(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127763
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】RFIDタグリーダライタ、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20220825BHJP
H04B 1/59 20060101ALI20220825BHJP
H04B 17/309 20150101ALI20220825BHJP
【FI】
G06K7/10 176
G06K7/10 144
H04B1/59
H04B17/309
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025930
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 雄介
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通信品質に応じて最適な通信速度でRFタグとの通信を行うことができるRFIDタグリーダライタを提供する。
【解決手段】RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタ10であって、RFIDタグリーダライタ10は、外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定し、推定したノイズ量に基づいてRFタグとの通信品質を推定するノイズ量推定部66と、ノイズ量推定部66が推定した通信品質に基づき、RFタグとの通信速度を決定する通信速度決定部70と、備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタであって、
前記RFIDタグリーダライタは、
外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定するノイズ量推定部と、
前記ノイズ量推定部が推定した前記ノイズ量に基づいて前記RFタグとの通信品質を推定する通信品質推定部と、
前記通信品質推定部により推定された前記通信品質に基づき、前記RFタグとの通信速度を決定する通信速度決定部と、
を備えることを特徴とするRFIDタグリーダライタ。
【請求項2】
請求項1に記載の無線装置において、
前記通信品質推定部は、前記RFタグとのリトライ回数に基づいて前記通信品質を推定する
ことを特徴とするRFIDタグリーダライタ。
【請求項3】
RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタで実行される通信方法であって、
前記RFIDタグリーダライタが外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定し、
前記ノイズ量に基づいて前記RFタグとの通信品質を推定し、
前記推定された前記通信品質に基づき、前記RFタグとの通信速度を決定する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項4】
RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタのコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記RFIDタグリーダライタが外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定する処理と、
前記ノイズ量に基づいて前記RFタグとの通信品質を推定する処理と、
前記推定された前記通信品質に基づき、前記RFタグとの通信速度を決定する処理と、
を行うことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグリーダライタ、通信方法およびプログラムに係わる。
【背景技術】
【0002】
近年、無線装置としてRFID(Radio Frequency Identifier)を用いたRFIDタグリーダライタが用いられている。従来のRFIDタグリーダライタは、送信回路において生成された送信信号を、アンテナから空中へ放射する。そして、RFIDタグリーダライタは、放射した信号に応答してタグから返信された応答信号をアンテナで受信し、受信回路で増幅し、復調してタグの応答を受信している。
【0003】
RFIDタグリーダライタとRFタグとの通信速度は、上位装置から決定された設定に基づいて決定される。
このようなRFIDタグリーダライタとして、RFIDタグリーダライタ周辺に発生しているノイズ量を取得し、取得したノイズ量に基づき算出したS/N比をもとに診断することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のRFIDタグリーダライタでは、上位装置側で決定された通信速度でRFタグとの通信を行う場合には、他のRFIDタグリーダライタから発生される信号の反射、干渉、ノイズ等の影響により早い通信速度で通信すると、通信エラーが多発する可能性がある。一方で、ノイズ等の影響によっては、上位装置側で決定された通信速度よりも速い速度で通信を行うことができる場合もある。
【0006】
本発明の1つの側面に係わる目的は、通信品質に応じて最適な通信速度でRFタグとの通信を行うことができるRFIDタグリーダライタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様のRFIDタグリーダライタは、RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタであって、前記RFIDタグリーダライタは、外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定するノイズ量推定部と、前記ノイズ量推定部が推定した前記ノイズ量に基づいて前記RFタグとの通信品質を推定する通信品質推定部と、前記通信品質推定部により推定された前記通信品質に基づき、前記RFタグとの通信速度を決定する通信速度決定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の1つの態様の通信方法は、RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタで実行される通信方法であって、前記RFIDタグリーダライタが外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定し、前記ノイズ量に基づいて前記RFタグとの通信品質を推定し、前記推定された前記通信品質に基づき、前記RFタグとの通信速度を決定することを特徴とする。
【0009】
本発明の1つの態様のプログラムは、RFタグと通信を行うRFIDタグリーダライタのコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記RFIDタグリーダライタが外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定する処理と、前記ノイズ量に基づいて前記RFタグとの通信品質を推定する処理と、前記推定された前記通信品質に基づき、前記RFタグとの通信速度を決定する処理と、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述の態様によれば、通信品質に応じて最適な通信速度でRFタグとの通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態のRFIDタグリーダライタシステムの一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態のRFIDタグリーダライタの一例を示す回路図である。
【
図3】通信速度決定部により決定される通信速度の一例を示すテーブルである。
【
図4】第2の実施形態のRFIDタグリーダライタの一例を示す回路図である。
【
図5】第2の実施形態の通信品質推定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のRFIDタグリーダライタシステム1の一例を示す図である。RFIDタグリーダライタシステム1は、RFIDタグリーダライタ10と、複数のRFタグ100により構成されている。RFタグ100は、例えば、商品に貼付されて使用される。RFタグ100は、識別・管理の対象の物品に貼付される識別タグであり、図示しないアンテナを含んでいる。アンテナは、RFIDタグリーダライタ10から送信される送信信号の周波数に整合するように形成され、例えば、アルミ箔によるアンテナパターンで作られた、ダイポールアンテナ等である。RFタグ100は、RFIDタグリーダライタ10から送信される送信信号を受け、バックスキャッタ方式にてRFIDタグリーダライタ10へ応答信号を返送する。そして、RFIDタグリーダライタ10は、RFタグ100からの応答信号を受信し、復調することで、RFタグ100との間で情報の通信が行われる。第1の実施形態に係るRFIDタグリーダライタ10は、例えば、PC(Personal Computer)300からの指示に基づいて、RFタグ100の読取動作等を行う。PC300は、RFIDタグリーダライタ10の上位装置の一例である。
【0013】
図2は、第1の実施形態のRFIDタグリーダライタ10の一例を示す回路図である。
RFIDタグリーダライタ10は、全体を制御するCPU(Central Processing Unit)20、記憶部21、送信回路30、局部発信部40、アンテナ50、および受信回路60を有している。
【0014】
CPU20は、RFIDタグリーダライタ10全体の制御を行う。この場合、CPU20はコンピュータとして機能する。CPU20は、記憶部21に記憶されたプログラムに基づいて、以下に説明する各種制御や後述の通信処理を行う。CPU20は、制御部の一例である。記憶部21は、CPU20による処理に必要な各種データ、CPU20に実行させるプログラム、アプリケーションプログラム等が格納される。RFIDタグリーダライタ10は、コンピュータの機能を備えており、通信処理プログラムにしたがって後述する通信処理を実行する。RFIDタグリーダライタ10は、例えば、PC300との通信を行う通信回路等、
図2に示していない回路構成を備えていてもよい。なお、アンテナ50は、RFIDタグリーダライタ10の一部を構成する回路としているがこの限りではなく、RFIDタグリーダライタ10とは異なる別の回路構成としてもよい。
【0015】
RFIDタグリーダライタ10は、PC300から読取コマンド発行の指示を受けると、CPU20がそのコマンドを解析し、送信回路30に読取コマンド発行の指令である送信信号を出力する。また、CPU20は、通信処理時に所定の試験パターン信号を送信回路30へ送信する。試験パターン信号は、任意の矩形波(方形波)の信号、タグの応答信号を模した信号、既知のパターンの信号等を採用することができる。試験パターン信号は、試験信号の一例である。
【0016】
局部発信部40は、所定の発振周波数の局発信号を出力する。
送信回路30は、DAC(Digital to analog converter:デジタルアナログ変換回路)31、送信ベースバンド処理回路32、送信フィルタ33、送信ミキサ34、送信アンプ35を有する。送信回路30は、
図2に示していない回路構成を備えていてもよい。以下、送信回路30内の回路構成を「送信系」と呼ぶこともある。
【0017】
DAC31は、CPU20で生成されたデジタルの送信信号をアナログ信号に変換して送信ベースバンド処理回路32へ出力する。
【0018】
送信ベースバンド処理回路32は、DAC31から出力された送信信号から不要な周波数成分を除去する処理等の波形整形処理を行う。
【0019】
送信フィルタ33は、送信ベースバンド処理回路32によって波形整形された送信信号に対して、不要な周波数成分をフィルタリングする。
【0020】
送信ミキサ34は、送信フィルタ33によってフィルタリングされた送信信号に対して局部発信部40から出力される局発信号を掛け合わせる。この結果、送信信号は局部発信部40から出力される局発信号の周波数にアップコンバートされる。
【0021】
送信アンプ35は、アップコンバートされた送信信号を所定の送信電力に増幅してアンテナ50へ出力する。
【0022】
受信回路60は、受信アンプ61、受信ミキサ62、受信フィルタ63、受信ベースバンド処理回路64、ADC65、ノイズ量推定部66を有する。受信回路60は、
図2に示していない回路構成を備えていてもよい。以下、受信回路60内の回路構成を「受信系」と呼ぶこともある。
【0023】
受信アンプ61は、アンテナ50が受信した受信信号を受信電力に増幅して受信ミキサ62へ出力する。
【0024】
受信ミキサ62は、受信アンプ61によって増幅された受信信号に対して局部発信部40から出力される局発信号を掛け合わせる。この結果、受信信号は局部発信部40から出力される局発信号の周波数にダウンコンバートされる。
【0025】
受信ミキサ62で掛け合わせる局発信号は、送信ミキサ34で掛け合わせる局発信号と同一の周波数帯である。第1の実施形態において、受信ミキサ62および送信ミキサ34で掛け合わせる周波数帯は「920MHz帯」であるがこれに限られるものではない。例えば、「2.4GHz帯」、「13.56MHz帯」等であってもよい。
【0026】
受信フィルタ63は、受信ミキサ62でダウンコンバートされた信号から不要な周波数成分をフィルタリングする。
【0027】
受信ベースバンド処理回路64は、受信フィルタ63で不要な周波数成分をフィルタリングされた信号を復調して、ADC65に出力する。ADC65は、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、CPU20に出力する。
【0028】
ノイズ量推定部66は、RFタグ100との通信品質を推定する。ノイズ量推定部66は、外部から受信した信号に基づいてノイズ量を推定する。ノイズ量推定部66は、RFIDタグリーダライタ10付近のノイズに基づいて、RFタグ100とRFIDタグリーダライタ10との間の通信品質を推定する。即ち、ノイズ量推定部66は、推定したノイズ量に基づいてRFタグ100との通信品質を推定する。ノイズ量推定部66は、通信品質推定部の一例である。通信品質推定部の機能はノイズ量推定部66に含まれていてもよい。
【0029】
ノイズ量推定部66は、受信フィルタ63から入力された入力信号をLPF(Low-pass filter)およびHPF(High-pass filter)により高域と低域のDC成分をカットする。そして、ノイズ量推定部66は、LPFおよびHPFによりDC成分がカットされた信号をアンプで増幅する。ノイズ量推定部66は、アンプで増幅した信号を積分器により信号パワーを平均化したデータをノイズ量として推定する。
【0030】
即ち、ノイズ量推定部66は、RFタグ100との通信を行っていない場合に、受信フィルタ63で不要な周波数成分をフィルタリングされた信号のレベルを測定することにより、ノイズ量のレベルを算出する。ノイズ量推定部66は、算出されたレベルを通信していない時のノイズ量として推定する。即ち、ノイズ量推定部66は、RFタグ100との送受信を行っていない場合にRFIDタグリーダライタ10の付近に発生している定常的なノイズ量を観測することができる。
【0031】
CPU20は、通信速度決定部70を備える。通信速度決定部70は、ノイズ量推定部66により推定された通信品質に基づいてRFタグ100との通信速度を決定する。CPU20は、通信速度決定部70により決定された通信速度に基づいて、RFタグ100との通信に先立って、QueryコマンドをRFタグ100へ送る。RFタグ100とRFIDタグリーダライタ10との間の通信速度の情報は、Queryコマンドの先頭に、決められた固定の波形(プリアンブル波形)に規定することにより、お互い共有することができる。
【0032】
なお、Queryコマンドを送る前に、ノイズ量推定部66により周囲環境の通信品質は推定されている。即ち、通信品質の推定は、Queryコマンドを送る前に先立って、何も通信していないときのノイズ量に基づき推定される。
【0033】
図3(1)(2)は、通信速度決定部70により決定される通信速度の一例を示すテーブルである。
図3(1)(2)に示す通信速度決定部70により決定される通信速度の一例を示すテーブルは記憶部21に記憶される。
図3に示すテーブルは、上位装置であるPC300に記憶されていてもよい。
【0034】
図3(1)(2)には、RFIDタグリーダライタからRFタグ100へのキャリブレーション(RTcal)、及びRFタグ100からRFIDタグリーダライタ10へのキャリブレーション(TRcal)が複数の段階で設けられる。TRcalとDR(Divide Ratio)により、RFタグ100からRFIDタグリーダライタ10への送信速度(Tag→Rw)が決定される。RTcalによりRFIDタグリーダライタ10からRFタグ100への送信速度(RW→Tag)が決定される。
【0035】
第1の実施形態においては、通信速度決定部70は、ノイズ量推定部66により推定された通信品質に基づいて、
図3のテーブルを参照して、RFIDタグリーダライタ10とRFタグ100との間の通信速度を決定する。通信速度決定部70は、複数の段階に設けられた通信速度のうち、一の通信速度を決定する。
【0036】
例えば、通信品質が悪い場合、即ち、他のRFIDタグリーダライタの信号の反射、干渉、ノイズ等の影響が多いような環境では、RFIDタグリーダライタ10とRFタグ100との間の通信速度を1段階低くして低速にする。一方で、通信品質がよい場合、即ち、通信環境がよい場合には、RFIDタグリーダライタ10とRFタグ100との間の通信速度を1段階高くして高速で通信する。これにより、通信エラーを低減することができるとともに、現在の環境に最適な通信速度でRFタグとの通信を行うことができる。
【0037】
なお、RFタグ100との通信を行っていない時のノイズ量として、RFタグ100に対してQueryコマンドを送る前に推定したノイズ量を採用することができる。また、直近の10回分のノイズ量の平均をノイズ量として推定してもよい。
【0038】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態のRFIDタグリーダライタ10の一例を示す回路図である。第2の実施形態のRFIDタグリーダライタ10は、第1の実施形態とRFIDタグリーダライタ10とほぼ同様の構成を備える。第2の実施形態のCPU20は、通信速度決定部70に加えて、更に、リトライ回数計数部71を備える点で相違する。
【0039】
リトライ回数計数部71は、RFIDタグリーダライタ10によるアンチコリジョンのリトライ回数を計数する。リトライ回数計数部71は、計数したアンチコリジョンの回数を記憶部21に記憶する。
【0040】
アンチコリジョンは、RFIDタグリーダライタ10とRFタグ100との間の通信状況が悪い時に発生する。このため、リトライ回数計数部71は、アンチコリジョンの回数に基づき通信品質を推定することができる。即ち、リトライ回数計数部71は、RFタグ100との通信品質を推定する通信品質推定部の一例である。通信速度決定部70は、リトライ回数計数部71により計数されたアンチコリジョンの回数に基づき推定された通信品質に基づき、RFタグ100との通信速度を決定する。
【0041】
図5は、第2の実施形態の通信品質推定処理の一例を示すフローチャートである。通信品質推定処理は、RFIDタグリーダライタ10によるRFタグ100の読み取り処理とは別に、別個独立に実行される。
【0042】
リトライ回数計数部71は、前回のアンチコリジョンのリトライ回数をAにセットする(ステップS11)。通信速度決定部70は、セットしたリトライ回数Aが閾値aより大きいか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
セットしたリトライ回数Aが閾値aより大きい場合(ステップS12:YES)、即ち閾値aを超えた場合には、通信速度決定部70は、
図3のテーブルを参照して、1段階遅い通信速度に決定し(ステップS12),この処理が終了となる。
【0044】
セットしたリトライ回数Aが閾値a以下である場合(ステップS12:NO)、即ち閾値aを超えていない場合には、通信速度決定部70は、ノイズ量推定部66により推定されたノイズ測定(量)をNにセットする(ステップS14)。
【0045】
通信速度決定部70は、セットしたNが閾値nより大きいか否かを判定する(ステップS15)。セットしたNが閾値nよりも大きい場合(ステップS15:YES)には、
図3のテーブルを参照して、通信速度決定部70は、1段階遅い通信速度に決定し(ステップS12),この処理が終了となる。
【0046】
セットしたNが閾値n以下である場合(ステップS15:NO)には、通信速度決定部70は、
図3のテーブルを参照して、1段階速い通信速度に決定し(ステップS16),この処理が終了となる。
【0047】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【0048】
上述の実施形態においては、通信速度決定部70は、ノイズ量推定部66により推定されたノイズ量に基づき推定された通信品質に基づき、通信速度を決定しているがこれに限られない。例えば、RSSI(受信信号強度)と算出したノイズ量に基づいてS/N比を算出し、算出したS/N比に基づいて通信速度を決定してもよい。この場合、S/N比はノイズ量の一種に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 :RFIDタグリーダライタシステム
10 :RFIDタグリーダライタ
20 :CPU
21 :記憶部
30 :送信回路
32 :送信ベースバンド処理回路
33 :送信フィルタ
34 :送信ミキサ
35 :送信アンプ
40 :局部発信部
50 :アンテナ
60 :受信回路
61 :受信アンプ
62 :受信ミキサ
63 :受信フィルタ
64 :受信ベースバンド処理回路
66 :ノイズ量推定部
70 :通信速度決定部
71 :リトライ回数計数部
100 :RFタグ