(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127718
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】航走体投入装置
(51)【国際特許分類】
B63B 35/40 20060101AFI20220825BHJP
B63C 11/48 20060101ALI20220825BHJP
B63C 11/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B63B35/40 Z
B63C11/48 D
B63C11/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025863
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 誠哉
(72)【発明者】
【氏名】高島 知充
(72)【発明者】
【氏名】松尾 剛志
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一郎
(72)【発明者】
【氏名】田▲崎▼ 洸彦
(57)【要約】
【課題】航走体に補強等を施す必要がなく、外部との干渉を防止して手間をかけずに航走体を効率よく水中に投入することができる。
【解決手段】水平方向に延びる航走体10の下部にわたって延びて、航走体10が載置される架台2と、架台2に航走体10を着脱可能に固定する固定部3と、航走体10の幅方向両側で架台2から上方に向かって延びる少なくとも一対の支柱4と、航走体10の上方で一対の支柱4に支持されているとともに、水に浮かぶ浮体50を有する上部構造物5と、を備え、架台2が航走体10の下方に離間可能に構成された航走体投入装置を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びる航走体の下部にわたって延びて、該航走体が載置される架台と、
該架台に前記航走体を着脱可能に固定する固定部と、
前記航走体の幅方向両側で前記架台から上方に向かって延びる少なくとも一対の支柱と、
前記航走体の上方で前記一対の支柱に支持されているとともに、水に浮かぶ浮体を有する上部構造物と、
を備え、
前記架台が前記航走体に対して離間可能に構成されている航走体投入装置。
【請求項2】
前記架台は、前記航走体の下方に離間可能に構成されている、請求項1に記載の航走体投入装置。
【請求項3】
前記一対の支柱は、前記架台に固定されている前記航走体の進行方向となる前後方向に配置され、
前記一対の支柱のうち少なくとも一方には、前記上部構造物との間の離間を大きくする伸縮機構部が設けられている、請求項2に記載の航走体投入装置。
【請求項4】
前記伸縮機構部は、すべての前記支柱を伸張させて前記上部構造物との間の離間を大きくする、請求項3に記載の航走体投入装置。
【請求項5】
前記伸縮機構部は、前記前後方向の一方側に位置する前記支柱を伸張させて前記一方側における前記上部構造物との間の離間を大きくする、請求項3に記載の航走体投入装置。
【請求項6】
前記前後方向の他方側に位置する前記支柱と前記上部構造物とは、前記幅方向に沿う方向を回転中心とする回転部によって回転可能に設けられている、請求項5に記載の航走体投入装置。
【請求項7】
前記架台の前記航走体の進行方向となる前後方向の一端に前記架台を引き込む引込部が設けられ、
前記航走体と前記架台との重心を一致させ、
前記架台の第1浮心が前記重心より前記一端側に位置し、前記航走体の第2浮心が前記重心よりも前記前後方向の他端側に位置するように配置されている、請求項2に記載の航走体投入装置。
【請求項8】
前記架台には、前記航走体を前記航走体の進行方向となる前後方向の一方から他方に向けて押し出す押出部が設けられている、請求項2乃至6のいずれか1項に記載の航走体投入装置。
【請求項9】
前記架台は、前記航走体の側方に離間可能に構成されている、請求項1に記載の航走体投入装置。
【請求項10】
前記架台は、前記幅方向に分割された一対の分割架台からなり、
該分割架台同士は、上下方向を回転中心とする回転軸によって回転可能に設けられている、請求項9に記載の航走体投入装置。
【請求項11】
前記分割架台同士の前記幅方向の間隔を大きくする展開機構部が設けられている、請求項9又は10に記載の航走体投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航走体投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中において探査、調査、測量、撮影等を行う際に、水中無人機(UUV:Unmanned Underwater Vehicle)等が使用されている。
このような水中無人機を水中に投入する方法としては、以下のような方法が知られている。例えば、水中無人機をケーブル先端のフックに繋ぎ吊り上げる吊り上げ方式(例えば、特許文献1参照)がある。また、水中無人機を収容したカゴ状架台を水中に投入し、着水した際に水中無人機がカゴ状架台の外方に向けて発進するカゴ方式もある(例えば、特許文献2参照)。さらに、母船から水中に向けて傾斜するすべり台を設置し、このすべり台上を水中無人機を滑らせることによって水中に投入するすべり台方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-118545号公報
【特許文献2】特開2009-208511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の水中無人機(航走体)の投入方法では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1に記載される吊り上げ方式の場合には、フックの着脱作業の手間があり時間を要するうえ、波浪の影響におり荷振れが大きく生じるおそれがあった。
また、特許文献2に記載されるカゴ方式の架台の場合には、航走体に装備されている舵フィンやセンサ等を傷つけるおそれがあり、航走体の位置や発進方位を高精度で管理する必要があった。
さらに、すべり台方式の架台の場合には、航走体の外殻全体を荷重に耐える構造に補強する必要があり、その点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、航走体に補強等を施す必要がなく、外部との干渉を防止して手間をかけずに航走体を効率よく水中に投入することができる航走体投入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る航走体投入装置は、水平方向に延びる航走体の下部にわたって延びて、該航走体が載置される架台と、該架台に前記航走体を着脱可能に固定する固定部と、前記航走体の幅方向両側で前記架台から上方に向かって延びる少なくとも一対の支柱と、前記航走体の上方で前記一対の支柱に支持されているとともに、水に浮かぶ浮体を有する上部構造物と、を備え、前記架台が前記航走体に対して離間可能に構成されていることを特徴としている。
【0007】
上記態様に係る航走体投入装置によれば、航走体を固定部によって固定された航走体投入装置を水中に投入し、上部構造物の浮体によって水面にバランスよく浮かんだ状態で、航走体の固定を解除した後、架台を航走体から離間させることができる。そして、航走体に対して架台が干渉しない位置に離れた際に、航走体を航走体投入装置に接触させることなく発進させることができる。さらに、航走体が航走体投入装置から分離した後に航走体投入装置を船に容易に回収することができる。
【0008】
このように、本発明では、従来の吊り上げ方式のような波浪による荷振れに伴って航走体が船体に接触する不具合がなくなり、またフック掛け等の手間のかかる作業が不要となり、容易にかつ短時間で航走体を投入し、航走体投入装置を回収することができる。
また、本発明では、航走体の発進時には架台が航走体から離れた位置となるので、従来のカゴ方式のように航走体がカゴに干渉して損傷することを防ぐことができ、しかも航走体における位置や発進方位を高精度で管理する必要がなくなる。
さらに、本発明では、従来のすべり台方式に比べて、航走体における架台との設置面を固定した状態にすることができることから、航走体の架台に対する設置面の補強が不要となる利点がある。
【0009】
また、上記の航走体投入装置は、前記架台は、前記航走体の下方に離間可能に構成されていることを特徴としてもよい。
【0010】
このような構成によれば、架台が航走体の下方に離れるので、架台の移動時に航走体に干渉することを抑制できる。
【0011】
また、上記の航走体投入装置は、前記一対の支柱は、前記架台に固定されている前記航走体の進行方向となる前後方向に配置され、前記一対の支柱のうち少なくとも一方には、前記上部構造物との間の離間を大きくする伸縮機構部が設けられていることを特徴としてもよい。
【0012】
このような構成によれば、航走体の固定を解除した後、伸縮機構部によって支柱を伸張させることで、架台と上部構造物との上下方向の離間を大きくすることができる。これにより、架台を航走体から離間させることができるので、航走体に対して架台が干渉しない位置に離れた際に、航走体を航走体投入装置に接触させることなく発進させることができる。
【0013】
また、上記の航走体投入装置は、前記伸縮機構部は、すべての前記支柱を伸張させて前記上部構造物との間の離間を大きくすることを特徴としてもよい。
【0014】
このような構成によれば、航走体の固定を解除した後、伸縮機構部によってすべての支柱を伸張させることで、架台と上部構造物との上下方向の離間を平行に開くことができる。そのため、航走体を航走体投入装置に接触させることなく前後方向のいずれの方向にも発進させることができる。
【0015】
また、上記の航走体投入装置は、前記伸縮機構部は、前記前後方向の一方側に位置する前記支柱を伸張させて前記一方側における前記上部構造物との間の離間を大きくすることを特徴としてもよい。
【0016】
この場合には、航走体投入装置における前後方向の一方側に位置する支柱のみが伸張し、一方側において架台と上部構造物との離間が上下方向に大きくなるので、支柱を伸張させた後、航走体を前後方向の他方から一方に向けて発進させることができる。また、支柱の一部のみを伸張させる構成となるので、航走体投入装置を簡単な構造とすることができる。
【0017】
また、上記の航走体投入装置は、前記前後方向の他方側に位置する前記支柱と前記上部構造物とは、前記幅方向に沿う方向を回転中心とする回転部によって回転可能に設けられていることを特徴としてもよい。
【0018】
この場合には、前後方向の一方側に配置される支柱を伸張する際に、前後方向の他方側に位置する回転部を中心に架台と上部構造物とを相対的に回転させることができる。そのため、架台と上部構造物とを安定した姿勢で離間させることができ、架台と上部構造物との離間を調整する際に航走体に接触することを防止できる。
【0019】
また、上記の航走体投入装置は、前記架台の前記航走体の進行方向となる前後方向の一端に前記架台を引き込む引込部が設けられ、前記航走体と前記架台との重心を一致させ、前記架台の第1浮心が前記重心より前記一端側に位置し、前記航走体の第2浮心が前記重心よりも前記前後方向の他端側に位置するように配置されていることを特徴としてもよい。
【0020】
本発明では、航走体が架台に固定されているときには、航走体の重心と架台の重心とが一致しているので、水中において水平にバランスした状態となる。そして、航走体の固定を解除すると、架台の第1浮心が重心よりも架台の前後方向の一端側に位置しているので、トリムバランスにより架台の一端側が浮いた状態で他端側が下方に沈降するように航走体投入装置が回転する。これにより、架台を航走体から離間させることができるので、航走体に対して架台が干渉しない位置に離れた際に、航走体を航走体投入装置に接触させることなく発進させることができる。
【0021】
また、上記の航走体投入装置は、前記架台には、前記航走体を前記航走体の進行方向となる前後方向の一方から他方に向けて押し出す押出部が設けられていることを特徴としてもよい。
【0022】
この場合には、固定部によって航走体と架台との固定を解除し、浮力によって架台から上に浮いた状態の航走体を押出部で前後方向の一方から他方に押し出すことで、架台を航走体から離間させることができる。これにより、航走体に対して架台が干渉しない位置まで離れたときに、航走体を航走体投入装置に接触させることなく発進させることができる。
【0023】
また、上記の航走体投入装置は、前記架台は、前記航走体の側方に離間可能に構成されていることを特徴としてもよい。
【0024】
上記態様に係る航走体投入装置によれば、航走体を固定部によって固定された航走体投入装置を水中に投入し、上部構造物の浮体によって水面にバランスよく浮かんだ状態で、航走体の固定を解除した後、架台を航走体の側方に離間させることができる。そして、航走体に対して架台が干渉しない側方位置に離れた際に、航走体を航走体投入装置に接触させることなく発進させることができる。さらに、航走体が航走体投入装置から分離した後に航走体投入装置を船に容易に回収することができる。
この場合には、架台を上下方向に移動させる構成ではないことから、架台と上部構造物との間隔をあける動作が不要となり、浮体による架台の浮力調整を容易に行うことができる。
【0025】
また、上記の航走体投入装置は、前記架台は、前記幅方向に分割された一対の分割架台からなり、該分割架台同士は、上下方向を回転中心とする回転軸によって回転可能に設けられていることが好ましい。
【0026】
この場合には、幅方向に分割されている一対の分割架台がそれぞれ回転軸を中心に回転するので、これら分割架台が安定した姿勢で展開することができ、展開時に分割架台が航走体に接触することを防止できる。
【0027】
また、上記の航走体投入装置は、前記分割架台同士の前記幅方向の間隔を大きくする展開機構部が設けられている構成としてもよい。
【0028】
この場合には、航走体の固定を解除した後、展開機構部によって一対の分割架台を展開するように伸張させることで、一対の分割架台同士の幅方向の離間を容易に大きくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の航走体投入装置によれば、航走体に補強等を施す必要がなく、外部との干渉を防止して手間をかけずに航走体を効率よく水中に投入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1実施形態による航走体を固定した航走体投入装置を水中に投入した状態を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す航走体投入装置を前方から見た正面図である。
【
図3】
図1に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図4】
図3に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図5】第2実施形態による航走体を固定した航走体投入装置を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図6】
図5に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図7】
図6に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図8】第3実施形態による航走体を固定した航走体投入装置を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図9】
図8に示す航走体投入装置を前方から見た正面図である。
【
図10】
図8に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図11】
図10に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図12】第4実施形態による航走体を固定した航走体投入装置を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図13】
図12に示す航走体投入装置を前方から見た正面図である。
【
図14】
図12に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図15】
図14に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する側面図である。
【
図16】第5実施形態による航走体を固定した航走体投入装置を水中に投入する工程を説明する上方から見た平面図である。
【
図17】
図16に示す航走体投入装置を前方から見た正面図である。
【
図18】
図16に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する平面図である。
【
図19】
図18に続く工程説明図であって、航走体を水中に投入する工程を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態による航走体投入装置について、図面に基づいて説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0032】
(第1実施形態)
図1に示す第1実施形態による航走体投入装置1は、無人の航走体10を固定した状態で船Tから水中に投入した後、航走体10を装置本体から離脱させて発進可能とするための装置である。
【0033】
航走体10は、
図2及び
図3に示すように、例えば探査、調査、測量、撮影等を行うための水中無人機(UUV:Unmanned Underwater Vehicle)が採用され、基端部10bから先端部10aに向けて長く延び、基端部10bに前進用のフィン11が設けられ、フィン11の回転により先端部10aを前向きにして無人で前進するものである。航走体10の向きや速度は、無線により操作される。
なお、航走体10は、前進及び後進ができるものを採用することが可能であるが、本実施形態では、前進するものを対象としている。
【0034】
航走体投入装置1は、水平方向に延びる航走体10の下部にわたって延びて、航走体10が載置される架台2と、架台2に航走体10を着脱可能に固定する固定部3と、航走体10の幅方向両側で架台2から上方に向かって延びる少なくとも一対の支柱4と、航走体10の上方で一対の支柱4に支持されているとともに、水に浮かぶ浮体50を有する上部構造物5と、を備えている。航走体投入装置1は、架台2が航走体10の下方に離間可能に構成されている。
【0035】
ここで、航走体投入装置1において、この航走体投入装置1に固定された航走体10が前進、後進する方向を前後方向X1といい、上方から見て前後方向X1に直交する方向を幅方向X2という。前後方向X1で船T側を前方、前側とし、その反対側を後方、後側として以下説明する。
【0036】
架台2は、一対のサイドフレーム21と、サイドフレーム21より短尺に設けられ一対のサイドフレーム21同士の間を架け渡すように連結される連結フレーム22と、を備え、長方形枠状に形成されている。架台2の長手方向が前後方向X1となる。架台2には、固定部3と支柱4とが設けられている。航走体10は、航走体10の軸方向を架台2の前後方向X1に向けた状態で、航走体10における進行方向の先端部10aを前方に向けた状態で固定部3により着脱可能に固定されている。架台2は、水中に投入されたときに没水する。
【0037】
架台2の後端には、船Tから巻取りおよび繰出しが可能なケーブル23(引込部)が接続されている。ケーブル23は、船Tに搭載されている巻取機(図示省略)によって巻き取り及び繰り出しされる。水中に投入された航走体投入装置1を回収する際には、ケーブル23を巻き取ることにより架台2を前方(船T側)に引き込むことができる。
【0038】
固定部3は、架台2上に設けられ、航走体10を着脱可能に固定する。固定部3としては、例えば前後方向X1を中心とした径方向に移動可能な把持機構とし、径方向の内側に移動したときに航走体10の本体部12の周面を把持する構成を採用できる。
固定部3の解除操作は、無線により解除信号を送信することにより、適宜なタイミングで航走体10を架台2から解除することができる。
【0039】
一対の支柱4は、前後方向X1に間隔をあけて一対配置され、上方に向けて立設されている。一対の支柱4には、それぞれ上部構造物5との間の離間を大きくする伸上下方向に伸縮する伸縮シリンダ41(縮機構部)が設けられている。伸縮シリンダ41の上端41aには、上部構造物5のフレーム本体51が接続されている。伸縮シリンダ41を伸縮させることにより、架台2と上部構造物5とが上下方向に近接離反する。すなわち、すべての支柱4の伸縮シリンダ41を同時に伸張させることで、架台2と上部構造物5との離間が大きくなる。伸縮シリンダ41が収縮しているとき、架台2と上部構造物5との間に航走体10が配置された状態となっている。
【0040】
伸縮シリンダ41の収縮位置は、固定部3で固定された航走体10に対して上部構造物5が干渉しない位置となる。また、伸縮シリンダ41の伸張位置は、航走体10が固定部3から離脱して浮上し、かつ航走体10が航走体投入装置1に接触することなく架台2から発進できる位置である。
【0041】
上部構造物5は、フレーム本体51と、フレーム本体51に装着された浮体50と、を備えている。上部構造物5は、航走体10を装備した架台2の浮力を調整するとともに、水中における航走体10を固定した架台2の姿勢が水平に保つようにする機能を有している。
【0042】
浮体50は、航走体投入装置1を水面に浮遊させる浮力を有するように構成されている。すなわち、設定された浮力を有する構成であれば、一体であっても複数の浮体を組み合わせたものであってもかまわない。
本実施形態の浮体50は、航走体10を備えた航走体投入装置1が略水平のバランスを確保するようにフレーム本体51の前後方向X1の中央に配置されている。
【0043】
次に、上述した構成の航走体投入装置1を用いて航走体10を水中に投入する手順、及び航走体10の投入後に航走体投入装置1を回収する手順について、図面を用いて詳細に説明する。
【0044】
先ず、
図1に示すように、航走体10を固定部3で架台2に固定させた航走体投入装置1を船Tから水中に投入する。このとき、すべての支柱4の伸縮シリンダ41を収縮させて上部構造物5が下がった位置となっている。そして、水中に投入された航走体投入装置1は、浮体50によって水面に浮上するとともに、架台2の姿勢を水平に保つように浮体50によってバランスが確保されている。
【0045】
次に、
図3に示すように、固定部3を操作して航走体10の架台2との固定を解除する。この解除と同時に、支柱4の伸縮シリンダ41を伸ばし、架台2と上部構造物5との離間を大きくする。具体的には、支柱4に設けられる伸縮シリンダ41を伸張させることで、浮体50によって浮いている上部構造物5に反力をとって架台2が下方に移動し、これにより航走体10が架台2から離脱した状態となる。
続いて、
図4に示すように、航走体10を作動させて進行方向(後方)に発進させる。
【0046】
次に、船Tから巻取機などを使用してケーブルを引き込み、航走体10が切り離された後の航走体投入装置1を船T側に引き込んで回収する。
なお、本実施形態では、航走体10を作動させる前に航走体投入装置1を船Tに回収してもよい。
【0047】
次に、上述した航走体投入装置1の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
本実施形態による航走体投入装置1では、
図4に示すように、航走体10を固定部3によって固定された航走体投入装置1を水中に投入し、上部構造物5の浮体50によって水面にバランスよく浮かんだ状態で、航走体10の固定を解除した後、架台2を航走体10から離間させることができる。そして、航走体10に対して架台2が干渉しない位置に離れた際に、航走体10を航走体投入装置1に接触させることなく発進させることができる。
さらに、航走体10が航走体投入装置1から分離した後に航走体投入装置1を船Tに容易に回収することができる。
【0048】
このように、本実施形態では、従来の吊り上げ方式のような波浪による荷振れに伴って航走体10が船体に接触する不具合がなくなり、またフック掛け等の手間のかかる作業が不要となり、容易にかつ短時間で航走体10を投入し、航走体投入装置1を回収することができる。
【0049】
また、本実施形態では、航走体10の発進時には架台2が航走体10から離れた位置となるので、従来のカゴ方式のように航走体がカゴに干渉して損傷することを防ぐことができ、しかも航走体10における位置や発進方位を高精度で管理する必要がなくなる。
【0050】
さらに、本実施形態では、従来のすべり台方式に比べて、航走体10における架台2との設置面を固定した状態にすることができることから、航走体10の架台2に対する設置面の補強が不要となる利点がある。
【0051】
また、本実施形態では、航走体10の固定を解除した後、伸縮シリンダ41によってすべての支柱4を伸張させることで、架台2と上部構造物5との上下方向の離間を平行に開くことができる。そのため、航走体10を航走体投入装置1に接触させることなく前後方向X1のいずれの方向にも発進させることができる。
【0052】
上述した本実施形態による航走体投入装置1では、航走体10に補強等を施す必要がなく、外部との干渉を防止して手間をかけずに航走体10を効率よく水中に投入することができる。
【0053】
次に、他の実施形態による航走体投入装置について説明する。なお、上述した第1実施形態の構成要素と同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、これらについては、説明が重複するので詳しい説明は省略する。
【0054】
(第2実施形態)
図5に示すように、第2実施形態による航走体投入装置1Aは、上記第1実施形態の支柱4の構成を代えたものであり、一対の支柱4A、4Bのうち後方支柱4Bのみに伸縮シリンダ41が設けられて伸張可能に設けた構成となっている。
航走体10は、第1実施形態と同様に、航走体10の進行方向の先端部10aを架台2の後方に向けて固定部3によって着脱可能に固定されている。
【0055】
前方支柱4Aの上端部4aと上部構造物5のフレーム本体51とは、幅方向X2を回転中心とするヒンジ42(回転部)によって回転可能に連結されている。
航走体投入装置1Aでは、後方支柱4Bを伸張させることで、航走体投入装置1の後方側において上部構造物5との間の離間を大きくすることができる。
【0056】
次に、第2実施形態の航走体投入装置1Aを用いて航走体10を水中に投入する手順、及び航走体10の投入後に航走体投入装置1Aを回収する手順について、図面を用いて詳細に説明する。
先ず、
図5に示すように、航走体10を固定部3で架台2に固定させた航走体投入装置1Aを船から水中に投入する。このとき、後方支柱4Bの伸縮シリンダ41を収縮させて上部構造物5が下がった位置となっている。そして、水中に投入された航走体投入装置1Aは、浮体50によって水面に浮上するとともに、架台2の姿勢を水平に保つように浮体50によってバランスが確保されている。
【0057】
次に、
図6に示すように、固定部3を操作して航走体10の架台2との固定を解除する。この解除と同時に、後方支柱4Bの伸縮シリンダ41を伸ばし、架台2と上部構造物5との間の後方側の離間を大きくする。具体的には、後方支柱4Bに設けられる伸縮シリンダ41を伸張させることで、浮体50によって浮いている上部構造物5に反力をとって架台2の後方側が下方に回転する。すなわち、後方支柱4Bの伸縮シリンダ41を伸ばすと、架台2がヒンジ42を中心にして下方(
図6及び
図7に示す矢印E1方向)に回動し、これにより航走体10が架台2から離脱した状態となる。
続いて、
図7に示すように、航走体10を作動させて進行方向(後方)に発進させる。
【0058】
次に、船から巻取機などを使用してケーブルを引き込み、航走体10が切り離された後の航走体投入装置1Aを船側に引き込んで回収する。
なお、本実施形態では、航走体10を作動させる前に航走体投入装置1Aを船に回収してもよい。
【0059】
このように第2実施形態では、航走体投入装置1Aの後方に位置する後方支柱4Bのみが伸張し、後側において架台2と上部構造物5との離間が上下方向に大きくなるので、後方支柱4Bを伸張させた後、航走体10を後方に向けて発進させることができる。また、後方支柱4Bのみを伸張させる構成となるので、航走体投入装置1Aを簡単な構造とすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、前後方向X1の片側(後側)に配置される後方支柱4Bを伸張する際に、前端に位置するヒンジ42を中心に架台2と上部構造物5とを相対的に回転させることができる。そのため、架台2と上部構造物5とを安定した姿勢で離間させることができ、架台2と上部構造物5との離間を調整する際に航走体10に接触することを防止できる。
【0061】
(第3実施形態)
図8及び
図9に示すように、第3実施形態による航走体投入装置1Bは、固定する航走体10との重力バランスによって航走体10を水中で切り離す構成としたものである。すなわち、上述した第1実施形態および第2実施形態では、支柱4に伸縮シリンダ41を備えているが、第3実施形態による航走体投入装置1Bでは伸縮シリンダ41が省略されている。
第3実施形態の航走体投入装置1Bでは、航走体10は、航走体10の進行方向の先端部10aを架台2の前方に向けた姿勢で固定部3によって架台2に固定されている。
【0062】
航走体投入装置1Bは、支柱4の上端部4aが上部構造物5に直接固定されている。上部構造物5に設けられる浮体50は、フレーム本体51の前方に寄った位置に設けられている。そして、航走体投入装置1Bは、架台2に固定された航走体10と架台2との重心Pを一致させるとともに、架台2の第1浮心F1が重心Pより前側に位置し、航走体10の第2浮心F2が重心Pよりも後側に位置するように配置されている。
【0063】
次に、第3実施形態の航走体投入装置1Bを用いて航走体10を水中に投入する手順、及び航走体10の投入後に航走体投入装置1Bを回収する手順について、図面を用いて詳細に説明する。
先ず、
図8に示すように、航走体10を固定部3で架台2に固定させた航走体投入装置1Bを船から水中に投入する。このとき、架台2に固定された航走体10架台2との重心Pを一致させ、架台2の第1浮心F1が重心Pより前側に位置させ、航走体10の第2浮心F2が重心Pよりも後側に位置するように配置させる。そして、水中に投入された航走体投入装置1Bは、浮体50によって水面に浮上するとともに、架台2の姿勢を水平に保つように浮体50によって水中において水平にバランスした状態となる。
【0064】
次に、
図10に示すように、固定部3を操作して航走体10の架台2との固定を解除する。固定の解除によって航走体10は架台2から浮上した状態となる。
そして、
図11に示すように、航走体10の固定を解除すると、架台2の第1浮心F1が重心Pよりも前方に位置しているので、トリムバランスにより架台2の前側が浮いた状態で後側が下方に沈降するように航走体投入装置1Bが
図11に示す矢印E2方向に回転する。これにより架台2を航走体10から離間させることができる。続いて、
図11に示すように、航走体10を作動させて進行方向(後方)に発進させる。
【0065】
次に、船から巻取機などを使用してケーブルを引き込み、航走体10が切り離された後の航走体投入装置1Bを船側に引き込んで回収する。
なお、本実施形態では、航走体10を作動させる前に航走体投入装置1Bを船に回収してもよい。
【0066】
第3実施形態による航走体投入装置1Bでは、架台2を航走体10から離間させることができるので、航走体10に対して架台2が干渉しない位置に離れた際に、航走体10を航走体投入装置1Bに接触させることなく後方に向けて発進させることができる。
【0067】
(第4実施形態)
図12及び
図13に示すように、第4実施形態による航走体投入装置1Cは、上述した第1実施形態の支柱4の伸縮シリンダ41を設けない構成であり、さらに架台2に航走体10を前方から後方に押し出す押出部6を設けた構成となっている。
第4実施形態の航走体投入装置1Cでは、航走体10は、航走体10の進行方向の先端部10aを架台2の前方に向けた姿勢で固定部3によって架台2に固定されている。
【0068】
押出部6は、後方を向く当接面6aを有する板状の部材であり、架台2に固定される航走体10の先端部10aに前後方向X1に対向して配置されている。押出部6は、
図14及び
図15に示すように、架台2の前側において前後方向X1に移動可能に設けられ、後方への移動とともに固定が解除された航走体10を後方に向けて押し出す構成となっている。押出部6の押出し移動機構としては、例えば架台2上に設置される案内ガイド(図示省略)に沿って移動可能な構成や、油圧ジャッキ等の伸張により押し出される構成を採用することができる。
【0069】
次に、第4実施形態の航走体投入装置1Cを用いて航走体10を水中に投入する手順、及び航走体10の投入後に航走体投入装置1Cを回収する手順について、図面を用いて詳細に説明する。
先ず、
図12に示すように、航走体10を固定部3で架台2に固定させた航走体投入装置1Cを船から水中に投入する。そして、水中に投入された航走体投入装置1Cは、浮体50によって水面に浮上するとともに、架台2の姿勢を水平に保つように浮体50によってバランスが確保されている。
【0070】
次に、
図14に示すように、固定部3を操作して航走体10の架台2との固定を解除する。固定の解除によって航走体10は架台2から浮上した状態となる。あるいは、航走体投入装置1Cが航走体10のマイナス浮力分だけ沈降する。そして、
図15に示すように、航走体10の固定を解除した後、浮力によって架台2から上に浮いた状態の航走体10を押出部6で前方から後方(
図15に示す矢印E3方向)に押し出し、架台2を航走体10から離間させる。
続いて、
図15に示すように、航走体10を作動させて進行方向(後方)に発進させる。
【0071】
次に、船から巻取機などを使用してケーブルを引き込み、航走体10が切り離された後の航走体投入装置1Cを船側に引き込んで回収する。
なお、本実施形態では、航走体10を作動させる前に航走体投入装置1Cを船に回収してもよい。
【0072】
第4実施形態による航走体投入装置1Cでは、固定部3によって航走体10と架台2との固定を解除し、浮力によって架台2から上に浮いた状態の航走体10を押出部6で前方から後方に押し出すことで、架台2を航走体10から離間させることができる。これにより、航走体10に対して架台2が干渉しない位置まで離れたときに、航走体10を航走体投入装置1Cに接触させることなく後方に向けて発進させることができる。
【0073】
(第5実施形態)
図16乃至
図19に示すように、第5実施形態による航走体投入装置1Dは、架台2と上部構造物5とが幅方向X2に展開することで、それぞれが航走体10の側方に離間可能に構成されたものである。
架台2は、幅方向X2に二分割された一対の分割架台2A、2Bを構成している。架台2には、前端部の幅方向中央において上下方向を回転中心とする回転軸24が設けられている。各分割架台2A、2Bは、回転軸24を中心に回転可能に設けられている。
【0074】
架台2には、一対の分割架台2A、2B同士の幅方向X2の間隔を大きくする油圧式の展開ジャッキ25(展開機構部)が設けられている。展開ジャッキ25は、ジャッキ伸縮方向を幅方向X2に向けた状態で、架台2の前後方向X1の略中央部分に固定されている。すなわち、展開ジャッキ25は、軸方向の一端25aが一方の分割架台2Aの内側面2bに固定され、前記軸方向の他端25bが他方の分割架台2Bの内側面2cに固定されている。
なお、第5実施形態では、分割架台2A、2Bを開く機構として展開ジャッキ25を設けているが、これに代えてばね部材を設けることも可能である。要は、分割架台2A、2Bが幅方向X2に展開するように作動させる機構であればよいのである。
【0075】
各分割架台2A、2Bには、前後方向X1に間隔をあけて一対の支柱4が設けられ、前後一対の支柱4の上端部4aには浮体50を有する上部構造物5が設けられている。浮体50は、上部構造物5のフレーム本体51の前後方向X1の中央に配置されている。
各分割架台2A、2Bには、航走体10の左右半分を外周側から支持するように幅方向X2に分割された固定部3A、3Bが設けられている。固定部3A、3Bは、それぞれ航走体10の外周面に沿った半円形状に切り欠いた保持板である。分割架台2A、2Bが閉じた保持姿勢のときには、左右両側の固定部3A、3Bによって航走体10に係合した状態で固定している。分割架台2A、2Bが所定の角度で展開した状態で、分割架台2A、2Bのそれぞれに設けられる固定部3A、3Bの幅方向X2に回動、移動し、この移動によって航走体10の固定が解除される構成となっている。
なお、展開ジャッキ25の操作は無線で船から操作することができる。
【0076】
次に、第5実施形態の航走体投入装置1Dを用いて航走体10を水中に投入する手順、及び航走体10の投入後に航走体投入装置1Dを回収する手順について、図面を用いて詳細に説明する。
先ず、
図16に示すように、航走体10を固定部3で架台2に固定させた航走体投入装置1Dを船から水中に投入する。そして、水中に投入された航走体投入装置1Dは、浮体50によって水面に浮上するとともに、架台2の姿勢を水平に保つように浮体50によってバランスが確保されている。
【0077】
次に、
図18に示すように、固定部3を操作して航走体10の架台2との固定を解除する。固定の解除によって航走体10は架台2から浮上した状態となる。そして、
図19に示すように、この解除と同時に、展開ジャッキ25を伸ばし、幅方向X2両側の分割架台2A、2Bの間の離間を大きくする。具体的には、展開ジャッキ25を伸張させることで、分割架台2A、2Bが回転軸24を中心にして回転して後方側が幅方向X2(
図19に示す矢印E4)に開き、これにより航走体10が分割架台2A、2Bから離脱した状態となる。続いて、
図19に示すように、航走体10を作動させて進行方向(後方)に発進させる。
【0078】
次に、船から巻取機などを使用してケーブルを引き込み、航走体10が切り離された後の航走体投入装置1Dを船側に引き込んで回収する。
なお、本実施形態では、航走体10を作動させる前に航走体投入装置1Dを船に回収してもよい。
【0079】
本第5実施形態による航走体投入装置1Dでは、航走体10を固定部3によって固定された航走体投入装置1Dを水中に投入し、上部構造物5の浮体50によって水面にバランスよく浮かんだ状態で、航走体10の固定を解除した後、架台2を航走体10の側方に離間させることができる。そして、航走体10に対して架台2が干渉しない側方位置に離れた際に、航走体10を航走体投入装置1Dに接触させることなく発進させることができる。さらに、航走体10が航走体投入装置1Dから分離した後に航走体投入装置1Dを船に容易に回収することができる。
この場合には、架台2を上下方向に移動させる構成ではないことから、架台2と上部構造物5との間隔をあける動作が不要となり、浮体50による架台2の浮力調整を容易に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、幅方向X2に分割されている一対の分割架台2A、2Bがそれぞれ回転軸24を中心に回転するので、これら分割架台2A、2Bが安定した姿勢で展開することができ、展開時に分割架台2A、2Bが航走体10に接触することを防止できる。
【0081】
さらに、本実施形態では、航走体10の固定を解除した後、展開ジャッキ25によって一対の分割架台2A、2Bを展開するように伸張させることで、一対の分割架台2A、2B同士の幅方向X2の離間を容易に大きくすることができる。
【0082】
以上、本発明による航走体投入装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0083】
例えば、航走体投入装置1の架台2に固定される航走体10の発進方向は上述した実施形態に限定されることはない。また、航走体10の形状、大きさ等も限定されることはない。
【0084】
また、航走体投入装置1の架台2、固定部3、支柱4、上部構造物5の構成、すなわち形状、大きさ、数量、配置等の構成は、投入する航走体10の形状や重量バランス等に応じて適宜設定することができる。
【0085】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1、1A、1B、1C、1D 航走体投入装置
2、2A、2B 架台
3、3A、3B 固定部
4 支柱
4A 前方支柱
4B 後方支柱
5 上部構造物
6 押出部
23 ケーブル(引込部)
24 回転軸
25 展開ジャッキ(展開機構部)
41 伸縮シリンダ(伸縮機構部)
42 ヒンジ(回転部)
50 浮体
51 フレーム本体
F1 第1浮心
F2 第2浮心
P 重心
X1 前後方向
X2 幅方向