(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127496
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】建築部材
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
E04F13/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025684
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 義孝
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA13
2E110AA57
2E110AA65
2E110AB02
2E110AB04
2E110AB22
2E110AB23
2E110AB42
2E110AB43
2E110BA12
2E110BB22
2E110GA33
2E110GB01W
2E110GB23W
2E110GB42W
2E110GB62W
(57)【要約】
【課題】突状部の表面に筋状の跡が生じることを抑制できる建築部材を提供する。
【解決手段】建築部材1は、建築部材1の表面に形成された突状部2を備える。突状部2は、突状部2の表面に形成され、縦横に不規則に配列された複数の微小凸部20を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に形成された突状部を備え、
前記突状部は、
前記突状部の表面に形成され、縦横に不規則に配列された複数の微小凸部を有している、
建築部材。
【請求項2】
前記突状部は、一方向に延びた形状を有し、
前記突状部の表面は、
前記突状部の幅方向の両端部にそれぞれ位置する二つの端部領域と、
前記二つの端部領域の間に位置する中間部領域とを有し、
前記複数の微小凸部は、前記二つの端部領域及び前記中間部領域の各々に形成されており、
前記中間部領域では、表面側から見たときの前記微小凸部の面積の平均値が、前記二つの端部領域の各々と比べて大きい、
請求項1に記載の建築部材。
【請求項3】
前記突状部は、一方向に延びた形状を有し、
前記突状部は、
前記突状部の長さ方向において交互に並んだ粗領域及び細領域を有し、
前記複数の微小凸部は、前記粗領域及び前記細領域の各々に形成されており、
前記粗領域では、表面側から見たときの前記微小凸部の面積の平均値が、前記細領域と比べて大きい、
請求項1又は請求項2に記載の建築部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築板が開示されている。この建築板の表面には、同一方向に延びた凹部及び凸部が交互に配置されている。凸部の表面は平らである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した建築板にあっては、凸部の平らな表面に付着した雨水等が、重力又は風等によって一方向に流れやすく、凸部の表面に筋状の跡が残る可能性がある。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みてなされており、突状部の表面に筋状の跡が残り難い建築部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る建築部材は、表面に形成された突状部を備え、前記突状部は、前記突状部の表面に形成され、縦横に不規則に配列された複数の微小凸部を有している。
【発明の効果】
【0007】
前記一態様に係る建築部材は、突状部の表面に筋状の跡が残り難い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る建築部材の部分拡大斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の建築部材の部分拡大正面図である。
【
図3】
図3は、同上の建築部材の部分拡大正面図である。
【
図4】
図4は、同上の建築部材を横張り施工した状態を示した正面図である。
【
図5】
図5は、同上の建築部材を縦張り施工した状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、建築部材に関し、詳しくは、表面に突状部が形成された建築部材に関する。
【0010】
(1)実施形態
図1~
図3に本実施形態の建築部材1を示す。建築部材1は、建物の外壁材として用いられる。なお、建築部材1は、例えば、洗面所、キッチン若しくは浴室等の壁として利用される内壁材又は屋根材等、外壁材以外の用途に用いられてもよい。
【0011】
建築部材1は、一方向に延びた矩形の板状に形成されている。矩形状の建築部材1は、対向する一対の辺と、対向する他の一対の辺とを有している。すなわち、建築部材1は、建築部材1の長さ方向(長手方向)と平行な一対の長辺と、建築部材1の幅方向(短手方向)と平行な他の一対の短辺とを有している。建築部材1は、例えば幅方向寸法が約455mm、長手方向寸法が約3030mmの板状部材である。
【0012】
建築部材1は、窯業系のサイディング材であり、セメントを主成分とする水硬性無機質材料の硬化物である。なお、建築部材1は、窯業系サイディング材に限定されず、例えば、金属サイディング、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)等の無機質材料であってもよく、或いは樹脂系材料、木質板等の有機質材料であってもよく、建築部材1の材質には制限はない。
【0013】
建築部材1は、下地に沿って複数枚並んだ状態で施工される。
図4は、複数の建築部材1が横張り施工された状態を示しており、各建築部材1の長さ方向が水平方向に沿った状態で、複数の建築部材1が縦方向(上下方向)に並んでいる。
図5は、複数の建築部材1が縦張り施工された状態を示しており、各建築部材1の長さ方向が上下方向に沿った状態で、複数の建築部材1が横方向(上下方向と直交する方向)に並んでいる。
【0014】
建築部材1が施工される下地は、例えば、胴縁、間柱又は下地ボード等である。各建築部材1は、下地の屋外側に配され、例えば、ねじ又は釘等の固着具や取付金具によって下地に固定される。なお、隣り合う建築部材1同士は、互いに接触してもよいし、目地材等の他の部材を介して配置されてもよい。
【0015】
図2に示すように、建築部材1の一対の辺を構成する幅方向の両端部には、一対の実部10,11がそれぞれ形成されている。一対の実部10,11のうちの一方の実部10は、建築部材1の裏面側端部から建築部材1の幅方向の外側に向かって突出しており、他方の実部11は、建築部材1の表面側端部から建築部材1の幅方向の外側に向かって突出している。
【0016】
複数の建築部材1が施工された状態において、建築部材1の幅方向に隣り合う建築部材1同士は、一方の建築部材1における他方の建築部材1側の端部に形成された実部10と、他方の建築部材1における一方の建築部材1側の端部に形成された実部11とが相じゃくり接合される。なお、建築部材1が備える一対の実部10,11は相じゃくり接合されるものに限定されず、例えば、本実接合されるものであってもよい。また、建築部材1の長さ方向の両端部には、建築部材1の長さ方向に隣り合う建築部材1同士を接合するための実部が形成されてもよいし、形成されなくてもよい。
【0017】
建築部材1は、建築部材1の表面に形成された複数の突状部2を備えている。本実施形態の建築部材1は、三つの突状部2を備えている。複数の突状部2は、建築部材1の幅方向に間隔をあけて並んでいる。各突状部2は、建築部材1の表面側から見て、建築部材1の長さ方向に延びた矩形状に形成されている。各突状部2は、建築部材1の長さ方向の全長にわたって形成されている。
【0018】
なお、各突状部2の形状は限定されない。例えば、突状部2は、建築部材1の長さ方向に間隔をあけて複数形成されてもよい。また、各突状部2は、建築部材1の幅方向に延びた矩形状に形成されてもよい。また、建築部材1が有する突状部2の数は限定されない。
【0019】
建築部材1は、建築部材1の表面に形成された複数の溝12を備えている。各溝12は、建築部材1の幅方向に隣り合う突状部2の間に形成された凹部であり、隣り合う建築部材1の間に形成される目地を模した疑似目地である。各溝12は、建築部材1の長さ方向に沿って直線状に延びており、建築部材1の長さ方向の全長にわたっている。
【0020】
各突状部2は、複数の微小凸部20を有している。複数の微小凸部20は、突状部2の表面に形成されており、縦横に不規則に配列されている。本開示において「縦横に不規則に配置される」ことは、複数の微小凸部20が突状部2の表面において定められた規則で配列されていない状態を意味する。「縦横に不規則に配置される」には、例えば、微小凸部20の表面側から見たときの中心位置が建築部材1の長さ方向及び幅方向において不均一に分布していること、微小凸部20の大きさ又は形状が不均一であること及び隣り合う微小凸部20の間に形成される微小溝21の形状、長さ又は幅等が不均一であること等が含まれる。
【0021】
各微小凸部20の表面側から見た形状は、微小凸部20毎に異なり、不均一である。また、各微小凸部20の表面側から見たときの面積も不均一である。本実施形態の複数の微小凸部20は、突状部2の長さ方向(横方向)の方向成分を含む向きに延びた形状を有する微小凸部20を複数含んでいる。また、突状部2の表面には、突状部2の幅方向(縦方向)の方向成分を含む向きに延びた形状を有する微小凸部20と、突状部2の長さ方向における寸法と突状部2の幅方向における寸法とが略同じ微小凸部20との各々が複数形成されている。また、突状部2の表面には、突状部2の幅方向に隣り合う微小凸部20の間に形成されて突状部2の長さ方向(横方向)の方向成分を含む向きに延びる微小溝21と、突状部2の長さ方向に隣り合う微小凸部20の間に形成されて突状部2の幅方向(縦方向)成分を含む向きに延びる微小溝21との各々が、複数形成されている。各微小凸部20の表面側から見たときの面積は、例えば、250mm2以下である。微小凸部20の縦断面形状(建築部材1の長手方向から見た断面形状)は、略山形状をなし、稜線の上下両側の傾斜面は、例えば建築部材1の裏面側に凸となる湾曲状をなしている。
【0022】
突状部2の表面に付着した雨水等は、縦横に不規則に配列された複数の微小凸部20に当たることで分散するように流れ、直線状にまとまって流れ難い。このため、建築部材1が横張り又は縦張りのいずれで施工された場合にも、突状部2の表面には、筋状の跡が付きにくい。
【0023】
複数の微小凸部20は、突状部2の表面の全体にわたるように形成されている。複数の微小凸部20は、隣り合う微小凸部20の間に幅が非常に小さい微小溝21だけが形成されるように、突状部2の表面に密集した状態で配列されている。各微小凸部20の頂部は、建築部材1の厚み方向において略同じ位置にある。
【0024】
本実施形態の複数の微小凸部20は、三角焼き等によって焼かれた焼杉の表面に形成される炭化層のような形状を有している。また、各突状部2の表面には、微小凸部20より大きく木材の節を模した円形状の突部22が点在するように複数形成されている。加えて、各突状部2の表面は、全体にわたって黒色に着色されている。このため、各突状部2は、一枚の焼杉の表面を模した外観を有し、建築部材1の表面は、複数枚の焼杉が建築部材1の幅方向に並んだような外観を有している。
【0025】
なお、複数の微小凸部20は、突状部2の表面の一部にのみ形成されてもよい。また、節を模した突部22は省略可能である。また、各突状部2の表面の色は、黒色に限定されず、黒以外の濃色又は淡色であってもよい。また、突状部2の表面は、焼杉の表面を模した外観を有するものに限定されず、例えば、木目調又は石目調などの他の外観を有するものであってもよい。
【0026】
各突状部2の表面は、突状部2の幅方向の両端部にそれぞれ位置する二つの端部領域23と、二つの端部領域23の間に位置する中間部領域24とを有している。二つの端部領域23及び中間部領域24の各々は、突状部2の長さ方向の全長にわたっており、突状部2の表面は、二つの端部領域23及び中間部領域24だけで構成されている。
【0027】
複数の微小凸部20は、二つの端部領域23及び中間部領域24の各々の全体にわたるように形成されている。中間部領域24には、各端部領域23と比べて、粗い微小凸部20が形成されている。中間部領域24では、微小凸部20の表面側から見たときの面積の平均値が各端部領域23よりも大きい。また、突状部2の全体に形成された複数の微小凸部20のうち、表面側から見たときの面積が最も大きい微小凸部20は、中間部領域24に存在している。また、中間部領域24では、隣り合う微小凸部20の間に形成される微小溝21の幅及び深さが、各端部領域23と比べて大きい。
【0028】
表面側から見たときの面積が大きい微小凸部20には光が当たりやすく、中間部領域24は各端部領域23と比べて明るくなりやすい。このため、突状部2は、幅方向の中間部が幅方向の両端部よりも表面側に膨出したような立体的な形状に見えやすい。
【0029】
細かい微小凸部20が形成された各端部領域23では、粗い微小凸部20が形成された中間部領域24と比べて、雨水等が流れやすい。すなわち、中間部領域24と端部領域23とでは、雨水等の流れに緩急がつきやすい。このため、突状部2の表面に付着した雨水等は、スムーズに流れやすい。
【0030】
複数の微小凸部20は、各端部領域23においても、縦横に不規則に配列されており、各端部領域23の明るさは突状部2の長さ方向においても不均一になりやすい。このため、突状部2に隣接する溝12の幅が、溝12の長さ方向において不均一に見えやすい。したがって、建築部材1の長さ方向に隣り合う建築部材1が、建築部材1の幅方向においてずれた状態で施工され、隣り合う建築部材1の互いの溝12の位置が建築部材1の幅方向においてずれたとしても、このずれを目立ち難くすることができる。
【0031】
例えば、中間部領域24に形成される微小凸部20の表面側から見たときの面積は、40mm2以上300mm2以下であり、各端部領域23に形成される微小凸部20の表面側から見たときの面積は、4mm2以上80mm2以下である。また、中間部領域24に形成される微小溝21は、例えば、幅が0.8mm以上4.0mm以下であり、深さが1.5mm以上3.5mm以下である。また、各端部領域23に形成される微小溝21は、例えば、幅が0.2mm以上1.5mm以下であり、深さが0.5mm以上1.5mm以下である。
【0032】
なお、本実施形態の複数の微小凸部20は、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、突状部2の幅方向の中間部に近い部分ほど徐々に大きくなるように形成されており、各突状部2の表面において、端部領域23と中間部領域24との境界は視覚的に明確に現れないが、複数の微小凸部20は、この境界が明確に現れるように形成されてもよい。
【0033】
中間部領域24は、突状部2の長さ方向において交互に並んだ粗領域25及び細領域26を有している。複数の微小凸部20は複数の粗領域25及び複数の細領域26の各々において、全体にわたるように形成されている。各粗領域25には、各細領域26と比べて、比較的粗い微小凸部20が形成されている。
【0034】
各粗領域25では、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、各細領域26と比べて大きく、粗領域25における表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値は、細領域26における表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値に対して、例えば1.2倍以上2.0倍以下である。ただし、各細領域26では、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、各端部領域23と比べて大きい。また、本実施形態では、中間部領域24の全体に形成された複数の微小凸部20のうち、表面側から見たときの面積が最も大きい微小凸部20は、粗領域25に存在している。
【0035】
各粗領域25では、隣り合う微小凸部20の間に形成される微小溝21の幅及び深さが、各細領域26と比べて大きい。ただし、各端部領域23では、隣り合う微小凸部20の間に形成される微小溝21の幅及び深さが、各端部領域23と比べて大きい。
【0036】
例えば、各粗領域25に形成される微小凸部20の表面側から見たときの面積は、40mm2以上300mm2以下であり、各細領域26に形成される微小凸部20の表面側から見たときの面積は、30mm2以上250mm2以下である。また、例えば、各粗領域25に形成される微小溝21は、幅が0.8mm以上4.0mm以下であり、深さが1.5mm以上3.8mm以下であり、各端部領域23に形成される微小溝21は、幅が0.8mm以上3.5mm以下であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。
【0037】
表面側から見たときの面積が大きい微小凸部20には光が多く当たるため、各粗領域25は、各細領域26と比べて明るくなりやすい。このため、中間部領域24は、各微小凸部20の表面が建築部材1の厚み方向において略同じ位置に位置するにもかかわらず、各粗領域25が各細領域26よりも表面側に膨出したような立体的な形状に見えやすい。また、細かい微小凸部20が形成された細領域26では、粗領域25と比べて雨水等が流れやすい。このため、粗領域25と細領域26とでは、雨水等の流れに緩急がつきやすく、突状部2の表面に付着した雨水等は、スムーズに流れやすい。
【0038】
なお、本実施形態の中間部領域24に形成された複数の微小凸部20は、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、突状部2の長さ方向において徐々に変化するように形成されており、中間部領域24において粗領域25と細領域26との境界は明確に現れないが、複数の微小凸部20は、この境界が明確に現れるように形成されてもよい。
【0039】
また、粗領域25に形成される微小溝21は、深さ又は幅のうちの一方又は両方が、細領域26に形成される微小溝21と比べて小さくてもよいし、微小溝21と同じであってもよい。また、中間部領域24に形成された複数の微小凸部20は、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、突状部2の長さ方向において略一定であってもよい。また、中間部領域24に形成される微小溝21は、深さ又は幅のうちの一方又は両方が、端部領域23に形成される微小溝21と比べて小さくてもよいし、微小溝21と同じであってもよい。
【0040】
また、各端部領域23は、中間部領域24と同様に、突状部2の長さ方向において交互に位置する粗領域と細領域とを有してもよい。また、突状部2に形成された複数の微小凸部20は、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、突状部2の幅方向において略一定であってもよい。また、この他、本実施形態の建築部材1は、各要素の大きさ、形状、材質等、適宜変更可能である。
【0041】
(2)態様
以上説明した実施形態から明らかなように、第1の態様の建築部材1は、以下に示す構成を有する。建築部材1は、建築部材1の表面に形成された突状部2を備える。突状部2は、突状部2の表面に形成され、縦横に不規則に配列された複数の微小凸部20を有している。
【0042】
この態様によれば、突状部2の表面に付着した雨水等は、縦横に不規則に配列された複数の微小凸部20によって、分散するように流れやすくなる。このため、突状部2の表面には、筋状の跡が付き難い。
【0043】
第2の態様の建築部材1は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、突状部2は、一方向に延びた形状を有する。突状部2の表面は、突状部2の幅方向の両端部にそれぞれ位置する二つの端部領域23と、二つの端部領域23の間に位置する中間部領域24とを有する。複数の微小凸部20は、二つの端部領域23及び中間部領域24の各々に形成されている。中間部領域24では、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、二つの端部領域23の各々と比べて大きい。
【0044】
この態様によれば、表面側から見たときの面積が大きい微小凸部20には光が多く当たるため、中間部領域24は各端部領域23と比べて明るくなりやすい。このため、突状部2の幅方向の中間部が幅方向の両端部よりも表面側に膨出したような立体的な形状に見え、意匠性を向上できる。また、比較的粗い微小凸部20が形成された中間部領域24では、各端部領域23と比べて、雨水等が流れ難い。このため、中間部領域24と端部領域23とでは、雨水等の流れに緩急がつきやすく、中間部領域24では雨水等がスムーズに流れやすくなる。
【0045】
第3の態様の建築部材1は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、突状部2は、一方向に延びた形状を有する。突状部2は、突状部2の長さ方向において交互に並んだ粗領域25及び細領域26を有する。複数の微小凸部20は、粗領域25及び細領域26の各々に形成されている。粗領域25では、表面側から見たときの微小凸部20の面積の平均値が、細領域26と比べて大きい。
【0046】
この態様によれば、表面側から見たときの面積が大きい微小凸部20には光が多く当たるため、粗領域25は細領域26と比べて明るくなりやすい。このため、突状部2は、粗領域25が細領域26よりも表面側に膨出したような立体的な形状に見え、意匠性を向上できる。また、比較的粗い微小凸部20が形成された粗領域25では、細領域26と比べて雨水等が流れ難い。このため、粗領域25と細領域26とでは、雨水等の流れに緩急がつきやすく、雨水等がスムーズに流れやすい。
【符号の説明】
【0047】
1 建築部材
2 突状部
20 微小凸部
23 端部領域
24 中間部領域
25 粗領域
26 細領域