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特開2022-127684台車走行路およびコンクリート打設方法
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  • 特開-台車走行路およびコンクリート打設方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127684
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】台車走行路およびコンクリート打設方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/10 20060101AFI20220825BHJP
   E04G 21/02 20060101ALI20220825BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
E21D11/10 C
E04G21/02 103
E04G21/12 105A
E21D11/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025817
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 優一
(72)【発明者】
【氏名】小森 敏生
(72)【発明者】
【氏名】上野 竜生
【テーマコード(参考)】
2D155
2E172
【Fターム(参考)】
2D155BA01
2D155BB01
2D155CA03
2D155DA08
2E172AA05
2E172CA04
2E172DB13
2E172DE06
(57)【要約】
【課題】型枠などの重量物を支持する台車を配筋後に走行させることを可能とした台車走行路およびコンクリート打設方法を提案する。
【解決手段】格子状に組み立てられた補強鉄筋3の上方を走行する台車8の台車走行路5であって、台車8の進行方向に沿って列状に配設された複数のブロック体6,6,…を備えており、ブロック体6は、台車8の進行方向と交差する横筋31の前後に設けられていて、ブロック体6の上面は補強鉄筋3よりも高い位置にある。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に組み立てられた鉄筋の上方を走行する台車の台車走行路であって、
前記台車の進行方向に沿って列状に配設された複数のブロック体を備えており、
前記ブロック体は、前記台車の進行方向と交差する前記鉄筋の前後に設けられていて、
前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にあることを特徴とする、台車走行路。
【請求項2】
前記ブロック体の上面に、隣接する他の前記ブロック体に向かって張り出す板材が固定されており、
前記板材の先端部は、隣接する他の前記ブロック体の上面に上載されていることを特徴とする、請求項1に記載の台車走行路。
【請求項3】
前記ブロック体が、上下一対のフランジと、前記フランジ同士を接続するウェブとを備える鋼材からなり、
前記ブロック体には、上下の前記フランジ同士を連結する補強板材が固定されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の台車走行路。
【請求項4】
格子状の鉄筋を組み立てる配筋工程と、
複数のブロック体を列状に配設して台車走行路を形成する走行路形成工程と、
所定の位置に型枠を組み立てる型枠組立工程と、
コンクリートを打設する打設工程と、を備えるコンクリート打設方法であって、
前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にあり、
前記型枠は、前記台車走行路を走行する台車と、前記台車に支持された折り畳み可能な型枠本体とを備えていて、
前記走行路形成工程では、前記ブロック体を前記鉄筋同士の間に設置し、
前記型枠組立工程では、前記型枠本体を折り畳んだ状態で前記台車により前記型枠本体を所定の位置まで移動させる作業と、前記型枠本体を拡幅させる作業と、を行うことを特徴とする、コンクリート打設方法。
【請求項5】
前記走行路形成工程は、後側に配設された前記ブロック体を、前記鉄筋の上に設置したローラーコンベア上を移動させることにより前記台車の前方に移動させる作業を備えていることを特徴とする、請求項4に記載のコンクリート打設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車走行路およびコンクリート打設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル施工時において覆工コンクリートの打設に移動式型枠を利用する場合がある(例えば、特許文献1参照)。移動式型枠は、型枠本体を折り畳んだ状態でトンネル坑内に敷設された軌道上を走行することにより所定の位置に移動させた後、型枠本体を広げることで組み立てが完了するため、工期短縮化を可能としている。
覆工コンクリートに鉄筋を配筋する場合には、型枠を組み立てる前に鉄筋を組み立てる必要があるが、移動式型枠を組立済の鉄筋上を走行させると、鉄筋が変形してしまうおそれがある。また、鉄筋上では、軌道の支持力を確保することができない。そのため、トンネル底部(インバート部)の配筋後に移動式型枠を使用することは困難であった。
また、トンネルのインバート(底部)の施工を先行して行い、インバート上において移動式型枠を走行させて他の部分のコンクリート打設を行う場合があるが、複数回に分けて配筋およびコンクリート打設を行う必要があり、工期短縮化の妨げとなる。また、トンネルの断面形状が小さい場合には、インバートの施工後に移動式型枠を使用するための作業スペースを確保できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-310589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、型枠などの重量物を支持する台車を配筋後に走行させることを可能とした台車走行路およびコンクリート打設方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の台車走行路は、格子状に組み立てられた鉄筋の上方を走行する台車の台車走行路であって、前記台車の進行方向に沿って列状に配設された複数のブロック体を備えており、前記ブロック体は前記台車の進行方向と交差する前記鉄筋の前後に設けられていて、前記ブロック体の上面は前記鉄筋よりも高い位置に設けられている。
かかる台車走行路によれば、鉄筋よりも高い位置にあるブロック体の上面を台車が走行するため、台車走行時に鉄筋に荷重が作用することがなく、鉄筋の配筋後に台車を移動させても、鉄筋が変形することがない。そのため、本発明の台車走行路をトンネル施工用の移動式型枠等の走行路として使用すれば、インバート(トンネル底部)を先行して施工する必要がなく、覆工コンクリート(二次覆工)の施工の手間を低減することができる。
なお、前記ブロック体の上面に、隣接する他のブロック体に向けて張り出す板材が固定されていれば、台車走行路の上面(台車の走行面)を連続させることができ、台車の走行性が向上する。
また、前記ブロック体が上下一対のフランジと前記フランジ同士を接続するウェブとを備える鋼材である場合には、上下の前記フランジを連結する補強板材が固定されているのが望ましい。
【0006】
また、本発明のコンクリート打設方法は、格子状の鉄筋を組み立てる配筋工程と、複数のブロック体を列状に配設して台車走行路を形成する走行路形成工程と、所定の位置に型枠を組み立てる型枠組立工程と、コンクリートを打設する打設工程とを備えている。前記型枠は前記台車走行路を走行する台車と前記台車に支持された折り畳み可能な型枠本体とを備えている。前記走行路形成工程では前記ブロック体を前記鉄筋同士の間に設置する。前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にある。また、前記型枠組立工程では、前記型枠本体を折り畳んだ状態で前記台車により前記型枠本体を所定の位置まで移動させる作業と、前記型枠本体を拡幅させる作業とを行う。
かかるコンクリート打設方法によれば、鉄筋を配筋した後でも、鉄筋を変形させずに型枠を所定の位置に配置して、コンクリートを打設することができる。そのため、鉄筋が配筋されたトンネルの覆工コンクリート(二次覆工)の施工であっても、インバートとその他の部分とを分割する必要がなく、施工の手間を低減できる。
なお、前記走行路形成工程は、後側に配設された前記ブロック体を、前記鉄筋の上に設置したローラーコンベア上を移動させることにより前記台車の前方に移動させる作業を備えていれば、ブロック体の転用によりコスト低減化を図ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の台車走行路およびコンクリート打設方法によれば、台車を配筋後の鉄筋上を走行させて台車により支持された型枠等を所定の位置まで移動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のトンネルを示す横断図である。
図2】コンクリート打設方法の手順を示すフローチャートである。
図3】台車走行路を示す図であって、(a)は横断図、(b)は平面図である。
図4】ブロック体を示す図であって、(a)は正面図、(b)は縦断図である。
図5】ブロック体の輸送に使用するローラーコンベアを示す側面図である。
図6】移動式型枠を示す側面図である。
図7】移動式型枠を示す図であって、(a)は型枠本体の拡径時の断面図、(b)は型枠本体折り畳み時の断面図である。
図8】移動式型枠の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、シールドトンネル工事において、セグメント(一次覆工)1の内側に、有筋の覆工コンクリート(二次覆工)2を形成する場合について説明する。図1に本実施形態のトンネルTを示す。図1に示すように、本実施形態のトンネルTは円形断面とし、鋼製セグメントにより一次覆工(セグメント1)が形成されている。覆工コンクリート2は、セグメント1の内空側に補強鉄筋3を配筋した後、型枠(移動式型枠4)を設置して、型枠とセグメント1との間にコンクリートを打設することにより形成する。覆工コンクリート2は、移動式型枠4を利用して、トンネル軸方向に連続的にコンクリートを打設することにより形成する。
【0010】
図2に本実施形態のコンクリート打設方法を示す。本実施形態のコンクリート打設方法は、図2に示すように、配筋工程S1と、走行路形成工程S2と、型枠組立工程S3と、打設工程S4とを備えている。
配筋工程S1は、補強鉄筋3を組み立てる工程である。図3に補強鉄筋3と台車走行路5を示す。補強鉄筋3は、図3(a)および(b)に示すように、横筋(主筋)31および縦筋(配力筋)32を組み合わせることにより格子状に組み立てる。横筋31は、トンネル断面周方向に沿って環状に配筋されており、トンネル軸方向に所定の間隔をあけて配筋する。縦筋32は、トンネル軸方向に延設されており、トンネル断面周方向に間隔をあけて、複数本配筋する。すなわち、本実施形態では、格子状の補強鉄筋3が筒状に配筋されている。補強鉄筋3は、セグメント1から所定の間隔をあけて配筋する。
【0011】
走行路形成工程S2は、台車走行路5を形成する工程である。台車走行路5は、移動式型枠4等の走行路であって、図3(a)に示すように、トンネルTの底部に設けられている。台車走行路5は、トンネルTの中心線(トンネルTの中心から延びる鉛直線)を挟んで左右にそれぞれ1列ずつ(計2列)設ける。台車走行路5は、図3(b)に示すように、複数のブロック体6,6,…を列状に配設することにより形成する。ブロック体6は、鉄筋同士の間(横筋31および縦筋32により囲まれた領域)に設置するものとし、トンネル軸方向(移動式型枠4の進行方向)と交差する横筋31の前後に設ける。また、ブロック体6は、中央側に配筋された縦筋32に側方から当接するように配設することで、下側(平面視トンネル中央側)に移動することが防止されている。
【0012】
図4にブロック体6を示す。図4(a)に示すように、本実施形態のブロック体6は、並設された二つのブロック構成材61,61により構成されている。本実施形態のブロック構成材61は、上下一対のフランジ62,62と、フランジ62同士を接続するウェブ63とを備えるH形鋼からなる。本実施形態では、二つのブロック構成材61,61を横に並べた状態で、両ブロック構成材61,61の上面に横架させたバタ付き防止板材64を溶接することにより一体化している。図4(b)に示すように、バタ付き防止板材64は、横筋31を挟んで隣接する他のブロック体6(台車の進行方向に隣接する他のブロック体6)に向かって張り出している。バタ付き防止板材64の先端部は、横筋31を挟んで隣接する他のブロック体6の上面に上載されて、ブロック体6間の連続性が確保されている。
また、図4(a)に示すように、ブロック体6の両端には、上下のフランジ62,62を連結する補強板材65が固定されている。補強板材65は、フランジ62の先端部に移動式型枠4の荷重が作用した際にフランジ62が変形することを抑制する。
ブロック体6は、所定の位置に設置した状態で上面が鉄筋よりも高い位置となる高さを有している。本実施形態では、ブロック体6の設置箇所に予め均しコンクリートを打設しておくことで、セグメント1の内面に形成された凹部を平坦にする。すなわち、ブロック体6の高さは、均しコンクリートの上面(鋼製セグメントのリブの上面)から補強鉄筋3の上面までの距離以上とする。
【0013】
ブロック体6は、図5に示すように、補強鉄筋3の上に設置したローラーコンベア9上を移動させることにより、前側の走行手段8の後方(坑口側)から前方(切羽側)へ移動させる。すなわち、移動式型枠4を移動させた後、前側の走行手段8の後方に配設されたブロック体6は、ローラーコンベア9を介して、前側の走行手段8の前方(移動式型枠4の前方)へ移動させる。こうすることで、鋼材により構成された重量物であるブロック体6を作業員が持ち歩く作業を省略する。なお、ローラーコンベア9は、横軸を中心に回転する複数の筒状部材(ローラー)がトンネル軸方向に並設されており、筒状部材が回転することにより上載物が摺動する。本実施形態では、ローラーコンベア9をトンネル底部中央(台車8の車輪86の側方)に配設するが、ローラーコンベア9の配置は限定されるものではない。
【0014】
型枠組立工程S3は、所定の位置に型枠(移動式型枠4)を組み立てる工程である。
図6に移動式型枠4の側面図、図7に移動式型枠4の断面図を示す。移動式型枠4は、図6に示すように、折り畳み可能な型枠本体7と、型枠本体7を支持する台車8とを備えている。
拡幅(展開)した状態の型枠本体7は、図7(a)に示すように、外面が覆工コンクリート2の内面と同形状となるように断面円形を呈している。また、型枠本体7は、図7(b)に示すように、複数の型枠部材71,71,…を回動可能に連結することにより形成されていて、内方に折り畳み可能である。すなわち、型枠本体7は、縮径可能であり、移動式型枠4は、型枠本体7を縮径した状態で移動させる。
【0015】
図8に移動式型枠4の正面図を示す。台車8は、図6図8に示すように、型枠本体7を支持する支持手段81と、台車走行路5または施工済みの覆工コンクリート2を走行する走行手段82とを備えている。支持手段81は、図7および図8に示すように、トンネル軸方向に延設された架台83と、架台83上に立設された支柱84と、架台83の両端部に設けられた脚柱85とを備えている。架台83は、鋼材を組み合わせることにより形成された版状部材である。本実施形態の架台83は、平面視矩形状を呈しているが、架台83は梁であってもよい。支柱84は、鋼材からなり、図7(a)に示すように、上端が型枠本体7に固定されていて、下端が架台83に固定されている。すなわち、支柱84は、型枠本体7を支持している。本実施形態では、左右一対の支柱84を型枠本体7の延長方向の少なくとも2箇所に設けるものとする。脚柱85は、図6および図8に示すように、上端が架台83に固定されていて、下端に走行手段82が設けられている。本実施形態では、少なくとも架台83の前後の端部一対の脚柱85を設けるものとする。
【0016】
走行手段82は、図6に示すように、型枠本体7の前後に配置されている。前側の走行手段82は、台車走行路5上を走行し、後側の走行手段82は、施工済みの覆工コンクリート2上を走行する。走行手段82は、図8にも示すように、複数の車輪86,86を備えており、少なくとも前側の走行手段82は、台車走行路5上を走行可能に構成されている。本実施形態の走行手段82は、左右一対の車輪86,86が、前後に二組設けられている。車輪86の回転軸は、トンネルTの内面(台車走行路5の走行面)に応じて傾斜している。走行手段82は、移動式型枠4の前後にそれぞれ設けられている。本実施形態では、移動式型枠4の後部に設けられた走行手段82が駆動手段87の動力により駆動する。すなわち、移動式型枠4は、自走式である。
【0017】
型枠組立工程S3では、型枠本体7を折り畳んだ状態(図7(b)参照)で台車8により型枠本体7を所定の位置まで移動させる。このとき、台車8は、台車走行路5上を走行することにより、型枠本体7をトンネル軸方向に移動させる。すなわち、移動式型枠4は、補強鉄筋3上を走行することで、所定の位置まで移動する。移動式型枠4を所定の位置に移動させたら、型枠本体7を拡幅させて、所定形状の型枠を形成する(図7(a)参照)。本実施形態の移動式型枠4の台車8の前部および後部には、それぞれジャッキを有した固定手段88が設けられている。移動式型枠4を所定の位置に移動させたら、固定手段88を張り出させてトンネルTの内面に当接させることで、移動式型枠4を固定する。
【0018】
打設工程S4は、コンクリートを打設する工程である。コンクリートは、型枠本体7とセグメント1との隙間に流し込む。型枠本体7とセグメント1との間にコンクリートを充填したら、所定の強度が発現するまで養生する。
コンクリートに所定の強度が発現されたら、型枠本体7を折り畳むことで脱型する。
このように、配筋工程S1走行路形成工程S2、型枠組立工程S3および打設工程S4を繰り返すことにより、トンネル延長方向に連続する覆工コンクリート2を形成する。
【0019】
本実施形態のコンクリート打設方法によれば、覆工コンクリート2に埋設される補強鉄筋3を配筋した後でも、補強鉄筋3を変形させずに移動式型枠4を所定の位置に配置して、コンクリートを打設することができる。そのため、トンネルTの覆工コンクリート(二次覆工)2の施工時に、インバートとその他の部分とを分割することなく、一体に施工することができる。
移動式型枠4の台車走行路5は、上面が補強鉄筋3よりも高い位置にあるブロック体6により形成されているため、移動式型枠4の移動時に補強鉄筋3に荷重が作用することがない。そのため、本発明の台車走行路5を使用すれば、インバート(トンネル底部)を先行して施工する必要がなく、覆工コンクリート(二次覆工)2の施工の手間を低減することができる。
【0020】
横筋31を挟んで前後に配設されたブロック体6,6の上面には、バタ付き防止板材66が横架されているため、ブロック体6同士の間に大きな隙間が形成されることが防止されていて、移動式型枠4の走行性が向上する。また、ブロック体6上を台車8の車輪86が走行した際に、ブロック体6のバタ付きを防止する。
ブロック体6には、上下のフランジ62を連結する補強板材65が固定されているため、移動式型枠4の荷重により変形することが防止されている。
ブロック体6は、鉄筋の上に設置したローラーコンベア9を利用して、移動式型枠4の後方から前方へ移動させるため、狭い作業空間内において、効率よく輸送することができる。また、ブロック体6を転用することで、コスト低減化を図ることができる。
【0021】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、シールドトンネルの二次覆工の施工について説明したが、本発明の台車走行路5およびコンクリート打設方法の適用対象は、シールドトンネルの施工に限定されるものではなく、例えば山岳トンネルやその他のコンクリート構造物の施工などに採用してもよい。
ブロック体6を構成するブロック構成材61は、H形鋼に限定されるものではなく、例えば、溝形鋼や角鋼管等であってもよい。
ブロック体6の設置箇所に打設する均しコンクリートは、必要に応じて打設するものとし、例えば、セグメント1がプレキャストコンクリート部材により形成されている場合など、セグメント1の内面が平らな場合等には、均しコンクリートは省略してもよい。
台車8の構成は限定されるものではなく、例えば、支柱84および脚柱85の数および配置は適宜決定すればよい。
トンネルTの底部に設ける台車走行路5の数および配置は限定されるものではなく、台車8の構成等に応じて適宜決定すればよい。
【符号の説明】
【0022】
1 セグメント(一次覆工)
2 覆工コンクリート(二次覆工)
3 補強鉄筋(鉄筋)
4 移動式型枠
5 台車走行路
6 ブロック体
7 型枠本体
8 台車
9 ローラーコンベア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8