(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127509
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025701
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA08
2C333CA51
2C333CA61
(57)【要約】
【課題】遊技機において遊技の興趣を高める。
【解決手段】
ゲームを実行可能な遊技制御手段と、前記ゲームに対応して識別情報を変動表示させる演出を実行可能な演出制御手段と、前記演出を表示可能な表示手段と、を備える遊技機において、前記演出制御手段は、複数の分割領域に前記表示手段の表示領域を分割し、当該複数の分割領域の少なくとも一つの分割領域に、前記ゲームの結果によって特別遊技状態となる期待度の高さに関係しない背景画像を表示可能である。
【選択図】
図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行可能な遊技制御手段と、前記ゲームに対応して識別情報を変動表示させる演出を実行可能な演出制御手段と、前記演出を表示可能な表示手段と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の分割領域に前記表示手段の表示領域を分割し、当該複数の分割領域の少なくとも一つの分割領域に、前記ゲームの結果によって特別遊技状態となる期待度の高さに関係しない背景画像を表示可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを実行可能な遊技制御手段と、前記ゲームに対応して識別情報を変動表示させる演出を実行可能な演出制御手段と、前記演出を表示可能な表示手段と、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、演出とともに識別情報を表示可能な表示手段を備える遊技機がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、識別情報を表示するにあたり視認性を改善して、遊技の興趣を向上させる余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、遊技機において遊技の興趣を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の代表的な一形態では、ゲームを実行可能な遊技制御手段と、前記ゲームに対応して識別情報を変動表示させる演出を実行可能な演出制御手段と、前記演出を表示可能な表示手段と、を備える遊技機において、前記演出制御手段は、複数の分割領域に前記表示手段の表示領域を分割し、当該複数の分割領域の少なくとも一つの分割領域に、前記ゲームの結果によって特別遊技状態となる期待度の高さに関係しない背景画像を表示可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、遊技機において遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図4】遊技機の演出制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図5A】メイン処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。
【
図5B】メイン処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
【
図6A】タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6B】確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】特
図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】特
図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図14】大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図16】特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図17】変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図18】2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
【
図19】振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
【
図20】変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図21】演出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【
図22】受信コマンドチェック処理を示すフローチャートである。
【
図23】受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【
図24】単発系コマンド処理を示すフローチャートである。
【
図25】先読み図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。
【
図26】先読み変動系コマンド処理を示すフローチャートである。
【
図27】図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。
【
図28】変動系コマンド処理を示すフローチャートである。
【
図29】変動演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図30】当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【
図31】表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短モードにおける画面分割演出が行われるときの画面遷移の一例である。
【
図32】表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短モードにおける画面分割演出が行われるときの画面遷移の変形例である。
【
図33】表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短モードにおける画面分割演出が行われるときの画面遷移の変形例2である。
【
図34】第2実施形態に係る演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。
【
図35】第2実施形態に係る変動図柄を例示する図である。
【
図36】第2実施形態において、所定の条件下において表示装置の表示画面で表示される特殊図柄を例示する図である。
【
図37】第2実施形態に係る特殊図柄の図柄態様の変化例を示す図である。
【
図38A】第2実施形態において、表示装置の表示画面を時系列で例示した画面遷移図(その1)である。
【
図38B】第2実施形態において、表示装置の表示画面を時系列で例示した画面遷移図(その2)である。
【
図38C】第2実施形態において、表示装置の表示画面を時系列で例示した画面遷移図(その3)である。
【
図39】第2実施形態において、表示装置の表示画面の画面遷移において、ガセ演出が発生する例を示す図である。
【
図40】第2実施形態において、表示装置の表示画面の画面遷移において、再抽選演出が発生する例を示す図である。
【
図41】第2実施形態に関して、大当り状態での表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例である。
【
図42】第2実施形態に係るランプ表示装置の構成を説明する図である。
【
図43】第2実施形態に関して、表示装置の表示画面における演出例を示す画面遷移図である。
【
図44】第2実施形態に関して、異なる態様の同一キャラクタの表示優先順位を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明にお
ける前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
【0010】
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
【0011】
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けら
れる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成さ
れている。また、開閉枠は、その左端側がヒンジに取り付けられる軸着端側になっており
、その右端側が回動によって開放される開放端側になっている。
【0012】
前面枠12には、遊技盤30(
図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を
覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊
技盤30に形成される遊技領域32(
図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機
能する。
【0013】
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例
えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスするこ
とができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで
、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(
図3参照)等にアク
セスすることができる。
【0014】
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されてい
る。
【0015】
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置1
8a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材
を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内
部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(
図4参照)の一部を構成している。
【0016】
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設され
る。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが
設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右
角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警
報音、報知音等を発するものである。
【0017】
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技
者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット1
3は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13
の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(
図4参照)の一部を構成している。
【0018】
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付
けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留され
ている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
【0019】
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入
力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と
、をさらに備える。
【0020】
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、
遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
【0021】
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(
図2参照)に表示され
る特図変動表示ゲーム(ゲーム)等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことが
できる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示
ゲーム(ゲーム)の結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお
、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には
、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0022】
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作す
ることによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
【0023】
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊
技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別
な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別
結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(
特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
【0024】
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ルー
プタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ
、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等が
ある。
【0025】
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが
発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装
置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい
。
【0026】
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニ
ットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28
と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が
操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカード
ユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタ
ンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
【0027】
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演
出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内
部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(
図4参照)の一部を構成している。
【0028】
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には
、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可
能な下皿23とが設けられている。
【0029】
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に
配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は
上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から
発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くな
るように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)
である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異
なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において
遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下さ
せる右打ちが含まれる。
【0030】
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置さ
れている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球
抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部
23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技
球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
【0031】
〔遊技盤〕
続いて、
図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。
図2は、遊技機
10に備えられる遊技盤30の正面図である。
【0032】
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体3
0aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30a
の前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、
ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行
うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車
や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えなが
ら遊技領域32を流下する。
【0033】
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部
の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)
としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを
備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能と
なるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず
、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0034】
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変
動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される
。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エ
ンディング表示等)が表示される。
【0035】
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40
の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した
遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステー
ジ部40bは、第1始動入賞口36(単に、始動入賞口36と呼んでもよい)と第3始動
入賞口42(単に、始動入賞口42と呼んでもよい)を備える始動入賞口ユニット101
の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は第1始動入賞口3
6と第3始動入賞口42に入賞しやすくなっている。
【0036】
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部
演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c(可動役物でもよい)及び側
部演出ユニット40d(可動役物でもよい)は、盤装飾装置46(
図4参照)及び盤演出
装置44(
図4参照)の一部を構成している。
【0037】
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲー
ト)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を
通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(
図3参照)が設けられ
ている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図
変動表示ゲームが実行される。
【0038】
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、セ
ンターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら
一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW
)35a~35n(
図3参照)によって検出される。
【0039】
センターケース40の下方の遊技領域32には、始動入賞口ユニット101が設けられ
る。始動入賞口ユニット101の下部には、遊技球が入賞した場合に特
図1変動表示ゲー
ムの開始条件(始動条件)を付与する第1始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1
)と、遊技球が入賞した場合に特
図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する
第3始動入賞口42(第3始動入賞領域、始動口3)とを備える。
【0040】
始動入賞口ユニット101は、共通入口103から入った遊技球を入賞切替機構105
によって振分けて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞させ得るよう
に構成されている。なお、入賞切替機構105として、公知の機構(例えば、特開201
5-36026号公報、特開2015-77230号公報に記載)が使用可能である。入
賞切替機構105は、入賞領域を変更する領域変更手段を構成する。
【0041】
入賞切替機構105は、始動入賞口ユニット101の共通入口103から入った遊技球
を左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に振分けて、始動入賞
口ユニット101内を流下させる。始動入賞口ユニット101の共通入口103には、遊
技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち時において、右打ち時より遊技球は
流入し易くなる。
【0042】
入賞切替機構105は、始動入賞口ユニット101本体に対して回転軸を中心として回
動する回転部材と、回転部材の回転を止めるストッパ部材を有する。回転部材は、回転軸
から三方に延びる三つの延在部を有する。三つの延在部によって、第1始動入賞口36へ
流下させる遊技球を収容するL字状の収容部と、第3始動入賞口42へ流下させる遊技球
を収容するL字状の収容部が形成される。
【0043】
入賞切替機構105は、回転部材を左側と右側とに交互に回転させ、遊技球が入賞する
始動入賞口を、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に切り替える。始動入賞
口ユニット101の共通入口103に入球した遊技球は、エラーがない限り、入賞切替機
構105によって左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に交互
に振分けられて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞(入球)するこ
とになる。
【0044】
センターケース40の右方の遊技領域32には、普図始動ゲート34に下方において、
遊技球の入賞に基づき特
図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第2始動
入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞
装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変
換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技
球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が第1始動入賞口3
6、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)、又は、第3始動入賞口42に入賞した場
合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
【0045】
可動部材37bは、所謂電チュー型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果
が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(
図3参照)を介して回動
して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利
な入賞容易状態)に変化する。
【0046】
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御
装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確
率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技
状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前
述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、特定遊技状
態としての確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポー
ト状態)が発生する。
【0047】
普通変動入賞装置37の左下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド39b(
図3
参照)によって、前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉
扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特
図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態
)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球
の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになって
いる。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカ
ウントスイッチ39a(大入賞口スイッチ39a、
図3参照)が配設されている。
【0048】
特別変動入賞装置39が設けられる変動入賞装置ユニット107の内部には、特定領域
86(いわゆるV入賞口)が設けられている。特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球
した場合に大当り終了後の確変状態(高確率状態、特定遊技状態)が確定する。特定領域
86は、確変大当りの場合にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できる
ようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞
)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると大
当り終了後に確変状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置300に
V入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制
御装置300は、V入賞を表示装置41などにおいて報知できる。なお、変動入賞装置ユ
ニット107には、特別変動入賞装置39の大入賞口の他に、右下方の遊技領域32にお
ける一般入賞口35が設けられる。
【0049】
一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、
及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(
図3
参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。
また、始動入賞口ユニット101の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった
遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
【0050】
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲ
ーム(特
図1変動表示ゲーム、特
図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行す
る一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を
表示する表示部51~60(LEDランプ)を備える。
【0051】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表
示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特
図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表
示部52(特
図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普
図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の
記憶表示部(特
図1保留表示器54、特
図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、
を有している。特
図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特
図2
保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ラ
ンプD15、D16により構成される。
【0052】
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時
)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、
時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊
技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態
となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表
示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表
示するラウンド表示部60(ランプD3-D7)が設けられている。
【0053】
特
図1表示器51と特
図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば
、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお
、特
図1表示器51、特
図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、
複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示
器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環
点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数
のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよ
い。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を
繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特
図1表示器5
1、特
図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
【0054】
また、センターケース40の右下側に設けられるランプ表示装置80は、図柄(後述の
第四特別図柄、第4図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行
するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数(保留数)報
知用のランプ表示部3-6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御
装置300(後述)で制御される。
【0055】
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期で点滅する。一括表示装置50
の特
図1表示器51、特
図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が
遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2
の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
【0056】
ランプ表示部3、4(飾り特
図1保留LED1、飾り特
図1保留LED2)は、消灯状
態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特
図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同
様に、ランプ表示部5、6(飾り特
図2保留LED1、飾り特
図2保留LED2)は、消
灯状態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特
図2保留数(第2始動記憶数)を表示する
。
【0057】
ランプ表示部1、2(後述の第四特別図柄)の点滅周期と、ランプ表示部3-6(飾り
特図保留)の点滅周期は、いずれも同じ200msec(100msecオン、100m
secオフ)でよいが、飾り特図保留と第四特別図柄を区別し易いように点滅周期を異な
らせてもよい。また、ランプ表示部1-6のオン/オフ(表示/非表示)の時間を異なら
せてもよい。
【0058】
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの
詳細について説明する。
【0059】
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出され
ることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置さ
れた障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲー
ト34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置
37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウ
ト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動
入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に
遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿2
1に排出される。
【0060】
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲート
スイッチ34a(
図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過する
と、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の
判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
【0061】
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われて
おり当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当り
となって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲ
ート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)さ
れる。
【0062】
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値
が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示
ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
【0063】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるよ
うになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当り
を示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示する
ことで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は
消灯することで結果を表示するようになっている。
【0064】
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示
器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレ
ノイド37c(
図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例え
ば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容さ
れる。
【0065】
遊技球の第1始動入賞口36への入賞、普通変動入賞装置37への入賞、及び第3始動
入賞口42への入賞は、各々、始動口1スイッチ36a(
図3参照)、第1の始動口2ス
イッチ37a-1(
図3参照)及び第2の始動口2スイッチ37a-2(始動口3スイッ
チ)(
図3参照)によって検出される。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特
図1変
動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、
普通変動入賞装置37及び第3始動入賞口42に入賞した遊技球は特
図2変動表示ゲーム
の始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。なお、第1の始動口2
スイッチ37a-1及び第2の始動口2スイッチ37a-2は、両方とも遊技球の検出に
よって特
図2変動表示ゲームを始動させ得るものであるため、以降、まとめて始動口2ス
イッチ37aと総称する。
【0066】
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各
変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記
憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分
)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報
知用の特
図1保留表示器54や特
図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置4
1の表示画面にも表示される。
【0067】
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて
、特
図1表示器51で特
図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、
普通変動入賞装置37又は第3始動入賞口42への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて
、特
図2表示器52で特
図2変動表示ゲームを実行する。
【0068】
特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特
図2変動表示ゲーム(第2特
図変動表示ゲーム)は、特
図1表示器51及び特
図2表示器52において識別情報(特別
図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、
表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字
、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
【0069】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特
別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の
順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止
させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では
、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図
変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、点灯表示と消灯表示の繰り
返し(点滅)などによって第四特別図柄(第4図柄)が変動して、特図変動表示ゲームの
実行中であることを示す。第四特別図柄の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの
場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する。第四特別図柄の変動表示は、ラン
プ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示されるが、それ以外の表示装置4
1、サブ表示装置で表示されてもよい。
【0070】
第1始動入賞口36、第3始動入賞口42又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞
が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)
には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)
が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示
態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
【0071】
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(
図3参照)への通電
によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。
すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球
が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという
特典が付与される。
【0072】
なお、特
図1表示器51及び特
図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよい
し同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないよ
うに設定される。
【0073】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし
、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特
図1変動表示ゲ
ーム及び特
図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されない
ようにする。なお、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームは、入賞(即ち始動記
憶)の発生した順に実行されるようになっており(入賞順消化)、特
図1変動表示ゲーム
及び/又は特
図2変動表示ゲームの始動記憶が生じて特図変動表示ゲームの実行が可能な
状態になった場合は、最も古くに発生した始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行される
。なお、特定遊技状態(時短状態、確変状態、普電サポート中)において、特
図2変動表
示ゲームは、特
図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになってよく、特
図1
変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの始動記憶があり特図変動表示ゲームの実行が可
能な状態になった場合には、特
図2変動表示ゲームが実行されてよい。
【0074】
なお、以下の説明において、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0075】
また、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ
36a、普通変動入賞装置37内又は第3始動入賞口42内の始動口2スイッチ37a(
第1の始動口2スイッチ37a-1又は第2の始動口2スイッチ37a-2)、ゲートス
イッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ39aには、磁気検出用のコイ
ルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非
接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技
機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)
12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械
的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0076】
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置10
0(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基
板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を
有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバな
どを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続す
るデータバス140などからなる。
【0077】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0078】
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコ
ンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧
を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン11
1の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停
電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリ
セット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0079】
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、
バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御
装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び
遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置
400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部43
0を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0080】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停
電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投
入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0081】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM
初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、
これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRA
Mに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけでは
ないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0082】
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キース
イッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関
する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化ス
イッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとし
ても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率(小当り
がある場合のみ)などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技
条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM
初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手
段(設定変更装置43)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他の
スイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチ
を設けてもよい。
【0083】
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装
置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作で
きない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キース
イッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
【0084】
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設
定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定
値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能
な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
【0085】
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1
)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率
設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も
不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり
、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
【0086】
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される
度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)
→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(
設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率
設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。こ
のように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお
、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ
確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち
0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定
値を同じ数値にする)。
【0087】
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キー
スイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また
、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0~5の作業用設定値に対
応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグ
メント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
【0088】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
【0089】
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの
作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊
技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段
となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換
え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0090】
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
【0091】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0092】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示
領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で
特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし
特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変
動表示するようにしてもよい。
【0093】
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導
出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマル
リーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP
2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。
なお、リーチ演出の大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシ
ャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くな
るようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態
様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになって
いる。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(は
ずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発
生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態で
ある。
【0094】
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆
し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその
演出の選択率などに基づいて算出することができる。
【0095】
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数
や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り
図柄乱数(小当りがある場合のみ)、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチ
やリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための
変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(
原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミ
リ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成す
るクロックジェネレータを備えている。
【0096】
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111b
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当
りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確
率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブル
の中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU11
1aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動
パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情
報取得手段をなす。
【0097】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。
また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出
ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0098】
遊技制御装置100の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波セ
ンサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞
口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内と第3
始動入賞口42内の始動口2スイッチ37a(第1の始動口2スイッチ37a-1及び第
2の始動口2スイッチ37a-2(始動口3スイッチ))、一般入賞口35の入賞口スイ
ッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイ
ッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力
され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121
が設けられている。
【0099】
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存
球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72
は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口ス
イッチ73は、特別変動入賞装置39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊
技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを
検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
【0100】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第
4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込
まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッ
チ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの
検出信号は第3入力ポート124に入力される。
【0101】
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッ
チの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
【0102】
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ
73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される
。
【0103】
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス
枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ
64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ6
5からの信号が入力される。
【0104】
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を
取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
【0105】
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッ
チ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力される
ように構成されている。
【0106】
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
。
【0107】
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポー
ト124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポ
ート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0108】
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビ
ジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れ
スイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に
設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ1
12からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する
第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊
技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される
信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を
検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコ
マンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
【0109】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバ
ス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチか
らの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部から
の信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0110】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技
用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部13
0の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中
継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図
示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
【0111】
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成する
ようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123
,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によ
って出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセ
ットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊
技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃
棄されるためである。
【0112】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0113】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッ
ファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御
装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
【0114】
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に
供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情
報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号とし
てデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給され
る。
【0115】
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
【0116】
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放さ
せるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させる大入賞口
ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド)、レバーを動作させ特定領域86を開放させる
レバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられ
ている。
【0117】
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0118】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71
に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォト
リレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理
装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装
置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミ
ットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0119】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37
cや大入賞口ソレノイド39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成
し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一
括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライ
バ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側の
デジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート13
7から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4
ドライバ138dが設けられている。
【0120】
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50
のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジッ
ト線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜
くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0121】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたL
EDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ド
ライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給され
る。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制
御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるよう
にしてもよい。
【0122】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられて
いない。
【0123】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制
御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性
能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施
形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含める
と8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライ
バであるが、これに限られるものではない。
【0124】
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、
他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、性能表示として、表示用
確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
【0125】
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)
であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数
との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)
することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口
36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2
)、始動入賞口42(第3始動入賞口、始動口3)、及び、特別変動入賞装置39(大入
賞口)が含まれる。
【0126】
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(
獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個
当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
【0127】
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞
口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口
に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物
比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた
賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大
入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の
割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
【0128】
〔演出制御装置〕
次に、
図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。
図4
は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
【0129】
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えてい
る。
【0130】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
【0131】
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接
続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析
し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314
への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理
などの処理を実行する。
【0132】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
【0133】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
【0134】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0135】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
【0136】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
【0137】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信す
るインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F3
31を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数
コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号
(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5
Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するた
め、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0138】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置8
0が含まれてよい。
【0139】
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は
、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお
、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御
回路を備えていてもよい。
【0140】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネ
ル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演
出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入
力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出し
て主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられてい
る。
【0141】
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。
【0142】
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で
動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを
生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-
DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0143】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
【0144】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置1
00の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲー
トスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽
出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れ
を判定する。
【0145】
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変
動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に
特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を
行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う
変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示
器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0146】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特
図1変動表示ゲーム
の大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図
1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
【0147】
また、普通変動入賞装置37又は第3始動入賞口42に備えられた始動口2スイッチ3
7aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図
2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定
値と比較し、特
図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
【0148】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特
図1変動表示ゲームや特
図2変動
表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出
力する。そして、特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示
した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が
、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装
置37、第3始動入賞口42)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制
御手段をなす。
【0149】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置
41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出
制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、ス
ピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すな
わち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制
御手段をなす。
【0150】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの
場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別
遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、
例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放さ
せ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0151】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開
放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの
条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウ
ンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技
)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合
に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様
を表示する制御を行う。
【0152】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、
特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である
。また、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲーム
の結果態様に基づき高確率状態となっても、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲ
ームの両方が高確率状態となる。
【0153】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態にお
いては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い
、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞
装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。
なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして
普電サポートを実行する。
【0154】
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)
を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である
(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図
変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの
時間短縮変動も実行する。
【0155】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1
停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)
となるように制御することが可能である。
【0156】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置
37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば
100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御
することが可能である。
【0157】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動
入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数
(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態において
は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の
通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
【0158】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態
変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状
態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲ
ームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複
数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材3
7bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第
1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放
態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、そ
れぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発
生させることも可能である。
【0159】
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93の
オンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
【0160】
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされて
いる場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変
更モード)に移行する(
図5BのA1027-A1036と
図6B参照)。
【0161】
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッ
チ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に
移行する(
図5BのA1031-A1036と
図6B参照)。
【0162】
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ11
2がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、R
AM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図
5BのA1042-1044参照)。
【0163】
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場
合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
【0164】
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置
100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御
について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図5A及び
図5Bに示
すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図9に示すタイマ割込み
処理とからなる。
【0165】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。
図5A及び
図5Bは、遊技制御装置100による
メイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで
開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステ
ップの符号(番号)は「A****」と表されている。
【0166】
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込み
を禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退
避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理
を実行する(A1002)。
【0167】
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所
定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば
、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして
00hをセットする。
【0168】
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設
定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少な
くとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が
禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93と
RAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ
93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
【0169】
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源
ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3
秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上が
って従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコ
マンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避する
ことができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊
技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置3
00等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0170】
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象
とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる
。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のR
AM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止す
ることができる。
【0171】
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態
を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に
検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッ
チ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ
93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定
キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しか
し、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても
、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け
付けられないような事態を防止できる。
【0172】
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の
計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA
1010)。
【0173】
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力
されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生
しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果
が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
【0174】
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)
、電源投入ディレイタイマを-1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを
判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、す
なわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
【0175】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電
が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができ
る。
【0176】
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」
)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可
能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートに
オフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
【0177】
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載され
ているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に
使用)を設定する(A1013)。
【0178】
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初
期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含
むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んで
ドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューテ
ィ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明
るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用
桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
【0179】
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタ
イマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer C
ircuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内
のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113か
らの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCP
U111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路
に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0180】
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRA
M異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定の
レジスタにセットしておく。
【0181】
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チ
ェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A101
6の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデー
タであるか否かを判定する(A1017)。
【0182】
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結
果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出
するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時
のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場
合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM
異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する
。
【0183】
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと
判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェ
ックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリ
アすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
【0184】
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112
の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両
スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モ
ード)に移行し、ステップA1027-A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
【0185】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少な
くとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM
111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A102
2)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確
率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更
中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA103
1-A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステッ
プA1041-1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1
041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
【0186】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023
の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報
知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)
。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置10
0の異常があったことを報知する。
【0187】
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(
図9(C)の「E1
」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152の
ドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホ
ールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオ
ンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する
情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の
信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返
して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ1
12の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025と
A1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり
(A1001)、特
図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理
(
図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行
できない。
【0188】
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112
の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場
合に異常があったとして、A1024-A1026の処理を実行する。例えば、確率設定
変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操
作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
【0189】
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A102
2の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知する
メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停
止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドラ
イバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリ
ティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様
に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情
報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA10
26の処理を繰り返して待機する。
【0190】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両ス
イッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状
態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する
(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y
」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領
域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから
(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(
A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N
」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。
次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1
030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受
信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報
知する。
【0191】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少な
くとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされ
ておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされてい
ない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを
判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果
が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設
定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラ
グをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置30
0(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。な
お、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中である
ことを表示装置41などにおいて報知する。
【0192】
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定
変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理
を実行する。
【0193】
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ
信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセ
ーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ
信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(
図6B)において実行されるが、確率設
定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマ
のカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される
。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号
は出力される。
【0194】
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ
割込み処理(
図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否
かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の
結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生して
いない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、
停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055-A10
61の停電発生時の処理を実行する。
【0195】
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設
定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を
確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
【0196】
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036
の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置
300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信し
た演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であるこ
との報知を終了する。
【0197】
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち
、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フ
ラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定
変更中であった場合に、ステップA1042-A1044のRAM初期化処理(後述)を
実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果
が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の
電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
【0198】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果
が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)
。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RA
M111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0
クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて
、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更
中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や
未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエ
リア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得
られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態に
おける出玉率)、役物比率、排出球数などである。
【0199】
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブす
る(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御
基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
【0200】
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1
041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方と
もオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実
行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセ
ーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図
ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコ
マンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA10
47の処理に移行する。
【0201】
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップ
A1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定
コマンド、特
図1、2の保留数を示す飾り特
図1保留数コマンド及び飾り特
図2保留数コ
マンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマ
ンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマ
ンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
【0202】
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率
設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率
設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一
度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御
装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
【0203】
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマ
ンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、
表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM
初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示
装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定の
コマンドは、特
図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)
、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
【0204】
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成
回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(C
TC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定など
がCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハ
ード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
【0205】
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を
、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として
格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
【0206】
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の
規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット
転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパ
ターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても
よい。
【0207】
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフ
ト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する
大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱
数の初期値(小当り図柄初期値乱数)(小当りがある場合のみ)、普図の当りを決定する
当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落
抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、
割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回
路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されてい
るため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで
生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にする
ことができる。
【0208】
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すた
めの初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではない
が、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱
数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、
大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所
謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処
理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(
CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である
。
【0209】
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごと
に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値
変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新
でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式
更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り
図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数で
ある。
【0210】
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示
(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報
(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセット
されていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック
領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割
込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(
図7)が実行可能とな
る。
【0211】
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。
停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理
に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050-A1054の処理が繰
り返される。
【0212】
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発
生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを
出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセー
ブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A
1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)
。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が
遮断されるまで待機する。
【0213】
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェ
ックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバッ
クアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0214】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理
プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネ
レータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力さ
れることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイ
マ割込み処理が開始される。
【0215】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバ
ンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アド
レスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処
理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で
使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると
、自動的に割込み禁止状態になる。
【0216】
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、
すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確
率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確
認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である
場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変
更/確認処理を実行する(A1305)。
【0217】
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A130
4の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば
大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制
御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるス
テップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われるこ
とで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
【0218】
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出
制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数
更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口
1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ
39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が
開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310
)。
【0219】
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判
定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中
フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中で
ある場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
【0220】
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)
、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312)。な
お、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
【0221】
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理
を実行する(A1313)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関す
る各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメン
トLED編集処理を実行する(A1314)。
【0222】
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックし
て異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊
技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不
正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
【0223】
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正
を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出
を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変
動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイ
ッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常
排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特
別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ7
2(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
【0224】
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットす
る外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制
御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を
終了する。
【0225】
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指
定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集
処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処
理を行ってもよい。
【0226】
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細につい
て説明する。
図6Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確
率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
【0227】
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2
401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
【0228】
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「
Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表
示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲
内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データ
を設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A
2404)。
【0229】
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値
のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の
混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であ
れば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい
。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい
。
【0230】
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新す
る(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された1
28ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュ
ータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71
に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信
号はオフ状態に維持される。
【0231】
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判
定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407
の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認
処理を終了する。
【0232】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407
の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込
み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理で
ある場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは
、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更
新がされる事態を防止するためである。
【0233】
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A240
8の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2
409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確
率設定変更/確認処理を終了する。
【0234】
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409
の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値
を0~5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率
設定値1~6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112
が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定
変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納す
る作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出し
た確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
【0235】
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新
に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの
作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定
キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y
」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納す
るようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037
の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に
記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
【0236】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312)の詳細について
説明する。
図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理
では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表
示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0237】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視
処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37、始動入賞口4
2に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図
変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判
定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
【0238】
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ
39aでの遊技球の検出を監視する。大入賞口スイッチ監視処理において、遊技制御装置
100は、大入賞口開放中処理中又は大入賞口残存球処理中に大入賞口スイッチに入力が
あれば、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処
理を実行し、また、大入賞口開放中処理中である場合に大入賞口カウント数を+1更新す
る。そして、遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞
可能な遊技球数。例えば「9」や「15」)以上となった場合、特図ゲーム処理タイマ領
域を0クリアして、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖さ
れて一のラウンドが終了することとなる。
【0239】
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ割
込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム
処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否
かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果
が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
【0240】
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「
Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲー
ム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブ
ルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを
用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。
続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に
応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
【0241】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、
特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の
設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する
(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、
図10にて後述する。
【0242】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、
特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特
図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止
を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設
定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブ
する。
【0243】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、
特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレ
コマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定
、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示
中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの
結果が大当りであれば、ファンファーレコマンドやファンファーレ時間など必要な情報を
設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲー
ム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当りでなければ、特図普段
処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0244】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、
大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情
報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例え
ば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応
するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中
処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0245】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、
大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラ
ウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大
入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を
設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域に
セーブする。
【0246】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、
大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間
を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存
球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口開放中処理では、最終ラウンドでな
ければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/イン
ターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最
終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終
了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0247】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、
特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A
2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り
図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大
当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、特図普段
処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率変動判定
データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後
の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の
情報が含まれる。
【0248】
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特
図1表示器
51の変動を制御するための特
図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図
1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特
図2表示器
52の変動を制御するための特
図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図
2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
【0249】
なお、小当りを設ける場合には、特図ゲーム処理において、小当りファンファーレ中処
理、小当り中処理、小当り残存球処理、小当り終了処理を、ファンファーレ/インターバ
ル中処理、大入賞口開放中処理、大入賞口残存球処理、大当り終了処理と同様に実行して
よい。なお、小当り中及び小当り前後を通して、大当り/小当りの発生確率(大当り確率
、小当り確率)などの確率状態の変化はない。なお、小当りの判定にも大当り乱数値が使
用されてよいが、大当り乱数値が一致すると小当りとなる小当り判定値(小当り値)は、
大当り乱数値が一致すると大当りとなる大当り判定値(大当り値)と異なる。
【0250】
小当りの場合に、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39bへの通電によっ
て、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。大入賞口の全開放時間
は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、
小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。な
お、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第
1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。
【0251】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について
説明する。
図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
【0252】
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テー
ブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、第1始動入
賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。第1始動入賞口36への入賞
がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行す
る。一方、第1始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図
時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
【0253】
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A
2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短
中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コ
マンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する
(A2706)。
【0254】
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状
態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定
処理を実行する。本実施形態の場合、第1始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、
普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が
普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打
ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第1始動入賞口36に入賞が
あった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知
コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示す
る報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
【0255】
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設
定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(
A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テー
ブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入
賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場
合(A2711の結果が「N」)には、ステップA2716以降の処理を実行する。
【0256】
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果
が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわ
ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを
判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」
)、ステップA2714の処理に移行する。
【0257】
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が
「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37へ
の不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中である
と判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態で
のみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や
不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を
不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生
判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0258】
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第
2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した
後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、ステップA2
716以降の処理を実行する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A271
3の結果が「Y」)と判定した場合にも、ステップA2716以降の処理を実行する。す
なわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0259】
遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)に対する入賞監視テーブルを
準備し(A2716)、ハード乱数取得処理を実行し(A2717)、第3始動入賞口4
2(始動口3)への入賞があるか否かを判定する(A2718)。第3始動入賞口42へ
の入賞がない場合(A2718の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了す
る。一方、第3始動入賞口42への入賞がある場合(A2718の結果が「Y」)、特図
時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2719)。
【0260】
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A
2719の結果が「N」)、ステップA2722以降の処理を実行する。一方、特図時短
中(普電サポート状態中)である場合(A2719の結果が「Y」)、右打ち指示報知コ
マンドを演出コマンドとして準備して(A2720)、演出コマンド設定処理を実行する
(A2721)。
【0261】
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状
態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定
処理を実行する。本実施形態の場合、第3始動入賞口42へは左打ちでないと入賞せず、
普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が
普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打
ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第3始動入賞口42に入賞が
あった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知
コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示す
る報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
【0262】
次に、遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)による保留の情報を設
定するテーブルを準備した後(A2722)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A
2723)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0263】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A
2715)の詳細について説明する。
図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示す
フローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動
口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理で
ある。
【0264】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理
装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロード
した値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する
(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、
更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA
2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結
果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力
回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした
値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数が
オーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0265】
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限
値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合
(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新
対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の
特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始
動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
【0266】
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱
数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当
り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始
動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄
乱数格納領域にセーブする(A2911)。
【0267】
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パタ
ーン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2
913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から
3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号
)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視
対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンド
として準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始
動口スイッチ共通処理を終了する。
【0268】
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37や始動入賞口42の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し
前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手
段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口36への遊技
球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、
第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)又は第3始動入賞口42への遊技球の入賞に基
づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0269】
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。
図10は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0270】
遊技制御装置100は、まず、特
図1保留数と特
図2保留数は共に0であるか否かを判
定する(A3200)。特
図1保留数と特
図2保留数が共に0である場合(A3200の
結果が「Y」)、ステップA3211の処理に移行する。特
図1保留数と特
図2保留数の
うち少なくとも一方が0でない場合(A3200の結果が「N」)、最先で消化される保
留(保留1)(最も古い保留)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)か
ら変動順序フラグをロードする(A3201)。
【0271】
次に、遊技制御装置100は、変動順序フラグが特
図1の変動(特
図1変動表示ゲーム
)を示すものであるか否かを判定する(A3202)。変動順序フラグが特
図1の変動を
示すものである場合(A3202の結果が「Y」)、特
図1変動開始処理を実行し(A3
203)、特
図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特
図1保留数コマンド
)を演出コマンドとして準備して(A3204)、演出コマンド設定処理を実行する(A
3205)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特
図1保留数から1だけ減算し
た値(これから開始する特
図1変動表示ゲーム実行後の特
図1保留数)に関する情報を含
む。そして、特
図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3206)、特図普段処
理を終了する。例えば、特図変動中処理移行設定処理では、特図変動中処理に係る処理番
号「1」を設定したり、客待ちデモフラグ領域をクリアするなどの処理を実行する。
【0272】
また、変動順序フラグが特
図1の変動を示すものでない場合(A3202の結果が「N
」)、即ち、特
図2の変動を示すものである場合、特
図2変動開始処理を実行し(A32
07)、特
図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特
図2保留数コマンド)
を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3
209)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特
図2保留数から1だけ減算した
値(これから開始する特
図2変動表示ゲーム実行後の特
図2保留数)に関する情報を含む
。そして、特
図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理
を終了する。
【0273】
遊技制御装置100は、特
図1保留数と特
図2保留数が共に0である場合(A3200
の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ち
デモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客
待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
【0274】
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(
A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理
に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A32
11の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215
)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラ
グ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監
視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
【0275】
このように、最先で消化される保留(保留1)に対応する変動順序フラグ格納領域(保
留数合計1用)から変動順序フラグをロードして、変動順序フラグに示される種別の変動
表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム又は特
図2変動表示ゲーム)が開始される。すなわち
、変動表示ゲームはその入賞(始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており、
保留は入賞順で古いものから消化されることになる。
【0276】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特
図1変動開始処理(A3203)の詳細について説明す
る。
図11は、特
図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特
図1変動開始
処理は、特
図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0277】
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図1)を示す
特
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特
図1変動
表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り
情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定
処理の詳細については後述する。
【0278】
次に、遊技制御装置100は、特
図1変動表示ゲームに関する特
図1停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特
図1停止図柄設
定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはず
れ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パター
ンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を
実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄
番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
【0279】
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図
情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
【0280】
続いて、遊技制御装置100は、特
図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する
種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図1変動パターン設定情
報テーブルを準備する(A3405)。
【0281】
その後、遊技制御装置100は、特
図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パ
ターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)
。次に、遊技制御装置100は、特
図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動
開始情報設定処理を実行し(A3407)、特
図1変動開始処理を終了する。変動開始情
報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特
図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマン
ド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を
行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種
別(特
図1又は特
図2)に係る特図保留数を-1更新する(1だけ減少する)。
【0282】
〔特
図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特
図2変動開始処理(A3207)の詳細について説明す
る。
図12は、特
図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特
図2変動開始
処理は、特
図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、
図11に示した特
図1変動
開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0283】
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図2)
を示す特
図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図
2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や
大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
【0284】
次に、遊技制御装置100は、特
図2変動表示ゲームに関する特
図2停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パタ
ーンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する
(A3504)。続いて、特
図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情
報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図2変動パターン設定情報テーブ
ルを準備する(A3505)。
【0285】
その後、遊技制御装置100は、特
図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動
パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特
図2変動表示ゲームの変動開始
の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特
図2変動開始処理を
終了する。
【0286】
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細につ
いて説明する。
図13は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0287】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A36
01)。次に、RWMの特
図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロー
ドし、準備して(A3602)、当該特
図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリ
アする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特
図1のうち
で最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備
した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定す
る大当り判定処理を実行する(A3604)。
【0288】
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合
(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処
理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A
3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形
態において、特
図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れか
となる。
【0289】
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特
図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細につ
いて説明する。
図14は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、
図13に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動
記憶を対象として行うものである。
【0290】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A37
01)。次に、RWMの特
図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロー
ドし、準備して(A3702)、当該特
図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリ
アする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特
図2のうち
で最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備
した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定す
る大当り判定処理を実行する(A3704)。
【0291】
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合
(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処
理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A
3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ
2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特
図2変動表示ゲームの結果
は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
【0292】
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(
A3605、A3704)の詳細について説明する。
図15は、大当り判定処理の手順を
示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される
他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステッ
プA3004などでも実行される。
【0293】
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対
象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大
当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続す
る複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、か
つ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定さ
れる。
【0294】
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A380
2の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大
当り判定処理を終了する。
【0295】
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3
802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判
定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」
)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には
(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
【0296】
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数
の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判
定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外
)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(
A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結
果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
【0297】
〔特図情報設定処理〕
次に、特
図1変動開始処理と特
図2変動開始処理における特図情報設定処理(A340
4、A3504)の詳細について説明する。
図16は、特図情報設定処理の手順を示すフ
ローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし
)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変
動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲー
ムの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようにな
っている。
【0298】
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A
4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4
202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)
、対象の特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオ
フセットデータを取得する(A4204)。
【0299】
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206
)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基
づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リ
ーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グル
ープを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に
変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果とし
て保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パター
ンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さら
にこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
【0300】
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A
4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4
208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)
、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A42
10)。
【0301】
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212
)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類
、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変
動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるための
テーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はず
れの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生
率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに
影響しない。
【0302】
〔変動パターン設定処理〕
次に、特
図1変動開始処理及び特
図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A
3406、A3506)の詳細について説明する。
図17は、変動パターン設定処理の手
順を示すフローチャートである。
【0303】
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様であ
る前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態
様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パ
ターンを設定する。
【0304】
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A430
1)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備し
て(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン
乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテ
ーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサ
イズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低
く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズに
なっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使
用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現さ
せたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
【0305】
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し
(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処
理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない
場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA
4307の処理に移行する。
【0306】
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後
半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変
動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する
(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得
られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理
により、後半変動パターンが設定されることとなる。
【0307】
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変
動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そ
して、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブ
ル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域
(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、
振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し
、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。こ
の処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定
されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パタ
ーンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
【0308】
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細につ
いて説明する。
図18は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2
バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特
図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
【0309】
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グルー
プテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェ
ックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変
動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「
リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例
えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要
がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されてい
る。
【0310】
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭の
データが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた
結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終
了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けな
しのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グルー
プテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
【0311】
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステ
ップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)
、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして
、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振
り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して
、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に
規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405
にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A44
04)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
【0312】
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4
405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グルー
プテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の
後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が
「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応
するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
【0313】
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A43
15)の詳細について説明する。
図19は、振り分け処理の手順を示すフローチャートで
ある。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変
動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パ
ターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図
変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
【0314】
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動
グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステッ
プA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコー
ド(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グルー
プテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半
変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番
号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブ
ルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている
。
【0315】
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後
半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードで
ある場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに
更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変
動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが
振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(
後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規
定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
【0316】
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準
備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)か
らステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A45
04)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。
そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、
次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移
行して、それ以降の処理を行う。
【0317】
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや
前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その
後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新
たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否
かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0
」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対
象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テ
ーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後
半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テー
ブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択さ
れる。
【0318】
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」より
も小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータ
のアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
【0319】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特
図1変動開始処理及び特
図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A
3407、A3507)の詳細について説明する。
図20は、変動開始情報設定処理の手
順を示すフローチャートである。
【0320】
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域をクリア
する(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動
番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テー
ブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4
605)。
【0321】
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A460
6)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変
動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対
応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演
出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保
留数を-1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアド
レスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフ
ト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
【0322】
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値
の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づ
いて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パ
ターン決定手段をなす。
【0323】
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間
の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装
置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信すること
で、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
【0324】
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を
説明する。
【0325】
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。
図21
は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示
すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイ
コン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行す
る処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されて
いる。
【0326】
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(
B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B
0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置1
00から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる
。
【0327】
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し
(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期
化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
【0328】
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0
008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311
が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされな
い場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
【0329】
その後、演出制御装置300は、計時手段としてのRTC(リアルタイムクロック)3
38から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
【0330】
RTC読込処理では、所定の周期(例えば1分おき)でRTC338から時刻の情報を
読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み
込む必要はない。また、演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入
)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位
置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御
装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定
し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけ
RTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマをRTC338の時刻に合
わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、RTC338に代えて、時刻
用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時
刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
【0331】
なお、RTC読込処理において、読み込んだ時刻が複数の所定時刻(第1所定時刻、第
2所定時刻、・・・)のいずれかに合致する場合に、所定の演出を実行してよいが、複数
の所定時刻の時間間隔を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者はこの時間
間隔から設定値を推定することができる。例えば、長い時間間隔の選択率が、設定値が大
きいほど小さくなるように抽選されてよい。また、所定の演出を実行する実行期間を設定
値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は所定の演出の実行期間から設定値を推
定することができる。例えば、長い実行期間の選択率が、設定値が大きいほど大きくなる
ように抽選されてよい。
【0332】
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンス
イッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出
内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、
遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作
を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者
設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズす
ることができる。
【0333】
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制
御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象
となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出
ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報
等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出
制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を
表示装置41に表示できる。なお、演出ポイントに加算する値(加算値)を設定値に応じ
た確率で抽選することによって、遊技者は加算値から設定値を推定することができる。例
えば、大きな加算値の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選してよい。
【0334】
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実
行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する
受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理
の詳細については、
図22にて後述する。
【0335】
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容
に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバ
ッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0015)。このとき設定され
る描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が
描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することが
できる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了
設定を実行する(B0016)。
【0336】
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B
0017)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0017の結果が「N」)、フレ
ーム切替タイミングになるまでB0017の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングで
ある場合は(B0017の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0
018)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム
周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り
替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
【0337】
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御
処理を実行する(B0019)。
【0338】
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装
置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0020)。装飾制御処理では、例えば
、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
【0339】
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演
出装置(盤演出装置44、枠演出装置)を制御する可動体制御処理を実行する(B002
1)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
【0340】
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処
理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
【0341】
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、
図22を参照して、上述したメイン処理(
図21)における受信コマンドチェッ
ク処理(B0014)の詳細について説明する。
図22は、演出制御装置300によって
実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
【0342】
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェック
するためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受
信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定
する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100か
ら受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドが
ないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
【0343】
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装
置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド
受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103
)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B11
04)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコ
マンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新
たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
【0344】
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更
新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32
個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス
0~31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信
したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマン
ド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応
する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
【0345】
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分の
コマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場
合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返
す。
【0346】
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信
コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ
領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分の
コマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマン
ド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーさ
れると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように
、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コ
マンドの大量受信に備えることができる。
【0347】
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y
」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を
解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理
の詳細については、次の
図23にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを
更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受
信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していな
い場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰
り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック
処理を終了する。
【0348】
〔受信コマンド解析処理〕
次に、
図23を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(
図22)における受信
コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。
図23は、演出制御装置30
0によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
【0349】
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイ
トをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100か
ら演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びA
CTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類
を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はM
ODE部、ACTION部の順に構成される。
【0350】
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B12
02)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド
仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲
である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲である
か否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を
示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)で
あるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203
の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否か
を判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定
される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せ
である場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統
に応じたコマンド処理を実行する。
【0351】
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定す
る(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコ
マンドであり、変動コマンド(変動開始情報設定処理で設定)がある。そして、MODE
部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理
を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0352】
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B12
05の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1207)。なお、当り系コマンドは、当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面
やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、大当りファンファーレ
コマンド(特図表示中処理で設定)、ラウンドコマンド(ファンファーレ/インターバル
中処理で設定)、インターバルコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、エンディングコ
マンド(大入賞口開放中処理で設定)、小当りファンファーレコマンド、小当り開放中コ
マンド(小当りラウンドコマンド)、小当り終了画面コマンド(小当りエンディングコマ
ンド)などである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の
結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を
終了する。
【0353】
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B12
07の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド
(特
図1では飾り特
図1コマンド、特
図2では飾り特
図2コマンド)がある。そして、M
ODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマン
ド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0354】
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B12
09の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が
「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了す
る。
【0355】
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B12
11の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定す
る(B1213)。先読み図柄系コマンドには、先読み停止図柄コマンドがある。そして
、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先
読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。な
お、受信した時の大当り確率が低確率状態であれば先読み停止図柄コマンド(低確率)を
使用して先読み図柄系コマンド処理を実行し、受信した時の大当り確率が高確率状態であ
れば先読み停止図柄コマンド(低確率)を使用して先読み図柄系コマンド処理を実行して
よい。
【0356】
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(
B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを
判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、先読み変動パターンコマンドがあ
る。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「
Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終
了する。
【0357】
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合
には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ
使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。ま
た、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が
正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するAC
TION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解
析処理を終了する。
【0358】
〔単発系コマンド処理〕
次に、
図24を参照して、前述した受信コマンド解析処理(
図23)における単発系コ
マンド処理(B1212)の詳細について説明する。
図24は、演出制御装置300によ
って実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0359】
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表
すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合
には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B
1302)、単発系コマンド処理を終了する。
【0360】
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1
301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判
定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(
B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行
し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
【0361】
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には
(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧系コマンドを表すか否かを
判定する(B1305)。例えば、停電復旧系コマンドとして、停電復旧コマンドと復旧
画面コマンドがある。そして、MODE部が停電復旧系コマンドを表す場合には(B13
05の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理
を終了する。
【0362】
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧系コマンドを表していない場合には(B
1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定
する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B13
07の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処
理を終了する。
【0363】
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B
1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特
図1保留数コマンドを表すか否か
を判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特
図1保留数コマンドを表す場合
には(B1309の結果が「Y」)、特
図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、
単発系コマンド処理を終了する。
【0364】
演出制御装置300は、MODE部が飾り特
図1保留数コマンドを表していない場合に
は(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特
図2保留数コマンドを表す
か否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特
図2保留数コマンドを表
す場合には(B1311の結果が「Y」)、特
図2保留情報設定処理を実行し(B131
2)、単発系コマンド処理を終了する。
【0365】
演出制御装置300は、MODE部が飾り特
図2保留数コマンドを表していない場合に
は(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを
判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1
313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処
理を終了する。
【0366】
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1
313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを
判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コ
マンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンドがある。状態オンコマ
ンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や
、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開
放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラ
ーの不発生を示す。
【0367】
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が
「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(
B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
【0368】
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合に
は(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特
図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が
演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード
切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
【0369】
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合
には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コ
マンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマン
ドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1
320)、単発系コマンド処理を終了する。
【0370】
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B
1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウント
コマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイ
ッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報
設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
【0371】
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B
1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド
)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、
図6BのステップA
1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期
化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(
B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマン
ド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に
記憶するとともに必要な処理を実行する。
【0372】
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B
1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する
(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A
1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B13
25の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマン
ド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し
、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場
合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中
表示を表示装置41に表示する。
【0373】
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(
B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定す
る(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(
A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1
327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマ
ンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶
し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した
場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認
中表示を表示装置41に表示する。
【0374】
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお
、図柄停止のコマンドには、例えば、特
図1の図柄停止コマンド(飾り特
図1停止コマン
ド)と特
図2の図柄停止コマンド(飾り特
図2停止コマンド)がある。そして、MODE
部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置3
00は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B13
30)。
【0375】
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)
、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停
止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を
終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定してい
るが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り
中」「小当り中」のフラグが設定される。
【0376】
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N
」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)
には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
【0377】
その他、単発系コマンド処理において、MODE部が
図24には記載されていないコマ
ンドを表す場合に、演出制御装置300はこのコマンドに対応する処理を実行してよい。
【0378】
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、
図25を参照して、前述した受信コマンド解析処理(
図23)における先読み図
柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。
図25は、演出制御装置30
0によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0379】
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特
図1保留(特
図1始動記憶)の情報で
あるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特
図1保留数コマン
ドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特
図1保留の情報である場合
(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特
図1保留数に対応する特
図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
【0380】
演出制御装置300は、最新保留情報が特
図1保留の情報でない場合(B1601の結
果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特
図2保留数コマン
ドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特
図2保留数に対応
する特
図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
【0381】
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンド
の受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B160
4)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため
、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信さ
れるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
【0382】
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、
図26を参照して、前述した受信コマンド解析処理(
図23)における先読み変
動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。
図26は、演出制御装置30
0によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0383】
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定
する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定
されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系
コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド
処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「
Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
【0384】
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特
図1又は特
図2)
の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変
動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(
B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変
動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT
部を取得する(B1706)。
【0385】
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変
動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)
。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、A
CT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とA
CT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コ
マンド領域(特
図1先読み変動コマンド領域又は特
図2先読み変動コマンド領域)にセー
ブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B170
9)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710
)。
【0386】
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する
前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になけれ
ば長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる
。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに
扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンド
MODE部に変換しておく。
【0387】
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対
応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、
仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置30
0がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、
ノーマルリーチ-1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。
従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に
変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担
を軽減する。
【0388】
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変
動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果
が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B171
0の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理
を終了する。
【0389】
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B
1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマ
ンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を
実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読
み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読
み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読
み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する
ポイント情報を設定する(B1714)。
【0390】
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始す
る演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出
である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定
する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715
の結果が「N」)、保留シフト時(保留表示の移動時、保留数減少時)の先読み演出に対
応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了
する。
【0391】
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の
結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B171
5の結果が「N」)、そのまま、先読み変動系コマンド処理を終了する。
【0392】
〔図柄系コマンド処理〕
次に、
図27を参照して、前述した受信コマンド解析処理(
図23)における図柄系コ
マンド処理(B1210)の詳細について説明する。
図27は、演出制御装置300によ
って実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0393】
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特
図1コマンド又は飾り特
図2
コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特
図1又は特
図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT
部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B180
2)。ここで、特
図1と特
図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテー
ブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ
図柄や、10R確変大当り図柄、4R確変大当り図柄、10R通常大当り図柄に対応する
。
【0394】
〔変動系コマンド処理〕
次に、
図28を参照して、前述した受信コマンド解析処理(
図23)における変動系コ
マンド処理(B1206)の詳細について説明する。
図28は、演出制御装置300によ
って実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0395】
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特
図1
又は特
図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である
場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定
でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの
組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを
判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに
大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうこ
とである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)
、変動系コマンド処理を終了する。
【0396】
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の
結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1
904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B19
05)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態
(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続予告演出
の先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でなければ-1更新する(B1907
)。
【0397】
〔変動演出設定処理〕
次に、
図29を参照して、前述した変動系コマンド処理(
図28)における変動演出設
定処理(B1905)の詳細について説明する。
図29は、演出制御装置300によって
実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0398】
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にな
らない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変
動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、
特図種別、演出モード、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレス
テーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図
種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B200
3)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対
応するテーブルのアドレスを取得している。
【0399】
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の
結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コ
ード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分
グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)の
MODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取
得する(B2005)。
【0400】
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前
)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存
することになる。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モー
ド、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブル
を設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテ
ーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽
選を行う(B2009)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。その
後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容
を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などが
わかる。
【0401】
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決
定する(B2011)。そして、設定値(確率設定値、設定)を示唆するための設定示唆
演出の内容を決定する(B2012)。その後、例えばリーチ演出等の変動演出や予告演
出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する停止図柄設定処理を実
行する(B2013)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止
図柄を具体的に決定する。
【0402】
次に、演出制御装置300は、設定示唆演出の表示設定を行う(B2014)。リーチ
演出等の変動演出の表示設定を行い(B2015)、予告演出の表示設定を行う(B20
16)。続いて、特図種別に対応する保留減少(保留シフト)の表示設定を行い、例えば
、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される他、保留シフト時の
先読み演出に対応する表示情報(B1717)等が読み出される(B2017)。続いて
、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光によ
る演出態様を定める装飾番号を設定する(B2018)。装飾装置(盤装飾装置46、枠
装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる
発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
【0403】
なお、音声番号や装飾番号を、演出内容に基づいて設定するだけでなく、設定値(確率
設定値)に応じた抽選確率で抽選して設定することも可能である。このようにすると、遊
技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10
の設定値(確率設定値)を推測することを楽しめる。
【0404】
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B
2019)、第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関す
る第4図柄変動の表示設定を行う(B2020)。なお、第4図柄変動は、表示装置41
以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)、及び/又は、
表示装置41で表示される。
【0405】
〔当り系コマンド処理〕
次に、
図30を参照して、前述した受信コマンド解析処理(
図23)における当り系コ
マンド処理(B1208)の詳細について説明する。
図30は、演出制御装置300によ
って実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0406】
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファー
レコマンド(又は小当りを設ける場合には小当りファンファーレコマンド)である場合、
ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B210
2)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含
まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに
ファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウ
ンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から
判定される図柄種別からも得ることができる。
【0407】
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さ
ない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを
表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の
結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド(又は小当りを設ける場合に
は小当り開放中コマンド)である場合、演出制御装置300は、ラウンド演出を設定する
ためのラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す
遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理
を終了する。
【0408】
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結
果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表
すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107
の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御
装置300は、インターバル演出を設定するためのインターバル演出設定処理を実行し、
現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定
し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。なお、小当りで大入賞
口が一回だけ開放される場合、即ち、小当りが1ラウンドである場合、インターバルコマ
ンドはない。
【0409】
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107
の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディング
を表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B21
10の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンド(又は小当りを設
ける場合には小当り終了画面コマンド)である場合、演出制御装置300は、エンディン
グ演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状
態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B211
2)、当り系コマンド処理を終了する。
【0410】
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2
110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コ
マンド処理を終了する。
【0411】
〔時短モードにおける画面分割演出の画面遷移例〕
図31を参照して、時短モード(時短状態)で画面分割演出が実行された場合の表示装
置41の表示画面の表示態様について説明する。
【0412】
図31は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短モードに
おける画面分割演出が行われるときの画面遷移の一例である。なお、画面分割演出は、確
変モード(確変状態)などの他のモード(他の遊技状態)で実行されてもよい。
【0413】
図31の(あ)は、大当り終了後(ラウンド遊技後)に遊技状態が時短状態になったと
きの表示装置41の表示画面である。演出制御装置300は、遊技状態が時短状態(例え
ば時短状態での変動表示ゲームの変動回数(時短回数)は100回)になったときに特定
の演出モード(時短モード)を開始して、表示装置41の表示画面上で画面分割演出を行
うことができる。
【0414】
なお、時短状態は、遊技状態が通常遊技状態である場合に特定の図柄(識別情報)で変
動停止したときに開始されてもよい。この特定の図柄はいわゆる時短図柄であり、第2実
施形態において後述される。
【0415】
また、時短状態は、遊技状態が通常遊技状態である場合に、変動表示ゲームの直近のゲ
ーム数が例えば1000回といった所定の上限回数(いわゆる天井、天井回数)に到達す
ることで開始されてもよい。変動表示ゲームの直近のゲーム数は、前回(直近、最新)の
大当り遊技(特別遊技)が終了してから実行された変動表示ゲームの回数(変動回数、積
算回数)であり、変動表示ゲームの結果が大当り結果(特別結果)となることで0回にリ
セットされる。なお、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態(特定遊技状態、高サポ低
確率状態)になる遊技機100では、当該時短状態における変動表示ゲームのゲーム数も
所定の上限回数に到達するか否かを判定するための変動回数に含めることができる。
【0416】
さらに、演出制御装置300は、時短モードにおける画面分割演出を、例えば、時短状
態になってから50回目(時短遊技50回目)の変動表示ゲームが行われるときに開始し
てもよく、時短状態が残り10回になったとき(時短遊技90回目)の変動表示ゲームが
行われるときに開始してもよい。
【0417】
また、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面の左上隅に、時短モードにおけ
る画面分割演出の演出モード名(例えば「虎舞モード」)と残り変動回数(例えば「あと
80回」)とを演出モード表示740として表示することができる。
【0418】
表示装置41の表示画面には、画面分割演出が実行されることによって表示領域(画面
)が上下に分割して表示される。
【0419】
上段の表示領域は第1分割領域710であり、
図31の(い)以降で後述するように第
1分割領域710には、第2分割領域720に表示される画像と比べて変化の多い画像と
して動画等の動きの激しい画像が表示される。
【0420】
下段の表示領域は第2分割領域720であり、第2分割領域720には、第1分割領域
710に表示される画像と比べて変化の少ない画像として静止画等の動かないまたは動き
の緩やかな画像が、飾り特別図柄(識別情報、飾り第1図柄A~C、大図柄(図柄))と
ともに表示される。
【0421】
また、第1分割領域710と第2分割領域720との間には、左右方向に延びる枠状(
ほぼ線状)の役物画像730が表示される。役物画像730は、第1分割領域710と第
2分割領域720とを隔てる(分割する)境界として移動可能に表示される。なお、役物
画像730の代わりに、遊技盤30に可動体(可動役物、可動部材)を設けて、表示画面
の前面側(前方)に配置することで第1分割領域710と第2分割領域720とを分割し
てもよい。また、第1分割領域710と第2分割領域720との間に、役物画像730等
の境界を隔てるものを配置しないでもよい。この場合には、第1分割領域710と第2分
割領域720は隣接して表示されることになり、役物画像730等が配置されない分だけ
、第1分割領域710や第2分割領域720の面積を広く確保でき、演出に用いることが
できる。
【0422】
なお、画面分割演出は、上下だけに限らず、左右や斜め等に表示領域が分割されるよう
に行ってもよい。また、第1分割領域710の上層(前面側、遊技者側)のレイヤに第2
分割領域720を優先して表示するようにしてもよい。その際、第2分割領域720とず
らして第1分割領域710を表示、または、第2分割領域720より広い表示領域で第1
分割領域710を表示することによって、当該第1分割領域710と第2分割領域720
とが重なって見えるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。また、画面分割
演出における表示領域の分割は、2分割に限らず、3つ以上に表示領域を分割してもよく
、例えば上下左右のマス目状に4分割してもよい。
【0423】
表示装置41の表示画面の下部中央、すなわち第2分割領域720には、複数の変動表
示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)が表示されている。
変動表示領域610において、左領域610Aには飾り第1図柄A(識別情報、大図柄(
図柄)、飾り特別図柄)が、右領域610Bには飾り第1図柄Bが、中領域610Cには
飾り第1図柄Cが、それぞれ大図柄で拡大表示され、停止表示されている(例えば「16
7」)。なお、特定の演出モードの画面分割演出が行われていないとき、例えば通常遊技
状態中には、演出制御装置300は、複数の変動表示領域610を表示画面の中央付近で
大きく表示させることができる(
図31の(か)と同様の表示態様)。
【0424】
表示装置41の表示画面の右上隅には、変動表示ゲームが飾り特別図柄(小図柄)によ
って実行される変動表示領域615が設けられている。変動表示領域615の小図柄は、
直前の変動表示ゲームの停止図柄で停止表示されている(例えば「167」)。変動表示
ゲームが実行されている場合には、変動表示領域610及び変動表示領域615のうちの
少なくとも1つが表示される。また、変動表示領域610及び変動表示領域615の変動
表示ゲームの結果は、互いに一致する内容となる。
【0425】
表示装置41の表示画面の右上隅における変動表示領域615の下方には、特
図1保留
数表示部650と特
図2保留数表示部660とが設けられる。特
図1保留数表示部650
と特
図2保留数表示部660には、それぞれ、特
図1保留数を示す数字「0」と特
図2保
留数を示す数字「3」が表示されている。
【0426】
表示装置41の表示画面の下部には、始動記憶表示領域(特定表示部、特定表示領域)
として、四角枠の保留消化領域640(変動中保留表示領域)と保留表示部630とが設
けられる。
【0427】
保留消化領域640には、実行中(消化中)の変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム
)に係る第1始動記憶(特
図1保留)に対応する保留表示(始動記憶表示、特
図1保留表
示、特図変動中保留表示、特図消化中保留表示)として変動中保留表示643(
図31の
(い)等参照)が表示されることができる。
【0428】
保留表示部630には、発生した第2始動記憶に対応する保留表示633(始動記憶表
示)が表示され、例えば3つの保留表示633が表示される。なお、遊技状態が時短状態
中等の特定遊技状態であるときには、主となる変動表示ゲームの始動記憶である第2始動
記憶が、
図31に示すように保留表示部630に優先表示される。時短状態中の特
図1保
留数は、前述の通り表示画面の右上隅に表示されている特
図1保留数表示部650で確認
可能である。
【0429】
通常遊技状態では、特
図1と特
図2変動表示ゲームが交互に実行されるため、演出制御
装置300は、第1始動記憶および第2始動記憶に対応する保留表示633を、保留表示
部630に両方表示する。なお、変動中保留表示643が表示される領域である保留消化
領域640は、時短状態においては非表示にされてもよい。
【0430】
図31の(い)に示すように、変動表示ゲームが開始されると、保留表示部630に表
示されている3つの保留表示633が右側に1つずつ移動(保留シフト)するとともに、
保留表示部630の右端の1つの保留表示633が保留消化領域640に移動して、保留
消化領域640の四角枠内に変動中保留表示643が表示される。
【0431】
図31の(い)は、時短状態で変動表示ゲームが開始された後の表示装置41の表示画
面である。
【0432】
保留シフトによって保留消化領域640に表示されている変動中保留表示643に対応
して変動表示ゲームが実行されると、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cと、変動
表示領域615の小図柄とか変動表示(「↓↓↓」)される。変動表示ゲームが開始され
ると、特
図2保留数表示部660の特
図2保留数を示す数字が「3」から1つ減少して「
2」となる。
【0433】
また、当該変動表示ゲームが実行されると、表示画面の上段の表示領域である第1分割
領域710に動きの激しい画像(変化の多い画像、変化の大きい画像)として例えばキャ
ラクタ711、712が動く(例えば、走る、踊る)動画が表示される。ここで、キャラ
クタ711、712は、例えばコマ(フレーム)毎にキャラクタの形態及び/又は表示位
置が変化する静止画をその他の画像とともに連続して表示するアニメーション式の動画と
して表示されてもよい。また、キャラクタ711、721の動画は、実際に動いている演
者(人物)を撮影した動画であってもよい。このように、キャラクタ711、712は、
演出制御装置300の画像ROM325に保存される動画内のキャラクタであり、動画か
ら構成されてよい。なお、演出制御装置300の画像ROM325で動画は圧縮されて記
憶されてよい。また、特定のレイヤで、走る(踊る)等の動き(動作)を行うポリゴン等
による3Dキャラクタオブジェクト(3Dキャラクタモデル、3次元コンピュータグラフ
ィックス)を生成(モデリング)し、仮想のカメラ(特定視点)から撮影し2次元の描画
面に投影(レンダリング)した動画として表示されてもよい。
【0434】
なお、本実施形態において、「動きの激しい」及び「変化の多い」とは、キャラクタ全
体の移動速度や踊ったり走ったりするキャラクタの一部分(腕や足など)の移動速度(動
作速度)が単に大きいことを意味してもよいし、キャラクタの上下又は左右方向の長さで
規格化したこれら移動速度が大きいこと(移動速度÷長さが大きいこと)を意味してもよ
い。また、「動きの緩やかな」及び「変化の少ない」とは、上記の移動速度(動作速度)
が単に小さいことを示してもよいし、上記の規格化した移動速度が小さいこと(移動速度
÷長さが小さいこと)を意味してもよい。
【0435】
また、第1分割領域710の上層(前面側、遊技者側)のレイヤには、演出モード表示
740、変動表示領域615、特
図1保留数表示部650、特
図2保留数表示部660、
および遊技者に右打ちを指示する右打ち指示表示(例えば「右打ち→」、右打ち指示画像
)が他の画像に優先して表示されている。そのため、これらの表示は、第1分割領域71
0のキャラクタ711、712の手前に表示されることになり第1分割領域710に表示
される画像に隠れることがない。なお、演出モード表示740や変動表示領域615は、
第1分割領域710の下層(背面側、遊技機側)のレイヤに表示したり、第1分割領域7
10の表示として表示してもよく、キャラクタ711、712の奥側に隠れて表示されて
もよい。また、変動表示領域615の小図柄が隠れて非表示になる場合には、変動表示領
域610の飾り第1図柄A~Cは遊技者に視認可能な態様で表示される。なお、大当り遊
技(特別遊技)中から遊技者は右打ち遊技を行っているので、演出制御装置300は、遊
技者が左打ちを行わない限りは、右打ち指示表示を表示しないでもよい。
【0436】
他方で、表示画面の下段の表示領域である第2分割領域720には、動きの緩やかな画
像(変化の少ない画像、変化の小さい画像)として例えばキャラクタ721の画像が大き
く表示される。キャラクタ721の画像は、変動表示領域610の背面側(下層側のレイ
ヤ)に表示されており、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cの表示を隠すことがな
い。なお、変動中の飾り第1図柄A~Cは、半透明化されているので、背面に背景として
表示されているキャラクタ721の画像を遊技者は容易に視認することができる。なお、
キャラクタ721は、静止画として、演出制御装置300の画像ROM325に保存され
ており、静止画から構成される。
【0437】
このように、第1分割領域710に動きの激しい画像を表示しつつ、第2分割領域72
0に飾り第1図柄A~Cとともに動きの緩やかな画像を表示することによって、複数の画
像を画像分割演出で同時に表示するにあたり画像や図柄の視認性を改善して、遊技の興趣
を向上させることができる。
【0438】
なお、第2分割領域720にほぼ動かない態様で表示されるキャラクタは、遊技を開始
する際に(客待ち状態のときに)、遊技者が複数のキャラクタの中から好きなキャラクタ
を選択できるようにしてもよい。このように遊技者が第2分割領域720に表示されるキ
ャラクタを選択可能にすることによって、大当り終了後の時短モードで遊技者が好きなキ
ャラクタ(推しキャラクタ)をほぼ動かない態様で第2分割領域720に大きく表示でき
るので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0439】
また、コマ単位で見たキャラクタ721の静止画は、
図31の(い)の段階では、コマ
毎にキャラクタ721の形態を保ちつつ表示画面の右側にゆっくり移動するか停止してい
る。演出制御装置300は、キャラクタ721の静止画を複数のコマにわたって連続して
表示しており、異なるコマでもキャラクタ721の形態は同じものになる。そのため、キ
ャラクタ721は、形態が静止した(固定された)態様で表示され、コマが進むごとに第
2分割領域720内における表示位置が徐々に変化する。
【0440】
図31では、キャラクタ721全体の移動速度がキャラクタ711、712全体の移動
速度よりも小さくなっている。しかし、これに限られず、キャラクタ711、712が踊
る場合には、キャラクタ721全体の規格化した移動速度(移動速度÷キャラクタ721
の長さ)が、キャラクタ711、712の一部分の規格化した移動速度(移動速度÷キャ
ラクタ711、712の長さ)よりも小さくなるようにしてもよい。
【0441】
なお、第2分割領域720のキャラクタ721の静止画は、複数のコマにわたって同じ
ものを連続して表示しているが、所定の時間(例えば2sec)が経過するごとに別の静
止画に切り替えてもよい(更新表示してもよい)。その際、更新表示される別の静止画に
は、ポーズや衣装等が変化した同一キャラクタ(キャラクタ721)を表示してもよく、
異なるキャラクタを表示してもよい。
【0442】
また、演出制御装置300は、キャラクタ721の静止画に代えて、キャラクタ721
の態様がゆっくりと変化するアニメーション等の動画を第2分割領域720に表示しても
よい。
【0443】
第2分割領域720の右側には、演出モードスライド表示722が表示される。演出モ
ードスライド表示722は、第2分割領域720の右側から左斜め上に向かって、演出モ
ード名(例えば「虎舞モード」)を移動(スライド)させて、遊技者に当該演出モード名
を報知する表示である。演出モードスライド表示722は、表示画面に全体が表示されて
いなくてもよく、例えば
図31の(い)に示すように一部だけが表示されてもよい。
【0444】
図31の(う)は、時短状態における変動表示ゲームでリーチ状態が発生したときの表
示装置41の表示画面である。
【0445】
演出制御装置300によってリーチ前半のリーチ演出としてNリーチ(ノーマルリーチ
)が実行されると、変動表示領域610では、左領域610Aの飾り第1図柄Aと、右領
域610Bの飾り第1図柄Bとが、例えば「1」の図柄を表示した状態で仮停止して、リ
ーチ状態となる。また、中領域610Cには飾り第1図柄Cが、変動表示(「↓」)され
た状態で維持されている。
【0446】
リーチ演出には、例えばNリーチ、SP1リーチ(スペシャル1リーチ)、SP2リー
チ(スペシャル2リーチ)、SP3リーチ(スペシャル3リーチ)等の演出が選択される
ことができる。変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果)となる演出(予告)の期待度
、すなわち大当りの期待度(大当り期待度、期待値)は、Nリーチ<SP1リーチ<SP
2リーチ<SP3リーチの順に高く設定される。期待度は、その演出が選択された場合に
大当りになる確率を示唆し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき
(はずれのとき)のその演出の選択率などに基づいて算出することができる。
【0447】
リーチ状態が発生すると、第2分割領域720が広がるとともに、第1分割領域710
が狭くなる。すなわち、表示画面における第2分割領域720の割合が、第1分割領域7
10と比べて大きくなる。また、演出制御装置300は、大当り期待度が高いリーチ演出
(例えばSP2リーチやSP3リーチ)が発生した場合ほど、第2分割領域720が広が
る演出を発生させ易くしてもよい。
【0448】
また、演出制御装置300は、第2分割領域720の拡大(第1分割領域710の縮小
)に合わせて、役物画像730を上方にスライドするとともに、変動表示領域610の飾
り第1図柄A~Cを大きく表示する。このように、演出制御装置300は、第2分割領域
720の面積に応じて、第2分割領域720に表示されている飾り第1図柄A~Cの大き
さを変化させることで、すなわち第2分割領域720の面積に応じた大きさの飾り第1図
柄A~Cを表示することで、図柄を遊技者に注目させ易くして、遊技の興趣を向上させる
ことができる。なお、演出制御装置300は、大当り期待度に応じて所定の演出(リーチ
前に発生するリーチ前兆演出やリーチ煽り演出)を発生させてもよく、当該所定の演出が
発生する場合に役物画像730を上方にスライドさせるとともに、当該役物画像730の
動作に合わせて(動作する方向に)第2分割領域720を拡大してもよい。
【0449】
また、演出制御装置300は、
図31の(う)~(え)に示すように、キャラクタ72
1の画像を徐々に移動させるとともに、第2分割領域720の拡大に合わせて大きく表示
することもできる。キャラクタ721は、大きくした場合でも、サイズ以外の形態(形状
や模様や色など)は同一でよい。なお、演出制御装置300は、第2分割領域720の拡
大に合わせて変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cのみを大きく表示し、キャラクタ
721の大きさを変化させなくてもよい。すなわち、第2分割領域720に表示されてい
るキャラクタ721や演出モードスライド表示722の大きさ、保留表示633や変動中
保留表示643の大きさは変化することなく、第2分割領域720の背景画像等の見える
範囲(領域)だけを広くすることができる。また、演出制御装置300は、キャラクタ7
21の大きさを変化させるとともに、キャラクタ721の画像に火花等のエフェクトを付
与させる演出を行ってもよい。また、キャラクタ721の画像は、大当りであるかはずれ
であるかに関係なく選択され大当り期待度に関係しない背景画像として表示されるが、大
当りであるかはずれであるかに応じた選択率で選択され大当り期待度に関係する背景画像
として表示されてもよい。例えば、大当り期待度に関係しない背景画像は、あるモード(
遊技状態)になったら必ず出現する背景画像などである。
【0450】
他方で、第1分割領域710のキャラクタ711、712の動画(画像)は、第1分割
領域710が縮小されても、そのまま継続表示されるが(動画進行に伴い走る向きが変化
)、役物画像730の上昇に伴って、下方から徐々に表示されなくなる。なお、キャラク
タ711、712の動画は、大当りであるかはずれであるかに応じた選択率で選択され大
当り期待度に関係する背景画像として表示されるが、大当りであるかはずれであるかに関
係なく選択され大当り期待度に関係しない背景画像として表示されてもよい。また、変動
表示領域615の小図柄は、第1分割領域710や第2分割領域720の面積が変化して
も、そのままの大きさで継続表示されることができる。したがって、遊技者は、表示装置
41の表示画面に表示される演出(例えば画面分割演出)が激しく変化しても、変動表示
領域615の小図柄を視認することで、変動表示ゲームの実行態様(変動態様または停止
態様)を常に安定して確認できるので、安心して遊技を行うことができ、遊技の興趣を向
上させることができる。また、特
図1保留数表示部650、特
図2保留数表示部660、
および右打ち指示表示も、同様にそのままの大きさで継続表示されることができる。
【0451】
図31の(え)は、時短状態における変動表示ゲームでリーチ状態が進行したときの表
示装置41の表示画面である。
【0452】
演出制御装置300は、リーチ後半で、例えばNリーチからSP2リーチにリーチ演出
を発展させることができる。
【0453】
演出制御装置300は、さらに第2分割領域720を広げるとともに、役物画像730
をより上方にスライドさせる。なお、
図31の(う)~(お)に示す第2分割領域720
の領域(面積)の拡大は、連続的(滑らか)に行われるが、演出に応じて段階的(ステッ
プ状)に領域が広がるように行ってもよい。
【0454】
また、第2分割領域720のキャラクタ721の画像と変動表示領域610の飾り第1
図柄A~Cは、第2分割領域720の拡大に合わせて、さらに大きく表示される。他方で
、第1分割領域710のキャラクタ711、712の動画は、そのまま継続表示されるが
、さらに表示される領域が狭くなる。
【0455】
ここで、特
図1保留数表示部650、特
図2保留数表示部660は、最前面のレイヤに
表示されており、役物画像730が重なる位置に表示されても、当該役物画像730によ
って隠れることはなく、前面に優先して表示される。なお、演出モード表示740、変動
表示領域615、右打ち指示表示も、最前面のレイヤに同様に表示可能であり、役物画像
730が重なる位置に表示されても、前面に優先して表示されることができる。したがっ
て、遊技者は、遊技中に確認したい情報を表示画面上で容易に確認できるので、遊技の興
趣を向上させることができる。
【0456】
図31の(お)は、時短状態における変動表示ゲームでリーチ状態がさらに進行したと
きの表示装置41の表示画面である。
【0457】
リーチ状態がさらに進行すると、例えば
図31の(お)に示すように、第2分割領域7
20が表示画面の全体に広がり(全画面状態)、第1分割領域710が完全に非表示にな
る。また、演出制御装置300は、第2分割領域720の拡大に合わせて、変動表示領域
610の飾り第1図柄A~Cをより大きく表示する。このように、演出制御装置300は
、第2分割領域720の面積に応じた大きさの飾り第1図柄A~Cを表示させることがで
きる。
【0458】
演出制御装置300は、例えば、飾り第1図柄A~Cをより大きなサイズにすることで
、右領域610Bの飾り第1図柄Bが表示画面の外に出て(位置して)、表示画面内に表
示されないようにしてもよい。この場合には、表示画面には、左領域610Aの飾り第1
図柄Aと中領域610Cの飾り第1図柄Cの2つの図柄だけが表示されることになる。ま
た、飾り第1図柄Aとともに飾り第1図柄Cも「1」で仮停止しているので、遊技者は、
変動表示ゲームが「111」で変動停止し大当りになる期待感をより高めることができる
。
【0459】
また、大きく表示した飾り第1図柄A、Cの背景に、例えばスパーク状のエフェクト7
23を付与させてもよい。その際、前面に表示したエフェクト723によって背景のキャ
ラクタ721の画像を隠しつつ、当該画像を非表示にすることができ、遊技者に違和感の
少ない演出を実行することができる。なお、表示画面の上部では、エフェクト723より
も遊技者が確認したい情報(特
図1保留数表示部650、特
図2保留数表示部660、演
出モード表示740、変動表示領域615、右打ち指示表示)が優先して表示される。な
お、これらの遊技者が確認したい情報は、第1分割領域710とともに非表示にしてもよ
い。その際、遊技者が確認したい情報は、第1分割領域710(と同じレイヤ)に表示さ
れることができ、上方にスライドしてきた役物画像730と重なることで、役物画像73
0が当該確認したい情報の前面に表示されることによって隠される。
【0460】
図31の(か)は、時短状態における変動表示ゲームが終了したときの表示装置41の
表示画面である。
【0461】
リーチ演出が終了して変動表示ゲームが終了すると、変動表示ゲームの結果が特別結果
(大当り結果)となり、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは、表示画面の中央で
数字が揃った図柄(例えば「111」)の大当りの停止図柄で変動停止する。変動表示領
域615の小図柄も同様に(例えば「111」)という大当りの停止図柄(特別結果)で
変動停止する。また、保留消化領域640(変動中保留表示領域)の変動中保留表示64
3は、変動表示ゲームの終了に伴い消化されて非表示となる。
【0462】
そして、遊技状態は、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技状態)に移行し、大当
り遊技(ファンファーレ演出後のラウンド遊技)が開始される。なお、例えば「111」
等の奇数図柄で変動停止した場合には、大当り遊技の終了後に遊技状態は確変状態(高確
率状態、特定遊技状態)に移行することができる。確変状態は、変動表示ゲームの結果が
大当り(特別結果)となる確率が通常よりも高い状態であり、例えば「777」等の奇数
図柄による大当り遊技の終了後に移行可能である。確変状態においても、重複して時短状
態や普電サポート状態が発生する。
【0463】
〔時短モードにおける画面分割演出の画面遷移の変形例〕
次に、
図32を参照して、時短モード(時短状態)で変形例の画面分割演出が実行され
た場合の表示装置41の表示画面の表示態様について説明する。なお、以下の説明では、
図31と重複する部分は適宜省略する。
【0464】
図32は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短モードに
おける画面分割演出が行われるときの画面遷移の変形例である。
【0465】
図32の(い)は、
図31の(い)と同じものであり、変形例の画面分割演出において
、時短状態で変動表示ゲームが開始された後の表示装置41の表示画面である。
【0466】
図32の(う2)は、変形例の画面分割演出において、時短状態における変動表示ゲー
ムでリーチ状態が発生したときの表示装置41の表示画面である。演出制御装置300は
、リーチ前半の演出としてNリーチを実行すると、第2分割領域720では、変動表示領
域610の飾り第1図柄A、Bが例えば「1」の図柄を表示した状態で仮停止し、リーチ
状態となる。
【0467】
演出制御装置300は、
図32の(う2)に示すように、第2分割領域720を広げる
ことに代えて、第1分割領域710を広くしてもよい。この場合には、第2分割領域72
0は狭くなる。また、役物画像730は、表示画面の下方にスライド(移動)する。
【0468】
このように第1分割領域710を拡大することによって、第1分割領域710の動きの
激しい画像(例えば動画)による演出態様を強調することができる。したがって、第1分
割領域710の動きの激しい画像を発展させて、SP3リーチによるリーチ演出等(例え
ばキャラクタ同士が戦うバトル演出)を行い、演出効果を高くできるので、遊技の興趣を
向上させることができる。
【0469】
また、
図32の(う2)に示すように、第1分割領域710を広げる際に、キャラクタ
711、712に加えて、新たなキャラクタ713を増やしてもよい。このように、第1
分割領域710を広げる際に新たなキャラクタ713を増やすことで、第1分割領域71
0の動きの激しい画像(例えば動画)による演出態様をより強調し易くできる。
【0470】
さらに、キャラクタ711、712、713の動画は、大当り期待度に関係する背景画
像として表示されることができるが、第1分割領域710が拡大されているので、遊技者
は当該背景画像を視認して、大当り期待度を確認し易くなるので、遊技の興趣を向上させ
ることができる。
【0471】
その後、演出制御装置300は、第1分割領域710を表示画面の全体に広げてから(
全画面状態(
図31の(え)とは逆の態様))、
図31の(お)に示すように画面遷移し
てもよい。その際、第1分割領域710が表示画面の全体に広がる分だけ第2分割領域7
20が狭くなることで、変動表示領域610が小さくなる。そのため、飾り第1図柄A~
Cが見えなくなるが、変動表示領域615の小図柄が表示されているので、遊技者は変動
表示ゲームが変動中であることを表示画面上で容易に確認できる。
【0472】
〔時短モードにおける画面分割演出の画面遷移の変形例2〕
続いて、
図33を参照して、時短モード(時短状態)で変形例2の画面分割演出が実行
された場合の表示装置41の表示画面の表示態様について説明する。
【0473】
図33は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短モードに
おける画面分割演出が行われるときの画面遷移の変形例2である。
【0474】
図33の(お)は、
図31の(お)と同じものであり、変形例2の画面分割演出におい
て、時短状態における変動表示ゲームでリーチ状態がさらに進行したときの表示装置41
の表示画面である。演出制御装置300は、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cを
より大きなサイズにして、左領域610Aの飾り第1図柄Aと中領域610Cの飾り第1
図柄Cを表示画面に表示する。飾り第1図柄A、Cは「1」で仮停止しており、飾り第1
図柄A、Cの背景にスパーク状のエフェクト723が表示されている。
【0475】
そして、演出制御装置300は、変動表示ゲームが終了する前に、
図33の(き)に示
すように別の役物画像750を表示することができる。
【0476】
図33の(き)は、時短状態における変動表示ゲームが終了する前にカットイン演出が
実行されているときの表示装置41の表示画面である。
【0477】
演出制御装置300は、時短状態における変動表示ゲームが終了する前に、
図33の(
き)に示すように飾り第1図柄A、Cの前面に放射線状のエフェクト752を表示する。
また、演出制御装置300は、表示画面の中央に役物画像750を挿入し(カットインさ
せ)、変動表示領域615や特
図1保留数表示部650、特
図2保留表示部660と同じ
最前面のレイヤに当該役物画像750を表示するカットイン演出を行うことができる。役
物画像750の上には、遊技機10の機種やキャラクタに関連する文字表示751(例え
ば「とら」)を表示することができる。なお、役物画像750を、変動表示領域615や
特
図1保留数表示部650、特
図2保留表示部660の背面(後方)のレイヤに表示させ
てもよく、前面(前方)すなわち最前面のレイヤに表示させてもよい。
【0478】
カットイン演出は、大当りの停止図柄(特別結果)で変動停止することを強調する演出
として行われている。そのため、カットイン演出において、表示画面の上部における遊技
者が確認したい情報(特
図1保留数表示部650、特
図2保留数表示部660、演出モー
ド表示740、変動表示領域615、右打ち指示表示)は、放射線状のエフェクト752
や役物画像750の後方のレイヤに位置させて、表示画面に表示されないようにしてもよ
い。他方で、演出制御装置300は、放射線状のエフェクト752や役物画像750より
も当該確認したい情報を優先して継続表示するようにしてもよい。
【0479】
なお、役物画像750は、表示画面の上方から中央に位置する移動(スライド)させて
表示してもよい。また、役物画像750の代わりに、遊技盤30に可動体(可動役物、可
動部材)を設けて、表示画面の前面(前方)に配置するようにして演出を行ってもよい。
【0480】
その後、変動表示ゲームが終了すると、演出制御装置300は、
図33の(か)に示す
ように、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cと、変動表示領域615の小図柄とを
大当りの停止図柄(例えば「111」)で変動停止する。そして、遊技状態は、特別遊技
状態(大当り遊技状態)に移行し、遊技者は大当り遊技を開始することができる。
【0481】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、
特
図2変動表示ゲーム))を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲーム
に対応して識別情報(飾り第1図柄A~C、大図柄(図柄)、飾り特別図柄、小図柄)を
変動表示させる演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、演出として複
数の画像を表示可能な表示手段(表示装置41)と、を備える。遊技機10では、演出制
御手段は、複数の分割領域(第1分割領域710、第2分割領域720)に表示手段の表
示領域を分割し、それぞれの分割領域に複数の画像の少なくともいずれか一つを表示可能
であり、複数の分割領域の少なくとも一つの分割領域に、識別情報とは異なる表示として
他の分割領域の画像よりも変化の少ない画像(動きの緩やかな画像、キャラクタ721の
静止画、キャラクタ721の態様がゆっくりと変化する動画)を識別情報とともに表示可
能である。
【0482】
このような遊技機10によれば、遊技者が複数の分割領域の少なくとも一つの分割領域
に他の分割領域の画像よりも変化の少ない画像を識別情報とともに表示することによって
、複数の画像を画像分割演出で同時に表示するにあたり画像や図柄の視認性を改善して、
遊技の興趣を向上させることができる。
【0483】
また、遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、ゲーム(変動表示ゲ
ーム(特
図1変動表示ゲーム、特
図2変動表示ゲーム))の結果によって特別遊技状態(
大当り遊技状態)となる期待度(大当り期待度)の高さに関係しない背景画像を複数の分
割領域の少なくとも一つの分割領域(第2分割領域720)に表示可能である。
【0484】
このような遊技機10によれば、大当り期待度に関係することがない画像が識別情報の
背景として表示されるので、情報が多くなり過ぎることなく、遊技者は識別情報を確認す
ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0485】
また、遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の分割領域(第
1分割領域710、第2分割領域720)の間(境界)に、可動体(役物画像750、可
動役物、可動部材)を配置可能である。
【0486】
このような遊技機10によれば、可動体によって複数の分割領域を明確に区切ることが
できるので、複数の画像が同時に表示されるにあたり各画像の視認性がよくなり遊技者が
認識し易くなって、遊技の興趣を向上させることができる。
【0487】
また、遊技機10では、特別遊技状態(大当り遊技状態)となる期待度(大当り期待度
)の高い所定の演出(リーチ前兆演出、リーチ煽り演出)が発生する場合に、可動体(役
物画像750、可動役物、可動部材)を動作させるとともに、複数の分割領域(第1分割
領域710、第2分割領域720)の少なくともいずれか一つを広げる。
【0488】
このような遊技機10によれば、特別遊技状態となる期待度に応じて可動体が動作した
り複数の分割領域の少なくとも一つが広がる演出が行われるので、当該演出によって期待
度を遊技者に認識し易くさせることができ、特別遊技状態に対する遊技者の期待感を煽る
ことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0489】
また、遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の分割領域の少
なくともいずれか一つ(第2分割領域720)が広がる場合に、当該分割領域に表示され
ている識別情報を大きくする。
【0490】
このような遊技機10によれば、拡大された分割領域に表示されている識別情報も合わ
せて大きく表示されるようになるので、識別情報の視認性を改善でき、遊技の興趣を向上
させることができる。
【0491】
また、遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の分割領域の少
なくともいずれか一つ(第2分割領域720)の面積に応じて、当該分割領域に表示され
ている識別情報の大きさを変化させる。
【0492】
このような遊技機10によれば、識別情報の大きさが分割領域の面積に応じて適宜変化
し、識別情報の視認性を改善できるので、同様に遊技の興趣を向上させることができる。
【0493】
また、遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、識別情報を複数の分
割領域の少なくともいずれか一つ(第2分割領域720)に表示可能であり、当該識別情
報よりも小さい飾り縮小図柄(小図柄)を他の分割領域(第1分割領域710)に表示可
能である。
【0494】
このような遊技機10によれば、画面分割演出中に複数の分割領域の少なくとも一つが
縮小または非表示になった場合でも、遊技者は、変動表示ゲームが変動中であることを他
の分割領域に表示される図柄から表示画面上で容易に確認できるので、識別情報の視認性
がよくなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0495】
また、遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、特
図2変動表
示ゲーム))を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに対応して識
別情報(飾り第1図柄A~C、大図柄(図柄)、飾り特別図柄、小図柄)を変動表示させ
る演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、演出を表示可能な表示手段
(表示装置41)と、を備える。遊技機10では、演出制御手段は、複数の分割領域(第
1分割領域710、第2分割領域720)に表示手段の表示領域を分割し、当該複数の分
割領域の少なくとも一つの分割領域に、識別情報を表示可能であり、識別情報を表示する
分割領域の面積に応じた大きさの識別情報を表示可能である。
【0496】
このような遊技機10によれば、複数の分割領域の少なくとも一つに表示された識別情
報は、当該識別情報を表示する分割領域の面積に応じた大きさで表示されることになるの
で、当該識別情報を遊技者に注目させ易くすることができる。その結果、識別情報を表示
するにあたり視認性を改善することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0497】
[第2実施形態]
図34から
図44を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以
外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同
じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第2
実施形態は、表示装置41(表示手段)に表示される飾り特別図柄(単に、図柄又は飾り
図柄と呼ぶことがある)や、演出ボタン25(操作部、操作手段)の操作に関連する操作
演出(ボタン演出)に関する。
【0498】
なお、操作演出は、表示装置41での表示演出に加えて、盤演出装置44に含まれる可
動役物の動作演出、枠装飾装置18や盤装飾装置46の発光演出、スピーカからの音によ
る演出を含んでよい。また、操作演出としての表示装置41での表示演出は、遊技者に操
作を促すための操作促進表示(操作前演出、操作前の処理)と、操作が行われたことに対
応して実行される操作対応演出(操作後演出、操作後の処理)のいずれか一方、又はこれ
ら両方を含む。
【0499】
〔演出ボタン入力処理〕
図34は、第2実施形態に係る演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである
。演出ボタン入力処理は、メイン処理(
図21)のステップB0010にて、演出制御装
置300によって実行される。
【0500】
演出制御装置300は、まず、演出ボタンスイッチ25a(演出ボタンの本体部)の操
作を検出可能な操作有効期間(ボタン操作有効期間、操作検出可能期間)であるか否かを
判定する(B6701)。操作有効期間は、時間経過とともに減少するが、演出ボタンス
イッチ25aが操作された場合にはゼロに設定される。操作有効期間でない場合(B67
01の結果が「N」)、ボタン操作(演出ボタンスイッチ25aの操作)の検出を無効に
設定して(B6702)、演出ボタン入力処理を終了する。この場合に、操作促進表示が
表示中であり操作要求音が発生中(出力中)であれば、操作促進表示と操作要求音が終了
する。
【0501】
操作有効期間である場合(B6701の結果が「Y」)、ボタン操作の検出を有効に設
定する(B6703)。即ち、操作促進表示と操作要求音が開始又は継続する。
【0502】
そして、演出制御装置300は、ボタン操作が検出されたか否かを判定する(B670
4)。ボタン操作がない場合(B6704の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了
する。ボタン操作が検出された場合(B6704の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ
25aのそのボタン操作に対してボタン操作種別を判定して保存する(B6705)。
【0503】
ボタン操作種別は、単押し操作、長押し操作、連打操作などがある。これら操作の判定
方法は公知であるが、例えば、単押し操作は、演出ボタンスイッチ25aが押されて所定
の短時間で1度だけオンした場合に判定できる。例えば、長押し操作は、演出ボタンスイ
ッチ25aの押された状態(オン状態)が所定の長時間維持した場合に判定できる。例え
ば、連打操作は、所定時間内に演出ボタンスイッチ25aのオンオフが所定の複数回あっ
た場合に判定できる。なお、演出ボタンスイッチ25aは、押されて移動した場合に、光
学センサや磁気センサなどで検知されてオン状態になり、押されない場合にはオフ状態が
維持される。
【0504】
次に、演出制御装置300は、判定したボタン操作種別が、ステップB6701の操作
有効期間に対応して設定したボタン操作種別であるか否か判定する(B6706)。変動
演出設定処理において、操作有効期間とボタン操作種別は対応付けて設定されている。判
定したボタン操作種別が、操作有効期間に対応して設定したボタン操作種別でない場合(
B6706の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了する。
【0505】
演出制御装置300は、判定したボタン操作種別が、操作有効期間に対応して設定した
ボタン操作種別である場合(B6706の結果が「Y」)、ボタン操作(演出ボタンスイ
ッチ25aの操作)に伴う操作対応演出を実行するための実行情報を設定して(B670
7)、ボタン操作の検出を無効に設定して操作促進表示と操作要求音を終了する(B67
08)。例えば、ここでの操作対応演出は、表示装置41での所定の画像の表示や可動役
物の動作である。その後、演出ボタン入力処理を終了する。
【0506】
なお、上記の演出ボタン入力処理において、ボタン操作は、演出ボタンスイッチ25a
(演出ボタンの本体部)の操作としたが、ボタン操作は、タッチパネル25bの操作(ス
ワイプ操作など)であってもよい。また、ボタン操作種別に関する判定(B6705、B
6706)をなくして、ボタン操作があったか否かだけを判定してもよい(B6704)
。
【0507】
〔変動図柄〕
図35は、第2実施形態に係る変動図柄450を例示する図である。変動図柄は、演出
制御装置300の画像ROM325に画像(画像オブジェクト)として記憶されてよい。
変動図柄は、スクロール変動で使用するスクロール図柄となり得るが、スクロール変動以
外の変動にも使用できる。図柄の変動として、スクロール変動の他に、揺れ変動、シェイ
ク変動、前後変動、切り換え変動、回転変動などの種類(タイプ)がある。なお、このよ
うな変動の各種類に応じた図柄を画像として画像ROM325に記憶しておき、これらを
変動表示に用いてもよい。変動図柄は、表示装置41の表示画面で変動表示される図柄で
あるが、飾り特図変動表示ゲームの結果を示す飾り停止図柄としても使用でき、飾り特図
変動表示ゲームの停止(終了)した際に表示装置41の表示画面で表示されてもよい。
【0508】
ここで、スクロール変動は、一連の複数の図柄が、順番に表示画面に出現して縦又は横
方向(上下方向又は左右方向)などの一方向に表示画面を横切って移動した後、表示画面
から消えるような変動表示である。例えば、複数の図柄は、1から9までの数字(図柄の
番号)に対応する9個の図柄である。揺れ変動は、仮停止時の変動表示であり、図柄が小
さく揺れるような変動表示である。シェイク変動(
図38A参照)は、遠近法によって図
柄が傾いて見えるように図柄が異形状に変位(変移、変形)されてまた元に戻るような変
動表示である。前後変動(前後スクロール)は、重なった一連の複数の図柄が前後方向に
移動するように遠近法などによって見せる変動表示である。切り換え変動は、単に一連の
複数の図柄を略同じ位置で順番に切り換えて表示する変動表示である。回転変動は、図柄
が軸を中心に回転するように遊技者に視認される変動表示である。回転変動は、一つの図
柄が回転するような変動態様だけでなく、一連の複数の図柄が一回転するごとに切り換え
て表示される変動態様でもよい。
【0509】
図35のように、本実施形態において変動図柄450は全体として長方形であるが、他
の形状でもよい。変動図柄450は、キャラクタ450a(キャラクタ画像、キャラクタ
部分)と、数字450b(図柄の番号)と、図柄450内での装飾又は背景となる図柄装
飾450c(装飾部、図柄背景画像、図柄内背景)と、を含む。即ち、変動図柄450は
、キャラクタ450aと数字450bと図柄装飾450cとを組み合わせて構成される。
そして、異なる数字450bに対応して、異なるキャラクタ450aと異なる図柄装飾4
50c(図柄背景画像)が設けられており、数字450bの他にキャラクタ450a及び
/又は図柄装飾450cが、図柄450を識別する識別情報となっている。キャラクタ4
50aは、完全に同一ではなく異なっているが、虎を模しており虎と認識できる程度の類
似性を有し、一部の形態(顔や頭部の模様など)に共通性がある。
【0510】
なお、大きなキャラクタ450aに数字450bを張り付けたような図柄450にして
、図柄装飾450cを省略する構成も可能である。
図35では、簡単のため、図柄装飾4
50cは模様として示されているが、風景などでもよい。また、
図35では、キャラクタ
450aと数字450bは、図柄450の長方形の枠450d内に位置するが、長方形の
枠450d内からはみ出てもよい。
【0511】
図35の変動図柄450は、画像ROM325に記憶された一の画像データに基づいて
表示されてよい。一の画像データは、複数のオブジェクト(キャラクタ450aと数字4
50bと図柄装飾450cと枠450d)を一体化した単一の画像データでよい。
【0512】
〔特殊図柄〕
図36は、所定の条件下において表示装置41の表示画面で表示される特殊図柄510
を例示する図である。本実施形態では、所定の条件とは、演出ボタン25の操作に関連す
る操作演出(ボタン演出)を実行する場合や、左図柄(第一特別図柄)、右図柄(第二特
別図柄)、中図柄(第三特別図柄)の3つの図柄のうちの少なくとも一つが仮停止(揺れ
変動)している仮停止中などであることである。なお、本実施形態において、仮停止中と
は、擬似連続演出における仮停止中、リーチ状態中、大当り図柄の再抽選演出中などであ
る。
【0513】
ここで、擬似連続演出とは、一回の特図変動表示ゲームの開始から終了(結果表示)ま
での間に、飾り特別図柄を変動して擬似的に仮停止表示(擬似停止表示)させるような擬
似変動(単演出、副演出、副変動)を、所定回数だけ行う演出である。なお、擬似停止表
示時に、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が停止表示されてよい。また、大当り図柄の
再抽選演出とは、左図柄、右図柄、中図柄の3つの図柄について仮停止表示した後に、3
つの図柄を表示し直して(再表示して)、3つの図柄を見かけ上再度抽選したように見せ
る演出である。なお、3つの図柄を再表示する前に全回転リーチが実行されてもよい。
【0514】
特殊図柄510は、特図変動表示ゲームの結果を示す飾り停止図柄としては使用できず
、飾り特図変動表示ゲームの停止(終了)の際に、表示装置41の表示画面で表示される
ことはない。また、特殊図柄510は、
図35の変動図柄450には含まれず変動図柄4
50とは異なるものである。なお、本実施形態において、特殊図柄510は、停止または
仮停止(揺れ変動)の状態で表示されるが、スクロール変動や回転変動などの大きく動く
変動(即ち、揺れ変動以外の変動)は行わない。これに限られず、特殊図柄510は、停
止または仮停止(揺れ変動)の状態以外の大きく動く変動表示において使用されてもよい
。
【0515】
図36のように、本実施形態において特殊図柄510は全体として長方形であるが、他
の形状でもよい。特殊図柄510は、演出ボタン25(キャラクタとみなしてもよい)を
模したボタン表示510a(特定部、特定表示、キャラクタ画像、ボタン画像、ボタンオ
ブジェクト、第1部分)、及び/又は、図柄内での装飾又は背景となる図柄装飾510c
(装飾部、図柄背景画像、図柄内背景、装飾オブジェクト、第2部分)、を含む。ここで
、図柄装飾510cは、牡丹の花を模した画像であり、ボタン表示510aとは異なって
区別できるものである。特殊図柄510は、所定の条件下で所定期間継続して表示画面内
に表示される観点からは一種類の図柄であるため、数字(図柄の番号)を含まない。また
、特殊図柄510は、操作有効期間(黒い部分)を表示するゲージ表示510bを含んで
よい。なお、ボタン表示510a及び/又はゲージ表示510bは、遊技者に演出ボタン
25(操作手段)の操作を促す操作促進表示を構成する。
【0516】
このように、特殊図柄510は、ボタン表示510aとゲージ表示510bと図柄装飾
510cのうちの一つ、又は、これらの二つ以上の組合せによって構成される。ボタン表
示510aやゲージ表示510bや図柄装飾510cが、特殊図柄510を変動図柄45
0などの他の図柄から識別する識別情報となっている。
【0517】
特殊図柄510は、一種類であるが図柄態様が変化可能である。本実施形態では、表示
画面において特殊図柄510の一部であるボタン表示510a(ボタンオブジェクト)は
常に同じ態様ではなく変化するため、特殊図柄510の図柄態様が変化することになる。
ボタン表示510aは、一連の変化を通して、共通のボタンであると認識できる程度の類
似性を有し、一部分(一部の外形や、模様など)に共通性がある。ボタン表示510aの
変化可能な態様は、形態(形状、模様、サイズ、及び、色彩など)の他に、表示画面にお
ける表示位置(表示座標)や、表示画面での見え方も含む。表示画面での見え方は、3D
(立体)のボタンオブジェクトであれば見え方を規定する視線方向に対応する。一方、図
柄装飾510cは、表示画面における表示位置を除いて常に同じ態様であり、形態は同じ
である。
【0518】
特殊図柄510は、所定の条件下で、所定期間の間継続して表示画面内に表示されるが
、この所定期間は、演出ボタン25の操作の検出が有効になる操作有効期間の開始直前(
例えば数秒直前)から操作有効期間の終了までである(
図38も参照)。なお、操作有効
期間は、デフォルトの一定の期間から時間経過とともに減少し、操作があった場合にはそ
の時点で終了する。
【0519】
図36の例において、特殊図柄510の図柄態様は、大きく図柄態様Iと図柄態様II
に分けられる(
図37も参照)。図柄態様Iにおいて、特殊図柄510は、ボタン表示5
10aと図柄装飾510cの組合せから構成され、ゲージ表示510bを有さない。図柄
態様IIにおいて、特殊図柄510は、ボタン表示510aとゲージ表示510bと図柄
装飾510cの組合せから構成される。
【0520】
操作有効期間の開始に対応する所定のタイミング(ほぼ操作有効期間の開始タイミング
)において、特殊図柄510の図柄態様は、図柄態様Iから図柄態様II(II-1)に
変化する。図柄態様II(II-1)において、図柄態様Iから、ボタン表示510aの
形態(サイズなど)、表示位置、及び、表示画面での見え方が変化する。一方、図柄態様
II(II-1)において、図柄態様Iから、図柄装飾510cの形態は全く変化しない
。
【0521】
図柄態様IIにおいて、図柄態様Iから、ボタン表示510aのサイズが小さくなり表
示位置が下側になる。また、図柄態様IIにおいて、図柄態様Iから、より上側から演出
ボタン25を見たような見え方に、ボタン表示510aが変化する。このように、操作有
効期間の開始(所定のタイミング)の前後で、ボタン表示510aの態様が変化するため
、遊技者はボタン表示510aに注目して、演出ボタン25の操作が促される。なお、図
柄態様Iにおいて、ボタン表示510aは、図柄装飾510cと一体化して特殊図柄51
0全体の画像(画像データ)の一部として2次元的(平面的)に表示されてよい。しかし
、図柄態様IIにおいて、ボタン表示510aは、特殊図柄510全体の画像の一部とし
てではなく、図柄装飾510cとは独立した画像データに基づいて図柄装飾510cから
浮き出るように3次元的(立体的)に表示されてよい。
【0522】
また、図柄態様IIにおいて、目立つようにボタン表示510aとゲージ表示510b
は図柄装飾510cよりも優先的に前面側に重ねて表示されているが、図柄態様Iにおい
て、ボタン表示510aは図柄装飾510cよりも非優先で背面側(奥側)に隠れて表示
されており、ゲージ表示510bはない。
【0523】
また、所定のタイミングで、ボタン表示510aは、部分的に往復動作するような変化
(変形、変位)の一環として、演出ボタンスイッチ25aに対応する部分が押されて引っ
込むように見える移動を開始する。さらに、所定のタイミングで、図柄装飾510cは、
表示画面における揺れ変動(揺れ動作)の一環として、特殊図柄510の枠510dとと
もに上側に移動を開始する(
図38B(コ)参照)。なお、図柄態様Iから図柄態様II
(II-1)に変化する所定のタイミングから少し遅れて、ボタン表示510aの往復動
作と図柄装飾510cの揺れ動作が開始してよい。
【0524】
所定のタイミング以後、ゲージ表示510bが示す操作有効期間(黒色の部分)の長さ
は、デフォルトの一定の長さ(一定の期間)から徐々に減少し、黒色の部分の左右方向の
長さは短くなる。また、所定のタイミング以後、ボタン表示510aは、演出ボタンスイ
ッチ25aに対応する部分が往復動作を繰り返し、図柄装飾510cと枠510dは表示
画面において揺れ変動を繰り返す。これにより、図柄態様は、図柄態様IIの範疇で、図
柄態様II-1・・・II-i・・・II-nのように変化する。
【0525】
なお、図柄態様II-1からII-n(特にII-i)において、ボタン表示510a
とゲージ表示510bの位置が、図柄装飾510cと枠510dに対して相対的に移動し
ているが、これは図柄装飾510cと枠510dの揺れ変動によるものである。実際には
、ボタン表示510a(特に、演出ボタンスイッチ25aに対応する部分の周りの環状部
分)とゲージ表示510bは、表示画面に対して表示位置が固定されている(
図37、図
38参照)。なお、ボタン表示510aとゲージ表示510bの形態(形状又は模様)は
変化する。一方、図柄装飾510cと枠510dは、揺れ変動(
図37の↑↓)によって
、形態(形状、模様、サイズ、及び、色彩など)は変化せず、表示画面における表示位置
(表示座標)だけが変化する。なお、図柄装飾510cと枠510dは、揺れ変動しない
ようにして、態様を変化させないことも可能である。
【0526】
以上のように、ボタン表示510a(特定部)は、所定のタイミングにおいて形態が大
きく変化し、同時に又はやや遅れて一部分(演出ボタンスイッチ25aに対応する部分)
が往復動作を開始する一方で、図柄装飾510cは、所定のタイミングにおいて形態が変
化せず維持されて、所定のタイミングと同時に又はやや遅れて揺れ動作を開始する。従っ
て、所定のタイミングにおいて、ボタン表示510aの態様は変化する一方で、図柄装飾
510c(装飾部)の態様は、ボタン表示510aとは異ならせて変化するか、又は、全
く変化しない(維持される)ことになる。これによって、遊技者は、所定のタイミングに
おいてボタン表示510aに注目し易くなるとともに、態様が変化しても特殊図柄510
をスクロール図柄と誤認し難くなり、遊技の興趣が向上する。
【0527】
また、特殊図柄510の枠510d内にのみ着目すると、所定のタイミングで、ボタン
表示510a(特定部)の態様は、少なくとも枠510d内において変化するとともに、
図柄装飾510c(装飾部)の態様は、枠510d内において変化しない。従って、特殊
図柄510の枠510d内では、ボタン表示510aの態様のみが変化するため、ボタン
表示510aが、所定のタイミングで遊技者の注意を強く引くことになる。
【0528】
図柄態様Iの特殊図柄510は、そのまま、演出制御装置300の画像ROM325に
画像(画像オブジェクト)として記憶されてよい。即ち、図柄態様Iで表示される場合に
、特殊図柄510(所定の図柄、所定の画像)は、画像ROM325に記憶された一の画
像データに基づいて表示されてよい。一の画像データは、複数のオブジェクト(ボタン表
示510aと図柄装飾510cと枠510d)を一体化した単一の画像データでよい。
【0529】
また、図柄態様IIにおいて、形態が時間的に変化するオブジェクトとして、ボタン表
示510aとゲージ表示510bは、演出制御装置300の画像ROM325に動画像(
アニメーション、動画)として記憶されてよい。動画像は圧縮されて記憶されてよい。形
態が時間的に変化しないオブジェクトとして、図柄装飾510cと枠510dは、まとめ
て、画像ROM325に静止画像(静止画)として記憶されてよい。このように、図柄態
様IIに関して、ボタン表示510aとゲージ表示510bは、各々、図柄装飾510c
と枠510dとは独立した画像データでよい。このように、図柄態様IIで表示される場
合(特定の場合、特定条件が成立する場合、所定期間)に、特殊図柄510(所定の図柄
、所定の画像)は、画像ROM325に記憶された複数(或いは複数種類)の画像データ
に基づいて表示されてよい。ここでは、複数の画像データは、動画像と静止画像であるが
、全て動画像、又は、全て静止画像でもよい。そして、例えば、図柄態様IIの特殊図柄
510は、図柄装飾510cと枠510dの静止画像の表示画面における表示位置を揺れ
変動として時間的に変えながら、ボタン表示510aとゲージ表示510bの動画像を固
定された表示位置(固定位置)に前面側(又は上層側のレイヤ)から表示することで形成
されてよい。
【0530】
或いは、例えば、図柄態様IIの特殊図柄510は、ボタン表示510aとゲージ表示
510bの動画像のコマを相対的な位置を変化させて図柄装飾510cに対して張り付け
て、各図柄態様II-1・・・II-i・・・II-nごとに合成して形成されてよい。
そして、合成画像としての特殊図柄510の表示位置を揺れ変動するように変化させても
よい。
【0531】
〔特殊図柄の図柄態様の変化例〕
図37は、特殊図柄510の図柄態様の変化例を示す図である。変化IIは、
図36に
おける変化と同じである。特殊図柄510は、所定のタイミングにおいて、図柄態様Iか
ら図柄態様IIに大きく変化する。図柄態様IIにおいて、さらに細かく図柄態様II-
1・・・II-i・・・II-nのように小さく変化する。図柄態様IIでは、図柄装飾
510cと枠510dは、揺れ変動(
図37の上下方向の矢印↑↓で示す)によって表示
画面における表示位置だけが上下方向内で変化し、ボタン表示510aとゲージ表示51
0bは、表示位置が固定されているが、形態だけが変化する。なお、揺れ変動の方向は、
上下方向以外に、左右方向等の一方向でよい。
【0532】
特殊図柄510のボタン表示510aは、所定のタイミングにおいて態様が大きく変化
した後に(図柄態様I→図柄態様II-1)、小さく態様が変化する(図柄態様II-1
・・・II-i・・・II-n)。従って、遊技者は、大きな変化でボタン表示510a
に注目して操作演出(ボタン演出)が発生したことがわかり、その後のボタン表示510
aの小さな変化で操作有効期間の経過がわかり、演出ボタン25の操作を促される。
【0533】
本実施形態では、図柄装飾510cと枠510dの揺れ変動(振動)の周期と、ボタン
表示510aにおいて演出ボタンスイッチ25aに対応する部分の往復動作(振動)の周
期は同じであり、揺れ変動と往復動作の協調した動きによって興趣が向上する。このため
、図柄装飾510cと枠510dが最も下側の位置にある場合に、演出ボタンスイッチ2
5aに対応する部分が引っ込んでおらず初期位置にあり(図柄態様II-1、II-n)
、図柄装飾510cと枠510dが最も上側の位置にある場合に、演出ボタンスイッチ2
5aに対応する部分が最大限に引っ込んで最大動作位置に移動している(図柄態様II-
i)。なお、揺れ変動と往復動作の周期を揃えず、同期させない構成も可能である。
【0534】
変化IIIでは、特殊図柄510は、所定のタイミングにおいて、図柄態様Iから図柄
態様IIIに大きく変化する。そして、図柄態様IIIにおいて、さらに細かく図柄態様
III-1・・・III-i・・・III-nのように小さく変化する。図柄態様III
は、図柄態様IIと同様であるが、ボタン表示510aにおいて、演出ボタンスイッチ2
5aに対応する部分の初期位置(図柄態様III-1、III-n)では、当該部分は飛
び出している。また、図柄態様IIIは、図柄態様IIからボタン表示510aの見え方
が変化している。
【0535】
変化IVでは、特殊図柄510は、所定のタイミングにおいて、図柄態様Iから図柄態
様IVに大きく変化する。図柄態様IVでは、ボタン表示510aは、特殊図柄510の
外部に飛び出して表示画面の中央で図柄態様Iよりも大きく表示される。図柄態様IVで
は、特殊図柄510は、図柄装飾510cと枠510dだけから構成されている。飛び出
したボタン表示510aの下には、ゲージ表示510bが表示される。所定のタイミング
以降の図柄態様IV-1から図柄態様IV-nでは、特殊図柄510は、表示位置が揺れ
変動によって上下に変化するだけで、形態自体は維持されて変化しない。
【0536】
なお、特図変動表示ゲームが大当りとなる期待度に応じて、ボタン表示510aの態様
(ひいては特殊図柄510の態様)を変化させてよい。例えば、変化IIは期待度が小さ
く、変化IIIは期待度が中程度であり、変化IVは期待度が大きくなるようにしてよい
。これにより、遊技者は、ボタン表示510aの態様(ひいては特殊図柄510の態様)
の変化に注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
【0537】
また、図柄態様Iから図柄態様II-1、III-1、IV-1に変化する所定のタイ
ミングにおいて、ボタン表示510aの形態は大きく変化するが、図柄装飾510cの形
態は維持されて、特殊図柄510の上部は何もない空の状態となる。従って、態様が変化
しても特殊図柄510を変動図柄と誤認し難くなる。
【0538】
〔画面遷移〕
図38A-
図38Cは、第2実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示
した画面遷移図の一例である。
【0539】
図38Aの(ア)は、飾り特図変動表示ゲームを開始する際の表示画面である。飾り特
図変動表示ゲームは、交互に実行される特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの
いずれでもよい。飾り特別図柄(大図柄、識別情報)としての変動図柄(
図35)が変動
表示領域610で停止中であり、飾り縮小図柄(小図柄、識別情報)が変動表示領域61
5で停止中である。変動表示領域610の左領域610A、右領域610B、中領域61
0Cで、それぞれ、左図柄(飾り第1図柄A)、右図柄(飾り第1図柄B)、中図柄(飾
り第1図柄C)が停止している。また、表示画面において、演出モードを示すモード表示
502(ステージ表示、遊技状態表示)が、「通常モード」として示されて、左打ち状態
である通常遊技状態であることを示す。なお、同じ通常遊技状態でも演出モード(演出ス
テージ)として複数のモード(ステージ)が設けられる場合には、モード表示502は、
各モード(各ステージ)の名称を表示してもよい。
【0540】
保留表示部530は、第1始動記憶(特
図1保留、特
図1始動記憶)と第2始動記憶(
特
図2保留、特
図2始動記憶)を保留表示533としてまとめて表示する。本実施形態に
おいて、特図保留数(始動記憶数)の上限値(A2905)は、第1始動記憶と第2始動
記憶の各々に対して4個である。このため、保留表示部530は、個々の保留表示533
を収容して表示する保留表示枠530aを8個有し、第1始動記憶と第2始動記憶は発生
した順番(入賞順)に、右詰めで保留表示部530に表示される。左打ち状態である通常
遊技状態では、入賞切替機構105(
図2)によって、第1始動記憶と第2始動記憶は交
互に発生するため、隣接する2つの保留表示枠530aの一方に第1始動記憶の保留表示
533が表示され、他方に第2始動記憶の保留表示533が表示される。なお、右打ち状
態である特定遊技状態(確変状態、時短状態)では、普通変動入賞装置37への入賞によ
る第2始動記憶しか基本的に発生しないため、保留表示枠530aは4個だけ表示されて
よい。この場合に、8個の保留表示枠530aのうち左側の4つを所定の画像で前面側か
ら覆って隠蔽してもよい。
【0541】
また、(ア)では、保留表示部530において、保留表示533(特
図1保留表示又は
特
図2保留表示)が右側に移動(保留シフト)する。そして、四角形枠の保留消化領域5
40に保留表示部530の右端の保留表示533が移動する。
【0542】
なお、ここで開始する飾り特図変動表示ゲームでは、所定回数の擬似変動からなる擬似
連続演出が実行される。擬似連続演出と、擬似変動の所定回数は、例えば、変動演出設定
処理のステップB2010で決定されてよい。
【0543】
その後、(イ)では、大図柄としての変動図柄の変動(↓↓↓)が変動表示領域610
で実行中であり、小図柄の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で実行中である。変動表
示領域610の左領域610A、右領域610B、中領域610Cで、それぞれ、左図柄
(飾り第1図柄A)、右図柄(飾り第1図柄B)、中図柄(飾り第1図柄C)が変動して
いる。また、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(この特図変動表示ゲームの実行権
利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示533aが、保留消化領域640に表示
されている。表示装置41の表示画面の右上隅の特
図1保留数表示部650と特
図2保留
数表示部660には、それぞれ、特
図1保留数を示す数字「1」と特
図2保留数を示す数
字「1」が表示されている。
【0544】
そして、(ウ)では、擬似連続演出の1回目の擬似変動(単演出)が終わって左図柄が
仮停止表示(擬似停止表示)され、揺れ変動を行っている。
【0545】
その後、(エ)では、右領域610Bの右図柄の変動が、スクロール変動から、複数の
図柄を略同じ位置で順に切り換えて表示する切り換え変動に変わる。右図柄として、数字
「7」を付した変動図柄450が、手の画像460によって札やカードを出すように表示
画面に表示される。なお、変動図柄450は、上下方向から所定の角度(例えば-45度
)だけ斜めに傾けて表示される。手の画像460は、変動図柄450よりも前面側に表示
される。このように、(ウ)における図柄(ここでは左図柄)の仮停止表示(擬似停止表
示)を契機として、(エ)において、図柄(ここでは右図柄)の変動の態様が、スクロー
ル変動から切り換え変動のように変化するため、演出が変化に富むようになり遊技の興趣
が向上する。
【0546】
また、このときに、左領域610Aの左図柄が、揺れ変動からシェイク変動に変わって
、遠近法によって図柄が傾いて見えるように図柄が異形状に変位(変移、変形)されてま
た元に戻る。これによって、札やカードを出した振動で左図柄が左端を軸にして旋回して
から元に戻るように見え、遊技の興趣が向上する。なお、異形状への変位は、公知の透視
投影変換や射影変換などを用いることができ、遠近法によって画像を傾けて見えるように
する手法は、例えば、特開平06-068272号公報、特開平09-237355号公
報、特開2019-130097号公報に記載されている。
【0547】
続いて、(オ)では、手の画像460が非表示になるとともに、一回目のシェイク変動
が終了する。
【0548】
その後、(カ)では、切り換え変動の右図柄として、数字「1」を付した変動図柄45
0が、手の画像460によって札やカードを出すように表示画面に表示される。手の画像
460は、変動図柄450、モード表示502、保留表示枠530a(保留表示部530
)、保留表示533、変動中保留表示533a、保留消化領域540よりも前面側に表示
され、遊技者に驚きを与えて興趣が向上する。このときに、(エ)と同様に、左領域61
0Aの左図柄が、二回目のシェイク変動を行って、遠近法によって図柄が傾いて見えるよ
うに異形状に変位(変移、変形)されてまた元に戻る。
【0549】
数字「1」の変動図柄450(450(2))は、先に表示された数字「7」の変動図
柄450(450(1))に重ねて前面側に優先して表示される。この際に、数字「7」
の変動図柄450は目立たないようにするため、(オ)の状態から明るさや彩度を下げて
表示されたり、透明度を高めたりして薄く表示される。なお、数字「1」の変動図柄45
0は、上下方向から斜めに所定の角度(例えば45度)だけ傾けて、数字「7」の変動図
柄450と交差するように表示される。
【0550】
続いて、
図38Bの(キ)では、手の画像460が非表示になるとともに、二回目のシ
ェイク変動が終了する。
【0551】
次に、(ク)では、右図柄として、特殊図柄510が、手の画像460によって札やカ
ードを出すように表示画面に表示される。なお、特殊図柄510は、長手方向が上下方向
に沿って表示され(傾き0度)、2つの変動図柄450に重ねて前面側に優先的に表示さ
れる。このように、特殊図柄510と2つの変動図柄450は、略同一の位置に重ねて表
示され、面白みのある演出となり、遊技の興趣が向上する。
【0552】
なお、(ク)では、左領域610Aの左図柄は、シェイク変動から揺れ変動(仮停止表
示)に変わり、(エ)(カ)と異なり、左領域610Aの左図柄はシェイク変動を実行し
ない。即ち、(ク)では、擬似連続演出の2回目の擬似変動(単演出)が終わって左図柄
が仮停止表示(擬似停止表示)され、揺れ変動を行っている。そして、特殊図柄510は
、擬似連図柄とみなすこともできる。
【0553】
続いて、(ケ)では、手の画像460が非表示になる。ここで、特殊図柄510の態様
は、
図36と
図37の図柄態様Iである。
【0554】
次に、(コ)では、操作有効期間の開始に対応する所定のタイミングにおいて、特にボ
タン表示510aの形態が大きく変化することによって、特殊図柄510の図柄態様は、
図柄態様Iから図柄態様IIに大きく変化する(
図36と
図37参照)。そして、所定の
タイミングにおいて、図柄装飾510cは、最も下側の位置から枠510dとともに揺れ
変動を開始する。このように、(ク)(ケ)における特殊図柄510(擬似連図柄とみな
してよい)の表示を契機として、図柄(ここでは右図柄)の変動の態様が、(キ)の切り
換え変動から(コ)の揺れ変動のように変化するため、演出が変化に富むようになり遊技
の興趣が向上する。
【0555】
また、(コ)では、形態の変化したボタン表示510aにおいて、一部分(演出ボタン
スイッチ25aに対応する部分)が往復動作を開始する。遊技者には、演出ボタンスイッ
チ25aに対応する部分が略前後方向に往復動作するように見えることになる。また、ゲ
ージ表示510bが図柄装飾510cに重ねて前面側に優先的に表示される。
【0556】
その後、(サ)では、特殊図柄510の態様は、
図36と
図37の図柄態様II-iと
なり、ボタン表示510aは、演出ボタンスイッチ25aに対応する部分が最大限に引っ
込んで最大動作位置に移動しているように認識される。揺れ変動中の図柄装飾510cと
枠510dは、最も上側の位置にある。ゲージ表示510bが示す操作有効期間(黒色の
部分)の左右方向の長さは、時間経過によって(コ)から短くなる。なお、ボタン表示5
10a(特に、演出ボタンスイッチ25aに対応する部分の周りの環状部分)とゲージ表
示510bの表示位置は、表示画面において(コ)から変化せず固定されている。
【0557】
次に、(シ)では、表示画面は、ゲージ表示510bを除いて(コ)と同じである。こ
こでは、揺れ変動中の図柄装飾510cと枠510dは、最も下側の位置にある。ゲージ
表示510bが示す操作有効期間(黒色の部分)の左右方向の長さは、時間経過によって
(サ)から短くなる。
【0558】
続いて、(ス)では、表示画面は、ゲージ表示510bを除いて(サ)と同じである。
ここでは、揺れ変動中の図柄装飾510cと枠510dは、最も上側の位置にある。ゲー
ジ表示510bが示す操作有効期間(黒色の部分)の左右方向の長さは、時間経過によっ
て(シ)から短くなる。
【0559】
次に、(セ)では、表示画面は、ゲージ表示510bを除いて(コ)(シ)と同じであ
る。ここでは、揺れ変動中の図柄装飾510cと枠510dは、最も下側の位置にある。
ゲージ表示510bが示す操作有効期間(黒色の部分)の左右方向の長さは、時間経過に
よって(ス)から短くなる。
【0560】
(コ)から(セ)までにおいて、図柄装飾510cと枠510dは、2周期分の揺れ変
動を行うとともに、ボタン表示510aは、この揺れ変動に同期して、演出ボタンスイッ
チ25aに対応する部分が2周期分の往復動作を行う。往復動作において、当該部分は、
押し込まれてないように認識される初期状態(初期位置、例えば(コ))から、押し込ま
れたように認識される最大動作状態(最大動作位置、例えば(サ))になり、その後、押
し込まれてないように認識される初期状態(初期位置、例えば(シ))に戻る。ボタン表
示510aの表示及び/又は部分的な往復動作(変位、変形)は、遊技者に演出ボタン2
5の操作を促すための操作促進表示(操作前演出)となる。
【0561】
なお、遊技の興趣を向上させるために、図柄装飾510cと枠510dの揺れ変動と、
ボタン表示510aの部分的な往復動作のいずれか一方の周期を、大当りの期待度に応じ
て他方の周期に対して長くするか又は短くして、同期させない構成とすることもできる。
また、大当りの期待度に応じて、一方の周期を他方の周期の数倍にすることもできる。
【0562】
その後、(ソ)では、(セ)の直後に遊技者が演出ボタン25を操作したことに対応し
て、操作対応演出が実行される。操作対応演出では、表示画面の略全体に広がる雲状の広
域画像463が文字表示「大成功!」を含んで表示される。
【0563】
そして、(タ)では、特図変動表示ゲームの結果として、左右中で同じ停止図柄が揃っ
た大当りの停止結果「1,1,1」が表示される。ここで、数字「1」の変動図柄450
が左右中の大当りの停止図柄としても使用されるが、特図変動表示ゲームの結果の表示に
のみ使用される停止図柄が用意されてもよい。なお、特図変動表示ゲームのはずれ結果の
場合には、(タ)では、左右中で同じ停止図柄が揃わないはずれの停止結果(例えば「1
,3,5」)を表示する。
【0564】
なお、演出制御装置300は、停止図柄設定処理(B2013)において、変動図柄4
50を停止図柄としても使用しても、特殊図柄510を停止図柄として使用することはな
い。また、演出制御装置300は、停止図柄設定処理(B2013)において、大当りの
停止図柄を、大当りの図柄種別(B1802)に対応して設定する。
【0565】
続いて、(チ)では、大当りラウンド開始前にファンファーレ演出が行われ、大当りの
図柄種別(B1802)に対応するラウンド数上限値を示唆する文字表示(ここでは「R
EGボーナス」)が表示されるとともに、数字「1」の停止図柄で大当りとなったことを
示す表示462が表示される。なお、ラウンド数上限値を示唆する文字表示は、ラウンド
数上限値が小さい場合には「REGボーナス」などと表示されるが、ラウンド数上限値が
大きい場合には「BIGボーナス」などと表示される。例えば、大当りの種類(図柄種別
)が10R確変大当り(10R確変大当り図柄)であれば、ラウンド数上限値は10であ
り、大当りの種類(図柄種別)が4R確変大当り(4R確変大当り図柄)であればラウン
ド数上限値は4である。なお、ファンファーレ演出は、ファンファーレ演出設定処理(B
2102)で設定される。
【0566】
(チ)の後に、表示画面では、大当りラウンド演出が実行される。
【0567】
〔ガセ演出〕
図39は、表示装置41の表示画面の画面遷移(
図38)において、ガセ演出が発生す
る例を示す図である。
【0568】
図38Cの(セ)の直後に遊技者が演出ボタン25を操作しても、直接的に(ソ)の表
示画面に遷移するのではなく、(ソ)の前に、(セ-1)のようにガセ演出が実行される
。(ソ)を経て(タ)のように特図変動表示ゲームの結果が大当り結果となるにもかかわ
らず、ガセ演出では、左右の図柄が「1」と「2」の図柄で揃わずにはずれになるように
見せかける。ガセ演出で落胆した遊技者は、大当りとなって大きく喜ぶため、遊技の興趣
が向上する。
【0569】
〔再抽選演出〕
図40は、表示装置41の表示画面の画面遷移(
図38)において、再抽選演出が発生
する例を示す図である。
【0570】
図38Cの(ソ)の後に、(タ)において、図柄の変動が完全に停止(図柄確定)して
大当りの停止結果が表示されるのではなく、
図40の(タ-1)のように、左右中で数字
「1」の変動図柄450が仮停止状態の揺れ変動を行う。
【0571】
その後、(タ-2)では、中図柄として揺れ変動している数字「1」の変動図柄450
において、ボタン表示510aが、変動図柄450の一部としてキャラクタ450aと図
柄装飾450cに重ねて張り付けられて表示される。ボタン表示510aの形態は、(ケ
)と同じである。なお、再抽選演出中の(タ-2)での変動図柄450(所定の図柄、所
定の画像)は、画像ROM325に記憶された一の画像データに基づいて表示されてよい
。一の画像データは、複数のオブジェクト(ボタン表示510aとキャラクタ450aと
数字450bと図柄装飾450cと枠450d)を一体化した単一の画像データでよい。
また、これに限られず、(タ-2)での変動図柄450は、画像ROM325に記憶され
たボタン表示510aの画像データと別の画像データ(キャラクタ450aと数字450
bと図柄装飾450cと枠450dを一体化した画像データ)と、に基づいて表示されて
もよい。
【0572】
次に、(タ-3)では、
図38Bの(コ)と同じく、左右中の図柄が仮停止中(揺れ変
動中)で最も下側の位置にあるタイミングにおいて、ボタン表示510aの形態と表示位
置と見え方が大きく変化する。また、ゲージ表示510bが図柄装飾450c(或いはキ
ャラクタ450a)に重ねて前面側に表示される。そして、このタイミングで、ボタン表
示510aは、一部分(演出ボタンスイッチ25aに対応する部分)が往復動作するよう
な変化を開始する。キャラクタ450aと図柄装飾450cと枠450dは、仮停止状態
の揺れ変動を継続する。
【0573】
その後、(タ-4)では、左右中の図柄が仮停止中(揺れ変動中)で最も上側の位置に
ある。ボタン表示510aとゲージ表示510bが、キャラクタ450aと図柄装飾45
0cと枠450dとともに揺れ変動して、キャラクタ450aと図柄装飾450cと枠4
50dに対する位置は固定されているが、表示画面に対する表示位置は固定されていない
。このようにすると、図柄装飾450cと操作促進表示(ボタン表示510aとゲージ表
示510b)との一体性が増す。なお、特殊図柄510と同じく、ボタン表示510a(
特に、演出ボタンスイッチ25aに対応する部分の周りの環状部分)とゲージ表示510
bは、表示画面に対して表示位置が固定される構成も可能である。
【0574】
特定の場合(特定条件が成立する場合、所定期間)としての(タ-3)(タ-4)で、
変動図柄450(所定の図柄、所定の画像)は、画像ROM325に記憶された複数(或
いは複数種類)の画像データに基づいて表示されてよい。ここでは、複数の画像データは
、ボタン表示510a(及び/又はゲージ表示510b)の動画像と、キャラクタ450
aと数字450bと図柄装飾450cと枠450dを一体化した静止画像を含む。
【0575】
次に、(タ-5)では、(タ-4)の直後に遊技者が演出ボタン25を操作したことに
対応して、(ソ)と同様に操作対応演出が実行される。
【0576】
そして、(タ-6)では、特図変動表示ゲームの結果として、左右中で同じ停止図柄が
揃った大当りの停止結果「7,7,7」が表示される。再抽選演出によって、(タ-1)
の左右中で仮停止した図柄「1,1,1」から「7,7,7」に再度抽選されたかの如く
見せることができる。なお、特図変動表示ゲームの開始時の停止図柄設定処理(B201
3)において、大当りの停止結果「7,7,7」は予め決まっているが、(タ-6)の段
階で実際に再抽選を行う構成も可能である。
【0577】
(タ-6)の後に、(チ)と同様に、大当りラウンド開始前にファンファーレ演出が行
われるが、ラウンド数上限値を示唆する文字表示(ここでは「BIGボーナス」)が表示
されるとともに、数字「7」の停止図柄で大当りとなったことを示す表示462が表示さ
れる。
【0578】
〔画面遷移2〕
図41は、第2実施形態に関して、大当り状態での表示装置41の表示画面を時系列で
示した画面遷移図の一例である。
図41は、通常遊技状態を挟むことなく、時短状態や確
変状態を介して5回目の大当りが発生した場合、即ち、5連荘目の大当り状態(特別遊技
状態)に突入した場合を示す。
【0579】
図41の(ツ)は、大当り演出のうちファンファーレ演出が終了して、大当りのラウン
ド演出が開始したところである。表示画面でのファンファーレ演出は、(チ)と同様であ
るが、ラウンド数上限値を示唆する文字表示が「BIGボーナス」と表示されるとともに
、数字「7」の停止図柄で大当りとなったことを示す表示462が表示される。なお、大
当りのラウンド演出はラウンド演出設定処理(B2105)で設定される。
【0580】
(ツ)では、ファンファーレ演出から継続して数字「7」の停止図柄で大当りとなった
ことを示す表示462が表示されるとともに、今回の大当りのラウンド数上限値を示唆す
る文字表示(ここでは「BIGボーナス」)が表示される。また、表示画面において、過
去の大当りに関する情報を表示する大当り情報表示領域464が設けられる。大当り情報
表示領域464において、大当りに対応する星印(★又は☆)が過去4回分表示されると
ともに、各大当りのラウンド数上限値を示唆する文字表示BIG(BIGボーナスの略)
とREG(REGボーナスの略)の一方が星印の下に表示される。星印は、ラウンド数上
限値が10Rで大きいBIGボーナスに対応する場合には黒塗りの表示★であり、ラウン
ド数上限値が4Rで小さいREGボーナスに対応する場合には白塗りの表示☆である。
【0581】
また、(ツ)では、右打ちするよう指示する報知として右打ち指示表示465が表示さ
れる。また、表示画面において、現在スピーカから出力されている楽曲を表示する楽曲表
示領域466が設けられる。さらに、表示画面において、一のラウンドでの残りの大入賞
口カウント数(大入賞口への残りの入賞回数)を表示する残り入賞回数表示領域468と
、現在のラウンドを表示するラウンド表示領域469が設けられる。残り入賞回数表示領
域468では、一のラウンドでの大入賞口カウント数の上限値「10」に対して10個の
○が表示され、ラウンド表示領域469では、現在のラウンドが「ラウンド1」と表示さ
れる。
【0582】
さらに、表示画面において、現在のラウンドにおいて獲得された獲得遊技球数(出玉数
)を示す第1獲得遊技球数表示471と、連荘中において獲得されたトータル(合計)の
獲得遊技球数(出玉数)を示す第2獲得遊技球数表示474が表示される。(ツ)のラウ
ンド1の初期画面の段階では、第1獲得遊技球数表示471の遊技球数はゼロであり「獲
得 0000舞」と表示され、第2獲得遊技球数表示474の遊技球数は例えば4000
であり「Total 4000舞」と表示される。
【0583】
次に、(テ)では、大入賞口への1回目の入賞が発生したことに対応して残り入賞回数
表示領域468に9個の○が表示され、大入賞口への残りの入賞回数が「9」であること
が認識できる。また、第1獲得遊技球数表示471と第2獲得遊技球数表示474の遊技
球数が、1つずつ獲得遊技球数(ここでは賞球数15×1回)の分だけ増加し始める。
【0584】
また、ここで、エフェクト476が、大入賞口への入賞に対応して、第1獲得遊技球数
表示471に前面側から重なって発生する。後述するように、大入賞口への入賞によって
第1獲得遊技球数表示471の遊技球数が入賞前の獲得遊技球数まで一気に更新されるた
め、エフェクト476によって第1獲得遊技球数表示471の遊技球数から遊技者の注意
を逸らしている。なお、エフェクト476は、半透明にするなどして、第1獲得遊技球数
表示471の遊技球数を完全には隠蔽しておらず、遊技球数を視認可能である。
【0585】
その後、(ト)では、第1獲得遊技球数表示471の遊技球数は「8」と表示され、第
2獲得遊技球数表示474の遊技球数は「4010」と表示される。第2獲得遊技球数表
示474での遊技球数の増加速度(単位時間当たりの増加数)は、第1獲得遊技球数表示
471での増加速度よりも大きくしている。これによって、獲得した遊技球数が急激に増
加しているように遊技者に思わせることができ、遊技の興趣が向上する。
【0586】
次に、(ナ)では、大入賞口への2回目の入賞が発生する。残り入賞回数表示領域46
8に8個の○が表示され、大入賞口への残りの入賞回数が「8」であることが認識できる
。第1獲得遊技球数表示471の遊技球数は、2回目の入賞前の獲得遊技球数「15」へ
、「8」から一気に更新される。これにより、第1獲得遊技球数表示471の遊技球数と
獲得遊技球数の誤差は、賞球数15以内に収まるため、遊技者は第1獲得遊技球数表示4
71によって獲得遊技球数を概略的に把握できる。一方、第2獲得遊技球数表示474の
遊技球数は、「4015」へ一気に更新されることはなく、1つずつ獲得遊技球数(ここ
では4000+賞球数15×2回)に向けて増加し続けるため、遊技者は遊技球が獲得で
きているという感覚(出玉感)を得られる。このように、第1獲得遊技球数表示471と
第2獲得遊技球数表示474の遊技球数の増加態様が異なることで、遊技者に機械的に獲
得遊技球数が増加する印象を与えることを防止でき、表示画面での演出性や装飾性が増す
。
【0587】
また、(ナ)では、エフェクト476によって第1獲得遊技球数表示471の更新から
遊技者の注意を逸らすことができ、第1獲得遊技球数表示471の遊技球数が飛ぶことへ
の違和感を緩和できる。
【0588】
続いて、(ニ)では、第1獲得遊技球数表示471の遊技球数は「15」から1つずつ
増えて「18」になり、第1獲得遊技球数表示471の遊技球数は「4012」から1つ
ずつ増えて「4016」になる。ここでも、第2獲得遊技球数表示474での遊技球数の
増加速度は、第1獲得遊技球数表示471での増加速度よりも大きい。
【0589】
その後、(ヌ)では、ラウンド10まで終了して、大当りのエンディング演出が実行さ
れる。大当りのエンディング演出では、第1獲得遊技球数表示471は表示されないが第
2獲得遊技球数表示474は表示される。
【0590】
〔ランプ表示装置80〕
図42は、第2実施形態に関して、ランプ表示装置80の構成を説明する図である。
【0591】
図42の上図のように、ランプ表示装置80の一例は、直線状に並んだ特
図1用のラン
プ表示部1、3、4と、直線状に並んだ特
図2用のランプ表示部2、5、6が、並列して
配置されるものである(例1)。ランプ表示装置80の他例は、特
図1用のランプ表示部
1、3、4と特
図2用のランプ表示部2、5、6との合計6個のランプ表示部が直線状に
配置されるものである(例2)。
【0592】
中図のように、ランプ表示装置80は、第四特別図柄(第4図柄)として所定の点滅周
期で点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(L
ED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数(保留数)報知用のランプ表示部3-6(
LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300で制御される。
【0593】
ランプ表示部3、4(飾り特
図1保留LED1、飾り特
図1保留LED2)は、消灯状
態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特
図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同
様に、ランプ表示部5、6(飾り特
図2保留LED1、飾り特
図2保留LED2)は、消
灯状態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特
図2保留数(第2始動記憶数)を表示する
。
【0594】
各ランプ表示部は、フルカラーLEDであるが、RGB(赤緑青)の発光素子のうちR
G(赤緑)のみを使用している。即ち、フルカラーLEDのRGBの3つの端子のうちR
Gの2つの端子のみ導電線を接続することによって使用している。
【0595】
ランプ表示部1、2は、消灯→赤色点灯→消灯→緑色点灯の順で、第4図柄の態様が変
化することによって変動表示を行う。そして、下図のように、ランプ表示部1、2は、第
4図柄として、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合に消灯し、大当り結果又は小当
り結果の場合に赤色(R)又は黄色で発光する。なお、黄色はRGの2色を発光させた合
成色である。
【0596】
さらに、ランプ表示部1、2は、時短結果(時短図柄)の場合に、大当り結果又は小当
り結果の場合と異なって、第4図柄として、RG(赤緑)のうちの単色の緑色(G)で発
光する。なお、ランプ表示部1、2は、大当り結果又は小当り結果の場合に、赤色以外の
暖色系の色で発光してよく、時短結果(時短図柄)の場合に、緑色以外の寒色系の色で発
光してもよい。
【0597】
なお、本実施形態において、
図15の大当り判定処理では、大当り乱数値を用いた抽選
によって、小当りの判定と時短判定も行われる。抽選としての時短判定では、大当り乱数
値が時短判定値に一致すると判定結果として時短が設定される。時短判定値は、小当り判
定値及び大当り判定値とは異なる。時短の判定結果(時短結果)の場合に、特
図1停止図
柄設定処理(A3403)又は特
図2停止図柄設定処理(A3503)において、停止図
柄(停止図柄番号、停止図柄パターン)として時短図柄(時短図柄番号、時短図柄パター
ン)が設定され、時短図柄に対応する飾り特図コマンドが演出制御装置300に送信され
る。そして、表示装置41において、演出制御装置300によって飾り停止図柄として時
短図柄が表示され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。
【0598】
表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「
1,1,3」などがある。時短図柄は、予め決めておけば制約はないが、数字が順番に並
んだ「1,2,3」や左図柄と右図柄のみが揃った「1,3,1」など規則性があるもの
が、遊技者が覚えやすく好ましい。時短図柄を複数用意しておき、時短状態が継続する特
図変動表示ゲームの回数(時短回数)が時短図柄ごとに定められてもよい。
【0599】
このように、停止図柄として時短図柄が表示される場合に、第4図柄の発光色は、大当
りの場合の暖色系の色(赤)とは別の寒色系の色(緑)である。従って、停止図柄として
時短図柄が表示される場合に、大当りが発生したと遊技者が誤認することが防止できると
ともに、時短に当選したことを遊技者は把握しやすくなる。また、第4図柄の発光色は、
大当り結果又は小当り結果の場合に合成色(黄色)であるため、例え時短図柄を表示しな
い場合でも、未使用となる発光素子が存在せず発光制御を変える必要がない。
【0600】
なお、大当り状態終了後に実行される特図変動表示ゲームの回数が所定回数(いわゆる
天井)に到達した場合に、抽選によらず、ランプ表示部1、2は、緑色(G)以外の寒色
系の色で第4図柄として発光してもよい。この場合に、表示装置41において飾り停止図
柄として時短図柄が表示され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。表示
装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「3,3
,5」(抽選による時短の場合と同じく「1,1,3」でもよい)などがある。
【0601】
〔その他演出例〕
図43は、第2実施形態に関して、表示装置41の表示画面における演出例を示す画面
遷移図である。特に、特殊なキャラクタ(鯉)を用いた演出例を、先読み演出と当該変動
(実行中の特図変動表示ゲーム)に対する予告(予告演出)に関して説明する。先読み演
出は、先読み変動系コマンド処理(
図26)によって設定され、予告(予告演出)は、変
動演出設定処理(
図29)によって設定される。
【0602】
図43の(ハ)では、
図38Aの(イ)と同様に、飾り特別図柄(大図柄、識別情報)
としての変動図柄の変動(↓↓↓)が変動表示領域610で実行中であり、飾り縮小図柄
(小図柄、識別情報)の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で実行中である。モード表
示502が、「通常モード」として示されて、通常遊技状態であることを示している。特
図1保留数表示部650と特
図2保留数表示部660には、それぞれ、特
図1保留数を示
す数字「0」と特
図2保留数を示す数字「1」が表示されている。保留表示部530にお
いて、1つの保留表示533(第2保留表示)が表示され、保留消化領域640において
、変動中保留表示533aが表示されている。
【0603】
図43では、保留表示部530は、家屋を模した建物状画像480に含めた形で設けら
れている。8個の保留表示枠530aは8個の障子に対応する。建物状画像480の8個
の障子(保留表示枠530a)のうち開いた障子に、保留表示533が表示される。表示
画面の中央下部に位置する建物状画像480の左右に池の画像482が配置されて、家屋
が池に囲まれているように見える。池の画像482は、表面が小さく波打つような動画で
あってよい。また、表示画面の左端付近には、崖の画像483と崖を流れる滝の画像48
4が表示される。滝の画像484は、水が流れる動画であってよい。なお、表示装置41
の左において、滝の画像484の上部付近に対峙して発光役物487が設けられる。
【0604】
また、(ハ)では、表示画面において、実行中の特図変動表示ゲームの大当りになる期
待度に応じた数(ここでは2)だけ、鯉を模したキャラクタ画像489(白色)が、変動
表示に優先して前面側に表示される。
【0605】
その後、(ヒ)では、始動入賞口36への入賞があり第1始動記憶(特
図1保留)が新
たに発生し、当該入賞に対応する保留表示533(特
図1保留表示)が新たに開いた障子
の保留表示枠530aに追加表示される。鯉を模したキャラクタ画像489は、鯉が泳ぐ
ように見せるため(ハ)から移動している。
【0606】
また、始動入賞口36への入賞に対応して池の中に鯉が現れるように見せるため、池の
画像482内に鯉を模したキャラクタ画像486が表示されるが、池の画像482を半透
明にしてキャラクタ画像486よりも前面側に表示する。キャラクタ画像486の数は、
複数でもよく、今回の入賞により生じた始動記憶の大当りの期待度が高いほど多くしてよ
い。キャラクタ画像486の表示は、保留変化予告に先立って実行される前兆演出となる
。
【0607】
次に、(フ)では、鯉を模したキャラクタ画像489が今回の入賞により生じた始動記
憶に対応する保留表示533(特
図1保留表示)に近付いて作用し、保留変化予告が発生
し、保留表示533の色彩が白色から赤色に変化する。また、作用したキャラクタ画像4
89は白色から赤色に変化して、赤色のキャラクタ画像489aになる。さらに、新たに
鯉を模したキャラクタ画像489b(白色)が登場する。赤色のキャラクタ画像489a
は、白色のキャラクタ画像489、489bよりも、実行中の特図変動表示ゲームの大当
りになる期待度が高い。
【0608】
その後、(へ)では、鯉が滝を登るように見せるために、鯉を模したキャラクタ画像4
86は、滝の画像484に沿って移動する。また、キャラクタ画像489、キャラクタ画
像489a、キャラクタ画像489bが、それぞれ(フ)から移動するが、赤色のキャラ
クタ画像489aと白色のキャラクタ画像489bが重なって表示される場合には、大当
りの期待度の高い赤色のキャラクタ画像489aが白色のキャラクタ画像489bよりも
優先して前面側(又は上層側のレイヤ)に表示される。
【0609】
続いて、(ホ)では、鯉が滝の上部まで登ったように見せるため、鯉を模したキャラク
タ画像486は、滝の画像484に沿って(ヘ)からさらに移動して、まるで発光役物4
87に突入するかのように視認される。また、キャラクタ画像489、キャラクタ画像4
89a、キャラクタ画像489bが、それぞれ(へ)から移動するが、(ハ)の段階から
先に表示された白色のキャラクタ画像489と、(フ)の段階で後に表示された白色のキ
ャラクタ画像489bが重なって表示される場合には、先に表示された白色のキャラクタ
画像489が後に表示された白色のキャラクタ画像489bよりも優先して前面側(上層
側のレイヤ)に表示される。なお、キャラクタ画像489とキャラクタ画像489bの大
当りの期待度は同じである。
【0610】
次に、(マ)では、鯉を模したキャラクタ画像486は非表示となり、発光役物487
に突入して消えたようにみえる。そして、発光役物487は発光するとともに、鯉を模し
た金色のキャラクタ画像489cが多数出現する群予告(魚群による予告)が実行される
。群予告において、金色のキャラクタ画像489cが発光役物487に対峙する位置(発
光役物487の近傍)から出現するようにしてよい。金色のキャラクタ画像489cは、
白色のキャラクタ画像489と白色のキャラクタ画像489b、及び、赤色のキャラクタ
画像489aと重なっても、これらよりも優先的に前面側(又は上層側のレイヤ)に表示
される。群予告は、実行中の特図変動表示ゲームの大当りになる期待度が高い演出である
。なお、(へ)から(マ)までの一連の予告を連続予告として構成してもよい。即ち、1
段階目の(へ)の鯉の滝登り予告、2段階目の(マ)の発光役物487の発光予告、3段
階目の(マ)の群予告を連続予告とし、中断することなく段階が進むにつれて、実行中の
特図変動表示ゲームの大当りになる期待度が高まるようにしてよい。
【0611】
〔表示優先順位〕
図44は、鯉を模した白色のキャラクタ画像489、赤色のキャラクタ画像489a、
金色のキャラクタ画像489cの表示優先順位を示す図である。ここで表示優先順位が小
さいほど、表示装置41の表示画面の前面側(又は上層側のレイヤ)に表示される。
【0612】
(a)のように、白色のキャラクタ画像489、赤色のキャラクタ画像489a、金色
のキャラクタ画像489cの順に実行中の特図変動表示ゲームの大当たり期待度は大きく
なる(白<赤<金)。表示優先順位は、期待度が大きいほど小さくなり、白色のキャラク
タ画像489は3位、赤色のキャラクタ画像489aは2位、金色のキャラクタ画像48
9cは1位となる。従って、表示態様(ここでは色彩)の異なる複数の同一のキャラクタ
が表示される場合に、大当り期待度の高い表示態様の方が、優先的に前面側(又は上層側
のレイヤ)に表示される一方、大当り期待度の低い表示態様の方が、背面側(又は下層側
のレイヤ)に表示される。このため、遊技者は、表示態様の異なる複数の同一のキャラク
タが表示画面で重なっても、大当り期待度の高い演出が発生していることを認知しやすく
なるとともに、大当り期待度の高い演出を撮影したい場合でも、そのまま表示画面の全体
を撮影すれば足りる。
【0613】
また、(b)のように、表示態様(ここでは色彩)の同じ複数の同一のキャラクタ(画
像)が表示される場合の表示優先順位は、時間的に先に表示されたもの(古くから表示さ
れていたもの)から小さくなる。即ち、時間的に先に表示されたものから優先して前面側
(又は上層側のレイヤ)に表示する。例えば、1番目に(最初に)表示された白色のキャ
ラクタ画像489、2番目に表示された白色のキャラクタ画像489b、3番目に(最後
に)表示された白色のキャラクタ画像(図示せず)は、例え重なっても、この順番の優先
順位で優先されて前面側に表示されることになる。なお、表示態様の同じ複数の同一のキ
ャラクタが表示される場合の表示優先順位は、表示された順番によってではなく、抽選に
よって決定されてもよい。
【0614】
このように、同一の複数の画像(キャラクタ)を表示装置41(表示手段)に表示可能
であり、複数の画像の各々を、時間差をもって表示できる。そして、複数の画像を重ねて
表示装置41に表示する場合に、表示の開始時間が先の画像が、表示の開始時間が後の画
像よりも、優先して前面側に表示される。従って、先に表示されて見慣れた画像を前面側
に、後に表示された画像を背面側に表示できるため、同一の複数の画像(キャラクタ)を
どちらか一方を消去することなく好適に重ねて表示装置41に表示できる。このため、遊
技の興趣を向上できる。
【0615】
なお、逆に、同一の複数の画像(キャラクタ)を重ねて表示装置41に表示する場合に
、表示の開始時間が後の画像が、表示の開始時間が先(前)の画像よりも、優先して前面
側に表示されてもよい。この場合には、後に表示されて遊技者が注目している画像を前面
側に、先(前)に表示された画像を背面側に表示できるため、遊技者の注目が途切れるこ
となく遊技の興趣を高めることができる。例えば、3番目に(最後に)表示された白色の
キャラクタ画像(図示せず)、2番目に表示された白色のキャラクタ画像489b、1番
目に(最初に)表示された白色のキャラクタ画像489は、例え重なっても、この順番で
優先されて前面側に表示されることになる。
【0616】
以上のように、第2実施形態について説明したが、所定のタイミングにおいて、特殊図
柄510の特定部として大きく形態が変化するものは、ボタン表示510aでなく、図柄
装飾510cでもよい。これによっても、遊技者は、所定のタイミングにおいて特殊図柄
510ひいてはボタン表示510aに注目し易くなる。また、所定のタイミングは、操作
有効期間の開始に対応するタイミングだけでなく、特殊図柄510の表示されている間の
任意のタイミングでよい。これによっても、遊技者は、特殊図柄510自体又は特定部に
注目し易くなり、例えば特殊図柄510が擬似連図柄などであれば遊技の興趣が向上する
。
【0617】
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態に係る遊技機10は、表示手段(表示装置41)における演出として図柄
(飾り特別図柄)を用いてゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能な演出制御手段(演
出制御装置300)を備える。図柄は、ゲームの結果として表示されることのない特殊図
柄(特殊図柄510)を含み、特殊図柄は、特定部(例えばボタン表示510a)と、当
該特定部とは異なる装飾部(例えば図柄装飾510c)を備える。演出制御手段は、所定
のタイミング(例えば、操作有効期間の開始に対応するタイミング)で、特定部の態様を
変化させるとともに、装飾部の態様を特定部とは異ならせて変化させるか又は変化させな
い。
【0618】
このような遊技機10では、所定のタイミングにおいて遊技者が特殊図柄又はその特定
部に注目し易くなるため、特殊図柄を介して操作促進表示などの報知を行うことができる
し、また、特殊図柄を擬似連図柄等に用いれば演出が変化に富むようになる。このため、
遊技の興趣を向上させることができる。
【0619】
また、第2実施形態において、遊技機10は、遊技者が操作可能な操作手段(例えば演
出ボタン25)を備え、特殊図柄は、特定部として、遊技者に操作手段の操作を促す操作
促進表示(例えばボタン表示510a又はゲージ表示510b)を含む。従って、特殊図
柄を介して遊技者に操作手段の操作を促すことができ、遊技の興趣を向上させることがで
きる。
【0620】
また、第2実施形態において、所定のタイミングは、操作の検出が有効になる操作有効
期間の開始に対応するタイミングである。従って、特定部が操作促進表示である場合に、
操作有効期間の開始の際に、遊技者を操作促進表示に注目させることができる。
【0621】
また、第2実施形態において、特定部の態様は、操作有効期間の開始の前後で異なる。
従って、特定部が操作促進表示である場合に、操作有効期間の開始の際に、遊技者を操作
促進表示に注目させることができる。
【0622】
また、第2実施形態において、演出制御手段は、操作有効期間を示す表示(例えばゲー
ジ表示510b)を装飾部に重ねて表示する。従って、遊技者に操作手段の操作を促すこ
とがより強くできる。
【0623】
また、第2実施形態において、演出制御手段は、特別結果(例えば大当たり結果)とな
る期待度に応じて、特定部の態様を変化させる。従って、特殊図柄の特定部の態様によっ
て期待度を報知でき、遊技の興趣が向上する。
【0624】
また、第2実施形態において、演出制御手段は、所定のタイミングで、特定部の態様を
少なくとも特殊図柄の枠内において変化させるとともに、装飾部の態様を、特殊図柄の枠
内において変化させない。従って、特殊図柄の内部(枠内)では、特定部(例えばボタン
表示510a)の態様のみが変化するため、特定部が、所定のタイミングで遊技者の注意
を強く引くことになり、特定部の変化で遊技の興趣が向上する。
【0625】
また、第2実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、表示手段(表
示装置41)における演出として画像(例えば図柄)を用いてゲームを実行可能である。
演出制御手段(演出制御装置300)は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)において、所定
の画像(例えば特殊図柄510や「1」の変動図柄)を表示手段(表示装置41)に表示
可能である。演出制御手段は、所定の画像を、特定の場合(第1の場合、例えば図柄態様
IIで表示される場合や再抽選演出中(タ-3)(タ-4)の場合)に複数の画像データ
に基づいて表示し、別の場合(第2の場合又は他の場合、例えば図柄態様Iで表示される
場合や再抽選演出中(タ-2)の場合)に一の画像データに基づいて表示する。従って、
ゲームで使用される所定の画像を、特定の場合と特定の場合と異なる別の場合とで、画像
の態様(表示態様)を変えて表示でき、遊技の興趣が向上できる。また、例えば、所定の
画像を動画像データと静止画像データとから構成でき、種々のバリエーションで表示でき
、遊技の興趣が向上できる。
【0626】
また、第2実施形態において、特定の場合に、所定の画像(例えば特殊図柄510や「
1」の変動図柄)を構成する複数のオブジェクト(例えばボタン表示510aと図柄装飾
510c、450c)を、各々、異なる画像データ(例えば、動画像データと静止画像デ
ータ)に基づいて表示し、別の場合に、複数のオブジェクトを、複数のオブジェクトを一
体化した単一の画像データに基づいて表示する。従って、ゲームで使用される所定の画像
を、特定の場合と特定の場合と異なる別の場合とで、画像の態様を変えて表示でき、遊技
の興趣が向上できる。また、例えば、所定の画像を種々のバリエーションで表示でき、遊
技の興趣が向上できる。
【0627】
また、第2実施形態において、遊技機10は、ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技
制御装置100)と、前記ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装
置300)と、を備える。演出制御手段は、同一の複数の画像(例えばキャラクタ画像4
89とキャラクタ画像489b)を表示手段に表示可能であり、複数の画像の各々の表示
を、開始時間を異ならせて開始可能であり、複数の画像を重ねて表示手段に表示する場合
に、開始時間が前(先)の画像を後の画像よりも優先して前面側に表示する。従って、先
に表示開始されて見慣れた画像を、後に表示開始された画像よりも前面側に優先して表示
できるため、同一の複数の画像(キャラクタ)を好適に重ねて表示手段に表示できる。こ
のため、遊技の興趣を向上できる。逆に、複数の画像を重ねて表示手段に表示する場合に
、開始時間が後の画像を前(先)の画像よりも優先して前面側に表示することもできる。
この場合には、後に表示開始されて遊技者が注目している画像を、前(先)に表示開始さ
れた画像よりも前面側に優先して隠れることなく継続して表示できるため、遊技の興趣を
高めることができる。
【0628】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲
内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれること
が明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本
発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲
は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべ
ての変更が含まれることが意図される。
【0629】
例えば、上述の実施形態をスロットマシンに適用する場合において、遊技に使用する遊
技媒体は、遊技球に代えてメダル(コイン)になり、賞球数はメダルの払い出し枚数に代
えられる。そして、スロットマシンでは、性能情報としての出玉率(ベース)は、スロッ
トマシンへのメダルの投入枚数に対する払い出し枚数の比率(%)となり、役物比率は、
所定期間に払い出したメダルの枚数のうち、各種ボーナスにより払い出した枚数の比率(
%)となる。
【符号の説明】
【0630】
10 遊技機
25 演出ボタン
30 遊技盤
32 遊技領域
36 第1始動入賞口(第1始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(第2始動入賞領域)
39 特別変動入賞装置
40 センターケース
41 表示装置
50 一括表示装置(LED)
100 遊技制御装置(主基板)
200 払出制御装置
300 演出制御装置(サブ基板)
450 変動図柄
510 特殊図柄