(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127714
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】袋詰め補助装置
(51)【国際特許分類】
B65B 67/04 20060101AFI20220825BHJP
B65B 43/36 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B65B67/04
B65B43/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025854
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】591038026
【氏名又は名称】福岡丸本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100207066
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 毅
(72)【発明者】
【氏名】山本 正和
(72)【発明者】
【氏名】百合 広之
【テーマコード(参考)】
3E030
3E057
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030CA07
3E030CA09
3E030CB01
3E030EB03
3E030GA01
3E057AA01
3E057AC04
3E057CB03
3E057CB06
(57)【要約】
【課題】多種多様な包装袋を保持可能な袋詰め補助装置を提供すること。
【解決手段】包装袋Bを膨らませる送風ユニット100と多数の包装袋Bを順次袋詰め可能に平積み保持するスタッキング台200とを備えて、包装袋Bに対する被包装物の袋詰め作業を順次袋詰め可能に補助する袋詰め補助装置10であって、送風ユニット100が、袋詰め作業エリアFに設置されるベースフレーム110と包装袋Bに向けて送風する送風機120とを備え、送風機120が、ベースフレーム110に固定したハウジング121とこのハウジング121に固定した送風ファン122とを有し、スタッキング台200が、送風ユニット100のハウジング121に対して着脱自在に装着されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋を膨らませる送風ユニットと前記包装袋を多数平積み保持するスタッキング台とを備えて前記包装袋に対する被包装物の袋詰め作業を順次袋詰め可能に補助する袋詰め補助装置であって、
前記送風ユニットが、袋詰め作業エリアに設置するベースフレームと前記包装袋に向けて送風する送風機とを備え、
前記送風機が、前記ベースフレームに固定したハウジングと該ハウジングに固定した送風ファンとを有し、
前記スタッキング台が、前記送風ユニットのハウジングに対して着脱自在に装着されていることを特徴とする袋詰め補助装置。
【請求項2】
前記送風ユニットのハウジングに対する前記スタッキング台の位置を定めるスタッキング台位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の袋詰め補助装置。
【請求項3】
前記包装袋が、表面よりも袋開口方向に突出したリップ部の有する裏面を有し、
前記送風ユニットが、前記スタッキング台に載置された最上位の包装袋のリップ部を押さえる袋押さえ板を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の袋詰め補助装置。
【請求項4】
前記送風ユニットが、前記ハウジングを下方に下げるハウジング変形部を有していることを特徴とする請求項3に記載の袋詰め補助装置。
【請求項5】
前記スタッキング台が、前記包装袋に向けて突出する袋変形用突起を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の袋詰め補助装置。
【請求項6】
前記送風ユニットが、前記スタッキング台に平積みされた最上位の包装袋の表面を押さえる袋形状保持部材を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の袋詰め補助装置。
【請求項7】
前記スタッキング台が、前記包装袋を束ねる袋係止具の係止孔を係止する係止用突起を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の袋詰め補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に対する被包装物の袋詰め作業を補助する袋詰め補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装袋に対する袋詰め作業を補助する袋詰め補助装置として、包装袋を積層状態で載置可能な包装袋載置台と、この包装袋載置台の上方に設けた上蓋部とを備える袋詰め補助装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この袋詰め補助装置には、包装袋の係止用孔に挿入する柱状体の係止用ピンが包装袋載置台に立設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-104538号公報(横置き)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した袋詰め補助装置に載置する包装袋は、包装袋載置台に立設された係止用ピンを挿入できる位置に係止用孔を形成する必要があり、袋詰め補助装置に載置できる包装袋の形状が限られていた。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、多種多様な包装袋を保持可能な袋詰め補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、包装袋を膨らませる送風ユニットと前記包装袋を多数平積み保持するスタッキング台とを備えて前記包装袋に対する被包装物の袋詰め作業を順次袋詰め可能に補助する袋詰め補助装置であって、前記送風ユニットが、袋詰め作業エリアに設置するベースフレームと前記包装袋に向けて送風する送風機とを備え、前記送風機が、前記ベースフレームに固定したハウジングと該ハウジングに固定した送風ファンとを有し、前記スタッキング台が、前記送風ユニットのハウジングに対して着脱自在に装着されていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された袋詰め補助装置の構成に加えて、前記送風ユニットのハウジングに対する前記スタッキング台の位置を定めるスタッキング台位置決め手段が設けられていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された袋詰め補助装置の構成に加えて、前記包装袋が、表面よりも袋開口方向に突出したリップ部の有する裏面を有し、前記送風ユニットが、前記スタッキング台に載置された最上位の包装袋のリップ部を押さえる袋押さえ板を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載された袋詰め補助装置の構成に加えて、前記送風ユニットが、前記ハウジングを下方に下げるハウジング変形部を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された袋詰め補助装置の構成に加えて、前記スタッキング台が、前記包装袋に向けて突出する袋変形用突起を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された袋詰め補助装置の構成に加えて、前記送風ユニットが、前記スタッキング台に平積みされた最上位の包装袋の表面を押さえる袋形状保持部材を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された袋詰め補助装置の構成に加えて、前記スタッキング台が、前記包装袋を束ねる袋係止具の係止孔を係止する係止用突起を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の袋詰め補助装置は、包装袋を膨らませる送風ユニットと包装袋を多数平積み保持するスタッキング台とを備え、送風ユニットが袋詰め作業エリアに設置するベースフレームと包装袋に向けて送風する送風機とを備え、送風機がベースフレームに固定したハウジングと該ハウジングに固定した送風ファンとを有していることにより、包装袋に対する被包装物の袋詰め作業を順次袋詰め可能に補助することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の装置構成に基づく顕著な効果を奏することができる。
すなわち、請求項1に係る発明は、スタッキング台が、送風ユニットのハウジングに対して着脱自在に装着されていることにより、包装袋に応じたスタッキング台を用意すれば包装袋の形状に因らずに包装袋を袋詰め補助装置に載置可能となるため、一台の袋詰め補助装置で多種多様な包装袋を保持することができる。
【0014】
請求項2に係る発明の袋詰め補助装置によれば、請求項1に係る発明の袋詰め補助装置が奏する効果に加えて、送風ユニットのハウジングに対するスタッキング台の位置を定めるスタッキング台位置決め手段が設けられていることにより、スタッキング台をハウジングに装着した際にハウジングに対するスタッキング台の位置が固定され、送風ファンに対するスタッキング台の位置が如何なるスタッキング台であっても所定の位置となるため、如何なる包装袋であっても、送風ファンによって膨らませることができる。
【0015】
請求項3に係る発明の袋詰め補助装置によれば、請求項1または請求項2に係る発明の袋詰め補助装置が奏する効果に加えて、送風ユニットが、スタッキング台に載置された最上位の包装袋のリップ部を押さえる袋押さえ板を有していることにより、送風ファンが包装袋を膨らましている際にも袋押さえ板が包装袋を抑えているため、送風ファンからの風圧によって包装袋がスタッキング台から脱離することを防ぐことができる。
【0016】
請求項4に係る発明の袋詰め補助装置によれば、請求項3に係る発明の袋詰め補助装置が奏する効果に加えて、送風ユニットが、ハウジングを下方に下げるハウジング変形部を有していることにより、ハウジング変形部によりハウジングを下方に下げると、袋押さえ板とハウジングとの距離が遠ざかるため、ハウジングにスタッキング台を取り付けやすくすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明の袋詰め補助装置によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に係る発明の袋詰め補助装置が奏する効果に加えて、スタッキング台が、包装袋に向けて突出する袋変形用突起を有していることにより、スタッキング台に平積みされた包装袋が袋変形用突起によりスタッキング台に対して隆起して包装袋にしわが寄り、送風ファンからの送風が包装袋内部に入り込みやすくなるため、包装袋を容易に膨らませることができるだけでなく、包装袋がスタッキング台に対して送風ファンにより包装袋を膨らました際の包装袋の開口形状が、スタッキング台が包装袋に向けて突出する袋変形用突起を有していない場合の開口形状と異なった形状となるため、送風ファンにより包装袋が膨らんだ際の包装袋の開口形状を被包装物に合わせた最適な形状とすることができる。
【0018】
請求項6に係る発明の袋詰め補助装置によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に係る発明の袋詰め補助装置が奏する効果に加えて、送風ユニットが、スタッキング台に平積みされた最上位の包装袋の表面を押さえる袋形状保持部材を有していることにより、送風ファンからの送風に対して包装袋が膨らみにくくなるため、包装袋の開口高さが抑えられ、幅広の被包装物を包装袋に挿入しやすくすることができる。
【0019】
請求項7に係る発明の袋詰め補助装置によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に係る発明の袋詰め補助装置が奏する効果に加えて、スタッキング台が、包装袋を束ねる袋係止具の係止孔を係止する係止用突起を有していることにより、袋係止具の係止孔をスタッキング台の係止用突起に係止するだけで、袋係止具により束ねられた包装袋がスタッキング台に設置されるため、多数の包装袋を簡単に平積み保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施例である袋詰め補助装置の左側面図。
【
図4A】
図1の袋詰め補助装置で用いる包装袋の平面図。
【
図5A】
図1の袋詰め補助装置で用いる袋係止具の平面図。
【
図6】送風ユニットにスタッキング台200を装着する手順を示した図。
【
図7A】幅広の包装袋を用いた場合の
図1のVIIA-VIIA断面図。
【
図7B】幅広の包装袋を膨らませた状態の
図1のVIIBから見た図。
【
図8A】幅狭の包装袋を用いた場合の
図1のVIIIA-VIIIA断面図。
【
図8B】幅狭の包装袋を膨らませた状態の
図1のVIIIBから見た図。
【
図9A】本発明の第2実施例である袋詰め補助装置の平面図。
【
図9B】本発明の第2実施例である袋詰め補助装置の左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、包装袋を膨らませる送風ユニットと包装袋を多数平積み保持するスタッキング台とを備えて包装袋に対する被包装物の袋詰め作業を順次袋詰め可能に補助する袋詰め補助装置であって、送風ユニットが袋詰め作業エリアに設置するベースフレームと包装袋に向けて送風する送風機とを備え、送風機がベースフレームに固定したハウジングとこのハウジングに固定した送風ファンとを有し、スタッキング台が、送風ユニットのハウジングに対して着脱自在に装着され、多種多様な包装袋を保持可能なものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0022】
例えば、包装袋の材質については、被包装物を包装することができれば、紙やプラスチックフィルム等、いかなるものであってもよいが、柔軟且つ透明なプラスチックフィルム製であることが好ましい。
また、包装袋の形状については、一方のみが開口した袋であれば、平面視における形状は、いかなるものであってもよい。
【0023】
例えば、被包装物については、野菜、果物、パン、文具、工業部品等、いかなるものであってもよい。
【実施例0024】
以下、
図1乃至
図7に基づいて、本発明の第1実施例である袋詰め補助装置10を説明する。
【0025】
まず、本発明の第1実施例である袋詰め補助装置10は、本発明の第1実施例である袋詰め補助装置10の左側面図である
図1に示すように、包装袋Bを膨らませる送風ユニット100と、多数の包装袋Bを順次袋詰め可能に多数平積み保持するスタッキング台200とを備え、これにより、包装袋Bに対する被包装物の袋詰め作業を順次袋詰め可能に補助するものである。
【0026】
そこで、本実施例の袋詰め補助装置10を構成する送風ユニット100、スタッキング台200のそれぞれの具体的な装置構成について、以下に詳説する。
【0027】
<1.送風ユニット100>
図2Aおよび
図2Bに基づいて、送風ユニット100の装置構成について説明する。
図2Aは、
図1に示す送風ユニットの左側面図であり、
図2Bは、
図1に示す送風ユニットの平面図である。
【0028】
送風ユニット100は、
図2Aおよび
図2Bに示すように、テーブル等の載置面Fに載置されるベースフレーム110と、包装袋Bに向けて送風する送風機120と、ベースフレーム110の姿勢を固定する傾斜固定手段130とを備えている。
【0029】
<1.1.ベースフレーム>
ベースフレーム110は、載置面(袋詰め作業エリア)Fに設置する底板111と、送風機120が取り付けられるベース板112と、底板111とベース板112とを連結する回動部材(軸支部材)113と、後述する傾斜固定手段130のガイドバー131に懸架自在なフック114とを有している。
【0030】
底板111は、
図2Bに示すように、矩形状の平板であり、送風ユニット100全体を支持する。
また、この底板111には、傾斜固定手段130の左右方向の位置決めを行う半球状のガイド111aが4カ所に載置されている。
さらに、この底板111には、T字状のバーガイド111bが載置されている。
バーガイド111bは、左右方向に延びる基部111b1と、この基部111b1から前方に向かって延びる突出部111b2とから形成されている。
【0031】
ベース板112は、矩形状の平板であり、底板111よりも左右方向に幅狭になっている。
また、ベース板112の長手方向は、送風ユニット100の長手方向と一致し、ベース板112の短手方向は送風ユニット100の短手方向と一致している。
そして、ベース板112の前後方向の中央付近にはネジ孔112aが形成されている。
また、ベース板112のネジ孔112aの前方には、貫通孔112bが形成されている。
この貫通孔112bは、バーガイド111bの突出部111b2に形成されたネジ孔と平面視で同心に形成されている。
【0032】
回動部材113は、底板111の前端とベース板112の前端とを回動自在に連結してベース板112を床板111に対して袋詰め方向に向かって傾斜自在に軸支する部材である。
すなわち、ベース板112は、底板111に対して上下方向に回動自在になっている。
【0033】
フック114は、
図2Aに示すように、ベース板112の後端を側面視で逆V字状となるように折り曲げて形成されている。
このフック114をガイドバー131に引っかけることにより、ベースフレーム110の底板112に対するベース板111の傾きを固定することができる。
【0034】
<1.2.送風機>
送風機120は、ベースフレーム110のベース板112に固定されるハウジング121と、包装袋Bを膨らませる送風ファン122と、この送風ファン122をハウジング121に固定する止めネジ123とを有している。
さらに送風機120は、スタッキング台200に載置された最上位の包装袋Bに向けて被包装物を誘導するシューターを着脱自在とするシューター接続部材124と、ハウジング121をベースフレーム110のベース板112に固定するハウジング固定手段125と、スタッキング台200およびこのスタッキング台200に平積みされた最上位の包装袋Bのリップ部Bpと当接する押さえ板126と、スタッキング台200に平積みされた最上位の包装袋Bの表面を押さえる袋形状保持部材127とを有している。
【0035】
ハウジング121は、一枚の板を曲げ加工した部材であり、
図2Bに示すように、ベース板112の左端側および右端側にそれぞれ載置されている。
ハウジング121は、
図2Aに示すように、ベースフレーム110のベース板112と当接する平坦な底部121aと、この底部121aの後端から立ち上がって送風ファン122を内包する右側面視D字状の送風ファン収容部121bと、この送風ファン収容部121bの前方下端から前方に伸びる平坦な水平部121cと、この水平部121cの前端から斜め後方に上昇する傾斜部121dと、この傾斜部121dの後端から下方に伸びる右側面視L字状のハウジング変形部121eとから形成されている。
【0036】
送風ファン収容部121bの前方側の立ち下がり部分121b1には、止めネジ123により送風ファン122が固定されている。
ハウジング変形部121eが押し下げられると、ハウジング121は自身の弾性により変形し、ハウジング121の傾斜部121dが下がり、袋押え板126との間隔dが大きくなる。
【0037】
送風ファン122は、ハウジング121の送風ファン収容部121bに挿入されており、右側に送風のON/OFFを制御する電源スイッチ122aと、送風ファン122に給電する電源コード122bとを有している。
また送風ファン122は、前方に送風口(不図示)を有しており、スタッキング台200に保持された最上位の包装袋Bの開口部に向けて送風する。
【0038】
シューター接続部材124は、ハウジング121と送風ファン122との間に挿入され、シューター側の面ファスナーと係合自在な面ファスナー124aと、この面ファスナー124aが載置される基材124bとを有している。
面ファスナー124aの左右方向の幅は、
図2Bに示すように、送風ユニット100のハウジング121間の距離Dhとほぼ等しくなっている。
【0039】
ハウジング固定手段125は、ベースフレーム110のベース板112およびハウジング121の水平部121cに挿通される固定ネジ125aと、ハウジング121の水平部121cに載置され固定ネジ125aと螺合する固定ナット125bとを有している。
したがって、固定ネジ125aを固定ナット125bに螺合させると、ハウジング固定手段125がベースフレーム110のベース板112とハウジング121とを挟圧し、ハウジング121がベースフレーム110のベース板112に固定される。
また、ハウジング121の水平部121cが固定されるが、水平部121cから斜め後方に上昇する傾斜部121dは上下方向に変形自在であるため、傾斜部121dは板バネのように機能する。
【0040】
押さえ板126は、スタッキング台200を押さえる金属製の台押さえ板126aと、包装袋Bのリップ部Bpを押さえる樹脂製の袋押さえ板126bとを有している。
台押さえ板126aは、その後端がハウジング121の送風ファン収容部121bの前方側に取り付けられている。
袋押さえ板126bは、その後端がハウジング121の送風ファン収容部121bの前方側かつ台押さえ板126aよりも上方に取り付けられている。
また、袋押さえ板126bの先端の左右方向の幅は、
図2Bに示すように、台押さえ板126aの先端の左右方向の幅より幅狭となっている。
【0041】
袋形状保持部材127は、ハウジング121の送風ファン収容部121bに取り付けられており、ハウジング121に対して上下方向に回動自在である。
また、平面視において、左側に配置された袋形状保持部材127と右側に配置された袋形状保持部材127とは、
図2Bに示すように、それぞれ押さえ板126よりも外側に配置されている。
【0042】
<1.3.傾斜固定手段>
傾斜固定手段130は、ベースフレーム110の底板111に対するベースフレーム110のベース板112の傾きを固定し、
図2Aに示すように、送風ユニット100に設けられている。
傾斜固定手段130は、底板111のガイド111aに沿って前後方向に移動自在なガイドバー131と、このガイドバー131の平面視における位置を固定するガイドバー固定ネジ132と、ベースフレーム110のベース板112とガイドバー131とを結合させる結合ボルト(結合部材)133とを有している。
【0043】
ガイドバー131は、1本の棒材を曲げて作られる、平面視でU字状の部材であり、ベースフレーム110の底板111に載置される。
このガイドバー131は、
図2Aに示すように、底板111に載置され水平方向に伸びる水平部131aと、この水平部131aの後端から斜め上方に傾斜する傾斜部131bと、この傾斜部131bの上端に接続され上方に向かって伸びる背面視U字状の連結部131cとから形成されている。
水平部131aの左右方向の間隔は、
図2Bに示すように、バーガイド111bの基部111b1の左右方向の幅より僅かに大きくなっている。
連結部131cには、左右方向に架橋する帯状の架橋部分131c1があり、この架橋部分c1には、ガイドバー固定ネジ132を挿通自在な貫通孔131c2が形成されている。
【0044】
ガイドバー固定ネジ132は、ベースフレーム110のバーガイド111bの基部111b1の左端面および右端面と対向する位置に1つずつ螺着されている。
したがって、ガイドバー131は、バーガイド111bの基部111b1の左端面または右端面とガイドバー固定ネジ132のネジ軸132aとにより、左右方向の位置が規制されている。
また、ガイドバー固定ネジ132を底板111のネジ孔111cに螺合させると、ガイドバー固定ネジ132が上下動自在となるため、ガイドバー131の水平部131aは、ガイドバー固定ネジ132と底板111とにより上下方向から挟持自在となっている。
【0045】
結合ボルト133は、送風ユニット100のバーガイド111bの突出部111b2に形成されたネジ孔およびベース板112に形成されたネジ孔112aに螺合自在となっている。
したがって、結合ボルト133は、ガイドバー131とベースフレーム110のベース板112とを結合自在であると共に、ベースフレーム110の床板111とベース板112とを結合自在である。
【0046】
<2.スタッキング台>
次に、スタッキング台200について、
図1、
図3Aおよび
図3Bに基づいて説明する。
図3Aは
図1に示すスタッキング台の平面図であり、
図3Bは
図3AのIIIB-IIIB断面図である。
【0047】
スタッキング台200は、送風ユニット100のハウジング121に対して着脱自在である、平面視で矩形状の部材であり、
図3Aおよび
図3Bに示すように、包装袋Bが平積みされるスタッキング台本体210と、送風ユニット100のベースフレーム110に対するスタッキング台200の左右方向の位置を定める係合突起220と、包装袋Bに向けて突出する半球状の袋変形用突起230と、ベースフレーム110に対するスタッキング台200の前後方向の位置を定めるL字部材240と、後述する袋係止具Lの係止孔Loを係止するネジ(係止用突起)250とを備えている。
【0048】
スタッキング台本体210は、平坦部211と、立ち上がり部212とから形成されている。
立ち上がり部212は、平坦部211の左右端から、互いに遠ざかる方向に斜め上方に延びている。
スタッキング台本体210がこのような形状となっているため、包装袋Bをスタッキング台本体210に載置すると、包装袋Bを長手方向(前後方向)から見ると、包装袋Bの形状はV字状になり、包装袋Bを膨らました際に開口の高さを稼ぐことができる。
【0049】
係合突起220は、
図3Bに示すように、側面視においてL字状の部材であり、スタッキング台本体210の平坦部211の下面に配置されている。
また、この係合突起220の外法Dは、送風ユニット100のハウジング121間の距離Dh(
図2B参照)より僅かに小さくなっている。
【0050】
袋変形用突起230は、スタッキング台本体210の平坦部211の上面に2つ配置されている。
2つの袋変形用突起230は、前後方向の位置が揃っている。
【0051】
L字部材240は、スタッキング台本体210の後方下面に取り付けられ、L字部材240の後端は、スタッキング台本体210の後端と揃っている。
【0052】
ネジ250は、スタッキング台本体210の後方側およびL字部材240の垂下部241に螺合されており、ネジ頭251とスタッキング台本体210およびL字部材240とは離間している。
【0053】
<3.包装袋の構造および袋束体>
次に、
図4A乃至
図5Cに基づいて、スタッキング台200に平積みされる包装袋Bにおよび袋係止具Lによる包装袋Bの集積体である袋束体BGについて説明する。
【0054】
<3.1.包装袋の構造>
まず、
図4および
図4Bに基づいて、包装袋の構造について説明する。
図4Aは
図1の袋詰め補助装置で用いる包装袋の平面図であり、
図4Bは
図4AのIVB-IVB断面図である。
【0055】
包装袋Bは、平面視で矩形状の袋であり、
図4Bに示すように、表面Bfと裏面Bbとから形成されている。
また、この包装袋Bは、後方側の一辺以外は封止されており、開口部Boが1つ形成されている。
【0056】
包装袋Bの表面Bfは、
図4Aおよび
図4Bに示すように、裏面Bbよりも前後方向に短くなっている。
したがって、包装袋Bには表面Bfに対して突出するリップ部Bpが形成されている。
また、表面Bfの後方側には、左右方向に2つの通し孔Bhが形成されている。
【0057】
【0058】
図5Aに示すように、袋係止具Lは、1枚の樹脂板から形成され、包装袋Bの通し孔Bhに挿入する挿入部分Liと、この挿入部分Liから挿入された包装袋Bの挿入部Li側への抜け止めとなる挿入部分Liの後端側に設けられた返し部分Lbと、包装袋Bの後方への抜け止めとなる返し部分Lbの後端側に設けられた頭部分Lhとから形成されている。
頭部分Lhの平面視中央付近には、厚み方向に折り曲げ自在なフラップLfが形成されており、このフラップLfを厚み方向に折り曲げることで、係止孔Loが形成される。
【0059】
スタッキング台200に包装袋Bを保持させるには、
図5Bおよび
図5Cに示すような袋束体BGを形成した上で、袋係止具Lの係止孔Loにスタッキング台200のネジ250のネジ頭251を挿入して、スタッキング台200に袋係止具Lを係止させればよい。
【0060】
袋束体BGは、
図5Cに示すように、包装袋Bの裏面Bb側から通し孔Bhに袋係止具Lの挿入部分Liを挿入することで形成される。
<4.袋詰め補助装置の使用方法>
【0061】
次に、
図1、
図6乃至
図8Bに基づいて、上述のように構成された袋詰め補助装置10の使用方法について説明する。
図6は送風ユニットにスタッキング台200を装着する手順を示した図であり、
図7Aは幅広の包装袋を用いた場合の
図1のVIIA-VIIA断面図であり、
図7Bは幅広の包装袋を膨らませた状態の
図1のVIIBから見た図であり、
図8Aは幅狭の包装袋を用いた場合の
図1のVIIIA-VIIIA断面図であり、
図8Bは幅狭の包装袋を膨らませた状態の
図1のVIIIBから見た図である。
【0062】
<4.1.幅広の包装袋を用いる場合>
まず、
図1、
図6、
図7A、
図7Bに基づいて、左右方向に幅広の包装袋を用いる場合について説明する。
<4.1.1.スタッキング台の装着>
図6のようにベース板112を載置面Fに対してほぼ平行とした状態において、送風ユニット100のベースフレーム110の床板111とベース板112とは、結合ボルト133をベース板112の貫通孔112bから床板111のバーガイド111bの突出部112b2に形成されたネジ孔に螺合させて、一体になっている。
床板111とベース板112とを結合ボルト133により結合させることでベース板112が床板111に対して回動しなくなり、ベース板112を載置面Fと水平状態にして袋詰め作業を行う場合にベース板112が床板111に対して跳ね上がることを防ぐことができる。
【0063】
この状態で、
図6に示すように、まず、袋形状保持部材127を押さえ板126より上に位置するまで回動ささせておく。
そして、ハウジング変形部121eを押し下げると、ハウジング121の傾斜部121dが自身の弾性により変形して下がり、傾斜部121dと押さえ板126との間隔dが大きくなる。
このようにして傾斜部121dを下げた状態で、スタッキング台200の係合突起220を送風ユニット100のハウジング121どうしの隙間121fに収めつつ、スタッキング台200のL字部材240を傾斜部121dの後端と当接させるように、スタッキング台200をハウジング121dの傾斜部121dに装着する。
すなわち、本実施例における送風ユニット100が、ハウジング121を下方に下げるハウジング変形部121eを有していることにより、ハウジング変形部121eによりハウジング121を下方に下げると、押さえ板126とハウジング121との距離が遠ざかるため、ハウジング121にスタッキング台200を取り付けやすくなっている。
【0064】
そして、スタッキング台200を送風ユニット100に装着後、袋形状保持部材127を下げて袋束体BGにおける最上位の包装袋Bに当接させると、袋詰め補助装置10は
図1に示すような状態となる。
したがって、スタッキング台200の係合突起220と送風ユニット100のハウジング121どうしの隙間121fとが、送風ユニット100のハウジング121に対するスタッキング台200の位置を定めるスタッキング台位置決め手段として機能する。
【0065】
このとき、袋束体BGは、
図7Aに示すように、スタッキング台200の袋変形用突起230により一部が上方に向かって隆起すると共に送風ユニット100の袋形状保持部材127により下方に向かって押しつけられている。
【0066】
<4.1.2.袋への送風>
この状態で、袋束体BGにおける最上位の包装袋Bに対して送風すると、包装袋Bが膨らむ。
このとき、最上位の包装袋Bは、
図7Bに示すように、開口部Bo近傍は三角形状に膨らみ、後端部側は楕円状に膨らむ。
なお、袋形状保持部材127が最上位の包装袋Bと当接しているため、袋形状保持部材127が最上位の包装袋Bと当接していない場合の最上位の包装袋B(二点鎖線で示す)と比べて、開口高さが抑えられると共に開口幅を広がっている。
すなわち、送風ユニット100が、スタッキング台200に平積みされた最上位の包装袋Bの表面を押さえる袋形状保持部材127を有していることにより、送風ファン122からの送風に対して包装袋Bが膨らみにくくなるため、包装袋Bの開口高さが抑えられ、幅広の被包装物を包装袋Bに挿入しやすくすることができる。
【0067】
<4.2.幅狭の包装袋を用いる場合>
次に、
図1、
図6、
図8A、
図8Bに基づいて、袋形状保持部材127の左右方向の間隔よりも狭い幅を有する幅狭の包装袋を用いる場合について説明する。
<4.2.1.スタッキング台の装着>
幅狭の包装袋を用いる場合であっても、<4.1.1.>と同様の手順でスタッキング台200を送風ユニット100に装着すればよいが、袋形状保持部材127が包装袋Bを抑えられないため、袋形状保持部材127の回動は不要である。
【0068】
幅狭の包装袋を用いる場合、袋束体BGは、
図8Aに示すように、スタッキング台200の袋変形用突起230により一部が上方に向かって隆起している。
<4.2.2.袋への送風>
この状態で、袋束体BGにおける最上位の包装袋Bに対して送風すると、包装袋Bが膨らむ。
このとき、最上位の包装袋Bは、
図8Bに示すように、開口部Bo近傍は卵形状に膨らみ、後端部側は円形状に膨らむ。
【0069】
<4.3.まとめ>
上述した本発明の第1実施例である袋詰め補助装置10によれば、スタッキング台200が、送風ユニット100のハウジング121に対して着脱自在に装着されていることにより、包装袋Bに応じたスタッキング台200を用意すれば包装袋Bの形状に因らずに包装袋Bを袋詰め補助装置に載置可能となるため、一台の袋詰め補助装置10で多種多様な包装袋Bを保持することができる。
【0070】
また、送風ユニット100のハウジング121に対するスタッキング台200の位置を定めるスタッキング台位置決め手段(隙間121f、係合突起220)が設けられていることにより、スタッキング台200をハウジング121に装着した際にハウジング121に対するスタッキング台200の位置が固定され、送風ファン122に対するスタッキング台200の位置が如何なるスタッキング台200であっても所定の位置となるため、如何なる包装袋Bであっても、送風ファン122によって膨らませることができる。
【0071】
また、送風ユニット100が、スタッキング台200に載置された最上位の包装袋Bのリップ部Bpを押さえる袋押さえ板126bを有していることにより、送風ファン122が包装袋Bを膨らましている際にも袋押さえ板126bが包装袋Bを抑えているため、送風ファン122からの風圧によって包装袋Bがスタッキング台200から脱離することを防ぐことができる。
【0072】
また、スタッキング台200が、包装袋Bに向けて突出する袋変形用突起230を有していることにより、スタッキング台200に平積みされた包装袋Bが袋変形用突起230によりスタッキング台200に対して隆起して包装袋Bにしわが寄り、送風ファン122からの送風が包装袋B内部に入り込みやすくなるため、包装袋Bを容易に膨らませることができるだけでなく、包装袋Bがスタッキング台200に対して送風ファン122により包装袋Bを膨らました際の包装袋Bの開口形状が、スタッキング台200が包装袋Bに向けて突出する袋変形用突起230を有していない場合の開口形状と異なった形状となるため、送風ファン122により包装袋Bが膨らんだ際の包装袋Bの開口形状を被包装物に合わせた最適な形状とすることができる。
【0073】
<5.変形例>
以上、本発明の第1実施例である袋詰め補助装置10について説明したが、本発明の袋詰め補助装置は、上述した実施例の袋詰め補助装置10に限定されるものではない。
【0074】
例えば、上述した袋詰め補助装置10において、底板111は、載置面に直接載置されていたが、底板111の底面に足を取り付け、足が載置面と当接してもよい。
【0075】
例えば、上述した袋詰め補助装置10の袋形状保持部材127の先端に、ゴムキャップのような包装袋Bとの間の滑りを抑制する部材を取り付けてもよい。
【0076】
例えば、上述した袋詰め補助装置10において、送風機120のハウジング121は一枚の板を曲げ加工した部材であったが、複数枚の板材に分割して形成してもよい。
【0077】
例えば、上述した袋詰め補助装置10において、床板111とベース板112との間に床板111とベース板112とが当接することを防ぐゴムのような弾性体からなるスペーサーを設けてもよい。
【0078】
例えば、上述した袋詰め補助装置10において、スタッキング台200に袋変形用突起230が2つ設けられていたが、包装袋に向けて突出していれば袋変形用突起230の個数や配置位置は如何なる個数、如何なる位置であってもよい。
【0079】
例えば、上述した袋詰め補助装置10において、スタッキング台200の係止用突起はネジであったが、袋係止具の係止孔と係合できれば係止用突起は如何なるものであってもよく、ネジに限定されるものではない。
第2実施例の送風ユニット100Aの袋押さえ板126Aは、ハウジング121の送風ファン収容部121bの前方側に取り付けられる金属製の基材126A1と、この基材126A1の先端に配置されて包装袋Bを押さえるローラー126A2と、基材126A1とローラー126A2とを連結するピン126A3とを有している。
ピン126A3は、基材126A1とローラー126A2とを貫通し、基材126A1に固定されている。
ローラー126A2は、ピン126A3に対して回動自在となっている。
袋押さえ板126Aがこのように構成されていることにより、送風機120からの送風により包装袋Bを膨らませた状態ではローラー126A2が包装袋Bのリップ部Bpと当接しているため、送風による包装袋Bのリップ部Bpのバタつきが抑制されると共に、包装袋Bを前方に向かって押し出した際に、ローラー126A2により包装袋Bが前後方向に揺動自在となっているため、袋押さえ板126Aと包装袋Bとの間に生じる摩擦力を軽減することができる。