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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127827
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ヒンジカバー
(51)【国際特許分類】
   E05D 11/00 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
E05D11/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026027
(22)【出願日】2021-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】521076971
【氏名又は名称】有限会社原建
(74)【代理人】
【識別番号】100155882
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154678
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 光彦
【テーマコード(参考)】
2E032
【Fターム(参考)】
2E032AA06
(57)【要約】
【課題】ヒンジやヒンジを覆うカバーに衣服や紐が引っ掛かることがない安全なヒンジカバーを提供する。
【解決手段】ヒンジカバー1は、ドア枠Fに取り付けられる第1部材2と、ドアDに取り付けられる第2部材3とを備える。第1部材2は、ヒンジHの上方に位置する第1上覆部21と、ヒンジHの下方に位置する第1下覆部22と、それらの間に位置する第1中間部23とを備える。第2部材3は、ヒンジHの上方に位置する第2上覆部31と、ヒンジHの下方に位置する第2下覆部32と、それらの間に位置する第2中間部33とを備える。第1部材2は、ドア枠Fに取り付けられる第1取付側部24と、第1取付部24に対向する第1開放側部25とを備え、第2部材3は、ドアD枠に取り付けられる第2取付側部34と、第2取付側部34に対向する第2開放側部35とを備える。第2開放側部35には、第1部材2の内側に向かって起立する起立部36を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアとドア枠の間に取り付けられたヒンジを覆うヒンジカバーであって、
前記ドア又は前記ドア枠のいずれか一方に取り付けられる第1部材と、いずれか他方に取り付けられる第2部材とを備え、
前記第1部材は、前記ヒンジの上方に位置する第1上覆部と、前記ヒンジの下方に位置する第1下覆部と、前記第1上覆部及び前記第1下覆部の間に位置する第1中間部とを備え、前記第1上覆部は上端から前記第1中間部に向かって円弧状であり、前記第1下覆部は下端から前記第1中間部に向かって円弧状であり、
前記第2部材は、前記ヒンジの上方に位置する第2上覆部と、前記ヒンジの下方に位置する第2下覆部と、前記第2上覆部及び前記第2下覆部の間に位置する第2中間部とを備え、前記第2上覆部は上端から前記第2中間部に向かって円弧状であり、前記第2下覆部は下端から前記第2中間部に向かって円弧状であり、
前記第2上覆部及び前記第2下覆部の半径は、前記第1上覆部及び前記第1下覆部の半径よりも小さく、前記第2部材は前記第1部材の内側を回動可能であることを特徴とするヒンジカバー。
【請求項2】
前記第2部材は、前記ドア又は前記ドア枠に取り付けられる第2取付側部と、前記第2取付側部に対向する第2開放側部とを備え、
前記第2開放側部には、前記第1部材に向かって起立する起立部を備え、前記起立部によって前記第1部材の内側と前記第2部材の外側との隙間を埋めることができることを特徴とする請求項1記載のヒンジカバー。
【請求項3】
前記第1部材は、前記ドア又は前記ドア枠に取り付けられる第1取付側部と、前記第1取付部に対向する第1開放側部とを備え、
前記第1取付側部及び前記第1開放側部のなす角は90°であり、前記第2取付側部及び前記第2開放側部のなす角は90°であることを特徴とする請求項1又は2記載のヒンジカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばドアとドア枠の間に取り付けられたヒンジを覆うためのカバーであって、特にその上部及び下部において円弧状を有するヒンジカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドア枠に対してドアを開閉可能とするために、ドアとドア枠とをヒンジを介して連結する。このように連結したドアとドア枠との間には隙間が生じ、隙間に指を挟むなどの危険性があった。そこで特許文献1によれば、ドアとドア枠との隙間に指が挟まれないように隙間カバーを設けることとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6316737号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の隙間カバーは、隙間を埋めることを目的としたものであり、衣服や紐が引っ掛からないことを目的としたものはなかった。ヒンジはドアの上下に設置され、ドアを閉めた状態でもヒンジの軸がドアから突出するようになっているものもある。このようなヒンジは縊死に利用されることもあった。また、誤って衣服がヒンジに引っ掛かってしまう危険もあった。
【0005】
この発明は、ヒンジやヒンジを覆うカバーに衣服や紐が引っ掛かることがない安全なヒンジカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ドアとドア枠の間に取り付けられたヒンジを覆うヒンジカバーであって、前記ドア又は前記ドア枠のいずれか一方に取り付けられる第1部材と、いずれか他方に取り付けられる第2部材とを備え、前記第1部材は、前記ヒンジの上方に位置する第1上覆部と、前記ヒンジの下方に位置する第1下覆部と、前記第1上覆部及び前記第1下覆部の間に位置する第1中間部とを備え、前記第1上覆部は上端から前記第1中間部に向かって円弧状であり、前記第1下覆部は下端から前記第1中間部に向かって円弧状であり、前記第2部材は、前記ヒンジの上方に位置する第2上覆部と、前記ヒンジの下方に位置する第2下覆部と、前記第2上覆部及び前記第2下覆部の間に位置する第2中間部とを備え、前記第2上覆部は上端から前記第2中間部に向かって円弧状であり、前記第2下覆部は下端から前記第2中間部に向かって円弧状であり、前記第2上覆部及び前記第2下覆部の半径は、前記第1上覆部及び前記第1下覆部の半径よりも小さく、前記第2部材は前記第1部材の内側を回動可能であることを特徴とする。
このヒンジカバーによれば、第1部材とその内側を回動可能な第2部材とを備え、第1上覆部、第1下覆部、第2上覆部及び第2下覆部が、それぞれ円弧状を有するので、ヒンジ及びヒンジカバーに衣服や紐が引っ掛かるのを防止することができる。
【0007】
前記第2部材は、前記ドア又は前記ドア枠に取り付けられる第2取付側部と、前記第2取付側部に対向する第2開放側部とを備え、前記第2開放側部には、前記第1部材に向かって起立する起立部を備え、前記起立部によって前記第1部材の内側と前記第2部材の外側との隙間を埋めることができることを特徴とする。
起立部を備えることにより、第2部材と第1部材との隙間を小さくすることができ、この間に指を挟んでしまうことがない。
【0008】
前記第1部材は、前記ドア又は前記ドア枠に取り付けられる第1取付側部と、前記第1取付部に対向する第1開放側部とを備え、前記第1取付側部及び前記第1開放側部のなす角は90°であり、前記第2取付側部及び前記第2開放側部のなす角は90°であることを特徴とする。
このような角度にすることによってドアを開けた際にヒンジカバーの第1開放側部又は第2開放側部がドア枠等にぶつからないようにすることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明にヒンジカバーによれば、第1部材とその内側を回動可能な第2部材とを備え、第1上覆部、第1下覆部、第2上覆部及び第2下覆部が、それぞれ円弧状を有するので、ヒンジ及びヒンジカバーに衣服や紐が引っ掛かるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ヒンジが取り付けられたドアの概略図。
図2図1のヒンジをヒンジカバーで覆った状態を示す斜視図。
図3図2のIIIで囲った部分の拡大図。
図4】ヒンジカバーの正面図。
図5】(a)図4のV-V線断面図であってヒンジカバー1のみを示した図。 (b)図4(a)と同様の図であって第2部材が第1部材に対して回動した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の一実施形態におけるヒンジカバー1は、ドアDとドア枠Fの間に取り付けられたヒンジHを覆うものである。図1に示したように、ドアDはドア枠Fに対してヒンジHを介して回動可能である。具体的には、ヒンジHは、一方の羽根をドアDに接合し、他方の羽根をドア枠Fに接合する。一方の羽根と他方の羽根は軸H1で互いに回動可能に取り付けられるが、特にドアDを閉めた状態において、軸H1がドアDの一方の面から突出する。このようなヒンジHをヒンジカバー1で覆うことによって特に突出した軸に衣類や紐等が引っ掛かることがなく、ぶつかったとしても怪我の程度を軽減することができる。
【0012】
図2~5を参照すれば、ヒンジカバー1は、ドアD又はドア枠Fのいずれか一方に取り付けられる第1部材2と、いずれか他方に取り付けられる第2部材3とを備える。この実施形態において第1部材2はドア枠Fに取り付けられ、第2部材3はドアDに取り付けられる。
【0013】
特に図3及び図4を参照すれば、第1部材2は、ヒンジHの上方に位置する第1上覆部21と、ヒンジHの下方に位置する第1下覆部22と、第1上覆部21及び第1下覆部22の間に位置する第1中間部23とを備える。同様に、第2部材3は、ヒンジHの上方に位置する第2上覆部31と、ヒンジHの下方に位置する第2下覆部32と、第2上覆部31及び第2下覆部32の間に位置する第2中間部33とを備える。
【0014】
第1部材2は、ドア枠Fに取り付けられる第1取付側部24と、第1取付側部24に対向する第1開放側部25とを備え、同様に、第2部材3は、ドアD枠に取り付けられる第2取付側部34と、第2取付側部34に対向する第2開放側部35とを備える。第1部材2と第2部材3とは、少なくとも第1開放側部25及び第2開放側部35で互いに重なる。第2開放側部35には、第1部材2の内側に向かって起立する起立部36を備え、起立部36によって第1部材2の内側と第2部材3の外側との隙間を小さくすることができる。この実施形態において第1取付側部24及び第1開放側部25のなす角は約90°であり、第2取付側部34及び第2開放側部35のなす角は約90°である。
【0015】
第1上覆部21は上端から第1中間部23に向かって円弧状であり、第1下覆部22は下端から第1中間部23に向かって円弧状である。同様に、第2上覆部31は上端から第2中間部33に向かって円弧状であり、第2下覆部32は下端から第2中間部33に向かって円弧状である。第2上覆部31及び第2下覆部32の半径は、第1上覆部21及び第1下覆部22の半径よりも小さく、第2部材3は第1部材2の内側を回動可能である。
【0016】
特に図5(a)を参照すれば、第1中間部23はその断面において円弧状であり、第2中間部33もその断面において円弧状である。第2中間部33は第1中間部23よりも半径が小さい。このような構成において、ドアDの開閉によって第2部材3が第1部材2の内側を矢印Aで示した方向に回動する。図5(a)はドアDが閉じられた状態を示している。このようにドアDが閉じられた状態において、第2部材3の第2開放側部35と第1部材2の第1開放側部25が重なり、第2部材3の起立部36が第1部材2との隙間を埋めているので、第1部材2と第2部材3との間に指等を挟んでしまうことがない。
【0017】
ドアDが閉じられた状態において、ヒンジHはその全体がヒンジカバー1で覆われているので、ヒンジHに紐等が引っ掛かるのを防止することができる。また、第1部材2及び第2部材3の第1上覆部21及び第2上覆部31は円弧状を呈しているので、仮に紐等を引っ掛けようとしても滑り落ちてしまい引っ掛かることがない。したがって、特にドアDが閉じられた状態における縊死を予防することができるとともに、衣服等が引っ掛かるのを予防することができる。また、第1上覆部21及び第2上覆部31が円弧状を呈し、また第1下覆部22及び第2下覆部32も円弧状を呈し、さらに第1中間部23及び第2中間部33も円弧状を呈しているので、ヒンジカバー1全体に角がなく丸みを帯びている。したがって、ヒンジカバー1に誤ってぶつかってしまった場合であっても、その衝撃を分散し怪我をしにくくすることができる。
【0018】
図5(b)は、図5(a)の状態からドアDが開けられた状態を示している。ドアDが開けられると、ドアDに固定された第2部材3も連動し、第1部材2に対して回動する。この時第2部材3の起立部36が第1部材2の内周を摺動するように移動し、隙間が生じるのを予防する。したがって、回動中であっても第1部材2と第2部材3との間に指等を挟んでしまうことがない。ドアDが開けられた状態においても、ヒンジHはその全体をヒンジカバー1で覆うことができ、紐等の引っ掛かりや怪我等を防止することができる。
【0019】
第1取付側部24及び第1開放側部25のなす角は約90°であり、第2取付側部34及び第2開放側部35のなす角は約90°である。このような角度にすることによって、ドアDが開けられた状態において、第2開放側部35及び起立部36がドアDにぶつからないようにすることができる。なお、ドアDの開放角度によって、これら取付側部及び開放側部の角度を調整することができる。
【0020】
この発明のヒンジカバー1は、ドアDの開状態及び閉状態のいずれにおいてもヒンジHを覆うことができ、ヒンジHに紐や覆等が引っ掛かるのを防止できるだけでなく、ヒンジカバー1にも紐等が引っ掛かるのを予防することができる。また、ヒンジカバー1の第1部材2及び第2部材3の間に指等が挟まるのを防ぎ、ヒンジカバー1への衝突による怪我も予防することができる。
【0021】
ヒンジカバー1の大きさは、ヒンジHの大きさやドアDの大きさ、材質、設置場所等によって適宜変更可能である。この実施形態では、ヒンジH毎にヒンジカバー1を設けるようにしているが、上下に離間する二つのヒンジを同時に覆うヒンジカバーとしてもよい。また、ヒンジカバー1の材質は特に限定されるものではなく、例えば、金属製又は硬質樹脂製とすることができる。
【0022】
1 ヒンジカバー
2 第1部材
3 第2部材
21 第1上覆部
22 第1下覆部
23 第1中間部
24 第1取付側部
25 第1開放側部
31 第2上覆部
32 第2下覆部
33 第2中間部
34 第2取付側部
35 第2開放側部
36 起立部
D ドア
F ドア枠
H ヒンジ
H1 軸
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記第1部材は、前記ドア又は前記ドア枠に取り付けられる第1取付側部と、前記第1取付側部に対向する第1開放側部とを備え、
前記第1取付側部及び前記第1開放側部のなす角は90°であり、前記第2取付側部及び前記第2開放側部のなす角は90°であることを特徴とする請求項2記載のヒンジカバー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記第1部材は、前記ドア又は前記ドア枠に取り付けられる第1取付側部と、前記第1取付側部に対向する第1開放側部とを備え、前記第1取付側部及び前記第1開放側部のなす角は90°であり、前記第2取付側部及び前記第2開放側部のなす角は90°であることを特徴とする。
このような角度にすることによってドアを開けた際にヒンジカバーの第1開放側部又は第2開放側部がドア枠等にぶつからないようにすることができる。