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  • 特開-馬の骨を用いた活力剤の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127654
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】馬の骨を用いた活力剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20220825BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220825BHJP
   A01N 63/10 20200101ALI20220825BHJP
   A01N 63/32 20200101ALI20220825BHJP
   A01N 63/20 20200101ALI20220825BHJP
   A01N 59/26 20060101ALI20220825BHJP
   C05F 17/00 20200101ALI20220825BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20220825BHJP
   A23L 33/14 20160101ALI20220825BHJP
   A01G 7/06 20060101ALI20220825BHJP
   A23K 10/26 20160101ALI20220825BHJP
   A23K 10/12 20160101ALI20220825BHJP
【FI】
A23L33/10
A01P3/00
A01N63/10
A01N63/32
A01N63/20
A01N59/26
C05F17/00
A23L33/135
A23L33/14
A01G7/06 A
A23K10/26
A23K10/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025765
(22)【出願日】2021-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】521076409
【氏名又は名称】中村 勇ニ
(71)【出願人】
【識別番号】521076410
【氏名又は名称】武石 恭芳
(71)【出願人】
【識別番号】521076421
【氏名又は名称】石垣 宏治
(71)【出願人】
【識別番号】521076432
【氏名又は名称】寺本 章
(74)【代理人】
【識別番号】520507265
【氏名又は名称】野田 智宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇二
【テーマコード(参考)】
2B022
2B150
4B018
4H011
4H061
【Fターム(参考)】
2B022EA01
2B150AA01
2B150AA06
2B150AB03
2B150AC05
2B150AC24
2B150AD02
2B150AD05
2B150AE13
2B150BB01
2B150BE04
2B150CD06
2B150DD01
2B150DD57
4B018LB10
4B018LE03
4B018MD04
4B018MD19
4B018MD49
4B018MD52
4B018MD53
4B018MD57
4B018MD73
4B018MD81
4B018MD86
4B018ME02
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF02
4B018MF13
4H011AA01
4H011BB18
4H011BB21
4H061AA01
4H061AA02
4H061BB01
4H061CC41
4H061DD12
4H061EE11
4H061EE27
4H061EE66
4H061EE68
4H061GG41
4H061GG49
4H061LL02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】動物性の水酸化リン酸カルシウムおよびアミノ酸、植物性の高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を含有した抗炎症作用がある人用および植物用のみならず動物にも有用な、活力剤溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】野菜、果物、豆類,穀物と水との混合液に、酵母を添加して、酵母発酵と共に撹拌する第1酵母発酵工程と、第1酵母発酵工程後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵と共に撹拌する第1乳酸発酵工程と、第1乳酸発酵工程にて得られた酵素を含む液を、馬の骨から抽出された水酸化リン酸カルシウムを有効成分とする水解物に混入する混合工程と、混合工程後、酵母を添加して、酵母発酵と共に撹拌する第2酵母発酵工程と、第2酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵と共に撹拌する第2乳酸発酵工程と、を有し、これらの工程に基づき、複合発酵により高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラルを含有した活力剤を製造する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜、果物、豆類,穀物と水との混合液について、酵母を添加して、酵母発酵すると共に撹拌する第1酵母発酵工程と、該第1酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第1乳酸発酵工程と、該第1乳酸発酵工程にて得られた酵素を含む液を、馬の骨から抽出された水酸化化リン酸カルシウムを有効成分とする水解物に混入する混合工程と、該混合工程の後、酵母を添加して、酵母発酵すると共に撹拌する第2酵母発酵工程と、該第2酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第2乳酸発酵工程と、を有しており、これらの工程に基づき、複合発酵により高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラルを含有した活力剤溶液が製造されること、を特徴とする活力剤の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、ミキシング工程で使用されるのは、馬の骨から抽出された動物性の水酸化リン酸カルシウムとアミノ酸を主成分とする溶液と、植物性の有機酸を主成分とする酵素溶液よりなり、抗酸化機能を発揮すること、を特徴とする活力剤溶液の製造方法。
【請求項3】
請求項1において、各工程中の撹拌により、空気中に含有された好気性細菌が液中に混入され、もって、液中に含有されていた該酵母や該乳酸菌が、一段と活性化,高密度化されること、を特徴とする活力剤溶液の製造方法。
【請求項4】
請求項1において、製造された活力剤溶液は、人用、植物用,動物用として使用されること、を特徴とする活力剤溶液の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活力剤溶液の乾燥粉状物質製造方法に関する。すなわち、馬の骨から水酸化リン酸カルシウム及びアミノ酸の有効成分を抽出し、そこに植物性酵素を添加し複合発酵させ、それを乾燥粉状物質にする製造方法である。
【背景技術】
【0002】
農作物等の植物の生育、栽培は、化学肥料と農薬を中心に行われている。化学肥料としては、化学工業的に製造された窒素、リン酸、カリウム肥料等が代表的であり、農薬としては、殺菌剤、殺虫剤、除草剤等が代表的である。
そして、このような無機物の化学肥料や農薬の使用は、例えば残留農薬の問題を始め、人体への悪影響の虞があり、健康上の危険性も指摘されており、その使用が規制強化される傾向にある。
これに対し有機物の使用は、上述した化学肥料や農薬の使用に比し、人体への悪影響や健康上の危険性が軽減され、安心、安全、健康面に優れている。
【0003】
馬の骨は韓国では骨粗鬆症や認知症予防、スポーツでの集中力を高めると愛好されているが、日本では馬の骨のは有効な利用法が知られておらず、十分な有効利用が図られてこなかった。
【0004】
特許文献3には、ビタミンB1類1重量部に対してグルコサミン類1~1000重量部の割合で、ビタミンB1類とグルコサミン類(グルコサミン又はその塩など)とを組み合わせることにより、関節痛などの関節障害を改善することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開第6609083号公報
【0006】
【特許文献2】特開2019-147838号公報
【0007】
【特許文献3】特開2017-214431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、馬の骨を有効利用することを課題とする。
【0009】
近年、関節痛に悩まされている人が増えている。関節痛は一種の炎症と考えられ、炎症の緩和を行い、または未然に防ぐことを可能とする活力剤の開発が望まれている。
【0010】
農作物等の植物の生育、栽培現物では、例えば次のような問題が指摘されている。
a.土壌環境の悪化:
植物にとって有害菌である嫌気性菌、病原菌、フザリウム菌、糸状菌、更には線虫類、寄生虫等が、土壌中に増殖し、もって、植物に土壌病害、カビ病、連作障害、害虫害等が発生し、土壌環境が悪化してしまうことが多々あった。
b.対応策:
これらへの対応策については、色々試みられている。しかしながら、ともすれば感に頼り勝ちであり、品質安定性にも不安があり、コスト高となる、等々の問題が指摘されていた。
c.酸化、変敗、腐敗等:
例えば高温、多湿により土壌中に硝酸塩(硝酸態窒素)が高濃度化する等により、植物の酸化、変敗、腐敗等を招き易かった。
d.その他:
土壌中に、植物生育の障害となる重金属、難分解性物質、汚泥等が存するケースについて、これらの消失、分解、解消等が進行しないことが多々あった。
e.活性化や免疫化:
生育、栽培される植物について、活性化促進や免疫力強化が望まれていた。すなわち、植物の生育、栽培の更なる効率化をめざし、より一層の生理活性強化や免疫反応向上が望まれていた。
【0011】
本発明の目的は、関節痛の要因となる炎症の緩和を行い。または、未然に防ぐことを可能とする活力剤を提供することである。
【0012】
本発明者は、上記課題を解決するため、馬の骨から抽出した水酸化リン酸カルシウムに植物性酵素を添加することでリン酸カルシウムが吸収されやすくなることを特徴とする。
【0013】
第1の発明は、馬の骨から抽出された成分を主に用いたことを特徴とする活力剤である。
【0014】
第2の発明は、上述の活力剤に抗酸化力を有していることが確認されている植物性アミノ酸を添加したことによる抗炎症作用である。
【0015】
第3の発明は、上述の活力剤は人だけでなく植物用、動物用としても用いられることである。
【0016】
第4の発明は、成分の抽出された馬の骨の残渣から植物栽培に有効な骨リン酸が採取できることである。
【0017】
本発明は、第1に、動物性の水酸化リン酸カルシウム、アミノ酸等を高濃度に含有するとともに、第2に、植物性のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を、高濃度に含有すると共に、第3に、抗酸化性に優れ、第4に、抗酸化力、活性、免疫力、植物の土壌環境、等を向上させ、第5に、人用のみならず植物用や動物用にも有用な、活力剤の製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1については、次のとおり。
請求項1の活力剤の製造方法は、次の各工程を有している。すなわち、野菜、果実、豆類、穀物と水との混合液について、酵母を添加して、酵母発酵すると共に撹拌する酵母発酵工程。該酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第1乳酸発酵工程。
該第1乳酸発酵工程にて得られた酵素を含む溶液に、馬の骨から抽出された成分を注入するミキシング工程。ミキシング工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第2乳酸発酵工程、等を少なくとも有している。
そして、これらの工程に基づき、複合発酵により動物性の水酸化リン酸カルシウムおよびアミノ酸、植物性の高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラルを含有し、抗酸化性にも優れた活力剤溶液が製造されること、を特徴とする。
【0019】
請求項2については、次のとおり。
請求項1において、ミキシング工程で使用されるのは、馬の骨から抽出された動物性の水酸化リン酸カルシウムとアミノ酸を主成分とする溶液と、植物性の有機酸を主成分とする酵素溶液よりなり、抗酸化機能を発揮すること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の活力剤溶液の製造方法では、各工程中の撹拌により、空気中に含有された好気性細菌が、液中に混入される。もって、液中に含有されていた該酵母や該乳酸菌が、一段と活性化、高密度化されること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4の活力剤溶液の製造方法では、製造された活力剤溶液は、人用、植物用,動物用として使用されること、を特徴とする。
【0020】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)まず、酵母発酵工程、第1乳酸発酵工程において、発酵と撹拌により、酵素を含む溶液が製造される。
(2)次にミキシング工程において、酵素を含む溶液に、馬の骨からの抽出物が注入される。
(3)第2乳酸発酵工程において、馬の骨の抽出物と酵素の発酵と撹拌が実施される。
(4)これらの工程に基づき、複合発酵により動物性の水酸化リン酸カルシウムおよびアミノ酸、植物性の高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を含有した活力剤溶液が製造される。
(5)さてこの活力剤溶液は、動物性の水酸化リン酸カルシウムおよびアミノ酸、植物性の高濃度アミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を含有しているので、植物に豊富な栄養を供給可能である。更に、健康ドリンク等として、人用や動物用にも有効使用可能である。
(6)又、この活力剤溶液は、動物性の水酸化リン酸カルシウムおよびアミノ酸、植物性の高濃度のアミノ酸や有機酸を含有している。そこで植物に使用すると、まず、嫌気性菌、病原菌、フザリウム菌、糸状菌、線虫類、寄生虫等の増殖を防止できる。又、植物の抗酸化力を向上させ、土壌中の重金属、難分解性物質、汚泥の消失、分解、解消等を促進させ、植物の生理活性を強化させ免疫力を強化させること、等が可能となる。
(7)そこで、本発明に係る活力剤溶液の製造方法は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0021】
《第1の効果》
第1に、動物性の水酸化リン酸カルシウムおよびアミノ酸、植物性の高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を含有した活力剤溶液を、製造可能である。
本発明の活力剤溶液の製造方法では、酵母発酵、乳酸発酵、複合発酵、酵素触媒作用、工程中の撹拌等を、組み合わせて採用したことを特徴とする。
もってアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を高濃度に含有した活力剤溶液を、簡単容易に製造できる。すなわち、この活力剤溶液は、品質安定性、確実性、コスト面等に優れつつ、高濃度、高密度、豊潤に製造可能である。
【0022】
《第2の効果》
第2に、この活力剤溶液は、抗酸化性に優れている。
本発明で製造される活力剤溶液には、植物性のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等が高濃度に含まれており、抗酸化性に優れている。
【0023】
《第3の効果》
第3に馬の骨から抽出された動物性のリン酸カルシウムは難溶性である。ミキシング工程で植物性の有機酸を含む酵素を添加することでリン酸カルシウムが溶解しやすくなり吸収されやすくなる。
【0024】
《第4の効果》
第4に、植物の土壌環境、抗酸化力、活性、免疫力等を、向上させる。
本発明の活力剤溶液の製造方法では、高濃度のアミノ酸や有機酸を含有した、活力剤溶液が製造される。そこで、植物の土壌病害、カビ病、連作障害、害虫害等の発生を抑制でき、土壌環境を大きく向上することができる。又、植物の抗酸化力を向上し、酸化、変敗、腐敗等が防止されるようになる。
更に、高濃度のアミノ酸や有機酸の存在により、植物生育の障害となる土壌中の重金属、難分解性物質、汚泥等の消失、分解、解消等も促進される。植物の活性化も促進され、免疫反応向上により免疫力も強化される。
【0025】
《第5の効果》
第5に、更に植物用や動物用のみならず人用にも有用である。
本発明の活力剤溶液の製造方法では、高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等を含有した、活力剤溶液が製造される。
もって、植物に使用した場合、植物に豊富な栄養を供給でき、光合成等が促進されるようになる。更に、動物用や人用としても有用であり、例えば健康ドリンクとして使用可能である。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る活力剤溶液の製造方法について、発明を実施するための形態の説明に供し、その一例全体の工程ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について、図面を参照して説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の活力剤溶液の製造方法は、少なくとも次の各工程を有している。
野菜、果実、豆類、穀物と水との混合液について、酵母を添加して、酵母発酵すると共に撹拌する酵母発酵工程(工程S1、2、3)。
酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第1乳酸発酵工程(工程S4、5、6)。
第1乳酸発酵工程にて得られた酵素を含む溶液に、馬の骨から抽出した成分を注入するミキシング工程(工程S7)。
ミキシング工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第2乳酸発酵工程(工程S8、9)。
酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して、乳酸発酵すると共に撹拌する第2乳酸発酵工程(工程S10、11)。
もって、これらの工程に基づき、複合発酵により高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラルを含有し、抗酸化性に優れた活力剤溶液が製造される(工程S12)。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明の活力剤溶液の製造方法について、更に詳述する。
【0028】
《酵素の製造について》
まず、酵素の製造について説明する。
本発明の栄養剤溶液の製造方法では、酵素が触媒として使用される。そこで、まず酵素の製造について図1を参照して、説明する。
酵素製造は、野菜、果実、豆類、穀物と水との混合液について(工程S1)、酵母を添加して酵母発酵する(工程S2)と共に撹拌(工程S3)する酵母発酵工程、および、酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して乳酸発酵する(工程S4)と共に撹拌(工程S 5)する第1乳酸発酵工程、等よりなる。
【0029】
このような酵素の製造について、更に詳述する。まず、有機物特に野菜、果実、豆類、穀物と水との混合液が準備される(工程S1)。水はミネラルウォータ― が用いられ、黒砂糖は発酵促進用に用いられる。そして、酵母発酵工程において混合液に、酵母つまりイースト酵母菌が添加されて、酵母発酵が行われる(工程S2)。例では、酵母が1tに対して粉末500g添加され、嫌気性条件下で1~2週間程度、酵母によるアルコール発酵が行われる

そして、このような酵母発酵と共に、撹拌が実施される(工程S3)。撹拌により、空気中に含有された好気性細菌が液中に混入され、もって共生により、酵母が活性化,高密度化される。例において、撹拌はスクリューにて1.5~2カ月程度、毎日実施される。
【0030】
それから、第1乳酸発酵工程へと移行し、乳酸菌が添加されて、乳酸発酵が行われる( 工程S4)。すなわち、炭水化物を乳酸へと分解,発酵させる微生物菌を、乳酸菌として添加し、嫌気性条件下で図示例では3カ月程度後から乳酸発酵が行われる。
このような乳酸発酵と共に、撹拌が実施される(工程S5)。撹拌により、空気中に含有された好気性細菌が混入され、もって共生により、乳酸菌が活性化,高密度化される。例において、撹拌は、ポンプにて1~1.5カ月程度、毎日実施される。
このような第1酵母発酵工程,第1乳酸発酵工程に基づくと共に、図示例では、合計6カ月以上程度の発酵熟成期間を経て、酵素を含む溶液が製造される(工程S6)。
酵素は、周知のごとくタンパク質性の高分子物質であり、諸種の生体化学反応を進展させる触媒作用が知られている。
酵素の製造については、以上のとおり。
【0031】
《発酵工程について》
次に発酵工程について説明する。
図示例の活力剤溶液の製造方法では、ミキシング工程の後、酵母を添加して酵母発酵する(工程S8)と共に撹拌(工程S9)する第2酵母発酵工程、および、第2酵母発酵工程の後、乳酸菌を添加して乳酸発酵する(工程S10)と共に撹拌(工程S11)する第2乳酸発酵工程のステップを辿る。
なお、第2酵母発酵工程は省略することも可能である。つまり、本発明の活力剤溶液の製造方法は、工程S9から、工程10、11を実施することなく、乾燥・粉砕工程へと進むようにしてもよい。つまり発酵工程は、第2乳酸発酵工程のみとしても可である。
【0032】
このような発酵工程について、更に詳述する。まず、発酵工程の第2酵母発酵工程および第2乳酸発酵工程は、所定の温度条件と湿度条件下で実施される(前述した予備的発酵についても同様)。例では、6℃~35℃の室温で、40%~95%の湿度に設定されたハウス施設内で行われる。
発酵温度は、40℃~50℃程度であり、発酵期間は、表面に白い粉のようなものが吹き出る。
【0033】
第2酵母発酵工程では、酵母つまりイースト酵母菌が添加されて、酵母発酵が行われ(工程S8)、酵素の触媒作用のもと、炭水化物等の分解、アルコール発酵が進展する。
そして、このような酵母発酵と共に撹拌が、2~3日毎に実施される(工程S9)。撹拌により、空気中に含有された微生物の好気性細菌例えば放線菌が液中に混入され、もって微生物共生により、液中に含有されていた微生物の酵母が、一段と活性化、高密度化される。
それから、第2乳酸発酵工程へと移行し、乳酸菌が添加されて、乳酸発酵が行われる( 工程S10)。乳酸へと分解、発酵する微生物菌を添加し、酵素の触媒作用のもと、嫌気性条件下で乳酸発酵が進展する。
そして、このような乳酸発酵と共に、撹拌が2~3日毎に実施される(工程S11)。撹拌により、空気中に含有された微生物の好気性細菌が液中に混入され、もって微生物共生により、液中に含有されていた微生物の乳酸菌が、活性化、高密度化される。
発酵工程については、以上のとおり。
【0034】
《活力剤溶液について》
これらの各工程に基づく複合発酵により、高濃度の、アミノ酸、有機酸、ビタミンミネラル等を含有し抗酸化性にも優れた活力剤溶液が、製造される(工程S12)。
このような本願発明の製造工程、発酵工程、複合工程全体を、アミノ酸発酵および有機酸発酵と称することも可能である。
アミノ酸は、周知のごとくタンパク質をつくっている有機化合物であり、生物の維持、成長に特に重要な成分であり、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等が代表的である。
有機酸は、酸性を示す有機化合物の総称であり、クエン酸、乳酸、酢酸が代表的である。アミノ酸や有機酸は、抗酸化物質、生理活性物質でもある。
ビタミンとしては、B1、B6等が代表的である。ミネラルは、カリウム、カルシウム、、マグネシウム、その他の鉱物素材の無機成分よりなる。
そして、製造された活力剤溶液は、抗酸化性に優れている。
活力剤溶液については、以上のとおり。
【0035】
《作用等》
本発明の活力剤溶液の製造方法は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)まず酵母発酵工程で、野菜、果実、豆類、穀物と水との混合溶液について、酵母を添加して酵母発酵すると共に撹拌する。それから第1乳酸発酵工程で、乳酸菌を添加して乳酸発酵すると共に撹拌する(図1の工程S1~工程S5)。
もって、酵素を含む液が予め製造される(図1の工程S6)。
【0036】
(2)次にミキシング工程において、酵素を含む溶液に、馬の骨から抽出した成分が注入される(図1の工程S7)。
【0037】
(3)ミキシング工程の後、図示例では発酵工程の第2酵母発酵工程で、酵母を添加して酵母発酵すると共に撹拌した後、第2乳酸発酵工程で、乳酸菌を添加して乳酸発酵すると共に撹拌する(図1の工程S8~工程S11)。
【0038】
(4)本発明の活力剤溶液の製造方法は、これらの工程に基づき複合発酵により高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラルを含有した活力剤溶液が、製造される(図1の工程S12)。そこで、この活力剤溶液は、以下の(5)等のようになる。
【0039】
(5)製造された栄養剤溶液は、高濃度のアミノ酸や有機酸を含有している。そこで、この活力剤溶液を植物に使用すると、植物にとって有害菌である嫌気性菌,ウィルス、病原菌、フザリウム菌、糸状菌、更には線虫類、寄生虫等々の増殖を、防止することができる。
もって、植物の土壌病害、カビ病、連作障害、害虫害等の発生が、抑制されるようになる。このように、植物の土壌環境を向上させることができる。
更に、栄養剤溶液の高濃度のアミノ酸や有機酸により、使用した植物の抗酸化力を向上させることができる。
例えば、高温、多湿により土壌中に硝酸塩(硝酸態窒素)が高濃度化し易いが、これによる酸化、変敗、腐敗等が防止されるようになる。
又、高濃度のアミノ酸や有機酸により、植物生育の障害となる重金属、難分解性物質、汚泥等が土壌中に存する場合、その消失、分解、解消等が促進されるようになる。
又、生育,栽培される植物について、生理活性が強化され、免疫反応が向上するようになり、活性化が促進され免疫力が強化される。
【0040】
(6)更に、栄養剤溶液の高濃度のアミノ酸、有機酸、ビタミン、ミネラル等により、植物に使用した場合、豊富な栄養を供給でき、その光合成等が促進されるようになる。
このような植物用としてのみならず、動物用や人用としても有用である。すなわち、この栄養剤溶液は、上述した植物用と同様な理由により、動物用や人用の健康ドリンクとして使用可能である。
なお、人用等として使用する場合は、濾過工程により、栄養剤溶液中から酵母や乳酸菌が、微生物着生フィルターを用いて予め濾過,除去される。
本発明の作用等については、以上のとおり。
図1