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▶ 横田 美和子の特許一覧

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  • 特開-熱のこもらないマスク 図1
  • 特開-熱のこもらないマスク 図2
  • 特開-熱のこもらないマスク 図3
  • 特開-熱のこもらないマスク 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012746
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】熱のこもらないマスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220107BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114802
(22)【出願日】2020-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】520242126
【氏名又は名称】横田 美和子
(74)【代理人】
【識別番号】100178102
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 晃
(72)【発明者】
【氏名】横田 美和子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA09
2E185CC32
2E185CC36
(57)【要約】
【課題】鼻孔からの吐息と熱がマスク内にこもらず、素早く外に排出できるマスクを提供する。
【解決手段】本体1とストラップ2から成る感染症予防用マスクであって、本体1は、外側に膨凸し人の鼻甲を被覆しつつ本体下辺14近傍まで下伸する鼻掛け部11と、鼻掛け部11の内側の鼻孔に下接する位置より下方に形成された略平面の口当て部12と、鼻孔からの吐息をマスク外に排出する縦長の空気トンネル13とを有する
空気トンネル13は、外側に膨凸する鼻掛け部11と略平面の口当て部12とがなす空間に形成され、鼻掛け部11の鼻孔に下接する位置に入口131が配設され、本体下辺近傍に出口132が配設されている
ストラップ2は、人の左右の耳にかける一対の紐であり、マスク本体の左辺15及び右辺16にそれぞれ設置されるが、人の後頭部に回しかけする1又は連続複数の紐とすることも可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体とストラップから成る感染症予防用マスクであって該マスク本体は、
マスク外側に膨凸し人の鼻甲を被覆しつつ前記マスク本体下辺近傍まで下伸する鼻掛け部と、
前記鼻掛け部の内側の鼻孔に下接する位置より下方に形成された略平面の口当て部と、
鼻孔からの息を前記マスク外に排出する縦長の空気トンネルと、
を有することを特徴とする感染症予防用マスク。
【請求項2】
前記空気トンネルは、前記外側に膨凸する前記鼻掛け部と前記略平面の口当て部とがなす空間に形成され、前記鼻掛け部の鼻孔に下接する位置に入口が配設され、前記本体下辺近傍に出口が配設されていることを特徴とする請求項1記載の感染予防用マスク。
【請求項3】
前記ストラップは、人の左右の耳にかける一対の紐であり、前記マスク本体の左辺及び右辺にそれぞれ設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の感染症予防用マスク。
【請求項4】
前記ストラップは、人の後頭部に回しかけする1又は連続複数の紐であり、前記1又は連続複数の紐の両端は前記マスク本体の左辺上端及び右辺上端に接合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の感染症予防用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症予防のためのマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
感染症予防のためのマスクは、フィルター機能はあまりないが、飛沫防止の効果は期待できる。この観点から、市中では、ガーゼを折り畳んだ布マスク、不織布を使ったサージカルマスクなどが売られている。また、熱のこもらないマスクとしては、ポリウレタン等の通気性の良い素材を使用したものや、換気口を有するものが市販されている。さらに、マスク本体と顔面との間に空間を創出した立体マスクも市販されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3199570号公報
【特許文献2】実用新案登録第3207842号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガーゼや不織布を素材とする通常のマスクは呼吸がしづらく、長時間の着用や運動時の使用が難しい。とくに夏場は、吐いた息がマスク内にこもって、熱中症の危険性が懸念されている。このため、上述したように、通気性の良い素材を使用したもの、換気口を有するもの、立体マスクなどが市販されている。
【0005】
しかしながら、素材を通気性の良いものにしたり、形状を立体的にして顔面との間に多少の空間を設けても、吐息の排出や通気性が劇的に改善するわけではなく、熱中症の危険性はぬぐえない。また、換気口等の特殊部品を使用したものは高価であるうえ、洗浄による繰り返しの使用には適さない。
【0006】
特許文献1では、通常の素材を使用した本体部の上に、通気性の良い素材を使用した外層部を重ね合わせた構成で、鼻呼吸を楽にしたい時には、マスクの鼻部の本体部を口部側に折り返すことにより鼻孔部に当たる部分を通気性の良い外層部だけにして、鼻呼吸の息苦しさを解消することを目的としたマスクが提案されている。しかし、上述したように、素材の選択だけでは、熱排出の効果は限定的である。
【0007】
特許文献2には、鼻部と口部を別々に覆う2つの立体分室を有することにより、鼻呼吸や口呼吸をスムーズにすることを狙った立体マスクが提案されている。しかし、鼻と口を別々の空間で覆っても、それぞれの分室に吐息がこもり、熱中症を患う危険性は減少しない。
【0008】
上記の事情に鑑み、本発明においては、鼻孔からの吐息と熱がマスク内にこもらず、素早く外に排出できるマスクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るマスクは、本体とストラップから成る感染症予防用マスクであって、該マスク本体は、外側に膨凸し人の鼻甲を被覆しつつ前記膨凸部が前記マスク本体下辺近傍まで下伸する鼻掛け部と、前記鼻掛け部の内側の鼻孔に下接する位置より下方に形成された略平面の口当て部と、鼻孔からの吐息を前記マスク外に排出する縦長の空気トンネルとを有することを特徴とする。
【0010】
前記空気トンネルは、前記外側に膨凸する前記鼻掛け部と前記略平面の口当て部とがなす空間に形成され、前記鼻掛け部の鼻孔に下接する位置に入口が配設され、前記本体下辺近傍に出口が配設されていることを特徴とする。
【0011】
前記ストラップは、人の左右の耳にかける一対の紐であり、前記マスク本体の左辺及び右辺にそれぞれ設置されていることを特徴とする。前記ストラップは、人の後頭部に回しかけする1又は連続複数の紐とすることも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るマスクを使用することにより、吐息と熱が素早く排出され、マスク内に暖気がこもらないので、体温が上がる事がなく熱中症の危険が軽減される。
【0013】
本発明に係るマスクの第一の目的は、鼻からの吐息を素早く排出することであるが、空気トンネルを通して吸気を行うこともできるので、マスクを着用した状態で楽に呼吸を行うことができる。この状態でも、飛沫防止の観点から言えば、感染予防の効果は、十分、期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1のマスクの外側の写真である。
図2】実施形態1のマスクの内側の写真である。
図3】実施形態2のマスクの外側の写真である。
図4】実施形態2のマスクの内側の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るマスクの特徴は、請求項1及び2に記載の通り、マスク外側に膨凸する鼻掛け部11の鼻より下の部分と、マスク内側に形成された口当て部12の間に創出された空気トンネル13の存在である。
【0016】
この空気トンネル13の作成については布地の構成と縫い付け方により様々な方法が考えられるが、本願においては、2つの方法を提示し、それぞれ実施形態1、実施形態2として、以下に説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1及び図2に示すように、実施形態1のマスクは上部分の布Aと下部分の布Bで出来ており、上部分の布Aは、中央縦方向に空気トンネル13を形成するために細長く下に伸び、全体として略T字形状になっている。一方、下部分の布Bは横長の略長方形で、内側が口当て部12となる。
【0018】
AとBの接合方法は、まず、内側にトンネル13の入口131(図2)を確保する形で、上下部分の布を合体させる。次に、トンネル13の出口132の空間(図1)を確保しつつ、Aの長く下に伸びている部分をBに縫い付けて、マスク本体1を完成させる。
【0019】
この結果、中央縦方向に膨凸する鼻掛け部11が形成され(図1)、内側のAB接合部分に、AとBとの間で空気トンネル13が形成される(図2)。
【0020】
(実施形態2)
図3及び図4に示すように、実施形態2のマスクは、通常のマスクCの内側、中央下部分に、略方形の口当て布Dを縫着させて空気トンネル13を作成したものである。すなわち、通常のマスクCの中央部分が縦方向外側に膨凸するようにして口当て布Dを合わせ、トンネル13の入口131と出口132を確保しつつDの左右辺をCに縫い付ける。これにより、鼻掛け部11と口当て部12を形成し、11と12がなす空間に空気トンネル13を創出させた。
【0021】
図1乃至図4に示すように、ストラップ2は、マスク本体1の左辺15及び右辺16を内側に折り曲げて縫設される。また、ストラップは、耳掛けではなく、人の後頭部に回しかけするタイプの1又は連続複数の紐とすることも可能である。
【0022】
以上、本発明に係るマスクについて、作成方法の観点から2の実施形態に記載したが、本発明は、本願の特許請求の範囲で使用されている言葉を広く一般的な意味にまで広げて、本発明の原理の範囲内での様々な実施が可能である。例えば、鼻掛け部11はマスク外側の、また、口当て部12は内側の布地の一部とみなし、空気トンネル13は請求項2の記載に限定されず、長さや入口・出口の位置を自在とすることも可能である。これら本願記載の本実施形態と異なる実施も、本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0023】
1 マスク本体
11 鼻掛け部(膨凸部分)
12 口当て部
13 空気トンネル
131 空気トンネル入口
132 空気トンネル出口
14 下辺
15 左辺
16 右辺
2 ストラップ
A 上部分の布
B 下部分の布
C 通常のマスク
D 口当て布
図1
図2
図3
図4