(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127504
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】口座統合システム及び口座統合方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220824BHJP
G16Y 10/50 20200101ALI20220824BHJP
【FI】
G06Q40/02
G16Y10/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025694
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】岩田 博幸
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB39
(57)【要約】 (修正有)
【課題】顧客が保有する口座の数の削減を顧客に促すことで金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料の増大を抑制する口座統合システム及び口座統合方法を提供する。
【解決手段】口座統合システム1において、ホストコンピュータ3は、今回の取引時に利用した口座と異なる、顧客が保有する他の口座が存在する場合で、かつ、他の口座の最終取引日から今回の取引時までの経過期間が所定期間以上である場合または他の口座の残高が所定残高以上である場合、他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信する。自動取引装置2は、他の口座に関する情報を受信した場合、他の口座に関する情報を示す画面を表示部21に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置と、前記自動取引装置と情報を送受信するホストコンピュータとを備える口座統合システムであって、
前記ホストコンピュータは、
顧客の口座情報を格納する記憶手段と、
前記顧客が今回の取引時に利用した口座と異なる、前記顧客が保有する他の口座の情報が前記記憶手段に存在し、かつ、前記他の口座の最終取引日から前記今回の取引時までの経過期間が所定期間以上である場合または前記他の口座の残高が所定残高以上である場合、前記他の口座に関する情報を前記自動取引装置に送信するホスト制御手段と、
を備え、
前記自動取引装置は、
前記顧客の前記取引に関する情報を表示する表示手段と、
前記他の口座に関する情報を受信した場合、前記他の口座に関する情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする口座統合システム。
【請求項2】
請求項1に記載の口座統合システムであって、
前記自動取引装置において、前記制御手段は、前記情報を前記表示部に表示させた後、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を前記顧客により選択された場合、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報を前記ホストコンピュータに送信し、
前記ホストコンピュータにおいて、前記ホスト制御手段は、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報を受信した場合、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる処理を実行する
ことを特徴とする口座統合システム。
【請求項3】
自動取引装置と、前記自動取引装置と情報を送受信するホストコンピュータとを備える口座統合システムにおいて実行される口座統合方法であって、
前記ホストコンピュータは、今回の取引時に利用した口座と異なる、顧客が保有する他の口座が存在し、かつ、前記他の口座の最終取引日から前記今回の取引時までの経過期間が所定期間以上である場合または前記他の口座の残高が所定残高以上である場合、前記他の口座に関する情報を前記自動取引装置に送信し、
前記自動取引装置は、前記他の口座に関する情報を受信した場合、前記他の口座に関する情報を表示部に表示させる
ことを特徴とする口座統合方法。
【請求項4】
請求項3に記載の口座統合方法であって、
前記自動取引装置は、前記情報を前記表示部に表示させた後、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を前記顧客により選択された場合、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報を前記ホストコンピュータに送信し、
前記ホストコンピュータは、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報を受信すると、前記他の口座を前記今回の取引時に利用した口座にまとめる処理を実行する
ことを特徴とする口座統合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の口座の統合に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行などの金融機関の店舗やコンビニエンスストアに設置され、顧客が保有する口座について残高照会、入金、出金、振込などの各種取引を自動で行う自動取引装置(ATM(Automated Teller Machine))が知られている。関連技術として、特許文献1がある。
【0003】
ところで、金融機関は、口座の管理や維持にかかるコストが負担になっている。また、顧客側にも、口座の維持に対して手数料がかかるおそれがある。
【0004】
そのため、顧客が保有する口座の数が増えるほど、金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料が増大するおそれがあり、口座の数を削減することで金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料の増大を抑えることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、顧客が保有する口座の数の削減を顧客に促すことで金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料の増大を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一つの形態である口座統合システムは、自動取引装置と、前記自動取引装置と情報を送受信するホストコンピュータとを備える口座統合システムであって、前記ホストコンピュータは、顧客の口座情報を格納する記憶手段と、前記顧客が今回の取引時に利用した口座と異なる、前記顧客が保有する他の口座の情報が前記記憶手段に存在し、かつ、前記他の口座の最終取引日から前記今回の取引時までの経過期間が所定期間以上である場合または前記他の口座の残高が所定残高以上である場合、前記他の口座に関する情報を前記自動取引装置に送信するホスト制御手段と、を備え、前記自動取引装置は、前記顧客の前記取引に関する情報を表示する表示手段と、前記他の口座に関する情報を受信した場合、前記他の口座に関する情報を前記表示手段に表示させる制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
顧客が保有する複数の口座のうち、取引頻度が比較的低い口座や残高が比較的高い口座が存在していることを顧客に報知することができるため、その口座を他の口座に統合した後にその口座を削減することを顧客に促すことができ、金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の口座統合システムの一例を示す図である。
【
図2】実施例1における自動取引装置の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施例1におけるホストコンピュータの制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】実施例1におけるホストコンピュータの制御部の動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図5】ホストコンピュータの記憶部に記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。
【
図6】ホストコンピュータの記憶部に記憶されているデータテーブルの他の例を示す図である。
【
図7】実施例1における表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】実施例2における自動取引装置の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施例2におけるホストコンピュータの制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施例2におけるホストコンピュータの制御部の動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図11】実施例2における表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。
【0011】
本実施形態の口座統合システムでは、自動取引装置における取引終了後などのタイミングにおいて、取引頻度が比較的低い他の口座や残高が比較的高い他の口座が存在していると判断した場合、その旨を顧客に報知するために自動取引装置に備えられる表示部に表示させる。
【0012】
これにより、顧客により今回の取引時に利用された口座の他に、取引頻度が比較的低い口座や残高が比較的高い口座が存在していることを顧客に報知することができるため、その口座を他の口座に統合した(まとめた)後、その口座を削減することを顧客に促すことができ、金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料が増大することを抑制することができる。
【0013】
図1は、本実施形態の口座統合システム1の一例を示す図である。
【0014】
図1に示す口座統合システム1は、自動取引装置2と、ホストコンピュータ3とを備える。
【0015】
自動取引装置2は、ATMなどであって、インターネットなどのネットワーク4を介してホストコンピュータ3と情報(電文)を送受信する。また、自動取引装置2は、表示部21(表示手段)と、入力部22と、通帳処理部23と、カード処理部24と、通信部25と、紙幣処理部26と、硬貨処理部27と、レシート発行部28と、記憶部29と、制御部30(制御手段)とを備える。なお、自動取引装置2は、
図1に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0016】
表示部21は、LCD(Liquid Crystal Display)などであって、制御部30の指示により、顧客に対して操作画面、表示画面、メニュー画面、または操作指示用のガイド画面(顧客の取引に関する情報)などを表示する。
【0017】
入力部22は、表示部21と一体化したタッチパネルなどであって、顧客により、取引の種類(残高照会、入金、出金、振込など)の選択、振込先、振込元、振込金額、暗証番号、入金・出金の金額などを示す情報が入力されると、その入力された情報を制御部30に通知する。
【0018】
通帳処理部23は、顧客から受け付けた通帳を搬送しながら通帳の磁気ストライプに対して磁気情報の読み取りと書き込みを行う。
【0019】
カード処理部24は、自動取引装置2の正面に設けられたカード入出口に挿入されたカードを内部に搬送したり逆にカードをカード入出口へ排出したりするカード搬送路(不図示)と、磁気カードに貼付された磁気ストライプに対して情報の読み取りや書き込みを行うMS記録再生部(不図示)と、IC(Integrated Circuit)カードのメモリに対して情報の読み取りや書き込みを行うメモリ記録再生部(不図示)とを備える。また、カード処理部24は、カード入出口においてカードを検知するカードセンサを有し、カードセンサによりカードの挿入や排出が検知されると、その旨を示す情報を制御部10に通知する。
【0020】
通信部25は、ネットワーク4を介してホストコンピュータ3と情報を送受信する。
【0021】
紙幣処理部26は、紙幣を一時的に格納する一時保留部(不図示)と、紙幣の真偽などを鑑別する紙幣鑑別部(不図示)と、紙幣を種類別に格納する紙幣スタッカ(不図示)と、自動取引装置2の正面に設けられる紙幣入出口のシャッタ開放後に取り忘れた紙幣を保管する紙幣取り忘れボックス(不図示)と、紙幣入出口と一時保留部と紙幣鑑別部や紙幣スタッカ及び紙幣取り忘れボックス間で紙幣を搬送する搬送路(不図示)とを備える。また、紙幣処理部26は、紙幣スタッカ内の紙幣の量を検知する紙幣量センサ(不図示)を有し、紙幣量センサにより検知される紙幣の量を示す情報を制御部30に通知する。また、紙幣処理部26は、出金処理時、制御部30からの指示により、必要な紙幣を計数して紙幣スタッカから取出し、紙幣入出口まで搬送し、搬送後に紙幣入出口のシャッタを開放する。
【0022】
硬貨処理部27は、硬貨の真偽などを鑑別する硬貨鑑別部(不図示)と、硬貨を種類別に格納する硬貨スタッカ(不図示)と、自動取引装置2の正面に設けられる硬貨入出口のシャッタ開放後に取り忘れた硬貨を保管する硬貨取り忘れボックス(不図示)と、硬貨入出口と硬貨鑑別部や硬貨スタッカ及び硬貨取り忘れボックス間で硬貨を搬送する搬送路(不図示)とを備える。また、硬貨処理部27は、硬貨スタッカ内の硬貨の量を検知する硬貨量センサを備え、硬貨量センサにより検知される硬貨の量を制御部30に通知する。また、硬貨処理部27は、出金処理時、制御部30からの指示により、必要な硬貨を計数して硬貨スタッカから取出し、硬貨入出口まで搬送し、搬送後に硬貨入出口のシャッタを開放する。
【0023】
レシート発行部28は、レシート印刷機構(不図示)と、レシート搬送機構(不図示)とを備え、顧客が行った取引内容を印刷したレシート媒体をレシート放出口から放出して顧客に発行する機能を有している。
【0024】
記憶部29は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などにより構成され、制御部30が実行するプログラム、表示部21に表示させる画面の情報、その他の情報を記憶する。また、記憶部29は、制御部30がプログラムを実行する際の作業領域として機能してもよい。
【0025】
制御部30は、自動取引装置2全体を統括的に制御するもので、プログラムを読み込んで制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。
【0026】
ホストコンピュータ3は、自動取引装置2から照会された顧客が保有する口座に関する情報が、ホストコンピュータ3に記憶される口座に関する情報と一致するか否かを照合する処理を実行するサーバ装置である。また、ホストコンピュータ3は、通信部31と、記憶部32(記憶手段)と、制御部33(ホスト制御手段)とを備える。
【0027】
通信部31は、ネットワーク4を介して自動取引装置2と情報を送受信する。
【0028】
記憶部32は、RAM、ROM、HDDなどにより構成され、制御部33が実行するプログラムや後述するデータテーブル(口座情報)などを記憶する。また、記憶部32は、制御部33がプログラムを実行する際の作業領域として機能してもよい。
【0029】
制御部33は、ホストコンピュータ3全体を統括的に制御するもので、プログラムを読み込んで制御処理を実行するCPUなどにより構成される。
【0030】
<実施例1>
図2は、実施例1における自動取引装置2の制御部30の動作の一例を示すフローチャートである。
【0031】
まず、制御部30は、顧客から取引を受け付けると(ステップS11:Yes)、今回の取引時に利用する口座に関する情報(口座番号など)を含む、取引に必要な情報をホストコンピュータ3に送信することで各種取引(残高照会、入金、出金、振込など)を行う(ステップS12)。例えば、制御部30は、取引受付時、通帳の磁気ストライプやカードの磁気ストライプなどから口座に関する情報を読み取る。また、制御部30は、口座に関する情報以外の取引に必要な情報として、顧客により選択される取引の種類を示す情報や紙幣処理部26及び硬貨処理部27で計数された金額を示す情報などをホストコンピュータ3に送信する。
【0032】
次に、制御部30は、取引の結果を示す情報(残高など)をホストコンピュータ3から受信した場合で(ステップS13:Yes)、かつ、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報を受信しなかった場合(ステップS14:No)、取引の結果を示す画面を表示部21に表示させる(ステップS15)。なお、取引頻度が比較的低い他の口座とは、顧客が複数の口座を保有する場合において、それら複数の口座のうち、今回の取引時に利用した口座以外の口座で、かつ、前回の取引終了日から今回の取引時までの経過期間が所定期間以上である口座とする。
【0033】
一方、制御部30は、取引の結果を示す情報をホストコンピュータ3から受信した場合で(ステップS13:Yes)、かつ、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報を受信した場合(ステップS14:Yes)、取引頻度が比較的低い他の口座が存在する旨を示す画面(情報)を表示部21に表示させた後(ステップS16)、取引の結果を示す画面を表示部21に表示させる(ステップS15)。
【0034】
図3は、実施例1におけるホストコンピュータ3の制御部33の動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、制御部33は、今回の取引時に利用する口座に関する情報を含む、取引に必要な情報を受信すると(ステップS21:Yes)、取引に対応する処理を実行する(ステップS22)。例えば、制御部33は、取引に対応する処理として、今回の取引時に利用する口座の残高から、自動取引装置2から送信される出金金額を減算した結果を取引後の残高とする。
【0036】
次に、制御部33は、取引の結果を示す情報を自動取引装置2に送信した後(ステップS23)、今回の取引時に利用した口座の最終取引日を今回の取引日に更新する(ステップS24)。例えば、前回の取引日が「2021年1月14日」であり、今回の取引日が「2021年1月15日」である場合、制御部33は、取引の結果を示す情報として、取引後の残高を自動取引装置2に送信した後、最終取引日を「2021年1月14日」から「2021年1月15日」に更新する。
【0037】
次に、制御部33は、今回の取引時に利用した口座以外に顧客が他の口座を保有している場合で(ステップS25:Yes)、かつ、他の口座の最終取引日から今回の取引時までの経過期間が所定期間以上である場合(ステップS26:Yes)、すなわち、取引頻度が比較的低い他の口座が存在する場合、他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信する(ステップS27)。
【0038】
一方、制御部33は、顧客が他の口座を保有していない場合(ステップS25:No)、または、顧客が他の口座を保有しているが、他の口座の最終取引日から今回の取引時までの経過期間が所定期間より短い場合(ステップS25:Yes、ステップS26:No)、すなわち、取引頻度が比較的低い他の口座が存在しない場合、他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信しない。
【0039】
なお、
図4に示すように、制御部33は、顧客が他の口座を保有していると判断した後(ステップS25:Yes)、ステップS26´において、他の口座の残高が所定残高以上であるか否かを判断するように構成してもよい。このように構成する場合、制御部33は、今回の取引時に利用した口座以外に顧客が他の口座を保有している場合で(ステップS25:Yes)、かつ、他の口座の残高が所定残高以上である場合(ステップS26´:Yes)、すなわち、残高が比較的高い他の口座が存在する場合、残高が比較的高い他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信する(ステップS27)。一方、制御部33は、顧客が他の口座を保有していない場合(ステップS25:No)、または、顧客が他の口座を保有しているが、他の口座の残高が所定残高より低い場合(ステップS25:Yes、ステップS26´:No)、すなわち、残高が比較的高い他の口座が存在しない場合、他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信しない。そして、自動取引装置2の制御部30は、残高が比較的高い他の口座に関する情報を受信すると、その情報を示す画面を表示部21に表示させる。このように、残高が比較的高い他の口座に関する情報を示す画面が表示部21に表示されることにより、残高が比較的高い他の口座が存在することを顧客に報知することができるため、その口座を他の口座にまとめた後、その口座を削減することを顧客に促すことができ、金融機関側にかかるコストや顧客側にかかる手数料が増大することを抑制することができる。
【0040】
ここで、
図5は、ホストコンピュータ3の記憶部32に記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。なお、
図5に示すデータテーブルDは、口座がまとめられる前のデータテーブルとする。
【0041】
図5示すデータテーブルDは、複数のレコードからなり、各レコードはそれぞれ項目i1~i15を有している。
【0042】
図5に示すデータテーブルDのレコード1の項目i1には整理番号として「1111111111」が格納されている。また、レコード1の項目i2には支店として「○○○支店」が格納されている。また、レコード1の項目i3には科目として「普通」が格納されている。また、レコード1の項目i4には口座番号として「1111111111」が格納されている。また、レコード1の項目i5には残高として「1,000,000円」が格納されている。また、レコード1の項目i6には利息として「20,000円」が格納されている。また、レコード1の項目i7には最終取引日として「2021年1月15日」が格納されている。また、レコード1の項目i8には他の口座番号として「2222222222」が格納されている。また、レコード1の項目i9には氏名として「富士通 太郎」が格納されている。また、レコード1の項目i10には住所として「群馬県前橋市×××町××××」が格納されている。また、レコード1の項目i11には生年月日として「1990年12月31日」が格納されている。また、レコード1の項目i12には電話番号として「027-××××-××××」が格納されている。また、レコード1の項目i13には携帯電話番号として「080-××××-××××」が格納されている。また、レコード1の項目i14にはメールアドレスとして「fujitsu@xxxx.xxx.xxx」が格納されている。また、レコード1の項目i15には自動振替情報として「××電力、××電話」が格納されている。
【0043】
また、
図5に示すデータテーブルDのレコード2の項目i1には整理番号として「2222222222」が格納されている。また、レコード2の項目i2には支店として「×××支店」が格納されている。また、レコード2の項目i3には科目として「普通」が格納されている。また、レコード2の項目i4には口座番号として「2222222222」が格納されている。また、レコード2の項目i5には残高として「10,000円」が格納されている。また、レコード2の項目i6には利息として「105円」が格納されている。また、レコード2の項目i7には最終取引日として「2018年12月31日」が格納されている。また、レコード2の項目i8には他の口座番号として「1111111111」が格納されている。また、レコード2の項目i9~項目i14には、レコード1の項目i9~項目i14と同じ情報が格納されている。また、レコード2の項目i15には自動振替情報として「××クレジット」が格納されている。
【0044】
図6は、ホストコンピュータ3の記憶部32に記憶されているデータテーブルの他の例を示す図である。なお、
図6に示すデータテーブルD´は、
図5に示すデータテーブルDのレコード2がレコード1にまとめられる後のデータテーブルとする。すなわち、
図6に示すデータテーブルD´は、口座がまとまられた後のデータテーブルを示す図である。
【0045】
図6に示すデータテーブルD´は、レコード1からなり、レコード1は項目i1~i15を有している。
【0046】
図6に示すデータテーブルD´のレコード1の項目i1には整理番号として「1111111111」が格納されている。また、レコード1の項目i2には支店として「○○○支店」が格納されている。また、レコード1の項目i3には科目として「普通」が格納されている。また、レコード1の項目i4には口座番号として「1111111111」が格納されている。また、レコード1の項目i5には残高として「1,010,000円」が格納されている。また、レコード1の項目i6には利息として「20,105円」が格納されている。また、レコード1の項目i7には最終取引日として「2021年1月15日」が格納されている。また、レコード1の項目i8には他の口座番号として「NULL」が格納されている。また、レコード1の項目i9~項目i14には、
図5に示すデータテーブルDのレコード1の項目i9~項目i14と同じ情報が格納されている。また、
図6に示すデータテーブルD´のレコード1の項目i15には自動振替情報として「××電力、××電話、××クレジット」が格納されている。
【0047】
図7は、実施例1における表示部21に表示される画面の一例を示す図である。なお、
図7に示す画面は、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報が示されている画面とする。
【0048】
図7に示す画面S1には、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報として、「利用の頻度が低い口座がございます。最終取引年月日 2018年12月31日 支店 ×××支店 科目・口座 普通 2222222222 残高 10,000円 利息 105円」が示されている。なお、取引頻度が比較的低い他の口座が複数存在している場合、画面S1にそれらの口座に関する情報を示すように構成してもよい。
【0049】
ここで、今回の取引(「出金」)で利用した口座の口座番号を「1111111111」とし、現在の残高を「1,010,000円」とし、今回の取引日を「2021年1月15日」とし、閾値Tthを「730日」とする場合を想定する。
【0050】
まず、自動取引装置2の制御部30は、取引受付時、通帳の磁気ストライプやカードの磁気ストライプなどから口座に関する情報として、支店「○○○支店」、科目「普通」、口座番号「1111111111」などを読み取る。
【0051】
次に、制御部30は、取引の種類として「出金」が顧客により選択されるとともに、出金金額として「10,000円」が紙幣処理部26及び硬貨処理部27により計数されると、取引に必要な情報として、支店「○○○支店」、科目「普通」、口座番号「1111111111」、取引の種類「出金」、出金金額「10,000円」などをホストコンピュータ3に送信する。
【0052】
次に、ホストコンピュータ3の制御部33は、取引に必要な情報を受信すると、データテーブルDから支店「○○○支店」、科目「普通」、口座番号「1111111111」に対応するレコード1を読み出し、残高「1,010,000円」から出金金額「10,000円」を減算することで残高「1,000,000円」に更新するとともに、最終取引日「2021年1月15日」に更新する。
【0053】
次に、制御部33は、レコード1の他の口座番号に「2222222222」が格納されていることで、または、レコード1の他にレコード2が存在することで、今回の取引受付時に入力された口座(口座番号:「1111111111」)以外に顧客が他の口座(口座番号:「2222222222」)を保有していると判断する。
【0054】
次に、制御部33は、レコード2において、最終取引日:「2018年12月31日」から今回の取引受付時:「2021年1月15日」までの経過時間:「746日」を算出する。
【0055】
次に、制御部33は、経過時間:「746日」が閾値Tth:「730日」以上であると判断する。すなわち、制御部33は、取引頻度が比較的低い他の口座として、レコード2に対応する口座が存在していると判断する。
【0056】
次に、制御部33は、取引の結果を示す情報として、更新後の残高「1,000,000円」を自動取引装置2に送信するとともに、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報として、最終取引日「2018年12月31日」、支店「×××支店」、科目「普通」、口座番号「2222222222」、残高「10,000円」、利息「105円」を自動取引装置2に送信する。
【0057】
そして、自動取引装置2の制御部30は、
図7に示す画面S1を表示部21に表示させた後、取引の結果を示す画面として、更新後の残高「1,000,000円」を示す画面を表示部21に表示させる。
【0058】
このように、画面S1を表示部21に表示させることにより、取引頻度が比較的低い他の口座「2222222222」が存在することを顧客に認識させることができるため、
図5に示すデータテーブルDのレコード1、2に対応する口座を、
図6に示すデータテーブルD´のレコード1に対応する口座にまとめることを顧客に促すことができる。すなわち、顧客が保有する2つの口座を1つの口座にまとめることを顧客に促すことができる。これにより、顧客が保有する口座の数を削減することができ、金融機関側や顧客側にかかるコストの増大を抑制することができる。
【0059】
<実施例2>
図8は、実施例2における自動取引装置2の制御部30の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図8に示すステップS11~S15は、
図2に示すステップS11~S15と同様である。
【0060】
制御部30は、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報をホストコンピュータ3から受信した後(ステップS14:Yes)、取引頻度が比較的低い他の口座が存在する旨を示す画面として、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめることを顧客に選択させるための第1のボタンと、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめないことを顧客に選択させるための第2のボタンとを含む画面を表示部21に表示させる(ステップS16´)。
【0061】
次に、制御部30は、第1のボタンが選択された場合(ステップS17:Yes)、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報をホストコンピュータ3に送信した後(ステップS18)、取引の結果を示す画面を表示部21に表示させる(ステップS15)。
【0062】
一方、制御部30は、第2のボタンが選択された場合(ステップS17:No、ステップS19:Yes)、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめない旨を示す情報をホストコンピュータ3に送信した後(ステップS20)、取引の結果を示す画面を表示部21に表示させる(ステップS15)。
【0063】
図9は、実施例2におけるホストコンピュータ3の制御部33の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図9に示すステップS21~S27は、
図3に示すステップS21~S27と同様である。
【0064】
制御部33は、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信した後(ステップS27)、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報を自動取引装置2から受信した場合(ステップS28:Yes)、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめるための統合処理を実行して(ステップS29)、今回の取引を終了する。例えば、制御部33は、統合処理として、今回の取引時に利用した口座の残高に、取引頻度が比較的低い他の口座の残高を加算する処理、今回の取引時に利用した口座の利息に、取引頻度が比較的低い他の口座の利息を加算する処理、及び今回の取引時に利用した口座の自動振替情報に、取引頻度が比較的低い他の口座の自動振替情報を追加する処理などを実行した後、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報を削除する処理を実行する。
【0065】
一方、制御部33は、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめる旨を示す情報を自動取引装置2から受信しない場合(ステップS28:No、ステップS30:Yes)、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめるための統合処理を実行せず、今回の取引を終了する。
【0066】
なお、
図10に示すように、制御部33は、顧客が他の口座を保有していると判断した後(ステップS25:Yes)、ステップS26´において、他の口座の残高が所定残高以上であるか否かを判断するように構成してもよい。このように構成する場合、制御部33は、今回の取引時に利用した口座以外に顧客が他の口座を保有している場合で(ステップS25:Yes)、かつ、他の口座の残高が所定残高以上である場合(ステップS26´:Yes)、すなわち、残高が比較的高い他の口座が存在する場合、残高が比較的高い他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信する(ステップS27)。一方、制御部33は、顧客が他の口座を保有していない場合(ステップS25:No)、または、顧客が他の口座を保有しているが、他の口座の残高が所定残高より低い場合(ステップS25:Yes、ステップS26´:No)、すなわち、残高が比較的高い他の口座が存在しない場合、他の口座に関する情報を自動取引装置2に送信しない。そして、自動取引装置2の制御部30は、残高が比較的高い他の口座に関する情報を受信すると、その情報を示す画面を表示部21に表示させる。
【0067】
図11は、実施例2における表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【0068】
図11に示す画面S2には、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報として、「利用の頻度が低い口座がございます。今回利用した口座にまとめますか? 最終取引年月日 2018年12月31日 支店 ×××支店 科目・口座 普通 2222222222 残高 10,000円 利息 105円」が示されている。また、画面S2には、第1のボタンとしてボタンb1を有し、第2のボタンとしてボタンb2を有している。なお、取引頻度が比較的低い他の口座が複数存在している場合、画面S2にそれらの口座に関する情報を示すとともに、それらの口座に対してそれぞれ第1及び第2のボタンを設けるように構成してもよい。
【0069】
ここで、今回の取引(「出金」)で利用した口座の口座番号を「1111111111」とし、現在の残高を「1,010,000円」とし、今回の取引日を「2021年1月15日」とし、閾値Tthを「730日」とする場合を想定する。
【0070】
まず、自動取引装置2の制御部30は、取引受付時、通帳の磁気ストライプやカードの磁気ストライプなどから口座に関する情報として、支店「○○○支店」、科目「普通」、口座番号「1111111111」などを読み取る。
【0071】
次に、制御部30は、取引の種類として「出金」が顧客により選択されるとともに、出金金額として「10,000円」が紙幣処理部26及び硬貨処理部27により計数されると、取引に必要な情報として、支店「○○○支店」、科目「普通」、口座番号「1111111111」、取引の種類「出金」、出金金額「10,000円」などをホストコンピュータ3に送信する。
【0072】
次に、ホストコンピュータ3の制御部33は、取引に必要な情報を受信すると、
図5に示すデータテーブルDから支店「○○○支店」、科目「普通」、口座番号「1111111111」に対応するレコード1を読み出し、残高「1,010,000円」から出金金額「10,000円」を減算することで残高「1,000,000円」に更新するとともに、最終取引日「2021年1月15日」に更新する。
【0073】
次に、制御部33は、レコード1の他の口座番号に「2222222222」が格納されていることで、または、レコード1の他にレコード2が存在することで、今回の取引受付時に入力された口座(口座番号:「1111111111」)以外に顧客が他の口座(口座番号:「2222222222」)を保有していると判断する。
【0074】
次に、制御部33は、レコード2において、最終取引日:「2018年12月31日」から今回の取引受付時:「2021年1月15日」までの経過時間:「746日」を算出する。
【0075】
次に、制御部33は、経過時間:「746日」が閾値Tth:「730日」以上であると判断する。すなわち、制御部33は、取引頻度が比較的低い他の口座として、レコード2に対応する口座が存在していると判断する。
【0076】
次に、制御部33は、取引の結果を示す情報として、更新後の残高「1,000,000円」を自動取引装置2に送信するとともに、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報として、最終取引日「2018年12月31日」、支店「×××支店」、科目「普通」、口座番号「2222222222」、残高「10,000円」、利息「105円」を自動取引装置2に送信する。
【0077】
次に、自動取引装置2の制御部30は、
図11に示す画面S2を表示部21に表示させた後、取引の結果を示す画面として、更新後の残高「1,000,000円」を示す画面を表示部21に表示させる。
【0078】
また、制御部30は、ボタンb1が選択されたと判断すると、口座をまとめる旨を示す情報をホストコンピュータ3に送信する。
【0079】
そして、ホストコンピュータ3の制御部33は、口座をまとめる旨を示す情報を受信すると、
図5に示すデータテーブルDのレコード1の残高「1,000,000円」にレコード2の残高「10,000円」を加算することで、
図6に示すデータテーブルD´のレコード1の残高「1,010,000円」に更新する。また、制御部33は、
図5に示すデータテーブルDのレコード1の利息「20,000円」にレコード2の利息「105円」を加算することで、
図6に示すデータテーブルD´のレコード1の利息「20,105円」に更新する。また、制御部33は、
図5に示すデータテーブルDのレコード1の自動振替情報「××電力、××電話」にレコード2の自動振替情報「××クレジット」を追加することで、
図6に示すデータテーブルD´のレコード1の自動振替情報「××電力、××電話、××クレジット」に更新する。
【0080】
このように、画面S2を表示部21に表示させることにより、取引頻度が比較的低い他の口座を、今回の取引時に利用した口座にまとめることを顧客に選択させることができる。これにより、顧客により口座をまとめることが選択されると、
図5に示すデータテーブルDのレコード2をレコード1にまとめることを、ホストコンピュータ3に実行させることができるため、
図5に示すデータテーブルDのレコード1を
図6に示すデータテーブルD´のレコード1に更新することができる。これにより、
図5に示すデータテーブルDのレコード2を削除することができるため、顧客が保有する口座の数を削減することができ、金融機関側や顧客側にかかるコストを低減することができる。
【0081】
また、実施例2によれば、口座の統合処理をホストコンピュータ3により自動的に実行させることができるため、口座を統合する際に金融機関側や顧客側にかかる工数を削減することができる。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【0083】
<変形例1>
上記実施形態では、取引終了後において、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報または残高が比較的高い他の口座に関する情報を示す画面を表示部21に表示させる構成であるが、取引開始時において、取引頻度が比較的低い他の口座に関する情報または残高が比較的高い他の口座に関する情報を示す画面を表示部21に表示させるように構成してもよい。
【0084】
<変形例2>
上記実施例2では、口座を統合する際、今回の取引時に利用した口座に他の口座をまとめる構成であるが、どの口座にどの口座をまとめるのかを顧客に選択させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 口座統合システム
2 自動取引装置
3 ホストコンピュータ
4 ネットワーク
21 表示部
22 入力部
23 通帳処理部
24 カード処理部
25 通信部
26 紙幣処理部
27 硬貨処理部
28 レシート発行部
29 記憶部
30 制御部
31 通信部
32 記憶部
33 制御部