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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127483
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】個別学習システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20220824BHJP
   G09B 7/02 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B7/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025658
(22)【出願日】2021-02-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502351659
【氏名又は名称】株式会社医療情報技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】姫野 信吉
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BA02
2C028BB01
2C028BC01
2C028BD01
5L049CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試験問題に対する個々の誤答に対して、当該受講者が理解不十分である学習要素を的確に突き止め、それを理解させるための教材をピンポイントで提供し、さらに十分理解できたか否かを判定する確認試験を、個々の受講者ごとに可能とするシステムを提供する。
【解決手段】属性タグ管理手段等ソフトウェアのモジュールや記録データベースが格納されているサーバを有するシステム構成において、ソフトウェア構成は、試験問題や教材の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段と、属性タグを試験問題や教材に付与する属性タグ付与手段と、試験問題と試験問題に対して属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段と、前記段から出題された試験問題実施後の回答において、正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者毎に集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段と、有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)試験問題や教材の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段、
(ii)前記属性タグを試験問題や教材に付与する属性タグ付与手段、
(iii)試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段を備え、
前記属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、
正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を有することを特徴とする個別学習システム。
【請求項2】
前記属性タグ管理手段において、属性タグ間の階層構造を定義する属性タグ階層構造定義手段を有することを特徴とする請求項1記載の個別学習システム。
【請求項3】
前記属性タグ付き試験問題管理手段において、元の試験問題に対して、選択肢の順番の入れ替え、選択肢の否定/肯定の入れ替え、選択肢内のキーワードの入れ替え、前記操作に伴う正解の変更を行って類似問題を作成する、類似問題作成手段を有することを特徴とする請求項1ないし2いずれか記載の個別学習システム。
【請求項4】
前記受講者ごと正誤答属性タグ集計手段において、属性タグごとに誤答と正答の割合を求め、受講者の理解が不十分である可能性の高い属性タグを絞り込む理解不十分属性タグ絞り込み手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の個別学習システム。
【請求項5】
教材と、当該教材に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き教材管理手段を備え、前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で得られた理解不十分な可能性の高い属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を抽出する、理解不十分属性タグ対応教材抽出手段を有することを特徴とする請求項4記載の個別学習システム。
【請求項6】
前記理解不十分属性タグ対応教材抽出手段で抽出された教材を学習後に、当該属性タグに関して十分な理解に達しているかを確認するために、当該属性タグを有する別の試験問題を属性タグ付き教材管理手段から抽出する理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段を有することを特徴とする請求項5記載の個別学習システム。

【請求項7】
受講者の回答/教材閲覧履歴を保持する受講者回答/教材閲覧履歴管理手段を有することを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の個別学習システム。
【請求項8】
前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す学習進行難渋受講者検知手段を有することを特徴とする請求項7記載の個別学習システム。
【請求項9】
前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、理解不十分属性タグ理解確認試験問題にて正答率の向上が高くなる当該理解不十分属性タグに対する教材を、他の当該理解不十分属性タグに対する教材よりも教材提示の優先度を上げる教材閲覧優先度向上手段を有することを特徴とする請求項7ないし8いずれか記載の個別学習システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校などで行われる試験において、受講者の正誤回答に基づき、当該受講者の理解度に応じた教材、追加試験を実施して、受講者ごとに最適な個別学習を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
学校などでは頻繁に学習による理解度を測るため試験が行われている。
従来は紙に書かれた問題に対して受講者が手書きで回答し、教員が手作業で採点すること普通であった。
近年コンピューターシステムの性能向上により、試験問題を電子的に配布し、受講者はコンピューター端末で回答、送信し、サーバーで自動的に採点することが可能となってきている。
また、問題文に単元名や難易度などの属性をつけて記録しておき、事前試験で得られた受講者の理解度に応じて、適した問題や学習コースを選択することも行われるようになってきている。
この出願に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-207335
【特許文献2】特開2002-49297
【特許文献3】特開2005-321768
【特許文献4】特許5924654
【特許文献5】特開2014-228957
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
試験は、受講者の理解度を測る手段である。
ある問題に関して誤答があったとする。一つの問題を解決するには、その問題を構成する複数の学習要素について正しい理解が得られていることが必要である。
誤答の原因として、どの学習要素の理解が不十分であったか、逆にどの学習要素は理解されているかが判らないと、正解に導くための適切な指導が困難であり、さらに、指導の結果、理解が十分に進んでいるかを判断できない。
従来は、教科書などを同じように繰り返して勉強させたり、何度も同じ問題群を解かせたりするような指導が行われてきた。
しかし、既に理解して学習要素を何度も学習させることは、受講者にとって退屈であり学習意欲の低下につながりやすい。しかも、肝腎の理解不十分な学習要素の学習が手薄になり、学習効果は低いままに留まる傾向があった。
この課題は、従来の試験が、受講者の理解度レベルを全体的に、かつ大雑把に把握するに留まり、個々の問題の解答において、どの学習要素の理解が十分/不十分であるかを詳細に把握するという観点に欠けていたことに根本原因があると思われる。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、試験問題に対する個々の誤答に対して、当該受講者が理解不十分である学習要素を的確に突き止め、その学習要素を理解させるための教材をピンポイントで提供し、さらに十分理解できたかどうかを判定するための確認試験を、個々の受講者ごとに可能とする個別学習システムを提供することである。さらに、それでも学習に難渋している受講者を早期に発見し、指導者が介入することにより、脱落者の発生を予防することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の個別学習システムでは、
(i)試験問題や教材の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段、
(ii)前記属性タグを試験問題や教材に付与する属性タグ付与手段、
(iii)試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段を備え、
前記属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、
正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の個別学習システムでは、請求項1記載の個別学習システムにおいて、前記属性タグ管理手段において、属性タグ間の階層構造を定義する属性タグ階層構造定義手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の個別学習システムでは、請求項1ないし2いずれか記載の個別学習システムにおいて、前記属性タグ付き試験問題管理手段において、元の試験問題に対して、選択肢の順番の入れ替え、選択肢の否定/肯定の入れ替え、選択肢内のキーワードの入れ替え、前記操作に伴う正解の変更を行って類似問題を作成する、類似問題作成手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の個別学習システムでは、請求項1ないし3いずれか記載の個別学習システムにおいて、前記受講者ごと正誤答属性タグ集計手段において、属性タグごとに誤答と正答の割合を求め、受講者の理解が不十分である可能性の高い属性タグを絞り込む理解不十分属性タグ絞り込み手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の個別学習システムでは、請求項4記載の個別学習システムにおいて、教材と、当該教材に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き教材管理手段を備え、前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で得られた理解不十分な可能性の高い属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を抽出する、理解不十分属性タグ対応教材抽出手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の個別学習システムでは、請求項5記載の個別学習システムにおいて、前記理解不十分属性タグ対応教材抽出手段で抽出された教材を学習後に、当該属性タグに関して十分な理解に達しているかを確認するために、当該属性タグを有する別の試験問題を属性タグ付き教材管理手段から抽出する理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の個別学習システムでは、請求項1ないし6いずれか記載の個別学習システムにおいて、受講者の回答/教材閲覧履歴を保持する受講者回答/教材閲覧履歴管理手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の個別学習システムでは、請求項7記載の個別学習システムにおいて、前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す学習進行難渋受講者検知手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の個別学習システムでは、請求項7ないし8いずれか記載の個別学習システムにおいて、前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、理解不十分属性タグ理解確認試験問題にて正答率の向上が高くなる当該理解不十分属性タグに対する教材を、他の当該理解不十分属性タグに対する教材よりも教材提示の優先度を上げる教材閲覧優先度向上手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の個別学習システムでは、属性タグ管理手段を備えたので試験問題や教材の属性を示す属性タグのリストを管理する。
属性タグ付与手段を備えたので、属性タグを試験問題や教材に付与する。
属性タグ付き試験問題管理手段を備えたので、試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する。
受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を備えたので、属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する。
【0016】
請求項2記載の個別学習システムでは、属性タグ階層定義手段を備えたので、属性タグ管理手段において、属性タグ間の階層構造を定義する。
【0017】
請求項3記載の個別学習システムでは、類似問題作成手段を備えたので、元の試験問題に対して、選択肢の順番の入れ替え、選択肢の否定/肯定の入れ替え、選択肢内のキーワードの入れ替え、前記操作に伴う正解の変更を行って類似問題を作成する。
【0018】
請求項4記載の個別学習システムでは、理解不十分属性タグ絞り込み手段を備えたので、属性タグごとに誤答と正答の割合を求め、受講者の理解が不十分である可能性の高い属性タグを絞り込む。
【0019】
請求項5記載の個別学習システムでは、属性タグ付き教材管理手段を備えたので、教材と、当該教材に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する。
理解不十分属性タグ対応教材抽出手段を備えたので、理解不十分属性タグ絞り込み手段で得られた理解不十分な可能性の高い属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を抽出する。
【0020】
請求項6記載の個別学習システムでは、理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段を備えたので、理解不十分属性タグ対応教材抽出手段で抽出された教材を学習後に、当該属性タグに関して十分な理解に達しているかを確認するために、当該属性タグを有する別の試験問題を属性タグ付き教材管理手段から抽出する。
【0021】
請求項7記載の個別学習システムでは、受講者回答/教材閲覧履歴管理手段を備えたので、受講者の回答/教材閲覧履歴を保持する。
【0022】
請求項8記載の個別学習システムでは、学習進行難渋受講者検知手段を備えたので、受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す。
【0023】
請求項9記載の個別学習システムでは、教材閲覧優先度向上手段を備えたので、理解不十分属性タグ理解確認試験問題にて正答率の向上が高くなる当該理解不十分属性タグに対する教材を、他の当該理解不十分属性タグに対する教材よりも教材提示の優先度を上げる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のシステム構成の概略図である。
図2図2はソフトウェアの構成図である。
図3】属性タグ管理手段の説明図である。
図4】属性タグ付き試験問題管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
図5】属性タグ付き教材管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
図6】受講者ごと正誤答属性タグ集計手段および理解不十分属性タグ絞り込み手段の説明図である。
図7】誤答属性タグ対応教材提示手段の説明図である。
図8】類似問題作成手段の説明図である。
図9】属性タグ階層構造定義手段の説明図である。
図10】受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図2は、本発明のシステム構成の概略図である。
図1はハードウェア構成図である。サーバーには属性タグ管理手段をはじめとするソフトウェアのモジュール、試験問題や教材、受講生の学習履歴などの記録データベースが格納されている。
構内ネットワーク(LAN)やWEBを介して受講者や指導者の端末と接続され、問題文の送信、回答の収集及び採点、その後、受講者ごとに回答の正誤による教材や追加試験問題が抽出され、当該受講者の端末に送信され。個別学習が進行してゆく。
なお、後述のようにすべての学習がオンラインで行われる必要はなく、一部に紙の教科書や試験問題、回答用紙、また実技試験などのアナログな部分が含まれていてもよい。
図1では、説明の都合上、学校内などにサーバーを置きLANやWEBで受講生や指導者の端末を接続する形態としているが、サーバー自体の一部あるいは全部をクラウド上に設定して、学校などでも校内にはウェブに接続された端末PCのみとする構成でも良い。
【0026】
図2はソフトウェアの構成図である。
属性タグ管理手段では、試験問題や教材ごとの内容を表すに適切な属性タグのリストを予め作成し管理している。
属性タグに階層構造がある場合は、属性タグ階層構造定義手段で当該階層構造を定義しておく。試験問題や教材ごとに、属性タグ管理手段に管理されている属性タグを付与し(属性タグ付与手段)、属性タグ付きの試験問題や教材のリストを記録し管理しておく(属性タグ付き試験問題管理手段および属性タグ付き教材管理手段)。
試験問題に関しては、問うている内容は同じでも選択肢を変化させたりして正解が異なる類似問題を作成しておき(類似問題作成手段)、試験問題に対する答えの丸暗記を無効化する。
【0027】
属性タグ付き試験問題管理手段で記録管理されている試験問題リストの中から試験問題を抽出し、試験を実施する。
この場合の試験問題の抽出は、後述のように内容に関する属性タグを用いても良いが、第〇×回国家試験問題、難易度などのように、書誌的な基準で抽出されることが多いだろう。
試験実施や回答の回収、採点に関して、可能であれば電子的に受講者端末に試験問題を送信し、回答をサーバーに送信、採点することが最も効率的であるが、試験問題用紙の配布、手作業での採点、採点結果の指導者端末からサーバーに送信という形態も本発明に含まれる。実技試験の採点などでは、この形態が必須であろう。マークシートや回答用紙のスキャンなどを適宜併用しても良い。
【0028】
得られた回答を正解と照合し、受講者ごと試験問題ごとに正答/誤答を受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の回答部分に記録するとともに、試験問題ごとの属性タグを、正答、誤答ごとに集計する(受講者ごと正誤答属性タグ集計手段)。
ここで、誤答の属性タグを全て理解不十分な属性タグとしても良いが、そのままでは理解不十分な属性タグの量が多すぎる場合が少なくない。試験問題の選択肢の設定の関係で、誤答の属性タグには既に理解している属性タグまで含まれている可能性が有る。
このまま当該誤答の全ての属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を割り当てると、既に理解している属性タグの教材まで割り当ててしまい、受講者の退屈を招くとともに、肝腎の理解不十分な属性タグへの教材割り当てが薄くなってしまう。
【0029】
前記の事態を避けるため、試験問題の属性タグごとに、正答と誤答を集計し、誤答の割合の高い属性タグのみを理解不十分な属性タグとして絞り込む(理解不十分属性タグ絞り込み手段)。
前記正答に対する誤答の割合は、状況に応じて適宜設定して良い。この絞り込みにより、選択肢の関係で、試験問題の別の属性タグのために、たまたま誤答となってしまった、既に理解している属性タグを除外することができる。
絞り込まれた理解不十分属性タグのリストが得られただけでも、理解度を上げるための目標が定まるので本発明は有用であるが、本発明では、さらに、当該理解不十分属性タグに対応する属性タグを有する教材をピンポイントで受講者に提示することで、さらなる効率的な学習効果が期待できる。
【0030】
前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で絞り込まれた理解不十分な属性タグに対して、当該属性タグを有する教材を属性タグ付き教材管理手段から抽出し(絞り込み後理解不十分属性タグ対応教材抽出手段)、受講者に提示し、学習を行わせる。
同時に受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の教材閲覧履歴部分に記録する。
学習後に、当該理解不十分属性の理解が十分得られたかを確認するため、当該理解不十分属性タグの属性タグを有する試験問題を、属性タグ付き試験問題管理手段から抽出し(理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段)、受講者に提示する。正答が得られたならば、当該属性タグの内容に関し十分な理解が得られたとみなしてよい。
再び誤答が得られた場合には、前記の教材提示、確認試験を繰り返す。理解不十分属性タグの範囲を広げて教材提示、確認試験を行う。この理解不十分属性タグ理解確認試験問題と回答も前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の回答部分に記録する。
【0031】
前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、絞り込み後理解不十分属性タグ対応教材の提示、理解不十分属性タグ理解確認試験問題による理解の確認を何度行っても理解が進まない場合、あるいは他の受講者と比較して学習過程の進行が著しく遅れている場合は、受講者の誤解や基礎知識の欠如が隠れている可能性が有る。
そのまま受講を進めても全体的な理解が進むのは困難であろう。
このような受講者を検知し(学習難渋者検知手段)、指導者が面談等で介入し、早期に解決を図ることは有用である。
このように、本発明では、受講者一人一人の異なる理解度に合わせて、試験問題、教材の提示を繰り返し、個々の理解度の進展に応じた個別学習を可能とする個別学習システムを提供する。
【0032】
図3は、属性タグ管理手段の説明図である。属性タグID#と属性タグのリストを管理している。属性タグは、試験問題や教材の属性を表現するタグであり、本図では、疾患の型、疾患の発生している臓器の種類、疾患の発生している部位それぞれに関するタグをリストしている。
試験問題や教材の属性を表現するにあたっては、該当する属性タグを複数選択し、それらの組合せで属性を表現している。場合によっては、「大腿骨頚部骨折」などのように、部位+臓器+疾患の型などを複合した属性タグを用いても良い。
【0033】
図4は、属性タグ付き試験問題管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
属性タグ付き試験問題管理手段は試験問題ID#、試験問題本体、正解、書誌データ、属性タグのリストを管理している。
書誌データは、OX回国家試験、3学年期末試験などのように、出典となった試験問題のセットを示している。難易度を付加しても良い。書誌データは、属性の一種と言えなくもないが、本発明のように試験問題の内容の属性に踏み込んだものではなく、出題の管理上のまとまりを示すものである。
ここで、属性タグ欄は、前記属性タグ管理手段のリストの中から適切な属性タグを、必要に応じて複数選択し、属性タグ付き試験問題管理手段の属性タグ欄にコピーしてきたものである(属性タグ付与手段)。前記コピーに際しては、当該属性タグをドラグ&ドロップで属性タグ欄に順次コピーしても良いし、チェックボックスにチェックの入った属性タグを属性タグ欄に一括コピーしても良い。
本図では説明の便宜上、属性タグはテキストによる記述を用いているが、属性タグ付き試験問題管理手段の実装に当たっては、属性タグID#を用いると、記録領域の節約や検索の効率改善の面で有用であろう。
【0034】
図5は、属性タグ付き教材管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
教材ID#、教材属性タグ、教材のアクセス手段を示している。
教材属性タグは、属性タグ付き試験問題管理手段と同様に、当該教材の内容に即した属性タグを、前記属性タグ管理手段のリストの中から必要に応じて(複数)選択し、本属性タグ付き教材管理手段の属性タグ欄にコピーしてきたものである(属性タグ付与手段)。
教材は、パワーポイントなどのスライド集、音声ファイル、ビデオ画像、あるいは解説を記載したウェブサイトなどが主体となるが、紙教科書でも良い。受講者が容易に参照できるアクセス情報であれば良い。
教材アクセス手段は、クラウド上の教材へのURL、社内サーバーでのファイル指定など、受講者がワンクリックでアクセスできるものが望ましいが、紙教科書などのページやパラグラフでも良い。
なお、試験問題、教材いずれの属性タグ欄においても、属性タグ管理手段のリストの中から選択せず、独自に属性タグを手入力するやり方もありうるし、それも本発明に含まれるが、この手入力された属性タグは、正誤答から理解不十分な属性タグを絞り込み、ピンポイントで教材を提示するのに役に立たず、好ましいとは言えない。
必要あれば、属性タグ管理手段のリストに追加してから属性タグ付与を行うべきであろう。
【0035】
図6は、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段および理解不十分属性タグ絞り込み手段の説明図である。
受講者は、ID#で管理されている。
期末試験などを受験したのち、各々の受講者ID#ごとに、試験問題ID#、それに対する回答と正解、当該試験問題の属性タグの一覧を作成する。
受講者ごと正誤答属性タグ集計手段においては、試験問題の属性タグの各々について、回答の正誤ごとに、当該属性タグの誤答、正答の欄に+1をカウントアップする。
誤答において、関連する属性タグのすべてについて理解が不十分であるとは限らず、一部の属性タグについて理解が不十分である場合が多い。
このため、誤回答に関連した全ての属性タグについての教材閲覧をさせることは、既に理解している属性タグまで教材閲覧を強制することとなり、受講者の退屈をもたらす危険がある。
これを防止するため、属性タグごとに誤答の割合を求め、誤答の割合の高い属性タグのみを理解不十分な属性として絞り込み(理解不十分属性タグ絞り込み手段)、理解不十分な属性タグについてのみ、対応する教材の提示を行う。前記絞り込みの際の誤答の割合については、指導者側で、あるいは受講者自身が任意に設定して良い。
【0036】
図7は、誤答属性タグ対応教材提示手段の説明図である。
誤答した試験問題の属性タグ、あるいは前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で絞り込まれた属性タグに対応する教材を、属性タグ付き教材管理手段から抽出する。属性タグは教材ごとに複数設定されているものもある。
当該属性タグを有する全ての教材を抽出し提示しても良いが、多すぎる場合は、適宜選択することになる。
システム側で自動選択しても良いし、教材リストを提示し受講者に選択させても良い。
この際、本発明の個別学習システムの運用開始当初は無作為選択で良いが、後述の受講者回答/教材閲覧履歴管理手段で、教材閲覧後の誤回答属性タグ理解確認試験問題の正答率が高い教材を、あるいは閲覧した受講者からの「役に立った」といった評価のフィードバックの高い教材を、より適切な教材として選択の優先度を上げると有用である(教材閲覧優先度向上手段)。
【0037】
図8は、類似問題作成手段の説明図である。
学校などでは、授業中の小テスト、期末試験、国家試験など種々の試験が行われる。
妥当性、再現性など多数の条件があり、試験問題の作成は極めて多大な労力が必要とされる。
このため試験ごとに全ての試験問題を新規に作成することはほとんど不可能であり、蓄積された過去の問題を再利用することが多い。
しかし同一の問題を繰り返し出題していると、受験者は、問題を見ただけで、内容を考えずに正解だけを覚えて回答してしまい、理解の程度が不明なままとなる。
従って、図8のように、適宜原問題の選択肢の順番を入れ替える、選択肢の否定/肯定やキーワードを入れ替えるなどを適宜使い分け、正解を変更して、選択肢の内容を理解しておかなければ正解に達しないようにしておくことも有用である。類似問題の作成に当たっては、選択肢の順番入れ替えなどは自動で行えるが、否定/肯定の切り替えやキーワードの変更は手動で行う必要があるだろう。
【0038】
図9は、属性タグ階層構造定義手段の説明図である。
理数系の科目では、概念が階層構造をとっており、基礎となる概念が理解できていないと、次の概念を理解し積み上げてゆくことができない。
図9では分数の理解のための概念の階層構造を取り上げている。
受講者が試験問題で誤答した際に、どの階層から理解できていないかが判らないと理解に応じた適切な教材の提供ができない。
本図のような階層構造を持った属性タグを試験問題に付与しておき、回答後に、前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で理解に躓いている階層を特定できれば、その階層の属性タグに対応した教材をピンポイントで提示することにより、理解を積み上げてコースへの復帰が容易となる。
【0039】
図10は、受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の説明図である。
試験問題に対する回答、誤回答に対する教材閲覧、教材閲覧後の誤回答属性タグ理解確認試験問題への回答など、受講者ごとの学習履歴が記録される。
前述のように、誤回答属性タグ理解確認試験問題への正答率が高くなる教材を、あるいは閲覧した受講者からの「役に立った」といった評価のフィードバックの高い教材を、より適切な教材として選択の優先度を上げることができる(教材閲覧優先度向上手段)。
また、誤回答属性タグ理解確認試験問題への正答率が上がらない、教材閲覧時間が他の受講者と比較して長いなどといった学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す学習進行難渋受講者検知手段で、いわゆる「落ちこぼれ」を未然に予防することができる。
ここで、学習の進行が難渋していると判定するための規準である正答率の上昇率や教材閲覧時間の長さなどの数値は、指導者が任意に設定できる。
【0040】
以上、実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-08-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
(i)試験問題や教材の任意の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段、
(ii)前記属性タグを試験問題や教材に対して、任意の個数付与する属性タグ付与手段、
(iii)試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段を備え、
前記属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、
正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を有することを特徴とする個別学習システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の個別学習システムでは、
(i)試験問題や教材の任意の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段、
(ii)前記属性タグを試験問題や教材に対して、任意の個数付与する属性タグ付与手段、
(iii)試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段を備え、
前記属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、
正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を有することを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)試験問題及び教材任意の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段、
(ii)前記属性タグを試験問題及び教材対して、任意の個数付与する属性タグ付与手段、
(iii)試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段を備え、
前記属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、
正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を有し、
前記受講者ごと正誤答属性タグ集計手段において、属性タグごとに誤答と正答の割合を求め、受講者の理解が不十分である可能性の高い属性タグを絞り込む理解不十分属性タグ絞り込み手段を備え、
教材と、当該教材に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き教材管理手段を備え、前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で得られた理解不十分な可能性の高い属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を抽出する、理解不十分属性タグ対応教材抽出手段を有することを特徴とする個別学習システム。
【請求項2】
前記属性タグ管理手段において、属性タグ間の階層構造を定義する属性タグ階層構造定義手段を有することを特徴とする請求項1記載の個別学習システム。
【請求項3】
前記属性タグ付き試験問題管理手段において、元の試験問題に対して、選択肢の順番の入れ替え、選択肢の否定/肯定の入れ替え、選択肢内のキーワードの入れ替え、前記操作に伴う正解の変更を行って類似問題を作成する、類似問題作成手段を有することを特徴とする請求項1ないし2いずれか記載の個別学習システム。
【請求項4】
前記理解不十分属性タグ対応教材抽出手段で抽出された教材を学習後に、当該属性タグに関して十分な理解に達しているかを確認するために、当該属性タグを有する別の試験問題を属性タグ付き試験問題管理手段から抽出する理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の個別学習システム。
【請求項5】
受講者の回答/教材閲覧履歴を保持する受講者回答/教材閲覧履歴管理手段を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の個別学習システム。
【請求項6】
前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す学習進行難渋受講者検知手段を有することを特徴とする請求項5記載の個別学習システム。
【請求項7】
前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、理解不十分属性タグ理解確認試験問題にて正答率の向上が高くなる当該理解不十分属性タグに対する教材を、他の当該理解不十分属性タグに対する教材よりも教材提示の優先度を上げる教材閲覧優先度向上手段を有することを特徴とする請求項5ないし6いずれか記載の個別学習システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校などで行われる試験において、受講者の正誤回答に基づき、当該受講者の理解度に応じた教材、追加試験を実施して、受講者ごとに最適な個別学習を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
学校などでは頻繁に学習による理解度を測るため試験が行われている。
従来は紙に書かれた問題に対して受講者が手書きで回答し、教員が手作業で採点すること普通であった。
近年コンピューターシステムの性能向上により、試験問題を電子的に配布し、受講者はコンピューター端末で回答、送信し、サーバーで自動的に採点することが可能となってきている。
また、問題文に単元名や難易度などの属性をつけて記録しておき、事前試験で得られた受講者の理解度に応じて、適した問題や学習コースを選択することも行われるようになってきている。
この出願に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-207335
【特許文献2】特開2002-49297
【特許文献3】特開2005-321768
【特許文献4】特許5924654
【特許文献5】特開2014-228957
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
試験は、受講者の理解度を測る手段である。
ある問題に関して誤答があったとする。一つの問題を解決するには、その問題を構成する複数の学習要素について正しい理解が得られていることが必要である。
誤答の原因として、どの学習要素の理解が不十分であったか、逆にどの学習要素は理解されているかが判らないと、正解に導くための適切な指導が困難であり、さらに、指導の結果、理解が十分に進んでいるかを判断できない。
従来は、教科書などを同じように繰り返して勉強させたり、何度も同じ問題群を解かせたりするような指導が行われてきた。
しかし、既に理解して学習要素を何度も学習させることは、受講者にとって退屈であり学習意欲の低下につながりやすい。しかも、肝腎の理解不十分な学習要素の学習が手薄になり、学習効果は低いままに留まる傾向があった。
この課題は、従来の試験が、受講者の理解度レベルを全体的に、かつ大雑把に把握するに留まり、個々の問題の解答において、どの学習要素の理解が十分/不十分であるかを詳細に把握するという観点に欠けていたことに根本原因があると思われる。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、試験問題に対する個々の誤答に対して、当該受講者が理解不十分である学習要素を的確に突き止め、その学習要素を理解させるための教材をピンポイントで提供し、さらに十分理解できたかどうかを判定するための確認試験を、個々の受講者ごとに可能とする個別学習システムを提供することである。さらに、それでも学習に難渋している受講者を早期に発見し、指導者が介入することにより、脱落者の発生を予防することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の個別学習システムでは、
(i)試験問題及び教材任意の属性を示す属性タグのリストを管理する属性タグ管理手段、
(ii)前記属性タグを試験問題及び教材対して、任意の個数付与する属性タグ付与手段、
(iii)試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き試験問題管理手段を備え、
前記属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、
正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を有し、
前記受講者ごと正誤答属性タグ集計手段において、属性タグごとに誤答と正答の割合を求め、受講者の理解が不十分である可能性の高い属性タグを絞り込む理解不十分属性タグ絞り込み手段を備え、
教材と、当該教材に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する属性タグ付き教材管理手段を備え、前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で得られた理解不十分な可能性の高い属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を抽出する、理解不十分属性タグ対応教材抽出手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の個別学習システムでは、請求項1記載の個別学習システムにおいて、前記属性タグ管理手段において、属性タグ間の階層構造を定義する属性タグ階層構造定義手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の個別学習システムでは、請求項1ないし2いずれか記載の個別学習システムにおいて、前記属性タグ付き試験問題管理手段において、元の試験問題に対して、選択肢の順番の入れ替え、選択肢の否定/肯定の入れ替え、選択肢内のキーワードの入れ替え、前記操作に伴う正解の変更を行って類似問題を作成する、類似問題作成手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の個別学習システムでは、請求項1ないし3いずれか記載の個別学習システム において、前記理解不十分属性タグ対応教材抽出手段で抽出された教材を学習後に、当該属性タグに関して十分な理解に達しているかを確認するために、当該属性タグを有する別の試験問題を属性タグ付き試験問題管理手段から抽出する理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の個別学習システムでは、請求項1ないし4いずれか記載の個別学習システム において、受講者の回答/教材閲覧履歴を保持する受講者回答/教材閲覧履歴管理手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の個別学習システムでは、請求項5記載の個別学習システムにおいて、前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す学習進行難渋受講者検知手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の個別学習システムでは、請求項5ないし6いずれか記載の個別学習システムにおいて、前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、理解不十分属性タグ理解確認試験問題にて正答率の向上が高くなる当該理解不十分属性タグに対する教材を、他の当該理解不十分属性タグに対する教材よりも教材提示の優先度を上げる教材閲覧優先度向上手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の個別学習システムでは、属性タグ管理手段を備えたので試験問題や教材の属性を示す属性タグのリストを管理する。
属性タグ付与手段を備えたので、属性タグを試験問題や教材に付与する。
属性タグ付き試験問題管理手段を備えたので、試験問題と当該試験問題に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する。
受講者ごと正誤答属性タグ集計手段を備えたので、属性タグ付き試験問題管理手段から出題された試験問題実施後の回答において、正答及び誤答した各々の試験問題の属性タグを受講者ごとに集計する。
【0014】
請求項2記載の個別学習システムでは、属性タグ階層定義手段を備えたので、属性タグ管理手段において、属性タグ間の階層構造を定義する。
【0015】
請求項3記載の個別学習システムでは、類似問題作成手段を備えたので、元の試験問題に対して、選択肢の順番の入れ替え、選択肢の否定/肯定の入れ替え、選択肢内のキーワードの入れ替え、前記操作に伴う正解の変更を行って類似問題を作成する。
【0016】
請求項1記載の個別学習システムでは、理解不十分属性タグ絞り込み手段を備えたので、属性タグごとに誤答と正答の割合を求め、受講者の理解が不十分である可能性の高い属性タグを絞り込む。
【0017】
請求項1記載の個別学習システムでは、属性タグ付き教材管理手段を備えたので、教材と、当該教材に対して前記属性タグ付与手段で付与された属性タグの両者の組合せのリストを記録管理する。
理解不十分属性タグ対応教材抽出手段を備えたので、理解不十分属性タグ絞り込み手段で得られた理解不十分な可能性の高い属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を抽出する。
【0018】
請求項4記載の個別学習システムでは、理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段を備えたので、理解不十分属性タグ対応教材抽出手段で抽出された教材を学習後に、当該属性タグに関して十分な理解に達しているかを確認するために、当該属性タグを有する別の試験問題を属性タグ付き教材管理手段から抽出する。
【0019】
請求項5記載の個別学習システムでは、受講者回答/教材閲覧履歴管理手段を備えたので、受講者の回答/教材閲覧履歴を保持する。
【0020】
請求項6記載の個別学習システムでは、学習進行難渋受講者検知手段を備えたので、受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す。
【0021】
請求項7記載の個別学習システムでは、教材閲覧優先度向上手段を備えたので、理解不十分属性タグ理解確認試験問題にて正答率の向上が高くなる当該理解不十分属性タグに対する教材を、他の当該理解不十分属性タグに対する教材よりも教材提示の優先度を上げる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明のシステム構成の概略図である。
図2図2はソフトウェアの構成図である。
図3】属性タグ管理手段の説明図である。
図4】属性タグ付き試験問題管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
図5】属性タグ付き教材管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
図6】受講者ごと正誤答属性タグ集計手段および理解不十分属性タグ絞り込み手段の説明図である。
図7】誤答属性タグ対応教材提示手段の説明図である。
図8】類似問題作成手段の説明図である。
図9】属性タグ階層構造定義手段の説明図である。
図10】受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1図2は、本発明のシステム構成の概略図である。
図1はハードウェア構成図である。サーバーには属性タグ管理手段をはじめとするソフトウェアのモジュール、試験問題や教材、受講生の学習履歴などの記録データベースが格納されている。
構内ネットワーク(LAN)やWEBを介して受講者や指導者の端末と接続され、問題文の送信、回答の収集及び採点、その後、受講者ごとに回答の正誤による教材や追加試験問題が抽出され、当該受講者の端末に送信され。個別学習が進行してゆく。
なお、後述のようにすべての学習がオンラインで行われる必要はなく、一部に紙の教科書や試験問題、回答用紙、また実技試験などのアナログな部分が含まれていてもよい。
図1では、説明の都合上、学校内などにサーバーを置きLANやWEBで受講生や指導者の端末を接続する形態としているが、サーバー自体の一部あるいは全部をクラウド上に設定して、学校などでも校内にはウェブに接続された端末PCのみとする構成でも良い。
【0024】
図2はソフトウェアの構成図である。
属性タグ管理手段では、試験問題や教材ごとの内容を表すに適切な属性タグのリストを予め作成し管理している。
属性タグに階層構造がある場合は、属性タグ階層構造定義手段で当該階層構造を定義しておく。試験問題や教材ごとに、属性タグ管理手段に管理されている属性タグを付与し(属性タグ付与手段)、属性タグ付きの試験問題や教材のリストを記録し管理しておく(属性タグ付き試験問題管理手段および属性タグ付き教材管理手段)。
試験問題に関しては、問うている内容は同じでも選択肢を変化させたりして正解が異なる類似問題を作成しておき(類似問題作成手段)、試験問題に対する答えの丸暗記を無効化する。
【0025】
属性タグ付き試験問題管理手段で記録管理されている試験問題リストの中から試験問題を抽出し、試験を実施する。
この場合の試験問題の抽出は、後述のように内容に関する属性タグを用いても良いが、第〇×回国家試験問題、難易度などのように、書誌的な基準で抽出されることが多いだろう。
試験実施や回答の回収、採点に関して、可能であれば電子的に受講者端末に試験問題を送信し、回答をサーバーに送信、採点することが最も効率的であるが、試験問題用紙の配布、手作業での採点、採点結果の指導者端末からサーバーに送信という形態も本発明に含まれる。実技試験の採点などでは、この形態が必須であろう。マークシートや回答用紙のスキャンなどを適宜併用しても良い。
【0026】
得られた回答を正解と照合し、受講者ごと試験問題ごとに正答/誤答を受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の回答部分に記録するとともに、試験問題ごとの属性タグを、正答、誤答ごとに集計する(受講者ごと正誤答属性タグ集計手段)。
ここで、誤答の属性タグを全て理解不十分な属性タグとしても良いが、そのままでは理解不十分な属性タグの量が多すぎる場合が少なくない。試験問題の選択肢の設定の関係で、誤答の属性タグには既に理解している属性タグまで含まれている可能性が有る。
このまま当該誤答の全ての属性タグに対して、対応する属性タグを有する教材を割り当てると、既に理解している属性タグの教材まで割り当ててしまい、受講者の退屈を招くとともに、肝腎の理解不十分な属性タグへの教材割り当てが薄くなってしまう。
【0027】
前記の事態を避けるため、試験問題の属性タグごとに、正答と誤答を集計し、誤答の割合の高い属性タグのみを理解不十分な属性タグとして絞り込む(理解不十分属性タグ絞り込み手段)。
前記正答に対する誤答の割合は、状況に応じて適宜設定して良い。この絞り込みにより、選択肢の関係で、試験問題の別の属性タグのために、たまたま誤答となってしまった、既に理解している属性タグを除外することができる。
絞り込まれた理解不十分属性タグのリストが得られただけでも、理解度を上げるための目標が定まるので本発明は有用であるが、本発明では、さらに、当該理解不十分属性タグに対応する属性タグを有する教材をピンポイントで受講者に提示することで、さらなる効率的な学習効果が期待できる。
【0028】
前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で絞り込まれた理解不十分な属性タグに対して、当該属性タグを有する教材を属性タグ付き教材管理手段から抽出し(絞り込み後理解不十分属性タグ対応教材抽出手段)、受講者に提示し、学習を行わせる。
同時に受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の教材閲覧履歴部分に記録する。
学習後に、当該理解不十分属性の理解が十分得られたかを確認するため、当該理解不十分属性タグの属性タグを有する試験問題を、属性タグ付き試験問題管理手段から抽出し(理解不十分属性タグ理解確認試験問題抽出手段)、受講者に提示する。正答が得られたならば、当該属性タグの内容に関し十分な理解が得られたとみなしてよい。
再び誤答が得られた場合には、前記の教材提示、確認試験を繰り返す。理解不十分属性タグの範囲を広げて教材提示、確認試験を行う。この理解不十分属性タグ理解確認試験問題と回答も前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の回答部分に記録する。
【0029】
前記受講者回答/教材閲覧履歴管理手段において、絞り込み後理解不十分属性タグ対応教材の提示、理解不十分属性タグ理解確認試験問題による理解の確認を何度行っても理解が進まない場合、あるいは他の受講者と比較して学習過程の進行が著しく遅れている場合は、受講者の誤解や基礎知識の欠如が隠れている可能性が有る。
そのまま受講を進めても全体的な理解が進むのは困難であろう。
このような受講者を検知し(学習難渋者検知手段)、指導者が面談等で介入し、早期に解決を図ることは有用である。
このように、本発明では、受講者一人一人の異なる理解度に合わせて、試験問題、教材の提示を繰り返し、個々の理解度の進展に応じた個別学習を可能とする個別学習システムを提供する。
【0030】
図3は、属性タグ管理手段の説明図である。属性タグID#と属性タグのリストを管理している。属性タグは、試験問題や教材の属性を表現するタグであり、本図では、疾患の型、疾患の発生している臓器の種類、疾患の発生している部位それぞれに関するタグをリストしている。
試験問題や教材の属性を表現するにあたっては、該当する属性タグを複数選択し、それらの組合せで属性を表現している。場合によっては、「大腿骨頚部骨折」などのように、部位+臓器+疾患の型などを複合した属性タグを用いても良い。
【0031】
図4は、属性タグ付き試験問題管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
属性タグ付き試験問題管理手段は試験問題ID#、試験問題本体、正解、書誌データ、属性タグのリストを管理している。
書誌データは、OX回国家試験、3学年期末試験などのように、出典となった試験問題のセットを示している。難易度を付加しても良い。書誌データは、属性の一種と言えなくもないが、本発明のように試験問題の内容の属性に踏み込んだものではなく、出題の管理上のまとまりを示すものである。
ここで、属性タグ欄は、前記属性タグ管理手段のリストの中から適切な属性タグを、必要に応じて複数選択し、属性タグ付き試験問題管理手段の属性タグ欄にコピーしてきたものである(属性タグ付与手段)。前記コピーに際しては、当該属性タグをドラグ&ドロップで属性タグ欄に順次コピーしても良いし、チェックボックスにチェックの入った属性タグを属性タグ欄に一括コピーしても良い。
本図では説明の便宜上、属性タグはテキストによる記述を用いているが、属性タグ付き試験問題管理手段の実装に当たっては、属性タグID#を用いると、記録領域の節約や検索の効率改善の面で有用であろう。
【0032】
図5は、属性タグ付き教材管理手段と属性タグ付与手段の説明図である。
教材ID#、教材属性タグ、教材のアクセス手段を示している。
教材属性タグは、属性タグ付き試験問題管理手段と同様に、当該教材の内容に即した属性タグを、前記属性タグ管理手段のリストの中から必要に応じて(複数)選択し、本属性タグ付き教材管理手段の属性タグ欄にコピーしてきたものである(属性タグ付与手段)。
教材は、パワーポイントなどのスライド集、音声ファイル、ビデオ画像、あるいは解説を記載したウェブサイトなどが主体となるが、紙教科書でも良い。受講者が容易に参照できるアクセス情報であれば良い。
教材アクセス手段は、クラウド上の教材へのURL、社内サーバーでのファイル指定など、受講者がワンクリックでアクセスできるものが望ましいが、紙教科書などのページやパラグラフでも良い。
なお、試験問題、教材いずれの属性タグ欄においても、属性タグ管理手段のリストの中から選択せず、独自に属性タグを手入力するやり方もありうるし、それも本発明に含まれるが、この手入力された属性タグは、正誤答から理解不十分な属性タグを絞り込み、ピンポイントで教材を提示するのに役に立たず、好ましいとは言えない。
必要あれば、属性タグ管理手段のリストに追加してから属性タグ付与を行うべきであろう。
【0033】
図6は、受講者ごと正誤答属性タグ集計手段および理解不十分属性タグ絞り込み手段の説明図である。
受講者は、ID#で管理されている。
期末試験などを受験したのち、各々の受講者ID#ごとに、試験問題ID#、それに対する回答と正解、当該試験問題の属性タグの一覧を作成する。
受講者ごと正誤答属性タグ集計手段においては、試験問題の属性タグの各々について、回答の正誤ごとに、当該属性タグの誤答、正答の欄に+1をカウントアップする。
誤答において、関連する属性タグのすべてについて理解が不十分であるとは限らず、一部の属性タグについて理解が不十分である場合が多い。
このため、誤回答に関連した全ての属性タグについての教材閲覧をさせることは、既に理解している属性タグまで教材閲覧を強制することとなり、受講者の退屈をもたらす危険がある。
これを防止するため、属性タグごとに誤答の割合を求め、誤答の割合の高い属性タグのみを理解不十分な属性として絞り込み(理解不十分属性タグ絞り込み手段)、理解不十分な属性タグについてのみ、対応する教材の提示を行う。前記絞り込みの際の誤答の割合については、指導者側で、あるいは受講者自身が任意に設定して良い。
【0034】
図7は、誤答属性タグ対応教材提示手段の説明図である。
誤答した試験問題の属性タグ、あるいは前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で絞り込まれた属性タグに対応する教材を、属性タグ付き教材管理手段から抽出する。属性タグは教材ごとに複数設定されているものもある。
当該属性タグを有する全ての教材を抽出し提示しても良いが、多すぎる場合は、適宜選択することになる。
システム側で自動選択しても良いし、教材リストを提示し受講者に選択させても良い。
この際、本発明の個別学習システムの運用開始当初は無作為選択で良いが、後述の受講者回答/教材閲覧履歴管理手段で、教材閲覧後の誤回答属性タグ理解確認試験問題の正答率が高い教材を、あるいは閲覧した受講者からの「役に立った」といった評価のフィードバックの高い教材を、より適切な教材として選択の優先度を上げると有用である(教材閲覧優先度向上手段)。
【0035】
図8は、類似問題作成手段の説明図である。
学校などでは、授業中の小テスト、期末試験、国家試験など種々の試験が行われる。
妥当性、再現性など多数の条件があり、試験問題の作成は極めて多大な労力が必要とされる。
このため試験ごとに全ての試験問題を新規に作成することはほとんど不可能であり、蓄積された過去の問題を再利用することが多い。
しかし同一の問題を繰り返し出題していると、受験者は、問題を見ただけで、内容を考えずに正解だけを覚えて回答してしまい、理解の程度が不明なままとなる。
従って、図8のように、適宜原問題の選択肢の順番を入れ替える、選択肢の否定/肯定やキーワードを入れ替えるなどを適宜使い分け、正解を変更して、選択肢の内容を理解しておかなければ正解に達しないようにしておくことも有用である。類似問題の作成に当たっては、選択肢の順番入れ替えなどは自動で行えるが、否定/肯定の切り替えやキーワードの変更は手動で行う必要があるだろう。
【0036】
図9は、属性タグ階層構造定義手段の説明図である。
理数系の科目では、概念が階層構造をとっており、基礎となる概念が理解できていないと、次の概念を理解し積み上げてゆくことができない。
図9では分数の理解のための概念の階層構造を取り上げている。
受講者が試験問題で誤答した際に、どの階層から理解できていないかが判らないと理解に応じた適切な教材の提供ができない。
本図のような階層構造を持った属性タグを試験問題に付与しておき、回答後に、前記理解不十分属性タグ絞り込み手段で理解に躓いている階層を特定できれば、その階層の属性タグに対応した教材をピンポイントで提示することにより、理解を積み上げてコースへの復帰が容易となる。
【0037】
図10は、受講者回答/教材閲覧履歴管理手段の説明図である。
試験問題に対する回答、誤回答に対する教材閲覧、教材閲覧後の誤回答属性タグ理解確認試験問題への回答など、受講者ごとの学習履歴が記録される。
前述のように、誤回答属性タグ理解確認試験問題への正答率が高くなる教材を、あるいは閲覧した受講者からの「役に立った」といった評価のフィードバックの高い教材を、より適切な教材として選択の優先度を上げることができる(教材閲覧優先度向上手段)。
また、誤回答属性タグ理解確認試験問題への正答率が上がらない、教材閲覧時間が他の受講者と比較して長いなどといった学習の進行が難渋している受講者を検知し、指導者の介入を促す学習進行難渋受講者検知手段で、いわゆる「落ちこぼれ」を未然に予防することができる。
ここで、学習の進行が難渋していると判定するための規準である正答率の上昇率や教材閲覧時間の長さなどの数値は、指導者が任意に設定できる。
【0038】
以上、実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。