
【0013】
<顔部の組立構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る顔部101の組立構成について説明する。図2(a)は正面からの分解斜視図を示し、図2(b)は背面からの分解斜視図を示す。
【0014】
顔部101は、顔部材201、203及び組立部品202を含んで構成される。顔部材201、203は1つのパーツから構成されている。一方、組立部品202は、複数のパーツを含んで構成される。詳細については、図3を用いて後述する。顔部材201は後頭部を形成し、顔部材203は顔表面を形成する。組立部品202は、顔表面の顔部材203の背面から嵌め込まれて顔表面の一部、例えば、眼部を形成する。さらに、後頭部の顔部材201が組立部品202の背面から装着されて顔部101が構成される。
【0015】
組立部品202の前面には、突出したリブである嵌合部204が形成されている。嵌合部204は、顔部材203の背面に設けられた凹部205に嵌め込まれる。これにより、組立部品202が顔部材203へ接合される。また、嵌合部204は凹部205に嵌め込まれる部分において組立玩具に関する情報が形成される。嵌合部は後述する接合部の一例である。
【0016】
ここで、組立玩具に関する情報とは、組立玩具100が対象とするモデルに関する情報であり、例えば、モデルの名称や、モデルを示す文字列、記号、図形、及び模様などが含まれる。組立玩具に関する情報は、組立ユーザが認識可能な情報であればよい。組立ユーザが認識可能な情報であれば、当該情報が形成された段階でこれまでの組立工程が正確に行われていることを認識することができる。図2の例では、モデルを示す名称として「コロン」という文字列が嵌合部204に形成される。なお、図2(b)に示すように、組立玩具に関する情報は、嵌合部204の背面からも確認できるように形成されてもよい。また、ここでは、嵌合部204に組立玩具に関する情報が形成されることについて例示しているが、組立工程に関する情報が形成されてもよい。組立工程に関する情報の詳細については後述する。
【0017】
<顔部品の組立構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る組立部品202の組立構成について説明する。図3(a)は組立部品202の正面からの分解斜視図を示し、図3(b)は組立部品202の組み立て後の正面からの様子を示す。
【0018】
組立部品202は第1組立部品に相当し、複数のパーツ301~303を含んで構成される。図3(a)に示すように、パーツ301に対してパーツ302が組み付けられ、さらにパーツ303がそれらに組み付けられる。これにより、組立部品202が完成し、その前面には、組立玩具に関する情報、ここでは組立玩具100のモデルの名称である「コロン」が形成される。組立ユーザは組立玩具100の対象となるモデルの名称が形成されることにより、これまでの組立工程、特に組立部品202の組み立てが正確に行えたことを確認することができる。一方、複数のパーツ301~303が正確に組み立てられなければ、組立玩具に関する情報は形成されず、上述したように、顔部材203に正確に嵌め込むことができない。この場合、組立ユーザは、組立部品202の組み立てが誤っていることを認識することができる。
【0019】
このように、組立玩具に関する情報は、組立部品202の組み立てが正確に行われると形成されるものであり、一方、正確に組み立てられなければ現れないものである。したがって、組立玩具100を組み立てている組立ユーザにとっては、上記組立玩具に関する情報が組立途中の段階で形成されると、これまでの組立工程が正確に行われていることを認識することができ、更には年少者などにとっては、組立工程の途中段階で達成感を得ることができ、組立工程に対して興味を抱かせることができる。なお、本実施形態では、このような組立部品が複数設けられてもよい。これにより、より複雑で多くのパーツを含む組立玩具であっても、組立ユーザは少数のパーツの組み合わせを繰り返すことにより、容易に組立玩具を完成させることができる。
【0020】
<脚部の組立構成>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る右脚部104a及び左脚部104bの組立構成について説明する。図4(a)は脚部の正面からの分解斜視図であり、図4(b)は脚部の下方からの分解斜視図である。ここでは、図1に示す胴体部103のズボンパーツは省略して図示している。つまり、図4に示す右脚部104a及び左脚部104bは、後述するように胴体部103の腰部付近で接合されるものの、図1に示すように、さらに胴体部103のズボンパーツで覆われるように構成される。
【0021】
右脚部104a及び左脚部104bは、それぞれ大腿部及び下腿部に相当する組立部品401a、401bと、足部に相当する組立部品403a、403bとを含んで構成される。なお、図4の説明では、組立部品401a、401bが第1組立部品に相当し、組立部品403a、403bが第2組立部品に相当する。即ち、組立部品401a及び組立部品403aで右脚部104aが構成され、組立部品401b及び組立部品403bで左脚部104bが構成される。組立部品401a、401bは、それぞれ複数のパーツから構成される。複数のパーツから組み立てられた組立部品401a、401bは、それぞれ胴体部103へ接合される接合部402a、402bが形成される。
【0022】
図4(a)の点線で示す吹き出し内には、接合部402a、402bのそれぞれの拡大図を示す。接合部402aには文字「右」の部首に相当する「口(くち)」が形成され、接合部402bには文字「左」の部首に相当する「エ」が形成される。これにより、組立ユーザは組立部品401aが右脚部104aの一部品であることを認識し、組立部品401bが左脚部104bの一部品であることを認識することができる。
【0023】
なお、ここでは「右」、「左」の文字を完全に形成するのではなく、部首のみを形成するようにしたが、本発明を限定する意図はなく、完全な文字が形成されるようにしてもよい。しかし、ここでは形成可能なスペースを確保することができないため、敢えて部首のみの形成としている。従って、部首のみを形成して組立工程に関する情報が形成される場合には、組立ユーザにその旨を認識させるべく、例えば製品パッケージや説明書等に記載することが望ましい。例えば、複数のパーツを組み立てることにより、右脚部や右腕などの右側の組立部品には記号「口」が現れ、左脚部や左腕などの左側の組立部品には記号「エ」が現れる旨の説明文を掲載することが望ましい。また、ここでは部首である「口」や「エ」を用いたが、本発明を限定する意図はなく、例えば右を「〇」として左を「×」としたり、右を「A」として左を「B」とするなど種々の文字や、数字、記号、図形などを用いてもよい。
【0024】
また、図4(b)に示すように、右脚部104a及び左脚部104bには、それぞれ接合部404a、404bがさらに形成される。接合部404aは右足に相当する組立部品403aに接合され、接合部404bは左足に相当する組立部品403bに接合される。また、接合部404aには文字「右」の部首に相当する「ロ」が形成され、接合部404bには文字「左」の部首に相当する「エ」が形成される。これにより、ユーザは組立部品401a、401bが左右の何れの側の部品であるかを認識することができる。
【0025】
<右足及び左足の詳細構成>
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る右足及び左足に相当する組立部品403a、403bの詳細な組立構成について説明する。図5は右足の組立部品403aの(a)分解斜視図、(b)組立図、及び(C)つま先パーツの背面図を示す。図6は左足の組立部品403bの(a)分解斜視図、(b)組立図、及び(C)つま先パーツの背面図を示す。
【0026】
まず、右足の詳細構成について図5を用いて説明する。組立部品403aは、複数のパーツ501a~505aを含んで構成される。パーツ501a及びパーツ503aにはそれぞれ、点線で示すように、組立工程に関する情報を形成するための部分506a、507aが形成されている。506aは文字「右」の部首に相当する「口」を示す突出したリブとして形成され、507aは文字「右」の「ナ」の部分を示す。図5(a)に示すように「ナ」の部分507aは突出したリブとして形成されず、パーツに描画されて形成されてもよい。もちろん「ナ」の部分507aは突出したリブとして形成されてもよい。このように、本実施形態に係る接合部は、他のパーツへ嵌め込まれる少なくとも一部が突出したリブとして形成されてもよい。パーツ501a及びパーツ503aが502aに対して左右両側から組み合わされた状態を図5(b)に示す。
【0027】
図5(b)の508aに示すように、パーツ501a及びパーツ503aが組み合わされることにより、「ロ」に相当する部分506aと、「ナ」に相当する部分507aとが組み合わされて文字「右」が形成される。この「右」は嵌合部(リブ)となっており、パーツ504aに嵌め込まれる。組立ユーザは当該文字「右」を確認することにより、組立部品403aのこれまでの組み立てが正確に行われていることを認識し、さらに、当該組立部品403aが右側の組立部品であることを認識することができる。なお、図5(b)の例では、パーツ504aが嵌め込まれる前に、つま先に相当するパーツ505aが既に組み合わされているが特に本発明を限定する意図はなく、パーツ504aが組み合わされた後に最終的にパーツ505aが組み合わされる形態でもよい。
【0028】
また、図5(c)に示すように、右足のつま先に相当するパーツ505aの内部には、組立工程に関する情報を形成する部分509aが含まれる。部分509aは、「Right(右)」の頭文字である「R」を示す。これにより、組立ユーザは当該パーツ505aが右足及び左足の何れのパーツであるかを容易に認識することができる。また、部分509aは、組み合わされたパーツ501a~504aに対して嵌め込まれる際の嵌合部(リブ)として機能する。
【0029】
次に、左足の詳細構成について図6を用いて説明する。組立部品403bは、複数のパーツ501b~505bを含んで構成される。パーツ501b及びパーツ503bにはそれぞれ、点線で示すように、組立工程に関する情報を形成するための部分506b、507bが形成されている。506bは文字「左」の部首に相当する「エ」を示す突出したリブとして形成され、507bは文字「左」の「ナ」の部分を示す。図6(a)に示すように「ナ」の部分507bは突出したリブとして形成されず、パーツに描画されて形成されてもよい。もちろん「ナ」の部分507bは突出したリブとして形成されてもよい。このように、本実施形態に係る接合部は、他のパーツへ嵌め込まれる少なくとも一部が突出したリブとして形成されてもよい。パーツ501b及びパーツ503bが502bに対して左右両側から組み合わされた状態を図6(b)に示す。
【0030】
図6(b)の508bに示すように、パーツ501b及びパーツ503bが組み合わされることにより、「エ」に相当する部分506bと、「ナ」に相当する部分507bとが組み合わされて文字「左」が形成される。この「左」は嵌合部(リブ)となっており、パーツ504bに嵌め込まれる。組立ユーザは当該文字「左」を確認することにより、組立部品403bのこれまでの組み立てが正確に行われていることを認識し、さらに、当該組立部品403bが左側の組立部品であることを認識することができる。なお、図6(b)の例では、パーツ504bが嵌め込まれる前に、つま先に相当するパーツ505bが既に組み合わされているが特に本発明を限定する意図はなく、パーツ504bが組み合わされた後に最終的にパーツ505bが組み合わされる形態でもよい。
【0031】
また、図6(c)に示すように、左足のつま先に相当するパーツ505bの内部には、組立工程に関する情報を形成する部分509bが含まれる。部分509bは、「Left(左)」の頭文字である「L」を示す。これにより、組立ユーザは当該パーツ505bが右足及び左足の何れのパーツであるかを容易に認識することができる。また、部分509bは、組み合わされたパーツ501b~504bに対して嵌め込まれる際の嵌合部(リブ)として機能する。
【0032】
<胸部の組立構成>
次に、図7を参照して、胸部の一部の組立構成について説明する。図7(a)は胸部の正面からの斜視図であり、図7(b)は脚部の背面からの斜視図であり、図7(c)は胸部の背面からの分解斜視図である。
【0033】
パーツ701、702は胸部の一部を構成する。パーツ702は蝶ネクタイを示す部材である。図7(c)に示すように、パーツ702はパーツ701に対して接合される接合部703が設けられる。接合部703は鍵型の形状をしており、パーツ701に形成された鍵型の穴704に嵌合される嵌合部として機能する。
【0034】
このように、本実施形態によれば、1つのパーツにおける他のパーツへ嵌め込まれる接合部が所定物を具象化したものであってもよい。ここでは鍵型の図形を例に説明しているが、文字や記号、模様など他の形状であってもよい。これにより、組立ユーザは当該パーツについてどの向きで嵌め込めばよいかをパズルのような感覚で作業することができ、組立工程における興趣性を向上させることができる。また、接合部703と同様の形状を有するパーツ701を探すことにより、組み合わされるパーツを容易に探すことができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る組立玩具は、複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、第1組立部品が接合される第2組立部品とを備える。また、第1組立部品では、複数のパーツが正確に組み立てられると、第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報が形成される。したがって、ユーザは最初から最終組立品である組立玩具100を意識して組み立てるのではなく、より小規模の組立部品を意識して組み立てることができ、組立玩具に関する情報が形成される度に達成感を得ることができるとともに容易に組立作業を行うことができる。また、組立工程に関する情報が形成される場合には、第1組立部品の接合先を示唆する情報が接合部に形成されることにより、ユーザは誤った接合先へユーザにとっては所定部の模型を正確に組み上げることにより達成感を得るとともに、これまでの組立工程が正確に行われることを確認することができる。このように、本実施形態によれば、容易に組み立て可能であって、更には組立工程の興趣性を高める仕組みを提供することができる。
【0036】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。また、組立玩具の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【符号の説明】
【0037】
100:組立玩具、101:頭部、102a:右腕、102b:左腕、103:胴体部、104a:右脚、104b:左脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立玩具であって、
複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、
前記第1組立部品が接合される第2組立部品と
を備え、
前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報として、図形、文字、記号、及び模様の少なくとも1つが形成され
前記組立玩具に関する情報とは、前記組立玩具が対象とするモデルに関する情報であることを特徴とする組立玩具。
【請求項2】
組立玩具であって、
複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、
前記第1組立部品が接合される第2組立部品と
を備え、
前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報として、図形、文字、記号、及び模様の少なくとも1つが形成され、
前記組立工程に関する情報とは、前記第1組立部品が前記組立玩具の何れの部位に対応するかを示す情報であることを特徴とする組立玩具。
【請求項3】
前記接合部において形成される前記組立玩具又は前記組立工程に関する情報は、前記第2組立部品に嵌め込まれる嵌合部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の組立玩具。
【請求項4】
前記複数のパーツが正確に組み立てられなければ、前記組立玩具又は前記組立工程に関する情報が形成されないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項5】
前記第1組立部品は、前記組立玩具又は前記組立工程に関する情報が形成されなければ、前記組立玩具の一部品として機能しないことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項6】
前記組立工程に関する情報とは、前記第1組立部品が接合される先を示唆する情報であることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項7】
前記組立玩具に関する情報又は前記組立工程に関する情報が形成されたパーツをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の組立玩具。
【請求項8】
前記第2組立部品は、1つのパーツであるか、又は複数のパーツから組み立てられることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の組立玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、例えば、組立玩具であって、複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、前記第1組立部品が接合される第2組立部品とを備え、前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報が形成されることを特徴とする。
また本発明は、例えば、組立玩具であって、複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、前記第1組立部品が接合される第2組立部品とを備え、前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報として、図形、文字、記号、及び模様の少なくとも1つが形成され、前記組立玩具に関する情報とは、前記組立玩具が対象とするモデルに関する情報であることを特徴とする。
また本発明は、例えば、組立玩具であって、複数のパーツから組み立てられる第1組立部品と、前記第1組立部品が接合される第2組立部品とを備え、前記第1組立部品では、前記複数のパーツが正確に組み立てられると、前記第2組立部品へ連結される接合部に組立玩具又は組立工程に関連する情報として、図形、文字、記号、及び模様の少なくとも1つが形成され、前記組立工程に関する情報とは、前記第1組立部品が前記組立玩具の何れの部位に対応するかを示す情報であることを特徴とする。