(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127851
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】入力システム、医療機器、入力装置、および入力通知方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220825BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20220825BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/0488
G06F3/041 580
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026057
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武井 通泰
(72)【発明者】
【氏名】羽畑 元晴
(72)【発明者】
【氏名】佐野 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】上田 満隆
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA54
5E555BA04
5E555BA08
5E555BA22
5E555BB04
5E555BB08
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5E555BC04
5E555BE10
5E555CA12
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5E555CB12
5E555CB66
5E555DA13
5E555DA24
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが意図した入力が行なわれたか否かをユーザが直感的に判断可能な入力システムを提供する。
【解決手段】入力システムは、操作画面を表示し、かつ操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置200と、入力装置200と通信可能な機器300とを備える。入力装置200は、受け付けた非接触操作の操作内容を判断する。入力装置200は、操作内容に応じた信号を、機器300に送信する。機器300は、信号に基づき、操作内容に応じた態様で動作する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を表示し、かつ前記操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置と、
前記入力装置と通信可能な第1の機器とを備え、
前記入力装置は、
受け付けた前記非接触操作の操作内容を判断し、
前記操作内容に応じた信号を、前記第1の機器に送信し、
前記第1の機器は、前記信号に基づき、前記操作内容に応じた態様で動作する、入力システム。
【請求項2】
前記入力装置は、前記第1の機器が前記入力装置に近接していることを条件に、前記非接触操作を受け付ける、請求項1に記載の入力システム。
【請求項3】
前記入力装置と通信可能な第2の機器をさらに備え、
前記入力装置は、前記第2の機器が前記入力装置に近接していることを条件に、前記非接触操作を受け付ける、請求項1に記載の入力システム。
【請求項4】
前記動作は振動である、請求項1から3のいずれか1項に記載の入力システム。
【請求項5】
前記第1の機器は、
前記操作内容が第1の操作内容であるときには、第1の回数振動し、
前記操作内容が前記第1の操作内容とは異なる第2の操作内容であるときには、前記第1の回数よりも多い第2の回数以上振動する、請求項4に記載の入力システム。
【請求項6】
前記動作は発光である、請求項1から3のいずれか1項に記載の入力システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の前記入力システムを備える、医療機器。
【請求項8】
入力装置であって、
操作画面を表示する表示手段と、
前記操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力受付手段と、
受け付けた前記非接触操作の操作内容を判断する判断手段と、
前記操作内容に応じた信号を、予め定められた機器に送信する送信手段とを備える、入力装置。
【請求項9】
入力装置が、前記入力装置の操作画面に対する非接触操作を受け付けるステップと、
前記入力装置が、受け付けた前記非接触操作の操作内容を判断するステップと、
前記入力装置が、前記操作内容に応じた信号を、予め定められた機器に送信するステップと、
前記機器が、前記信号に基づき、前記操作内容に応じた態様で動作するステップとを備える、入力通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力システム、医療機器、入力装置、および入力通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる操作画面に対する接触操作を受け付ける入力装置が知られている。たとえば、特開2012-142863号公報(特許文献1)には、このような入力装置として、操作部と、ホールド機能処理部と、検出部と、制御部とを備えた携帯型電子装置が開示されている。
【0003】
当該携帯型電子装置では、操作部は、各種操作を受け付ける。ホールド機能処理部は、操作部によって受け付けられた操作による処理を制限する。検出部は、所定の装置の近接を検出する。制御部は、検出部における検出に基づき、所定の装置が近接しているときはホールド機能処理部による制限を解除させ、所定の装置が近接していないときはホールド機能処理部による制限を行わせる処理を行う。
【0004】
また、従来、ユーザによる操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置も知られている。たとえば、特開2019-46458号公報(特許文献2)には、電子ペンを空間上で用いる場合の空間位置指示システムが開示されている。
【0005】
当該空間位置指示システムは、電子ペンと、電子ペンによる入力を受け付けるタブレット装置とを備える。空間位置指示システムでは、触感生起情報発生部が描画情報生成回路から仮想空間画像に含まれる仮想物に対する操作者の触れる操作の検出出力を受け取ったときには、触感を生起させる触感生起情報をグローブユニットに供給する。グローブユニットは、この触感生起情報に基づいて振動するなどの触感生起装置を備えている。当該触感生起装置が駆動されて、操作者に仮想物に仮想的に触れたことを通知させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-142863号公報
【特許文献2】特開2019-46458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置は、操作画面に対する接触操作を必須とする入力装置に比べて、衛生面で優れている。しかしながら、このような非接触操作を受け付ける入力装置では、ユーザは操作画面に触れないため、ユーザが意図した入力が行なわれたか否かを直感的に判断できない。
【0008】
本開示は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザが意図した入力が行なわれたか否かをユーザが直感的に判断可能な入力システム、医療機器、入力装置、および入力通知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面に従うと、入力システムは、操作画面を表示し、かつ操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置と、入力装置と通信可能な第1の機器とを備える。入力装置は、受け付けた非接触操作の操作内容を判断する。入力装置は、操作内容に応じた信号を、第1の機器に送信する。第1の機器は、信号に基づき、操作内容に応じた態様で動作する。
【0010】
本開示の他の局面に従うと、入力装置は、操作画面を表示する表示手段と、操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力受付手段と、受け付けた非接触操作の操作内容を判断する判断手段と、操作内容に応じた信号を、予め定められた機器に送信する送信手段とを備える。
【0011】
本開示のさらに他の局面に従うと、入力通知方法は、入力装置が、入力装置の操作画面に対する非接触操作を受け付けるステップと、入力装置が、受け付けた非接触操作の操作内容を判断するステップと、入力装置が、操作内容に応じた信号を、予め定められた機器に送信するステップと、機器が、信号に基づき、操作内容に応じた態様で動作するステップとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザが意図した入力が行なわれたか否かを、ユーザが直感的に判断可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】入力システムにおける処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図3】非接触操作の内容と、制御信号の種別と、制御内容との関係を説明するための図である。
【
図4】医療機器の構成を説明するためのブロック図である。
【
図5】入力装置の操作画面に対する非接触操作に基づく、解除キーの振動態様を説明するための図である。
【
図6】入力装置の操作画面に対する非接触操作に基づく、解除キーの他の振動態様を説明するための図である。
【
図7】入力システムの構成を説明するための図である。
【
図8】入力システムにおける処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本開示の各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
【0015】
[実施の形態1]
図1は、医療機器1の正面図である。
図1に記載されているように、医療機器1は、本体装置100と、入力システム1000とを備える。入力システム1000は、入力装置200と、解除キー300とを含む。本例では、医療機器1として、シリンジポンプ(詳しくは、ポンプシステム)を示している。医療機器1は、医師等の医療従事者であるユーザ900によって操作される。
【0016】
入力装置200に対する入力は、制限されている。詳しくは、入力装置200の操作画面に対する入力は、制限されている。ユーザ900は、解除キー300を所持することにより、入力装置200への入力が許可される。本例では、解除キー300として、ウェアラブル端末(服、腕など身に着けたまま使える端末)を挙げている。具体的には、解除キー300として、リストバンド型の機器を挙げている。なお、解除キー300は、白衣等の服のポケットに入れられる可搬性のある機器であってもよい。解除キー300は、可搬性を有する機器であれば、外形等は特に限定されない。
【0017】
入力装置200と、解除キー300とは、近距離無線通信を行なう。たとえば、入力装置200と、解除キー300とは、Bluetooth(登録商標)を用いた近距離無線通信を行なう。この場合、入力装置200と、解除キー300とを事前にペアリングしておく。なお、近距離無線通信の方式は、特に限定されない。たとえば、近距離無線通信として、RFID(Radio Frequency Identification)を用いることもできる。
【0018】
以下では、入力装置200の操作画面に対する非接触操作として、ユーザ900の指による入力操作を例に挙げて説明する。なお、本例では、入力装置200は、操作画面からの指の距離が所定の範囲内にあるときに、操作画面に対する非接触操作を認識する。
【0019】
図2は、入力システム1000における処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
図2に記載されているように、ステップS1において、解除キー300を所持するユーザ900が入力装置200に近づくと、入力装置200と解除キー300との間の近距離無線通信が確立する。ステップS2において、入力装置200は、入力操作の制限を解除する。詳しくは、入力装置200は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作を受け付け可能な状態に遷移する。
【0020】
ステップS3において、入力装置200は、ユーザ900による、操作画面に対する非接触操作(入力操作)を受け付ける。ステップS4において、入力装置200は、非接触操作の操作内容を判断する。ステップS5において、入力装置200は、操作内容に応じた制御信号を生成する。ステップS6において、入力装置200は、生成された制御信号を解除キー300に送信する。ステップS7において、解除キー300は、制御信号に基づき、操作内容に応じた態様で振動する。
【0021】
図3は、非接触操作の内容と、制御信号の種別と、制御内容との関係を説明するための図である。
図3に記載されているように、入力装置200は、非接触操作が、「上方向の操作」、「下方向の操作」、「左方向の操作」、および「右方向の操作」のうちのいずれかの操作であると判断すると、制御信号として、信号Aを解除キー300に送信する。信号Aの制御内容は、「1回の振動の実行」である。
【0022】
入力装置200は、非接触操作が、「右回転の操作」および「左回転の操作」のうちのいずれかの操作であると判断すると、制御信号として、信号Aを連続して、解除キー300に送信する。詳しくは、入力装置200は、「右回転の操作」または「左回転の操作」が継続している間、信号Aを繰り返し送信する。入力装置200は、所定の時間的周期で連続して信号Aを送信してもよい。あるいは、入力装置200は、回転操作の操作量が所定の閾値を超える度に信号Aを送信してもよい。
【0023】
入力装置200は、非接触操作が、「クリック操作」であると判断すると、制御信号として、信号Bを解除キー300に送信する。信号Bの制御内容は、「2回の振動の実行」である。なお、入力装置200は、信号Bの代わりに、信号Aを連続して2回送信しても良い。
【0024】
なお、
図3に示した、非接触操作の内容と、制御信号の種別と、制御内容との関係は、一例であり、これに限定されるものではない。入力装置200は、振動回数の設定変更を受け付ける構成としてもよい。
【0025】
また、振動態様を異ならせるため、「上方向の操作」と、「下方向の操作」と、「左方向の操作」と、「右方向の操作」との場合で、異なる制御信号(制御内容が異なる信号)を解除キー300に送信してもよい。同様に、振動態様を異ならせるため、「右回転の操作」と「左回転の操作」との場合で、異なる制御信号(制御内容が異なる信号)を解除キー300に送信してもよい。
【0026】
また、信号A,Bに振動回数等の振動態様の指示を含めていてもよい。あるいは、信号の種別に基づき、解除キー300側で振動回数等の振動態様を判断する構成であってもよい。
【0027】
図4は、医療機器1の構成を説明するためのブロック図である。
図4に記載されているように、医療機器1は、本体装置100と、入力装置200と、解除キー300とを備える。
【0028】
入力装置200は、制御部210と、非接触操作パネル220と、通信部230と、通信部240とを備える。制御部210は、判断部211を含む。非接触操作パネル220は、表示部221と、入力受付部222とを含む。通信部230は、受信部231と、送信部232とを含む。入力装置200の制御部210は、非接触操作パネル220と、通信部230と、通信部240とに通信可能に接続されている。
【0029】
なお、制御部210は、プロセッサに対応する。詳しくは、制御部210は、プロセッサがメモリに格納された各種のプログラム(オペーレションプログラム、アプリケーションプログラム)を実行することにより実現される。表示部221は、ディスプレイに対応する。入力受付部222は、センサに対応する。センサとしては、たとえば、静電容量センサ、赤外線を用いたラインセンサ等が挙げられる。通信部230は、通信インターフェイスに対応する。
【0030】
解除キー300は、制御部310と、通信部320と、振動部330と、表示部340と、発光部350とを含む。制御部310は、通信部320と、振動部330と、表示部340と、発光部350とに通信可能に接続されている。
【0031】
なお、制御部310は、プロセッサに対応する。制御部310は、プロセッサがメモリに格納された各種のプログラム(オペーレションプログラム、アプリケーションプログラム)を実行することにより実現される。通信部320は、通信インターフェイスに対応する。振動部330は、バイブレータに対応する。表示部340は、ディスプレイに対応する。発光部350は、LED等の発光素子に対応する。
【0032】
以下、解除キー300の動作と、入力装置200との動作を説明する。
【0033】
解除キー300の制御部310は、解除キー300の全体の動作を制御する。制御部310は、通信部320を動作させ、解除キー300が入力装置200に近づくと、入力装置200との近距離無線通信を確立させる。制御部310は、表示部340に画像を表示させる。制御部310は、様々な振動パターンで振動部330を発光させる。制御部310は、様々な発光パターンで発光部350を発光させる。
【0034】
入力装置200の制御部210は、入力装置200の全体の動作を制御する。ある局面において、制御部210は、非接触操作パネル220を用いて入力された内容(ユーザ900の操作内容)を、医療機器1の本体装置100に通信部240を介して通知する。
【0035】
通信部230は、制御部210からの指示に基づいて、解除キー300と通信する。通信部230と、解除キー300の通信部320とにより、入力装置200と解除キー300との近距離無線通信が行なわれる。詳しくは、送信部232は、通信部320に信号を送信する。受信部231は、通信部320からの信号を受信する。
【0036】
非接触操作パネル220は、解除キー300によって入力操作の制限が解除されたことを条件に、ユーザ900の非接触操作を受け付ける。詳しくは、表示部221は、制御部210からの指示に基づき、操作画面を表示する。入力受付部222は、操作画面に対するユーザ900の非接触操作を受け付ける。入力受付部222は、受け付けた非接触操作を制御部210に通知する。詳しくは、入力受付部222は、非接触操作に基づく信号を制御部210に送信する。
【0037】
制御部210の判断部211は、非接触操作の操作内容を判断する。本例では、判断部211は、非接触操作が、データD3に示した複数の非接触操作の内容うち、いずれの操作内容に該当するかを判断する。制御部210は、判断部211の判断結果に応じた制御信号(信号A,B等)を生成し、通信部230の送信部232から当該制御信号を送信させる。
【0038】
解除キー300は、制御信号を入力装置200から受信する。解除キー300は、制御信号に基づき、入力装置200の操作画面に対する操作内容の操作内容に応じた態様で動作する。本例では、解除キー300は、操作画面に対する操作内容の操作内容に応じた態様で振動する。詳しくは、制御部310は、制御信号に基づき、振動部330を振動させる。
【0039】
データD3(
図3)に示したように、制御部310は、通信部320を介して信号Aを受信した場合、振動部330を1回だけ振動させる。すなわち、制御部310は、入力装置200での非接触操作が、「上方向の操作」、「下方向の操作」、「左方向の操作」、および「右方向の操作」のうちのいずれかの操作である場合、振動部330を1回だけ振動させる。
【0040】
同様に、制御部310は、通信部320を介して信号Aを連続して受信した場合、信号Aを受信した回数だけ振動部330を振動させる。すなわち、制御部310は、入力装置200での非接触操作が、「右回転の操作」および「左回転の操作」のうちのいずれかの操作である場合、回転操作が行なわれている間、振動部330を振動させ続ける。
【0041】
また、制御部310は、通信部320を介して信号Bを受信した場合、振動部330を2回だけ振動させる。すなわち、制御部310は、入力装置200での非接触操作が、「クリック操作」である場合、振動部330を2回だけ振動させる。
【0042】
図5は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作に基づく、解除キー300の振動態様を説明するための図である。
図5に記載されているように、ある局面において、入力装置200は、表示部221(
図4参照)に操作画面G1を表示する。
【0043】
ユーザ900が指901を上方向(図のY軸の正方向)に移動させたことに基づき、解除キー300が1回振動する。また、入力装置200の操作画面は、指901の移動によって下方へスクロールし、操作画面G1から操作画面G2に切り換わる。上記の振動により、ユーザ900は、上方向の操作(非接触操作)が入力装置200によって受け付けられたことを認識できる。
【0044】
続いて、ユーザ900が指901を下方向(図のY軸の負方向)に移動させたことに基づき、解除キー300が1回振動する。また、入力装置200の操作画面は、指901の移動によって上方へスクロールし、操作画面G2から操作画面G3に切り換わる。上記の振動により、ユーザ900は、下方向の操作(非接触操作)が入力装置200によって受け付けられたことを認識できる。
【0045】
さらに続いて、ユーザ900が指901で1つの選択可能なオブジェクト(本例では、No.3のロクロニウム)をダブルクリックしたことに基づき、解除キー300が2回振動する。また、入力装置200の操作画面は、選択が確定したことを示すために、操作画面G3から操作画面G4に切り換わる。上記の2回の振動により、ユーザ900は、クリック操作(非接触操作)が入力装置200によって受け付けられたことを認識できる。
【0046】
図6は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作に基づく、解除キー300の他の振動態様を説明するための図である。
図6に記載されているように、ある局面において、入力装置200は、表示部221(
図4参照)に操作画面G11を表示する。操作画面G11は、画像G21と、非接触にて操作可能なオブジェクト画像G20とを含む。
【0047】
オブジェクト画像G20は、指901等の指示体による回転操作を受け付けるエリアを示している。本例では、オブジェクト画像G20は円形をしており、円内での指901等の回転操作を受け付ける。なお、回転操作は、オブジェクト画像G20と非接触の状態で行なわれる。
【0048】
ユーザ900が指901を左回転(反時計回りの方向)に移動させると、当該移動中、解除キー300が振動し続ける。本例では、流量の設定値が、回転量に応じて上昇する。回転操作により、入力装置200の操作画面は、操作画面G11から操作画面G12に切り替る。詳しくは、回転操作により、流量の設定値を示す画像は、画像G21から画像G22に切り換わる。上記の連続した振動により、ユーザ900は、左回転の操作(非接触操作)が入力装置200によって受け付けられたことを認識できる。
【0049】
続いて、ユーザ900が指901を右回転(時計回りの方向)に移動させると、当該移動中、解除キー300が振動し続ける。本例では、流量の設定値が、回転量に応じて下降する。回転操作により、入力装置200の操作画面は、操作画面G12から操作画面G13に切り替る。詳しくは、回転操作により、流量の設定値を示す画像は、画像G22から画像G23に切り換わる。上記の連続した振動により、ユーザ900は、右回転の操作(非接触操作)が入力装置200によって受け付けられたことを認識できる。
【0050】
さらに続いて、ユーザ900が指901でオブジェクト画像G20をダブルクリックしたことに基づき、解除キー300が2回振動する。これにより、本体装置100における薬剤等の液体の流量が設定される。上記の2回の振動により、ユーザ900は、クリック操作(非接触操作)が入力装置200によって受け付けられたことを認識できる。
【0051】
<小括>
(1)入力システム1000は、操作画面を表示し、かつ当該操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置200と、入力装置200と通信可能な解除キー300とを備える。入力装置200は、受け付けた非接触操作の操作内容を判断する。入力装置200は、操作内容に応じた信号を、解除キー300に送信する。解除キー300は、当該信号に基づき、上記操作内容に応じた態様で動作(具体的には、振動)する。
【0052】
このような構成によれば、解除キー300の動作(振動)の態様により、ユーザは、入力装置200が非接触操作を受け付けたことのみにならず、どのような種別の非接触操作を受け付けたかを判断できる。それゆえ、入力システム1000によれば、ユーザは、当該ユーザが意図した入力が行なわれたか否かを直感的に判断可能となる。
【0053】
(2)入力装置200は、解除キー300が入力装置200に近接していることを条件に、上記非接触操作を受け付ける。このような構成によれば、解除キー300を所持していない者は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作を行えない。それゆえ、権限のない者が入力装置200に対して入力操作をすることを防止できる。特に、入力装置200は、非接触操作を受け付けるため、意図しない入力が行なわれてしまう可能性もある。入力システム1000によれば、このような意図していない入力を防止することができる。
【0054】
(3)解除キー300は、操作内容が第1の操作内容であるときには、第1の回数(たとえば、1回)振動する。解除キー300は、操作内容が第1の操作内容とは異なる第2の操作内容であるときには、第1の回数よりも多い第2の回数(たとえば、2回)以上振動する。このような構成によれば、ユーザは、振動回数によって、当該ユーザが行なった非接触操作(ユーザが意図したとおりの操作)が受け付けられたか否かを判断可能となる。
【0055】
(4)入力装置200は、操作画面を表示する表示部221と、操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力受付部222と、受け付けた非接触操作の操作内容を判断する判断部211と、操作内容に応じた信号を、解除キー300に送信する送信部232とを備える。
【0056】
このような構成によれば、上述したように解除キー300を当該信号に基づき上記操作内容に応じた態様で動作(具体的には、振動)させるようにすることにより、解除キー300を所持したユーザは、入力装置200が非接触操作を受け付けたことのみにならず、どのような種別の非接触操作を受け付けたかを判断できる。それゆえ、入力システム1000によれば、ユーザは、当該ユーザが意図した入力が行なわれたか否かを直感的に判断可能となる。
【0057】
(5)医療機器1は、入力システム1000を備える。このような医療機器1によれば、ユーザは、当該ユーザが意図した入力が行なわれたか否かを直感的に判断可能となる。
【0058】
<変形例>
(1)上記においては、解除キー300が、入力装置200から受信した操作内容に応じた信号に基づき、当該操作内容に応じた態様で動作(具体的には、振動)する構成を例に挙げて説明した。しかしながら、当該動作は、振動に限定されない。
【0059】
たとえば、解除キー300が、入力装置200から受信した操作内容に応じた信号に基づき、当該操作内容に応じた態様で発光してもよい。詳しくは、制御部310は、発光部350を当該操作内容に応じた態様で発光させてもよい。
【0060】
たとえば、解除キー300は、非接触操作が、「上方向の操作」、「下方向の操作」、「左方向の操作」、および「右方向の操作」のうちのいずれかの操作である場合、1回発行する。解除キー300は、非接触操作が、「右回転の操作」および「左回転の操作」のうちのいずれかの操作である場合、操作中は、連続して発光する。解除キー300は、非接触操作が、「クリック操作」である場合、2回発光する。解除キー300は、操作内容に応じて、発光回数ではなく、発光色を異ならせてもよい。
【0061】
また、解除キー300は、振動と発光とを行なってもよい。すなわち、入力装置200から受信した操作内容に応じた信号に基づき、当該操作内容に応じた態様で振動するとともに、当該操作内容に応じた態様で発光してもよい。
【0062】
さらに、解除キー300が、入力装置200から受信した操作内容に応じた信号に基づき、当該操作内容に応じた態様で表示を行なってもよい。詳しくは、制御部310は、表示部340に当該操作内容に応じた表示を行なわせてもよい。
【0063】
(2)非接触操作の操作内容に応じて、振動回数を異ならせるのではなく、振動の強弱を変更してもよい。
【0064】
(3)入力装置200は、空中映像を表示する表示装置(空中ディスプレイ)を有していてもよい。具体的には、入力装置200は、表示パネル(典型的には、液晶ディスプレイ)と、当該表示パネルに表示された画像を空中に結像させる映像結像プレートとを備える表示装置を備えていてもよい。なお、この場合には、空中に結像された画像(空中映像)が操作画面に対応する。当該操作画面は空中映像であるため、操作画面への物理的な接触はない。
【0065】
(4)入力システム1000は、医療機器以外の各種の機器にも適用可能である。
【0066】
[実施の形態2]
実施の形態1では、解除キー300が振動する構成を説明した。本実施の形態では、解除キーが振動せずに、代わりに他の装置が振動する構成について説明する。
【0067】
図7は、入力システム1000Aの構成を説明するための図である。
図7に記載されているように、入力システム1000Aは、解除キー400と、振動装置500とを備えている。
【0068】
解除キー400は、ユーザ900によって携帯される。解除キー400は、たとえば、ユーザ900の着衣のポケット等に入れた状態でユーザ900に所持される。
【0069】
解除キー400は、解除キー300と同様に、入力装置200と近距離無線通信を行なう。解除キー400と入力装置200との間で近距離無線通信が確立すると、入力装置200は、入力操作の制限を解除する。詳しくは、入力装置200は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作を受け付け可能な状態に遷移する。なお、解除キー400は、解除キー300とは異なり、少なくとも振動部および表示部は必要ない。
【0070】
振動装置500は、本例では、ウェアラブル端末である。振動装置500は、実施の形態1の解除キー300と同様に、ユーザ900の腕等に装着される。振動装置500は、少なくとも、制御部と、通信部と、振動部とを備えている。なお、制御部は、通信部と振動部とに通信可能に接続されている。
【0071】
入力装置200は、ユーザ900の非接触操作がなされると、当該非接触操作に応じた制御信号(信号A,B等)を振動装置500に送信する。振動装置500は、制御信号に基づき、入力装置200の操作画面に対する操作内容に応じた態様で振動する。振動の具体例は、実施の形態1の解除キー300の振動態様と同じであるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0072】
図8は、入力システム1000Aにおける処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
図8に記載されているように、ステップS11において、解除キー400を所持するユーザ900が入力装置200に近づくと、入力装置200と解除キー400との間の近距離無線通信が確立する。ステップS12において、入力装置200は、入力操作の制限を解除する。詳しくは、入力装置200は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作を受け付け可能な状態に遷移する。
【0073】
ステップS13において、入力装置200は、ユーザ900による、操作画面に対する非接触操作(入力操作)を受け付ける。ステップS14において、入力装置200は、非接触操作の操作内容を判断する。ステップS15において、入力装置200は、操作内容に応じた制御信号を生成する。ステップS16において、入力装置200は、生成された制御信号を振動装置500に送信する。ステップS17において、振動装置500は、制御信号に基づき、操作内容に応じた態様で振動する。
【0074】
<小括>
(1)入力システム1000Aは、操作画面を表示し、かつ当該操作画面に対する非接触操作を受け付ける入力装置200と、入力装置200と通信可能な振動装置500とを備える。入力装置200は、受け付けた非接触操作の操作内容を判断する。入力装置200は、操作内容に応じた信号を、振動装置500に送信する。振動装置500は、当該信号に基づき、上記操作内容に応じた態様で動作(具体的には、振動)する。
【0075】
このような構成によれば、振動装置500の動作(振動)の態様により、ユーザは、入力装置200が非接触操作を受け付けたことのみにならず、どのような種別の非接触操作を受け付けたかを判断できる。それゆえ、入力システム1000Aによれば、ユーザは、当該ユーザが意図した入力が行なわれたか否かを直感的に判断可能となる。
【0076】
(2)入力システム1000Aは、入力装置200と通信可能な解除キー400をさらに備える。入力装置200は、解除キー400が入力装置200に近接していることを条件に、上記の非接触操作を受け付ける。
【0077】
このような構成によれば、解除キー400を所持していない者は、入力装置200の操作画面に対する非接触操作を行えない。それゆえ、権限のない者が入力装置200に対して入力操作をすることを防止できる。特に、入力装置200は、非接触操作を受け付けるため、意図しない入力が行なわれてしまう可能性もある。入力システム1000Aによれば、このような意図していない入力を防止することができる。
【0078】
なお、実施の形態1の末尾で説明した全ての変形例(1)~(5)は、実施の形態2でも適用可能である。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
1 医療機器、100 本体装置、200 入力装置、210,310 制御部、211 判断部、220 非接触操作パネル、221,340 表示部、222 入力受付部、230,240,320 通信部、231 受信部、232 送信部、300,400 解除キー、330 振動部、350 発光部、500 振動装置、900 ユーザ、901 指、1000,1000A 入力システム、D3 データ、G1,G2,G3,G4,G11,G12,G13 操作画面、G20 オブジェクト画像、G21,G22,G23 画像。