(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127844
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20220825BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B41J2/01 129
B41J2/01 401
B41M5/00 120
B41M5/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026049
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】成澤 宗樹
(72)【発明者】
【氏名】石原 正教
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
【Fターム(参考)】
2C056EC36
2C056EC41
2C056FD20
2H186AA04
2H186AB11
2H186FB44
(57)【要約】
【課題】触感を制御することができる新規なインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体2に向かって光硬化性インクの液滴を吐出するノズルを有するインクヘッドと、記録媒体2の上に吐出された前記液滴に光を照射する光照射装置と、前記インクヘッドと前記光照射装置とを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記ノズルから吐出する前記光硬化性インクの吐出量、および、前記光照射装置から前記光を照射するタイミングを制御することによって、記録媒体2の上に所定のサイズおよび/または所定の表面粗さを有する突起3を形成し、前記記録媒体に触感を付与するように構成された触感付与制御部を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に向かって光硬化性インクの液滴を吐出するノズルを有するインクヘッドと、
前記記録媒体の上に吐出された前記液滴に光を照射する光照射装置と、
前記インクヘッドと前記光照射装置とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ノズルから吐出する前記光硬化性インクの吐出量、および、前記光照射装置から前記光を照射するタイミングを制御することによって、前記記録媒体の上に所定のサイズおよび/または所定の表面粗さを有する突起を形成し、前記記録媒体に触感を付与するように構成された触感付与制御部を備える、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記触感付与制御部は、前記表面粗さが、次の条件:
JIS-B0601:2001に基づくうねり曲線の算術平均高さWaが、3.0μm≦Wa;
JIS-B0601:2001に基づく粗さ曲線の算術平均高さRaが、0.2μm≦Ra;
をいずれも具備する前記突起を形成するように構成された第1触感付与制御部を備える、
請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記第1触感付与制御部は、前記ノズルから吐出された前記液滴が前記記録媒体に着弾してから100ms以内に前記光を照射するように構成されている、
請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記触感付与制御部は、前記表面粗さが、次の条件:
JIS-B0601:2001に基づくうねり曲線の算術平均高さWaが、Wa<3.0μm;
JIS-B0601:2001に基づく粗さ曲線の算術平均高さRaが、0.02μm<Ra<0.2μm;
をいずれも具備する前記突起を形成するように構成された第2触感付与制御部を備える、
請求項1から3のいずれか1つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記第2触感付与制御部は、前記ノズルから吐出された前記液滴が前記記録媒体に着弾してから1000ms以上10000ms以下の時間が経過した後に前記光を照射するように構成されている、
請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記触感付与制御部は、単位突起当たりの前記液滴の吐出量を、500pl以上10000pl以下とするように構成されている、
請求項1から5のいずれか1つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記触感付与制御部は、単位液滴当たりの前記液滴の吐出量を、10pl以上40pl以下とするように構成されている、
請求項1から6のいずれか1つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記触感付与制御部は、前記サイズが、次の条件:
直径Dが、100μm≦D≦1000μm;
高さHが、20μm≦H≦100μm;
をいずれも具備する前記突起を形成するように構成されている、
請求項1から7のいずれか1つに記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性インクを用いるインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクジェット方式によって記録媒体の上に所望の画像を印刷するインクジェットプリンタが知られている。例えば特許文献1には、UVインクの液滴を吐出するノズルを有するインクジェットヘッドを備え、ノズルから70pl以上の液滴を吐出して、記録媒体の上にワンパスで印刷を行うインクジェットプリンタが開示されている。特許文献1には、ノズルから70pl以上の巨大液滴を吐出することにより、算術粗さが3μm以上の凹凸を有する印刷物を形成して、印刷媒体に加飾効果を付与する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者らの検討によれば、上記技術をもってしても、印刷物の触感(さわりごこち)を制御することは難しかった。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、触感を制御することができる新規なインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、印刷物の表面に突起を形成し、さらに当該突起の表面状態、例えば突起のサイズや表面粗さの違いによって、印刷物の触感を制御することを考えた。そして、鋭意検討を重ね、本発明を創出するに至った。
【0006】
本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体に向かって光硬化性インクの液滴を吐出するノズルを有するインクヘッドと、前記記録媒体の上に吐出された前記液滴に光を照射する光照射装置と、前記インクヘッドと前記光照射装置とを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記ノズルから吐出する前記光硬化性インクの吐出量、および、前記光照射装置から前記光を照射するタイミングを制御することによって、前記記録媒体の上に所定のサイズおよび/または所定の表面粗さを有する突起を形成し、前記記録媒体に触感を付与するように構成された触感付与制御部を備える。
【0007】
上記インクジェットプリンタでは、記録媒体の上に所定のサイズおよび/または所定の表面粗さ(凹凸)を有する突起を形成することができる。これにより、印刷物に対して所望の触感、例えば粗い触感や滑らかな触感を選択的に付与することができる。したがって、例えば特許文献1の技術に比べて、印刷物の触感を好適に制御することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のインクジェットプリンタによれば、印刷物の触感を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。
【
図3】
図1の制御部の構成を表す機能ブロック図である。
【
図4】複数の突起を備えた突起部の一例を表す模式的な斜視図である。
【
図6】(A)はレーザー顕微鏡画像であり、(B)は(A)のL1-L1に沿った断面プロファイルである。
【
図7】(A)はレーザー顕微鏡画像であり、(B)は(A)のL2-L2に沿った断面プロファイルである。
【
図8】(A)はレーザー顕微鏡画像であり、(B)は(A)のL3-L3に沿った断面プロファイルである。
【
図9】(A)はレーザー顕微鏡画像であり、(B)は(A)のL4-L4に沿った断面プロファイルである。
【
図10】(A)はレーザー顕微鏡画像であり、(B)は(A)のL5-L5に沿った断面プロファイルである。
【
図11】(A)はレーザー顕微鏡画像であり、(B)は(A)のL6-L6に沿った断面プロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態にかかるインクジェットプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。また、本明細書において範囲を示す「A~B」(A,Bは任意の数値)の表記は、A以上B以下の意と共に、「好ましくはAより大きい」および「好ましくはBより小さい」の意を包含する。
【0011】
なお、本明細書において「インクジェットプリンタ」とは、従来公知のインクジェット技術による印刷方法、例えば、二値偏向方式あるいは連続偏向方式等の連続方式や、サーマル方式、あるいは圧電素子方式等の各種のオンデマンド方式を利用したプリンタ全般をいう。また、「プリンタ」には、二次元の画像を印刷する2Dプリンタと、三次元の造形物を造形する3Dプリンタ(三次元造形装置)と、が包含される。
【0012】
図1は、インクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」ということがある。)10の正面図である。プリンタ10は、2Dプリンタである。なお、以下の説明において、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいるユーザ(プリンタ10の使用者)から見た左、右、上、下をそれぞれ意味し、プリンタ10からユーザに近づく方を前方、遠ざかる方を後方とする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ、前、後、左、右、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、前後方向(副走査方向)、左右方向(主走査方向)、上下方向を表すものとする。また、上下方向は、記録媒体2および突起3(
図4参照)の高さ方向の一例である。ただし、これらは説明の便宜上定めたものに過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではない。
【0013】
プリンタ10は、光硬化性インクを用いて記録媒体2に画像等を印刷する光硬化型プリンタである。なお、本明細書において「光硬化型プリンタ」とは、光源から、紫外線、X線、可視光線、赤外線等を含む電磁波(広義の光)を照射することにより、記録媒体2の上の光硬化性インクを硬化させて、画像を形成する印刷装置全般をいう。また、本明細書において「画像」とは、記録媒体2の上に形成される像のことであり、その内容は特に限定されない。画像には、文字、数字、記号、図形、絵柄、模様等が含まれる。また、記録媒体2は、画像が印刷される対象物であり、その形状や材質は特に限定されない。記録媒体2は、例えば、普通紙、インクジェット用印刷紙、転写紙、カード等の紙類であってもよいし、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の樹脂製のシート、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、木材、ガラス、ゴム等の各種の材料からなる板材、織布や不織布等の布帛、皮革、その他の媒体であってもよい。
【0014】
プリンタ10は、所謂、フラットベッドタイプのプリンタである。プリンタ10は、左右方向Yに延びた箱状に形成されている。プリンタ10は、開口11を有するケーシング12と、開口11を開閉自在に覆うフロントカバー13と、を備えている。フロントカバー13の後端を軸にしてフロントカバー13が上方に開かれることにより、ケーシング12の内部空間と外部空間とが連通される。なお、
図1には、フロントカバー13が開いた状態を表している。
【0015】
プリンタ10は、テーブル20と、キャリッジ30と、キャリッジ移動機構31と、インクヘッド40(
図2参照)と、インクタンク41、42と、光照射装置50(
図2参照)と、制御部60(
図3も参照)と、を備えている。
【0016】
テーブル20は、ケーシング12の内部空間に配置されている。テーブル20は、記録媒体2が載置される台である。テーブル20は、キャリッジ30よりも下方に設けられている。テーブル20は、ここでは矩形状の部材である。テーブル20は、図示しないテーブル移動機構によって、前後方向Xおよび上下方向Zに移動可能に構成されている。
【0017】
キャリッジ30は、ケーシング12の内部空間に配置されている。キャリッジ30は、テーブル20よりも上方に設けられている。キャリッジ30は、後述するキャリッジ移動機構31によって左右方向Yに移動可能に構成されている。
図2は、キャリッジ30の拡大図である。
図2に示すように、キャリッジ30には、インクヘッド40と光照射装置50とが搭載されている。本実施形態において、インクヘッド40と光照射装置50とは、キャリッジ30と一体になって左右方向Yに移動する。
【0018】
キャリッジ移動機構31は、キャリッジ30を左右方向Yに移動させる機構である。
図1に示すように、キャリッジ移動機構31は、ガイドレール32と、図示しないベルトと、図示しない左右のプーリと、左右移動用モータ33(
図3参照)と、を備えている。ガイドレール32は、ケーシング12に固定され、左右方向Yに延びている。ガイドレール32は、テーブル20よりも上方に設けられている。ガイドレール32には、キャリッジ30が摺動自在に係合している。ガイドレール32は、キャリッジ30の左右方向Yの移動を案内する。キャリッジ30には、無端状のベルトが固定されている。ベルトは、ガイドレール32の左右に配置されたプーリに巻き掛けられている。一方のプーリには、左右移動用モータ33が取り付けられている。左右移動用モータ33は制御部60と電気的に接続されており、制御部60によって制御される。左右移動用モータ33が駆動するとプーリが回転し、ベルトが走行する。これにより、キャリッジ30は、ガイドレール32に沿って左右方向Yに移動する。ただし、ここで説明する機構は一例に過ぎず、キャリッジ移動機構31の構成は特に限定されない。
【0019】
インクヘッド40は、記録媒体2に向かって光硬化性インクの液滴を吐出するものである。
図2に示すように、インクヘッド40はキャリッジ30に設けられている。インクヘッド40の数は、ここでは6つである。6つのインクヘッド40は、ここでは所謂インライン配列で配置されている。ただし、インクヘッド40の数や配置は一例に過ぎず、特に限定されない。インクヘッド40は、記録媒体2と対向する側の面(ここでは下面)に、光硬化性インクを吐出するノズル40Nを備えている。インクヘッド40は、制御部60と電気的に接続されている。制御部60には、インクヘッド40に所定量のインクを吐出させるための複数のパルス波形(駆動パルス)が記憶されている。ノズル40Nからの液滴の吐出量は、インクヘッド40に供給される駆動パルスによって調整される。インクヘッド40は、可撓性を有するインクチューブ(図示せず)によって、インクタンク41、42とそれぞれ連通されている。
【0020】
インクタンク41、42は、光硬化性インクを貯留する容器である。インクタンク41、42は、キャリッジ30には搭載されず、ケーシング12の内部空間に静置されている。インクタンク41、42は、例えばインクカートリッジである。インクタンク41、42には、それぞれ、紫外線(波長:10~400nm)が照射されると硬化する性質を有する紫外線硬化インク(UVインク)が貯留されている。
【0021】
インクタンク41は、ここでは5つである。インクタンク41には、それぞれ有色の光硬化性インク(有色インク)が貯留されている。5つのインクタンク41には、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクのプロセスカラーインク(CMYK)、およびホワイトインクが貯留されている。インクタンク42は、ここでは1つである。インクタンク42には、透明の光硬化性インク(クリアインク)が貯留されている。ただし、インクタンク41、42の数やインクの種類は一例に過ぎず、特に限定されない。なお、本明細書において「クリアインク」とは、着色剤(可視光領域の波長の光を吸収する成分)を含まないか、含んでいても着色を目的としない程度である(例えば着色剤がインク全体の略0.1質量%以下である)インクをいい、「有色インク」とは、クリアインクを除くインク全般、典型的には着色剤を含むインク全般をいう。
【0022】
光照射装置50は、記録媒体2の上に吐出された光硬化性インクの液滴に光を照射して、当該光硬化性インクを硬化させる装置である。
図2に示すように、光照射装置50はキャリッジ30に設けられている。光照射装置50の数は、ここでは2つである。2つの光照射装置50は、ここではインクヘッド40を左右両端から挟み込むように配置されている。ただし、光照射装置50の数や配置は一例に過ぎず、特に限定されない。光照射装置50は、ここでは紫外線を照射する紫外線ランプ(UVランプ)である。光照射装置50は、例えばLED(Light Emitting Diode)ランプである。光照射装置50は、制御部60と電気的に接続されている。光照射装置50の点灯(ON)と消灯(OFF)は、制御部60によって制御される。
【0023】
制御部60は、プリンタ10の全体の動作を制御するものである。本実施形態において、制御部60は、ケーシング12の内部に配置されたプリンタ10専用のコンピュータである。制御部60は、例えばマイクロコンピュータである。ただし、制御部60の機能の一部または全部は、ケーシング12の外部に配置され、有線または無線を介してプリンタ10と通信可能に接続された汎用のパーソナルコンピュータ等で実行されてもよい。
【0024】
制御部60のハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置と、を備えている。
【0025】
図3は、制御部60の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御部60は、キャリッジ移動機構31の左右移動用モータ33と、インクヘッド40と、光照射装置50とに、それぞれ通信可能に接続されており、これらを制御するように構成されている。本実施形態において、制御部60は、印刷信号受信部61と、画像形成制御部62と、触感付与制御部63と、を備えている。ただし、画像形成制御部62は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。制御部60の各部は、相互に通信可能に構成されている。制御部60の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。制御部60の各部は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれたものであってもよい。
【0026】
印刷信号受信部61は、ホストコンピュータ等の図示しない外部機器から印刷データを受信する制御部である。印刷データは、例えばラスター形式のデータである。印刷データは、少なくとも記録媒体2の上に印刷する突起3(
図4参照)を表すデータ(突起形成用データ)を含んでいる。印刷データは、ここでは記録媒体2の上に印刷する画像を表すデータ(画像形成用データ)をさらに含んでいる。
【0027】
画像形成制御部62は、記録媒体2の上に所望の画像を形成するための制御部である。画像形成制御部62は、印刷信号受信部61が受信した画像形成用データに基づいて、テーブル20上の記録媒体2の上に画像を形成する画像形成動作を実行する制御部である。画像形成制御部62は、キャリッジ移動機構31の左右移動用モータ33を制御して、キャリッジ30を左右方向Yに移動させる。画像形成制御部62は、インクヘッド40を制御して、記録媒体2に向かって光硬化性インクの液滴を吐出させる。画像形成制御部62は、例えば有色インクの液滴を吐出させる。画像形成制御部62は、インクヘッド40から光硬化性インクを吐出した後に光照射装置50を制御して、記録媒体2の上の光硬化性インクに向かって光を照射する。
【0028】
触感付与制御部63は、記録媒体2の上に所望の触感を付与するための制御部である。触感付与制御部63は、印刷信号受信部61が受信した突起形成用データに基づいて、テーブル20上の記録媒体2の上に、1つまたは複数の突起3(
図4参照)を形成する突起形成動作を実行する制御部である。触感付与制御部63は、キャリッジ移動機構31の左右移動用モータ33を制御して、キャリッジ30を左右方向Yに移動させる。触感付与制御部63は、インクヘッド40を制御して、記録媒体2に向かって所定量の光硬化性インクの液滴を吐出させる。触感付与制御部63は、例えばクリアインクの液滴を吐出させる。触感付与制御部63は、インクヘッド40から光硬化性インクを吐出した後に光照射装置50を制御して、所定のタイミングで記録媒体2の上の光硬化性インクに向かって光を照射する。触感付与制御部63は、複数の突起3を形成するように構成されていてもよい。触感付与制御部63は、画像形成制御部62が画像形成動作を実行し、記録媒体2の上に画像が形成された後、当該画像の上に突起3を形成するように構成されていてもよい。
【0029】
触感付与制御部63は、インクヘッド40のノズル40Nから吐出する光硬化性インクの吐出量、および、光照射装置50から光を照射するタイミングを制御することによって、記録媒体2の上に、所定のサイズおよび/または所定の表面粗さを有する突起3(
図4参照)を形成するように構成されている。形成する突起3のサイズおよび/または表面粗さを調整することで、印刷物の表面の触感を好適に制御することができる。
【0030】
突起3のサイズは、所望の触感が実現されるように調整される。このため、特に限定されるものではないが、触感付与制御部63は、突起3の直径Dが、概ね10μm以上、例えば50μm以上、好ましくは100μm以上であって、概ね2000μm以下、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下となるように、突起3を形成するように構成されていてもよい。また、触感付与制御部63は、突起3の高さH(最大高さ、複数の突起3の場合は平均高さ)が、典型的には直径D以下であり、例えば1μm以上、例えば10μm以上、好ましくは20μm以上であって、概ね500μm以下、例えば200μm以下、好ましくは100μm以下となるように、突起3を形成するように構成されていてもよい。突起3の高さHに対する直径Dの比(D/H)は、概ね1以上、例えば2以上、5以上であって、概ね50以下、例えば25以下であってもよい。上記のうちの少なくとも1つを満たすことで、突起3を立体的に盛り上げ、印刷物に触れた際の触感を効果的に高めることができる。なお、突起3のサイズは、例えば印刷物の側面あるいは断面の観察画像から求めることができる。
【0031】
図4は、複数の突起3を備えた突起部4の斜視図である。
図5は、矢印の方向から見た突起3の側面図である。
図4に示すように、突起部4では、記録媒体2の上に、複数の同一形状の突起3が所定のピッチPで規則的に配置されている。突起3は、平面視において略円形である。
図5に示すように、側面視において、突起3はドーム状である。なお、
図5には、20plの液滴からなる突起3を表している。1液滴(20pl)の直径d0は、ここでは50μmであり、1液滴(20pl)の高さh0は、ここでは10μmである。突起3の直径Dは、ここでは100μmであり、突起3の高さHは、ここでは50μmである。また、隣り合う2つの突起3の間の距離(ピッチP)は、ここでは100μmである。ピッチPは、好ましくは直径D以上であって、例えば100~1000μmであってもよい。
【0032】
突起3の表面粗さは、所望の触感が実現されるように調整される。本発明者らの検討によれば、触感を好適に制御する観点から、表面粗さとして「うねり曲線の算術平均高さWa」および/または「粗さ曲線(roughness profile)の算術平均高さRa」のうちの少なくとも一方(好ましくは両方)を調整することが好ましい。「うねり曲線の算術平均高さWa」は、突起3の表面の凹凸(大きな凹凸、言い換えれば大きな表面粗さ)を表し、「粗さ曲線の算術平均高さRa」は、印刷物の表面の粗さ(表面の微細な凹凸、言い換えれば小さな表面粗さ)を表している。これらの表面粗さは、JIS-B0601:2001に基づいて、基準長さLにおける断面プロファイル(primary profile)から求めることができる。断面プロファイルは、例えばレーザー顕微鏡で測定することができる。
【0033】
なお、本明細書において「うねり曲線の算術平均高さWa」とは、断面プロファイルにカットオフ値λc(25μm)の輪郭曲線フィルタをかけることによって、λcより短波長の表面粗さの成分を断面プロファイルから除去して得られる「うねり曲線」において、基準長さL(0.8mm)における絶対値の平均をいう。なお、算術平均高さWaの算出では、微細な凹凸以外の全ての大きな凹凸を考慮するために、カットオフ値λfのフィルタはかけていない。また、本明細書において「粗さ曲線の算術平均高さRa」とは、断面プロファイルにカットオフ値λc(25μm)の高域フィルタをかけることによって、断面プロファイルからλcより長波長の表面粗さの成分を除去して得られる「粗さ曲線」において、基準長さL(0.8mm)における絶対値の平均をいう。
【0034】
本実施形態において、触感付与制御部63は、記録媒体2の上に異なる触感を付与する2つの制御部、すなわち第1触感付与制御部81と第2触感付与制御部82とを備えている。ただし、他の実施形態において、いずれか一方を省略することもできる。
【0035】
第1触感付与制御部81は、記録媒体2の上に粗い触感を付与するための制御部である。第1触感付与制御部81は、記録媒体2よりも表面粗さ(凹凸)の大きい突起3あるいは突起部4を記録媒体2の上に形成する制御部であってもよい。なお、本明細書において「記録媒体2よりも表面粗さの大きい」とは、うねり曲線の基準長さにおける算術平均高さWaおよび粗さ曲線の基準長さにおける算術平均高さRaのうちの少なくとも一方(好ましくは両方)が、記録媒体2よりも大きいことをいう。
【0036】
特に限定されるものではないが、第1触感付与制御部81は、うねり曲線の算術平均高さWaが、3.0μm以上、好ましくは5.0μm以上、より好ましくは10.0μm以上であって、概ね100μm以下、例えば50μm以下、30μm以下、20μm以下の突起3を形成するように構成されていてもよい。また、第1触感付与制御部81は、粗さ曲線の算術平均高さRaが、0.2μm以上であって、例えば10μm以下、1μm以下の突起3を形成するように構成されていてもよい。また、Raに対するWaの比(Wa/Ra)は、概ね10以上、例えば20以上、30以上であって、概ね100以下、例えば80以下、70以下であってもよい。Waおよび/またはRaを所定値以上とすることによって、突起3を立体的に盛り上げることができ、際立って粗い触感を実現することができる。Waおよび/またはRaを所定値以下とすることによって、突起3を安定かつスピーディーに形成することができ、印刷スループットを向上することができる。
【0037】
第1触感付与制御部81は、粗い触感を実現するため、ノズル40Nから吐出された液滴が記録媒体2に着弾した直後に、光を照射するように構成されているとよい。例えば液滴が記録媒体2に着弾するのと同時、または、液滴が記録媒体2に着弾してから概ね500ms以内、好ましくは100ms以内、例えば50ms以内のタイミングで、光を照射するように構成されているとよい。これにより、上記したようなサイズおよび/または表面粗さを有する突起3を好適に形成することができる。
【0038】
第2触感付与制御部82は、記録媒体2の上に滑らかな触感を付与するための制御部である。第2触感付与制御部82は、記録媒体2よりも表面粗さ(凹凸)の小さい突起3あるいは突起部4を記録媒体2の上に形成する制御部であってもよい。なお、本明細書において「記録媒体2よりも表面粗さの小さい」とは、うねり曲線の算術平均高さWaおよび粗さ曲線の算術平均高さRaのうちの少なくとも一方(好ましくは両方)が、記録媒体2よりも小さいことをいう。
【0039】
特に限定されるものではないが、第2触感付与制御部82は、うねり曲線の算術平均高さWaが、3.0μm未満、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、例えば測定下限値以下の突起3を形成するように構成されていてもよい。また、第2触感付与制御部82は、粗さ曲線の算術平均高さRaが、概ね0.02μmより大きく、好ましくは0.05μm以上であって、概ね0.5μm以下、好ましくは0.2μm未満、例えば0.1μm以下の突起3を形成するように構成されていてもよい。Waおよび/またはRaを所定値以上とすることによって、確かな触感を実現することができる。Waおよび/またはRaを所定値以下とすることによって、際立って滑らかな触感を実現することができる。
【0040】
第1触感付与制御部81は、滑らかな触感を実現するため、ノズル40Nから吐出された液滴が記録媒体2に着弾した後、しばらくしてから光を照射するように構成されているとよい。例えば液滴が記録媒体2に着弾してから概ね700ms以上、好ましくは1000ms以上、例えば2000ms以上、5000ms以上であって、概ね20000ms以下、好ましくは10000ms以下、例えば7000ms以下の時間が経過したタイミングで、光を照射するように構成されているとよい。これにより、上記したようなサイズおよび/または表面粗さを有する突起3を好適に形成することができる。
【0041】
触感付与制御部63は、ノズル40Nから1回液滴を吐出することによって突起3を形成するように構成されていてもよいし、複数回液滴を吐出して当該液滴を飛翔中マージさせるかあるいは記録媒体2の略同一の位置に着弾させることによって、突起3を形成するように構成されていてもよい。触感付与制御部63は、記録媒体2の同一の印刷領域に対して、キャリッジ30を左右方向Yに複数回走査させ、所謂、マルチパス方式によって突起3を形成するように構成されていてもよい。触感付与制御部63は、1つの液滴(単位液滴)当たりの吐出量を、概ね1pl以上、例えば5pl以上、好ましくは10pl以上であって、概ね100pl以下、例えば50pl以下、好ましくは40pl以下とするように構成されているとよい。これにより、突起3を安定して精度よく形成することができる。
【0042】
触感付与制御部63は、1つの突起3(単位突起)当たりの吐出量を、概ね100pl以上、例えば200pl以上、好ましくは500pl以上であって、概ね50000pl以下、例えば20000pl以下、好ましくは10000pl以下とするように構成されているとよい。単位突起当たりの液滴の吐出量を所定値以上とすることによって、印刷物に確かな触感を付与することができる。また、隣り合う突起3同士が近づきすぎることを回避することができる。また、上記したようなサイズおよび/または表面粗さを有する突起3を好適に形成することができる。
【0043】
以上のように、プリンタ10では、記録媒体2の上の所望の部分に突起3を形成することで、印刷物に所望の触感、例えば粗い触感や滑らかな触感を選択的に付与することができる。これにより、印刷物の触感を好適に制御することができる。
【0044】
本実施形態では、触感付与制御部63は、上記表面粗さが、次の条件:JIS-B0601:2001に基づくうねり曲線の算術平均高さWaが、3.0μm≦Wa;JIS-B0601:2001に基づく粗さ曲線の算術平均高さRaが、0.2μm≦Ra;をいずれも具備する突起3を形成するように構成された第1触感付与制御部81を備える。これにより、記録媒体2の上に際立って粗い触感を付与することができる。
【0045】
本実施形態では、第1触感付与制御部81は、ノズル40Nから吐出された液滴が記録媒体2に着弾してから100ms以内に光を照射するように構成されている。これにより、上記したような表面粗さを有する突起3を好適に形成することができる。
【0046】
本実施形態では、触感付与制御部63は、上記表面粗さが、次の条件:JIS-B0601:2001に基づくうねり曲線の算術平均高さWaが、Wa<3.0μm;JIS-B0601:2001に基づく粗さ曲線の算術平均高さRaが、0.02μm<Ra<0.2μm;をいずれも具備する突起3を形成するように構成された第2触感付与制御部82を備える。これにより、記録媒体2の上に際立って滑らかな触感を付与することができる。
【0047】
本実施形態では、第2触感付与制御部82は、ノズル40Nから吐出された液滴が記録媒体2に着弾してから1000ms以上10000ms以下の時間が経過した後に光を照射するように構成されている。これにより、上記したような表面粗さを有する突起3を好適に形成することができる。
【0048】
本実施形態では、触感付与制御部63は、単位突起当たりの液滴の吐出量を、500pl以上10000pl以下とするように構成されている。これにより、印刷物に確かな触感を付与することができる。
【0049】
本実施形態では、触感付与制御部63は、単位液滴当たりの液滴の吐出量を、10pl以上40pl以下とするように構成されている。これにより、突起3を安定かつスピーディーに形成することができ、印刷スループットを向上することができる。
【0050】
本実施形態では、触感付与制御部63は、上記サイズが、次の条件:直径Dが、100μm≦D≦1000μm;高さHが、20μm≦H≦100μm;をいずれも具備する突起3を形成するように構成されている。これにより、印刷物に触れた際の触感を効果的に高めることができる。
【0051】
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0052】
<試験I-粗い触感の検討>
上記したような触感付与制御部63を備えるプリンタ1を用いて、記録媒体の表面に、
図4に示すような複数の突起を形成した。実施例1では、ノズルから1回に吐出する液滴の量(単位液滴当たりの吐出量)を20plとし、1つの突起当たりの液滴の吐出量を1000plとした。また、記録媒体に液滴が着弾してから100ms以内(約50ms後)に、光照射装置からUV光を照射した。比較例1では、単位液滴当たりの吐出量を実施例1よりも少なくして、複数の突起を形成した。また、参考例1では、プリンタ1の画像形成制御部62で通常印刷(カラー印刷)を行った。そして、非接触式の3D測定レーザー顕微鏡で複数の突起を観察し、得られた観察画像に基づいて断面プロファイルを求めた。また、上記した方法で断面プロファイルに基づいて表面粗さを求めた。結果を
図6~
図8および表1に示す。
【0053】
まず、複数の突起に触れて触感の官能試験を行った。結果を表1に示す。表1では、記録媒体の上で手を動かしたときに、基準としての参考例1(通常印刷)に対して突起部の存在を感じるとともに表面のざらつきを強く感じられた場合に「あり(粗い)」と示し、参考例1に対して突起の存在を感じるとともに表面のざらつきを感じなかった場合に「あり(滑らか)」と示している。また、参考例1に対して突起の存在を感じなかった場合に「なし」と示している。表1に示すように、3.0μm≦Wa(例えば5.0μm以上、10.0μm以上)を満たし、好ましくはさらに、0.2μm≦Raを満たすことで、記録媒体の上に粗い触感を好適に付与することができた。
【0054】
次に、記録媒体の表面を目視で確認し、複数の突起を形成することによる有色インクにより形成された画像の見た目の変化(触察欲求)を確認した。結果を表1に示す。表1では、基準としての参考例1(通常印刷)に対して見た目の変化が大きい場合に「あり」と示し、見た目の変化が小さい場合に「なし」と示している。表1に示すように、Waおよび/またはRaを上記範囲とすることで、記録媒体の上に粗い触感を好適に付与するとともに、見た目を通常印刷と同等に保つことができた。
【0055】
【0056】
<試験II-滑らかな触感の検討>
実施例2では、記録媒体2に液滴が着弾してから1000~10000ms後に光照射装置からUV光を照射したこと以外、実施例1と同様に複数の突起を形成した。また、比較例2では、単位液滴当たりの吐出量を実施例2よりも少なくして、複数の突起を形成した。比較例3では、UV光の照射のタイミングを実施例2よりも早くして、複数の突起を形成した。そして、試験Iと同様に触感の官能試験および見た目の変化(触察欲求)の確認を行った。結果を
図9~
図11および表1に示す。
【0057】
表1に示すように、0.02μm<Ra<0.2μmを満たし、好ましくはさらに、Wa<3.0μm(例えば1.0μm以下、0.5μm以下)を満たすことで、記録媒体の上に滑らかな触感を好適に付与することができた。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0059】
例えば、突起3およびその表面の粗い触感あるいは滑らかな触感は、触感付与制御部63が突起形成動作を実行することによって、記録媒体2の上(表面)に直接形成することもできるし、記録媒体2の上に間接的に形成することもできる。一例として、触感付与制御部63は、記録媒体2の上に、クリアインク(または有色インク)を用いて直接、突起3およびその表面の粗い触感あるいは滑らかな触感を形成してもよい。すなわち、記録媒体2の上に触感のみを付与してもよい。また、他の一例として、突起3およびその表面の粗い触感あるいは滑らかな触感は、記録媒体2上に形成された画像の上に、重ねて形成することもできる。例えば、画像形成制御部62が有色インクを用いて画像形成動作(すなわち、突起のない通常印刷)を実行することにより、記録媒体2の上にカラー画像を形成するとともに、触感付与制御部63がクリアインク(または有色インク)を用いて突起形成動作を実行することにより、上記カラー画像の上に突起3およびその表面の粗い触感あるいは滑らかな触感を形成してもよい。
【0060】
上記した実施形態では、キャリッジ30が左右方向Yに移動し、記録媒体2が前後方向Xに移動するように構成されていたが、これには限定されない。キャリッジ30と記録媒体2との移動は相対的なものであり、そのどちらが左右方向Yまたは前後方向Xに移動してもよい。例えば、記録媒体2は移動不能に配置され、キャリッジ30が左右方向Yおよび前後方向Xの両方向に移動可能なように構成されていてもよい。また、キャリッジ30および記録媒体2のいずれもが両方向に移動可能なように構成されていてもよい。
【0061】
上記した実施形態では、インクヘッド40がキャリッジ30に搭載され、左右方向Yに往復移動(シャトル移動)しながら印刷が行われる、所謂、シャトルタイプ(シリアルタイプ)のプリンタ10について説明したが、これには限定されない。ここに開示される技術は、例えば記録媒体2と同じ幅のラインヘッドを備え、ラインヘッドが固定された状態で印刷が行われる、所謂、ラインタイプのプリンタにも同様に適用することができる。
【0062】
さらに、ここに開示される技術は、様々なタイプのインクジェットプリンタに適用することができる。例えば、上記実施形態で示したフラットベッドタイプの他、ロール状の記録媒体を搬送する、所謂、Roll-to-Rollタイプのプリンタにも同様に適用することができる。また、プリンタ10は独立したプリンタとして単独で使用されるものに限定されず、他の装置と組み合わせたものであってもよい。例えば、プリンタ10は、カッティング装置等を備えていてもよいし、他の装置に内蔵されていてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 テーブル
40 インクヘッド
40N ノズル
50 光照射装置
60 制御部
63 触感付与制御部
81 第1触感付与制御部
82 第2触感付与制御部