(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127618
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】自律車両用の高および低衝突検出のための組み合わされた加速度センサ
(51)【国際特許分類】
G01P 15/00 20060101AFI20220824BHJP
B60R 21/0136 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
G01P15/00 D
B60R21/0136 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022023468
(22)【出願日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】63/151,372
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/475,028
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ラミーズ・アフマド
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・ミヒェルファイト
(57)【要約】
【課題】自律車両用の高および低衝突検出のための加速度センサを提供すること。
【解決手段】1つの実施形態において、車両用の加速度センサは、1つのMEMSハウジングに設けられた微小電気機械(MEMS)高G感知素子および低G感知素子を含む。別の実施形態では、高Gセンサおよび低Gセンサは、1つのMEMS低/高G感知素子として集積されており、別の実施形態では、高Gおよび低G感知素子は、同じ加速度センサハウジングに配置された別個のMEMSハウジングに設けられている。特定用途向け集積回路(ASIC)は、高G/低G感知素子からの信号を処理する。自律車両用の衝突判定システムは、高G/低G信号を処理して、エアバッグを作動させかつ/またはリモートシステムに衝突情報を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の加速度センサであって、
エアバッグをトリガするために車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)高G感知素子と、
より軽度の車両衝突の指示を提供するために、より軽度の車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)低G感知素子と、
前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子と通信する特定用途向け集積回路(ASIC)と、を備え、前記ASICは、前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子と同じ加速度センサハウジングに設けられており、前記ASICは、
前記MEMS高G感知素子からの高G信号を受信し、
前記MEMS低G感知素子からの低G信号を受信し、
前記高G信号および前記低G信号を処理し、
第1のタイムスロットの間に高G信号を出力し、
第2のタイムスロットの間に低GN信号を出力し、かつ
第3のタイムスロットの間に低GN+1信号を出力するように構成されており、
GNは、X、YおよびZ方向のうちの1つを表し、GN+1は、X、YおよびZ方向のうちの別のものを表す、
車両用の加速度センサ。
【請求項2】
前記MEMS低G感知素子および前記MEMS高G感知素子は、前記加速度センサハウジングに配置された1つのMEMSハウジングに設けられている、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子は、1つのMEMS低G/高G感知素子として集積されている、請求項2に記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子は、同じ前記加速度センサハウジングに配置された別個のMEMSハウジングに設けられている、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記MEMS低G感知素子は、約0.32g~約15gの範囲の加速度を感知し、前記MEMS高G感知素子は、約2g~約120gの範囲の衝撃による加速度を感知し、gは、約9.8m/s2の地上の重力加速度の慣例的な値と等しい1gのg力を表す、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項6】
前記高G感知素子は、前記車両における電子コントローラによって受信される高G信号を出力し、前記車両は自律車両である、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項7】
前記低G感知素子は、電子コントローラによって受信される低G信号を出力し、前記電子コントローラは、前記車両の衝突を示す低G信号の重大性および原因を判定するためにリモートシステムに衝突情報を送信するように構成されている、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項8】
前記衝突情報は、前記衝突の領域の近くに配置された、車両に取り付けられたビデオカメラからのビデオ情報を含む、請求項7に記載の加速度センサ。
【請求項9】
前記ASICは、メモリストレージ媒体を含むプログラマブルASICである、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項10】
車両用の加速度センサであって、
ベースを含み、かつ複数のコンタクトを有する加速度センサハウジングと、
前記加速度センサハウジングに配置され、かつエアバッグをトリガするために車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)高G感知素子と、より軽度の車両衝突の指示を提供するためにより軽度の車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)低G感知素子とを含む、1つのMEMSハウジングと、
前記加速度センサハウジングに配置された特定用途向け集積回路(ASIC)であって、信号を受信するために前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子と通信する、特定用途向け集積回路(ASIC)と、
を備える、車両用の加速度センサ。
【請求項11】
前記ASICは、
第1のタイムスロットの間に高G信号を出力し、
第2のタイムスロットの間に低GNセンサ信号を出力し、かつ
第3のタイムスロットの間に低GN+1センサ信号を出力するように構成されており、
GNは、X、YおよびZ方向のうちの1つを表し、GN+1は、X、YおよびZ方向のうちの別のものを表す、請求項10に記載の加速度センサ。
【請求項12】
前記ASICは、メモリストレージ媒体を含むプログラマブルASICである、請求項10に記載の加速度センサ。
【請求項13】
前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子は、1つのMEMS低G/高G感知素子として集積されている、請求項11に記載の加速度センサ。
【請求項14】
前記MEMS低G感知素子は、約0.032g~約15gの範囲の加速度を感知し、前記MEMS高G感知素子は、約2g~約120gの範囲の衝撃による加速度を感知する、請求項11に記載の加速度センサ。
【請求項15】
前記高G感知素子は、前記車両における電子コントローラによって受信される前記高G信号を出力し、前記車両は自律車両であり、前記電子コントローラは、前記高G信号がエアバッグ展開しきい値よりも大きい場合にエアバッグ展開アクチュエータにエアバッグ展開信号を提供する、請求項11に記載の加速度センサ。
【請求項16】
自律車両用の衝突判定システムであって、
複数の加速度センサであって、各加速度センサは、
エアバッグをトリガするために車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)高G感知素子と、
より軽度の車両衝突の指示を提供するためにより軽度の車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)低G感知素子と、
前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子と通信する特定用途向け集積回路(ASIC)と、を含み、前記ASICは、
前記MEMS高G感知素子からの高G信号を受信し、
前記MEMS低G感知素子からの低G信号を受信し、
前記高G信号および前記低G信号を処理し、かつ
高G信号を出力し、低GNセンサ信号を出力し、かつ低GN+1センサ信号を出力するように構成されている、複数の加速度センサと、
リモートシステムに無線信号を送信するためのトランシーバと、
前記トランシーバと通信する電子コントローラであって、前記電子コントローラは、
前記ASICのそれぞれから前記高G信号、前記低GN信号および前記低GN+1信号を受信し、
いつ前記高G信号がエアバッグ展開しきい値よりも低く、前記低G信号が衝突しきい値よりも高いかを判定し、次いで、衝突を示す低G信号の重大性および原因を判定するために前記トランシーバを介してリモートシステムに衝突情報を送信するように構成されている、電子コントローラと、
を備える、自律車両用の衝突判定システム。
【請求項17】
前記衝突情報は、衝突衝撃の領域のための複数のビデオカメラのうちの1つからのビデオ情報を含む、請求項16に記載の衝突判定システム。
【請求項18】
前記複数の加速度センサは、前記自律車両の周囲の4つの異なる位置に向けられた少なくとも4つの前記加速度センサを含む、請求項16に記載の衝突判定システム。
【請求項19】
前記MEMS高G感知素子および前記MEMS低G感知素子は、1つのMEMS低G/高G感知素子として集積されている、請求項16に記載の衝突判定システム。
【請求項20】
前記電子コントローラは、いつ前記高G信号が前記エアバッグ展開しきい値よりも高い値を有するかを判定しかつエアバッグ展開アクチュエータにエアバッグ展開信号を提供するように構成されている、請求項16に記載の衝突判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年2月19日に出願された米国仮出願第63/151,372号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]この配置構成は、自律車両用の高および低衝突検出のための加速度センサに関する。
[0003]一般的に、車両は、複数の加速度センサを含む。各加速度センサは、一般的に、電子コントローラに加速度信号を提供するために特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)と対になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004]組み合わされた加速度センサは、加速度感知のために必要とされる感知素子の数およびASICの数を減じながら高および低衝突検出を提供する。感知素子およびASICの数を減じることによって、加速度センサはよりコンパクトになり、車両においてより小さなスペースを利用する。さらに、同じ性能を提供しながらより少ない感知素子およびASICを必要とすることは、より安価でもある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]1つの実施形態は、エアバッグをトリガするために車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS:micro-electro-mechanical system)高G感知素子と、より軽度の車両衝突の指示を提供するために、より軽度の車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)低G感知素子と、MEMS高G感知素子およびMEMS低G感知素子と通信する特定用途向け集積回路(ASIC)とを備える、車両用の加速度センサである。ASICは、MEMS高G感知素子およびMEMS低G感知素子と同じ加速度センサハウジングに設けられている。ASICは、MEMS高G感知素子からの高G信号を受信し、MEMS低G感知素子からの低G信号を受信し、高G信号および低G信号を処理し、第1のタイムスロットの間に高G信号を出力し、第2のタイムスロットの間に低GN信号を出力し、かつ第3のタイムスロットの間に低GN+1信号を出力するように構成されており、GNは、X、YおよびZ方向のうちの1つを表し、GN+1はX、YおよびZ方向のうちの別のものを表す。
【0005】
[0006]別の実施形態では、車両用の加速度センサは、ベースを含み、かつ複数のコンタクトを有する加速度センサハウジングと、加速度センサハウジングに配置され、かつエアバッグをトリガするために車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)高G感知素子と、より軽度の車両衝突の指示を提供するためにより軽度の車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)低G感知素子とを含む1つのMEMSハウジングと、加速度センサハウジングに配置された特定用途向け集積回路(ASIC)であって、信号を受信するためにMEMS高G感知素子およびMEMS低G感知素子と通信する、特定用途向け集積回路(ASIC)と、を備える。
【0006】
[0007]別の実施形態は、自律車両用の衝突判定システムに関する。衝突判定システムは、複数の加速度センサを含む。各加速度センサは、エアバッグをトリガするために車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)高G感知素子と、より軽度の車両衝突の指示を提供するためにより軽度の車両衝突を検出するように構成された微小電気機械システム(MEMS)低G感知素子と、MEMS高G感知素子およびMEMS低G感知素子と通信する特定用途向け集積回路(ASIC)とを含む。ASICは、MEMS高G感知素子からの高G信号を受信し、MEMS低G感知素子からの低G信号を受信し、高G信号および低G信号を処理し、かつ高Gセンサ信号を出力し、低GN信号を出力し、低GN+1信号を出力するように構成されている。衝突判定システムは、また、リモートシステムに無線信号を送信するためのトランシーバと、トランシーバと通信する電子コントローラとを含む。電子コントローラは、ASICのそれぞれから高G信号、低GN信号および低GN+1信号を受信し、いつ高G信号がエアバッグ展開しきい値よりも低く、低G信号がより軽度の衝突しきい値よりも高いかを判定し、次いで、衝突を示す低G信号の重大性および原因を判定するためにトランシーバを介してリモートシステムに衝突情報を送信するように構成されている。
【0007】
[0008]その他の態様、特徴および実施形態は、詳細な説明および添付の図面を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0009]
図1は、車両用の周囲加速度センサの1つの実施形態のブロック図を示す。 [0010]
図1Aは、別個のMEMS高GハウジングおよびMEMS低Gハウジングを含む周囲加速度センサの1つの実施形態を示す。 [0011]
図1Bは、別個のMEMS高GハウジングおよびMEMS低Gハウジング、ならびにASICの周囲加速度センサを示す。
【
図2】[0012]
図2は、1つのMEMSハウジングを有する車両用の周囲加速度センサの別の実施形態のブロック図を示す。 [0013]
図2Aは、加速度センサハウジングに設けられたMEMS高G感知素子およびMEMS低G感知素子を示す。
【
図3】[0014]
図3は、組み合わされた1つの低/高G感知素子を有する車両用の周囲加速度センサの別の実施形態のブロック図を示す。 [0015]
図3Aは、同じ基板上に設けられた組み合わされた1つの集積された低/高G感知素子を示す。
【
図4】[0016]加速度センサ配置構成の動作のフローチャートを示す。
【
図5】[0017]衝突判定システムの1つの実施形態のブロック図を示す。
【
図6】[0018]衝突判定システムの動作のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0019]あらゆる実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、以下の説明に記載されたまたは以下の図面に例示された構造の詳細および構成要素の配置構成にその適用が限定されることは意図されていないことを理解されたい。実施形態は、その他の構成が可能であり、様々な形式で実用されるまたは行われることが可能である。
【0010】
[0020]様々な実施形態を実装するために、複数のハードウェアおよびソフトウェアベースのデバイスならびに複数の異なる構造的構成要素が使用される場合がある。加えて、実施形態は、説明のために、大部分の構成要素がハードウェアにおいてのみ実装されたものとして例示および説明される場合がある、ハードウェア、ソフトウェアおよび電子構成要素またはモジュールを含む場合がある。しかしながら、当業者は、この詳細な説明を読むことに基づいて、少なくとも1つの実施形態において、本発明の電子ベースの態様が、1つまたは複数の電子コントローラによって実行可能なソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されている)において実装される場合があることを認識することになろう。例えば、本明細書に説明された「ユニット」、「制御ユニット」および「コントローラ」は、1つまたは複数の電子コントローラ、非一時的コンピュータ可読媒体を含む1つまたは複数のメモリ、1つまたは複数の入力/出力インターフェース、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)およびその他の回路、ならびに様々な構成要素を接続する様々な接続部またはコネクタ(例えば、ワイヤ、プリントされたトレースおよびバス)を含むことができる。幾つかの実施形態では、ASICは、メモリストレージ媒体を含むプログラマブルASICである。幾つかの実施形態では、ASICは、1つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行する。
【0011】
[0021]
図1は、車両用の周囲加速度センサ20のブロック図を示す。周囲加速度センサ20は、微小電気機械システム(「MEMS」)高G感知素子22と、MEMS低G感知素子24と、高G信号および低G信号を受信するために感知素子22、24に電気的に接続された特定用途向け集積回路(「ASIC」)とを含む。
【0012】
[0022]
図1Aは、第1のMEMS高Gハウジング32に配置されたMEMS高G感知素子22と、第2のMEMS低Gハウジング34に配置されたMEMS低G感知素子24とを収容する加速度センサハウジング30を含む、周囲加速度センサ20の第1の実施形態を示す。周囲加速度センサ20は、ハウジング32、34およびASIC28を収容または支持する加速度センサハウジングベース40を含む。周囲加速度センサ20は、コンタクトパッド46および対応する複数のコンタクト48を含む。MEMS高G感知素子22と、MEMS低G感知素子24と、ASIC28との間に電気接続が提供されている。さらに、ASIC28とコンタクトパッド46との間に電気接続が提供されている。
【0013】
[0023]
図1Bは、加速度センサハウジングベース40上の素子の別の配置構成を示す。この実施形態では、MEMS高Gハウジング32がASIC28上に配置されており、MEMS低Gハウジング34は、ASIC28に隣接して配置されている。
図1Bに示された様々な素子は、
図1Aと類似の形式で電気的に接続されている。
【0014】
[0024]
図2は、周囲加速度センサ120の別の実施形態を示す。この実施形態では、MEMS高G感知素子122およびMEMS低G感知素子124は、1つのMEMSハウジング126に配置されている。周囲加速度センサ120は、高G信号および低G信号を受信するために1つのMEMSハウジング126における感知素子122、124に電気的に接続されたASIC128を含む。
【0015】
[0025]周囲加速度センサ120は加速度センサハウジング130を含み、加速度センサハウジング130は、MEMSハウジング126およびASIC128をその上に収容するための加速度センサハウジングベース140を含む。周囲加速度センサ120は、
図1~
図1Bの実施形態のようにコンタクトパッドおよび対応する複数のコンタクトを含む。ASIC128と、MEMS高G感知素子122およびMEMS低G感知素子124の両方との間に電気接続が提供されている。さらに、
図1~
図1Bの実施形態のようにASIC128とコンタクトパッドとの間に電気接続が提供されている。
【0016】
[0026]
図2Aは、第1のシリコン基板143に設けられたMEMS高G感知素子122を示す。
図2Aは、第2のシリコン基板145に設けられたMEMS低G感知素子124を示す。1つの実施形態では、感知素子122、124は、シリコンから形成された小さなくし形のフィンガである。幾つかの実施形態では、くし形のフィンガは、互いに噛み合っている。
【0017】
[0027]
図3は、周囲加速度センサ220の別の実施形態を示す。この実施形態では、MEMS高G感知素子およびMEMS低G感知素子は、1つのMEMSハウジング226に配置された1つのMEMS低G/高G感知素子223である。周囲加速度センサ220は、高G信号および低G信号を受信するために1つのMEMSハウジング226におけるMEMS低G/高G感知素子223に電気的に接続されたASIC228を含む。
【0018】
[0028]周囲加速度センサ220は加速度センサハウジング230を含み、加速度センサハウジング230は、MEMSハウジング226およびASIC228をその上に収容するための加速度センサハウジングベース240を含む。周囲加速度センサ220は、
図1~
図1Bの実施形態のようなコンタクトパッドおよび対応する複数のコンタクトを含む。ASIC228と、MEMS低G/高G感知素子223との間に電気接続が提供されている。さらに、
図1~
図1Bの実施形態のようにASIC228とコンタクトパッドとの間に電気接続が提供されている。
【0019】
[0029]
図3Aは、シリコン基板243に設けられたまたはエッチングされたMEMS低G/高G感知素子223を示す。1つの実施形態では、低G/高G感知素子223は、シリコンから形成された小さな複数のくし形のフィンガである。幾つかの実施形態では、くし形のフィンガは互いに噛み合っている。
【0020】
[0030]動作
[0031]
図4は、周囲加速度センサ20、120、220の動作のフローチャート300を示す。第1のステップ310において、ASIC28、128、228は、
図1~
図3の各実施形態に示したように高G/低G感知素子から高G信号および低G信号を受信するように構成されている。
【0021】
[0032]第2のステップ320において、ASIC28、128、228は、高G信号および低G信号を処理するように構成されている。信号を処理する際、周囲加速度信号値は、少なくとも一時的にメモリに記憶される。
【0022】
[0033]次のステップ330において、第1のタイムスロットの間、ASIC28、128、228は高G信号を出力する。その後のステップ340において、ASIC28、128、228は、第2のタイムスロットの間に低GNセンサ信号を出力する。最後のステップ350において、ASIC28、128、228は、第3のタイムスロットの間に低GN+1センサ信号を出力する。
【0023】
[0034]1つの実施形態では、G信号は、10ビット信号である。
[0035]1つの実施形態では、MEMS低G感知素子24、124、224は、約0.02g~約2gの範囲の加速度を感知し、MEMS高G感知素子22、122、222は、約2g~約120gの範囲の衝撃による加速度を感知する。「g」という値は、約9.8m/s2の地上での重力加速度の慣例的な値と等しい、1gのg力(g-force)を表す。
【0024】
[0036]衝突判定システム
[0037]
図5は、車両用の衝突判定システム400を示す。電子コントローラ402は、周囲加速度センサからの情報を分析し、エアバッグ展開アクチュエータを制御するまたはリモートシステムに情報を提供する。電子コントローラ402は、電子プロセッサ404および1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読メモリモジュールを含む。
図5の例では、電子コントローラ402は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)405および読み取り専用メモリ(「ROM」)406を含む。電子コントローラ402は、また、通信リンク410上でデータを送信および受信する入力/出力インターフェース408を含む。1つの実施形態では、通信リンク410は、FlexRayバスまたはコントローラエリアネットワーク(「CAN」)バスである。別の実施形態では、無線通信リンクが提供される。
【0025】
[0038]電子コントローラ402は、複数のプロセッサ、追加的なコンピュータ可読メモリモジュール、複数の入力/出力インターフェース、および/または追加的な構成要素またはモジュール(例えば、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せ)を含むことができることを理解すべきである。
【0026】
[0039]電子プロセッサ404は、入力/出力インターフェース408から情報を受信し、ROM406などのメモリに記憶された1つまたは複数のソフトウェアモジュール(「コントローラ」または「コントローラーズ」とも呼ばれる場合がある)のための命令を実行することによって情報を処理する。電子プロセッサ404は、RAM405に情報を記憶しかつRAM405から情報を検索する(例えば、通信リンク410を介して他の車両サブシステムまたはセンサから受信した情報および電子プロセッサ404によって実行されるモジュールによって生成された情報)。電子コントローラ402の非一時的コンピュータ可読メモリモジュールは、揮発性メモリ、不揮発性メモリまたはそれらの組合せを含み、様々な構成において、オペレーティングシステムソフトウェア、アプリケーション/命令データおよびそれらの組合せを記憶する場合もある。
【0027】
[0040]様々なその他の車両サブシステムも通信リンク410に接続されており、電子コントローラ402、様々な車両センサおよびその他の車両サブシステムと通信する。例えば、
図5は、フロント高Gおよび低G周囲加速度センサ420、左側高Gおよび低G加速度センサ422、リア高Gおよび低G加速度センサ424ならびに右側高Gおよび低G加速度センサ426を示す。各高Gおよび低Gセンサは、通信リンク410に接続されており、通信リンクに接続されたその他のデバイスに高Gおよび低G信号を提供することができる。4つの加速度センサ420、422、424、426が示されているが、あらゆる数の複数の加速度センサが考えられる。1つの実施形態では、少なくとも4つのセンサ420、422、424、426が、自律車両の周囲の4つの異なる位置に向けられている。
【0028】
[0041]
図5は、フロントビデオカメラ430、左側ビデオカメラ432、リアビデオカメラ434および右側ビデオカメラ436も示す。ビデオカメラは、車両と接触する場合がある物体を検出するために車両から外向きに向けられた視野を有する。幾つかの実施形態では、パノラマビデオカメラが利用されている。メモリは、ビデオカメラ430、432、434、436によって取得された画像を少なくとも一時的に記憶する。4つのビデオカメラ430、432、434、436が示されているが、複数を含むあらゆる数のビデオカメラが考えられる。別の実施形態では、追加的なビデオカメラが、自律車両に向けられかつ固定されており、例えば、衝突衝撃の領域またはその近くにおける自律車両の本体についてのビデオ情報を取得するためにバンパーまたはバックミラーに取り付けられている。
【0029】
[0042]
図5は、通信リンク410に接続されたエアバッグ展開アクチュエータ440も示す。エアバッグ展開アクチュエータ440は、電子コントローラ402による判定において感知された高G信号に応じて選択車両エアバッグを作動させる。
【0030】
[0043]
図5は、情報を無線で送信するためのアンテナ452を有するトランシーバ450を示す。トランシーバ450は、電子コントローラ402またはその他の構成要素によって提供された情報を送信する。
【0031】
[0044]
図5は、電子コントローラ402からの低G信号およびビデオ信号を受信するためのアンテナ462を有するリモートシステム460も示す。1つの実施形態では、リモートシステム460は、電子コントローラ402に類似の電子プロセッサ、メモリおよびその他の素子を含む。リモートシステム460は、その他のビデオ画像分析アプリケーションを含む。1つの実施形態では、サーバは、リモートシステム460の構成要素である。ビデオ画像分析に応じて、リモートシステム460は、トランシーバにリターン信号を提供し、これにより、例えば、自律車両の運転の継続を可能にし、自律車両を停止させ、または乗員を降車させかつ自律車両を修理場所またはその他の目的地へ戻す。
【0032】
[0045]動作
[0046]
図6は、
図5に示された衝突判定システム400の動作のフローチャート500を示す。第1のステップ510において、電子コントローラ402は、様々な周囲加速度センサ20、120、220から高Gおよび低G信号を受信する。
【0033】
[0047]決定ステップ520において、電子プロセッサ404は、周囲加速度センサ20、120、220からの高G信号または特徴がエアバッグ展開しきい値よりも低いかどうかを判定する。1つの実施形態では、電子プロセッサ404は、周囲加速度センサからの生信号についてピークまたは平均を計算する。はい、つまり計算された信号がしきい値よりも低いならば、電子プロセッサ404は、決定ステップ530へ進む。
【0034】
[0048]決定ステップ530において、電子プロセッサ404は、複数の周囲加速度センサ20、120、220からの低G信号または特徴が衝突しきい値よりも高いかどうかを判定する。1つの実施形態では、電子プロセッサ404は、周囲加速度センサからの生の低G信号についてピークまたは平均を計算する。計算された低G信号がしきい値よりも高くない場合、電子プロセッサ404は、ステップ510へ進み、衝突判定プロセスを繰り返す。
【0035】
[0049]決定ステップ530において、低G信号が衝突しきい値よりも高い値を有する場合、電子プロセッサ404は、ステップ540へ進む。1つの実施形態では、衝突しきい値は0.2gの値である。別の実施形態では、衝突しきい値は0.7gの値である。その他の衝突しきい値が考えられる。
【0036】
[0050]ステップ540において、電子プロセッサ404は、トランシーバ450を介してリモートシステム460に衝突情報を送信する。1つの実施形態では、衝突情報は、低G信号についての1つまたは複数の値、および衝突の前、間および後のビデオ信号を含む。電子プロセッサ404は、ステップ560へ進む。
【0037】
[0051]ステップ560において、電子コントローラ402は、リモートシステム460からの命令を待つ。一般的に、自律車両は、移動がリモートシステム460によって許可されるまでまたは電子コントローラ402と通信するためのアクセスが許可された事故シーンにおけるユーザによる許可まで、動かないままである。
【0038】
[0052]決定ステップ520へ戻ると、電子プロセッサ404が、高G信号がエアバッグ展開しきい値よりも低くないことを判定した場合、電子プロセッサ404はステップ570へ進む。ステップ570において、電子プロセッサ404は、通信リンク410においてエアバッグ展開アクチュエータ440にエアバッグ展開信号を提供する。エアバッグ展開アクチュエータ440は、アクチュエータ信号を受信し、どの高G信号がエアバッグ展開しきい値よりも大きいかに応じて、1つまたは複数の選択されたエアバッグを作動させる。次いで、電子プロセッサ404は、ステップ580へ進む。1つの実施形態では、エアバッグ展開しきい値は、20gの値である。別の実施形態では、エアバッグ展開しきい値は、30gの値である。自律車両におけるそれらの場所に応じて、異なるエアバッグおよび異なる高G加速度センサに異なるエアバッグ展開しきい値を提供することができる。
【0039】
[0053]ステップ580において、電子プロセッサ404は、トランシーバ450を介してリモートシステム460にエアバッグ展開情報を提供する。エアバッグ展開情報は、どのエアバッグが展開されたかを含む。さらに、エアバッグ展開の前、間および後のビデオ信号が、エアバッグ展開しきい値を超過した周囲加速度センサ420、422、424、426に対応する選択ビデオカメラ430、432、434、436から提供される。
【0040】
[0054]その後、電子プロセッサは、ステップ560へ進み、リモートシステム460からのまたは電子コントローラ402と通信するためのアクセスを許可された事故シーンにおけるユーザからの命令を待つ。
【0041】
[0055]様々な特徴、利点および実施形態が、以下の請求項に示される。
【符号の説明】
【0042】
20 周囲加速度センサ
22 MEMS高G感知素子
24 MEMS低G感知素子
28 ASIC
30 加速度センサハウジング
32 第1のMEMS高Gハウジング
34 第2のMEMS低Gハウジング
40 加速度センサハウジングベース
46 コンタクトパッド
48 コンタクト
120 周囲加速度センサ
122 MEMS高G感知素子
124 MEMS低G感知素子
126 MEMSハウジング
128 ASIC
130 加速度センサハウジング
140 加速度センサハウジングベース
143 第1のシリコン基板
145 第2のシリコン基板
220 周囲加速度センサ
223 MEMS低G/高G感知素子
226 MEMSハウジング
228 ASIC
230 加速度センサハウジング
240 加速度センサハウジングベース
243 シリコン基板
400 衝突判定システム
402 電子コントローラ
404 電子プロセッサ
405 RAM
406 ROM
408 入力/出力インターフェース
410 通信リンク
420 フロント高Gおよび低G周囲加速度センサ
422 左側高Gおよび低G加速度センサ
424 リア高Gおよび低G加速度センサ
426 右側高Gおよび低G加速度センサ
430 フロントビデオカメラ
432 左側ビデオカメラ
434 リアビデオカメラ
436 右側ビデオカメラ
440 エアバッグ展開アクチュエータ
450 トランシーバ
452 アンテナ
460 リモートシステム
462 アンテナ
【外国語明細書】