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特開2022-127626場所から場所へと移動するように構築され、見る人に対して錯視を提供する、玩具装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127626
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】場所から場所へと移動するように構築され、見る人に対して錯視を提供する、玩具装置
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/22 20060101AFI20220824BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220824BHJP
   A63H 33/26 20060101ALI20220824BHJP
   G09F 19/12 20060101ALI20220824BHJP
   G09F 11/23 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
A63H33/22 Z
A63H33/00 303Z
A63H33/26 A
G09F19/12 J
G09F11/23 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024332
(22)【出願日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】2102338.7
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】522066595
【氏名又は名称】ハンコック,フィリッパ クレア バーバラ
【氏名又は名称原語表記】HANCOCK,Philippa Claire Barbara
【住所又は居所原語表記】1 Mynchen Road, Beaconsfield, Buckinghamshire, HP9 2AS, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,フィリッパ クレア バーバラ
【テーマコード(参考)】
2C150
5C095
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150DC21
2C150EB33
2C150EB37
2C150FA02
2C150FC11
5C095AA21
5C095BA05
5C095BA33
5C095DA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既知の玩具装置に対する代替を提供する。
【解決手段】書場所から場所へと移動するように構築され、見る人に対して錯視を提供する玩具装置(1)であって、ここで前記玩具装置(1)は、i)複数の個別の画像(18)を有するデバイス(17)を含み、ii)前記個別の画像(18)はパネル(19)上に表示され、iii)前記パネル(19)は回転可能であり、iv)前記パネル(19)は、回転しているとき、および個別の画像(18)が見る人によって見られるとき、見る人の残像性によって錯視を提供し、および、v)前記玩具装置(1)は、場所から場所へと移動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
場所から場所へと移動するように構築され、見る人に対して錯視を提供する玩具装置であって、ここで前記玩具装置は、
i)複数の個別の画像を有するデバイスを含み、
ii)前記個別の画像はパネル上に表示され、
iii)前記パネルは回転可能であり、
iv)前記パネルは、回転しているとき、および個別の画像が見る人によって見られるとき、見る人の残像性によって錯視を提供し、および、
v)前記玩具装置は、場所から場所へと移動可能である、玩具装置。
【請求項2】
前記デバイスは、視野開口を必要とせず、および、見る人の残像性によりアニメーションまたは融合された像を提供する光学的な玩具装置であることを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項3】
前記光学的な玩具装置は、プラキシノスコープ、ソーマトロープ、フリップ/フリッカーブック、ペデマスコープ、スリッピングスライド、ミュートスコープ、ギフォスコープ、または、錯視を促進するための視野開口を必要としない、別の錯視玩具装置であることを特徴とする、請求項2に記載の玩具装置。
【請求項4】
前記玩具装置は、見る人によって手動で動かされるように構築されることを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項5】
前記玩具装置は、前記玩具装置を動かすための、推進力源または動力源を含むことを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項6】
前記推進力源または動力源は、バッテリー、太陽光、風、ワインドアップばね、ワインドアップばねモータ、フライホイール、または電気的手段であることを特徴とする、請求項5に記載の玩具装置。
【請求項7】
前記玩具装置は、地表に沿って移動するように、空気を通って移動するように、または液体を通って移動するように、構築されることを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項8】
前記パネルは、各パネルの片面または両面において個別の画像を表示することを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項9】
前記パネルは、可撓性または剛性であることを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項10】
前記玩具装置は、フリップ、ロール、またはヒンジ機構を含む、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項11】
前記玩具装置は、現在のパネルが見る人によって適切に認識されるための、減速手段、およびフレーム、またはストッパーを含む、請求項9に記載の玩具装置。
【請求項12】
前記玩具装置は、輪軸または中心軸を含み、および、ここで、前記パネルおよびそれらの個別の画像は、前記輪軸または中心軸を中心に回転する、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項13】
前記玩具装置は、前記個別の画像を表示するためのパネルを有するハウジングを含み、かつ、ここで前記パネルおよびそれら個別の画像がハウジングの上面または内部に位置し、および、前記パネル間に位置する前記デバイスの中間部は平らであるかまたは突起している、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項14】
前記玩具装置は、前記玩具装置の回転を間接的に引き起こすか、またはデバイスの回動速度に作用するために、連繋手段を含む、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項15】
ロック、ディコミッショニング、または脱係合手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項16】
1つの玩具装置につき2つ以上のデバイスがあることを特徴とする、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記パネルおよびそれらの個別の画像をロールさせる、または防護するように構築される、請求項13に記載の玩具装置。
【請求項18】
前記玩具装置は、スタンド・アロンの玩具として構築される、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項19】
前記玩具装置は、別の玩具の一部を形成するか、またはある玩具の構成部品を含むように構築される、請求項1に記載の玩具装置。
【請求項20】
オーディオおよび/または照明手段を含む、請求項1に記載の玩具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年2月19日に出願された英国特許出願第2102338.7の優先権を主張し、その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、玩具装置に関し、およびとりわけ、本発明は、場所から場所へと移動するように構築され、見る人のために錯視を提供する玩具装置に関する。玩具装置は、残像性として知られる現象に依存することにより、錯視を提供する。見る人は典型的には幼児であろうが、所望であれば、見る人は年長の人でもよい。
【背景技術】
【0003】
見る人の残像性に依存する玩具装置を用いて、見る人に対して錯視を提供するための、既知の、多くのタイプの玩具装置がある。そのような玩具装置の周知の例は、回転のぞき絵、ソーマトロープ、およびフリップ/フリッカーブック(flip/flicker book)である。そのようなタイプの玩具装置は、100年以上にわたり知られている。そのような玩具装置の現代版は、本願出願人による英国特許GB2493168号とGB2511117号、および国際特許公報WO2019/122796 A1にて開示されている。
【発明の概要】
【0004】
既知の玩具装置に対する代替を提供することが、本発明の目的である。
【0005】
従って、本発明の1つの非限定的な実施態様では、玩具装置が提供され、前記玩具装置は、場所から場所へと移動するように構築され、かつ見る人に対して錯視を提供し、および、
i)複数の個別の画像を有するデバイスを含み、
ii)前記個別の画像はパネル上に表示され、
iii)前記パネルは回転可能であり、
iv)前記パネルは、回転しているとき、および個別の画像が見る人によって見られるとき、見る人の残像性によって錯視を提供し、および、
v)前記玩具装置は、場所から場所へと移動可能である。
【0006】
本発明の玩具装置は、GB2511117において配置されるような視野開口なしで構築され得るという点で有利である。このことにより、本発明の玩具装置は、生産におけるより大きな柔軟性と、見る人によるさらに容易な観察を提供することができる。
【0007】
玩具装置は、光学的なものであり得る。光学的な玩具装置は、見る人の残像性により、アニメーションまたは融合された像を提供するものであり得る。
【0008】
光学的な玩具装置は、例えば、プラキシノスコープ、ソーマトロープ、フリップ/フリッカーブック、ペデマスコープ(pedemascope)、スリッピングスライド(slipping slide)、ミュートスコープ、ギフォスコープ(giphoscope)、または、錯視を促進するための視野開口を必要としない、別の錯視玩具装置であり得る。他の光学的な玩具装置が本発明によって提供される場合がある。
【0009】
玩具装置は、見る人によって手動で動かされるように構築され得る。この場合、玩具装置は手によって動かされてもよく、または、玩具装置は、前記玩具装置を動かすために前記玩具装置を押すための、ハンドルおよびシャフトを含んでもよい。この場合、ハンドルとシャフトは、見る人に錯視を表示するために、玩具装置へと力を直接伝えてもよい。他の実施形態では、ハンドルとシャフトは、省略されてもよいが、玩具装置はなお、見る人によって、例えば、棒などで、押され得る。
【0010】
代替的に、玩具装置は、間接的に、および玩具装置の他の部分を通じて力を受け取る手段を含む場合があり、例えば、地表上の車輪の輪軸が、プーリーシステムをデバイスの輪軸に係合し、および配置する。他の実施形態では、玩具装置は、例えば、ギヤーホイールなど、デバイスの回動速度に影響を与える手段を含む場合がある。
【0011】
代替的に、玩具装置は、玩具装置を動かすための、推進力源または動力源を含んでいる場合がある。推進力源または動力源は、バッテリー、太陽光、風、または電気的、もしくは他の手段であり得る。例えば、ワインドアップばね、ワインドアップばねモータ、またはフライホイールなど、他の推進力源または動力源が利用されてもよい。
【0012】
玩具装置は、地表に沿って移動するように、または、空気を通って移動するように、または、液体、例えば、水を通って移動するように、構築され得る。玩具装置は、空気または液体を通って推進するための、他の手段を含み得る。
【0013】
玩具装置は、見る人のためのロールプレイを豊かにし、そして玩具装置への魅力を促進するために、モデルの設計の中へと巧みに統合されたデバイスを有する場合がある。
【0014】
玩具装置は、複数のパネルの各パネルの片面または両面が個別の画像を表示しているものであってもよい。
【0015】
玩具装置は、パネルが可撓性または剛性であり得、およびあらゆる適切な形態であり得る、玩具装置である。
【0016】
一実施形態では、パネルはリールデバイス上にある。
【0017】
玩具装置は、デバイスが、フリップ機構、ロール(roll)機構、またはヒンジ機構を含み、それらの機構が当該玩具装置の様々な構造および視覚的な認識(registration)の容易さを可能にし得るものであってもよい。
【0018】
玩具装置は、現在のパネルとその画像が後のパネルによって順に取って代わられる前に、後続のパネルを抑止して見る人に現在のパネルとその画像を認識する時間を与えるために、減速手段を包含するものであり得る。現在のパネルは、フレーム、ストッパー、または他の手段によって位置的に保持されてもよく、その結果、見る人による明瞭な認識を可能にするように静止状態に維持され得る。この玩具装置は、ミュートスコープに類似している。玩具装置のための他の構造が利用される場合がある。玩具装置は、減速手段がパネルに逆らって動くか、または、パネルが減速手段に逆らって動くものであってもよい。
【0019】
玩具装置は、パネルおよびそれらの個別の画像が、輪軸を中心に回転するように、輪軸を包含するものであってもよい。代替的に、玩具装置は、パネルおよびそれらの個別の画像が、輪軸を中心にではなく、中心軸を中心に回転するように載置されるものであってもよい。
【0020】
玩具装置は、個別の画像を表示するためのパネルを有するハウジングを含み、かつ、ここでパネルおよびその個別の画像がハウジングの上面または内部に位置するものであってもよい。
【0021】
玩具装置は、パネルおよびそれらの個別の画像がハウジングの外部または内部に載置され得るものであってもよい。本実施形態において、パネルを分離する中間部は、平たく横たわっても突起されてもよい。
【0022】
玩具装置は、玩具装置の回転を間接的に引き起こすための、例えば、車輪にデバイスを接続するための、連繋手段を含むものであってもよい。連繋手段は、例えば、プーリーシステムであり得る。
【0023】
代替的に、玩具装置は、連繋手段が、デバイスの回動速度に作用するものであってもよい。連繋手段は、例えば、ギヤーホイールであり得る。
【0024】
玩具装置は、ロック、ディコミッショニング手段、または、脱係合手段を含み、その結果、好ましいときには玩具装置が車輪とは別々に作動してもよく、または、玩具装置がすべてディコミッショニングされてもよい、ものであり得る。
【0025】
玩具装置は、玩具装置につき2つ以上のデバイスを含むものであり得る。
【0026】
玩具装置は、ハウジングが、パネルおよびそれらの個別の画像をロールさせる、または防護するように構築され得るものであってもよい。ハウジングは、回転を可能にするボール、シリンダー、または他の手段であり得る。ハウジングのために他の構造が利用される場合がある。
【0027】
玩具装置は、スタンド・アロンの玩具として構築されてもよい。この場合、玩具装置は、単機能の玩具であり得る。
【0028】
代替的に、玩具装置は、別の玩具の一部を形成するか、またはある玩具の構成部品を含むように、構築されてもよい。この場合、玩具装置は、他の玩具の機能を提供するために他の玩具の部分を有する、多機能の玩具の一部であり得る。代替的に、玩具装置は、ある玩具の構成部品を形成するように構築されてもよい。この場合、玩具装置は、例えば、玩具に嵌合するための少なくとも1つの車輪として構築され得る。4輪を備えると、玩具は、例えば、玩具の乳母車であり得る。3輪を備えると、玩具は、例えば、三輪車であり得る。
【0029】
玩具装置は、オーディオおよび/または照明手段を含む場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の実施形態は、ここで、添付の図面を参照して、例として記載される。
【0031】
図1】本発明の第1の玩具装置の斜視図である。
図2図1に示される玩具装置の分解立体図である。
図3】本発明の第2の玩具装置の分解立体図である。
図4図4図5は、片側に顔を、別の側に帽子を有するパネル部品の形態をとる、図3の玩具装置のデバイスを示す。
図5図4図5は、片側に顔を、別の側に帽子を有するパネル部品の形態をとる、図3の玩具装置のデバイスを示す。
図6図4上の顔と図5上の帽子とが、ソーマトロープのように、動きおよび見る人の残像性を介して、どのように相互に混じり合って、顔と帽子を一緒に見せることができるかを示す。
図7】本発明の第3の玩具装置の斜視図である。
図8図7の玩具装置の分解立体図である。
図9】本発明の第4の玩具装置の斜視図である。
図10図9の玩具装置の分解立体図である。
図11】本発明の第5の玩具装置の斜視図である。
図12図11の玩具装置の分解立体図である。
図13】本発明の第6の玩具装置を示す。
図14図13の玩具装置の分解立体図である。
図15】分解立体図で表わされた本発明の第7の玩具装置を示す。
図16】分解立体図で表わされた本発明の第8の玩具装置を示す。
図17】本発明の第9の玩具装置を示す。
図18】本発明の第10の玩具装置を示す。
図19】本発明の第11の玩具装置を示す。
図20】本発明の第12の玩具装置を示す。
図21】本発明の第13の玩具装置を示す。
【0032】
図は、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形状へ制限することを、意図していない。修正および変更と共に本発明を実施することができること、および本発明が特許請求の範囲とそれらの同等物によってのみ制限されることが、理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面を参照すると、類似する部分があるところには、比較と理解を容易にするために、同じ参照番号が与えられている。
【0034】
図1図2は、場所から場所へと移動するように構築され、見る人に対して錯視を提供する玩具装置(1)を示す。玩具装置(1)は、個別の画像(18)(図示せず)を表示するために複数の個別のパネル(19)を有するデバイス(17)を含む。パネル(19)とそれらの個別の画像(18)は、可動である。個別の画像(18)は、結果として、動いているとき、およびそれらが見る人によって見られているとき、見る人の残像性によって錯視を提供する。
【0035】
玩具装置(1)は、錯視を提供するために動く、パネル(19)およびそれらの個別の画像(18)を見るために、回転のぞき絵構造のような、それを通して見る視野開口を必要としない。玩具装置(1)は、視野開口を必要としないため、錯視は、見る人によってもっと容易に認識され、および、玩具装置(1)は、視野開口を必要とする比較可能な玩具装置よりも安価に生産することができ、および/または、例えば、木材などの、様々な材料が使用されることを可能にする。
【0036】
図1図2との比較で示されるように、玩具装置(1)は、見る人によって場所から場所へと手動で移動するように構築される。玩具装置(1)は、車輪として作用するリング(22)上でロール(roll)する。本発明の代替的な実施形態では、玩具装置の4つのユニットは、より大きな玩具、例えば、乳母車(図示せず)の車輪を形成してもよい。
【0037】
デバイス(17)は、個別の画像(18)(具体的には示されず、図解を容易にするためにただ参照番号によって示される)を表示する、4つの個別のパネル(19)を含む。個別の画像(18)は、デバイス(17)が動いているとき、見る人にアニメーションの形態で錯視を与える、次第に現われる画像を表示する。
【0038】
デバイス(17)は中心軸(24)を含む。玩具装置(1)がリング(22)を介して地表上をロールするとき、パネル(19)およびそれらの個別の画像(18)は、中心軸(24)を中心に回転する。デバイス(17)は、ハウジング(25)の中に格納される。パネル(19)とそれらの個別の画像(18)が見られるように、ハウジング(25)は透明である。リング(22)は、ハウジング(25)の対向する側面に付いている。
【0039】
ここで、図3を参照すると、見る人に対して錯視を提供するための形玩具装置(2)が、分解立体図のかたちで示される。玩具装置(2)は、ボールの形をしている。玩具装置(2)は、両方のタイプの玩具装置(1)と(2)が地表に沿ってロールされることが可能であるという点で、玩具装置(1)のように作動する。玩具装置(2)は、2つの半球(32)とキャップ(33)を含み、それらは一緒にハウジング(25)を成す。玩具装置(2)は、また、2つの面を有するパネル(19)、および、輪軸(20)または中心軸(24)(それはどちらでもよい)を含む。玩具装置(2)には、玩具装置(1)のリング(22)がない。
【0040】
図3では、玩具装置(2)は、2つの面を有する1つのパネル(19)を含む、デバイス(17)を有する。パネル(19)の2つの面の各々は、個別の画像(18)を有する。パネル(19)は、図4図5では分離した状態で示される。図4は、個別の画像(18)の例を示し、および、実際の画像(34)は、あご髭がある人の形をしていることが見られる。図5は、パネル(19)の別の面上の個別の画像(18)の例を示し、および、実際の画像(35)が帽子の形をしていることが見られる。玩具装置(2)が動かされるか、デバイス(17)のパネル(19)が回されるとき、2つの個別の画像(34)と(35)は結合されて、図6に示される、錯視である画像(36)を与える。図6に示される画像と錯視(36)は、結果として、人(34)が帽子(35)を提供されたようになる。この錯視は、見る人の残像性によって、見る人に見られる。玩具装置(2)は、ソーマトロープの形態である。他のタイプの像が使用されてもよく、帽子を有する髭のある人は、単に一例として示されている。
【0041】
図7図8は、本発明の玩具装置(3)を示す。玩具装置(3)は、個別の画像(18)(図示せず)を表示するために、一組のパネル(19)を含む2つのデバイス(17)を包含する。各パネル(19)の各面は、画像(18)(図示せず)を表示してもよい。玩具装置(3)は、車輪として作用するリング(22)の間に取り付けられる輪軸(20)を含む。2つのデバイス(17)は、フレーム(37)に載置される。フレーム(37)は、シャフト(27)とハンドル(26)を含む。シャフト(27)とハンドル(26)は、玩具装置(3)が地表に沿って押されることを可能にする。玩具装置(3)がリング(22)上で地表に沿って押されるとき、各デバイス(17)のパネル(19)の個別の画像(18)が錯視を提供する。錯視は、見る人の残像性によって、見る人に見られる。
【0042】
図9図10は、1セットのパネル(19)を包含している単一のデバイス(17)を有する玩具装置(4)を示す。パネル(19)は、両面の各々において、あるいは、所望の場合、片面だけにおいて、個別の画像(18)(図示せず)を表示してもよい。デバイス(17)は、ディスク(23)を介して輪軸(20)を中心に回転する。輪軸(20)は、デバイス(17)を経由して、ディスク開口部(31)を通ってディスク(23)まで通過し、および、輪軸ナット(21)によって固定される。ハウジング(25)は、内輪(30)に対して固定である。
【0043】
図10は、みぞ、およびボールベアリング(46)、または、ディスク(23)が、ハウジング(25)の内部の、パネル(19)およびその個別の画像(18)を有するデバイス(17)を自由に回転させることを可能にする、同様の手段を有し得る、内輪(30)を示す。ハウジング(25)は、デバイス(17)のパネル(19)の個別の画像(18)を見ることができるように、透明である。ハウジング(25)は、フレーム(37)を受け入れるために、開口部(28)を有する。玩具装置(4)は、玩具装置(4)が地表の上で押されることを可能とするために、シャフト(27)とハンドル(26)を有する。
【0044】
図11図12は、玩具装置(5)を示す。玩具装置(5)では、フレーム(37)は、フレーム開口部(47)を介して、フレーム部分(29)に対して位置を定める。フレーム(37)は、ハンドル(26)を有するシャフト(27)を有する。玩具装置(5)における車輪は、輪軸(20)の対向する端部と、輪軸(20)を適所へと固定するための輪軸ナット(21)とを受けるための開口部(31)を有する、ディスク(23)の形態にある。
【0045】
輪軸(20)は、デバイス(17)を載置する。デバイス(17)は、可撓性のリーフの形態にある複数のパネル(19)を有する。パネル(19)は各々、図11図12において数字51によって表現された、個別の画像(18)を有する。個別の画像(18)は、各パネル(19)の片面または両面上にあり得る。玩具装置(5)は、ローリングミュートスコープに似ており、本質的には機械的なフリッカーブックである。デバイス(17)のパネル(19)は、ハウジング(25)において保護される。デバイス(17)は、輪軸(20)を介して、フレーム(29)に載置される。減速手段(38)は、デバイス(17)の続いて表われるパネル(19)を遅らせ、および分離して、見る人に現在のパネル(19)上の個別の画像(18)を認識する時間を与えるために、フレーム部分(29)内に位置する。フレーム部分(29)はまた、静止させ、および保持する手段(39)を含み、それにより、最適な視覚的認識のために現在のパネル(19)の個別の画像(18)の位置決めと静止化を支援する。
【0046】
図12は、デバイス(17)が、いかに輪軸(20)に載置されるか、および、いかに輪軸(20)がフレーム部分開口部(43)を介してフレーム部分(29)内に位置するかを示す。輪軸(20)は、ディスク開口部(31)を通って、ディスク(23)と輪軸ナット(21)まで延在する。
【0047】
図13図14は、玩具装置(6)を示す。
【0048】
図14は、玩具装置(6)の部分をより明確に示す。玩具装置(6)は、フレーム部分開口部(47)を介してフレーム部分(29)に対して位置を定めるフレーム部分(37)を有する。フレーム(37)は、ハンドル(26)を有するシャフト(27)を有する。ディスク(23)は車輪として作用する。デバイス(17)は、シリンダー(41)であり、ここでパネル(19)が個別の画像(18)(図示せず)を表示する。中間部(42)は、動かされたときに錯視を提供するために、パネル(19)の個別の画像(18)を分離するために存在する。玩具装置(6)には、輪軸(20)がある。シリンダー(41)であるデバイス(17)は、内部フレーム部分(29)内に位置する。車輪として作用するディスク(23)は、デバイス(17)に対して固定である。輪軸(20)は、フレーム部分(29)におけるフレーム開口部(43)を通って、ディスク開口部(31)を通って延在し、および、輪軸ナット(21)により適所に保持される。
【0049】
図15図16は、玩具装置(7)と(8)の分解立体図を示す。玩具装置(7)と(8)は、図13図14における玩具装置(6)と同じように構築され、および、デバイス(17)の構成だけが異なる。玩具装置(7)と(8)におけるデバイス(17)は、平らなものの代わりに突起した中間部(42)を有する。突起した中間部(42)は、個別の画像(18)を表示するパネル(19)の間に位置し、動かされたときに見る人に錯視を提供するために、パネル(19)およびそれらの個別の画像(18)を分離する役割を果たす。好ましい場合、これらの中間部(42)は暗色(図示せず)であり得る。
【0050】
図17は、玩具装置(9)を示し、そしてそれは玩具の歩行器である。デバイス(17)は、後輪(44)の間に位置する。パネル(19)は、デバイス(17)の個別の画像(18)を表示する。デバイス(17)は、車輪(44)についても同じ輪軸(20)である、輪軸(20)によって回される。玩具装置(9)が地表に沿って押されるとき、後輪(44)はデバイス(17)を回す。
【0051】
図17は、また、パネル(19)の中心に存在するフリップ、ロール、またはヒンジ機構(48)を有するデバイス(17)を示す。従って、パネル(19)は、半分2つにわかれている。ハウジング(25)は、デバイス(17)を保護する。好ましい場合、デバイス(17)は、玩具の歩行器の前輪(52)の間に位置してもよい。代替的に、本明細書に示されない別の実施態様では、好ましい場合、デバイス(17)は、それ自身の車輪を有してもよい。
【0052】
図17は、玩具装置(9)のパネル(19)が剛性であっても可撓性であってもよいことを示す。また、図17は、見る人の年齢集団ための典型的な他の玩具的特徴の取りこみを示す。
【0053】
図18は、玩具装置(10)を示し、それはまた異なる玩具の歩行器である。デバイス(17)は、玩具の歩行器の後輪(44)の間に位置する。個別の画像(18)はパネル(19)上で表示され、パネル(19)は、車輪(44)の輪軸(20)である輪軸(20)により回される。図17におけるように、玩具の歩行器が地表に沿って押されるとき、後輪(44)は、デバイス(17)を回す。ハウジング(25)は、デバイス(17)を保護する。デバイス(17)は、輪軸(20)を中心に回転する剛性のパネルを有する。
【0054】
図19は、玩具の芝刈り機のスタイルにある、別の手押し車玩具である玩具装置(11)を示す。玩具装置(11)は、個別の画像(18)を表示するパネル(19)の上部にフリップ、ロール、またはヒンジ機構(48)を有するデバイス(17)を示す。パネル(19)は、輪軸(20)によって回され、前記輪軸(20)はシャフト(27)の下に位置し、前記シャフト(27)は車輪(44)に接続され、およびパネル(19)は、見る人が認識するために、1回ごとに平らに横たわった1枚のパネルとなる。パネル(19)の残りは、フリップ、ロール、またはヒンジ機構(48)によって持ち上げられ、および横たえられるために準備されて積み重ねられる。玩具装置(11)は、また、ロック、ディコミッショニング手段、および、脱係合手段(49)を含む。ロック、ディコミッショニング手段、および脱係合手段(49)は、手動操作、またはディコミッショニング、または一定の位置においてデバイス(17)をロックするために、デバイス(17)を輪軸(20)から脱係合して車輪(44)と共に回転しないようにすることを可能にするであろう。
【0055】
好ましい場合、玩具装置(11)は推進力源/動力源(50)を含んでもよい。
【0056】
図20は、ショッピングカートの形をした玩具である玩具装置(12)を示す。この玩具装置(12)は、図7、8、9、10と同じように作動し、例として、さらなる商業上の魅力が与えられている。デバイス(17)は、後輪(44)の間に位置する。
【0057】
図21は、商業上の魅力のために玩具の車両として設計された玩具の歩行器の形をした玩具装置(13)示す。玩具装置(13)は、ナンバー・プレートの領域に存在するように示されたデバイス(17)(図示せず)上の輪軸(20)を有する。デバイス(17)の輪軸(20)は、プーリシステム(45)によって後輪(44)に取り付けられている。玩具装置(13)は、玩具装置(13)を動かすためのハンドル(26)とシャフト(27)を有する。玩具装置(13)が動かされるとき、デバイス(17)は、車輪(44)の輪軸(20)に取り付けられたプーリシステム(45)により回転することになる。パネル(19)上のその個別の画像(18)を有するデバイス(17)は、回転されるとき、見る人の残像性によって見る人に錯視を提供する。
【0058】
図21は、プーリシステム(45)が、後輪(44)に取り付けられることを示しているが、玩具の歩行器の前輪(52)に取り付けられてもよい。この実施態様は、例として与えられる。
【0059】
分離可能なシャフトやスティックなどの他の手段が、遠隔の力のために使用されてもよい(図示せず)。
【0060】
上述されるように、すべての様々なタイプの玩具装置(1~13)は、個別の画像(18)を有するパネル(19)が動いており、かつ見る人によって見られているとき、見る人の残像性により錯視を提供するように、作動する。パネル(19)とそれらの個別の画像(18)は可動であり、それにより、玩具装置(1~13)が動かされているとき、錯視を提供する。玩具装置(1~13)は、玩具装置(1~13)におけるパネル(19)およびそれらの個別の画像(18)を動かして錯視を提供するために、ある場所から別の場所へと移動するように構築される。玩具装置(1~13)は、見る人の残像性によって錯視を提供するように動いているパネル(19)とそれらの個別の画像(18)を見るための、通して見られるタイプの視野開口を必要としない。従って、玩具装置(1~13)は、機能するために視野開口を有する比較可能な玩具装置よりも安く生産することが可能であり、および/または、生産では、木材などの他の材料が使用されることが可能となり得、そのことは、環境ために、および視覚的な認識を容易にするために、よりよい場合がある。
【0061】
玩具装置(3~13)では、パネル(19)とそれらの個別の画像(18)が、輪軸(20)を中心に回転される。玩具装置(1)では、パネル(19)とそれらの個別の画像(18)が、シリンダー(41)内で回転する。玩具装置(2)では、パネル(19)とその個別の画像(18)が、球体(32、33)内で回転する。玩具装置(1、2、6、7、および8)では、パネル(19)およびそれらの個別の画像(18)が、輪軸(20)を中心に、または単に中心軸(24)を中心に、回転し得る。玩具装置(2)では、半球(32)とキャップ(33)は、ハウジング(25)を形成し、パネル(19)上の個別の画像(18)がハウジング(25)の内部にある。
【0062】
添付図面を参照して上に説明された本発明の実施態様は、例としてのみ与えられており、および、改変がなされ得ることは、理解されよう。本明細書は、スタンド・アロンの玩具装置を示し、および、他の玩具の機能を提供するために他の玩具の部分を有する、多機能の玩具の例もまた、示される。
【0063】
所望の場合、玩具装置は別の玩具の一部を形成してもよく、その場合、本発明の玩具装置は、他の玩具の機能を提供するために他の玩具の部分を有する、多機能の玩具の形態にあり得る。示されたものとは別のタイプの車輪、別のタイプのフレーム、別のタイプの構造が利用されてもよい。別のタイプの画像も利用され得る。図面中で示される個別の構成要素は、それらの図面における使用に制限されず、および、それらは、本発明の他の図面および全ての態様において使用され得る。本発明は、また、言及された、および/または示された個別の構成要素にまで及び、それらは単独または任意の組み合わせで使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】