(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127757
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、コミュニケーションシステムおよびコミュニケーション端末
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20220825BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220825BHJP
G06Q 10/10 20120101ALI20220825BHJP
【FI】
G06F13/00 650B
H04M11/00 301
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025916
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】千 勝宇
【テーマコード(参考)】
5B084
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA14
5B084AB11
5B084AB31
5B084AB39
5B084BB01
5B084CD08
5B084CD22
5B084CE04
5B084CE12
5B084DB01
5B084DB08
5B084DC02
5B084DC03
5K201BA02
5K201CB16
5K201CC01
5K201CC02
5K201CC10
5K201DC04
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED07
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】より効率の良いコミュニケーションを実現できるように支援することを目的とする。
【解決手段】複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供する提供部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、
前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、
前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供する提供部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の期間は、時間帯および曜日の少なくともいずれか一方を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の期間は、時間帯を含み、
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に含まれる前記第1のコミュニケーション端末からの返信メッセージの送信時間と前記返信メッセージに対応する送信メッセージの送信時間とに基づいて、前記第1のコミュニケーション端末からの時間帯ごとの平均応答時間を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分析部は、前記返信メッセージの送信時間と前記送信メッセージの送信時間との差分に基づいて応答時間を算出するとともに前記応答時間が属する時間帯を決定し、前記応答時間を時間帯ごとに分類し、分類結果に基づいて前記時間帯ごとの平均応答時間を算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記分析部は、前記送信メッセージの送信時間が属する時間帯を応答時間が属する時間帯として決定し、決定した時間帯別の応答時間を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分析部は、前記返信メッセージに宛先が指定されている場合、前記送信メッセージの送信時間が属する時間帯を前記応答時間が属する時間帯として決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分析部は、前記返信メッセージに宛先が指定されていない場合、かつ、前記送信メッセージおよび前記返信メッセージそれぞれの送信時間が同じ日の同じ時間帯に属する場合、前記返信メッセージの送信時間が属する時間帯を前記応答時間が属する時間帯として決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記分析部は、前記返信メッセージに宛先が指定されていない場合、かつ、前記送信メッセージおよび前記返信メッセージそれぞれの送信時間が異なる時間帯または異なる日に属する場合、前記応答時間を前記時間帯ごとの平均応答時間の算出に使用しない、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の期間は、曜日を含み、
前記分析部は、前記送信メッセージの送信時間に基づいて、前記応答時間を時間帯および曜日ごとに分類し、分類結果に基づいて前記時間帯および前記曜日ごとの平均応答時間を算出する、
請求項3~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記分析部は、前記第1のコミュニケーション端末と第3のコミュニケーション端末との平均応答時間の比を応答時間比として算出し、
前記提供部は、前記第1の指標として前記応答時間比を前記第2のコミュニケーション端末に提供する
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記第1のコミュニケーション端末と前記第2のコミュニケーション端末との間におけるメッセージ送受信の有無を判定し、
前記提供部は、前記平均応答時間または前記第1の指標とともに、前記メッセージ送受信の有無を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に含まれる参加者情報およびコミュニケーションセッション情報に基づいて、コミュニケーションセッションへの複数の参加者の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、
前記提供部は、前記第1のコミュニケーション端末の第1の参加者および前記第2のコミュニケーション端末の第2の参加者によって参加されるコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記分析部は、前記複数の参加者の組み合わせ、および、前記複数の参加者の場所の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、
前記提供部は、前記第1の参加者の現在の場所および前記第2の参加者の現在の場所の組み合わせと同じ場所の組み合わせにおいて前記第1の参加者および前記第2の参加者によって参加されたコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記分析部は、前記複数の参加者の組み合わせ、および、前記複数の参加者の活動状態の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、
前記提供部は、前記第1の参加者の現在の活動状態および前記第2の参加者の現在の活動状態の組み合わせと同じ活動状態の組み合わせにおいて前記第1の参加者および前記第2の参加者によって参加されたコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記分析部は、前記複数の参加者の組み合わせ、および、前記複数の参加者が使用する端末種類の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、
前記提供部は、前記第1の参加者が現在使用する端末種類および前記第2の参加者が現在使用する端末種類の組み合わせと同じ端末種類の組み合わせにおいて前記第1の参加者および前記第2の参加者によって参加されたコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記分析部は、前記複数の参加者のうち特定の参加者に対する応答時間および参加者全員に対する応答時間の少なくともいずれか一方に基づいて平均応答時間を算出する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記分析部は、前記第2の指標として前記複数の参加者の平均応答時間の比を算出する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記分析部は、前記平均応答時間の大きい順または小さい順に前記複数の参加者の順位付けを行い、
前記提供部は、前記第2の指標として前記順位付けの結果を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に含まれる参加者情報およびコミュニケーションセッション情報に基づいて、コミュニケーションセッションへの複数の参加者の組み合わせごとに発言件数を算出し、
前記提供部は、前記第1のコミュニケーション端末の第1の参加者および前記第2のコミュニケーション端末の第2の参加者によって参加されるコミュニケーションセッションにおける発言件数に応じた第3の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項20】
複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得することと、
前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出することと、
前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供することと、
を備える、情報処理方法。
【請求項21】
コンピュータを、
複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、
前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、
前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供する提供部と、
を備える情報処理装置として機能させるプログラム。
【請求項22】
複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、
前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、
前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を提供する提供部と、
を備える、情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記平均応答時間または前記第1の指標を取得する情報取得部と、
前記平均応答時間または前記第1の指標の提示を制御する提示制御部と、
を備える、第2のコミュニケーション端末と、
を有する、コミュニケーションシステム。
【請求項23】
複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間が情報処理装置によって算出され、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標が前記情報処理装置から提供されると、前記情報処理装置から前記平均応答時間または前記第1の指標を取得する情報取得部と、
前記平均応答時間または前記第1の指標の提示を制御する提示制御部と、
を備える、コミュニケーション端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、コミュニケーションシステムおよびコミュニケーション端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、同時多人数参加型の汎用テキストコミュニケーションアプリケーションにおいて、コミュニケーション先の状態情報(ステータス)を検出、予測することでテキストコミュニケーションにおける回答待ち負担を低減するための技術が知られている。かかる技術の例として、利用者の入力インタフェース監視を利用したステータスを検出し、ステータス検出結果を表示する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-70994号公報
【特許文献2】特開2009-163601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より効率の良いコミュニケーションを実現できるように支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供する提供部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0006】
前記所定の期間は、時間帯および曜日の少なくともいずれか一方を含んでもよい。
【0007】
前記所定の期間は、時間帯を含み、前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に含まれる前記第1のコミュニケーション端末からの返信メッセージの送信時間と前記返信メッセージに対応する送信メッセージの送信時間とに基づいて、前記第1のコミュニケーション端末からの時間帯ごとの平均応答時間を算出してもよい。
【0008】
前記分析部は、前記返信メッセージの送信時間と前記送信メッセージの送信時間との差分に基づいて応答時間を算出するとともに前記応答時間が属する時間帯を決定し、前記応答時間を時間帯ごとに分類し、分類結果に基づいて前記時間帯ごとの平均応答時間を算出してもよい。
【0009】
前記分析部は、前記送信メッセージの送信時間が属する時間帯を応答時間が属する時間帯として決定し、決定した時間帯別の応答時間を算出してもよい。
【0010】
前記分析部は、前記返信メッセージに宛先が指定されている場合、前記送信メッセージの送信時間が属する時間帯を前記応答時間が属する時間帯として決定してもよい。
【0011】
前記分析部は、前記返信メッセージに宛先が指定されていない場合、かつ、前記送信メッセージおよび前記返信メッセージそれぞれの送信時間が同じ日の同じ時間帯に属する場合、前記返信メッセージの送信時間が属する時間帯を前記応答時間が属する時間帯として決定してもよい。
【0012】
前記分析部は、前記返信メッセージに宛先が指定されていない場合、かつ、前記送信メッセージおよび前記返信メッセージそれぞれの送信時間が異なる時間帯または異なる日に属する場合、前記応答時間を前記時間帯ごとの平均応答時間の算出に使用しなくてもよい。
【0013】
前記所定の期間は、曜日を含み、前記分析部は、前記送信メッセージの送信時間に基づいて、前記応答時間を時間帯および曜日ごとに分類し、分類結果に基づいて前記時間帯および前記曜日ごとの平均応答時間を算出してもよい。
【0014】
前記分析部は、前記第1のコミュニケーション端末と第3のコミュニケーション端末との平均応答時間の比を応答時間比として算出し、前記提供部は、前記第1の指標として前記応答時間比を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0015】
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記第1のコミュニケーション端末と前記第2のコミュニケーション端末との間におけるメッセージ送受信の有無を判定し、前記提供部は、前記平均応答時間または前記第1の指標とともに、前記メッセージ送受信の有無を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0016】
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に含まれる参加者情報およびコミュニケーションセッション情報に基づいて、コミュニケーションセッションへの複数の参加者の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、前記提供部は、前記第1のコミュニケーション端末の第1の参加者および前記第2のコミュニケーション端末の第2の参加者によって参加されるコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0017】
前記分析部は、前記複数の参加者の組み合わせ、および、前記複数の参加者の場所の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、前記提供部は、前記第1の参加者の現在の場所および前記第2の参加者の現在の場所の組み合わせと同じ場所の組み合わせにおいて前記第1の参加者および前記第2の参加者によって参加されたコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0018】
前記分析部は、前記複数の参加者の組み合わせ、および、前記複数の参加者の活動状態の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、前記提供部は、前記第1の参加者の現在の活動状態および前記第2の参加者の現在の活動状態の組み合わせと同じ活動状態の組み合わせにおいて前記第1の参加者および前記第2の参加者によって参加されたコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0019】
前記分析部は、前記複数の参加者の組み合わせ、および、前記複数の参加者が使用する端末種類の組み合わせごとに平均応答時間を算出し、前記提供部は、前記第1の参加者が現在使用する端末種類および前記第2の参加者が現在使用する端末種類の組み合わせと同じ端末種類の組み合わせにおいて前記第1の参加者および前記第2の参加者によって参加されたコミュニケーションセッションにおける平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第2の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0020】
前記分析部は、前記複数の参加者のうち特定の参加者に対する応答時間および参加者全員に対する応答時間の少なくともいずれか一方に基づいて平均応答時間を算出してもよい。
【0021】
前記分析部は、前記第2の指標として前記複数の参加者の平均応答時間の比を算出してもよい。
【0022】
前記分析部は、前記平均応答時間の大きい順または小さい順に前記複数の参加者の順位付けを行い、前記提供部は、前記第2の指標として前記順位付けの結果を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0023】
前記分析部は、前記コミュニケーション履歴情報に含まれる参加者情報およびコミュニケーションセッション情報に基づいて、コミュニケーションセッションへの複数の参加者の組み合わせごとに発言件数を算出し、前記提供部は、前記第1のコミュニケーション端末の第1の参加者および前記第2のコミュニケーション端末の第2の参加者によって参加されるコミュニケーションセッションにおける発言件数に応じた第3の指標を前記第2のコミュニケーション端末に提供してもよい。
【0024】
また、本発明の他の観点によれば、複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得することと、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出することと、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供することと、を備える、情報処理方法が提供される。
【0025】
また、本発明の他の観点によれば、コンピュータを、複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を第2のコミュニケーション端末に提供する提供部と、を備える情報処理装置として機能させるプログラムが提供される。
【0026】
また、本発明の他の観点によれば、複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報を取得する取得部と、前記コミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間を算出する分析部と、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標を提供する提供部と、を備える、情報処理装置と、前記情報処理装置から前記平均応答時間または前記第1の指標を取得する情報取得部と、前記平均応答時間または前記第1の指標の提示を制御する提示制御部と、を備える、第2のコミュニケーション端末と、を有する、コミュニケーションシステムが提供される。
【0027】
また、本発明の他の観点によれば、複数のコミュニケーション端末間のコミュニケーション履歴情報に基づいて、前記複数のコミュニケーション端末のうちの第1のコミュニケーション端末からの所定の期間ごとの平均応答時間が情報処理装置によって算出され、前記第1のコミュニケーション端末からの現在の期間に対応する平均応答時間または前記平均応答時間に応じた第1の指標が前記情報処理装置から提供されると、前記情報処理装置から前記平均応答時間または前記第1の指標を取得する情報取得部と、前記平均応答時間または前記第1の指標の提示を制御する提示制御部と、を備える、コミュニケーション端末が提供される。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、より効率の良いコミュニケーションを実現できるように支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーションシステムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係るコミュニケーション端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係るコミュニケーションサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係るコミュニケーション分析サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】同実施形態に係るコミュニケーション端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】1つの時間帯における端末利用者間のメッセージ送信の有無を表すコミュニケーションネットワーク図である。
【
図8】1人の端末利用者を中心としたコミュニケーションネットワーク図である。
【
図9】応答時間の算出例を説明するための図である。
【
図10】応答時間の算出例を説明するための図である。
【
図11】応答時間の算出例を説明するための図である。
【
図12】応答時間の算出例を説明するための図である。
【
図13】コミュニケーション支援情報の計算について説明するための図である。
【
図14】社会活動による影響を反映するための処理概念を説明するための図である。
【
図15】社会活動による影響を反映するための処理フローである。
【
図16】コミュニケーション支援情報の提供先を示す図である。
【
図20】本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーションシステムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図21】同実施形態に係るコミュニケーション端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図22】同実施形態に係るコミュニケーションサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図23】同実施形態に係るコミュニケーション分析サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】コミュニケーション分析サーバによる情報取得フローを示す図である。
【
図25】コミュニケーション分析サーバによる分析フローを示す図である。
【
図26】社会的関係の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図27】社会的関係の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図28】社会的関係の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図29】社会的関係の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図30】社会的関係の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図31】コミュニケーション場所の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図32】コミュニケーション場所の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図33】コミュニケーション場所の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図34】コミュニケーション場所の発言特性への影響を説明するための図である。
【
図35】応答時間および発言件数の概念を説明するための図である。
【
図36】応答時間および発言件数の概念を説明するための図である。
【
図37】コミュニケーション支援情報の提供例を示す図である。
【
図38】コミュニケーション支援情報の提供例を示す図である。
【
図39】本発明の実施形態に係る装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する。ただし、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0032】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0033】
(概要)
本発明の第1の実施形態は、コミュニケーション分析システムに関するものである。
【0034】
本発明の第1の実施形態は、日常的な社会活動の中で、遠隔地の人とテキストコミュニケーション(以下、単に「コミュニケーション」とも言う。)を行うときに利用する汎用コミュニケーション端末(以下、「端末」または「コミュニケーション端末」とも言う。)に設置されている汎用テキストコミュニケーションアプリケーション(以降、「COMアプリケーション」と表記)の情報表示画面にコミュニケーション先に関するステータス情報を表示する。
【0035】
ここで、コミュニケーション端末は、通信機能を持ち、COMアプリケーションが搭載され得る携帯通信端末またはコンピュータなどの機器である。かかる機器の例として、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなどが挙げられる。テキストコミュニケーションは、音声通話ではなく、テキスト(文字)送受信によるコミュニケーションを意味する。
【0036】
COMアプリケーションは、端末利用者が利用するインスタントメッセンジャー(instant messenger)などのリアルタイムなテキストコミュニケーション機能を持つアプリケーションである。近年では、このようなアプリケーションは、テキストメッセージを交換するアプリケーションであることから、チャットまたはメッセージングアプリケーション、広い意味ではソーシャルネットワーキングサービス(SNS)アプリケーションとも呼ばれている。
【0037】
ステータス(Status)情報は、利用者の状態を表す情報を意味する。
【0038】
より詳細に、本発明の第1の実施形態は、過去のCOMアプリケーション利用者間のテキストコミュニケーション履歴情報を分析し、コミュニケーションコンタクト時間を減らすための予測情報とコミュニケーション行動を改善するための情報とを分類し、情報を必要とする端末に選択的に表示する。
【0039】
コミュニケーションコンタクト時間は、コミュニケーションを取ることを目的に連絡を行った場合、連絡を行ってからその連絡に対しての回答に該当する連絡があるまでの時間である。例えば、電話を数回したが電話がつながらないことは、「コミュニケーションコンタクト時間が長いことによって、時間の無駄が発生した。」と表現され得る。
【0040】
これによって、本発明の第1の実施形態は、COMアプリケーション利用者のコミュニケーションコンタクト時間を減らすと同時に相手への応答時間を短縮させ、効率良くコミュニケーションが取れるように支援することを目的とする。
【0041】
本発明の第1の実施形態は、コミュニケーション先のステータスを予測するために、COMアプリケーションを利用する端末利用者の「社会活動時間帯の受信メッセージに対する応答時間」と利用者間の「社会的関係による受信メッセージに対する応答時間の差」を指標として用いることを特徴とする。
【0042】
より詳細に、本発明の第1の実施形態は、COMアプリケーションを利用する端末利用者間の過去におけるテキストコミュニケーション履歴から、特定単位時間帯に受信したメッセージに対する応答時間を取得し、これらの応答時間に対し、日常的な社会活動の特性が反映されるように同曜日別に分類し、分類した曜日別の同時間帯の応答時間の平均を求める。そして、本発明の第1の実施形態は、COMアプリケーション利用者の「社会活動における同曜日別・同時間帯別の応答時間」と、全メッセージ送信者に対する上記指標の平均と各送信者における指標との比率を求めることによって、端末利用者間の社会的関係を反映した応答時間の差を指標化する。
【0043】
これらの指標は、コミュニケーション先のステータス情報(応答時間予測やコミュニケーション改善情報)として、COMアプリケーションのアドレス帳などに表示され得る。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、端末利用者はコミュニケーション先の社会活動時間帯別の応答時間予測と自分のコミュニケーション状態が把握できるようになる。
【0044】
本発明の第1の実施形態においては、今までコミュニケーションを行った履歴の無い相手のステータス情報も表示され得る。これによって、端末利用者は、コミュニケーションネットワークの全員のステータスを予測することができる。これにより、端末利用者は、今までコミュニケーション先のステータスが分からないことによって発生したコミュニケーションコンタクト時間を減らすことができ、回答待ちなどのストレスのない効率よいコミュニケーションを行うことができる。
【0045】
さらに、本発明の第1の実施形態によれば、端末利用者に対し、他端末利用者全員の応答時間の評価値(例:平均より早い、遅いなど)を表示できる。このため、応答時間短縮の努力を働きかけるコミュニケーション改善効果が期待され得る。
【0046】
本発明の第1の実施形態に係る技術は、このようにコミュニケーションの効率化を支援するための技術である。
【0047】
(既存技術)
テキストコミュニケーションにおいて、コミュニケーション先のステータス情報を検出もしくは予測し、アドレス帳などにステータス情報を表示することによって、テキストコミュニケーションにおけるコミュニケーションコンタクト時間の無駄およびこれによる精神的ストレスを低減するための既存技術を以下に示す。
【0048】
1.利用者の入力インタフェースを監視する方法
1)COMアプリケーションにおける利用者のメッセージ入力状態監視
既存技術は、端末利用者のCOMアプリケーション利用におけるメッセージ入力状態を検出し、ステータス情報としてコミュニケーション先に表示する。例として、既存技術は、利用者がCOMアプリケーションでメッセージを入力している時にコミュニケーション先にステータス情報として「テキスト入力中」と表示する。
【0049】
2)利用者のアプリケーション利用状態監視
既存技術は、COMアプリケーション以外に利用者が利用しているアプリケーションの入力インタフェースの状態を検出し、ステータス情報としてコミュニケーション先に表示する。例として既存技術は、「ブラウザー利用中」、「文書作成アプリケーションで文書作成中」および「電話アプリケーションで通話中」などをステータス情報として表示する。これらは検出した情報そのものをステータス情報として利用するケースに該当する。
【0050】
2.ステータス状態を判定する方法
既存技術は、上記、1の1)、2)のコミュニケーション端末における利用者インタフェースの監視結果から取得した情報から各利用者へのメッセージ送信可能状態を判断し、判断したメッセージ可能状態に基づいてメッセージ送信の制御を行う。例として、既存技術は、相手が文書作成アプリケーションを利用中であり、入力インタフェースが入力中であれば、メッセージ受信ができない状態(忙しい)であると判断し、そのステータスを表示し、メッセージ送信を止める。この既存技術(以下、「既存技術1」とも言う。)が記載された文献としては、上記特許文献1などがある。
【0051】
(本実施形態と既存技術との主な差分)
続いて、本発明の第1の実施形態と既存技術1との主な差分について説明する。なお、ここで説明した差分以外にも、本発明の第1の実施形態と既存技術1との間に差分が存在し得ることは言うまでもない。
【0052】
既存技術1では、掲示板、チャット、インスタントメッセンジャーなどのCOMアプリケーションを利用し、複数の端末利用者とテキストコミュニケーションを行う場合、コミュニケーション先のステータスが分からないことから無駄なコミュニケーションコンタクト時間の発生(例:回答待ち時間が長くなることによる時間のロスや、それによる精神的なストレス発生)によるコミュニケーション効率低下の問題を解決するために、
1.COMアプリケーションを利用する利用者の入力インタフェースとアプリケーションの状態検出方法と
2.上記、1.の検出結果を利用するステータス判定と送受信制御を提案している。
本提案では、上記の方法における課題を明確にし、新たな解決方法を提案する。
【0053】
1)状態(ステータス)検出方法
1-1)既存技術による解決方法
既存技術1は、COMアプリケーションの利用者が自分のステータスに関する情報を、直接手動で登録するシステム(例として、COMアプリケーションのアドレス帳などのステータス表示部に「対応不可」などのステータス情報を利用者がメニューから選択して登録する等)の不便さと登録漏れなどの不正確さなどの課題を解決するために、COMアプリケーションを利用する時における利用者のアプリケーションに対する入力インタフェースを監視する。これによって、既存技術1は、COMアプリケーション利用中における他アプリケーション利用に関する状態を自動的に検出する。
【0054】
例として、既存技術1は、COMアプリケーションに対しては入力インタフェース監視結果から「入力開始、入力中、入力保留中など」の状態を検出し、他のアプリケーションの利用に関しては利用アプリケーションの種類と操作状態から「ファイル挿入中、文書作成中、調査中、電話中」などのステータスを判断する。
【0055】
1-2)既存技術の課題
既存技術1は、利用者のステータスを自動的に判断するために、利用者の端末操作における
1)入力インタフェースの状態と、
2)アプリケーションの状態から検出した状態情報を利用する。
【0056】
既存技術1では、上記、1)と2)の手段を用いた状態検出は、端末利用者が常時COMアプリケーションをアクティブな状態に保ち、その他のアプリケーションとアクティブな状態を切り替えながらコミュニケーションを行うことを前提にしている。ここで、既存技術1では、このCOMアプリケーションがアクティブな時間帯を「メッセージ交換可能状態」と説明しており、これらの情報が他のCOMアプリケーションを利用している端末利用者にリアルタイムにステータス情報として表示されると説明している。
【0057】
しかし、この状態検出結果を利用したコミュニケーション状態からのステータス判断は、端末利用者のCOMアプリケーションのアクティブな状態の時間が長い場合でないと現実的とは言えない。より詳細に、COMアプリケーションの非アクティブな状態が長時間継続する場合(例として、テキストコミュニケーションを行っていない状態、かつ、他のアプリケーションを利用し、文書作成または情報検索などの作業を行っている状態が継続する場合など)、端末利用者のステータスとして「常時、送信メッセージに対する対応可能性が低いもしくは忙しい」などといった判断しかされず、進行中のリアルタイムなテキストコミュニケーションを除き、コミュニケーション相手のステータス判断方法としては適していない。
【0058】
この方法では、メッセージ交換可能状態のステータスを表示するため、COMアプリケーションのアクティブな状態を意図的に維持しないといけないという問題も発生する。
【0059】
なお、既存技術1においては、テキストメッセージに対して回答をするため、メッセージ入力中にインターネットでの調査が必要となり、ブラウザーを操作することで、COMアプリケーションが非アクティブな状態になった場合、「入力保留中、ブラウザー利用中」と表示される。しかし、利用者がこの状態で端末操作とは無関係なことを行った場合(例として、この「入力保留中、ブラウザー利用中」において、利用者が、資料の確認作業、隣人との会話、または、一時的な離席などを行った場合)は、正しい状態検出が行われず、ステータス表示としての信頼性を損なう。
【0060】
さらに、既存技術1においては、COMアプリケーション利用者は、操作に関する情報をシステムによって常時取得され、他端末利用者に公開しなければならない。そのため、既存技術1においては、監視されているという精神的な負担が必然的に発生し、精神的な負担が円滑なコミュニケーションの妨害要因となる。
【0061】
1-3)本提案での解決方法
本提案に係る解決方法は、端末利用者が端末を利用するときの操作によって発生するイベントおよび利用状態に関する情報を用い、決められた条件によって、端末利用者のコミュニケーション可能状態に関するステータスを判断するものではない。本提案に係る解決方法は、端末利用者間の過去におけるテキストコミュニケーション履歴情報からコミュニケーションネットワークの各端末利用者の社会的活動と社会的関係を反映した、「応答に関する予測情報」を各端末利用者ステータス情報として表示するものである。これによって、本提案に係る解決手法は、円滑なコミュニケーションが可能になるように支援する。その特徴を以下に示す。
【0062】
1)端末利用者の「特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」算出
本提案に係る解決方法は、端末利用者間の過去におけるテキストコミュニケーションの履歴情報から、決められた特定時間帯別における端末利用者の他端末利用者への応答時間を算出し、「特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」として指標化する。この値は特定時間帯において、端末利用者が他端末利用者に対して、どのぐらいの応答時間で返信をしたのかを表すコミュニケーション行動を表すための指標であり、メッセージを送信した端末利用者個別に送信相手からの応答時間の予測情報を算出するための基本情報となる。
【0063】
この値は端末利用者が特定時間帯において複数の他端末利用者とコミュニケーションを行っていた場合、端末利用者とコミュニケーションを行った複数の他端末利用者間に個別に存在する。
【0064】
2)端末利用者の「社会活動を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」算出
端末利用者のコミュニケーション行動は日常的な社会活動の影響を受けることが考えられる。例として、月曜日の午前には定例会議があるため、メッセージに対しての返信が遅いとか、業務特性上の外勤が多いのでメッセージ確認が遅れるなどを挙げることができる。
【0065】
そのため、本提案に係る解決方法は、上記1)で求めた指標を同曜日別に分類し、分類した曜日別に指標の同時間帯別平均を求める。これによって、上記1)で求めた指標が「社会活動を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」として指標化され得る。この値が特定曜日の特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答予測時間になる。
【0066】
3)端末利用者の「社会的関係を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間と全端末利用者平均との比率」算出
上記1)と2)で説明した端末利用者の応答時間は、コミュニケーション相手との社会的関係によって異なる可能性がある。例として、コミュニケーション相手が上司か同僚かといった職場における地位の違いや、コミュニケーション相手との親しさなどの度合いによる応答時間の違いが考えられる。
【0067】
そのため、本提案に係る解決方法は、コミュニケーション先となった端末利用者全員の上記2)で求めた指標である「社会活動を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」の平均を求め、各コミュニケーション先端末利用者の同指標との比率を求める。本提案に係る解決方法は、かかる比率を端末利用者間の社会的関係を反映した指標とする。また、本提案に係る解決方法は、この指標に対して順位付けすることによって、上記2)で求めた応答予測時間情報に加えて、応答の速さの順位を表す予測情報として利用する。
【0068】
日常的な社会活動における端末利用者のコミュニケーション行動は、その社会的活動やコミュニケーション先との社会的関係によって異なることが考えられる。本提案に係る解決方法は、このようなコミュニケーション行動の違いをテキストコミュニケーション履歴のみから上記、1)、2)、3)の指標として算出する。
【0069】
また、本提案に係る解決方法は、コミュニケーションネットワークにおける全ての端末利用者に対し、曜日と時間帯別による社会活動の特性がコミュニケーション行動に及ばす影響を反映した応答時間予測に関する指標を利用した応答時間予測情報と、社会的地位の違いがコミュニケーション行動に及ばす影響を反映した応答時間の傾向に関する指標を利用した端末利用者の応答時間評価情報とを表示する。これによって、端末利用者は、他端末利用者へのコミュニケーションコンタクト時間を低減でき、他端末利用者への応答時間を短縮するためのコミュニケーション行動改善を働きかけることができる。これによって、コミュニケーション効率の向上が期待され得る。
【0070】
上記が本発明の第1の実施形態に係る特徴である。本発明の第1の実施形態に係る特徴の詳細については、以下の実施形態の詳細にて説明する。
【0071】
(実施形態の詳細)
続いて、本発明の第1の実施形態の詳細について説明する。
【0072】
(システム構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーションシステムの概略的な構成の一例を示す図である。
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーションシステム1は、N台(Nは2以上の整数)のコミュニケーション端末10と、コミュニケーションサーバ20と、コミュニケーション分析サーバ30と、ネットワーク50とを有する。
【0073】
1.ネットワーク50
ネットワーク50は、コミュニケーションサーバ20、コミュニケーション分析サーバ30およびコミュニケーション端末10間を接続し、これらの各構成部において、双方向間の情報通信を可能とする汎用の通信ネットワークである。
【0074】
2.コミュニケーションサーバ20
コミュニケーションサーバ20は、ネットワーク50を経由し、利用者70-1~70-Nが利用するコミュニケーション端末10-1~10~Nと接続し、利用者70-1~70-Nに対して、テキストコミュニケーション機能を提供する汎用のコミュニケーションアプリケーションサーバである。
【0075】
3.コミュニケーション分析サーバ30
コミュニケーション分析サーバ30は、ネットワーク50を経由し、コミュニケーションサーバ20とコミュニケーション端末10-1~10~Nと接続し、コミュニケーション端末10-1~10~Nから受信した利用者70-1~70-Nの端末利用状態履歴情報とコミュニケーションサーバ20のコミュニケーション履歴情報を利用することによって、利用者間におけるコミュニケーションに関する分析を行い、利用者にコミュニケーションを支援するための情報を算出する。分析方法とコミュニケーションを支援するための情報については、後に詳細に説明する。
【0076】
4.コミュニケーション端末10
コミュニケーション端末10は、利用者が他の端末利用者とテキストコミュニケーションを行うためのコミュニケーションクライアント機能を持つ端末であり、ネットワーク50を経由してコミュニケーションサーバ20と接続する。さらに、コミュニケーション端末10は、ネットワーク50を経由してコミュニケーション分析サーバ30と接続し、コミュニケーション分析サーバ30からコミュニケーション分析結果を受け取り、端末利用者に他端末利用者のステータスを可視化情報として提供する。可視化情報については、後に詳細に説明する。
【0077】
また、本発明の第1の実施形態では、コミュニケーション端末10が、PC(Personal Computer)である場合を主に想定する。しかし、コミュニケーション端末10の形態は限定されない。例えば、コミュニケーション端末10は、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。
【0078】
5.利用者70
利用者70は、コミュニケーション端末10を利用する人である。例えば、コミュニケーション端末10と利用者70とは、1対1に対応している。
【0079】
(コミュニケーション端末の機能構成)
次に、
図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーション端末10の機能構成の一例を説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーション端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照すると、コミュニケーション端末10は、制御部110、操作部140、記憶部150、通信部160および表示部180を備える。
【0080】
1)操作部140
操作部140は、入力部の一例として機能し、利用者からの入力を受け付ける。例えば、操作部140は、利用者がCOMアプリケーションを利用して他の端末の利用者とテキストコミュニケーションを行う場合などにおいて、利用者から入力される情報を受け付ける。ここでは、操作部140がマウスおよびキーボードを含んでいる場合を想定するが、操作部140の形態は限定されない。例えば、操作部140は、タッチパネルを含んでもよいし、ボタンなどを含んでもよい。あるいは、操作部140は、利用者からの音声の入力を受け付けるマイクロフォンを含んでもよい。操作部140は、利用者からの入力を制御部110へ提供する。なお、操作部140は、入力装置815(
図38)により実装され得る。
【0081】
2)記憶部150
記憶部150は、コミュニケーション端末10の動作を制御するためのプログラムおよびデータを記憶する。当該プログラムには、OS(Operating System)およびアプリケーションなどが含まれる。一例として、記憶部150は、端末情報管理部152を有している。なお、記憶部150は、記憶装置809(
図38)により実装され得る。
【0082】
端末情報管理部152は、コミュニケーション端末10の利用情報を管理している。端末情報管理部152は、コミュニケーション端末10の利用情報を利用情報取得部131に提供する。
【0083】
3)通信部160
通信部160は、他の装置と通信する。例えば、通信部160は、ネットワーク50に直接的に接続され、ネットワーク50を介してコミュニケーションサーバ20およびコミュニケーション分析サーバ30それぞれと通信する。なお、通信部160は、通信インタフェース811(
図38)により実装され得る。
【0084】
4)表示部180
表示部180は、提示部の一例として機能し、提示制御部134による制御に従って、GUI(Graphical User Interface)によって提示情報をユーザに提示する(画面に表示する)。例えば、表示部180は、利用者がCOMアプリケーションを利用して他の端末の利用者とテキストコミュニケーションを行う場合などにおいて、利用者に提示情報を提示する。ここでは、表示部180がディスプレイによって構成される場合を想定するが、表示部180の形態は限定されない。なお、表示部180は、表示装置823(
図38)により実装され得る。
【0085】
5)制御部110
制御部110は、コミュニケーション端末10が有する様々な機能を提供する。制御部110は、AP(アプリケーション)部120、および、コミュニケーション支援情報提供部130を有する。AP部120は、コミュニケーションAP部121、および、利用者AP部122を有する。そして、コミュニケーション支援情報提供部130は、利用情報取得部131、送信制御部132、受信情報取得部133および提示制御部134を有する。なお、制御部110は、CPU803、ROM805およびRAM807(
図38)により実装され、CPU803によってROM805から読み込まれたプログラムがRAM807に展開され、当該プログラムがCPU803によって実行されることによって実現される。
【0086】
コミュニケーションAP部121は、COMアプリケーションが実行されることによって実現される。COMアプリケーションは、利用者が他の利用者とテキストコミュニケーションを行うためのクライアント機能を提供するアプリケーションである。COMアプリケーションは、ネットワーク50を経由して、コミュニケーションサーバ20と接続することによって、テキストコミュニケーションサービスを利用でき、他の利用者が利用するCOMアプリケーションと接続し、利用者間におけるテキストコミュニケーションを行うことができる。コミュニケーションAP部121は、利用者によるCOMアプリケーションの利用情報を、利用情報取得部131に提供する。
【0087】
なお、COMアプリケーションの例としては、メール、SNS、インスタントメッセンジャーなどのアプリケーションが挙げられる。また、COMアプリケーションが取り扱う全てのテキストコミュニケーションに関係する情報は、テキストコミュニケーション機能を提供するコミュニケーションサーバAP部220(
図3)によって管理され、コミュニケーションサーバAPデータ部251(
図3)にコミュニケーション履歴情報として保管される。これらの情報については、コミュニケーションサーバ20についての説明において詳細に説明する。
【0088】
利用者AP部122は、利用者アプリケーション(AP)が実行されることによって実現される。利用者APは、利用者がコミュニケーション以外の目的で利用する汎用のアプリケーションである。なお、利用者APの例としては、文書作成または計算を行うためのOA用アプリケーション、情報検索を行うためのアプリケーションなどが挙げられる。利用者AP部122は、利用者による利用者APの利用情報を、利用情報取得部131に提供する。
【0089】
利用情報取得部131は、端末情報管理部152からコミュニケーション端末10の利用情報を取得する。また、利用情報取得部131は、操作部140(入力インタフェース)の利用情報(入力インタフェース操作履歴情報)を取得する。また、利用情報取得部131は、コミュニケーションAP部121からコミュニケーションAPの利用情報を取得するとともに、利用者AP部122から利用者APの利用情報を取得する。利用情報取得部131によって取得される情報の詳細は、以下の(1)~(4)に示す通りである。
【0090】
(1)端末情報管理部152から取得される情報
(a1)利用者識別情報は、コミュニケーション分析サーバ30に情報を送信するときに、情報送信元(端末または利用者)が識別できるように付与される情報送信元に固有なIDである(例えば、利用者番号または端末MACアドレスなど)。このIDは、コミュニケーション分析サーバ30によって管理される。
【0091】
(a2)端末利用開始時間は、端末が起動された日時情報(タイムスタンプ)である。
(a3)端末利用終了時間は、端末の電源をシャットダウンした日時情報(タイムスタンプ)である。
【0092】
(a4)端末利用停止開始時間は、端末の電源管理設定による省電力モードへの移行またはセキュリティー設定による画面ロックなどの動作によって、一時的に利用不可状態になった日時情報(タイムスタンプ)である。
(a5)端末利用停止解除時間は、端末の電源管理設定による省電力モードへの移行またはセキュリティー設定による画面ロック状態が解除され、端末が再度、利用可能な状態になった日時情報(タイムスタンプ)である。
【0093】
(2)操作部140から取得される情報:操作部140においてイベント発生が検出された時間に情報が取得される。
(a6)情報入力装置種別情報は、情報入力装置または情報入力手段を識別するために付与される情報(1:キーボード、2:マウスなど)である。
(a7)操作開始時間は、操作部140を利用した操作または情報入力が開始した日時情報(タイムスタンプ)である。
(a8)操作終了時間は、操作部140を利用した操作または情報入力が終了した日時情報(タイムスタンプ)である。この情報は、上記(a3)と同様にイベント情報であり、操作終了時間という判断は、コミュニケーション分析サーバ30によって行われる。
【0094】
(3)コミュニケーションAP部121から取得される情報:コミュニケーションAPの状態変化に関するイベント発生が検出された時間に情報が取得される。
(a9)COMアプリケーション名は、COMアプリケーションを識別するためのCOMアプリケーションに固有の名称または記号である。
(a10)アプリケーション起動時間は、アプリケーションが起動された日時情報(タイムスタンプ)である。
(a11)アプリケーション終了時間は、アプリケーションが終了した日時情報(タイムスタンプ)である。
(a12)利用開始時間は、COMアプリケーションがアクティブ状態になった日時情報(タイムスタンプ)である。換言すると、(a12)利用開始時間は、COMアプリケーションの利用が開始された時間情報である。
(a13)利用終了時間は、COMアプリケーションがインアクティブ状態になった日時情報(タイムスタンプ)である。換言すると、(a13)利用終了時間は、COMアプリケーションの利用が一時停止もしくは中断された時間情報である。
【0095】
(4)利用者AP部122から取得される情報:コミュニケーションAP部121から取得される情報と同様な情報である。
(a14)利用者アプリケーション名は、利用者APを識別するための利用者APに固有の名称または記号である。
(a15)アプリケーション起動時間は、利用APが起動された日時情報(タイムスタンプ)である。
(a16)アプリケーション終了時間は、利用APが終了した日時情報(タイムスタンプ)である。
(a17)利用開始時間は、利用APがアクティブ状態になった日時情報(タイムスタンプ)である。換言すると、(a17)利用開始時間は、利用APの利用が開始された時間情報である。
(a18)利用終了時間は、利用APがインアクティブ状態になった日時情報(タイムスタンプ)である。換言すると、(a18)利用終了時間は、利用APの利用が一時停止もしくは中断された時間情報である。
【0096】
送信制御部132は、コミュニケーション端末10の利用情報、操作部140の利用情報、コミュニケーションAPの利用情報、、および、利用者APの利用情報が、通信部160を介してコミュニケーション分析サーバ30に送信されるように通信部160を制御する。受信情報取得部133は、コミュニケーション分析サーバ30から通信部160によって受信された分析結果(他の利用者による利用情報に基づく分析結果)を取得する。分析結果についても後に詳細に説明する。提示制御部134は、分析結果が利用者に提示されるように表示部180を制御する。
【0097】
(コミュニケーション端末の動作例)
続いて、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーション端末10の動作例について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーション端末10の動作例を示すフローチャートである。
【0098】
(S11)開始
コミュニケーション端末10の起動時に、コミュニケーション端末10における、操作部140、コミュニケーションAP部121、および、利用者AP部122が自動的に開始される。
【0099】
(S12)端末起動(終了)時間確認
利用者情報取得部131は、端末の起動状態に関係する時間情報と前回の端末電源オフ時間を取得する。これらの情報から計算および取得される情報は、(a2)~(a5)である。一方、(a1)は、設定によって付与される情報である。
【0100】
(S13)情報記録(一時的記録)
利用者情報取得部131は、上記(S12)において取得した情報を内部メモリまたはファイルなどに一時的に記録し、保存する。
【0101】
(S14)受信情報有無
受信情報取得部133は、コミュニケーション分析サーバ30に対して、コミュニケーション分析結果の更新があるかの確認を行う。受信情報取得部133は、情報の更新があれば、通信部160を介して分析結果を受信する。ここで受信されるコミュニケーション分析結果については、後に詳細に説明する。
【0102】
(S15)可視化情報作成
提示制御部134は、コミュニケーション分析サーバ30から受信されたコミュニケーション分析結果を「時間帯別応答可能性」として可視化する。コミュニケーション分析方法については、後に詳細に説明する。
【0103】
(S16)情報表示
提示制御部134は、上記(S15)において可視化された情報が利用者に表示されるように表示部180を制御する。その後、受信情報取得部133は、受信情報の有無を確認する。受信情報がない場合は、(S17)の処理が行われる。可視化情報については、分析部332の動作の説明において詳細に説明する。
【0104】
(S17)イベント発生監視
利用者情報取得部131は、コミュニケーション端末10における、操作部140、コミュニケーションAP部121、および、利用者AP部122からのイベントを監視する。イベントとともに取得される情報は、(a6)~(a18)である。イベントが検知された場合、(S18)の処理が行われる。
【0105】
(S18)情報取得(一時的記録)
利用者情報取得部131は、上記(S17)において取得した情報を内部メモリまたはファイルなどに一時的に記録し、保存する。
【0106】
(S19)利用者識別情報付与
送信制御部132は、上記(S13)と(S18)において一時的に保存された情報に対して利用者識別情報を付与することによって、コミュニケーション分析サーバ30に送信される情報を得る。ここで付与される値は、上記(a1)に該当する。
【0107】
(S20)情報送信
送信制御部132は、ネットワーク50を経由し、(S19)において得られた情報を、通信部160を介してコミュニケーション分析サーバ30に送信する。
【0108】
(コミュニケーションサーバの機能構成)
次に、
図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバ20の機能構成の一例を説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバ20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3を参照すると、コミュニケーションサーバ20は、制御部210、記憶部250および通信部260を備える。
【0109】
1)記憶部250
記憶部250は、コミュニケーションサーバ20の動作を制御するためのプログラムおよびデータを記憶する。当該プログラムには、OS(Operating System)およびアプリケーションなどが含まれる。なお、記憶部250は、記憶装置809(
図38)により実装され得る。記憶部250は、コミュニケーションサーバAPデータ部251を有している。コミュニケーションサーバAPデータ部251は、コミュニケーション履歴情報およびコミュニケーションを管理するためのデータを記憶する。
【0110】
2)通信部260
通信部260は、他の装置と通信する。例えば、通信部260は、ネットワーク50に直接的に接続され、ネットワーク50を介してコミュニケーション端末10およびコミュニケーション分析サーバ30それぞれと通信する。なお、通信部260は、通信インタフェース811(
図38)により実装され得る。
【0111】
3)制御部210
制御部210は、コミュニケーションサーバ20が有する様々な機能を提供する。制御部210は、コミュニケーションサーバAP部220を有する。なお、制御部210は、CPU803、ROM805およびRAM807(
図38)により実装され、CPU803によってROM805から読み込まれたプログラムがRAM807に展開され、当該プログラムがCPU803によって実行されることによって実現される。
【0112】
コミュニケーションサーバAP部220は、コミュニケーションサーバAPが実行されることによって実現される。コミュニケーションサーバAPは、コミュニケーション端末10に設置されているコミュニケーションAPと接続し、利用者が他利用者とテキストコミュニケーションができるようにコミュニケーションサービスを提供する汎用のコミュニケーションアプリケーションサーバである。例として、コミュニケーションサーバAPは、インスタントメッセンジャーなどのテキストコミュニケーションアプリケーションサーバなどに該当する。
【0113】
例えば、コミュニケーションサーバAP部220は、コミュニケーション機能の提供によって得られたコミュニケーション履歴情報をコミュニケーションサーバAPデータ部251に蓄積する。
【0114】
(コミュニケーション分析サーバの機能構成)
次に、
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーション分析サーバ30の機能構成の一例を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るコミュニケーション分析サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4を参照すると、コミュニケーション分析サーバ30は、制御部310、記憶部350および通信部360を備える。
【0115】
1.記憶部350
記憶部350は、コミュニケーション分析サーバ30の動作を制御するためのプログラムおよびデータを記憶する。当該プログラムには、OS(Operating System)およびアプリケーションなどが含まれる。なお、記憶部350は、記憶装置809(
図38)により実装され得る。記憶部350は、情報管理部352および情報蓄積部353を有している。
【0116】
2.通信部360
通信部360は、他の装置と通信する。例えば、通信部360は、ネットワーク50に直接的に接続され、ネットワーク50を介してコミュニケーション端末10およびコミュニケーションサーバ20それぞれと通信する。なお、通信部360は、通信インタフェース811により実装され得る。
【0117】
3.制御部310
制御部310は、コミュニケーション分析サーバ30が有する様々な機能を提供する。制御部310は、コミュニケーション分析処理部330を有する。そして、コミュニケーション分析処理部330は、取得部331、分析部332および提供部333を有する。なお、制御部310は、CPU803、ROM805およびRAM807(
図38)により実装され、CPU803によってROM805から読み込まれたプログラムがRAM807に展開され、当該プログラムがCPU803によって実行されることによって実現される。
【0118】
1)取得部331
取得部331は、通信部360を介してコミュニケーション端末10から2種類の情報を受信し、以下の処理を行う。
【0119】
(1)処理1:情報(a1)~(a18)の受信
処理1において、取得部331は、通信部360を介してコミュニケーション端末10から利用者の端末利用に関する情報(a1)~(a18)を取得し、情報蓄積部353に蓄積させる。取得部331は、送信制御部132からのデータ送信を検知したタイミングにおいて(a1)~(a18)を取得する。
【0120】
(2)処理2:情報(b1)~(b6)の受信
処理2においては、取得部331は、通信部360を介してコミュニケーションサーバ20のコミュニケーションサーバAP部220に対して情報を要求し、通信部360を介してコミュニケーション履歴情報を取得する。取得部331は、取得したコミュニケーション履歴情報を情報蓄積部353に蓄積させる。テキストコミュニケーション履歴情報は、以下の(b1)~(b6)を含む。
【0121】
(b1)利用者IDは、COMアプリケーションを利用する端末利用者を識別するために、コミュニケーションサーバAP部220が利用者に付与したユニークなIDであり、コミュニケーションサーバAP部220の内部情報として管理される。ここでの利用者IDは、メッセージの送信者を識別するためのIDに該当する。
【0122】
(b2)送信先IDは、メッセージの送信先となる他のコミュニケーション端末10の利用者のIDである。送信先IDとして、複数の利用者が指定されてもてもよい。ここでの送信先IDは、メッセージの受信者の利用者IDに該当する。
【0123】
(b3)メッセージIDは、メッセージを識別するために、コミュニケーションサーバAP部220が個別のメッセージに付与したユニークなIDである。
【0124】
(b4)引用されたメッセージIDは、返信メッセージにおいて他のメッセージが引用される場合における当該他のメッセージのメッセージIDに該当する。例えば、ある送信メッセージに対して返信がなされる場合、当該送信メッセージのメッセージID(b4)と、返信メッセージのメッセージID(b3)との組み合わせが、コミュニケーションサーバAP部220の内部情報として保管される。
【0125】
(b5)送信時間情報は、メッセージが送信された時間(タイムスタンプ)を示す情報である。
【0126】
(b6)メッセージ確認時間は、メッセージが送信先において確認された時間である。より詳細に、メッセージ確認時間は、COMアプリケーションによってメッセージが受信された後、コミュニケーション端末10の利用者がCOMアプリケーションをアクティブ状態にした時間である。COMアプリケーションがアクティブ状態にされると、利用者は、そのメッセージを画面において確認し得る。メッセージ確認時間は、既読時間としてコミュニケーションサーバAP部220の内部情報として管理される。
【0127】
上記、処理1および処理2における情報の受信は、情報管理部352に設定された時間間隔情報が示す時間間隔で行われる。
【0128】
取得部331は、情報蓄積部353から情報蓄積部353に蓄積されている各種の利用情報を取得する。分析部332は、取得部331によって取得された各種の利用情報に基づいて、分析を行って分析結果を得る。提供部333は、分析結果がステータス情報として通信部360を介してコミュニケーション端末10に送信されるように通信部360を制御する。
【0129】
2)情報蓄積部353
情報蓄積部353は、取得部331によって処理1および処理2において受信された情報を蓄積する。
【0130】
3)情報管理部352
情報管理部352は、取得部331、分析部332、情報蓄積部353の動作に必要な設定情報を記憶する。設定情報は、以下の(c1)~(c7)を含む。
【0131】
(c1)取得時間間隔は、取得部331がネットワーク50を経由し、コミュニケーションサーバAP部220に情報を要求する時間間隔情報(タイムスタンプ)である。
【0132】
(c2)情報取得時間は、上記(c1)の時間間隔によって、取得部331がコミュニケーションサーバAP部220から情報を取得した時間情報(タイムスタンプ)である。(c2)は、情報の重複取得を防止するための確認情報となる。
【0133】
(c3)単位時間帯情報は、1日を単位時間帯に分割するための時間間隔と分割開始時間と分割終了時間とが設定された情報である。例えば、時間間隔1時間と分割開始時間7時と分割終了時間17時とが設定されている場合、1日のうちの7時から17時までが、1時間の時間帯ごとに分割され、10個の単位時間帯に分割される。
【0134】
(c4)計算対象区間情報は、分析部332によって計算が行われる日時区間を設定するための情報である。例えば、計算区間として180日が設定されている場合には、前日を起点として過去180日間の情報を対象とする計算が分析部332によって行われる。
【0135】
(c5)計算開始情報は、分析部332によって計算が開始される時間情報である。例えば、計算開始情報として23時が設定されている場合には、23時に分析部332による計算が開始される。
【0136】
(c6)計算間隔情報は、分析部332によって計算が行われる時間的な間隔情報である。例えば、計算間隔情報として3日(72時間)が設定されている場合には、3日に1回の時間間隔で分析部332によって計算が行われる。
【0137】
(c7)設定除外条件は、分析部332による計算の対象から除外される日時情報(例えば、休日などの日時情報)である。例えば、設定除外条件として2019/10/7が設定されている場合には、この日は、分析部332による計算の対象から除外される。
【0138】
4)分析部332
分析部332は、情報蓄積部353に蓄積された情報に対して、コミュニケーション分析を行い、分析結果を情報蓄積部353に蓄積させる。提供部333は、情報蓄積部353に蓄積された分析結果を取得し、取得した分析結果をコミュニケーション端末10に提供する。提供部333によって提供された分析結果は、コミュニケーション端末10においてコミュニケーション支援情報として可視化されて利用者に提示される。
【0139】
より詳細に、分析部332は、端末利用者のコミュニケーション行動を過去のコミュニケーション履歴情報から分析処理(以下の処理1~3)を行う。以下では、分析部332によって行われる処理1~3それぞれについて順次に説明する。
【0140】
(1)処理1:端末利用者の「特定単位時間帯における、端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」算出
端末利用者の「特定単位時間帯における他端末利用者に対する応答時間」は、決められた時間帯において、端末利用者が他端末利用者から送信メッセージを受信した時間と、そのメッセージの送信元である他端末利用者に返信メッセージを送信した時間との差分を意味する。特定単位時間帯における端末利用者の応答時間を求めるための概念を以下に示す。
【0141】
図6は、設定された(c3)単位時間帯情報によって5つに分類された単位時間帯を表す。また、
図7は、それらの時間帯のうち特定の1つの時間帯における端末利用者間のメッセージ送信の有無を表すコミュニケーションネットワーク図である。コミュニケーションネットワーク図において、各円は端末利用者を示し、円間における結線の有無はその特定時間帯における両円間のコミュニケーション履歴の有無を示す。ここで、端末利用者Cの応答時間を求めるときは、
図8のように端末利用者Cを中心とし、他端末利用者であるA、F、G、Hから受信したメッセージに対する返信メッセージが応答時間算出の対象となる。
【0142】
なお、テキストコミュニケーションはメッセージの送信時間を利用して計算を行うため、現実における人の会話とは異なり、話の内容から送信と返信の関係を特定することはできない。そのため、両端末利用者間におけるメッセージの関係をコミュニケーション履歴から判断し、計算を行う必要がある。以下に端末利用者間の応答時間を求めるための判断基準および算出方法を以下に示す。
【0143】
(1-1)算出方法1:特定メッセージに対する返信メッセージの場合
特定メッセージに対する応答メッセージの場合、2つのケースがある。この2つのケースにおける返信メッセージには両方、(b4)引用されたメッセージIDが含まれているケースになるが、計算での取り扱いは異なる。
【0144】
(a)特定メッセージと、それに対する返信メッセージが同特定時間帯内に存在する場合、
分析部332は、端末利用者Bからの送信メッセージの送信時間が属する時間帯を応答時間が属する時間帯として決定する。計算例として、
図9における単位時間帯(c3)内で端末利用者Bが送信したメッセージには、(b1)利用者ID、(b2)送信先ID、(b3)メッセージID、(b5)送信時間情報が含まれており、端末利用者Aの返信メッセージには、(b1)利用者ID、(b2)送信先ID、(b3)メッセージID、(b4)引用されたメッセージID、(b5)送信時間情報が含まれている。ここで、分析部332は、端末利用者Aの返信メッセージに含まれている(b4)引用されたメッセージIDが端末利用者Bの(b3)メッセージIDと一致する場合は、端末利用者Aの返信メッセージが特定メッセージに対する返信メッセージであると判断し、両端末からのメッセージの(b5)送信時間情報の差分である「時間(b)-時間(a)」を応答時間とする。
【0145】
(b)特定メッセージと、それに対する返信メッセージが同特定時間帯に存在しない場合、
図10における単位時間帯(c3)内で端末利用者Bが送信したメッセージの送信時間と端末利用者Aの返信メッセージの送信時間とは、同じ特定単位時間帯に属さない。このようなケースは、端末利用者Bから送信メッセージが送信された単位時間帯において、返信する端末利用者Aが送信メッセージを認知していなかったか、もしくは認知しているのにも関わらず、返信をしなかったケースに該当する。
【0146】
例として、端末利用者Aが、送信メッセージを受信したが、忙しくて確認ができなかった場合が考えられる。もしくは、端末利用者Aが、送信メッセージを確認したが、返信ができなかった場合が考えられる。あるいは、送信メッセージが端末利用者Aにとって返信の必要性を感じない簡単な連絡事項(例として、回答が不要な通知)であった場合などが考えられる。これらのいずれかの理由によって返信がされていないことが考えられる。但し、応答時間が極端に長くなった場合であっても端末利用者Aが返信をしたということは、メッセージに対する返信の必要性があったと判断するのが正しいと考えられる。したがって、分析部332は、端末利用者Bからの送信メッセージの送信時間が属する時間帯を応答時間が属する単位時間帯として決定する。
【0147】
計算例として、
図10における他単位時間帯(c3)内での端末利用者Bの送信メッセージには、(b1)利用者ID、(b2)送信先ID、(b3)メッセージID、(b5)送信時間情報が含まれており、端末利用者Aの返信メッセージには、(b1)利用者ID、(b2)送信先ID、(b3)メッセージID、(b4)引用されたメッセージID、(b5)送信時間情報が含まれている。ここで、分析部332は、端末利用者Aの返信メッセージに含まれている(b4)引用されたメッセージIDが端末利用者Bの(b3)メッセージIDと一致する場合は、端末利用者Aの返信メッセージが特定メッセージに対する返信メッセージであると判断し、両端末からのメッセージの(b5)送信時間情報の差分である「時間(b)-時間(a)」を応答時間とする。
【0148】
(1-2)算出方法2:特定メッセージに対する返信メッセージではない場合
上記(1-1)で説明した以外に、
図11に示すように、端末利用者Aの返信メッセージに(b4)引用されたメッセージIDが含まれていない場合が想定される。かかる場合には、分析部332は、(c3)特定単位時間帯における端末利用者Aが返信メッセージを送信した時間(b)と端末利用者Bが送信した最新のメッセージ送信時間(a)との差分を、最新のメッセージの送信時間が属する特定単位時間帯における応答時間とする。
【0149】
なお、
図12に示すように、端末利用者Aのメッセージが属する特定単位時間帯外での送信メッセージの送信があった場合は、分析部332は、端末利用者Aのメッセージに対する応答時間は求めない。このようなメッセージは応答の必要性が低い連絡(例として、挨拶や重要でない連絡など)であると考えることができる。そのため、分析部332は、特定単位時間帯において、端末利用者Aから端末利用者Bへのメッセージ送信があっても、端末利用者Aのメッセージを端末利用者Bに対する返信メッセージではないと見なす。
【0150】
上記の処理1によって求められた、応答時間に関する分析結果は、情報蓄積部353に蓄積される。例えば、応答時間に関する分析結果は、以下の(d1)~(d3)に示される通りである。
【0151】
(d1)端末利用者情報は、応答時間が算出された2人の端末利用者を情報である。端末利用者情報は、送信者と返信者の意味を持つ。具体的に、端末利用者情報は、2人の(b1)利用者IDである。
【0152】
(d2)応答時間は、特定単位時間帯における応答時間である。具体的に、応答時間は、上記(d1)のうちの送信者に対する返信者の応答時間である。
【0153】
(d3)単位時間帯情報は、上記(d2)の値が算出された特定単位時間帯情報である。この単位時間情報は、(c3)単位時間情報に基づいて決められる。
【0154】
(2)処理2:端末利用者の「活動を反映した、特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間合計と平均」算出
端末利用者のコミュニケーション行動は、日常的な社会活動の影響を受けることが考えられる。例として、月曜日の午前には定例の会議があるため、メッセージに対しての返信が遅いことが挙げられる。また、水曜日は業務特性上の外勤が多いのでメッセージ確認が遅れることなどが挙げられる。
【0155】
そのため、分析部332は、上記(1)処理1で求めた各端末利用者の(d2)応答時間に対して、曜日と時間帯における活動の影響を反映するために、(d2)応答時間を同曜日別に分類する。そして、分析部332は、分類した曜日別に各単位時間帯における各応答時間の和を求め、該当単位時間帯における特定端末利用者の応答時間の和を求め、「活動を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間合計」とする。そして、分析部332は、その平均を求めることによって、「社会活動を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する平均応答時間」として指標化する。
【0156】
これらの値は、特定曜日の特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間に関するコミュニケーション支援情報の計算に利用される。処理のフローを
図13に示し、詳細を以下に示す。
【0157】
(S21)開始
コミュニケーション分析サーバ30の起動時に自動的に起動する。
【0158】
(S22)処理対象情報検出
分析部332は、設定情報管理部352の(c5)計算開始情報に設定された日時に処理を開始し、(c4)計算対象区間情報と(c6)設定除外条件を確認する。そして、分析部332は、(c4)計算対象区間情報に該当する(d3)単位時間帯における(d2)単位時間帯別の応答時間情報を得て、(e2)単位時間帯別の応答時間の和と(e3)単位時間帯別の平均応答時間を求める。
【0159】
(S23)曜日別分類
分析部332は、上記(S22)で検出した(e2)単位時間帯別の応答時間の和と(e3)単位時間帯別の平均応答時間とを曜日別のグループに分類する。例として、
図14において、(c4)計算対象区間情報によって決められた区間に該当する週のうち、曜日別に分類した曜日グループは、月~日曜日まで7つになる。
【0160】
(S24)単位時間帯別分類
分析部332は、上記(S23)において曜日別に分類された各グループの情報に対して、(c3)単位時間帯別に(e2)単位時間帯別の応答時間の和と(e3)単位時間別の平均応答時間を分類する。例として、
図14において、単位時間帯はp1~p8であり、各単位時間区間別に同単位時間帯の(e2)単位時間帯別の応答時間の和と(e3)単位時間別の平均応答時間とがグループ化される。
【0161】
(S25)同曜日・同単位時間帯別平均応答時間算出
分析部332は、上記(S24)で求めた各曜日別および同単位時間帯別に分類された(e2)単位時間帯別の応答時間の和と(e3)単位時間別の平均応答時間に対して、(c4)計算対象区間情報の週の回数で平均を求める。この値が社会活動を反映した特定曜日・時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する「平均応答時間」と「平均応答時間」の指標になる。
【0162】
上記の処理2によって求められた、応答時間に関する分析結果は、情報蓄積部353に蓄積される。例えば、応答時間に関する分析結果は、以下の(e1)~(e4)に示される通りである。
【0163】
(e1)端末利用者情報は、応答時間が算出された2人の端末利用者を情報である。端末利用者情報は、送信者と返信者の意味を持つ。具体的に、端末利用者情報は、2人の(b1)利用者IDである。
【0164】
(e2)同曜日・同単位時間帯別の応答時間合計は、同曜日・同単位時間帯別における端末利用者から特定の他端末利用者に対する応答時間の合計である。
【0165】
(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間は、上記(e2)を週の数で平均して得た値である。
【0166】
(e4)単位時間帯情報は、上記(e2)と(e3)の値を求めた特定単位時間帯情報に曜日情報が加えられた情報である。この情報は(c3)の単位時間帯情報に基づいて決められる。
【0167】
(3)処理3:端末利用者の「社会的関係を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間の比率」算出
応答時間は、コミュニケーションを行う端末利用者間における社会的関係の影響から、同等な内容のコミュニケーションであっても、相手による差が発生する可能性がある。例として、端末利用者間の関係が上司と部下である、また親密度の違いなどが社会的関係として影響を及ばしていると考えられる。場合によっては、このような応答時間の違いがコミュニケーションの効率低下の原因になる。そのため、端末利用者に応答時間の差を低減させるためのコミュニケーション支援情報が必要になる。
【0168】
そのため、分析部332は、(2)処理2で求めた、「活動を反映した、特定時間帯における各端末利用者の他端末利用者に対する応答時間合計と平均」から「特定単位時間帯における、端末利用者の他端末利用者への応答時間平均に対する特定端末利用者への応答時間との比率」を各端末利用者別に求める。そして、コミュニケーション端末10は、かかる比率を端末利用者にコミュニケーション行動の評価指標として表示する。これによって、端末利用者は、他端末利用者に対する応答時間の評価(平均基準の閾値で早い、普通、遅いなどと分類される)を把握し、社会的関係による応答時間の差を減らすためのコミュニケーション行動改善を行うことができる。
【0169】
【0170】
(S31)開始
コミュニケーション分析サーバ30の起動時に自動的に起動する。
【0171】
(S32)処理対象情報検出
本処理は、(2)処理2の結果となる分析情報を利用する。そのため、分析部332は、(2)処理2が終了した時点で、(2)処理2の(S25)において出力された分析結果を処理対象情報として検出する。ここで、検出される情報は、(e1)端末利用者情報、(e2)同曜日・同単位時間帯別の応答時間合計、(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間、(e4)単位時間帯情報である。
【0172】
(S33)応答時間差分・比率算出
分析部332は、上記(S32)において検出した情報から、(e4)単位時間帯別に、(e1)端末利用者情報から端末利用者のコミュニケーション先となった他端末利用者全員の(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間の和を求める。例として、分析部332は、特定単位時間内コミュニケーション先となった端末利用者1の(e3)の値+端末利用者2の(e3)の値+・・+端末利用者Nの(e3)の値を求める。この指標が、特定単位時間における端末利用者の応答時間の合計になる。
【0173】
分析部332は、この合計に対し、端末利用者Nの人数で除算して平均を求め、「(f2)特定単位時間帯における全端末利用者に対する平均応答時間」とする。この「(f2)特定単位時間帯における全端末利用者に対する平均応答時間」に対し、「各端末利用者の(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間の比率」を求め、比較の指標とすることで、各端末利用者への応答時間が早いか、遅いかの分類に関する情報を表す(以下、これを「応答時間の評価」と言う。)ことができる。
【0174】
上記の処理3によって求められた、応答時間に関する分析結果は、情報蓄積部353に蓄積される。例えば、応答時間に関する分析結果は、以下の(f1)~(f4)に示される通りである。
【0175】
(f1)端末利用者情報は、応答時間が算出された2人の端末利用者を情報である。端末利用者情報は、送信者と返信者の意味を持つ。具体的に、端末利用者情報は、2人の(b1)利用者IDである。但し、以下の(f2)の値が用いられる場合には、(f1)端末利用者情報は、返信者情報のみとなる。
【0176】
(f2)全端末利用者に対する平均応答時間は、特定単位時間帯において、全送信者に対する返信者の(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間の和に対しての他端末利用者数による平均値である。
【0177】
(f3)端末利用者別応答時間比率は、特定単位時間帯において、上記(f2)全端末利用者に対する平均応答時間に対する(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間の比率である。
【0178】
(f4)単位時間帯情報は、上記(f2)と(f3)の値を求めた特定単位時間帯情報に曜日情報が加えられた情報である。この情報は(c3)の単位時間帯情報に基づいて決められる。
【0179】
(4)端末利用者に提供する情報
提供部333は、情報蓄積部353に蓄積されている分析結果を取得する。分析結果は、上記処理2および処理3の分析結果であり、「活動を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間」と、端末利用者の「社会的関係を反映した特定時間帯における端末利用者の他端末利用者に対する応答時間の比率」に関する分析結果である。提供部333は、分析結果を可視化したコミュニケーション支援情報を、ネットワーク50を経由して、コミュニケーション端末10に提供する。
【0180】
可視化されたコミュニケーション支援情報は、特定単位時間において、1)応答時間算出の対象となった端末利用者、2)端末利用者とコミュニケーション履歴を持つ他端末利用者(複数)、3)端末利用者とコミュニケーション履歴を持たない他端末利用者(複数)の3つのグループに分類される形で提供される。例として、
図16に示すような端末利用者Bを中心としたコミュニケーションネットワークにおいて、各端末利用者に提供される3つのコミュニケーション支援情報は、以下の通りである。
【0181】
1)端末利用者Bへの情報
図16において、コミュニケーション分析の中心となった端末利用者Bには、コミュニケーション履歴を持つ他コミュニケーション端末(A、C、D)とのコミュニケーションを改善するための支援情報が提供される。コミュニケーション改善の対象となるのは他コミュニケーション端末への応答時間である。各他端末利用者に対する応答時間を閾値基準で遅速の度合いを表示することで、社会的関係による応答時間の差を改善するための努力を働きかける効果を得ることができ、応答時間の短縮ができる。
【0182】
図18は、コミュニケーション端末10が、端末利用者B(
図16)に対して、端末利用者(A、C、D)に対する応答時間のステータス情報を表示する例である。以下に表示する情報の詳細を示す。
【0183】
(v20)は、現在の時間が属する曜日を表す。
(v21)は、現在の時間が属する特定単位時間帯情報を表す。
(v22)は、情報提供対象である端末利用者を表す。
(v23)は、端末利用者一覧を表す。コミュニケーション履歴のある端末利用者(A、C、D)に関するステータス情報であることを示す。
(v24)端末利用者(A、C、D)の応答時間比を表す。応答時間比は、(f3)端末利用者別応答時間比率を利用して表示される。例えば、応答時間比は、1の値を平均であり、1からの大小によって遅速の度合いを表した値であってもよい。
(v25)コミュニケーション評価表示の一例である。上記(v24)の応答時間比を一般的な閾値によって分類して、分かりやすいコミュニケーション支援情報とした例である。
【0184】
2)端末利用者とコミュニケーション履歴を持つ他端末利用者(A、C、D)への情報
図16において、コミュニケーション分析の中心となった端末利用者Bとコミュニケーション履歴を持つ他コミュニケーション端末(A、C、D)には、現在の単位時間帯における応答予測時間(平均応答時間)がコミュニケーション支援情報として提供される。この応答予測時間は、現在の単位時間帯において、端末利用者Bにメッセージを送信したときに、端末利用者Bから返信が到着するまでの時間を示す情報になる。これにより、端末利用者(A、C、D)は、回答が到着するまでのコミュニケーションコンタクト時間を最小限にすることができる。
【0185】
図17は、
図16の他端末利用者のうちの1名である端末利用者Aに対する、端末利用者Bの応答予測時間に関するステータス情報表示の例である。以下に表示する情報の詳細を示す。
【0186】
(v10)は、現在の時間が属する曜日を表す。
(v11)は、現在の時間が属する特定単位時間帯情報を表す。
(v12)は、情報提供対象である端末利用者を表す。
(v13)は、端末利用者一覧を表す。端末利用者Bに関するステータス情報および端末利用者Cに関するステータス情報であることを示す。
(v14)は、応答予測時間を表す。具体的に、(v14)は、端末利用者Bの端末利用者Aに対する(e3)同曜日・同単位時間帯別の平均応答時間、および、端末利用者Cの(f2)全端末利用者に対する平均応答時間である。
(v15)は、コミュニケーション履歴の有無を表す。端末利用者Aは、端末利用者Bとの間でコミュニケーション履歴が有り、端末利用者Cとの間でコミュニケーション履歴が無い。
【0187】
3)端末利用者とコミュニケーション履歴を持たない他端末利用者Eへの情報
図16において、コミュニケーション分析の中心となった端末利用者Bとのコミュニケーション履歴を持たない端末利用者Eにも、上記2)と同様に、現在の単位時間における応答時間予測情報がコミュニケーション支援情報として提供される。但し、コミュニケーション履歴から算出できる情報がない。したがって、提供部333は、端末利用者Bの応答予測時間(平均応答時間)を提供する。端末利用者Eにとって端末利用者Bとの間にコミュニケーション履歴はないが、初めてのコミュニケーションコンタクト時における時間の無駄をできるだけ低減させるためのコミュニケーション支援情報として応答予測時間が位置づけられる。
【0188】
図19は、
図16の端末利用者Eに対して、コミュニケーション履歴の無い端末利用者Bのステータス情報を表示する例である。以下に表示する情報の詳細を示す。
【0189】
(v30)は、現在の時間が属する曜日を表す。
(v31)は、現在の時間が属する特定単位時間帯情報を表す。
(v32)は、情報提供対象である端末利用者を表す。
(v33)は、端末利用者一覧を表す。端末利用者Bに関するステータス情報であることを示す。
(v34)は、応答予測時間情報を表す。具体的に、(v34)は、端末利用者Bの特定単位時間帯における応答時間の平均である。(v34)としては、(f2)全端末利用者に対する平均応答時間が利用される。
【0190】
(第1の実施形態の効果)
本提案は、端末利用者のステータスを判定するために入力インタフェースの監視結果を判定の入力条件として利用する既存のステータス判定方法ではなく、コミュニケーションネットワークにおける端末利用者間のテキストコミュニケーション履歴情報のみを利用し、コミュニケーション分析を行うことで、端末利用者のコミュニケーション状態に関するステータスを判定する。
【0191】
本提案は、コミュニケーションネットワークにおける全端末利用者の特定単位時間帯における他端末利用者に対する個別の応答時間から、端末利用者の曜日別と時間帯別の異なる活動の特性がコミュニケーション行動に及ばす影響を反映した特定時間帯における応答時間の予測に関する指標と、社会的地位の違いがコミュニケーション行動に及ばす影響を反映した応答時間の違いに関する指標を求め、これらの指標をコミュニケーション支援情報として可視化する。
【0192】
本提案によれば、この可視化されたコミュニケーション支援情報を必要とする端末利用者別に分類し、コミュニケーションネットワークの全端末利用者に提供することで、コミュニケーションコンタクト時間を低減し、応答時間の短縮を期待することができる。これにより、コミュニケーションネットワーク全体のコミュニケーション効率を改善することができる。
【0193】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0194】
(概要)
本発明の第2の実施形態は、コミュニケーション分析システムに関するものである。
【0195】
本発明の第2の実施形態は、日常的な社会活動の中で、遠隔地の人とテキストコミュニケーションを行うときに利用するコミュニケーション端末の利用者間における過去のコミュニケーション履歴情報とコミュニケーションを行う場所の情報および利用者の活動状態に関する履歴情報から、コミュニケーションを行う時における端末利用者の
(1)コミュニケーション相手との社会的関係と
(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化、および
(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化
による発言特性(発言件数と発言速度)への影響を分析する。これによって、本発明の第2の実施形態は、コミュニケーションを行う端末利用者に対して、平等な発言機会を付与するためのE1)発言予測時間情報と、発言のバランスを改善するためのE2)コミュニケーションバランス情報のコミュニケーション支援情報を提供することを目的とする。
【0196】
本提案で発言とはメッセージ送信を意味する。例として、発言準備とはメッセージ送信を準備する過程を意味する。ここで、発言特性について説明する。発言件数とはコミュニケーションを行うとき、コミュニケーションに参加している端末利用者(以下、「参加者」とも言う。)別の発言数であり、応答時間とは一人の参加者の発言に対する他参加者の返信発言までの時間である。この発言特性は、上記の条件(1)~(3)の影響により変化があると考えられる。
【0197】
(1)コミュニケーション相手との社会的関係
参加者がコミュニケーションを行うとき、同コミュニケーションセッション(以下、「COMセッション」とも言う。)に参加している参加者との間には組織における上下関係や、顧客と営業の関係などの社会的関係がある場合、参加者の発言特性に変化が発生することが考えられる。例として、参加者Aと同COMセッションの参加者Bにおける社会的関係が職場の同僚である場合の参加者AからBへの応答時間は短く、参加者AとBとの社会的関係が部下と上司関係の場合、AからBへの応答時間は長いなどの違いが発生することを容易に想定できる。なお、COMセッションは、コミュニケーションが行われた会話の時間区間を意味する。
【0198】
(2)コミュニケーション場所変化に作業性や社会的立場の変化
日常の業務活動において、業務の特性(例として、事務などの内勤職か、外勤の多い営業職などの区分)や勤務形態(例として、自宅勤務や遠隔オフィス勤務および状況による顧客先や取引先での常駐作業)によって、決められたオフィスの占有席以外の場所でコミュニケーションを行う場合がある。このとき、コミュニケーション場所によっては、コミュニケーション参加者の発言特性に影響を及ばすことがあると考えられる。この原因の1つ目は、場所の違いによるコミュニケーション作業性の変化であり、2つ目はその場所における社会的な立場の変化である。
【0199】
例として、通常占有席でコミュニケーションを行う参加者Aが作業を行うため、現場でコミュニケーションを行う場合におけるコミュニケーションの作業性の変化が発生する。しかも、その作業場所が顧客先であって、顧客先の他人が隣にいる場合は、その場所に社会的立場によって、コミュニケーションの件数や応答速度の低下などが発生することを想定できる。なお、近々にはモバイルコミュニケーションも普及しており、公共の場所におけるセキュリティー環境(例として、覗き防止)なども発言特性の変化に影響を与えると考えられる。
【0200】
(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化
業務形態や業務特性から、端末利用者は上記(2)で説明したように、複数の場所で業務を行うことがあり、歩行や交通機関の利用など移動に伴う活動状態の変化が発生する。場合によっては、活動状態変化に問わず、コミュニケーションを行う必要性も発生する。実際、コミュニケーション端末の種類によっては、歩行中に手頃にコミュニケーションができる端末もあり、端末利用者によっては、端末選択や端末利用方法などコミュニケーションスタイルの変化が発生する。このコミュニケーションスタイルの変化は発言特性に影響を与えると考えられる。
【0201】
例として、歩行中にスマートフォンなどの端末を利用すると、簡単な言葉やスタンプなどの記号を使うことで、応答速度は大きくなり、発言件数は少なくなる。半面、スマートフォン操作の熟練度によってはこの反対の結果となる人も存在する。PCなどの端末を利用する人は前述した(2)の影響も発生しやすく、回答などが遅くなる場合もある。但し、交通機関を利用する場合は着席状態によっては、通常と変化が発生しない場合もある。
【0202】
遠隔地とのコミュニケーションでは、対面で行うコミュニケーションとは違い、コミュニケーション相手の状況を可視的に確認ができないことから上記(1)~(3)による発言特性への変化をコミュニケーション参加者が検知できない状態でコミュニケーションを行う場合が多く、円滑なコミュニケーションを行うことに対する支障となる。
【0203】
そのため、本提案は、コミュニケーション参加者の発言特性への上記(1)~(3)による影響が反映できるように分類を行う。より詳細に、本提案は、過去におけるコミュニケーション履歴とコミュニケーション場所および活動状態の履歴情報から同参加者によるCOMセッションを分類することで、前述した(1)のコミュニケーション相手との社会的関係による発言特性の変化が反映できるようにする。この分類した同参加者別のCOMセッションを(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化が反映できるように、コミュニケーション場所によって、さらに分類を行う。
【0204】
さらに、本提案は、上記(1)と(2)によって分類した情報に対して(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化による発言特性の変化が反映できるように、コミュニケーションスタイルと関係する活動状態と端末種類による分類を行う。この分類により、同参加者によるコミュニケーションセッションは参加者の場所とコミュニケーションスタイルが反映できるようにグループ化できる。例として、同参加者のCOMセッションであっても、
(グループ1)
参加者A(場所:会社、移動なし、PC)、参加者B(場所:自宅、PC、移動なし、PC)、参加者C(場所:顧客先、移動なし、PC)
(グループ2)
参加者A(場所:会社、移動なし、PC)、参加者B(場所:自宅、PC、移動なし、PC)、参加者C(場所:顧客先、移動中、スマートフォン)
のように分類ができる。
【0205】
そして、本提案は、分類した各グループ別のCOMセッションに対して、各参加者の発言特性である
F1)応答時間
F2)発言件数
などの指標を求め、同分類グループにおける参加者別のF1)応答時間の平均を求め、分類されたグループにおける各参加者のE1)発言予測時間とする。同様に、本提案は、分類されたグループにおける各参加者別のF2)発言件数の平均を求め、その比率をE2)コミュニケーションバランス情報とする。このE1)とE2)が各参加者に提供するコミュニケーション支援情報である。
【0206】
本提案は、これらのコミュニケーション支援情報をCOMセッションが開始した時点で、各参加者に提供することによって、以下のEffect1)、Effect2)が期待できる。
【0207】
Effect1)望ましくないコミュニケーション行動の抑止
COMセッション開始時に発言を準備している参加者のE1)発言予測時間情報を表示することで、他参加者は発言が終了するまでの待ち時間が分かるようになり、この時間が終了するまでは発言を抑止することになる。これにより、他参加者の発言準備中に発言をすることで、他参加者の発言を途中で断念させ、結果的には発言機会を失わせるもしくはコミュニケーションの流れが悪くするなどの望ましくないコミュニケーション行動を抑止することができる。
【0208】
Effect2)コミュニケーションバランスの改善
COMセッション開始時に参加者全員の発言件数に関する比率情報であるE2)コミュニケーションバランス情報を表示することで、参加者間における発言機会の平等な配分を実現するための改善努力を働きかけることができる。
【0209】
本発明の第2の実施形態に係る技術は、このように相手の状況が分か把握しづらい遠隔地の人とのテキストコミュニケーションにおいて、参加者の発言を強制的に制限するような制御を行うことなく、コミュニケーション参加者間の自律的なコミュニケーション改善努力を支援する情報を提供することによって、コミュニケーション改善を支援するための技術である。
【0210】
(既存技術)
COMセッションで、同時に多数の参加者がコミュニケーションを行う場合、参加者が発言の準備中に他の参加者からの発言が届くことによって、発言を断念することや発言タイミングを失うなどの問題が発生することがある。このようなことが発生するとコミュニケーション全体の流れに影響を及ばし、コミュニケーション時間が長くなるなど、コミュニケーションの効率を低下させることになる。
【0211】
このような問題を解決するための既存技術としては、COMセッション参加者の状態(ステータス)検出と入力速度評価の結果から、COMアプリケーションにおける発言の表示時間と発言送信用ユーザインタフェース(送信ボタン)表示を制御することで、参加者が発言できないように制限する方法がある。
【0212】
1.参加者の状態(ステータス)を検出する方法
1)テキスト入力状態監視
COMセッション参加者のテキスト入力状態を監視し、発言準備を行っている時におけるメッセージ入力状態を検出し、ステータス情報とする。例として、相手のステータスを「メッセージ作成中」と表示する。
【0213】
2)入力速度評価
COMセッション参加者の入力速度をコミュニケーション時に利用する入力手段の種類を過去におけるコミュニケーション履歴からの発言件数および総利用時間履歴に関する情報を取得し、定義した基準によって評価する。例として、参加者Aはスクリーンキーボード利用(2点)、1時間あたりの発言数20(5点)、総利用時間は200時間(9点)からの合計点数16点として評価し、参加者同士の入力速度比較時に利用する。
【0214】
2.参加者の状態検出結果からCOMアプリケーションでの発言表示時間と発言送信用ユーザインタフェース表示を制御する方法
上記、1.1)で得た、参加者のテキスト入力状態を検出し、複数の参加者がテキスト入力状態であれば、1.2)の入力速度評価方法によって算出した参加者の入力速度を比較し、入力速度が遅い人が入力中であれば、発言を妨害しないように、送信済みの発言表示時間制御し、入力速度の遅い人が発言するまで発言表示を遅延させると同時に入力速度の速い参加者が作成中のテキストを送信できないようにテキスト送信用ユーザインタフェース(例として、送信ボタンなど)を非表示状態にする。
【0215】
例として、入力速度が遅い参加者がテキスト入力中であれば、入力速度が速い人からの発言は一旦保留状態になり、入力速度が遅い参加者の発言後に入力速度の速い参加者の発言が表示可能になる。なお、入力速度比較結果から、入力速度が遅い人がメッセージを作成中であれば、入力速度の速い参加者のコミュニケーションアプリケーションのメッセージ送信ボタンを非表示状態にすることで、入力速度の遅い利用者が発言の準備中に他人の発言が表示されることで発言が妨害されないように制御を行う。
【0216】
上記1の方法から得た利用者状態検出結果に基づき、上記2のコミュニケーションアプリケーションでの発言表示時間と発言送信用ユーザインタフェースを制御する既存技術(以下、「既存技術2」とも言う。)が記載された文献としては、上記特許文献2などがある。
【0217】
(本実施形態と既存技術との主な差分)
続いて、本発明の第2の実施形態と既存技術2との主な差分について説明する。なお、ここで説明した差分以外にも、本発明の第2の実施形態と既存技術2との間に差分が存在し得ることは言うまでもない。
【0218】
特許文献2では、インスタントメッセンジャーの同時に多数の参加者がコミュニケーションアプリケーションを利用し、コミュニケーションを行う場合、以下の課題があると指摘されている。「インスタントメッセンジャーを利用したコミュニケーションで、参加者がテキスト入力中に、他参加者からの発言が届くと発言準備における妨害原因となり、発言を断念するもしくは、発言の順番がずれることにより、コミュニケーションの流れが悪くなることがある。」
【0219】
このような課題を解決するために、既存技術2では、課題の原因がコミュニケーション参加者の入力速度の違いにあるとし、1)参加者の状態検出方法と2)参加者の状態検出結果によるコミュニケーションアプリケーションでの発言表示時間制御と発言送信用ユーザインタフェースを制御する解決方法を提案している。本提案では、上記の方法における課題を明確にし、新たな解決方法を提案する。
【0220】
1)参加者の状態・入力速度検出方法
1-1)既存技術2の解決方法
既存技術2では、コミュニケーション参加者間において、発言作成中に他の参加者からの発言が届く場合、発言を途中で断念することや、発言の順番がずれることによってコミュニケーションの流れが悪くなることを解決するため、参加者の状態検出方法として、参加者の入力状態検出と入力速度評価を提案している。
【0221】
1-2)既存技術2の課題
(1)参加者の入力状態検出
既存技術2では、参加者に対する発言の制御を行うために、コミュニケーション参加者の発言制御を行うための入力条件として、プレゼンスサーバによる参加者の入力状態検出結果を発言制御の入力条件として利用している。しかし、昨今のコミュニケーション端末はOSのマルチタスク機能の発展によって、インスタントメッセンジャーなどのCOMアプリケーションを含む、全てのアプリケーションがバッググラウンドで動作し、通知機能も持つことが一般的である。そのため、COMアプリケーションを利用していない状態であっても、相手から到着した発言通知や内容確認ができる場合が多い。場合によっては、COMアプリケーションではないテキスト編集アプリケーションを利用し、発言内容を作成することもあり得るため、必ずしもCOMアプリケーションを利用する必要はない。このため、コミュニケーションアプリケーションにおける「入力中」という状態監視結果を発言制御の入力条件として、利用するには精度が十分とは言えない。
【0222】
(2)参加者の入力速度評価
既存技術2は、コミュニケーションアプリケーション利用者の入力速度を以下、(a)~(c)の和として定義している。
(a)利用する入力デバイスの種類に対する評価値
(b)単位時間(例として1時間など)あたりの発言件数に対する評価値
(c)コミュニケーションアプリケーションの総利用時間に対する評価値
この方法は主観的評価に近く、参加者の入力速度の検出方法としては信頼性に欠ける部分がある。その例を以下に示す。
【0223】
1)利用する入力デバイスの種類による評価値
昨今、従来の文字入力用キーボード以外にも辞書や内容の予測による入力文言の推薦や音声入力など様々な入力手段があり、利便性から最適な入力デバイスと入力方法を選択することができる。端末の入力デバイスの種類による入力速度の差は熟練度の問題であり、入力デバイスの種類によって決まるものであるとは言えない。例として、スマートフォンの入力方法を全てタッチパネルキーボードと想定し、評価するのは正しくない。
【0224】
2)単位時間(例として1時間)あたりの発言件数による評価値
発言は内容や状況によって、その長さが異なる。相手の質問や依頼に対する簡単な回答(例:はい、了解、?など)の場合もあり、長い場合(例:質問に対する説明)もある。そのため、過去における特定の単位時間における発言数を入力速度評価の基準として利用するのは妥当ではない。特に、昨今のコミュニケーションにおけるスタンプの利用などを考えた場合、入力速度評価の条件として、発言件数を利用するのは適していない。
【0225】
3)COMアプリケーションの総利用時間による評価値
COMアプリケーションの総利用時間はアプリケーションの機能操作に関する熟練度に影響する。そのため、参加者による熟練度の差は存在するが、機能操作の学習ができた段階では参加者全員が同レベルの評価値に近くなることが予想できる。そのため、総利用時間を入力速度比較の要素として用いることは妥当ではない。
【0226】
特許文献2では、参加者に対して、発言が遅い参加者であっても、発言が早い人と平等な発言機会を付与するために「参加者の入力速度の違い」に重点をおき、課題解決方法を提案している。しかし、上記の参加者の入力速度評価方法は参加者の発言を制御するための制御入力条件の判断方法としては精度面で信頼性が欠ける。
【0227】
1-3)本提案での解決方法
本提案では、発言を中止させるための制御を目的とした、入力デバイスの利用状態監視や主観的な定義による参加者の入力速度評価は行わない。本提案では、過去のコミュニケーション履歴情報とコミュニケーションを行った場所情報および利用者の状態に関する履歴情報から上記したように、参加者の発言特性に影響を及ばす3つの条件である
(1)コミュニケーション相手との社会的関係と
(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化および、
(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化
を反映した各参加者の発言特性を分析する。これによって、本提案は、上記したE1)発言予測時間情報を算出し、COMセッション参加者全員に他参加者が発言準備を行い始めた時点でコミュニケーション支援情報として提供する。
【0228】
このコミュニケーション支援情報により、上記「Effect1)望ましくないコミュニケーション行動の抑止」で説明したように、他参加者が発言を準備している間に発言をすることで、他参加者の発言を途中で断念させ、結果的には発言機会を失わせるもしくはコミュニケーションの流れが悪くするなどの望ましくないコミュニケーション行動を抑止することができる。同時に上記「Effect2)コミュニケーションバランスの改善」で説明したように、参加者間における発言機会の平等な配分を実現するための改善努力を働きかけることができる。
【0229】
これらのコミュニケーション支援情報を作成するための、
E1)発言予測時間関連情報と、
E2)コミュニケーションバランス関連情報
の算出方法については、以下の実施形態の詳細にて説明する。
【0230】
2)発言を制御する方法
2-1)既存技術による解決方法
既存技術2では、上記1)利用者の状態検出結果と入力速度評価情報に基づき、参加者の入力速度を比較し、入力速度が遅い参加者が入力している時(発言の準備段階)に、他の参加者からのメッセージが届かないように、他参加者からの発言表示は保留し、他参加者に対しては送信ボタンを表示しない方法で、入力速度の遅い利用者が発言を断念しないように発言表示と送信タイミングに対しての制御を行う。
【0231】
2-2)既存技術の課題
既存技術2では、参加者全員にできる限り、均等な発言機会を付与するため、入力速度の速い参加者に対して、入力速度評価値によるメッセージ送信制御を行っているが、この方式は以下の問題がある。
【0232】
(1)発言制御を行うための入力状態検出の精度が低い。
前項1)で説明したように入力精度の問題があるため、発言制御結果も信頼性が欠ける。
(2)発言までのプロセスが考慮されていない。
既存技術2では、コミュニケーションにおける発言までの基本的なプロセスが考慮されていない。実際のコミュニケーションでは以下に示す(a)~(d)までのプロセスが順番に行われると想定できる。このプロセスの中で(a)~(c)を発言準備時間と見なしても良い。
【0233】
(a)コミュニケーション相手の発言を読む。
(b)回答発言をするための準備をする。(例:考える、資料を見るなど。)
(c)回答発言の内容を作成する。(例:テキストを入力する。)
(d)発言を送信する。(例:送信ボタンを押す。)
【0234】
既存技術2は、(c)の状態検出結果である「入力中」のみに着目しており、これが発言準備時間扱いになっている。つまり、入力速度の遅い参加者がこの(c)の状態にはいった時に、他参加者からの発言が届かないための制御を行うことが発言機会を失わせないための解決方法である。しかし、(a)や(b)の状態で他参加者の発言が届いた場合、実際は「発言準備時間における思考が妨害される」ことになってしまう。
【0235】
(3)参加者の発言特性に影響する条件が考慮されていない。
既存技術2では、上記(2)で説明したように参加者が発言するまでのプロセスが考慮されていないため、参加者の発言に影響する条件である、
(1)コミュニケーション相手との社会的関係と
(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化および、
(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化
が考慮されておらず、参加者の思考に関する発言プロセスの考慮なしの入力速度評価のみを判断の基準にしている。
【0236】
2-3)本提案での解決方法
本提案では、主観的定義による参加者属性を入力条件とした参加者の発言制御は行わない。代わりに、参加者のコミュニケーションにおける発言特性をコミュニケーション履歴、コミュニケーション場所情報、参加者の活動状態とコミュニケーションスタイルの履歴情報から算出し、コミュニケーション分析を行うことで、コミュニケーション指標を算出する。
【0237】
これらのコミュニケーション指標を利用し、COMセッションが開始された時点で、特定の参加者の発言プロセス中に、特定の参加者のCOMセッションにおける前述した、コミュニケーション相手との社会的関係と、コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化、そして、移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化による影響を反映したコミュニケーション支援情報を他参加者に表示することで、他参加者が特定の参加者の発言を妨害しないようにすると同時に、コミュニケーションバランスを改善する方向にコミュニケーションが進行できるようにコミュニケーション支援を行う。表示するコミュニケーション支援情報を以下に示す。
【0238】
F1)発言準備中参加者の発言終了予測時間
参加者全員に対し、発言準備時間中に他参加者からの発言妨害のようなコミュニケーションにおいて、望ましくないコミュニケーション行動を抑止するための、発言準備中の参加者の発言終了予測時間を表示する。
【0239】
F2)発言準備中参加者との発言終了予測時間比率
参加者全員に対し、発言準備時間中の参加者との発言終了予測時間の比率を表示することによって、発言準備中の参加者に配慮ができるようにし、上記のF1)と同様、望ましくないコミュニケーション行動を抑止させる。
【0240】
F3)各参加者の発言件数比率
参加者全員に対し、COMセッションにおける各参加者の発言比率を表示することによって、COMセッション全体におけるコミュニケーションバランスを維持・改善できるようにする。
【0241】
F4)発言準備中参加者との発言件数比率
参加者全員に対し、特定参加者との発言件数を比較表示することによって、特定参加者とのコミュニケーションバランスを維持・改善ができるようにする。これらのコミュニケーション支援情報の算出方法については、以下の実施形態の詳細にて説明する。
【0242】
(実施形態の詳細)
続いて、本発明の第2の実施形態の詳細について説明する。
【0243】
(システム構成)
図20は、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーションシステムの概略的な構成の一例を示す図である。
図20を参照すると、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーションシステム2は、N台(Nは2以上の整数)のコミュニケーション端末12と、コミュニケーションサーバ22と、コミュニケーション分析サーバ32と、ネットワーク50とを有する。
【0244】
1.ネットワーク50
ネットワーク50は、コミュニケーションサーバ22、コミュニケーション分析サーバ32およびコミュニケーション端末12間を接続し、これらの各構成部において、双方向間の情報通信を可能とする汎用の通信ネットワークである。
【0245】
2.コミュニケーションサーバ22
コミュニケーションサーバ22は、ネットワーク50を経由し、利用者72-1~72-Nが利用するコミュニケーション端末12-1~12~Nと接続し、利用者72-1~72-Nに対して、テキストコミュニケーション機能を提供する汎用のコミュニケーションアプリケーションサーバである。
【0246】
3.コミュニケーション分析サーバ32
コミュニケーション分析サーバ32は、ネットワーク50を経由し、コミュニケーションサーバ22とコミュニケーション端末12-1~12~Nと接続し、コミュニケーション端末12-1~12~Nから受信したコミュニケーション端末12が利用されるときにおける利用者72-1~72-Nの場所・状態情報とCOMアプリケーション利用時のコミュニケーションサーバ22のコミュニケーション履歴情報を利用することによって、利用者間におけるコミュニケーションを分析し、コミュニケーション端末12の利用者72にコミュニケーション支援情報である
(1)発言準備中参加者の発言終了予測時間
(2)発言準備中参加者との発言終了予測時間比率
(3)各参加者の発言件数比率
(4)発言準備中参加者との発言件数比率
を提供するための情報を算出する。
【0247】
4.コミュニケーション端末12
コミュニケーション端末12は、利用者が他の端末利用者とテキストコミュニケーションを行うためのコミュニケーションクライアント機能を持つ端末であり、ネットワーク50を経由してコミュニケーションサーバ22と接続する。さらに、コミュニケーション端末12は、ネットワーク50を経由してコミュニケーション分析サーバ32と接続し、コミュニケーション分析サーバ32からコミュニケーション分析結果を受け取り、端末利用者に他端末利用者のステータスを可視化情報として提供する。可視化情報については、後に詳細に説明する。
【0248】
また、本発明の第2の実施形態では、コミュニケーション端末12が、PCである場合を主に想定する。しかし、コミュニケーション端末12の形態は限定されない。例えば、コミュニケーション端末12は、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。
【0249】
5.利用者72
利用者72は、コミュニケーション端末12を利用する人である。例えば、コミュニケーション端末12と利用者72とは、1対1に対応している。
【0250】
(コミュニケーション端末の機能構成)
次に、
図21を参照して、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーション端末12の機能構成の一例を説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーション端末12の機能構成の一例を示すブロック図である。
図21を参照すると、コミュニケーション端末12は、制御部110A、操作部140、記憶部150、通信部160および表示部180を備える。以下では、制御部110Aについて主に説明し、操作部140、記憶部150、通信部160および表示部180の詳細な説明は省略する。
【0251】
1)制御部110A
制御部110Aは、コミュニケーション端末12が有する様々な機能を提供する。制御部110Aは、コミュニケーションAP部121、情報検出部124、および、コミュニケーション支援情報提供部130Aを有する。コミュニケーション支援情報提供部130Aは、受信情報取得部133Aおよび提示制御部134Aを有する。なお、制御部110Aは、CPU803、ROM805およびRAM807(
図38)により実装され、CPU803によってROM805から読み込まれたプログラムがRAM807に展開され、当該プログラムがCPU803によって実行されることによって実現される。
【0252】
情報検出部124は、利用者がコミュニケーションを行うときにおける、コミュニケーション端末12の種別、利用者の位置情報、利用者の状態情報を取得する。これら情報の取得と蓄積のトリガーは、利用者のCOMアプリケーションの利用を監視することによって検出される。情報検出部124が取得した情報は、情報検出部124の内部に蓄積される。また、情報検出部124は、取得した情報を、通信部160を介してコミュニケーション分析サーバ32に送信する。情報検出部124によって取得される情報は、以下の(a1)~(a5)である。
【0253】
(a1)利用者識別情報は、コミュニケーション分析サーバ32に情報を送信する場合に、情報送信元(端末または利用者)が識別できるように付与される情報送信元に固有なIDである(例えば、利用者番号または端末MACアドレスなど)このIDは、コミュニケーション分析サーバ32によって管理される。
【0254】
(a2)端末種別情報は、利用者72がコミュニケーション行うときに利用するコミュニケーション端末12の種類を分類するために付与される識別情報(例として、パソコン:1、スマートフォン:2など、システム定義端末分類名と任意の管理番号の対応を持つ)である。
【0255】
(a3)端末位置情報は、利用者72がコミュニケーションを行う場合におけるコミュニケーション端末12の位置情報(例として、GPS情報1:勤務地1、GPS情報2:自宅など、位置情報と定義した場所の管理情報の対応を持つ。)である。なお、コミュニケーション端末12に端末位置情報を検出する機能がない場合、この情報として、利用者が任意に入力した情報が利用されてもよい。
【0256】
(a4)利用者状態情報は、利用者がコミュニケーションを行う場合におけるコミュニケーション端末12の加速度情報(例として、加速度情報和1:歩行中、加速度情報和2:動きなしなど、加速度情報の和と分類情報の対応を持つ。)である。なお、加速度情報の和は、3軸方向の加速度強度の和を含んでもよいし、加速度情報が発生した時間帯における加速度情報の平均値を含んでもよい。
【0257】
(a5)時間情報
上記(a1)~(a4)の情報が取得された時間情報(タイムスタンプ)である。
【0258】
受信情報取得部133Aは、コミュニケーション分析サーバ32から通信部160によって受信された分析結果を取得する。分析結果についても後に詳細に説明する。提示制御部134Aは、分析結果が利用者に提示されるように表示部180を制御する。
【0259】
(コミュニケーションサーバの機能構成)
次に、
図22を参照して、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーションサーバ22の機能構成の一例を説明する。
図22は、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーションサーバ22の機能構成の一例を示すブロック図である。
図22を参照すると、コミュニケーションサーバ22は、制御部210、記憶部250および通信部260を備える。ここでは、コミュニケーションサーバAP部220およびコミュニケーションサーバAPデータ部251について主に説明する。
【0260】
コミュニケーションサーバAP部220は、以下の(b1)~(b10)を取り扱う。
【0261】
(b1)COMセッションIDは、利用者間のコミュニケーションが行われた時間区間におけるメッセージを管理するためのユニークな識別情報である。この情報はコミュニケーションサーバ22が付与する。例として、COMセッションIDは、会議番号であると考えることができる。
(b2)COMセッション開始時間は、COMセッションが開始した日時情報(タイムスタンプ)である。
(b3)COMセッション終了時間は、COMセッションが終了した日時情報(タイムスタンプ)である。
【0262】
(b4)COMセッション参加者情報は、特定のCOMセッションに参加した利用者の(b5)利用者IDである。
(b5)利用者IDは、COMアプリケーションを利用する端末利用者を識別するために、コミュニケーションサーバAP部220が利用者に付与しているユニークなIDであり、コミュニケーションサーバAP部220の内部情報として管理される。メッセージの送信元IDとして利用される。
【0263】
(b6)送信先IDは、メッセージの送信先になる他の端末利用者のIDである。送信先IDとして複数の利用者が指定されてもよい。なお、送信先IDの指定がない場合、同(b1)COMセッションに参加している(b4)COMセッション参加者情報が送信先となる。
【0264】
(b7)メッセージIDは、メッセージを識別するために、コミュニケーションサーバAP部220が個別のメッセージに付与したユニークなIDである。
【0265】
(b8)引用されたメッセージIDは、返信メッセージにおいて他のメッセージが引用される場合における当該他のメッセージのメッセージIDに該当する。例えば、ある送信メッセージに対して返信がなされる場合、当該送信メッセージのメッセージID(b8)と、返信メッセージのメッセージID(b7)との組み合わせが、コミュニケーションサーバAP部220の内部情報として保管される。
【0266】
(b9)送信時間情報は、メッセージが送信された時間(タイムスタンプ)を示す情報である。
【0267】
(b10)メッセージ確認時間は、メッセージが送信先において確認された時間である。より詳細に、メッセージ確認時間は、COMアプリケーションによってメッセージが受信された後、コミュニケーション端末12の利用者がCOMアプリケーションをアクティブ状態にした時間である。COMアプリケーションがアクティブ状態にされると、利用者は、そのメッセージを画面において確認し得る。メッセージ確認時間は、既読時間としてコミュニケーションサーバAP部220の内部情報として管理される。
【0268】
コミュニケーションサーバAP部220は、コミュニケーションサーバAPが実行されることによって実現される。コミュニケーションサーバAPは、コミュニケーション端末10に設置されているコミュニケーションAPと接続し、利用者が他利用者とテキストコミュニケーションができるようにコミュニケーションサービスを提供する汎用のコミュニケーションアプリケーションサーバである。例として、コミュニケーションサーバAPは、インスタントメッセンジャーなどのテキストコミュニケーションアプリケーションサーバなどに該当する。
【0269】
コミュニケーションサーバAPデータ部251は、COMアプリケーションを利用する利用者にコミュニケーションサービスを提供するための管理機能を持ち、サービスの設定やコミュニケーション履歴ログ情報の保存を行う。保存される情報は、コミュニケーションサーバAP部220が取り扱う情報に、保存日時情報(タイムスタンプ)が加えられた内容になる。取り扱う情報は、上記(b1)~(b10)と以下の(b11)である。
【0270】
(b11)記録日時情報は、情報(b1)~(b10)が記録された時間情報(タイムスタンプ)である。
【0271】
(コミュニケーション分析サーバの機能構成)
次に、
図23を参照して、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーション分析サーバ32の機能構成の一例を説明する。
図23は、本発明の第2の実施形態に係るコミュニケーション分析サーバ32の機能構成の一例を示すブロック図である。
図23を参照すると、コミュニケーション分析サーバ32は、制御部310A、記憶部350および通信部360を備える。以下では、制御部310Aについて主に説明する。
【0272】
制御部310Aは、コミュニケーション分析処理部330Aを有する。そして、コミュニケーション分析処理部330Aは、取得部331A、分析部332Aおよび提供部333Aを有する。なお、制御部310Aは、CPU803、ROM805およびRAM807(
図38)により実装され、CPU803によってROM805から読み込まれたプログラムがRAM807に展開され、当該プログラムがCPU803によって実行されることによって実現される。
【0273】
1)取得部331A
取得部331Aは、通信部360を介してコミュニケーションサーバ22から以下の(1)(2)に示す2種類の情報を取得する。また、取得部331Aは、通信部360を介してコミュニケーション端末12から以下の(3)に示す情報を取得する。
【0274】
(1)コミュニケーション履歴情報
取得部331Aは、コミュニケーション支援情報を作成するため、コミュニケーションサーバAPデータ部220に蓄積されている通信履歴情報から特定時間区間の情報を要求し、取得する。この特定時間区間設定情報はコミュニケーション分析を行う単位区間であり、情報管理部352によって管理される。
【0275】
(2)コミュニケーションサーバAP状態情報
コミュニケーションサーバAP状態情報は、COMアプリケーションを利用してコミュニケーションを行っている利用者の下記、(3)コミュニケーション端末種別、場所、状態情報の取得を行うためのトリガー情報として、そして、利用者に対し、コミュニケーション支援情報をリアルタイムで提供するためのトリガー情報として取得される。この情報の要求は設定された時間間隔で行われ、情報管理部352によって管理される。
【0276】
(3)コミュニケーション端末種別、場所、状態情報の取得
取得部331Aは、上記(2)コミュニケーションサーバAP状態情報を取得すると同時に、該当するCOMセッション参加者の端末種別、場所、状態情報をコミュニケーション端末12から取得する。
【0277】
分析部332Aは、取得部331Aによって取得された情報に対して、以下の2つの処理を行う。
【0278】
処理1:コミュニケーション関連情報の取得と蓄積
処理2:ミュニケーション支援情報の算出と蓄積
【0279】
3-1)処理1:コミュニケーション関連情報の取得と蓄積
取得部331Aは、コミュニケーション支援情報を算出するために、コミュニケーション関連情報であるコミュニケーション履歴情報をコミュニケーションサーバ22から取得する。また、取得部331Aは、コミュニケーション端末12の種別・場所・状態の履歴情報を、コミュニケーション端末12から取得する。取得部331Aによって取得された情報は、情報蓄積部353に蓄積される。情報取得から蓄積までのフローを
図24に示し、以下に処理の内容を示す。
【0280】
(S71)開始
コミュニケーション分析サーバ32が起動時に分析部332Aを起動し、動作を始める。
【0281】
(S72)設定情報確認
分析部332Aは、コミュニケーション端末12に対して情報を要求する時間間隔情報である(c1)情報取得時間、(c2)情報取得時間を、情報管理部352に確認する。情報管理部352によって管理される情報を以下に示す。
【0282】
(c1)取得時間間隔は、取得部331Aがネットワーク50を経由し、コミュニケーションサーバAP部220に情報を要求する時間間隔情報(タイムスタンプ)である。
【0283】
(c2)情報取得時間は、上記(c1)の時間間隔によって、取得部331がコミュニケーションサーバAP部220から情報を取得した時間情報(タイムスタンプ)である。(c2)は、情報の重複取得を防止するための確認情報となる。
【0284】
(c3)計算対象区間情報は、分析部332Aによって計算が行われる日時区間を設定するための情報である。例えば、計算区間として180日が設定されている場合には、前日を起点として過去180日間の情報を対象とする計算が分析部332Aによって行われる。
【0285】
(c4)計算開始情報は、分析部332Aによって計算が開始される時間情報である。例えば、計算開始情報として23時が設定されている場合には、23時に分析部332Aによる計算が開始される。
【0286】
(c5)計算間隔情報は、分析部332Aによって計算が行われる時間的な間隔情報である。例えば、計算間隔情報として3日(72時間)が設定されている場合には、3日に1回の時間間隔で分析部332Aによって計算が行われる。
【0287】
(S73)情報要求
分析部332Aは、取得部331Aに情報を要求する。これにより取得部331Aは、コミュニケーションサーバ22のコミュニケーションサーバAP部220にコミュニケーション履歴情報を要求し、コミュニケーション端末12の情報検出部124にコミュニケーション端末12の種別・場所・状態の履歴情報を要求し、情報を取得する。ここで取得される情報は、(b1)~(b11)と、(a1)~(a5)と同内容である。
【0288】
(S74)受信情報確認
分析部332Aは、上記(S73)で受け取った情報と情報蓄積部353の蓄積情報の日付情報を比較し、新しい日付の情報の更新分があるか確認する。
【0289】
(S75)情報記録
分析部332Aは、上記(S74)の情報の更新分を追加し、保存する。蓄積する情報はコミュニケーションサーバ22から取得した(b1)~(b11)、コミュニケーション端末12から取得した(a1)~(a5)と、(d1)情報取得時間情報(タイムスタンプ)である。
【0290】
3-2)処理2:ミュニケーション支援情報の算出と蓄積
分析部332Aは、情報蓄積部353に記録された、(b1)~(b11)および(a1)~(a5)の情報を利用し、コミュニケーション支援情報を利用者に提供するための情報であるコミュニケーション指標の算出を行い、その結果を情報蓄積部353に記録する。
【0291】
分析部332Aは、これらの情報から、上記した
(1)コミュニケーション相手との社会的関係と
(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化および
(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化
の条件が反映できるようにCOMセッションの参加者をグループとして分類する。そして、分析部332Aは、各COMセッションにおける各参加者の発言特性である
F1)応答時間
F2)発言件数
を算出し、コミュニケーション支援情報を提供するためのコミュニケーション指標情報とする。処理フローを
図25に示し、処理の内容を以下に示す。
【0292】
(S41)開始
コミュニケーション分析サーバ32が起動時に分析部332Aを起動し、動作を始める。
【0293】
(S42)設定情報確認
分析部332Aは、情報管理部352の情報(c3)計算区間情報を確認し、コミュニケーション指標を計算する期間の範囲を決め、(c5)計算間隔情報から計算を行う時間間隔を決め、(c4)計算開始時間情報から計算を開始する時間を決める。これらの情報は設定値である。
【0294】
(S43)グルーピング処理
分析部332Aは、グルーピング処理を行う。グルーピング処理はコミュニケーション指標を算出するための上記(1)~(3)の条件を反映するための処理である。各条件別に例を挙げて説明する。
【0295】
条件(1)コミュニケーション相手との社会的関係の反映
例として、
図26に示すように1つのCOMセッションにおけるコミュニケーション参加者AとBは1つのコミュニケーショングループになる。ここで、AとBが会社の同僚という同等な社会的関係を持つと想定した場合、AとBは人間関係(例:親密度、仲間意識など)の影響からインフォーマル(非公式で偶発的)なコミュニケーションスタイルの比率が高く、簡単な相談や質問に対する回答がしやすいため、両者における応答時間は違う社会的立場の人とのコミュニケーションとは応答速度が違うと考えることができる。(例として、速くなるなど)
【0296】
一方、
図27に示すようにAとB両者のコミュニケーションに組織内地位の違う上司Cが参加する場合、組織の目標が優先するフォーマル(能率優先的)なコミュニケーションの比率が高くなることが考えられ、発言は慎重になり、AとBのコミュニケーションは、
図26とは異なり、変化が発生する可能性がある。(応答時間が遅くなるなど)
図26と
図27の例における社会的関係は
図28~
図30に示すようになる。
【0297】
そのため、分析部332Aは、計算対象となるCOMセッションを参加者グループ別に分類ために、(b4)COMセッション参加者情報が同じである(b1)COMセッションIDの一覧を得て、グループとして分類する。これにより、特定参加者によるCOMセッションが区分できるようになる。
【0298】
例として、
グループ1:参加者A,B,CによるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)
グループ2:参加者A,BによるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)
・・・
グループN
のようなグループが想定される。
【0299】
条件(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化の反映
分析部332Aは、上記条件(1)によって分類した、グループの情報に対して、コミュニケーション場所による社会的立場の変化による発言特性への影響を反映するため、各グループをコミュニケーション参加者の場所情報によって、さらに分類する。
【0300】
例として、
図31のようにAとBが通常の主な作業場所においてコミュニケーションを行っている場合と、
図32のようにAが客先または公共の場所などにおいてコミュニケーションを行っている場合とでは、その場所におけるAの社会的立場の変化により発言特性の変化(応答時間が遅くなるなど)が考えられる。
【0301】
そこで、分析部332Aは、参加者の(a3)端末位置情報を確認し、条件(1)の分類に加え、各参加者のコミュニケーション場所による分類を行う。
【0302】
例として、分析部332Aは、条件(1)の分類結果である
グループ1:参加者A,B,CによるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)を、
グループ1a:参加者A(オフィス)、参加者B(オフィス)、参加者C(オフィス)によるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)
グループ1b:参加者A(客先)、参加者B(オフィス)、参加者C(オフィス)によるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)
・・・
グループN
のように、参加者Aのコミュニケーション場所によって、さらに分類できる。
【0303】
条件(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化の反映
分析部332Aは、上記条件(2)によって分類した情報に対して、活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化による発言特性への影響を反映するため、各グループを参加者の活動状況とコミュニケーションに利用する端末情報によって、さらに分類する。
【0304】
例として、
図33のように通常の主な作業場所においてコミュニケーションを行っている場合と、
図34のようにAが移動中においてモバイル端末(スマートフォンなど)を使ってコミュニケーションを行っている場合とでは、移動中という状態に加え、端末の利便性などによるコミュニケーションスタイルの変化(例として、スタンプの利用や簡単な文言使用)による発言特性の変化(応答速度が速くなるなど)が考えられる。
【0305】
そこで、分析部332Aは、(a2)端末種別情報と(a4)利用者状態情報とを確認し、条件(2)の分類に加え、各参加者のコミュニケーション中の状態と利用端末によるコミュニケーションスタイルによる分類を行う。
【0306】
例として、分析部332Aは、条件(2)の分類結果である
グループ1a:参加者A(オフィス)、参加者B(オフィス)、参加者C(オフィス)によるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)を、
グループ1aaa:参加者A(オフィス、移動中、スマートフォン)、参加者B(オフィス、移動なし、PC)、参加者C(オフィス、移動なし、PC)によるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)
グループ1aba:参加者A(オフィス、移動なし、スマートフォン)、参加者B(オフィス、移動なし、PC)、参加者C(オフィス、移動なし、PC)によるCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)
・・・
グループN
のように、参加者Aの状態と使用端末によるコミュニケーションスタイルによって、さらに分類できる。
【0307】
これらの処理によって、グループを分類するための分類コードと該当グループに属するCOMセッション一覧(COMセッションIDリスト)が決まる。この情報は、情報蓄積部353に記録される。記録される情報は、以下の(e1)(e2)である。
【0308】
(e1)グループ情報は、コミュニケーション参加者の発言特性に影響を与える条件(1)~(3)を反映した分類記号である。内容は同参加者によるグループ識別番号もしくは文字、コミュニケーション参加者の場所違いを識別するための識別番号もしくは文字、状態と端末の違いを識別するための識別番号もしくは文字の集合配列となる。
【0309】
例として、
<グループ1、参加者:A,B、場所:1,2、状態:1,1、端末:1,3>の場合、
グループ情報は、<(1),(A,B),(1,2),(1,1),(1,3)>の形式に表記する。これらの情報は、グループ識別番号と(a1)~(a4)の情報によって構成される。
【0310】
(e2)COMセッションIDリスト情報は、上記(e1)グループ情報に属するCOMセッションIDの一覧情報である。例として、<100,101,103…>の形式の表記となる。各番号は(b1)COMセッションIDの番号に該当する。
【0311】
これらの処理によって、発言特性に影響を及ばす条件(1)~(3)を反映したコミュニケーション指標の計算が可能になる。
【0312】
(S44)コミュニケーション指標算出
分析部332Aは、コミュニケーション支援情報を提供するためのコミュニケーション指標(上記した、(F1)応答時間と(F2)発言件数)を算出する。コミュニケーション指標の計算は、上記(S43)の処理結果の(e1)グループ情報別の(e2)COMセッションIDリスト情報に対して行う。
【0313】
(4-1)F1 応答時間
「コミュニケーション参加者間の応答時間」とは、(e1)グループ情報別に属する(e2)COMセッションIDリスト情報別のCOMセッションおける参加者間の発言における時間差を意味する。この時間差はコミュニケーション先によって、以下の2つの計算が必要である。この計算はすべての(e1)(e1)グループ情報別に行う。
【0314】
(4-1-1)コミュニケーション参加者全員に対する応答時間
分析部332Aは、同じ(e1)グループ情報に属する(b1)COMセッションIDを持つ情報蓄積部353のメッセージ一覧を取得する。そして、分析部332Aは、各COMセッション別に(b6)送信先IDが指定されていない(b7)メッセージIDの一覧を選択し、各メッセージ間における(b9)送信時間の差分を計算する。この時間差分の平均が(e1)グループ情報別のコミュニケーション参加者全員に対する応答時間である。
【0315】
図35のインスタントメッセンジャーの利用者画面の例に示すように、一つのコミュニケーションセッションにおいて、応答時間は、T1およびT2それぞれの区間(すなわち、一つの発言に対する次の発言が行われるまでの時間)に該当する。
図35と同内容のコミュニケーションが行われる時の処理フローとコミュニケーション指標計算区間の例を
図36に示す。
【0316】
図36の例から、コミュニケーションセッションT4内において、コミュニケーショングループ(参加者:利用者1、利用者2、利用者N)の「コミュニケーション参加者全員に対する応答時間」は、T1(メッセージ1に対する返信メッセージ2までの時間)+T2(メッセージ2に対する返信メッセージ3までの時間)の計算区間数(=2)での平均時間になる。
【0317】
(4-1-2)特定のコミュニケーション参加者に対する応答時間
図35のインスタントメッセンジャーの利用者画面の例に示すように、一つのコミュニケーションセッションにおいて、特定の発言(msg1)に対する発言(msg4)が行われるまでの時間をT3とする。分析部332Aは、メッセージの一覧から宛先が指定されたメッセージと、その宛先となるメッセージを取得し、その両者のメッセージにおける時間差分を得る。この二人のメッセージにおける時間差分の平均時間が「コミュニケーション参加者中、特定の参加者に対する応答時間」になる。
【0318】
同様に、
図36の例で説明する。コミュニケーションセッションT4において、コミュニケーショングループ(参加者:利用者1、利用者2、利用者N)における参加者Nから参加者1への「コミュニケーション参加者中、特定の参加者に対する応答時間」は、参加者1の発言メッセージ(msg1)に対する参加者Nの返信に該当する発言メッセージ(msg4)までの時間間隔T3(メッセージ1に対するメッセージ4までの時間)となり、コミュニケーションセッションにおける平均応答時間は、返信に該当する発言が発生した区間数(=1)における平均時間になる。
【0319】
これらの計算によって得られた結果は、情報蓄積部353に記録される。記録される情報は、以下の(f1)~(f7)である。
【0320】
(f1)グループ情報は、(e1)グループ情報と同である。(f1)グループ情報は、グループ識別記号と参加者IDの配列情報となる。
【0321】
(f2)計算区間は、計算対象となった時間区間範囲を示す。この区間は(c3)計算区間情報と同じ時間情報を持つ。(例として、2020/1/1~2020/1/31)
【0322】
(f3)COMセッション情報は、計算対象となったCOMセッション情報である。(f1)グループ情報に属する(b1)COMセッションIDとなる。
【0323】
(f4)コミュニケーション参加者別の応答時間は、該当する(f1)グループ情報における(f3)COMセッション情報別におけるコミュニケーション参加者個別の応答時間の平均。(b5)利用者ID、(b6)送信先IDと値の関連付けを持つ配列情報である。(例:利用者ID,all,10秒)
【0324】
(f5)コミュニケーション参加者全員の応答時間は、該当する(f1)グループ情報における(f3)COMセッション情報別におけるコミュニケーション参加者全員に対する応答時間の平均である。(f5)コミュニケーション参加者全員の応答時間は、(a1)利用者識別情報と値の関連付けを持つ配列情報である。(例:all,all,10秒)
【0325】
(f6)特定のコミュニケーション参加者に対する応答時間は、該当する(f1)グループ情報における(f3)COMセッション情報別における特定のコミュニケーション相手に対する応答時間の平均である。(f6)特定のコミュニケーション参加者に対する応答時間は、(a1)利用者識別情報と値の関連付けを持つ配列情報である。(例:利用者ID,利用者ID,10秒)
(f7)計算日時は、計算が行われた日時情報(タイムスタンプ)である。
【0326】
(4-2)F2 発言件数
「コミュニケーション参加者間の発言件数」とは、(e1)グループ情報別に属する(e2)COMセッションIDリスト情報別のCOMセッションおける参加者間の発言件数を意味する。この発言件数はコミュニケーション先によって、上記したF1)応答時間と同様、以下の2つの計算が必要である。この計算はすべての(e1)(e1)グループ情報別に行う。
【0327】
(4-2-1)コミュニケーション参加者全員に対する応答件数
分析部332Aは、同じ(e1)グループ情報に属する(b1)COMセッションIDを持つ情報蓄積部353のメッセージ一覧を取得する。そして、分析部332Aは、各COMセッション別に(b6)送信先IDが指定されていない(b7)メッセージIDの一覧を選択し、各メッセージ間の数を取得する。この数が(e1)グループ情報別のコミュニケーション参加者全員に対する応答件数になる。
【0328】
図36の例から、コミュニケーションセッションT4において、グループ(参加者:利用者1、利用者2、利用者N)の「コミュニケーション参加者全員に対する応答件数」は、各参加者の発言件数の合計となり、利用者1:2件、利用者2:1件、利用者N:0件になる。
【0329】
(4-2-2)コミュニケーションセッション参加者中、特定の参加者に対する応答件数
分析部332Aは、一つのコミュニケーションセッションにおいて、取得したメッセージ一覧から宛先が指定されたメッセージの一覧を取得し、T3のように特定の参加者から特定の参加者に対する発言に該当する発言件数の合計を「コミュニケーションセッション参加者中、特定の参加者に対する応答件数」として算出する。
【0330】
図36の例からコミュニケーションセッションT4において、コミュニケーショングループ(参加者:利用者1、利用者2、利用者N)における参加者Nから参加者1への「コミュニケーション参加者中、特定の参加者に対する応答件数」の計算対象は、T3(メッセージ1に対するメッセージ4)となり、1件となる。これらの計算によって得た結果は、情報蓄積部353に記録される。記録される情報は、以下の(f8)~(f11)である。
【0331】
(f8)コミュニケーション参加者全員に対する発言件数は、該当する(f1)グループ情報における(f3)COMセッション情報別におけるコミュニケーション参加者全員に対するメッセージ数である。(f8)コミュニケーション参加者全員に対する発言件数は、(b5)利用者ID、(b6)送信先IDと値の関連付けを持つ配列情報である。(例:利用者ID,all,10件)
【0332】
(f9)特定のコミュニケーション参加者に対する発言件数は、該当する(f1)グループ情報における(f3)COMセッション情報別における特定のコミュニケーション相手に対するメッセージ数である。(f9)特定のコミュニケーション参加者に対する発言件数は、(b5)利用者ID、(b6)送信先IDと値の関連付けを持つ配列情報である。(例:利用者ID,利用者ID,10件)
【0333】
分析部332Aは、上記(f8)の値を利用し、COMセッションにおける、発言件数合計に対するコミュニケーション参加者個別の発言数の比率を求め、参加者別の発言比率とする。この情報は、情報蓄積部353に記録される。
【0334】
(f10)発言比率は、COMセッションにおける、各参加者の発言比率である。(f10)発言比率は、(b5)利用者IDと値の関係を持つ配列情報である。(例:利用者ID、60%)
【0335】
なお、分析部332Aは、(f9)の値を利用し、各参加者別に個別に発言を受信した件数の比率を求め、各参加者別に発言受信比率とする。
【0336】
(f11)発言受信比率は、COMセッションにおける、各参加者別に個別の発言を受けた比率である。(f11)発言受信比率は、(b5)利用者IDと値の関係を持つ配列情報である。(例:利用者ID、60%)
【0337】
(4-3)コミュニケーション支援情報の算出
分析部332Aは、上記(4-1)と(4-2)から得た計算結果、(e1)グループ情報別に属する(e2)COMセッションIDリスト情報のCOMセッション別に得た(f1)~(f11)の情報から、コミュニケーション支援情報を算出する。これらの結果は情報蓄積部353に記録される。
【0338】
(4-3-1)発言終了予測時間
分析部332Aは、(e1)グループ情報別に属する(e2)COMセッションIDリスト情報に記録された全COMセッション別に計算した、上記の(f5)コミュニケーション参加者全員に対する応答時間と(f6)特定のコミュニケーション参加者に対する応答時間の合計を計算し、全てのCOMセッション数を分母とする平均を算出する。この値は分類したグループにおける参加者全員の発言準備開始から発言終了までの時間である各参加者の発言予測時間となる。
【0339】
(f21)発言終了予測時間は、上記(f1)グループ情報に対する値である。(例:25秒)
【0340】
(4-3-2)発言終了予測時間比率
分析部332Aは、上記(4-3-1)で算出した発言終了予測時間と、(e1)グループ情報別に属する(e2)COMセッションIDリスト情報に記録された全COMセッション別に計算した、上記(f4)コミュニケーション参加者別の応答時間の比率を求め、全てのCOMセッション数を分母とする平均を算出する。この値は、分類したグループにおける各参加者の発言終了予測時間比率となり、全体において応答が速いのか遅いのかを判断するための基準になる。
【0341】
(f22)発言終了予測時間比率は、上記(f1)グループ情報に属する参加者の値の関係を持つ配列情報である。(例:参加者ID,%)
【0342】
(4-3-3)発言件数比率情報
分析部332Aは、(e1)グループ情報別に属する(e2)COMセッションIDリスト情報に記録された全COMセッション別に計算した、上記(f10)発言比率の合計を求め、全てのCOMセッション数を分母とする平均を算出する。この値が分類したグループにおける参加者別の発言件数の比率情報となる。
【0343】
(f23)発言件数比率情報は、上記(f1)グループ情報に属する参加者と値の関係を持つ配列情報である。(例:参加者ID,%)
【0344】
(4-3-4)各参加者間の発言件数比率情報
分析部332Aは、上記(f23)発言件数比率情報において、各参加者間の発言比率情報を算出する。この値は分類したグループに属する参加者間の発言件数の比率情報となる。
【0345】
(f24)各参加者間の発言件数比率情報は、上記(f1)グループ情報に属する参加者間((b5)利用者ID、(b6)送信先ID)関係と比率情報の関係を持つ配列情報である。(例:参加者ID,参加者ID,%)
【0346】
(S45)情報蓄積
分析部332Aは、上記(S43)および(S44)の計算結果である(f1)~(f11)、(f21)~(f22)の結果を情報蓄積部353に記録する。
【0347】
(コミュニケーション支援情報の提供)
コミュニケーション分析サーバ32において、提供部333Aが、分析部332Aによって算出されたコミュニケーション支援情報(f21)~(f24)を利用者に提供する方法を以下に示す。
【0348】
上記したように、取得部331Aは、コミュニケーションAPの稼働状態を監視し、利用者に対し、コミュニケーション支援情報をリアルタイムで提供するためのトリガー情報を取得する。取得する情報は、1)COMセッションの開始情報と、2)参加者の情報である。取得部331Aは、この情報に基づき、同時にコミュニケーション端末12から(a1)利用者識別情報、(a2)端末種別情報、(a3)端末位置情報、(a4)利用者状態情報を取得する。
【0349】
提供部333Aは、同値を持つ(f1)グループ情報を取得し、該当するグループの(f21)~(f24)までのコミュニケーション支援情報を、通信部360を介してコミュニケーション端末12に提供する。利用者に提供される情報の例を、
図37および
図38に示す。
【0350】
図37および
図38に示されるように、コミュニケーションを行うコミュニケーション参加者である利用者1は、インスタントメッセンジャーG12を利用して、コミュニケーション端末12の表示部180を介して可視化情報G21を視認することができる。可視化情報G21は、可視化情報提供アプリケーションであり、分析部332Aによって計算され、情報蓄積部353に保存されている情報から提供される。可視化情報G21の各項目は、以下の(G210)~(G216)である。
【0351】
(G210)コミュニケーション参加者情報は、コミュニケーションセッションに参加しているコミュニケーショングループから得た参加者情報である。この情報としては(f1)グループ情報を利用する。
【0352】
(G211)発言終了予測時間は、コミュニケーショングループにおける過去一定期間における参加者の平均発言時間である。この情報は(f21)発言終了予測時間が利用されて表示される。この情報の表示によって、参加者全員に対し、発言準備時間中に他参加者からの発言妨害のようなコミュニケーションにおいて、望ましくないコミュニケーション行動を抑止することができる。
【0353】
(G212)発言準備中参加者との発言終了予測時間比率は、コミュニケーショングループにおける過去一定期間における参加者と発言準備中の参加者間における平均発言時間間隔の比率である。この情報は、(f22)発言終了予測時間比率を利用して表示される。この情報の表示によって、現在発言を準備中である参加者と、情報を見る参加者の発言予測時間比率を知ることができ、発言準備時間が長い場合でも、相手に対する理解を深めることができ、望ましくないコミュニケーション行動を抑止することができる。
【0354】
(G213)各参加者の発言件数比率は、コミュニケーショングループにおける過去一定期間における参加者の平均発言件数の比率である。この情報は、(f23)発言件数比率情報を利用して表示される。参加者全員に対し、COMセッションにおける各参加者の発言比率を表示することによって、COMセッション全体におけるコミュニケーションバランスを維持・改善できるようにする。
【0355】
(G214)発言準備中参加者との発言件数比率は、コミュニケーショングループにおける過去一定期間における参加者と発言準備中の参加者間における平均発言件数の比率である。この情報は、(f24)各参加者間の発言件数比率情報を利用して表示される。この情報の表示によって、現在発言を準備中である参加者と、情報を見る参加者の発言件数比率を知ることができ、発言数が少ない参加者を配慮するなどCOMセッション全体におけるコミュニケーションバランスを維持・改善できるようにする。
【0356】
(G215)参加者全員の発言予測時間ランキングは、上記、各参加者の(G211)発言終了予測時間を順位付けでランキング表示するものである。この情報の表示によって、各参加者はグループにおける自分の応答時間の位置づけを知ることができ、COMセッションにおけるコミュニケーションバランスや速度改善を図るようになる。
【0357】
(G217)参加者全員の発言件数ランキングは、上記、(G213)各参加者の発言件数比率とは別に、発言件数を順位付けでランキング表示するものである。この情報の表示によって、発言数を調整するなど、COMセッション全体におけるコミュニケーションバランスを維持・改善できるようにする。
【0358】
(第2の実施形態の効果)
既存技術2では、インスタントメッセンジャーを利用し、業務上の会議などのリアルタイムなテキストコミュニケーションを行う場合、発言を行うためのメッセージを作成中に相手からのメッセージが届くことでメッセージ作成を妨害され、発言を断念する場合があり、その解決案として、結果的にコミュニケーション参加者の発言を制限する方法を提案している。
【0359】
しかし、コミュニケーションで発言機会を均等に持つために発言を制限するのは、業務上の会議などの特定の目的を持つコミュニケーションではコミュニケーションの流れを妨害する場合がある。特に近々におけるインスタントメッセンジャーにおける利用者のプレゼンス表示は汎用の機能であり、コミュニケーション相手が発言準備(入力中の表示)をしていることは簡単に知ることができることから相手の様子が予測でき、会話の内容から参加者は相手の発言が終了していることを知ることができる。
【0360】
そのため、発言に対する制限を行わなくてもコミュニケーション参加者同士の自律的な調整ができると期待される。例として、社会的関係やコミュニケーションの内容(報告・連絡・相談など)によって、発言頻度や発言回数は異なることが容易に予想できる。
【0361】
本提案では、コミュニケーションにおける発言を制限するための強制的な制御を行わず、前述した発言に影響を及ばす3つの条件(1)コミュニケーション相手との社会的関係と(2)コミュニケーション場所変化による作業性や社会的立場の変化および、(3)移動中などの活動状態によるコミュニケーションスタイルの変化が反映できるように、コミュニケーション履歴と端末における利用者の利用履歴を分析する。これによって、発言特性に関する応答時間と応答件数に関する4つのコミュニケーション支援情報を提供する。
【0362】
これによって、参加者が自律的にコミュニケーションにおける望ましくない行動を抑止し、さらに参加者の発言機会を保障することで、コミュニケーションのバランスを改善させる効果を期待できる。
【0363】
(ハードウェア構成)
図39は、本発明の実施形態に係るコミュニケーション端末10、12、コミュニケーションサーバ20、22およびコミュニケーション分析サーバ30、32(以下、コミュニケーション端末10、12、コミュニケーションサーバ20、22およびコミュニケーション分析サーバ30、32それぞれを区別せずに「本実施形態に係る装置」と言う場合がある。)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0364】
なお、コミュニケーション端末10、12、コミュニケーションサーバ20、22およびコミュニケーション分析サーバ30、32それぞれに下記のハードウェア構成のすべてが備えられている必要はなく(例えば、コミュニケーションサーバ20、22に直接的にセンサが備えられている必要はない)、各装置の機能構成を実現できるハードウェアモジュールが適宜限定して備えられてもよい。
【0365】
図39を参照すると、本実施形態に係る装置は、バス801、CPU(Central Processing Unit)803、ROM(Read Only Memory)805、RAM(Random Access Memory)807、記憶装置809、通信インタフェース811、センサ813、入力装置815、表示装置817、スピーカ819を備える。
【0366】
CPU803は、本実施形態に係る装置における様々な処理を実行する。また、ROM805は、本実施形態に係る装置における処理をCPU803に実行させるためのプログラム及びデータを記憶する。また、RAM807は、CPU803の処理の実行時に、プログラム及びデータを一時的に記憶する。
【0367】
バス801は、CPU803、ROM805及びRAM807を相互に接続する。バス801には、さらに、記憶装置809、通信インタフェース811、センサ813、入力装置815、表示装置817及びスピーカ819が接続される。バス801は、例えば、複数の種類のバスを含む。一例として、バス801は、CPU803、ROM805及びRAM807を接続する高速バスと、該高速バスよりも低速の1つ以上の別のバスを含む。
【0368】
記憶装置809は、本実施形態に係る装置内で一時的または恒久的に保存すべきデータを記憶する。記憶装置809は、例えば、ハードディスク(Hard Disk)等の磁気記憶装置であってもよく、または、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)及びPRAM(Phase change Random Access Memory)等の不揮発性メモリ(nonvolatile memory)であってもよい。
【0369】
通信インタフェース811は、本実施形態に係る装置が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは直接的に)外部装置と通信する。通信インタフェース811は、無線通信用のインタフェースであってもよく、この場合に、例えば、通信アンテナ、RF回路及びその他の通信処理用の回路を含んでもよい。また、通信インタフェース811は、有線通信用のインタフェースであってもよく、この場合に、例えば、LAN端子、伝送回路及びその他の通信処理用の回路を含んでもよい。
【0370】
センサ813は、例えばカメラ、マイクロフォン、生体センサ、その他のセンサまたはそれらの複合である。カメラは、被写体を撮像するもので、例えば光学系、撮像素子及び画像処理回路を含む。マイクロフォンは、周囲の音を収音するもので、該音を電気信号へ変換し該電気信号をデジタルデータに変換する。
【0371】
入力装置815は、タッチパネル、マウス、カメラなどの視線検出装置、マイクロフォン等である。表示装置817は、本実施形態に係る装置からの出力画像(すなわち表示画面)を表示するもので、例えば液晶、有機EL(Organic Light-Emitting Diode)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いて実現され得る。スピーカ819は、音声を出力するもので、デジタルデータを電気信号に変換し該電気信号を音声に変換する。
【0372】
(まとめ)
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0373】
例えば、上記では、本発明の第1の実施形態と本発明の第2の実施形態とを別々に説明した。しかし、本発明の第1の実施形態と本発明の第2の実施形態とは、必ずしも別々に実施されなくてもよい。例えば、本発明の第1の実施形態と本発明の第2の実施形態とは、適宜に組み合わされた上で実施されてもよい。
【符号の説明】
【0374】
1 コミュニケーションシステム
10 コミュニケーション端末
110 制御部
120 AP部
121 コミュニケーションAP部
122 利用者AP部
130 コミュニケーション支援情報提供部
131 利用情報取得部
132 送信制御部
133 受信情報取得部
134 提示制御部
140 操作部
150 記憶部
152 端末情報管理部
160 通信部
180 表示部
20 コミュニケーションサーバ
210 制御部
220 コミュニケーションサーバAP部
250 記憶部
251 コミュニケーションサーバAPデータ部
260 通信部
30 コミュニケーション分析サーバ
310 制御部
330 コミュニケーション分析処理部
331 取得部
332 分析部
333 提供部
350 記憶部
352 情報管理部
353 情報蓄積部
360 通信部
50 ネットワーク