(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127503
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】自動取引装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/00 20190101AFI20220824BHJP
G07D 11/40 20190101ALI20220824BHJP
G07D 11/60 20190101ALI20220824BHJP
【FI】
G07D11/00 341Z
G07D11/40 101C
G07D11/60 121Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025693
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 大樹
【テーマコード(参考)】
3E040
3E141
【Fターム(参考)】
3E040BA07
3E040CA02
3E040CA06
3E040DA01
3E040EA10
3E040FJ05
3E040FK10
3E141BA07
3E141CA02
3E141CA06
3E141DA01
3E141EA10
3E141FJ05
3E141FK10
(57)【要約】
【課題】コストをかけずに利便性を向上させる自動取引装置を提供する。
【解決手段】入力装置109は、利用者の操作による入力を受け付ける。顧客カメラ110は、操作を行う利用者の方向の画像を撮影する。顧客カメラドライバ122は、顧客カメラ110により撮影された画像を用いて人検知を行なう。取引処理部121及び画像表示制御部106は、後方確認対象操作が行われた場合、顧客カメラ110により撮影された後方確認画像を表示装置107に表示させる。取引処理部121は、撮影対象操作が行われたタイミングで顧客カメラ110により撮影されたジャーナル画像をハードディスク103及び104に保存する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の操作による入力を受け付ける入力装置と、
前記操作を行う前記利用者の方向の画像を撮影するカメラと、
前記カメラにより撮影された前記画像を用いて人検知を行なう人検知部と、
後方確認対象操作が行われた場合、前記カメラにより撮影された後方確認画像を表示装置に表示する後方画像表示部と、
ジャーナル撮影対象操作が行われたタイミングで前記カメラにより撮影されたジャーナル画像を記憶装置に保存する画像保存部と、
を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記後方画像表示部は、前記カメラで撮影された前記画像のメモリ上の格納位置を示す画像ポインタを取得し、前記後方確認対象操作が行われた場合に、前記画像ポインタを基に前記メモリから前記後方確認画像を取得して前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記画像保存部は、前記カメラで撮影された前記画像のメモリ上の格納位置を示す画像ポインタを取得し、前記ジャーナル撮影対象操作が行われた場合に、前記画像ポインタを基に前記メモリから前記ジャーナル画像を取得して前記記憶装置に保存することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記人検知部により人が検知されない場合に、自装置を省電力モードへ遷移させる省電力制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記人検知部は、前記画像に映った人との距離を算出し、算出した前記人との距離を基に前記人検知を行なうことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)などの利用者自らが操作して取引を行う端末である自動取引装置が存在する。自動取引装置には、ジャーナル撮影機能、顧客検知機能及び後方確認機能などを有するものがある。
【0003】
ジャーナル撮影は取引開始時や媒体抜き取り時などの自動取引装置の利用者の画像を顧客カメラにより撮影し、ジャーナルデータとして自動取引装置のストレージや集中管理を行うサーバなどに保存しておく技術である。ジャーナルデータを解析することで自動取引装置を用いた取引における不正行為を特定できるため、ジャーナルデータは不正行為の防止や解決に利用することができる。
【0004】
また、顧客検知機能は、超音波や赤外線を用いた近接センサにより自動取引装置への利用者の近接及び離脱を検知する機能である。自動取引装置の近傍に利用者がいない場合には、自動取引装置を省電力モードにし、利用者が近傍に近づいた場合に省電力モードを解除することで、消費電力を削減することが可能となる。また、顧客検知機能は、媒体排出後における取り忘れアラームのトリガとして利用することも可能である。
【0005】
また、後方確認機能は、小型フレネルレンズミラーなどを自動取引装置の前面に搭載させて、利用者が取引中に後方を確認できるようにする機能である。後方確認機能により、利用者は、自動取引装置の操作中の後方からの悪意ある覗き込みや不審者を認識することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-179401号公報
【特許文献2】特開2011-118740号公報
【特許文献3】特開2015-162080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の自動取引装置は、ジャーナル撮影機能、顧客検知機能及び後方確認機能のそれぞれについて、別個に対応するハードウェアが搭載されている。例えば、従来の自動取引装置は、上述した3つの機能を搭載する場合、ジャーナル撮影用に顧客カメラが設けられ、顧客検知には近接センサが設けられ、後方確認用にミラーが設けられる。複数のハードウェアが搭載された場合、個々のハードウェアのメンテナンスが必要となり、メンテナンスが煩雑になり運用コストも上昇する。また、それぞれのハードウェアを開発する必要があり、開発費用も嵩む。さらに、複数のハードウェアを搭載することで自動取引装置自体の製造コストも高くなる。
【0008】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、コストをかけずに利便性を向上させる自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する自動取引装置の一つの態様において、カメラは、利用者の操作による入力を受け付ける。入力装置は、前記操作を行う前記利用者の方向の画像を撮影する。人検知部は、前記カメラにより撮影された前記画像を用いて人検知を行う。後方画像表示部は、後方確認対象操作が行われた場合、前記カメラにより撮影された後方確認画像を表示装置に表示する。画像保存部は、撮影対象操作が行われたタイミングで前記カメラにより撮影されたジャーナル画像を記憶装置に保存する。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、本発明は、コストをかけずに利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、自動取引装置の外観及び自動取引システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施例に係る自動取引装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、バックカメラ画像の表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、人検知判定を説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施例に係る自動取引装置による顧客カメラを用いた取引処理の概要を表すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施例に係る自動取引装置による取引処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施例に係る画像取得処理のフローチャートである。
【
図8A】
図8Aは、実施例に係る顧客カメラを用いた取引処理のフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、実施例に係る顧客カメラを用いた取引処理のフローチャートである。
【
図9】
図9は、取引選択画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、カード挿入案内画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、使用不可カード返却画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、暗証番号再入力画面の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、取引不可によるカード返却画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する自動取引装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する自動取引装置が限定されるものではない。
【実施例0013】
図1は、自動取引装置の外観及び自動取引システムの概略構成を示す図である。自動取引装置10は、ネットワークを介してホストコンピュータ20と接続される。
【0014】
ホストコンピュータ20は、ネットワーク上に存在する1つ又は複数の自動取引装置2を管理する。そして、ホストコンピュータ20は、各自動取引装置2からの利用者の操作情報を受信して、利用者の認証処理や取引許可判定処理を行って応答を返す。
【0015】
例えば、ホストコンピュータ20は、ネットワークを介して自動取引装置10から支払い取引電文を受信する。そして、ホストコンピュータ20は、支払い取引電文で通知された利用者の識別情報及び暗証番号を用いて利用者の認証を行い、その利用者との間で取引可能か否かを判定する。その利用者との間で取引可能な場合、ホストコンピュータ20は、支払い取引電文で指定された支払金額を確認し、利用者の預金残高などから支払い可能か否かを判定する。ホストコンピュータ20は、支払い可能であれば、支払い許可応答を示す応答電文を生成し、支払い不許可応答を示す応答電文を作成する。そして、ホストコンピュータ20は、ネットワークを介して作成した応答電文を自動取引装置10へ送信する。
【0016】
自動取引装置10は、例えば、自動預け払い機(ATM)などである。自動取引装置10は、
図1に示すように、通帳挿入/排出口12、カード挿入/排出口13、硬貨入出金口14、紙幣入出金口15、ハンドセット16、表示/操作部17及び顧客カメラ110を有する。以下では、自動取引装置10から見て顧客が立って操作を行う側の方向を前方と呼ぶ。
【0017】
顧客カメラ110は、自動取引装置10の前面、すなわち顧客が操作を行う側の面に配置される。顧客カメラ110は、自動取引装置10の前方を撮影する。顧客カメラ110により撮影された画像は、後述するように、顧客検知及び後方確認に利用され、且つ、ジャーナルデータとして利用される。
【0018】
通帳挿入/排出口12は、通帳記帳などの通帳を用いた取引の際に、利用者が通帳を挿入するための口であり、且つ、取引の処理完了後に通帳を輩出して利用者に返却するための口である。カード挿入/排出口13は、カードを用いた取引の際に、利用者がカードを挿入するための口であり、且つ、取引の処理完了後にカードを排出して利用者に返却するための口である。硬貨入出金口14は、硬貨を用いた取引を行う際の、利用者による硬貨の入金又は利用者に対する硬貨の出金を行うための口である。紙幣入出金口15は、紙幣を用いた取引を行う際の、利用者による紙幣の入金又は利用者に対する紙幣の出金を行うための口である。ハンドセット16は、インターホンを兼用する。ハンドセット16を用いて、利用者は、窓口係員と会話をすることが可能である。ハンドセット16は、自動取引装置10に設けられなくてもよい。表示/操作部17は、例えば、タッチパネルを有する。表示/操作部17は、利用者による金額などの入力操作を受け付ける。また、表示/操作部17は、利用者に対して利用案内などの画面や後方確認のための映像を表示する。
【0019】
図2は、実施例に係る自動取引装置のブロック図である。次に、
図2を参照して、自動取引装置10の機能について説明する。
図2に示すように、自動取引装置10は、主制御部101、メモリ102、ハードディスク103及び104、ホスト通信制御部105、画像表示制御部106、表示装置107、キー入力制御部108、入力装置109、並びに、顧客カメラ110を有する。さらに、自動取引装置10は、IO(Input Output)制御部111、紙幣処理ユニット112、硬貨処理ユニット113、通帳処理ユニット114、カード/レシート処理ユニット115、電源制御部116、UPS(Uninterruptible Power Supply)117及びコンセント118を有する。
【0020】
主制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などにより実現される。主制御部101は、バスを介して各部に接続されて、各部を統括制御する。主制御部101は、画像取得を含む取引処理の全体を統括管理する取引処理部121、及び、顧客カメラを制御する顧客カメラドライバ122を有する。以下では、顧客カメラ110を用いた取引処理の動作について説明する。
【0021】
取引処理部121は、顧客カメラドライバ122などに対する上位プログラムであり、顧客カメラドライバ122などに各々の処理を実行させて取引処理全体を運用するアプリケーションやミドルウェアにより実現される。
【0022】
取引処理部121は、利用者が自動取引装置10の近傍に存在しない状態及び近傍に存在する状態のいずれの状態でも、以下の画像取得処理を繰り返す。取引処理部121は、画像取得指示を顧客カメラドライバ122へ出力する。その後、取引処理部121は、撮影した画像のメモリ102上の格納場所を示す画像ポインタを顧客カメラドライバ122から取得する。画像ポインタは、例えば、メモリアドレスである。また、取引処理部121は、人検知判定の実行を顧客カメラドライバ122に指示する。その後、取引処理部121は、人検知判定の判定結果を顧客カメラドライバ122から取得する。
【0023】
判定結果が人検知なしの場合、取引処理部121は、利用者の不存在を確認する。そして、取引処理部121は、ホスト通信制御部105、画像表示制御部106、キー入力制御部108、IO制御部111及び電源制御部116等の各部に対して省エネモードへの移行を指示する。
【0024】
これに対して、判定結果が人検知ありの場合、取引処理部121は、利用者の存在を確認する。そして、取引処理部121は、ホスト通信制御部105、画像表示制御部106、キー入力制御部108、IO制御部111及び電源制御部116等の各部に対して省エネモードを解除して通常モードへの復帰を指示する。さらに、取引処理部121は、取引選択画面の表示を画像表示制御部106に指示して、取引選択画面を表示装置107に表示させる。
【0025】
その後、利用者が取引を開始すると、取引処理部121は、ホスト通信制御部105、画像表示制御部106、キー入力制御部108、IO制御部111及び電源制御部116等の各部と連携して取引処理を実行する。例えば、取引処理部121は、カード挿入案内画面、暗証番号入力画面、暗証番号再入力画面、金額入力画面、金額再入力画面、金額確認画面、ホスト通信画面、カード返却画面、終了画面といった各種画面の表示を画像表示制御部106に指示する。また、取引処理部121は、利用者による入力情報をキー入力制御部108から取得する。そして、取引処理部121は、入力情報に応じて各種動作をホスト通信制御部105、画像表示制御部106及びIO制御部111に指示する。また、取引処理部121は、入力情報に応じてメモリ102やハードディスク103及び104にデータを格納する。
【0026】
取引処理の実行時に、利用者により取引選択画面における取引キーを押下するなど所定のジャーナル撮影対象操作が行われた場合、取引処理部121は、その時点での顧客カメラドライバ122から取得した画像ポインタを特定する。その後、取引処理部121は、指定した画像ポインタに対応する画像データを顧客カメラドライバ122から取得する。そして、取引処理部121は、取得した画像データをジャーナル画像とする。その後、取引処理部121は、ジャーナル画像とともに時刻情報を組み合わせてジャーナルデータとして取引情報ハードディスク103及び104に格納する。ここで、取引実行時とは、例えば、利用者が取引選択画面における取引キーを押下してから終了画面を画像表示制御部106に表示させるまでの期間である。この取引処理部121によるジャーナル撮影対象操作時の画像データの取得及び保存の機能が、「画像保存部」の一例にあたり、ハードディスク103及び104が「記憶装置」の一例にあたる。
【0027】
また、利用者が暗証番号の入力などの所定の後方確認対象操作を行った場合、取引処理部121は、その時点で顧客カメラドライバ122から取得した画像ポインタに対応する画像データを顧客カメラドライバ122から取得する。そして、取引処理部121は、取得した画像データのバックカメラ画像としての表示を画像表示制御部106に指示する。後方確認対象操作は、覗き込み等の不正行為の被害にあうおそれのある操作である。ここで、ある操作が後方確認対象操作であり且つジャーナル撮影対象操作であるといったように、後方確認対象操作とジャーナル撮影対象操作とが重複してもよい。
【0028】
図3は、バックカメラ画像の表示例を示す図である。利用者が暗証番号入力などの所定の後方確認操作を行った場合、
図3に示すように、表示/操作部17の一部の表示領域161にバックカメラ画像が表示される。これにより、利用者は、後方確認対象操作時に自分の後方の状態を確認することができ、悪意ある覗き込みや不審者を認識することが可能となる。
【0029】
特に、表示/操作部17の一部の表示領域161にバックカメラ画像を表示させることで、後方確認用ミラーによる後方確認の場合と異なり、利用者は、操作中に顔を上げたりすることなく後方を確認することができる。したがって、利用者は、後に立つ人物に気付かれることなく後方確認を容易且つ確実に行うことが可能となる。この取引処理部121が有する後方確認対象操作時の画像取得の機能及び画像表示制御部106のバックカメラ画像の表示機能が、「後方画像表示部」の一例にあたる。
【0030】
以上のように、取引処理部121は、画像ポインタを顧客カメラドライバ122から取得し、ジャーナル画像やバックカメラ画像が必要になった時点でその時に取得した画像ポインタを用いて顧客カメラドライバ122から実際の画像データを取得する。これにより、顧客カメラドライバ122と取引処理部121との間の通信のデータ量を削減することが可能となり、バスの帯域幅を有効利用でき、自動取引装置10の処理性能を向上させることが可能となる。また、取引処理部121は、ジャーナル画像以外の不要な画像データをハードディスク103や104に蓄積することが無いため、記憶領域を有効に使うことが可能となる。
【0031】
さらに、取引処理部121は、取引が実行されてカードや通帳の返却処理又は出金処理を行った場合、媒体が排出口等に残留した状態のまま、その後の画像取得処理で判定結果を取得して人検知なしを確認すると、取り忘れアラームなどを発生させる。これによって、利用客が媒体を取り忘れたまま、装置から離れていく動作を検知し、アラームによって取り忘れを抑止させることができる。取り忘れアラームを鳴らす機構は、紙幣処理ユニット112、硬貨処理ユニット113、通帳処理ユニット114及びカード/レシート処理ユニット115に設けてもよいし、別個に設けてもよい。
【0032】
顧客カメラドライバ122は、メモリ102の一部の領域が割り当てられる。顧客カメラドライバ122は、画像取得処理において、画像取得指示を取引処理部121から受ける。画像取得指示を受けると、顧客カメラドライバ122は、顧客カメラ110を制御して画像を撮影させ、撮影した画像データを顧客カメラ110から取得する。その後、顧客カメラドライバ122は、取得した画像データをメモリ102の割り当てられたメモリ領域に格納する。そして、顧客カメラドライバ122は、画像データのメモリ102における格納位置を表す画像ポインタを取引処理部121へ出力する。
【0033】
その後、顧客カメラドライバ122は、人検知判定の実行指示を取引処理部121から受ける。そして、顧客カメラドライバ122は、取得した画像データに人が映っている場合、画像データを用いて自動取引装置1から人までの距離を求める。そして、顧客カメラドライバ122は、自動取引装置1から人までの距離が閾値未満の場合、自動取引装置1の利用者が存在すると判定する。これに対して、自動取引装置1から人までの距離が閾値以上の場合、自動取引装置1の利用者が存在しないと判定する。
【0034】
図4は、人検知判定を説明するための図である。例えば、顧客カメラドライバ122は、撮影された画像データ201を顧客カメラ110から取得する。次に、顧客カメラドライバ122は、画像データ201内の人が映る領域の画像202を抽出して、その中での人が映った領域203の割合を算出する。そして、顧客カメラドライバ122は、人が映った領域203の割合により自動取引装置1から人までの距離を求める。ここで算出した距離が閾値未満であれば、顧客カメラドライバ122は、自動取引装置1の利用者が存在すると判定する。これに対して、ここで算出した距離が閾値以上、もしくは、画像204のように人が映る領域に人が映っていない場合、顧客カメラドライバ122は、自動取引装置1の利用者が存在しないと判定する。ここでは、顧客カメラドライバ122は、人が映った領域の割合から距離を算出したが、距離の算出方法に特に制限はなく、例えば、画像データにおける人のサイズなどを用いて距離を求めてもよい。この顧客カメラドライバ122が、「人検知部」の一例にあたる。
【0035】
顧客カメラドライバ122は、自動取引装置1の利用者が存在すると判定した場合、人検知ありを通知する判定結果を取引処理部121へ出力する。これに対して、自動取引装置1の利用者が存在しないと判定した場合、顧客カメラドライバ122は、人検知なしを通知する判定結果を取引処理部121へ出力する。
【0036】
また、ジャーナル撮影対象操作や後方確認対象操作が利用者により行われた場合、顧客カメラドライバ122は、画像ポインタを用いた画像データの送信指示を取引処理部121から受ける。そして、顧客カメラドライバ122は、指定された画像ポインタで示される格納位置に格納された画像データをメモリ102の割り当てられたメモリ領域から取得する。その後、顧客カメラドライバ122は、取得した画像データを取引処理部121へ出力する。
【0037】
メモリ102は、主制御部101がハードディスク103や104から読み出した各種プログラムが展開される。また、メモリ102は、主制御部101による処理実行中に一時的にデータが格納される。また、メモリ102は、一部の領域が顧客カメラドライバ122に割り当てられる。
【0038】
ハードディスク103及び104は、例えば、システム保護のため二重化される。ハードディスク103及び104は、取引処理部121及び顧客カメラドライバ122を含む主制御部101の機能を実現するためのプログラムを含む各種プログラムを格納する。また、ハードディスク103及び104は、ジャーナル画像を含むジャーナルデータを取引処理部121から取得して格納する。
【0039】
ホスト通信制御部105は、主制御部101とホストコンピュータ20との間の通信を仲介するインタフェースを有する。例えば、ホスト通信制御部105は、取引処理部121が作成した支払い取引電文をホストコンピュータ20へネットワークを介して送信する。また、ホスト通信制御部105は、ホストコンピュータ20から送信された応答電文をネットワークを介して受信して、取引処理部121へ出力する。
【0040】
表示装置107は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。入力装置109は、例えば、タッチパネルであり、LCDである表示装置107と一体にされて配置される。
【0041】
画像表示制御部106は、主制御部101からの指示を受けて各種画像を表示装置107に表示させる。画像表示制御部106は、例えば、取引処理部121からの指示を受けて、取引選択画面、カード挿入案内画面、暗証番号入力画面、暗証番号再入力画面、金額入力画面、金額再入力画面及び金額確認画面を表示させる。他にも、画像表示制御部106は、例えば、取引処理部121からの指示を受けて、ホスト通信画面、カード返却画面及び終了画面といった各種画面を表示装置107に表示させる。
【0042】
キー入力制御部108は、入力装置109を用いて利用者が入力した情報を取得して主制御部101へ出力する。例えば、取引選択画面における取引キーが押下された場合、キー入力制御部10は、押下された取引キーに対応する取引の情報を取得して取引処理部121へ出力する。また、キー入力制御部108は、暗証番号入力画面及び暗証番号再入力画面を用いて入力された暗証番号の情報を取引処理部121へ出力する。また、キー入力制御部108は、金額入力画面及び金額再入力画面を用いて入力された金額の情報を取引処理部121へ出力する。他にも、各画面において訂正ボタンや確認ボタンが押下された場合、キー入力制御部108は、押下されたボタンに応じて訂正の通知や確認完了の通知を取引処理部121へ出力する。
【0043】
顧客カメラ110は、顧客カメラドライバ122からの制御を受けて、自動取引装置1の前方の画像を撮影する。その後、顧客カメラ110は、撮影した画像データを顧客カメラドライバ122へ出力する。
【0044】
IO制御部111は、主制御部101からの指示を受けて、取引において紙幣、硬貨、通帳、カード及びレシートの出し入れを統括制御する。IO制御部111は、取引処理部121から支払いの指示を受けて紙幣処理ユニット112及び硬貨処理ユニット113に紙幣及び硬貨の支払いを行わせる。また、IO制御部111は、取引処理部121からの入金処理の指示を受けて、紙幣処理ユニット112及び硬貨処理ユニット113を入金状態に制御する。その後、IO制御部111は、紙幣処理ユニット112及び硬貨処理ユニット113に入金された紙幣及び硬貨の情報を取引処理部121へ通知する。また、IO制御部111は、取引処理部121からの通帳受け取り処理の指示を受けて、通帳処理ユニット114を通帳受け取り状態に制御する。そして、IO制御部111は、通帳処理ユニット114が取得した通帳の情報を取引処理部121へ通知する。その後、IO制御部111は、取引処理部121からの通帳処理の指示を受けて、通帳処理ユニット114に対して記帳や排出の処理を行わせる。また、IO制御部111は、取引処理部121からのカード受け取り処理の指示を受けて、カード/レシート処理ユニット115をカード受け取り状態に制御する。そして、IO制御部111は、カード/レシート処理ユニット115が取得したカードの情報を取引処理部121へ通知する。その後、IO制御部111は、取引処理部121からのカード処理の指示を受けて、カード/レシート処理ユニット115に対してカードの排出の処理を行わせる。また、IO制御部111は、取引処理部121からのレシート発行の指示を受けて、カード/レシート処理ユニット115に対してレシートの作成及び発行を行わせる。
【0045】
紙幣処理ユニット112は、IO制御部111からの制御を受けて、紙幣入出金口15を用いて紙幣の入金や支払いの処理を行う。硬貨処理ユニット113は、IO制御部111からの制御を受けて、硬貨入出金口14を用いて硬貨の入金や支払いの処理を行う。
【0046】
通帳処理ユニット114は、IO制御部111からの制御を受けて、通帳挿入/排出口12を用いて通帳の受け取りや返却を行う。また、通帳処理ユニット114は、IO制御部111からの制御を受けて、通帳に対する記帳を行う。
【0047】
カード/レシート処理ユニット115は、IO制御部111からの制御を受けて、カード挿入/排出口13を用いてカードの受け取りや返却を行う。また、カード/レシート処理ユニット115は、IO制御部111からの制御を受けて、レシートの作成及びカード挿入/排出口13からの発行を行う。
【0048】
コンセント118は、商用電源に接続される。電源制御部116は、コンセント118を介して商用電源から供給された電気の電圧を変圧して各部へ供給する。また、停電時には、電源制御部116は、UPS117から供給された電気の電圧を変圧して各部へ供給する。UPS117は、コンセント118を介して商用電源から供給された電気を蓄える。そして、停電時に、UPS117は、蓄えた電気を電源制御部116へ供給する。
【0049】
図5は、実施例に係る自動取引装置による顧客カメラを用いた取引処理の概要を表すシーケンス図である。次に、
図5を参照して、本実施例に係る自動取引装置1による顧客カメラ110を用いた取引処理の概要を説明する。
【0050】
取引処理部121は、画像取得指示を顧客カメラドライバ122へ出力する(ステップS1)。顧客カメラドライバ122は、画像取得指示を取引処理部121から受けて、顧客カメラ110を制御して画像を撮影させる(ステップS2)。その後、顧客カメラドライバ122は、撮影した画像データを顧客カメラ110から取得する(ステップS3)。次に、顧客カメラドライバ122は、取得した画像データをメモリ102の割り当てられたメモリ領域に格納し、画像データのメモリ102における格納位置を表す画像ポインタを取引処理部121へ出力する(ステップS4)。次に、取引処理部121は、人検知判定の実行を顧客カメラドライバ122に指示する(ステップS5)。顧客カメラドライバ122は、人検知判定の実行指示を受けて人検知判定を行い、判定結果を取引処理部121へ出力する(ステップS6)。取引処理部121、顧客カメラドライバ122及び顧客カメラ110は、以上の画像取得処理を繰り返す。
【0051】
以上の画像取得処理において顧客カメラドライバ122により人が存在すると判定された場合、取引処理部121は、顧客カメラドライバ122から取得した判定結果から人検知ありを確認する(ステップS7)。そして、取引処理部121は、各部を通常モードへ復帰させ、表示装置107への取引選択画面の表示を画像表示制御部106に行わせる(ステップS8)。その後、利用者が取引を選択すると、取引処理部121は、取引選択を受け付けて取引を開始する(ステップS9)。
【0052】
取引の実行中に、取引処理部121は、ジャーナル撮影対象操作を受け付ける(ステップS10)。そして、取引処理部121は、画像ポインタを用いて画像取得要求を顧客カメラドライバ122へ出力する(ステップS11)。顧客カメラドライバ122は、画像ポインタで指定された画像データをメモリ102から取得する。その後、取引処理部121は、画像ポインタに対応する画像データを顧客カメラドライバ122から取得する(ステップS12)。そして、取引処理部121は、取得した画像データをジャーナル画像としてハードディスク103及び104に格納する(ステップS13)。この際、取引処理部121は、ジャーナル画像と時刻情報や取引情報とを組み合わせてジャーナルデータとして格納する。
【0053】
また、取引の実行中に、取引処理部121は、後方確認対象操作を受け付ける(ステップS14)。取引処理部121は、画像ポインタを用いて画像取得要求を顧客カメラドライバ122へ出力する(ステップS15)。顧客カメラドライバ122は、画像ポインタで指定された画像データをメモリ102から取得する。その後、取引処理部121は、画像ポインタに対応する画像データを顧客カメラドライバ122から取得する(ステップS16)。そして、取引処理部121は、取得した画像データのバックカメラ画像としての表示を画像表示制御部106に指示する(ステップS17)。
【0054】
以上の処理を行いつつ、取引処理部121は、取引を実行する(ステップS18)。その後、取引処理部121は、カードの返却やレシートの発行などといった取引完了処理を実行する(ステップS19)。
【0055】
その後、画像取得処理において顧客カメラドライバ122により人が存在しないと判定された場合、取引処理部121は、顧客カメラドライバ122から取得した判定結果から人検知なしを確認する(ステップS20)。そして、取引処理部121は、各部を省エネモードへ遷移させ、利用者待ちの状態となる(ステップS21)。
【0056】
図6は、実施例に係る自動取引装置による取引処理のフローチャートである。次に、
図6を参照して、本実施例に係る自動取引装置1による取引処理の全体の流れを説明する。
【0057】
自動取引装置1は、電源オンされて動作を開始する(ステップS101)。
【0058】
取引処理部121及び顧客カメラドライバ122は、画像取得処理を行う(ステップS102)。
【0059】
そして、取引処理部121は、人検知ありか否かを判定する(ステップS103)。
【0060】
人検知がある場合(ステップS103:肯定)、取引処理部121は、通常モードで各部を動作させる(ステップS104)。
【0061】
そして、取引処理部121は、取引処理を実行する(ステップS105)。
【0062】
これに対して、人検知がない場合(ステップS103:否定)、取引処理部121は、各部を省エネモードで動作させる(ステップS106)。
【0063】
その後、自動取引装置1は、電源オフされたか否かを判定する(ステップS107)。電源オフされていない場合(ステップS107:否定)、取引処理はステップS102へ戻る。これに対して、電源オフされた場合(ステップS107:肯定)、自動取引装置1は、動作を停止する。
【0064】
図7は、実施例に係る画像取得処理のフローチャートである。次に、
図7を参照して、本実施例に係る画像取得処理の流れについて説明する。
図7に示した各処理は、
図6のステップS102で実行される処理の一例にあたる。
【0065】
取引処理部121は、画像取得指示を顧客カメラドライバ122へ出力する(ステップS111)。
【0066】
顧客カメラドライバ122は、画像取得指示を取引処理部121から受ける。そして、顧客カメラドライバ122は、顧客カメラ110を制御して画像の撮影を実行させる(ステップS112)。
【0067】
その後、顧客カメラドライバ122は、撮影した画像データを顧客カメラ110から受信する(ステップS113)。
【0068】
次に、顧客カメラドライバ122は、取得した画像データをメモリ102の割り当てられたメモリ領域に格納する。そして、顧客カメラドライバ122は、取得した画像データのメモリ102における格納位置を示す画像ポインタを取引処理部121に通知する(ステップS114)。
【0069】
次に、取引処理部121は、人検知判定の実行を顧客カメラドライバ122に指示する(ステップS115)。
【0070】
顧客カメラドライバ122は、人検知判定の実行指示を取引処理部121から受ける。そして、顧客カメラドライバ122は、画像データから自動取引装置1と人との距離を算出して、算出した距離と閾値とを比較して、人検知判定を実行する(ステップS116)。
【0071】
顧客カメラドライバ122は、判定結果を取引処理部121へ出力する。取引処理部121、人検知判定の判定結果を顧客カメラドライバ122から受信する(ステップS117)。
【0072】
図8A及び
図8Bは、実施例に係る顧客カメラを用いた取引処理のフローチャートである。次に
図8A及び
図8Bを参照して、本実施例に係る顧客カメラ110を用いた取引処理の流れについて説明する。
図8に示した各処理は、
図6のステップS105で実行される処理の一例にあたる。ここでは、支払いの取引を主な例として取引処理についての説明を行う。
【0073】
取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図9に示す取引選択画面301を表示装置107に表示させる(ステップS201)。
図9は、取引選択画面の一例を示す図である。
【0074】
次に、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、取引選択画面301における取引キーが押下されたか否かを判定する(ステップS202)。取引キーが押下されていない場合(ステップS202:否定)、取引処理部121は、取引キーが押下されるまで待機する。
【0075】
これに対して、取引キーが押下された場合(ステップS202:肯定)、取引処理部121は、その時点での画像ポインタを用いた画像取得要求を顧客カメラドライバ122へ出力する。そして、取引処理部121は、画像ポインタに対応する画像データを取得して、取得した画像データをジャーナル画像としてハードディスク103及び104に保存する(ステップS203)。
【0076】
次に、取引処理部121は、選択された取引が支払いか否かを判定する(ステップS204)。選択された取引が支払いでない場合(ステップS204:否定)、取引処理部121は、他の取引処理を実行する(ステップS205)。そして、取引処理部121は、取引処理を終了する。なお、支払い取引以外でも本実施例に記載の機能は有効であるが、ここでは記載を割愛する。
【0077】
これに対して、選択された取引が支払いの場合(ステップS204:肯定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図10に示すカード挿入案内画面302を表示装置107に表示させる(ステップS206)。
図10は、カード挿入案内画面の一例を示す図である。
【0078】
次に、取引処理部121は、カード/レシート処理ユニット115からの通知により、カードが挿入されたか否かを判定する(ステップS207)。カードが挿入されていない場合(ステップS207:否定)、取引処理部121は、カードが挿入されるまで待機する。
【0079】
これに対して、カードが挿入された場合(ステップS207:肯定)、取引処理部121は、ホストコンピュータ20などにカードの照会を行い、照会結果を取得して、カードチェックがOKか否かを判定する(ステップS208)。
【0080】
カードチェックのチェック結果がOKでない場合(ステップS208:否定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図11に示す使用不可カード返却画面303を表示装置107に表示させ、カードが使用不可であることを通知する(ステップS209)。
図11は、使用不可カード返却画面の一例を示す図である。
【0081】
その後、取引処理部121は、IO制御部111を介してカード/レシート処理ユニット115にカード返却処理を実行させる(ステップS210)。
【0082】
次に、取引処理部121は、カード抜き取り済みか否かを判定する(ステップS211)。カードが抜き取り済みでない場合(ステップS211:否定)、取引処理部121は、画像取得処理で得られる人検知判定の判定結果により人検知がなしか否かを判定する(ステップS212)。人検知がある場合(ステップS212:否定)、取引処理部121は、ステップS211に戻る。これに対して、人検知がない場合(ステップS212:肯定)、取引処理部121は、取り忘れアラームを発生させる(ステップS213)。その後、取引処理部121は、カードが抜きとられるまで待機する。
【0083】
これに対して、カードが抜きとり済みの場合(ステップS211:肯定)、取引処理部121は、取引処理を終了する。
【0084】
一方、カードチェックOKの場合(ステップS208:肯定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図12に示す暗証番号入力画面304を表示装置107に表示させる(ステップS214)。
図12は、暗証番号入力画面の一例を示す図である。
【0085】
次に、取引処理部121は、その時点での画像ポインタを用いた画像取得要求を顧客カメラドライバ122へ出力する。そして、取引処理部121は、画像ポインタに対応する画像データを取得して、取得した画像データをバックカメラ画像とし画像表示制御部106を介して表示装置107に表示させる(ステップS215)。
【0086】
次に、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、暗証番号が入力済みか否かを判定する(ステップS216)。
【0087】
暗証番号が入力されていない場合(ステップS216:否定)、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、暗証番号入力画面304又は暗証番号再入力画面305の訂正キーが押下されたか否かを判定する(ステップS217)。訂正キーが押下されていない場合(ステップS217:否定)、取引処理部121は、ステップS216へ戻る。
【0088】
これに対して、訂正キーが押下された場合(ステップS217:肯定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図13に示す暗証番号再入力画面305を表示装置107に表示させる(ステップS218)。
図13は、暗証番号再入力画面の一例を示す図である。その後、取引処理部121は、ステップS216へ戻る。
【0089】
一方、暗証番号が入力された場合(ステップS216:肯定)、取引処理部121は、その時点での画像ポインタを用いた画像取得要求を顧客カメラドライバ122へ出力する。そして、取引処理部121は、画像ポインタに対応する画像データを取得して、取得した画像データをジャーナル画像としてハードディスク103及び104に保存する(ステップS219)。
【0090】
次に、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図14に示す金額入力画面306を表示装置107に表示させる(ステップS220)。
図14は、金額入力画面の一例を示す図である。
【0091】
次に、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、金額入力画面306又は金額再入力画面307の確認キーが押下されたか否かを判定する(ステップS221)。
【0092】
確認キーが押下されていない場合(ステップS221:否定)、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、訂正キーが押下されたか否かを判定する(ステップS222)。訂正キーが押下されていない場合(ステップS222:否定)、取引処理部121は、ステップS221へ戻る。
【0093】
これに対して、訂正キーが押下された場合(ステップS222:肯定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図15に示す金額再入力画面307を表示装置107に表示させる(ステップS223)。
図15は、金額再入力画面の一例を示す図である。その後、取引処理部121は、ステップS221へ戻る。
【0094】
一方、確認キーが押下された場合(ステップS221:肯定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図16に示す金額確認画面308を表示装置107に表示させる(ステップS224)。
図16は、金額確認画面の一例を示す図である。
【0095】
次に、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、金額確認画面308の訂正キーが押下されたか否かを判定する(ステップS225)。訂正キーが押下された場合(ステップS225:肯定)、取引処理部121は、ステップS223へ戻る。
【0096】
これに対して、訂正キーが押下されていない場合(ステップS225:否定)、取引処理部121は、キー入力制御部108を介して入力装置109からの入力情報を取得して、金額確認画面308の確認キーが押下されたか否かを判定する(ステップS226)。確認キーが押下されていない場合(ステップS226:否定)、取引処理部121は、ステップS225へ戻る。
【0097】
これに対して、確認キーが押下された場合(ステップS226:肯定)、取引処理部121は、支払い取引電文を生成する(ステップS227)。
【0098】
その後、取引処理部121は、ホスト通信制御部105を介してホストコンピュータ20との間でホスト通信を行い(ステップS228)、支払い取引電文をネットワークを介してホストコンピュータ20へ送信する。ホスト通信の間、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図17に示す取引進行画面309を表示装置107に表示させる。
図17は、取引進行画面の一例を示す図である。
【0099】
その後、取引処理部121は、ホスト通信制御部105を介してホストコンピュータ20からの応答電文を受信したかを受信したかを判定する(ステップS229)。応答電文を受信していない場合(ステップS229:否定)、取引処理部121は、応答電文を受信する間待機する。
【0100】
これに対して、応答電文を受信した場合(ステップS229:肯定)、取引処理部121は、応答電文の内容が支払い許可応答であるか否かを判定する(ステップS230)。
【0101】
支払い許可応答である場合(ステップS230:肯定)、取引処理部121は、IO制御部111を介して紙幣処理ユニット112及び硬貨処理ユニット113を動作させて現金計数処理を実行させる(ステップS231)。
【0102】
次に、取引処理部121は、IO制御部111を介してカード/レシート処理ユニット115にカード返却処理を実行させる(ステップS232)。この時、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図18に示すカード返却画面310を表示装置107に表示させる。
図18は、カード返却画面の一例を示す図である。
【0103】
次に、取引処理部121は、カード抜き取り済みか否かを判定する(ステップS233)。カードが抜き取り済みでない場合(ステップS233:否定)、取引処理部121は、画像取得処理で得られる人検知判定の判定結果により人検知がなし否かを判定する(ステップS234)。人検知がある場合(ステップS234:否定)、取引処理部121は、ステップS233に戻る。これに対して、人検知がない場合(ステップS234:肯定)、取引処理部121は、取り忘れアラームを発生させる(ステップS235)。その後、取引処理部121は、カードが抜きとられるまで待機する。
【0104】
これに対して、カードが抜きとり済みの場合(ステップS233:肯定)、取引処理部121は、その時点での画像ポインタを用いた画像取得要求を顧客カメラドライバ122へ出力する。そして、取引処理部121は、画像ポインタに対応する画像データを取得して、取得した画像データをジャーナル画像としてハードディスク103及び104に保存する(ステップS236)。
【0105】
次に、取引処理部121は、IO制御部111を介して紙幣処理ユニット112及び硬貨処理ユニット113を動作させて現金放出処理を実行させる(ステップS237)。この時、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図19に示す現金放出画面311を表示装置107に表示させる。
図19は、現金放出画面の一例を示す図である。
【0106】
次に、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図20に示す終了画面312を表示装置107に表示させる(ステップS238)。
図20は、終了画面の一例を示す図である。その後、取引処理部121は、取引処理を終了する。
【0107】
一方、支払い不許可応答である場合(ステップS230:否定)、取引処理部121は、画像表示制御部106を介して
図21に示す取引不可によるカード返却画面313を表示装置107に表示させ、取引不可であることを通知する(ステップS239)。
図21は、取引不可によるカード返却画面の一例を示す図である。
【0108】
その後、取引処理部121は、IO制御部111を介してカード/レシート処理ユニット115にカード返却処理を実行させる(ステップS240)。
【0109】
次に、取引処理部121は、カード抜き取り済みか否かを判定する(ステップS241)。カードが抜き取り済みでない場合(ステップS241:否定)、取引処理部121は、画像取得処理で得られる人検知判定の判定結果により人検知がなし否かを判定する(ステップS242)。人検知がある場合(ステップS242:否定)、取引処理部121は、ステップS241に戻る。これに対して、人検知がない場合(ステップS242:肯定)、取引処理部121は、取り忘れアラームを発生させる(ステップS243)。その後、取引処理部121は、カードが抜きとられるまで待機する。
【0110】
これに対して、カードが抜きとり済みの場合(ステップS241:肯定)、取引処理部121は、取引処理を終了する。
【0111】
ここで、
図8では、ジャーナル画像の取得タイミングとして取引キー押下、暗証番号入力及びカードの抜き取りの時を例に説明したが、これに限らず、取引処理部121は、所定のジャーナル撮影対象動作が行われた場合に同様の処理を実行する。また、
図8では、支払い取引を例に説明したが、預け入れや記帳などの他の処理でも、取引処理部121は、顧客カメラ110で撮影された画像データを同様に用いつつ各処理を実行する。
【0112】
以上に説明したように、本実施例に係る自動取引装置は、1台の顧客カメラを用いて、ジャーナル撮影、顧客検知及び後方確認のそれぞれの機能を実現する。これにより、メンテナンスが容易になり運用コストも抑えることができる。また、それぞれの顧客カメラの開発で各機能のハードウェアを開発することができ、開発費用も低く抑えられる。さらに、各機能を実現するために1台の顧客カメラを搭載すればよく、自動取引装置自体の製造コストも低く抑えることができる。したがって、コストをかけずに利便性を向上させる自動取引装置を提供することが可能となる。
【0113】
また、表示/操作部の一部の領域にバックカメラ画像を表示させることで、利用者は、操作中に顔を上げたりすることなく後方を確認することができ、後に立つ人物に気付かれることなく後方確認を容易且つ確実に行うことが可能となる。
【0114】
また、本実施例に係る自動取引装置において、アプリケーションやミドルウェアは、通常は画像ポインタを取得し、ジャーナル画像やバックカメラ画像が必要になった時点でその時に取得した画像ポインタを用いて実際の画像データを取得する。これにより、上位プログラムと顧客カメラドライバとの間の通信のデータ量を削減することが可能となり、バスの帯域幅を有効利用でき、自動取引装置の処理性能を向上させることが可能となる。また、ジャーナル画像以外の不要な画像データをハードディスクに蓄積することが無いため、記憶領域を有効に使うことが可能となる。