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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127494
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】建築部材
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
E04F13/08 E
E04F13/08 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025682
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 早希
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA13
2E110AB02
2E110AB04
2E110AB22
2E110AB23
2E110AB42
2E110AB43
2E110BA12
2E110BB22
2E110GA33W
2E110GB01W
2E110GB23W
2E110GB42W
2E110GB62W
(57)【要約】
【課題】表面に付着した雨水等の液体がスムーズに流れやすい建築部材を提供する。
【解決手段】表面12が上下方向と交差する方向に向いた状態で施工される建築部材1である。建築部材1の表面12に、下側凸部3、二つの上側凸部3、横溝4及び傾斜溝5が形成される。二つの上側凸部3は、下側凸部3の上側において上下方向と交差する横方向に並ぶ。横溝4は、下側凸部3と二つの上側凸における下側凸部3の上端に対応する位置部3との間に形成される。傾斜溝5は、二つの上側凸部3の間に形成され、下端が横溝4に繋がる。傾斜溝5の長さ方向は、前記横方向の方向成分を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が上下方向と交差する方向に向いた状態で施工される建築部材であって、
前記表面に、
下側凸部と、
前記下側凸部の上側において上下方向と交差する横方向に並ぶ二つの上側凸部と、
前記下側凸部と前記二つの上側凸部との間に形成された横溝と、
前記二つの上側凸部の間に形成され、下端が前記横溝における前記下側凸部の上端に対応する位置に繋がった傾斜溝とが形成され、
前記傾斜溝の長さ方向は、前記横方向の方向成分を含んでいる、
建築部材。
【請求項2】
前記表面に、
前記二つの上側凸部のうちの一方の上側凸部と隣り合い、かつ、前記一方の上側凸部に対して他方の上側凸部とは反対側に位置する他の上側凸部と、
前記一方の上側凸部と前記他の上側凸部との間に形成され、下端が前記横溝における前記下側凸部の上端に対応する位置に繋がった他の傾斜溝とが更に形成され、
前記他の傾斜溝の長さ方向は、前記横方向の方向成分を含んでいる、
請求項1に記載の建築部材。
【請求項3】
前記下側凸部及び前記二つの上側凸部のうちの少なくとも一つの凸部の表面に溝が形成されており、
前記溝の長さ方向は、上下方向の方向成分と、前記横方向の方向成分とを含んでいる、
請求項1又は請求項2に記載の建築部材。
【請求項4】
前記下側凸部の上面は、前記横方向における中間部が最も高く、かつ、前記横方向において前記中間部から外側に離れた部分ほど下方に位置した、
請求項1~3のいずれか1項に記載の建築部材。
【請求項5】
前記下側凸部の上面は、前記横方向における一端に近い部分ほど下方に位置した、
請求項1~3のいずれか1項に記載の建築部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外壁板が開示されている。この外壁板の意匠面を構成する屋外側の面は、左右方向に並ぶ複数の横目地と、上下方向に並ぶ複数の縦目地とを有しており、横目地及び縦目地によって区画された領域が凸部になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-16121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した外壁板の屋外側の面に付着した雨水等は、縦目地に沿って下方に流れやすいが、横目地の部分では流れ難く、溜まりやすい。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みてなされており、表面に付着した雨水等の液体がスムーズに流れやすい建築部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る建築部材は、表面が上下方向と交差する方向に向いた状態で施工される建築部材であって、前記表面に、下側凸部と、前記下側凸部の上側において上下方向と交差する横方向に並ぶ二つの上側凸部と、前記下側凸部と前記二つの上側凸部との間に形成された横溝と、前記二つの上側凸部の間に形成され、下端が前記横溝における前記下側凸部の上端に対応する位置に繋がった傾斜溝とが形成される。前記傾斜溝の長さ方向は、前記横方向の方向成分を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
前記一態様に係る建築部材は、表面に付着した雨水等の液体がスムーズに流れやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る建築部材の斜視図である。
図2図2は、同上の建築部材の部分拡大正面図である。
図3図3は、同上の建築部材の表面に形成された凸部を概略的に示した正面図である。
図4図4は、同上の建築部材を概略的に示した正面図である。
図5図5は、比較例の建築部材を概略的に示した正面図である。
図6図6A図6Eは、他例の建築部材の凸部を概略的に示した正面図である。
図7図7は、更に他例の建築部材の凸部を示した断面図である。
図8図8は、更に他例の建築部材の凸部を示した断面図である。
図9図9は、更に他例の建築部材の施工状態を概略的に示した正面図である。
図10図10は、他の比較例の建築部材の施工状態を概略的に示した正面図である。
図11図11は、更に他例の建築部材の部分拡大正面図である。
図12図12A及び図12Bは、更に他例の建築部材の凸部を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、建築部材に関し、詳しくは、表面に複数の凸部が形成された建築部材に関する。
【0010】
(1)実施形態
図1及び図2に本実施形態の建築部材1を示す。建築部材1は、建物の外壁材として用いられる。なお、建築部材1は、例えば、洗面所、キッチン若しくは浴室等の壁として利用される内壁材又は屋根材等、外壁材以外の用途に用いられてもよい。
【0011】
建築部材1は、一方向に延びた矩形の板状に形成されている。建築部材1は、建築部材1の長さ方向(長手方向)と平行な一対の長辺と、建築部材1の幅方向(短手方向)と平行な他の一対の短辺とを有している。
【0012】
建築部材1は、窯業系のサイディング材であり、セメントを主成分とする水硬性無機質材料の硬化物である。なお、建築部材1は、窯業系サイディング材に限定されず、例えば、金属サイディング、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)等の無機質材料、樹脂系材料、木質板等の有機系材料であってもよく、建築部材1の材質には制限はない。
【0013】
建築部材1は、下地に沿って複数枚並んだ状態で施工される。建築部材1は、横張り施工と縦張り施工のいずれでも施工可能である。横張り施工では、各建築部材1の長さ方向が水平方向に沿い、複数の建築部材1が上下方向(縦方向)に並ぶ。縦張り施工では、各建築部材1の長さ方向が上下方向に沿い、複数の建築部材1が上下方向と直交する方向(横方向)に並ぶ。
【0014】
以下では、建築部材1について、建築部材1が横張り施工された状態における方向を用いて説明する。具体的には、建築部材1の厚み方向を前後方向とし、建築部材1の幅方向を上下方向とし、建築部材1の長さ方向を左右方向とする。また、建築部材1の屋外側を前側とし、建築部材1の屋内側を後側とし、建築部材1を前側から見た状態を基準として、左側及び右側を定義する。
【0015】
建築部材1が施工される下地は、例えば、胴縁、間柱又は下地ボード等である。各建築部材1は、下地の屋外側に配され、例えば、ねじ又は釘等の固着具や取付金具によって下地に固定される。なお、隣り合う建築部材1同士は、互いに接触してもよいし、目地材等の他の部材を介して配置されてもよい。
【0016】
図1に示すように、建築部材1の一対の辺を構成する上下方向(建築部材1の幅方向)の両端部には、一対の実部10,11がそれぞれ形成されている。一対の実部10,11のうち建築部材1の上端部に位置する一方の実部10は、建築部材1の裏面側端部から上方(建築部材1の幅方向の外側)に向かって突出している。建築部材1の下端部に位置する他方の実部11は、建築部材1の表面側端部から下方(建築部材1の幅方向の外側)に向かって突出している。
【0017】
複数の建築部材1が施工された状態において、上下方向に隣り合う建築部材1同士は、下側に位置する一方の建築部材1の実部10と、上側に位置する他方の建築部材1の実部11とが相じゃくり接合される。なお、建築部材1が備える一対の実部10,11は相じゃくり接合されるものに限定されず、例えば、本実接合されるものであってもよい。また、建築部材1の長さ方向の両端部には、建築部材1の長さ方向に隣り合う建築部材1同士を接合するための実部が形成されてもよいし、形成されなくてもよい。
【0018】
建築部材1は、表面12を備えている。表面12は建築部材1の前側を向く面であり、水平面に対して交差した縦面である。すなわち、建築部材1は、表面12が上下方向と交差する方向を向いた状態で施工可能である。
【0019】
建築部材1は、表面12に形成された複数の凸部3を備えている。各凸部3は、前側に向かって突出している。複数の凸部3は、建築部材1の表面12の全体にわたるように形成されている。建築部材1の表面12には、複数の凸部3によって立体模様が形成されている。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の建築部材1の表面12には、左右方向に間隔をあけて並んだ複数の凸部3で構成された凸部列2が、上下方向に間隔をあけて複数列形成されている。各凸部列2は、形状及び大きさが同じである。各凸部列2は、建築部材1の左右方向の全長にわたるように形成されている。
【0021】
各凸部列2は、第1凸部31と第2凸部32との2種類の凸部3を有している。各凸部列2において第1凸部31と第2凸部32とは、左右方向において交互に位置している。
【0022】
各凸部列2において、複数の第1凸部31の形状及び大きさは互いに同じである。各第1凸部31は、表面側から見て三角形状に形成されている。各第1凸部31は、左右方向と平行な辺310を有し、辺310に対向する頂点313が辺310よりも上方に位置している。各第1凸部31は、左右方向と平行な下辺310を有する二等辺三角形状に形成されている。なお、本開示において「二等辺三角形」は、正三角形を含む。すなわち、各第1凸部31を表面側から見たときの形状は、正三角形状であってもよいし、3辺のうちの2辺だけが同じ長さを有する二等辺三角形状であってもよい。
【0023】
各凸部列2において、複数の第2凸部32の形状及び大きさは互いに同じである。各第2凸部32は、形状及び大きさが第1凸部31と同じであり、表面側から見て二等辺三角形状に形成されている。ただし、各第2凸部32の三角形の向きは、第1凸部31と逆向きである。
【0024】
各第2凸部32は、左右方向と平行な辺320を有し、辺320に対向する頂点323が辺320よりも下方に位置している。なお、各第1凸部31及び各第2凸部32は、二等辺三角形以外の三角形状に形成されてもよい。
【0025】
各凸部列2において、各第1凸部31の上側の頂点313と、各第2凸部32の上辺320とは、上下方向において略同じ位置に配されている。各凸部列2において、各第2凸部32の下側の頂点323と、各第1凸部31の下辺310とは、上下方向において略同じ位置に配されている。
【0026】
上下方向において隣り合う凸部列2は、下側の凸部列2に属する第2凸部32の上辺320の中間部の上方に、上側の凸部列2に属する第2凸部32の下側の頂点323が位置する。また、上側の凸部列2に属する第1凸部31及び第2凸部32は、下側の凸部列2に属する第2凸部32の上側において左右方向に並んでいる。
【0027】
建築部材1は、表面12に形成された複数の横溝4を更に有している。各横溝4は、上下方向に隣り合う凸部列2の間に形成された溝であり、左右方向に直線状に延びている。複数の横溝4は、上下方向に間隔をあけて並んでいる。
【0028】
各横溝4は、建築部材1の左右方向の全長にわたって形成された通し溝である。各横溝4は、溝底面40と、溝底面40の上縁から前側に延びた上側面41と、溝底面40の下縁から前側に延びた下側面42とを有している。各横溝4の溝底面40は、前後方向と略直交する平面である。各横溝4の上側面41は、上方に隣接した凸部列2の複数の第1凸部31の下面によって構成されている。各横溝4の下側面42は、下方に隣接した凸部列2の複数の第2凸部32の上面によって構成されている。
【0029】
各横溝4の溝幅は、上方に隣接した凸部列2の第1凸部31の下辺310と、下方に隣接した凸部列2の第2凸部32の上辺320との間の距離である。各横溝4の溝幅は、建築部材1の左右方向の全長にわたって略同じである。
【0030】
建築部材1は、表面12に形成された複数の傾斜溝5を更に有している。各凸部列2は、複数の傾斜溝5を有している。各傾斜溝5は、左右方向に隣り合う第1凸部31及び第2凸部32の間に形成された溝である。
【0031】
各傾斜溝5の長さ方向は、上下方向の方向成分と、左右方向の方向成分とを含んでいる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等の液体(以下、この液体を雨水等という)は、傾斜溝5に沿って、上下方向及び左右方向の両方の方向成分を含んだ向きに流れやすい。
【0032】
各凸部列2は、傾斜溝5として、第1傾斜溝51と第2傾斜溝52との2種類の傾斜溝5を有している。各凸部列2において第1傾斜溝51と第2傾斜溝52とは、左右方向において交互に位置している。
【0033】
各第1傾斜溝51は、第1凸部31と、この左側に位置する第2凸部32との間に形成された溝である。複数の第1傾斜溝51は、形状及び大きさが互いに同じである。各第1傾斜溝51は、第1凸部31の左辺及び第2凸部32の右辺に沿って延びている。第1傾斜溝51は、第1傾斜溝51の下端に近い部分ほど左側に位置するように、その長さ方向が上下方向に対して傾斜している。各第1傾斜溝51は、上端が上方の横溝4に繋がり、下端が下方の横溝4に繋がっている。
【0034】
各第1傾斜溝51の溝幅は、第1凸部31の左辺と、この左側に位置する第2凸部32の右辺との間の距離である。各第1傾斜溝51の溝幅は、第1傾斜溝51の長さ方向の全長にわたって同じである。各第1傾斜溝51の溝幅は、横溝4の溝幅よりも小さい。なお、各第1傾斜溝51の溝幅は、横溝4の溝幅と同じであってもよいし、横溝4の溝幅よりも大きくてもよい。
【0035】
各第1傾斜溝51の溝深さは、横溝4の溝深さよりも浅い。各第1傾斜溝51の底面と、隣接する横溝4の底面との間には、段差がある。なお、各第1傾斜溝51の溝深さは、横溝4の溝深さと同じであってもよいし、横溝4の溝深さよりも深くてもよい。
【0036】
各第2傾斜溝52は、第1凸部31と、この右側に位置する第2凸部32との間に形成された溝である。各第2傾斜溝52は、形状及び大きさが互いに同じである。各第2傾斜溝52は、第1凸部31の右辺及び第2凸部32の左辺に沿って延びている。各第2傾斜溝52は、下端に近い部分ほど右側に位置するように、その長さ方向が上下方向に対して傾斜している。各第2傾斜溝52は、上端が上方の横溝4に繋がり、下端が下方の横溝4に繋がっている。
【0037】
各第2傾斜溝52の溝幅は、第1凸部31の右辺と、この右側に位置する第2凸部32の左辺との間の距離である。第2傾斜溝52の溝幅は、第2傾斜溝52の長さ方向の全長にわたって同じである。各第2傾斜溝52の溝幅は、第1傾斜溝51の溝幅と同じであり、横溝4の溝幅よりも小さい。なお、各第2傾斜溝52の溝幅は、第1傾斜溝51の溝幅と異なっていてもよい。また、各第2傾斜溝52の溝幅は、横溝4の溝幅と同じであってもよいし、横溝4の溝幅よりも大きくてもよい。
【0038】
各第2傾斜溝52の溝深さは、第1傾斜溝51の溝深さと同じであり、横溝4の溝深さよりも浅い。各第2傾斜溝52の底面と、隣接する横溝4の底面との間には、段差がある。なお、各第2傾斜溝52の溝深さは、横溝4の溝深さと同じであってもよいし、横溝4の溝深さよりも深くてもよい。
【0039】
各凸部3は、凸部3の表面に形成された溝33(以下、「凸部溝33」という)を有している。各凸部3は、凸部溝33を一つだけ有している。各凸部溝33の長さ方向は、上下方向の方向成分と、左右方向の方向成分とを含んでいる。以下、第1凸部31が有する凸部溝33を第1凸部溝331といい、第2凸部32が有する凸部溝33を第2凸部溝332という。
【0040】
各第1凸部31に形成された第1凸部溝331の長さ方向と、第2傾斜溝52の長さ方向とは平行である。各第1凸部溝331は、第1凸部31の左辺から下辺310まで延びている。各第1凸部溝331は、上端が第1傾斜溝51に繋がっており、下端が横溝4に繋がっている。
【0041】
各第1凸部溝331の溝深さは、第1傾斜溝51の溝深さと同じであり、横溝4の溝深さよりも浅い。各第1凸部溝331の底面と、隣接する横溝4の底面との間には、段差がある。なお、各第1凸部溝331の溝深さは、第1傾斜溝51の溝深さよりも浅くてもよいし、深くてもよい。また、各第1凸部溝331の底面と、隣接する横溝4の底面との間には段差がなくてもよい。
【0042】
各第1凸部31は、第1凸部溝331で分断された、第1部分311及び第2部分312を有している。第1部分311は、第1凸部溝331、第1傾斜溝51及び横溝4で囲まれた部分である。第1部分311は、表面側から見て第1凸部31と相似の二等辺三角形状である。
【0043】
第2部分312は、第1凸部溝331、横溝4、第2傾斜溝52及び第1傾斜溝51で囲まれた部分である。第2部分312は、表面側から見て台形状である。
【0044】
各第2凸部32に形成された第2凸部溝332の長さ方向と、第1傾斜溝51の長さ方向とは平行である。各第2凸部溝332は、第2凸部32の上辺320から左辺まで延びており、上端が横溝4に繋がり、下端が第2傾斜溝52に繋がっている。
【0045】
各第2凸部溝332の溝深さは、第1凸部溝331の溝深さと同じであり、横溝4の溝深さよりも浅い。各第2凸部溝332の底面と、隣接する横溝4の底面との間には、段差がある。なお、各第2凸部溝332の溝深さは、第2傾斜溝52の溝深さよりも浅くてもよいし、深くてもよい。また、各第2凸部溝332の底面と、隣接する横溝4の底面との間には段差がなくてもよい。
【0046】
各第2凸部32は、第2凸部溝332で分断された、第1部分321及び第2部分322を有している。第1部分321は、第2凸部溝332、横溝4及び第2傾斜溝52で囲まれた部分であり、表面側から見て第2凸部32と相似の二等辺三角形状である。第2部分322は、第2凸部溝332、第2傾斜溝52、第1傾斜溝51及び横溝4で囲まれた部分であり、表面側から見て台形状である。
【0047】
建築部材1が横張り施工された状態では、横溝4の長さ方向は略水平になる。この場合、建築部材1の表面12に付着した雨水等は、横溝4に溜まる可能性がある。任意の第2凸部32を下側凸部3とし、この下側凸部3の上側において左右方向に並ぶ二つの凸部3(第1凸部31及び第2凸部32)の各々を上側凸部3とする。下側凸部3と二つの上側凸部3との間に形成された横溝4において下側凸部3の上辺320に隣接する部分(下側凸部3の上端に対応する位置)には、二つの上側凸部3の間に形成された傾斜溝5(第1傾斜溝51又は第2傾斜溝52)の下端が繋がっており、この傾斜溝5の長さ方向は左右方向の方向成分を含んでいる。このため、傾斜溝5に存在する雨水等は、図3に示すように、傾斜溝5に沿って左右方向の方向成分を含んだ斜め下方に流れやすい。これにより、傾斜溝5から下方の横溝4に流れ込んだ雨水等は、横溝4において左右方向に流れやすくなり、横溝4に雨水等が溜まることが抑制される。
【0048】
二つの上側凸部3のうちの一方の上側凸部3と隣り合い、かつ、一方の上側凸部3に対して他方の上側凸部3とは反対側に位置する凸部3を他の上側凸部3とする。前記一方の上側凸部3と前記他の上側凸部3との間に形成され、下端が横溝4に繋がった傾斜溝5を他の傾斜溝5とする。横溝4において下側凸部3の上辺320に隣接する部分(下側凸部3の上端に対応する位置)には、前記傾斜溝5と前記他の傾斜溝5との二つの傾斜溝5(第1傾斜溝51及び第2傾斜溝52)の下端が繋がっている。前記他の傾斜溝5の長さ方向は、左右方向の方向成分を含んでいる。このため、前記他の傾斜溝5における雨水等は、左右方向の方向成分を含んだ斜め下方に流れやすい。これにより、前記他の傾斜溝5から下方の横溝4に流れ込んだ雨水等は、横溝4において左右方向に流れやすくなり、横溝4に雨水等が溜まることが一層抑制される。
【0049】
各凸部3の表面12に形成された凸部溝33は、傾斜溝5と横溝4とに繋がっており、傾斜溝5又は横溝4を流れる雨水等の一部は、図3に示すように分岐して隣接する凸部溝33に流れ、この後、隣接する横溝4又は傾斜溝5に流れる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等は、スムーズに流れやすい。また、凸部3の表面に付着した雨水等は、凸部溝33を流れる雨水等に接触して一緒に流れやすくなる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等は、一層スムーズに流れやすい。
【0050】
なお、建築部材1の表面12に付着した雨水等をよりスムーズに流すには、三角形状の各第1凸部31の両側の底角θ1の各々を、15度以上85度以下とすることが好ましい。すなわち、第1凸部31の両側に形成される第1傾斜溝51及び第2傾斜溝52の各々の長さ方向は、第1凸部31の表面12側から見て左右方向に対して15度以上85度以下の角度で傾斜することが好ましい。なお、各第1凸部31の両側の底角θ1は限定されない。
【0051】
建築部材1の表面12が、左右方向と平行な横溝4と、上下方向に対して傾斜した傾斜溝5とを有することで、建築部材1が横張り施工された状態と縦張り施工された状態とで外観を異ならせることができる。すなわち、建築部材1が横張り施工された場合、表面12に上側から太陽光が当たることによって横溝4に陰影が付きやすい。このため、建築部材1の外観は、横溝4が強調された外観になりやすい。一方、建築部材1が縦張り施工された状態で、建築部材1の表面12に上側から太陽光が当たった場合、上下方向に延びる横溝4には陰影が付き難い。このため、建築部材1の外観は、各傾斜溝5が強調された外観になる。
【0052】
また、建築部材1が縦張り施工された状態では、横溝4が上下方向に延びると共に傾斜溝5が上下方向の方向成分を含む向きに延びる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等は、一層溜まり難く流れやすくなる。
【0053】
建築部材1は、左右方向の長さを調整すること等を目的として、図4に示すように建築部材1の左右方向の端部が上下方向に切断される場合がある。ここで、図5に示すように凸部3が矩形状である場合、切断された凸部3における切断側の端部には、表面側から見て直角の角部34が二つ形成されるため、切断された凸部3に欠けが生じる可能性がある。これに対して、本実施形態の第1凸部31は、図4に示すように、表面側から見て三角形状であり、左右方向と平行な辺310を一つだけ有している。このため、建築部材1の左右方向の端部が上下方向に切断された場合、切断された第1凸部31における切断側の端部には、上下方向のうちの一方に直角の角部34が形成されるものの、他方には表面側から見て鈍角の角部が形成される。この鈍角の角部は直角の角部34と比べて欠け難い。このため、切断された第1凸部31には欠けが生じ難い。
【0054】
(2)変形例
次に実施形態の変形例について説明する。なお、以下に示す各変形例の説明では、実施形態の対応する要素と同じ符号を付し、共通する事項については説明を省略する。
【0055】
図6A図6Cに示すように、各第1凸部31の下辺310と各第2凸部32の上辺320とのうちの少なくとも一方は、屈曲してもよい。図6A及び図6Cに示す建築部材1は、各第2凸部32の上辺320が屈曲しており、各第1凸部31の下辺310は屈曲していない。図6Bに示す建築部材1は、各第1凸部31の下辺310が屈曲し、かつ、各第2凸部32の上辺320が屈曲している。
【0056】
図6A図6Cに示す各第2凸部32は、上辺320が、最も上方に位置する中間部から左右方向の外側に離れた部分ほど下方に位置するように、中間部を境に屈曲している。すなわち、各第2凸部32は、表面側から見て四角形状に形成されており、その上面は、中間部が最も上方に位置し、中間部から左右方向の外側に離れた部分ほど下方に位置するように傾斜している。各第2凸部32の上面の左右両側部分の各々の左右方向に対する傾斜角度θ2は、例えば、2度以上60度以下である。
【0057】
このように第2凸部32の上辺320が、中間部から左右方向の外側に離れた部分ほど下方に位置するように屈曲することで、横溝4において第2凸部32の上辺320に沿う部分に存在する雨水等は、第2凸部32の上面に沿って左右方向の外側に流れやすくなる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等は、一層スムーズに流れやすくなる。なお、各第2凸部32の上面の左右両側部分の各々は、左右方向に対して2度未満の角度又は60度を超える角度で傾斜してもよい。また、各第2凸部32の上面の左右両側部分のうちの一方だけが、左右方向の外側に離れた部分ほど下方に位置するように傾斜してもよい。
【0058】
図6Bに示す各第1凸部31の下辺310は、最も下方に位置する中間部から左右方向の外側に離れた部分ほど上方に位置するように、中間部を境に屈曲している。すなわち、各第1凸部31の下面は、中間部が最も下方に位置し、中間部から左右方向の外側に離れた部分ほど上方に位置するように傾斜している。各第1凸部31の下辺310の両側部分の各々の左右方向に対する傾斜角度θ3は、例えば、2度以上60度以下である。
【0059】
図6Bに示すように、各第2凸部32の上辺320と、各第1凸部31の下辺310との両者が屈曲することで、横溝4の溝幅を略一定にすることができ、横溝4において雨水等を流れやすくすることができる。なお、各第1凸部31の下面の左右両側部分の各々は、左右方向に対して2度未満の角度又は60度を超える角度で傾斜してもよい。また、各第1凸部31の下面の左右両側部分のうちの一方だけが、左右方向の外側に離れた部分ほど上方に位置するように傾斜してもよい。
【0060】
また、図6B図6Eに示すように、各凸部3は、凸部溝33を有さなくてもよい。
【0061】
また、図6Dに示すように、各第2凸部32の上辺320は、その全体が左右方向に対して傾斜してもよい。図6Dに示す例では、各第2凸部32の上辺320が、右端に近い部分ほど下方に位置するように傾斜している。すなわち、各第2凸部32の上面は、右端に近い部分ほど下方に位置するように傾斜している。各第2凸部32の上辺320の左右方向に対する傾斜角度θ4は、例えば、2度以上60度以下である。
【0062】
このように各第2凸部32の上辺320の全体が左右方向に対して傾斜する場合も、横溝4において第2凸部32の上辺320に沿う部分に存在する雨水等は、第2凸部32の上面に沿って左右方向に流れやすくなる。なお、各第2凸部32の上面は、左右方向に対して2度未満の角度又は60度を超える角度で傾斜してもよい。また、各第2凸部32の上面は、左端に近い部分ほど下方に位置するように傾斜してもよい。
【0063】
図7に示すように、各凸部3の上側の面35は前端に近い部分ほど下方に位置するように水平面に対して傾斜していることが好ましく、各凸部3の下側の面36は後端に近い部分ほど下方に位置するように傾斜していることが好ましい。ここで、各凸部3の上側の面35は、面の向く方向が上方の方向成分を含んだ面であり、例えば、第2凸部32の上面若しくは第1凸部31の左辺又は右辺を構成する面である。また、下側の面36は、面の向く方向が下方の方向成分を含んだ面であり、例えば、第1凸部31の下面若しくは第2凸部32に左辺又は右辺を構成する面である。
【0064】
このように各凸部3の上側の面35及び下側の面36が水平面に対して傾斜することで、横溝4又は傾斜溝5の雨水等が凸部3の表面を伝って下方に流れやすくなり、建築部材1の表面12に付着した雨水等が一層スムーズに流れやすくなる。凸部3の上側の面35及び下側の面36の各々は、例えば、垂直面に対する傾斜角度θ5,θ6が、70度以下であることが好ましく、30度以下であることが更に好ましい。
【0065】
各凸部3の上側の面35とこの面35に隣接する横溝4又は傾斜溝5の底面との接続部分、各凸部3の下側の面36とこの面36に隣接する横溝4又は傾斜溝5の底面との接続部分、各凸部3の上側の面35とこの凸部3の表面との接続部分及び各凸部3の下側の面36とこの凸部3の表面との接続部分の各々は、図7に示すように稜線のある角であってもよいし、図8に示すように二つの面を連続させる断面弧状の面であってもよい。後者の場合、建築部材1の表面12に付着した雨水等が、一層スムーズに流れやすくなる。また、凸部3の上側の面35及び下側の面36の各々は、垂直面に対して70度を超える角度で傾斜してもよい。
【0066】
また、図9に示すように、各横溝4の溝幅は、左右方向において変化してもよい。図9に示す例では、同じ凸部列2に属する第2凸部32の上辺320の上下位置が揃っているのに対し、同じ凸部列2に属する第1凸部31の下辺310の上下位置が第1凸部31毎に異なっており、これにより、横溝4の溝幅が左右方向において変化している。例えば、左右方向に並ぶ建築部材1が、上下方向においてずれた状態で施工された場合、建築部材1の横溝4の溝幅が長さ方向にわたって一定であると、前記ずれが目立つ可能性がある。しかし、図9に示す例では、横溝4の溝幅が左右方向において変化するため、前記ずれが目立ち難くなる。
【0067】
また、図9に示すように、横溝4に繋がった傾斜溝5は、上下方向に対して傾斜している。このため、例えば、図10に示すように、横溝4に上下方向と平行な縦溝6が繋がった場合と比較して、横溝4が一直線状に見えやすい。すなわち、図10に示すように横溝4に上下方向と平行な縦溝6が繋がっていると、建築部材1を表面側から見る人は、下端部が横溝4側に入り込んだ第1凸部31によって横溝4が途切れたような印象を受けやすい。これに対して、図9に示すように上下方向に対して傾斜した傾斜溝5が横溝4に繋がっていると、建築部材1を表面側から見る人は、横溝4が途切れたような印象を受け難い。このため、横溝4ががたつきの少ない綺麗な一直線状に見えやすく、建築部材1の意匠性が向上する。
【0068】
また、第2凸部32の下端部の左右両側には、第1傾斜溝51の下端部と第2傾斜溝52の下端部とが位置しており、第2凸部32の下端部を含む部分の形状は複雑になる。このため、左右方向において第2凸部32を介して隣り合う第1凸部31の下辺310の上下位置が互いにずれていても、このずれが目立ち難くなり、この点でも横溝4は綺麗な一直線状に見えやすい。
【0069】
なお、横溝4の溝幅を左右方向において変化させる場合、同じ凸部列2に属する第1凸部31の下辺310の上下位置を揃え、かつ、同じ凸部列2に属する第2凸部32の上辺320の上下位置を第2凸部32毎に異ならせることで横溝4の溝幅を左右方向において変化させてもよい。また、同じ凸部列2に属する第1凸部31の下辺310の上下位置を第1凸部31毎に異ならせ、かつ、同じ凸部列2に属する第2凸部32の上辺320の上下位置を第2凸部32毎に異ならせることで、横溝4の溝幅を左右方向において変化させてもよい。
【0070】
図9に示す例のように、同じ凸部列2に属する第1凸部31の下辺310の上下位置が第1凸部31毎に異なる場合において、好ましい例を図11に示す。この例では、第2凸部32を挟んで隣り合う第1傾斜溝51及び第2傾斜溝52は、第1傾斜溝51の下端とこの第1傾斜溝51に隣接する第1凸部31の下辺310との上下方向の位置が揃い、かつ、第2傾斜溝52の下端とこの第2傾斜溝52に隣接する第1凸部31の下辺310との上下方向の位置が揃っている。この場合、第1傾斜溝51の底面と横溝4の底面との間には段差13ができ、第2傾斜溝52の底面と横溝4の底面との間には段差14ができる。一方の段差13は、第1傾斜溝51に隣接する第1凸部31の下面314に連続した面である。他方の段差14は、第2傾斜溝52に隣接する第1凸部31の下面314に連続した面である。
【0071】
例えば、第1傾斜溝51の下端と第2傾斜溝52の下端との上下方向の位置が揃った場合を想定する。この場合、一方の段差13が第1傾斜溝51に隣接する第1凸部31の下面314に対して非連続な面になる、あるいは、他方の段差14が第2傾斜溝52に隣接する第1凸部31の下面314に対して非連続な面になる。このため、第1凸部31の下面314によって形成される陰影と、段差13又は段差14によって形成される陰影とに大きな変化が生じ、建築部材1を見る人は横溝4が途切れたような印象を受けやすい。しかし、図11に示す例では、段差13及び段差14の各々の横溝4の底面からの高さが低く、段差13によって形成される陰影と段差14によって形成される陰影との変化が小さい。このため、建築部材1を見る人に対して、横溝4が連続した印象を与えることができ、建築部材1の意匠性を向上することができる。
【0072】
なお、各凸部3の表面側から見たときの形状は、隣接する傾斜溝5の長さ方向が上下方向に対して傾斜するのであれば、三角形状に限定されない。例えば、各凸部3の表面側から見たときの形状は、図12Aに示す扇形又は図12Bに示す平行四辺形状等であってもよい。また、この他、実施形態の建築部材1は、各要素の形状、大きさ及び材質等、適宜設計変更可能である。
【0073】
(3)態様
以上説明した実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の建築部材1は、以下に示す構成を有する。建築部材1は、表面12が上下方向と交差する方向に向いた状態で施工される建築部材1である。表面12に、下側凸部3、二つの上側凸部3、横溝4及び傾斜溝5が形成される。二つの上側凸部3は、下側凸部3の上側において上下方向と交差する横方向に並ぶ。横溝4は、下側凸部3と二つの上側凸部3との間に形成される。傾斜溝5は、二つの上側凸部3の間に形成され、下端が横溝4における下側凸部3の上端に対応する位置に繋がる。傾斜溝5の長さ方向は、前記横方向の方向成分を含む。
【0074】
この態様によれば、傾斜溝5から下方の横溝4に流れ込んだ雨水等が、横溝4に沿って左右方向に流れ、横溝4において雨水等が溜まることが抑制される。
【0075】
第2の態様の建築部材1は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、表面12に、他の上側凸部3と、他の傾斜溝5とが更に形成される。他の上側凸部3は、二つの上側凸部3のうちの一方の上側凸部3と隣り合い、かつ、前記一方の上側凸部3に対して他方の上側凸部3とは反対側に位置する。他の傾斜溝5は、前記一方の上側凸部3と前記他の上側凸部3との間に形成され、下端が横溝4における下側凸部3の上端に対応する位置に繋がる。前記他の傾斜溝5の長さ方向は、前記横方向の方向成分を含んでいる。
【0076】
この態様によれば、他の傾斜溝5から下方の横溝4に流れ込んだ雨水等が、横溝4に沿って左右方向に流れやすくなり、横溝4において雨水等が溜まることが一層抑制される。
【0077】
第3の態様の建築部材1は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様は、以下に示す構成を有する。下側凸部3及び二つの上側凸部3のうちの少なくとも一つの凸部3の表面に溝(凸部溝)33が形成されている。溝33の長さ方向は、上下方向の方向成分と、前記横方向の方向成分とを含んでいる。
【0078】
この態様によれば、凸部3の表面12に付着した雨水等は、凸部溝33を流れる雨水等に引かれて流れやすくなる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等が、一層スムーズに流れやすくなる。
【0079】
第4の態様の建築部材1は、第1~第3のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、下側凸部3の上面は、前記横方向における中間部が最も高く、かつ、前記横方向において前記中間部から外側に離れた部分ほど下方に位置する。
【0080】
この態様によれば、横溝4に存在する雨水等が、下側凸部3の上面に沿って前記横方向に流れやすくなる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等が、一層スムーズに流れやすくなる。
【0081】
第5の態様の建築部材1は、第1~第3のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、下側凸部3の上面は、前記横方向における一端に近い部分ほど下方に位置する。
【0082】
この態様によれば、横溝4に存在する雨水等が、下側凸部3の上面に沿って前記横方向に流れやすくなる。このため、建築部材1の表面12に付着した雨水等が、一層スムーズに流れやすくなる。
【符号の説明】
【0083】
1 建築部材
12 表面
3 凸部(下側凸部、上側凸部)
33 溝(凸部溝)
4 横溝
5 傾斜溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12