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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127625
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】二重静電容量式タッチスクリーン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20220824BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
G06F3/044 126
G06F3/041 512
G06F3/041 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024266
(22)【出願日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】21305201.2
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ、カスティージョ、ブエナベントゥラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い信頼性や高い診断カバレッジを実現するタッチスクリーンシステムを提供する。
【解決手段】タッチスクリーンシステム(TSS)は、タッチスクリーンTSと、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドを備える容量性グリッドCGと、第1の容量性サブグリッドを制御する第1のチャネルC1と、第2の容量性サブグリッドを制御する第2のチャネルC2とを備える。第1のチャネル及び第2のチャネルは、タッチスクリーンへのタッチ入力の後に、第1のタッチ位置並びに第2のタッチ位置をそれぞれ取得し、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドに対して励振信号をそれぞれ送信することにより、第2のチャネル及び第1のチャネルをそれぞれテストし、第1のチャネル及び第2のチャネルのうちの少なくとも一方が、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との相関によって、統合されたタッチ位置を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンに関連付けられ、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドを備える容量性グリッド(CG)と、
前記第1の容量性サブグリッドを制御する第1のチャネル(C1)と、
前記第2の容量性サブグリッドを制御する第2のチャネル(C2)と、
を備え、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが、前記タッチスクリーンへのタッチ入力の後に、第1のタッチ位置並びに第2のタッチ位置をそれぞれ取得するように構成され、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが、前記第1の容量性サブグリッド及び前記第2の容量性サブグリッドに対して励振信号をそれぞれ送信することにより、前記第2のチャネル及び前記第1のチャネルをそれぞれテストするように構成され、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルのうちの少なくとも一方が、前記第1のタッチ位置と前記第2のタッチ位置との相関によって、統合されたタッチ位置を特定する、
タッチスクリーンシステム(TSS)。
【請求項2】
前記第1のチャネル(C1)が、第1のセンサコントローラ(CON1)及び第1のマイクロコントローラユニット(MCU1)を備え、前記第1のセンサコントローラ(CON1)が、前記第1の容量性サブグリッドに通信可能に結合されており、前記第2のチャネル(C2)が、第2のセンサコントローラ(CON2)及び第2のマイクロコントローラユニット(MCU2)を備え、前記第2のセンサコントローラ(CON2)が、前記第2の容量性サブグリッドに通信可能に結合されている、請求項1に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項3】
前記第2のチャネルから前記第2の容量性サブグリッドに対して励振信号を送信することにより、かつ前記第1の容量性サブグリッドの電界変化を検出することで、前記第1のチャネルが第1のテスト位置を取得することにより、前記第1のチャネル(C1)が前記第2のチャネル(C2)によってテストされ、前記第1のチャネルから前記第1の容量性サブグリッドに対して励振信号を送信することにより、かつ前記第2の容量性サブグリッドの電界変化を検出することで、前記第2のチャネルが第2のテスト位置を取得することにより、前記第2のチャネル(C2)が前記第1のチャネル(C1)によってテストされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項4】
前記第1のマイクロコントローラユニット(MCU1)及び前記第2のマイクロコントローラユニット(MCU2)が、互いの間で直接通信し合うように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項5】
前記容量性グリッドが、前記容量性グリッドの分解能の半分をそれぞれ有する、前記第1の容量性サブグリッドと前記第2の容量性サブグリッドとに分割されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項6】
前記第1の容量性サブグリッドと前記第2の容量性サブグリッドとが、互いに独立しており、かつ同じ平面上に重なり合っている、請求項1から5のいずれか一項に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項7】
前記第1の容量性サブグリッド及び前記第2の容量性サブグリッドのうちの一方の電界が、前記第1の容量性サブグリッド及び前記第2の容量性サブグリッドのうちの他方の電界と相互作用している、請求項1から6のいずれか一項に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項8】
前記容量性グリッドが、投影型容量性グリッドである、請求項1から7のいずれか一項に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項9】
容量性グリッド(CG)に関連付けられたタッチスクリーン(TS)上のタッチ入力の位置を特定する方法であって、前記容量性グリッドが、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドを備え、前記第1の容量性サブグリッドが第1のチャネル(C1)によって制御されており、前記第2の容量性サブグリッドが第2のチャネル(C2)によって制御されており、前記方法が、
前記タッチスクリーンへのタッチ入力の後に、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが第1のタッチ位置並びに第2のタッチ位置をそれぞれ取得するステップと、
前記第1のチャネルが前記第1の容量性サブグリッドに対して、かつ前記第2のチャネルが前記第2の容量性サブグリッドに対して励振信号をそれぞれ送信することにより、前記第2のチャネル及び前記第1のチャネルをテストするステップと、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルのうちの少なくとも一方が、前記第1のタッチ位置と前記第2のタッチ位置との相関によって、統合されたタッチ位置を特定するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
請求項9に記載の容量性グリッドに関連付けられたタッチスクリーン上のタッチ入力の位置を特定する方法を実行するためのコンピュータプログラムを搭載した、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してタッチスクリーンに関し、特に静電容量式タッチスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タッチスクリーン(ディスプレイなど)は、ATM、自動車、情報ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、及び携帯電話などを含む多くの商業用途で使用されている。そのようなスクリーンは、コンテンツを容易に変更することができ、またスクリーン自体がインタラクティブであるため、有利である。電子タッチスクリーンは多くの用途に適しているが、二重化の要件又は必要性が生じることにより、そのようなスクリーンの使用が妨げられている可能性がある。
【0003】
そのような用途の例には、部分的故障が発生した場合に、機器の継続的な性能を確保するために二重化対策が求められる民間航空、宇宙飛行、軍事用途及び産業プロセスが含まれるが、これらに限定されない。故障が壊滅的な結果を招く恐れがあるため、このような厳格な要件が求められている。
【0004】
タッチセンシングの信頼性を高めるための種々の手法が存在し得るが、それらのいずれも、静電容量式タッチスクリーンを1つのみ使用する二重化システムを有する一方で、オンラインによる相互診断法に対処して、タッチ入力の診断カバレッジを高められるようにしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、高い信頼性や高い診断カバレッジを有するタッチスクリーンシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、本発明の主題に関連する概念を紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を特定することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を決定又は限定する際に使用することを意図するものでもない。
【0007】
一実装形態では、タッチスクリーンシステムが提供され、本タッチスクリーンシステムは、
タッチスクリーンと、
このタッチスクリーンに関連付けられ、かつ第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドを備える容量性グリッドと、
第1の容量性サブグリッドを制御する第1のチャネルと、
第2の容量性サブグリッドを制御する第2のチャネルと、
を備え、
第1のチャネル及び第2のチャネルは、タッチスクリーンへのタッチ入力の後に、第1のタッチ位置並びに第2のタッチ位置をそれぞれ取得するように構成され、
第1のチャネル及び第2のチャネルは、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドに対して励振信号をそれぞれ送信することにより、第2のチャネル及び第1のチャネルをそれぞれテストするように構成され、
第1のチャネル及び第2のチャネルのうちの少なくとも一方が、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との相関によって、統合されたタッチ位置を特定する。
【0008】
有利には、本システムは、第1のチャネル及び第2のチャネルを介した高度な相互センシング及びモニタリング技術により、容量性グリッドを備えるタッチスクリーンシステムの診断カバレッジを大幅に改善することができる。より正確には、本システムにより、強化された相互入力センシング及びモニタリングに関連する本質的に二重化されたアーキテクチャの働きで、標準的な静電容量式タッチスクリーンを高信頼性のシステムへと組み入れることが可能になる。相互静電容量方式の原理を用いて、容量性グリッド及びタッチセンシングの機構全体、即ちチャネルが、タッチインターフェースの診断カバレッジを著しく高める物理レベルで周期的にテストされ得る。
【0009】
有利には、本システムにより、容量性機能の相互センシング及びモニタリングを行うことで、高い診断カバレッジを呈する静電容量式タッチスクリーンアーキテクチャを得ることが可能になる。これは、2つの独立した静電容量式タッチスクリーンチャネルを使用することで達成されるが、この場合、外部要素又は追加要素を付加することなく、2つの容量性サブグリッドに分割される1つの静電容量式タッチスクリーンのみを使用している。それでもなお、タッチセンシングの完全な二重化は、とりわけ機能安全の実施に適し得る、高い診断カバレッジを伴うことで達成される。
【0010】
本システムにより、位置重み付け補間の実装を用いて、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との相関を分析することにより、各チャネルの診断カバレッジの向上や元の容量性グリッドにおける初期分解能の復元が可能になる。
【0011】
一実施形態では、第1のチャネルは、第1のセンサコントローラ及び第1のマイクロコントローラユニットを備え、この第1のセンサコントローラは、第1の容量性サブグリッドに通信可能に結合されており、また、第2のチャネルは、第2のセンサコントローラ及び第2のマイクロコントローラユニットを備え、この第2のセンサコントローラは、第2の容量性サブグリッドに通信可能に結合されている。
【0012】
一実施形態では、第2のチャネルから第2の容量性サブグリッドに対して励振信号を送信することにより、かつ第1の容量性サブグリッドの電界変化を検出することで、第1のチャネルが第1のテスト位置を取得することにより、第1のチャネルが第2のチャネルによってテストされ、また、第1のチャネルから第1の容量性サブグリッドに対して励振信号を送信することにより、かつ第2の容量性サブグリッドの電界変化を検出することで、第2のチャネルが第2のテスト位置を取得することにより、第2のチャネルが第1のチャネルによってテストされる。
【0013】
一実施形態では、第1のマイクロコントローラユニット及び第2のマイクロコントローラユニットは、互いの間で直接通信し合うように構成されている。
【0014】
一実施形態では、容量性グリッドは、この容量性グリッドの分解能の半分をそれぞれ有する、第1の容量性サブグリッドと第2の容量性サブグリッドとに分割されている。
【0015】
一実施形態では、第1の容量性サブグリッドと第2の容量性サブグリッドとは互いに独立しており、また同じ平面上に重なり合っている。
【0016】
一実施形態では、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドのうちの一方の電界は、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドのうちの他方の電界と相互作用している。
【0017】
一実施形態では、この容量性グリッドは投影型容量性グリッドである。
【0018】
別の実装形態では、容量性グリッドに関連付けられたタッチスクリーン上のタッチ入力の位置を特定する方法が提供され、この容量性グリッドは、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドを備え、第1の容量性サブグリッドは第1のチャネルによって制御されており、また、第2の容量性サブグリッドは第2のチャネルによって制御されており、本方法は、
タッチスクリーンへのタッチ入力の後に、第1のチャネル及び第2のチャネルが第1のタッチ位置並びに第2のタッチ位置をそれぞれ取得するステップと、
第1のチャネルが第1の容量性サブグリッドに対して、かつ第2のチャネルが第2の容量性サブグリッドに対して励振信号をそれぞれ送信することにより、第2のチャネル及び第1のチャネルをテストするステップと、
第1のチャネル及び第2のチャネルのうちの少なくとも一方が、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との相関によって、統合されたタッチ位置を特定するステップと、
を含む。
【0019】
別の実装形態では、容量性グリッドに関連付けられたタッチスクリーン上のタッチ入力の位置を特定する方法を実行するためのコンピュータプログラムを搭載した、コンピュータ可読媒体が提供される。前記コンピュータプログラムは、本発明に係る方法によるステップを実行する命令を備える。
【0020】
発明を実施するための形態は、添付の図面を参照して記載されている。図面において、参照番号の左端の1つ又は複数の数字は、その参照番号が初出する図を特定している。同様の特徴及び構成要素を参照するために、図面全体を通して同じ番号が使用されている。ここで、本主題の実施形態に係るシステム及び/又は方法のいくつかの実施形態が、単なる例示として、添付の図面を参照して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係るタッチスクリーンシステムを示す、概略ブロック図である。
図2】2つのサブグリッドに分割された容量性グリッドを示す、簡略概略図である。
図3】2つの制御チャネルに結合された容量性グリッドを示す、簡略概略図である。
図4】制御設定チャネル及び励振確認チャネルの2つのチャネルに結合された容量性グリッドを示す、簡略概略図である。
図5】投影型容量性グリッドにおける励振原理を示す図である。
図6】2つの制御チャネルを介した、投影型容量性グリッドにおけるタッチ位置推定を示す図である。
図7】容量性グリッドに関連付けられた電子ディスプレイ上のタッチ入力の位置を特定する方法を示す、フロー図である。
【0022】
すべての図面において、同じ参照番号は同じ要素又は同じ種類の要素を表す。
【0023】
当業者であれば、本明細書におけるあらゆるブロック図が、本主題の原理を具現化する例示的なシステムの概念図を表していることを理解すべきである。同様に、コンピュータ可読媒体で実質的に示され得、また、あるコンピュータ又はプロセッサが明示的に図示されているか否かにかかわらず、そのようなコンピュータ又はプロセッサによって実行され得る様々なプロセスを、あらゆるフローチャート、フロー図、状態遷移図、及び擬似コードなどが表していることが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面及び以下の説明は、本発明の特定の例示的な実施形態を示す。したがって、当業者であれば、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化しており、本発明の範囲内に含まれている様々な構成を考案できることが理解されよう。さらに、本明細書に記載のあらゆる実施例は、本発明の原理の理解を助けることを意図しており、実施例が、具体的に記載されたそのような実施例及び条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。このことから、本発明は、以下に記載している特定の実施形態又は実施例に限定されず、特許請求の範囲及びそれらの均等物によって限定される。
【0025】
図1を参照すると、タッチスクリーンシステムTSSは、容量性グリッドCGと、第1のマイクロコントローラユニットMCU1に結合された第1のセンサコントローラCON1と、第2のマイクロコントローラユニットMCU2に結合された第2のセンサコントローラCON2と、を備える。タッチスクリーンシステムTSSは、電子デバイスのホストコンピューティングユニットHCUと通信しており、また、容量性グリッドCGは、タッチスクリーンTSに関連付けられている。
【0026】
タッチスクリーンシステムTSSの容量性グリッドCGは、電子デバイスのタッチスクリーンTSと連動している。タッチスクリーンTSを備えるタッチスクリーンシステムTSSは、タッチスクリーンを使用する任意のデバイスであってもよい電子デバイスのユーザインターフェースを構成する、タッチスクリーンアセンブリを形成している。
【0027】
タッチスクリーンTSは、例えばスマートフォン、ラップトップ、タブレット、自動車、家電製品などのようなディスプレイ画面を使用する任意のデバイスのユーザインターフェースとして使用される、電子ディスプレイを備えていてもよい。
【0028】
タッチスクリーンTSは、例えばラップトップ、マルチメディアデバイス、家電製品(例えば、誘導加熱プレートの制御ゾーン)、自動車(例えば、マルチメディア要素又は快適要素の制御ゾーン)のような電子デバイスの特定の機能(例えば、ボタンのように機能する)専用の触覚面をさらに備えていてもよい。別の実施例では、このタッチスクリーンは、ラップトップ又は任意のマルチメディアデバイスで使用されるタッチパッドである。この場合、タッチスクリーンTSは、その上に何も表示せずに、不透明面を表示してもよい。
【0029】
一実施形態では、容量性グリッドCGは、電子ディスプレイとしてタッチスクリーンに湿式積層されてもよい。容量性グリッドCG及びタッチスクリーンの骨組みを構成し、それらの間にシールを形成しているガスケットが設けられてもよい。
【0030】
ホストコンピューティングユニットHCUは、電子デバイスのユーザインターフェース及びマイクロフォン、スピーカなどの電子デバイスの他の構成要素に命令するオペレーティングシステムを実装している。ホストコンピューティングユニットHCUは、様々な種類の電気通信ネットワークを介して他のデバイスと通信するための手段を提供する、種々の通信インターフェースを実装していてもよい。具体的には、ホストコンピューティングユニットHCUは、タッチスクリーン上のユーザ動作を解釈するために、第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2からデータを受信する。
【0031】
タッチスクリーンシステムTSSは、投影型静電容量技術に基づいている。一実施形態では、容量性グリッドCGは、1枚のシートの表面及び裏面にそれぞれX電極とY電極とを有する、1枚のシート集積構造を備える。別の実施形態では、容量性グリッドCGは、電極を間に挟んで互いに対向する2枚のシートで構成された、2枚のシート積層構造を備える。2枚のシート積層構造では、一方のガラス上にX電極が形成されており、他方のガラス上にY電極が形成されている。2枚のガラスシートは、2つの電極側が対向するように積層されている。したがって、X電極とY電極とはマトリクス状に交差して、容量性グリッドを形成している。この容量性グリッドのパターンは、様々な種類の幾何学的レイアウトを有していてもよい。
【0032】
投影型静電容量技術は、人体の導電性を利用したものである。指がX電極及びY電極、即ち、容量性グリッドのパターニングに近接すると、指と電極との間に容量結合が発生する。この容量結合により、X電極とY電極との間の静電容量が変化する。本タッチスクリーンシステムは、電極線上のどこで静電容量が変化したのかを確認する際に、タッチされた点を検出する。
【0033】
即ち、指又は導電性スタイラスをタッチ入力として容量性グリッドの表面付近に移動させると、局所電界が変化し、相互静電容量が減少する。容量性グリッド上の個々の点における静電容量の変化を測定して、他の軸の電圧を測定することにより、タッチ位置が正確に特定され得る。
【0034】
このグリッドパターンは、様々な種類の幾何学的レイアウト、例えばダイヤモンドパターン、交互配置パターン又は斜め交差パターンなどの形態の幾何学的レイアウトを有してもよい。
【0035】
第1のセンサコントローラCON1及び第2のセンサコントローラCON2は容量性グリッドCGに通信可能に結合されており、それぞれ第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2を介して、ホストコンピューティングユニットHCUに通信可能に結合されている。各センサコントローラCON1、CON2はファームウェア又はソフトウェアを実行し、容量性グリッドのセンサパターンの動作を制御又は分析するように構成されている。
【0036】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、互いの間で直接通信し合って、ホストコンピューティングユニットHCU用の共通インターフェースを形成している。各マイクロコントローラユニットは、自身のそれぞれのセンサコントローラにコマンドを送信し、次いで自身のそれぞれのセンサコントローラによって返された測定値を分析するように構成されている。
【0037】
図2を参照すると、容量性グリッドは2つの容量性グリッドに分割されており、これにより、センシング構成要素のみ、即ち容量性グリッドのセンサパターンで二重性を得ることが可能になる。容量性グリッドは、第1の容量性サブグリッド1及び第2の容量性サブグリッド2を重なり合った状態で有する主容量性グリッドに同化される。容量性サブグリッドはそれぞれ、主容量性グリッドに対して半分の分解能を有することになる。例えば、容量性サブグリッドはそれぞれ、一方の容量性サブグリッドに対しては偶数列と偶数行とを使用し、他方の容量性サブグリッドに対しては、奇数列と奇数行とを使用することによって作成される。
【0038】
より詳細には、図2の実施例では、容量性サブグリッド1は、「ダッシュドット」線によって表される列及び行「1、3、5及び7」によって構成されており、容量性サブグリッド2は、「ダッシュ」線によって表される列及び行「2、4、6及び8」によって構成されている。
【0039】
図3を参照すると、ハードウェアの観点から、容量性グリッドの2つの容量性サブグリッドは、第1のチャネルC1及び第2のチャネルC2にそれぞれ結合されており、また、2つの容量性サブグリッドは互いに独立しており、実質的に2つの独立したタッチスクリーンを管理するためのアーキテクチャを生成している。したがって、本アーキテクチャは、2つの完全に独立したチャネルで規定されており、即ち、第1のチャネルC1は、第1のセンサコントローラCON1及び第1のマイクロコントローラユニットMCU1を備え、第2のチャネルC2は、第2のセンサコントローラCON2及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2を備える。各チャネルは容量性サブグリッドに関連付けられ、それぞれで容量性グリッドの分解能の半分が有効になる。
【0040】
第1のチャネルC1は、「ダッシュドット」線で表される第1の容量性サブグリッドを制御しており、第2のチャネルC2は、「ダッシュ」線で表される第2の容量性サブグリッドを制御している。
【0041】
チャネルは独立して動作することができるが、2つの容量性サブグリッドは2つの異なるレベルで互いに相互作用しており、即ち、サブグリッドは、
-一方のサブグリッドの電界が他方のサブグリッドの電界と相互作用するため、電気的に相互作用しており、
-2つの容量性サブグリッドが同じ平面上に重なり合っているため、空間的に相互作用している。
【0042】
図4は、チャネルが励振の確認と設定とを交互に行うことによる、周期的診断を示す。
【0043】
図4の上部では、第2のチャネルC2が励振信号を、自身の対応するサブグリッドに送信することにより、第1のチャネルC1をテストするように設定されている。第1のチャネルC1は、自身の対応するサブグリッドの電気的挙動変化を通じて、当該励振を検出し、かつ確認することができる。
【0044】
図4の下部では、第1のチャネルC1は、励振信号を自身の対応する容量性サブグリッドに送信することにより、第2のチャネルC2をテストするように設定されている。第2のチャネルC2は、自身の対応するサブグリッドの電気的挙動変化を通じて、当該励振を検出し、かつ確認することができる。
【0045】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、データを交換するために、また各々のタスクを同期させて、自身のそれぞれのタッチ位置を効果的に特定し、かつ容量性グリッドへのアクセスを制御するために互いに結合されている。したがって、マイクロコントローラユニット間にあるインターフェースは、チャネル間の望ましくない外乱を回避するように構成されている。
【0046】
図5は、投影型容量性グリッドにおける励振原理を示す図である。図示のように、第1のチャネルC1のサブグリッド内の電圧変化は、第2のチャネルC2のサブグリッドの電界に影響を及ぼす。この電界変化は静電容量の変化を意味しているため、センサコントローラのセンシング原理によって検出可能である。この検出は、標準的なタッチセンシングに使用されるものと同じセンシング原理を用いて実行されるため、サブグリッドにおいてタッチ位置をセンシングするところから、このタッチ位置に関連するデータをセンサコントローラからマイクロコントローラユニットが取得するところまで、チャネルが全面的にテストされる。
【0047】
第2のチャネルC2のテストは、順序を全く逆にして、同じ原理を用いて行われる。その結果、タッチセンシング入力の診断カバレッジを大幅に高めることができる。いずれかのチャネルに故障が発生した場合、この相互入力モニタリングにより、タッチスクリーンTSに実際のタッチ入力を行う必要なく、高い信頼性レベルでその故障を検出することができる。
【0048】
図6を参照すると、サブグリッド間の空間的相互作用により、各チャネルからの情報を使用して、最終的なタッチセンシング出力が強化され得る。実際、このように空間的に重なり合うことにより、以下のステップ、即ち、
図6の下部のグリッドに示されているようなタッチ精度を得るために、両方のサブグリッドからの情報をマージするステップと、
-チャネルC1とC2との間の整合性を検査するステップと、
を実行することができる。
【0049】
各チャネルは、ユーザがタッチスクリーンにタッチしたときに、自身の対応するサブグリッド内のタッチ位置を取得することができる。次いで、本プロセスは、共通インターフェースを介して、両方のマイクロコントローラユニット間で調整される。
【0050】
図6の上部では、各チャネルは、自身の対応する容量性サブグリッドの情報に基づいて、タッチ位置を推定する。矢印は、タッチスクリーンがタッチされた地点を示す。当該チャネルのコントローラは、対応するルーチンを実行して、容量性サブグリッドの推定位置を決定する。
【0051】
例えば、行及び列「1、3、5及び7」を有する「ダッシュドット」線で表される第1のチャネルC1の容量性サブグリッドでは、推定タッチ位置は「ドット」線内の円によって表される。第1のチャネルC1のセンサコントローラは、列「3及び5」並びに行「3及び5」の静電容量の変化を検出し、行「3」及び列「5」が、行「5」及び列「3」よりもより重量のある(太線内)静電容量を有する結果となる、前記行及び列の静電容量測定値を取得し、この結果は即ち、タッチ位置が行「3」及び列「5」により近接しているはずであることを意味する。第1のマイクロコントローラユニットMCU1は補間アルゴリズムを用いて、取得された測定値からタッチ位置を推定する。
【0052】
例えば、行及び列「2、4、6及び8」を有する「ダッシュドット」線で表される第2のチャネルC2の容量性サブグリッドでは、推定タッチ位置は「ダッシュ」線内の円によって表される。
【0053】
図6の下部では、両方のチャネルがタッチ位置を推定すると、チャネルはこの情報を交換し合って、黒丸で表される一意のタッチ位置出力を推定する。この推定は、例えば、重み付け補間を用いて行われ得る。
【0054】
この黒丸は、両方のチャネルからの情報を使用して、統合されたタッチ位置を表す。本手順により、主容量性グリッドを2つのサブグリッドに分割することに関連しているグリッド分解能において、犠牲にしていたものの一部を取り戻すことが可能になる。信頼性の面でより重要なのは、例えば、両チャネルのタッチ位置を含む必要のある領域を定義することで、位置データの整合性が検証されることである。タッチ位置のうちの1つが定義された有効領域外にある場合、整合性の検査がパスしないため、診断が行われ得る。
【0055】
この整合性検査を相互入力モニタリングと共に行うことにより、高い故障診断カバレッジを備える信頼性の高いタッチ機能を有することが可能になる。
【0056】
図7を参照すると、本発明の一実施形態に係る、容量性グリッドに関連付けられたタッチスクリーン上のタッチ入力の位置を特定する方法は、ステップS1~S5を含む。
【0057】
ステップS1で、第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、共通インターフェースを通じて、第2のチャネルC2を待機モードに設定するように第2のマイクロコントローラユニットMCU2に命令する。この待機モードにより、第1のチャネルC1は、第2のチャネルC2からのいかなる外乱も受けずに、第1の容量性サブグリッドとのタッチ位置を取得することができる。
【0058】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第2のチャネルC2の待機モードについて肯定応答し、第1のマイクロコントローラユニットMCU1は第1のセンサコントローラCON1と通信して、タッチセンシングルーチンを起動する。
【0059】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、第1の容量性サブグリッド上の第1のタッチ位置を取得し、第2のチャネルC2を待機モードから解除するように第2のマイクロコントローラユニットMCU2に命令する。
【0060】
ステップS2で、第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、第2のチャネルC2が第1のチャネルC1からのいかなる外乱も受けずに、第2の容量性サブグリッドとのタッチ位置を取得することができるようにするために、第1のチャネルC1を待機モードに設定する。
【0061】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、共通インターフェースを通じて、第2のチャネルC2からタッチ位置を取得するように第2のマイクロコントローラユニットMCU2に命令する。
【0062】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は第1のセンサコントローラCON1と通信して、タッチセンシングルーチンを起動する。
【0063】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第2の容量性サブグリッド上の第2のタッチ位置を取得し、当該タッチ位置が取得されたことを第1のマイクロコントローラユニットMCU1に通知する。
【0064】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2によるコマンドの順序は逆にすることができ、ステップS1及びS2の結果は、第1のチャネル及び第2のチャネルによって取得されたタッチ位置である。ステップS1及びS2は、多くのタッチ位置を取得するために何度も繰り返すことができる。第1のチャネル及び第2のチャネルをテストするためのさらに別のステップS3及びS4が、例えば、取得されるタッチ位置が所定数(可変であってもよい)に達した後、又は所定の制限時間(可変であってもよい)が経過した後に、種々の方法で開始され得る。
【0065】
ステップS3で、第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、共通インターフェースを通じて、第1のチャネルC1をテストするように第2のマイクロコントローラユニットMCU2に命令する。
【0066】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第1のチャネルC1のテストモードについて肯定応答し、第2のマイクロコントローラユニットMCU2は第2のセンサコントローラCON2と通信して、対応する励振を設定する。
【0067】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第2の容量性サブグリッドに励振が設定されたことを第1のマイクロコントローラユニットMCU1に通知する。
【0068】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は第1のセンサコントローラCON1と通信して、タッチセンシングルーチンを起動する。
【0069】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、第1の容量性サブグリッド上の第1のテスト位置としてタッチ位置を取得し、第2のチャネルC2をテストモードから解除するように第2のマイクロコントローラユニットMCU2に命令する。
【0070】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は第2のセンサコントローラCON2と通信して、対応する励振を除去する。第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、励振が除去されたことを第1のマイクロコントローラユニットMCU1に通知する。
【0071】
ステップS4で、第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、共通インターフェースを通じて、第2のチャネルC2がテストされることを第2のマイクロコントローラユニットMCU2に通知する。第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、テストモードに設定されることに肯定応答する。
【0072】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は第1のセンサコントローラCON1と通信して、対応する励振を設定する。
【0073】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、共通インターフェースを通じて、第2のチャネルC2からタッチ位置を取得するように第2のマイクロコントローラユニットMCU2に命令する。
【0074】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は第2のセンサコントローラCON2と通信して、タッチセンシングルーチンを起動する。
【0075】
第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第2の容量性サブグリッド上の第2のテスト位置としてタッチ位置を取得し、当該タッチ位置が取得されたことを第1のマイクロコントローラユニットMCU1に通知する。
【0076】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、対応する励振を除去するように第1のセンサコントローラCON1に命令する。
【0077】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、テストが完了したことを第2のマイクロコントローラユニットMCU2に通知する。
【0078】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2によるステップS3並びにS4の順序は逆にすることができ、ステップS3及びS4の結果は、第1のチャネル及び第2のチャネルによって取得されたテスト位置である。
【0079】
このテストの目的は、容量性サブグリッドからセンサ制御及びマイクロコントローラユニットまでのすべてのチャネルが適切に機能しているかを確認することであるため、当該励振は、容量性グリッド内の任意の位置に対応するように設定され得る。
【0080】
ステップS5で、第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、(ステップS1で)取得されたタッチ位置及び(ステップS3で)取得されたテスト位置に関する結果を第2のマイクロコントローラユニットMCU2に送信し、次いで第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、(ステップS2で)取得されたタッチ位置及び(ステップS4で)取得されたテスト位置に関する結果を第1のマイクロコントローラユニットMCU1に送信する。
【0081】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第1のチャネルC1及び第2のチャネルC2から取得されたタッチ位置の整合性を検証する。
【0082】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1は、第2のチャネルC2から取得されたテスト位置と、第1のチャネルC1に設定された励振との整合性を検証する。同様に、第2のマイクロコントローラユニットMCU2は、第1のチャネルC1から取得されたテスト位置と、第2のチャネルC2に設定された励振との整合性を検証する。
【0083】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1と第2のマイクロコントローラユニットMCU2とは、この整合結果を交換する。第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2の整合結果が承認された場合(例えば、所定の閾値を下回る)、第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2のうちの一方が、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との相関によって統合されたタッチ出力を計算する。
【0084】
第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2の整合結果が承認されなかった場合、第1のマイクロコントローラユニットMCU1及び第2のマイクロコントローラユニットMCU2のうちの一方が、診断ルーチンを発動する。
【0085】
容量性グリッドに関連付けられたタッチスクリーン上のタッチ入力の位置を特定するための方法は、概して3つの主要なステップ、即ち、
a)タッチスクリーンへのタッチ入力の後に、第1のチャネル及び第2のチャネルが、第1のタッチ位置並びに第2のタッチ位置をそれぞれ取得する。本ステップは、所定の制限時間が経過するまで、又はタッチ入力が所定数に達するまで繰り返され得る。
【0086】
b)第1のチャネル及び第2のチャネルは、第1の容量性サブグリッド及び第2の容量性サブグリッドに対して励振信号をそれぞれ送信することにより、第2のチャネル及び第1のチャネルをそれぞれ、第1のチャネルがテストし、かつ第2のチャネルがテストする。
【0087】
c)当該テスト結果が肯定的であった場合、第1のチャネル及び第2のチャネルのうちの少なくとも一方が、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との相関によって、統合されたタッチ位置を特定する、というステップを含む。
【0088】
特定の実施形態を参照して本発明を上述してきたが、本発明は、本明細書に記載の特定の形態に限定されることを意図していない。むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上述した特定の実施形態以外の他の実施形態も、これらの添付の特許請求の範囲内で等しく実践可能である。
【0089】
さらに、構成要素及び/又は機能をいくつか例示的に組み合わせて、例示的な実施形態が上述されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、部材及び/又は機能を種々に組み合わせることにより、代替実施形態が提供されてもよいことを理解されたい。さらに、個別に、又は実施形態の一部として記載された特定の特徴は、他の個別に記載された特徴、又は他の実施形態の一部と組み合わせられ得ることが特に企図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】