(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127773
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】紙幣搬送収納システム
(51)【国際特許分類】
G07D 11/26 20190101AFI20220825BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20220825BHJP
G07D 11/16 20190101ALI20220825BHJP
【FI】
G07D11/26 121
A63F7/02 352F
G07D11/16 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025948
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】501005966
【氏名又は名称】大都販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(72)【発明者】
【氏名】福田 操
【テーマコード(参考)】
2C088
3E040
3E141
【Fターム(参考)】
2C088BC79
3E040AA01
3E040BA20
3E040CA02
3E040DA08
3E040FG03
3E040FG13
3E141AA01
3E141BA20
3E141CA02
3E141DA08
3E141FG03
3E141FG13
(57)【要約】
【課題】紙幣収容装置に紙幣を効率的に収容できる上に、紙幣詰まりを未然に防止することができる紙幣搬送収納システムを提供する。
【解決手段】紙幣搬送収容システム10は、搬送レール31によって搬送される紙幣が紙幣収容装置40の入口部に到達したことを検出可能な紙幣入口センサ36と、紙幣処理装置20と紙幣入口センサ36との間に配置されて紙幣処理装置20から排出された紙幣を検出可能な紙幣詰まりセンサ34と、を備える。また、紙幣詰まりセンサ34は、紙幣の搬送経路において紙幣入口センサ36よりも上流に配置された第1の紙幣検出部(Unit0センサ)を含み、紙幣収容装置40は、紙幣入口センサ36が紙幣を検出した時点において、第1の紙幣検出部が紙幣を検出してから第1の所定時間が経過している場合に、プレス部を動作させて保留部の紙幣を収納部に押し込むように構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技機島に設置する紙幣搬送収容システムにおいて、
紙幣を受け入れる受入口および受け入れた紙幣を排出する排出口を有し、各々の遊技機に対応して配置される紙幣処理装置が前記排出口から排出する紙幣を搬送する搬送路を備えた紙幣搬送装置と、
前記紙幣搬送装置によって搬送された紙幣を受け入れる入口部と、受け入れた紙幣を保留する保留部と、前記保留部の紙幣を収納部に押し込むプレス部と、を備えた紙幣収容装置と、
前記紙幣搬送装置によって搬送される紙幣が前記入口部に到達したことを検出可能な紙幣入口センサと、
前記紙幣処理装置と前記紙幣入口センサとの間に配置されて前記紙幣処理装置から排出された紙幣を検出可能な紙幣検出部と、
を備え、
前記紙幣検出部は、紙幣の搬送経路において前記紙幣入口センサよりも上流に配置された第1の紙幣検出部を含み、
前記紙幣収容装置は、前記紙幣入口センサが紙幣を検出した時点において、前記第1の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから第1の所定時間が経過している場合に、前記プレス部を動作させて前記保留部の紙幣を前記収納部に押し込むように構成されている、ことを特徴とする紙幣搬送収容システム。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣搬送収容システムにおいて、
前記第1の所定時間は、前記第1の紙幣検出部が検出した紙幣が前記紙幣入口センサで検出されるまでの時間を計測あるいは算出して設定される、ことを特徴とする紙幣搬送収容システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の紙幣搬送収容システムにおいて、
前記第1の紙幣検出部は、複数の前記紙幣検出部のうち、紙幣の前記搬送経路において最も下流の位置に配置されている、ことを特徴とする紙幣搬送収容システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の紙幣搬送収容システムにおいて、
前記紙幣検出部は、紙幣の前記搬送経路において前記第1の紙幣検出部よりも上流に配置された第2の紙幣検出部を含み、
前記紙幣収容装置は、前記紙幣入口センサが紙幣を検出した時点において、前記第1の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから前記第1の所定時間が経過し、かつ、前記第2の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから第2の所定時間が経過している場合に、前記プレス部を動作させて前記保留部の紙幣を前記収納部に押し込むように構成されている、ことを特徴とする紙幣搬送収容システム。
【請求項5】
請求項4に記載の紙幣搬送収容システムにおいて、
前記第2の所定時間は、前記第2の紙幣検出部が検出した紙幣が前記紙幣入口センサで検出されるまでの時間を計測あるいは算出して設定される、ことを特徴とする紙幣搬送収容システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の紙幣搬送収容システムにおいて、
前記紙幣処理装置または前記紙幣搬送装置は、一時的に紙幣を保留するエスクロ機能を有し、
前記紙幣収容装置は、前記エスクロ機能を解除して紙幣を排出させるエスクロ解除要求を行うエスクロ解除要求手段を備え、
前記エスクロ解除要求手段は、前記プレス部の動作が完了した後に、前記紙幣処理装置または前紙幣搬送装置に対して前記エスクロ解除要求を行うことが可能である、ことを特徴とする紙幣搬送収容システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技機島に設置し、投入された紙幣を搬送・収容することが可能な紙幣搬送収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店には、遊技に使用する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機や、この遊技媒体貸出機に投入された紙幣を、紙幣搬送装置を介して遊技機島の端部に設置された紙幣収納装置に収容する紙幣搬送収容システム等が設置されている。
【0003】
このような紙幣搬送収容システムが備える紙幣搬送装置や紙幣収容装置としては、例えば、特許文献1に記載の搬送装置や、特許文献2に記載の紙幣収容装置等が提案されている。
【0004】
従来の紙幣収容装置では、紙幣搬送装置から送り込まれた紙幣をプレス板で一方向にプレスすることで、紙幣を受け入れるスペースを確保し、紙幣を効率的に収容できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-288631号公報
【特許文献2】特許第5376905号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、紙幣搬送装置から紙幣収容装置に紙幣が送り込まれるタイミングは不規則であることから、従来の紙幣搬送収容システムでは、例えば、紙幣収容装置において紙幣をプレスしている間に紙幣搬送装置から紙幣が送り込まれた場合に、紙幣収容装置において紙幣詰まり(ジャム)が発生してしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、紙幣収容装置に紙幣を効率的に収容できる上に、紙幣詰まりを未然に防止することができる紙幣搬送収納システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る紙幣搬送収容システムは、複数の遊技機が設置された遊技機島に設置する紙幣搬送収容システムにおいて、紙幣を受け入れる受入口および受け入れた紙幣を排出する排出口を有し、各々の遊技機に対応して配置される紙幣処理装置が前記排出口から排出する紙幣を搬送する搬送路を備えた紙幣搬送装置と、前記紙幣搬送装置によって搬送された紙幣を受け入れる入口部と、受け入れた紙幣を保留する保留部と、前記保留部の紙幣を収納部に押し込むプレス部と、を備えた紙幣収容装置と、前記紙幣搬送装置によって搬送される紙幣が前記入口部に到達したことを検出可能な紙幣入口センサと、前記紙幣処理装置と前記紙幣入口センサとの間に配置されて前記紙幣処理装置から排出された紙幣を検出可能な紙幣検出部と、を備え、前記紙幣検出部は、紙幣の搬送経路において前記紙幣入口センサよりも上流に配置され、前記紙幣処理装置から排出された紙幣を少なくとも検出可能な第1の紙幣検出部を含み、前記紙幣収容装置は、前記紙幣入口センサが紙幣を検出した時点において、前記第1の紙幣検出部が紙幣を検出してから第1の所定時間が経過している場合に、前記プレス部を動作させて前記保留部の紙幣を前記収納部に押し込むように構成されている、ことを特徴とする紙幣搬送収容システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る紙幣搬送収容システムによれば、紙幣収容装置に紙幣を効率的に収容できる上に、紙幣詰まりを未然に防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)紙幣処理装置20を設置した状態の紙幣搬送収容システム10の全体構成図である。(b)紙幣搬送収容システム10の紙幣搬送装置30を分解して示す分解斜視図である。
【
図2】(a)紙幣収容装置40の外観を示す外観斜視図である。(b)ドアを開けた状態の紙幣収容装置40の外観斜視図である。(c)紙幣収容部を抜き出した状態の紙幣収容装置40の外観斜視図である。
【
図3】(a)紙幣収容装置40に収容された紙幣を取り出す様子を示す外観斜視図である。(b)紙幣収容装置40から紙幣を取り出した後の状態を示す外観斜視図である。
【
図4】(a)保留部46に紙幣Mが収容される前の状態を示した側面図である。(b)収容部47に複数枚の紙幣Mが収容された状態を示した側面図である。
【
図5】紙幣搬送収容システム10のプレス制御に関わる主要部を模式的に示した図である。
【
図6】(a)紙幣収容装置40が実行するプレス制御処理の流れを示すフローチャートである。(b)プレス制御処理におけるプレス後エスクロ制御(ステップS111)の流れを示すフローチャートである。
【
図7】(a)紙幣収容装置40が実行するUnit0カウント値更新処理の流れを示すフローチャートである。(b)紙幣収容装置40が実行するUnit1カウント値更新処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】(a)紙幣収容装置40が実行するUnit0紙幣通過時間更新処理の流れを示すフローチャートである。(b)紙幣収容装置40が実行するUnit1紙幣通過時間更新処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る紙幣搬送収容システムについて詳細に説明する。
【0012】
<全体構成>
最初に、
図1を用いて、本実施形態に係る紙幣搬送収容システム10の全体構成について説明する。
【0013】
図1(a)は、紙幣処理装置20を設置した状態の紙幣搬送収容システム10の全体構成図であり、同図(b)は、紙幣搬送収容システム10の紙幣搬送装置30を分解して示す分解斜視図である。
【0014】
図1(a)に示すように、紙幣搬送収容システム10は、複数の紙幣処理装置20から排出される紙幣を搬送可能な紙幣搬送装置30と、この紙幣搬送装置30によって搬送される紙幣を内部に収容可能な紙幣収容装置(金庫)40と、を有して構成される。
【0015】
遊技店における紙幣搬送装置30と紙幣収容装置40の配置場所は、特に限定されないが、
図1(a)に示す例では、紙幣搬送装置30を、遊技機島を構成する複数の遊技機(図示省略)で挟むように当該遊技機の背面側に直線状に配置し、紙幣収容装置40を、遊技機島の長手方向一端側に配置している。
【0016】
<紙幣処理装置>
次に、紙幣搬送収容システム10に設置される紙幣処理装置20について説明する。
【0017】
紙幣処理装置20は、遊技機島に設置される各々の遊技機(パチンコ機,スロットマシン等)に対応して配置される装置であり、例えば、遊技媒体(遊技球,遊技メダル等)の貸し出しを行う遊技媒体貸出機(台間機)等が該当する。
【0018】
紙幣処理装置20は、紙幣を受け入れる受入口22と、この受入口22から受け入れた紙幣を紙幣搬送装置30の札投入口32に向けて排出する排出口(図示せず)と、この排出口から紙幣搬送装置30の搬送レール31に向けて排出される紙幣を検出可能な紙幣排出センサ24(
図5も併せて参照)と、を備え、貸機取付金具38(
図1(b)参照)等を介して、紙幣搬送装置30に複数、所定間隔を空けて取り付けられる。
【0019】
紙幣排出センサ24は、紙幣処理装置20から搬送レール31に向けて紙幣が排出されたことを検出可能なセンサであり、本例では、
図5に示すように、紙幣処理装置20の排出口の近傍に取り付けられる。紙幣排出センサ24の種類は、特に限定されないが、本例では、投光部と受光部からなる光学式の非接触型センサを適用している。
【0020】
紙幣排出センサ24は、紙幣処理装置20の排出口から排出された紙幣が、投光部と受光部の間に進入した場合に、紙幣が通過していることを示す制御信号(例えばONの信号)を紙幣収容装置40の制御部に向けて出力し、紙幣が投光部と受光部の間を通過し、紙幣搬送装置30の搬送レール31に向けて排出された場合に、紙幣が排出されたことを示す制御信号(例えばOFFの信号)を紙幣収容装置40の制御部に向けて出力する。
【0021】
なお、本例では、紙幣排出センサ24を、紙幣処理装置20内に配置する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、紙幣排出センサ24に相当するセンサを、紙幣搬送装置30の札投入口32の近傍(例えば、紙幣処理装置20と搬送レール31の間)等に配置してもよいし、紙幣搬送装置30から搬送レール31に向けて紙幣が排出されたことを他の方法で検出してもよい。
【0022】
<紙幣搬送装置>
次に、紙幣搬送収容システム10の紙幣搬送装置30について説明する。
【0023】
紙幣搬送装置30は、遊技機島の長手方向に配置される搬送レール31と、搬送レール31内に張られた無端ベルト(図示せず)と、この搬送レール31に対して所定間隔で配置される札投入口32と、搬送レール31の一部を覆う複数のレールカバー33と、このレールカバー33に回転可能に設けられたローラ(図示せず)と、紙幣処理装置20の排出口から札投入口32を介して排出されて搬送レール31内を搬送される紙幣を検出可能な紙幣詰まりセンサ34と、搬送レール31に排出された紙幣を紙幣収容装置40まで搬送するために無端ベルトを駆動する駆動部35と、搬送された紙幣が紙幣収容装置40の入口部41a(
図2(a)参照)まで到達したことを検出可能な紙幣入口センサ36(
図5も併せて参照)と、一時的に紙幣を保留するエスクロ制御を行うエスクロ制御部37と、を有して構成される。
【0024】
この紙幣搬送装置30において、搬送レール31に排出された紙幣は、ローラと無端ベルトとで挟持され、無端ベルトを駆動部35で駆動することによって紙幣収容装置40まで搬送される。
【0025】
紙幣詰まりセンサ34や紙幣入口センサ36の種類は、特に限定されないが、本例では、投光部と受光部からなる光学式の非接触型センサを適用している。
【0026】
紙幣詰まりセンサ34は、紙幣処理装置20と紙幣入口センサ36との間に配置されて紙幣処理装置20から搬送レール31に排出された紙幣を検出可能なセンサであり、本例では、
図5に示すように、各々の紙幣処理装置20に対応して各々の紙幣処理装置20の下流側に配置される。
【0027】
この紙幣詰まりセンサ34は、搬送レール31内で搬送される紙幣が、投光部と受光部の間に進入した場合に、紙幣が通過していることを示す制御信号(例えばONの信号)を紙幣収容装置40の制御部に向けて出力し、紙幣が投光部と受光部の間を通り過ぎた場合に、紙幣が通り過ぎたことを示す制御信号(例えばOFFの信号)を紙幣収容装置40の制御部に向けて出力する。
【0028】
紙幣入口センサ36は、紙幣搬送装置30によって搬送された紙幣が紙幣収容装置40の入口部41aまで到達したことを検出可能なセンサであり、本例では、搬送レール31における紙幣収容装置40の入口部41aの近傍に取り付けられる。
【0029】
この紙幣入口センサ36は、紙幣収容装置40に到達した紙幣が、投光部と受光部の間に進入した場合に、紙幣が到達したことを示す制御信号(例えばONの信号)を紙幣収容装置40の制御部に向けて出力し、紙幣が投光部と受光部の間を通過し、紙幣収容装置40の保留部46(
図3(b)参照)に収容された場合に、紙幣が収容されたことを示す制御信号(例えばOFFの信号)を紙幣収容装置40の制御部に向けて出力する。
【0030】
なお、本例では、紙幣入口センサ36を、紙幣搬送装置30に配置する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、紙幣収容装置40が、紙幣入口センサ36に相当するセンサ、すなわち、紙幣搬送装置30によって搬送された紙幣が紙幣収容装置40の入口部41aまで到達したことを検出可能なセンサを備えていてもよい。すなわち、本発明に係る「紙幣入口センサ」は、紙幣搬送装置30によって搬送される紙幣が紙幣収容装置40の入口部41aに到達したことを検出可能なものであればよい。
【0031】
<紙幣収容装置>
次に、
図2と
図3を用いて、紙幣搬送収容システム10の紙幣収容装置40について説明する。
【0032】
図2(a)は、紙幣収容装置40の外観を示す外観斜視図であり、同図(b)は、ドア42を開けた状態の紙幣収容装置40の外観斜視図であり、同図(c)は、紙幣収容部を抜き出した状態の紙幣収容装置40の外観斜視図である。
【0033】
また、
図3(a)は、紙幣収容装置40に収容された紙幣を取り出す様子を示す外観斜視図であり、同図(b)は、紙幣収容装置40から紙幣を取り出した後の状態を示す外観斜視図である。
【0034】
図2や
図3に示すように、紙幣収容装置40は、箱状体の筐体41と、この筐体41の前方開口部に開閉可能に配置されるドア42を有する。筐体41の背面には、紙幣搬送装置30によって搬送された紙幣を受け入れる入口部41a(
図2(a)参照)が設けられている。
【0035】
また、筐体41の内部空間には、電源スイッチ43aを有する電源部43と、ドア42の開閉を検出可能なドアセンサ44と、紙幣収容装置40の状態を文字等で表示可能なLED表示部45と、入口部41aから受け入れた紙幣を一時的に保留する保留部46と、この保留部46の紙幣を収納部47に向けて押し込むプレス板48と、紙幣の一端をガイドする紙幣ガイド49等が収容されている。
【0036】
図4は、プレス板48の動作(プレス動作)を説明するための説明図であり、同図(a)は、保留部46に紙幣Mが収容される前の状態を示した側面図であり、同図(b)は、収容部47に複数枚の紙幣Mが収容された状態を示した側面図である。
【0037】
プレス板48は、
図4(a)において符号Aで示す方向にスライド可能に支持されており、後述するプレス制御においてプレス動作の指令が出されると、図示しない駆動部に駆動され、保留部46に保留された紙幣Mを収容部47に向けて押し込む動作(プレス動作)が可能である。
【0038】
なお、
図4では、スプリングSPによって付勢される押板51に抗して紙幣Mを押し込む例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、紙幣収容装置40の保留部に搬送された紙幣を、紙幣が収容可能な収納部に押し込むことが可能なプレス部を備えていればよい。また、本発明は係るプレス部は、板状の部材に限定されるものではなく、形状は特に限定されない。
【0039】
<プレス制御>
次に、
図5~
図8を用いて、紙幣搬送収容システム10のプレス制御について説明する。
図5は、紙幣搬送収容システム10のプレス制御に関わる主要部を模式的に示した図である。
【0040】
図1を用いて説明したように、紙幣搬送収容システム10は、紙幣処理装置20の紙幣排出センサ24からの制御信号を受信可能であるとともに、紙幣処理装置20から搬送レール31に排出された紙幣、あるいは搬送している紙幣を検出可能な紙幣詰まりセンサ34と、紙幣搬送装置30によって搬送された紙幣が紙幣収容装置40まで到達したことを検出可能な紙幣入口センサ36と、を備える。
【0041】
ここで、
図5において符号Fで示す矢印は、紙幣の搬送方向を示しており、本例における紙幣の搬送経路は、UnitQ(紙幣処理装置20)→UnitP(紙幣処理装置20)→・・・→UnitM(紙幣処理装置20)→UnitL(紙幣処理装置20)→・・・→Unit1(紙幣処理装置20)→Unit0(紙幣処理装置20)の順番であり、Unit0(紙幣処理装置20)が紙幣の搬送経路において最も下流に位置している。
【0042】
また、以降の説明においては、紙幣搬送収容システム10に配置される複数の紙幣処理装置20のうち、紙幣の搬送経路において最も下流の位置に配置された紙幣処理装置20を「Unit0」、この「Unit0」の一つ上流の位置に配置された紙幣処理装置20を「Unit1」と呼び、それぞれの装置に対応して配置された紙幣詰まりセンサ34を、「Unit0センサ」、「Unit1センサ」と呼ぶことにする。
【0043】
なお、紙幣の搬送経路は、本例に限定されず、本例の反対方向であってもよいが、紙幣の搬送経路において最も下流の位置に配置された紙幣処理装置20を「Unit0」、この「Unit0」の一つ上流の位置に配置された紙幣処理装置20を「Unit1」とすることには変わりがない。
【0044】
<プレス制御処理>
図6(a)は、紙幣収容装置40が実行するプレス制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
ステップS101では、紙幣収容装置40に紙幣が収容されたか否か(本例では、紙幣入口センサ36から出力される制御信号がONからOFFに変化したか否か)を判定し、紙幣収容装置40に紙幣が収容された場合にはステップS103に進み、そうでない場合にはプレス制御処理を終了する。
【0046】
ステップS103は、Unit1センサでの直近の検出からの時間が、後述するUnit1紙幣通過時間更新処理において更新されるUnit1紙幣通過時間t1を経過したか否か、すなわち、Unit1と紙幣収容装置40との間に紙幣が無い(紙幣収容装置40のプレス動作中にUnit1から紙幣が搬送されてくる可能性が無い)と判断できるかどうかを判定し、該当する場合(Unit1と紙幣収容装置40との間に紙幣が無い(紙幣収容装置40のプレス動作中にUnit1から紙幣が搬送されてくる可能性が無い)と判断できる場合)には、ステップS105に進み、該当しない場合(Unit1と紙幣収容装置40との間に紙幣が無い(紙幣収容装置40のプレス動作中にUnit1から紙幣が搬送されてくる可能性が無い)と判断できない場合)には、プレス制御処理を終了する。
【0047】
ステップS105は、Unit0センサでの直近の検出からの時間が、後述するUnit0紙幣通過時間更新処理において更新されるUnit0紙幣通過時間t0を経過したか否か、すなわち、Unit0と紙幣収容装置40との間に紙幣が無い(紙幣収容装置40のプレス動作中にUnit0から紙幣が搬送されてくる可能性が無い)と判断できるかどうかを判定し、該当する場合(Unit0と紙幣収容装置40との間に紙幣が無い(紙幣収容装置40のプレス動作中にUnit0から紙幣が搬送されてくる可能性が無い)と判断できる場合)には、ステップS107に進み、該当しない場合(Unit0と紙幣収容装置40との間に紙幣が無い(紙幣収容装置40のプレス動作中にUnit0から紙幣が搬送されてくる可能性が無い)と判断できない場合)には、プレス制御処理を終了する。
【0048】
ステップS107では、Unit0がエスクロ制御中であるか否か、すなわち、Unit0からの紙幣の搬送が一時的に禁止されているか否かを判定し、該当する場合(Unit0からの紙幣の搬送が一時的に禁止されている場合)にはステップS109に進み、該当しない場合(Unit0からの紙幣の搬送が一時的に禁止されていない場合)には、紙幣がUnit0から排出される可能性があるため、プレス制御処理を終了する。
【0049】
ステップS109では、
図4を用いて説明したプレス動作を実行し、次のステップS111では、プレス後エスクロ制御処理(詳細は後述)を実行した後にプレス制御処理を終了する。
【0050】
本例によれば、紙幣搬送装置から紙幣収容装置に紙幣が送り込まれるタイミングが不規則であっても、Unit0センサと紙幣入口センサ36との間に紙幣が無いことを確認した上でプレス板を動作させることができるため、プレス板を最適なタイミングで動作させることができ、紙幣収容装置における紙幣詰まり(ジャム)を未然に防止することができる。
【0051】
<プレス後エスクロ制御処理>
図6(b)は、
図6(a)を用いて説明したプレス制御処理におけるプレス後エスクロ制御(ステップS111)の流れを示すフローチャートである。
【0052】
ステップS201では、Unit0の紙幣センサ24から出力される制御信号に基づいて、Unit0に紙幣があるか否かを判定し、Unit0に紙幣がある場合にはステップS203に進み、そうでない場合にはプレス後エスクロ制御処理を終了する。
【0053】
ステップS203では、エスクロ制御を解除することで、Unit0に残っている紙幣を紙幣収容装置40に向けて搬送し、次のステップS205では、Unit0の紙幣センサ24から出力される制御信号に基づいて、Unit0の紙幣が搬送されたか否かを判定し、Unit0の紙幣が紙幣収容装置40に向けて搬送された場合にはステップS207に進み、そうでない場合にはステップS205の判定処理を繰り返し実行する。
【0054】
ステップS207では、Unit0のエスクロ制御を再度、開始した後、プレス後エスクロ制御を終了する。
【0055】
本例によれば、プレス板の動作が完了するタイミングを、エスクロ機能を解除するタイミングとしても利用することができるため、プレス動作が完了し、かつ、搬送路に紙幣が無いことを確認した上でエスクロ解除を行うことができ、紙幣の搬送を円滑に行うことができる。
【0056】
なお、本例では、紙幣の搬送経路において最も下流の位置に配置されたUnit0のみに対してエスクロ制御を行う例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、Unit0に代えて(または、加えて)他の紙幣処理装置20に対してエスクロ制御を実行してもよい。
【0057】
<Unit0カウント値更新処理>
図7(a)は、紙幣収容装置40が実行するUnit0カウント値更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
ステップS301では、Unit0が紙幣の通過を検出したか否か(本例では、Unit0センサから出力される制御信号がONか否か)を判定し、紙幣の通過を検出した場合にはステップS303に進み、そうでない場合にはステップS305に進む。ステップS303では、Unit0紙幣通過カウント値に1を加算した後にステップS305に進む。
【0059】
ステップS305では、Unit0から紙幣を排出したこと示す制御信号を受信したか否か(本例では、Unit0センサから出力される制御信号がONからOFFに変化したか否か)を判定し、紙幣の排出を示す制御信号を受信した場合にはステップS307に進み、そうでない場合にはUnit0カウント値更新処理を終了する。ステップS307では、ステップS303で更新されるUnit0紙幣通過カウント値を、Unit0紙幣排出時カウント値X0として記憶した後に、Unit0カウント値更新処理を終了する。
【0060】
なお、本例においてUnit0紙幣排出時カウント値X0を更新するのは、紙幣処理装置20と紙幣収容装置40との間の距離は一定ではなく、遊技機の設置環境によって変化するためであることに加えて、遊技機が設置される地域における電圧の違いや、経時変化(例えば、稼働する部品間の摩擦や温度による無端ベルトの張力の変化等)によって、紙幣搬送装置30の無端ベルトの駆動スピードが一定ではなく、変化するためである。
【0061】
<Unit1カウント値更新処理>
図7(b)は、紙幣収容装置40が実行するUnit1カウント値更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
ステップS401では、Unit1が紙幣の通過を検出したか否か(本例では、Unit1センサから出力される制御信号がONか否か)を判定し、紙幣の通過を検出した場合にはステップS403に進み、そうでない場合にはステップS405に進む。ステップS405では、Unit1紙幣通過カウント値に1を加算した後にステップS405に進む。
【0063】
ステップS405では、Unit1から紙幣を排出したことを示す制御信号を受信したか否か(本例では、Unit1センサから出力される制御信号がONからOFFに変化したか否か)を判定し、紙幣の排出を示す制御信号を受信した場合にはステップS407に進み、そうでない場合にはUnit1カウント値更新処理を終了する。
【0064】
ステップS407では、ステップS403で更新されるUnit1紙幣通過カウント値を、Unit1紙幣排出時カウント値X11として記憶し、次のステップS409では、Unit0カウント値更新処理のステップS303で更新されるUnit0紙幣通過カウント値を、Unit1紙幣排出時カウント値X10として記憶した後に、Unit1カウント値更新処理を終了する。
【0065】
なお、本例においてUnit1紙幣排出時カウント値X0を更新するのは、紙幣処理装置20と紙幣収容装置40との間の距離は一定ではなく、遊技機の設置環境によって変化するためであることに加えて、遊技機が設置される地域における電圧の違いや、経時変化(例えば、稼働する部品間の摩擦や温度による無端ベルトの張力の変化等)によって、紙幣搬送装置30の無端ベルトの駆動スピードが一定ではなく、変化するためである。
【0066】
<Unit0紙幣通過時間更新処理>
図8(a)は、紙幣収容装置40が実行するUnit0紙幣通過時間更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
ステップS501では、紙幣搬送装置30の紙幣入口センサ36が紙幣の通過を検出したか否か(本例では、紙幣入口センサ36から出力される制御信号がONか否か)を判定し、紙幣の通過を検出した場合にはステップS503に進み、そうでない場合にはUnit0紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0068】
ステップS503では、Unit0カウント値更新処理のステップS303で更新されるUnit0紙幣通過カウント値が、Unit0カウント値更新処理のステップS307で記憶したUnit0紙幣排出時カウント値X0と一致するか否かを判定し、一致する場合にはステップS505に進み、そうでない場合にはUnit0紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0069】
ステップS505では、Unit0が紙幣を検出していないか否か(本例では、Unit0センサから出力される制御信号がOFFか否か)を判定し、紙幣を検出していない場合にはステップS507に進み、そうでない場合にはUnit0紙幣通過時間更新処理を終了する。ステップS507では、Unit0紙幣通過時間t0を更新した後に、Unit0紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0070】
本例によれば、プレス板の動作タイミングの判断基準となるUnit0紙幣通過時間t0を、実時間に基づいて設定することができ、設置場所や経時変化によって紙幣搬送装置30に関する諸条件(Unit0センサと紙幣入口センサ36との距離、紙幣の搬送速度、紙幣搬送装置の設置台数等)が変化した場合であっても、設置条件に合わせてプレス板の動作タイミングを適切に調整することができる。
【0071】
<Unit1紙幣通過時間更新処理>
図8(b)は、紙幣収容装置40が実行するUnit1紙幣通過時間更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
ステップS601では、紙幣搬送装置30の紙幣入口センサ36が紙幣の通過を検出したか否か(本例では、紙幣入口センサ36から出力される制御信号がONか否か)を判定し、紙幣の通過を検出した場合にはステップS603に進み、そうでない場合にはUnit1紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0073】
ステップS603では、Unit1カウント値更新処理のステップS403で更新されるUnit1紙幣通過カウント値が、Unit1カウント値更新処理のステップS407で更新されるUnit1紙幣排出時カウント値X11と一致するか否かを判定し、一致する場合にはステップS605に進み、そうでない場合にはUnit1紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0074】
ステップS605では、Unit0カウント値更新処理のステップS303で更新されるUnit0紙幣通過カウント値が、Unit1カウント値更新処理のステップS409で更新されるUnit1紙幣排出時カウント値X10に1を加算した値と一致するか否かを判定し、一致する場合にはステップS607に進み、そうでない場合にはUnit1紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0075】
ステップS607では、Unit0およびUnit1が紙幣を検出していないか否か(本例では、Unit0センサおよびUnit1センサから出力される制御信号がOFFか否か)を判定し、紙幣を検出していない場合にはステップS609に進み、そうでない場合にはUnit1紙幣通過時間更新処理を終了する。ステップS609では、Unit1紙幣通過時間t1を更新した後に、Unit1紙幣通過時間更新処理を終了する。
【0076】
本例によれば、プレス板の動作タイミングの判断基準となるUnit1紙幣通過時間t1を、実時間に基づいて設定することができ、設置場所や経時変化によって紙幣搬送装置30に関する諸条件(Unit1センサと紙幣入口センサ36との距離、紙幣の搬送速度、紙幣搬送装置の設置台数等)が変化した場合であっても、設置条件に合わせてプレス部の動作タイミングを適切に調整することができる。
【0077】
なお、紙幣収容装置40の電源投入時やリセット時には、Unit1紙幣通過時間t1やUnit0紙幣通過時間t0には初期値が設定される。この初期値は、特に限定されないが、紙幣搬送装置30に関する諸条件(紙幣入口センサ36とUnit0センサとの距離、紙幣入口センサ36とUnit1センサとの距離、紙幣の搬送速度、紙幣搬送装置30の設置台数等)に基づいて、紙幣搬送収容システム10ごとに最適な初期値を設定することが好ましい。
【0078】
また、システムの電源切断時に、Unit1紙幣通過時間t1やUnit0紙幣通過時間t0を不揮発性のメモリに記憶しておき、システムの電源投入時に、メモリに記憶しておいたUnit1紙幣通過時間t1やUnit0紙幣通過時間t0を初期値として設定してもよい。
【0079】
また、想定されるUnit1紙幣通過時間t1やUnit0紙幣通過時間t0の最大値を初期値として設定し、実際の通過時間が当該最大値を超えた場合に、エラーを報知するように構成してもよい。
【0080】
<本願発明について>
以上説明したように、本実施形態に係る紙幣搬送収容システム(例えば、
図1に示す紙幣搬送収容システム10)は、複数の遊技機が設置された遊技機島に設置する紙幣搬送収容システムにおいて、紙幣を受け入れる受入口(例えば、
図1に示す受入口22)および受け入れた紙幣を排出する排出口を有し、各々の遊技機に対応して配置される紙幣処理装置(例えば、
図1に示す紙幣処理装置20)が前記排出口から排出する紙幣を搬送する搬送路を備えた紙幣搬送装置(例えば、
図1に示す紙幣搬送装置30)と、前記紙幣搬送装置によって搬送された紙幣を受け入れる入口部(例えば、
図2(a)に示す入口部41a)と、受け入れた紙幣を保留する保留部(例えば、
図3(b),
図4(a),同図(b)に示す保留部46)と、前記保留部の紙幣を収納部(例えば、
図3(b),
図4(a),同図(b)に示す収納部47)に押し込むプレス部(例えば、
図3(b),
図4(a),同図(b)に示すプレス板48)と、を備えた紙幣収容装置と、前記紙幣搬送装置によって搬送される紙幣が前記入口部に到達したことを検出可能な紙幣入口センサ(例えば、
図1,
図5に示す紙幣入口センサ36)と、前記紙幣処理装置と前記紙幣入口センサとの間に配置されて前記紙幣処理装置から排出された紙幣を検出可能な紙幣検出部(例えば、
図1,
図5に示す紙幣詰まりセンサ34)と、を備え、前記紙幣検出部は、紙幣の搬送経路において前記紙幣入口センサよりも上流に配置されて前記紙幣処理装置から排出された紙幣を少なくとも検出可能な第1の紙幣検出部(例えば、
図5に示すUnit0センサ)を含み、前記紙幣収容装置は、前記紙幣入口センサが紙幣を検出した時点において、前記第1の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから第1の所定時間(例えば、
図8(a)のステップS507で更新するUnit0紙幣通過時間t0)が経過している場合に、前記プレス部を動作させて前記保留部の紙幣を前記収納部に押し込むように構成されている、ことを特徴とする紙幣搬送収容システムである。
【0081】
本実施形態に係る紙幣搬送収容システムによれば、紙幣搬送装置から紙幣収容装置に紙幣が送り込まれるタイミングが不規則であっても、第1の紙幣検出部と紙幣入口センサとの間に紙幣が無いことを確認した上でプレス部を動作させることができるため、プレス部を最適なタイミングで動作させることができ、紙幣収容装置における紙幣詰まり(ジャム)を未然に防止することができる。
【0082】
なお、前記第1の所定時間は、前記第1の紙幣検出部が検出した紙幣が前記紙幣入口センサで検出されるまでの時間を計測あるいは算出して設定されるものであってもよい。
【0083】
このような構成とすれば、プレス部の動作タイミングの判断基準となる第1の所定時間を、実時間に基づいて設定することができ、設置場所や経時変化によって紙幣搬送装置に関する諸条件(第1の紙幣検出部と紙幣入口センサとの距離、紙幣の搬送速度、紙幣搬送装置の設置台数等)が変化した場合であっても、設置条件に合わせてプレス部の動作タイミングを適切に調整することができる。
【0084】
また、前記第1の紙幣検出部は、複数の前記紙幣検出部のうち、紙幣の前記搬送経路において最も下流の位置に配置されていてもよい。
【0085】
このような構成とすれば、紙幣収容装置に最も近い位置(搬送開始から紙幣収容装置の収容完了までの時間に余裕が無い位置)において紙幣が無いことを確認した上でプレス部を動作させることができるため、紙幣収容装置における紙幣詰まりを、より確実に防止することができる。
【0086】
また、前記紙幣検出部は、紙幣の前記搬送経路において前記第1の紙幣検出部よりも上流に配置されて前記紙幣処理装置から排出された紙幣を少なくとも検出可能な第2の紙幣検出部(例えば、
図5に示すUnit1センサ)を含み、前記紙幣収容装置は、前記紙幣入口センサが紙幣を検出した時点において、前記第1の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから前記第1の所定時間が経過し、かつ、前記第2の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから第2の所定時間(例えば、
図8(b)のステップS609において更新されるUnit1紙幣通過時間t1)が経過している場合に、前記プレス部を動作させて前記保留部の紙幣を前記収納部に押し込むように構成されていてもよい。
【0087】
このような構成とすれば、第1の紙幣検出部と紙幣入口センサとの間に紙幣が無いことに加えて、第2の紙幣検出部と紙幣入口センサとの間に紙幣が無いことを確認した上でプレス部を動作させることができるため、プレス部の動作タイミングの調整精度を更に高めることができる。また、第1の紙幣検出部と紙幣入口センサとの距離が近い場合には、第1の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから第1の所定時間が経過しているか否かの判断の精度が低下するおそれがあるが、第2の紙幣検出部が直近で紙幣を検出してから第2の所定時間が経過しているか否かも判断の基準となるため、プレス部の動作タイミングの精度を高めることができる。
【0088】
また、前記第2の所定時間は、前記第2の紙幣検出部が検出した紙幣が前記紙幣入口センサで検出されるまでの時間を計測あるいは算出して設定されるものであってもよい。
【0089】
このような構成とすれば、プレス部の動作タイミングの判断基準となる第2の所定時間を、実時間に基づいて設定することができ、設置場所や経時変化によって紙幣搬送装置に関する諸条件(第2の紙幣検出部と紙幣入口センサとの距離、紙幣の搬送速度、紙幣搬送装置の設置台数等)が変化した場合であっても、設置条件に合わせてプレス部の動作タイミングを適切に調整することができる。
【0090】
また、前記紙幣処理装置または前記紙幣搬送装置は、一時的に紙幣を保留するエスクロ機能を有し、前記紙幣収容装置は、前記エスクロ機能を解除して紙幣を排出させるエスクロ解除要求を行うエスクロ解除要求手段を備え、前記エスクロ解除要求手段は、前記プレス部の動作が完了した後に、前記紙幣処理装置または前紙幣搬送装置に対して前記エスクロ解除要求(例えば、
図6(b)のステップS203の処理)を行うことが可能であってもよい。
【0091】
このような構成とすれば、プレス部の動作が完了するタイミングを、エスクロ機能を解除するタイミングとしても利用することができるため、プレス動作が完了し、かつ、搬送路に紙幣が無いことを確認した上でエスクロ解除を行うことができ、紙幣の搬送を円滑に行うことができる。
【0092】
なお、本発明に係る紙幣搬送収容システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0093】
したがって、例えば、各種センサは、投光部と受光部からなる光学式の非接触型センサに限定されず、例えば、接触型のセンサ等を適用してもよい。また、センサの制御信号は、正論理(検出でON、非検出でOFF)に限定されず、負論理(検出でOFF、非検出でON)であってもよい。
【0094】
また、プレス制御やエスクロ制御においては、紙幣排出センサ24、Unit0センサ、Unit1センサ、紙幣入口センサのみを用いる例を示したが、これらのセンサに加えて、他の紙幣処理装置20、紙幣収容装置40等のセンサを用いて制御を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係る紙幣搬送収容システムは、パチンコ店等の遊技店において広く適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
10 紙幣搬送収容システム
20 紙幣処理装置
24 紙幣排出センサ
30 紙幣搬送装置
34 紙幣詰まりセンサ
36 紙幣入口センサ
40 紙幣収容装置
48 プレス板