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特開2022-127853ガイド位置調整装置,フォルダグルア及び製函機並びに折り曲げガイド位置調整方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127853
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ガイド位置調整装置,フォルダグルア及び製函機並びに折り曲げガイド位置調整方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/36 20170101AFI20220825BHJP
【FI】
B31B50/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026062
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】山室 国彦
(72)【発明者】
【氏名】下羽坪 誠
(72)【発明者】
【氏名】武本 和久
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和也
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA10
3E075BA04
3E075CA01
3E075DA15
3E075DA32
3E075DC17
3E075DC44
3E075GA03
(57)【要約】
【課題】箱深さ(見かけの箱深さを含む)が深い段ボールシートであっても、折れ精度を確保することができるようにしたガイド位置調整装置を提供する。
【解決手段】フォルダグルアに左右に対をなして装備され、シート走行方向の上流側から順に配置される上流側ガイド部材10及び下流側ガイド部材13を備え、上流側ガイド部材10及び下流側ガイド部材13を支持する支持フレーム5を第1アクチュエータによってシート走行方向と直角な装置幅方向に平行移動させるフレーム移動機構46を備えた折り曲げガイド装置に装備され、第2アクチュエータ51によって、支持フレーム5に対して上流側ガイド部材10の出口側先端規制部を、入口側先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、装置幅方向に移動させる出口側ガイド移動機構50を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートをシート走行方向に走行させながら折り畳んで箱にするフォルダグルアに左右に対をなして装備され、前記シート走行方向の上流側から順に配置される上流側ガイド部材及び下流側ガイド部材を備え、前記上流側ガイド部材及び前記下流側ガイド部材を支持する支持フレームを第1アクチュエータによって前記シート走行方向と直角な装置幅方向に平行移動させるフレーム移動機構を備えた折り曲げガイド装置に装備されるガイド位置調整装置であって、
前記上流側ガイド部材は、前記段ボールシートの折り曲げ部分に接触する先端規制部のうち、少なくとも、前記上流側ガイド部材の入口側先端規制部及び出口側先端規制部を備えると共に、
第2アクチュエータによって、前記支持フレームに対して、前記出口側先端規制部を、前記入口側先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、前記装置幅方向に移動させる出口側ガイド移動機構を備えている
ことを特徴とするガイド位置調整装置。
【請求項2】
前記支持フレーム及び前記上流側ガイド部材は、何れも前記シート走行方向に沿って延在し、
前記出口側ガイド移動機構は、前記支持フレームと前記上流側ガイド部材との間の前記シート走行方向に沿って延在するスペースに配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド位置調整装置。
【請求項3】
前記出口側ガイド移動機構は、
前記第2アクチュエータであって、前記支持フレームに取り付けられ前記シート走行方向に沿って伸縮する流体圧シリンダと、
前記流体圧シリンダのピストンロッドの前記シート走行方向への移動を前記上流側ガイド部材の下流側端部を前記装置幅方向へ移動させる移動方向へ変換する移動方向変換機構と、を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガイド位置調整装置。
【請求項4】
前記出口側ガイド移動機構は、
前記第2アクチュエータであって、前記支持フレームに取り付けられたモータと、
前記モータの回転軸の回転を前記上流側ガイド部材の前記下流側端部を前記装置幅方向へ移動させる移動方向へ変換する移動方向変換機構と、を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガイド位置調整装置。
【請求項5】
前記移動方向変換機構は、
前記支持フレームに揺動可能に支持されると共に前記上流側ガイド部材の前記下流側端部に連結された揺動部材と、
前記揺動部材に設けられ、前記シート走行方向に対して前記装置幅方向に傾斜し、前記第2アクチュエータの動きに連動して前記シート走行方向へ移動する移動部材の可動端部に当接可能な当接面と、
前記当接面を前記可動端部に圧接させる付勢部材と、を備えている
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のガイド位置調整装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載されたガイド位置調整装置を備えている
ことを特徴とするフォルダグルア。
【請求項7】
請求項6に記載されたフォルダグルアを備えている
ことを特徴とする製函機。
【請求項8】
請求項1~5の何れか1項に記載されたガイド位置調整装置であって、第3アクチュエータによって前記上流側ガイド部材の前記入口側先端規制部を前記装置幅方向に移動させる入口側ガイド移動機構をさらに備えたガイド位置調整装置により、前記上流側ガイド部材及び前記下流側ガイド部材の装置幅方向位置を調整する折り曲げガイド位置調整方法であって、
前記段ボールシートの走行方向長さが予め設定された所定値以上の場合には、前記走行方向長さが所定値未満の場合に対して、前記第1アクチュエータを作動させて前記支持フレームを装置幅方向の内側に平行移動させると共に、前記第3アクチュエータを作動させて、前記上流側ガイド部材の少なくとも前記入口側先端規制部を装置幅方向の外側に移動させ、その後、前記第2アクチュエータを作動させて、前記出口側先端規制部を、前記入口側先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、装置幅方向の外側に移動させる
ことを特徴とする折り曲げガイド位置調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製函機に備えられ、段ボールシートを折り畳んで箱にするフォルダグルアに装備するガイド位置調整装置,フォルダグルア及び製函機並びに折り曲げガイド位置調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製函機には、フォルダグルアと呼ばれる段ボールシートの折り畳み装置が備えられる。このフォルダグルアの従来技術について、図9を参照して説明する。
図9はフォルダグルアの概要を説明する斜視図であり、図9に示すように、段ボールシート1は上流のスロッタクリーザ部(図示略)で罫線CやスロットSを加工されて、フォルダグルアにより折り畳まれて箱(段ボール箱)となる。なお、図9ではフォルダグルアで折り曲げられる罫線を破線C1,C2で示している。
【0003】
フォルダグルアには、そのシート進行方向に沿って、左右の上フレーム2が設けられており、上フレーム2の入口および出口にはそれぞれプーリ3が備えられ(出口側は図示を省略)、入口のプーリ3と出口のプーリ3とに搬送ベルト4が掛かっている。左右の各搬送ベルト4の下には、同じく左右に下フレーム5が備えられ、各搬送ベルト4は対応する下フレーム5の上面を走行する。
【0004】
段ボールシート1は、左右のパネルのいずれか一方に形成された縫代部に糊が塗布された後、これらの搬送ベルト4と下フレーム5との間に送り込まれる。そして、搬送ベルト4の摩擦力で搬送ベルト4に保持され、下フレーム5の上面を滑って移動する。あるいは、段ボールシート1は、下フレーム5の上方の走行路に沿って掛け渡された図示しない搬送ベルトと、前述の搬送ベルト4とに挟まれて保持されながら移動する。下フレーム5は折り曲げる罫線C1,C2よりも内側(機械の中心寄り)に位置している。この下フレーム5に支持されて折り畳み定規6が段ボールシート1の走行路に沿って設けられている。段ボールシート1の走行路の外側には、走行路に沿うように折り畳みバー7が備えられている。
【0005】
段ボールシート1は走行する過程で、折り畳み定規6の先端規制部に正確に折り畳み位置を規制されながらこの折り畳みバー7により押圧されて折り畳まれる。段ボールシート1が下流部まで走行して折り畳み角度が180°近くになると、更に折り畳みベルト8により折り畳まれる。その後、左右のパネルの一方の縫代部と、左右のパネルの他方とが糊によって接合されて、箱が完成する。
【0006】
このようなフォルダグルアによる段ボールシートの折り畳みが、適正な折り畳み位置で行われないと、箱精度の不良を引き起こすことがある。
特許文献1には、従来は下フレームに固定されていた折り畳み定規6の要部をそれぞれ装置幅方向に移動させることで、段ボールシートを案内する先端規制部の横傾斜状態を微調整する調整機構を設けた技術が開示されている。
【0007】
この技術では、図10に示すように、折畳み定規(以下、「折り曲げガイド」と呼ぶ)6が、入口側定規(以下、「第1折り曲げガイド」と呼ぶ)11と出口側定規(以下、「第3折り曲げガイド」と呼ぶ)13と中間の定規(以下、「第2折り曲げガイド」と呼ぶ)12との3つに分割され、第1折り曲げガイド11は下フレームに対して装置幅方向に平行移動可能とされ、第3折り曲げガイド13は第1折り曲げガイド11よりも装置幅方向の内側にずれた位置に配置されて下フレーム5に対し固定され、第2折り曲げガイド12は両端を両折り曲げガイド11,13に夫々ピンで接続され両折り曲げガイド11,13の先端規制部をなだらかに結ぶように設定されている。
【0008】
段ボールシート1は、主として第2折り曲げガイド12を通過する過程で罫線に沿って折り畳まれていくが、この折り畳み過程で、段ボールシート1折り畳み部分の内面側の罫線位置が次第に装置幅方向の内側に移動していくのに対応するように、左右の第2折り曲げガイド12は段ボールシートの移動方向下流側に行くにしたがってその先端規制部の位置を次第に装置幅方向の内側に寄せるように横傾斜した配置となっている。
この技術によれば、先端規制部を段ボールシートの折り畳み部分の内側の罫線に精度良く合わせることが可能になり、段ボールシートの高い折れ精度を得ることができ、段ボール箱の製造精度を向上できると記載されている。
【0009】
また、特許文献2には、段ボールシートが0度からほぼ90度まで折り畳まれる前半領域に配置された折り曲げ板の上流に、段ボールシートの通過を検知する検知装置を配置し、検知装置が段ボールシートの通過を検知したら、押圧手段により前記折り曲げ板を一時的に所定距離だけ幅方向外側に押し出して移動させて、段ボールシートの折り畳まれるパネルの下流部分を幅方向に拡張させる技術が開示されている。これにより、段ボールシートを折り畳む前半工程で、段ボールシートの両側の2つのパネルの折れ曲り線を傾きのない状態とし、後半工程で2つのパネルの折り曲げを続けることによりフィッシュテールの無い箱を生産することができる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4609809号公報
【特許文献2】特許第5895316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、近年、1枚の段ボールシートからのシート搬送方向の前後に並んだ2つの箱を製作する2-up生産と呼ばれる製造方法が増加している。この場合、前後にシートを繋げた形で通紙されるため、見かけの箱深さが深いシートとなる。
また、上記の第3折り曲げガイド13は、図10に示すように、上流側から順に第1ガイドプレート13Aと第2ガイドプレート13Bとを備え、第2ガイドプレート13Bの下流側半部は、先端規制部の位置が下流に向けて次第に装置幅方向の内側に寄せるように横傾斜した配置となっている。
【0012】
このため、例えば、段ボールシート1の先端(シート搬送方向前方の端部)を基準にして折り曲げが進行すると、箱深さの深いシートでは、段ボールシートの先端が第2ガイドプレート13Bの下流側半部に適切に接触しても、段ボールシート1の後端側が第1ガイドプレート13Aや第2ガイドプレート13Bの上流側半部を抱き込んでしまい、折れ精度の不安定化の要因となっている。
【0013】
これを解決するために、第3折り曲げガイド13(第1ガイドプレート13A,第2ガイドプレート13B)を下フレーム5に対して装置幅方向の内側に移動させることが考えられるが、第3折り曲げガイド13の部分では、段ボールシート1が90°以上に折れ曲がっているため、第3折り曲げガイド13を移動させる機構を装備するスペースは確保できず、この対策は実施困難である。
【0014】
これに対して、例えば、第3折り曲げガイド13を支持する下フレームを第1,第2折り曲げガイド11,12を支持する下フレームとは独立させて装置幅方向の内側に移動させるようにして、第3折り曲げガイド13(第1ガイドプレート13A及び第2ガイドプレート13B)全体を装置幅方向の内側に移動させれば、段ボールシート後端側が第1ガイドプレート13Aや第2ガイドプレート13Bの上流側半部を抱き込んでしまうことを回避することが可能である。
【0015】
しかし、第2折り曲げガイド12の前端は、第3折り曲げガイド13の後端(第1ガイドプレート13Aの後端)にピンで接続されているので、第3折り曲げガイド13を移動させると、第2折り曲げガイド12の前端、即ち、第2折り曲げガイド12の出口も装置幅方向の内側に移動してしまう。
上記のように、段ボールシート1は、主として第2折り曲げガイド12を通過する過程で罫線に沿って折り畳まれていくもので、第2折り曲げガイド12の出口も、折り曲げ位置を決定する重要な部分である。このため、第2折り曲げガイド12の出口が装置幅方向の内側に移動してしまうと、却って、折れ精度の不安定化要因となってしまう。
【0016】
また、段ボールシート1は前述のように第2折り曲げガイド12を通過する過程で罫線に沿って折り畳まれていくが、この折り畳み過程で、段ボールシート1の折り畳み部分の内面側の罫線位置が次第に装置幅方向の内側に移動していく。特許文献2の発明では、この挙動に逆らうように押出手段が折り曲げ部材を所定距離だけ幅方向外側に押し出して移動させて、第1パネル及び第4パネルの下流部分を幅方向に拡張させる。このため、押出手段が段ボールシート1に対して不自然な圧力をかけてしまうことになり、段ボールシート1へ搬送抵抗が発生する可能性がある。
【0017】
本発明は、このような課題に着目して創案されたもので、フォルダグルアに装備され、箱深さ(見かけの箱深さを含む)が深い段ボールシートであっても、折れ精度を確保することができるようにしたガイド位置調整装置、このガイド位置調整装置を備えたフォルダグルア及びこのフォルダグルアを備えた製函機並びに折り曲げガイド位置調整方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本件のガイド位置調整装置は、段ボールシートをシート走行方向に走行させながら折り畳んで箱にするフォルダグルアに左右に対をなして装備され、前記シート走行方向の上流側から順に配置される上流側ガイド部材及び下流側ガイド部材を備え、前記上流側ガイド部材及び前記下流側ガイド部材を支持する支持フレームを第1アクチュエータによって前記シート走行方向と直角な装置幅方向に平行移動させるフレーム移動機構を備えた折り曲げガイド装置に装備されるガイド位置調整装置であって、前記上流側ガイド部材は、前記段ボールシートの折り曲げ部分に接触する先端規制部のうち、少なくとも、前記上流側ガイド部材の入口側先端規制部及び出口側先端規制部を備えると共に、第2アクチュエータによって、前記支持フレームに対して、前記出口側先端規制部を、前記入口側先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、前記装置幅方向に移動させる出口側ガイド移動機構を備えていることを特徴としている。
【0019】
本件のフォルダグルアは、前記ガイド位置調整装置を備えていることを特徴としている。
【0020】
本件の製函機は、前記フォルダグルアを備えていることを特徴としている。
【0021】
本件の折り曲げガイド位置調整方法は、前記ガイド位置調整装置であって、第3アクチュエータによって前記上流側ガイド部材の前記入口側先端規制部を前記装置幅方向に移動させる入口側ガイド移動機構をさらに備えたガイド位置調整装置により、前記上流側ガイド部材及び前記下流側ガイド部材の装置幅方向位置を調整する折り曲げガイド位置調整方法であって、前記段ボールシートの走行方向長さが予め設定された所定値以上の場合には、前記走行方向長さが所定値未満の場合に対して、前記第1アクチュエータを作動させて前記支持フレームを装置幅方向の内側に平行移動させると共に、前記第3アクチュエータを作動させて、前記上流側ガイド部材の少なくとも前記入口側先端規制部を装置幅方向の外側に移動させ、その後、前記第2アクチュエータを作動させて、前記出口側先端規制部を、前記入口側先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、装置幅方向の外側に移動させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本件によれば、段ボールシートを案内する先端規制部を段ボールシートの折り畳み部分(即ち、パネル)の内側の罫線に精度良く合わせることが可能になり、段ボールシートの高い折れ精度を容易に且つ確実に得ることができ、段ボール箱の製造精度を大きく向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態にかかるフォルダグルアの要部を示す上面図であって、図1(a)は実施形態を示し、図1(b)は実施形態の一部変形例を示す。
図2】本発明の一実施形態にかかるガイド位置調整装置の第1折り曲げガイド(第1ガイド部材)の横断面図(図1のA-A矢視断面図)である。
図3】本発明の一実施形態にかかるガイド位置調整装置のガイド部材とゲージローラとによる段ボールシートの折り曲げ状態を(a),(b),(c)の順に示す横断面図である。
図4】本発明の一実施形態にかかるガイド位置調整装置の要部を示す図であって、図4(a)はその平面図、図4(b)はその要部横断面図(図4(a)のB-B矢視断面図)、図4(c)はその移動方向変換機構の要部構成図(図4(a)のC-C矢視断面図)、図4(d)はその一部の変形例を示す要部平面図である。
図5】本発明の一実施形態にかかるガイド位置調整装置の動作を示すフォルダグルアの要部の平面図であって、図5(a)はその位置調整前の状態を示し、図5(b)はそのフレーム移動機構により支持フレームを移動した状態を示し、図5(c)はその後、その出口側ガイド移動機構により第2ガイド部材を移動した状態を示す。
図6】本発明の一実施形態にかかる効果を説明する本折り曲げガイド装置の比較例にかかる要部平面図及び要部断面図であって、図6(a)は走行方向に短い段ボールシートを製造する場合の要部平面図、図6(b)は走行方向に短い段ボールシートを製造する場合の要部断面図(図6(a)のD-D矢視断面図)であって、図6(c)は走行方向に長い段ボールシートを製造する場合の要部平面図、図6(d)は走行方向に長い段ボールシートを製造する場合の要部断面図(図6(c)のE-E矢視断面図)である。
図7】本発明の一実施形態にかかる効果を説明する本折り曲げガイド装置の要部平面図及び要部断面図であって、図7(a)は走行方向に短い段ボールシートを製造する場合の要部平面図、図7(b)は走行方向に短い段ボールシートを製造する場合の要部断面図(図7(a)のF-F矢視断面図)であって、図7(c)は走行方向に長い段ボールシートを製造する場合の要部平面図、図7(d)は走行方向に長い段ボールシートを製造する場合の要部断面図(図7(c)のG-G矢視断面図)である。
図8】本発明の一実施形態にかかるガイド位置調整装置の変形例の要部平面図であって、図8(a)は第1変形例を示し、図8(b)は第2変形例を示し、図8(c)は第3変形例を示し、図8(d)は第4変形例を示し、図8(e)は第3変形例及び第4変形例の部分変形例を示す要部平面図を示す。
図9】背景技術にかかるフォルダグルアを示す斜視図である。
図10】背景技術にかかるフォルダグルアの折り曲げガイド(折畳み定規)の配置構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1図3は本発明の一実施形態に係るフォルダグルアの要部を示すもので、図1(a)はその平面図、図2はその第1ガイド部材の横断面図、図3はそのガイド位置調整装置の要部を示す図である。
【0025】
本実施形態のフォルダグルアは、製函機に備えられ、その概要構成は、ガイド位置調整装置とその周辺を除き、従来技術のものと同様である。つまり、図9を参照すると、製函機に備えられるフォルダグルアには、そのシート進行方向に沿って、左右の上フレーム2が設けられ、上フレーム2の入口および出口にはそれぞれプーリ3が備えられ(出口側は図示を省略)、入口のプーリ3と出口のプーリ3とに搬送ベルト4が掛かっている。左右の各搬送ベルト4の下には、同じく左右に下フレーム(支持フレーム)5が備えられ、各搬送ベルト4は対応する下フレーム5の上面を走行する。段ボールシート1はこれらの搬送ベルト4と下フレーム5との間に送り込まれ、搬送ベルト4の摩擦力で搬送ベルト4に保持され、下フレーム5の上面を滑って移動するようになっている。あるいは、段ボールシート1は、下フレーム5の上方の走行路に沿って掛け渡された図示しない搬送ベルトと、前述の搬送ベルト4とに挟まれて保持されながら移動するようになっている。下フレーム5は折り曲げる罫線C1,C2よりも内側(機械の中心寄り)に位置している。
【0026】
この下フレーム5に支持されて折り曲げガイド6が段ボールシート1の走行路に沿って設けられている。段ボールシート1の走行路の外側には、走行路に沿うように折畳みバー7が備えられている。段ボールシート1は走行する過程で、折畳み用のガイド部材である折り曲げガイド6の先端規制部に正確に折畳み位置を規制されながらこの折畳みバー7により押圧されて折り畳まれるようになっている。段ボールシート1が下流部まで走行して折畳み角度が180゜近くになると、更に折畳みベルト8により折り畳まれるようになっている。
【0027】
本フォルダグルアでは、図1(a)に示すように、折り曲げガイド6が、段ボールシート1の走行方向に沿って上流側折り曲げガイド(上流側ガイド部材)10と下流側折り曲げガイド(下流側ガイド部材)13に分割されている。また、上流側折り曲げガイド10は、段ボールシート1の走行方向に沿って入口側の第1折り曲げガイド(第1ガイド部材)11と出口側の第2折り曲げガイド(第2ガイド部材)12との2つに分割される。なお、図1(a)は、折り曲げガイド6に着目してフォルダグルアの要部を示す平面図であり、上フレーム2,プーリ3,搬送ベルト4,畳みバー7,折畳みベルト8等については省略している。
【0028】
また、第1折り曲げガイド11は下フレーム5に対し移動可能とされ、下流側折り曲げガイド13は下フレーム5に対し固定され、第2折り曲げガイド12は、シート走行方向の上流側端部を第1折り曲げガイド11にピン30で接続され両折り曲げガイド11,12の先端規制部11a,12a(図2及び図3(a)参照)をなだらかに結ぶように設定されている。以下に、これらの詳細を説明する。
【0029】
なお、上流側折り曲げガイド10は、図1(b)に示すように、1本で分割されていない構成であってもよい。なお、図1(b)は、図1(a)において一点鎖線で囲んだ部分についてのみ示しており、便宜上、一方の上流側折り曲げガイド10のみを示すが、左右の両方の上流側折り曲げガイド10が1本で構成される。上流側折り曲げガイド10が1本で構成される場合、上流側折り曲げガイド10の上流端が、後述のピン20に摺動可能に取付けられた摺動腕21(図2参照)に、ピン30で接続される。
【0030】
図2に示すように、下フレーム5の入口側には、ピン20が直角(第1折り曲げガイド11の段ボールシート案内方向に対して直角、即ち、装置幅方向)に突き出して取付けられている。このピン20には、図2に示すように、断面コの字型の摺動腕21がピン20に摺動可能に取付けられている。一方、下フレーム5には軸受22により軸23が回転自在に支持されている。
【0031】
この軸23は、軸心線をピン20と直交する方向に向けて設けられており、軸23には偏心輪24が取付けられている。また、軸23はモータ(第3アクチュエータ)25により回転駆動されるようになっている。これにより、偏心輪24を回転すると第1折り曲げガイド11はピン20の軸方向に沿って(図2中で左右に)摺動する。したがって、軸23,偏心輪24,モータ25等から第1折り曲げガイド11を装置幅方向に平行移動させる入口側ガイド移動機構45が構成される。
【0032】
第1折り曲げガイド11の先端規制部(入口側先端規制部)11aの形状そのものは従来と特に変わるところはなく、下流側折り曲げガイド13の先端規制部13a(図4(b),(c)参照)も従来と特に変わるところは無いため、ここでは、説明を省略する。
【0033】
第2折り曲げガイド12は、図1(a)に示すごとく、上流側端部を可動の第1折り曲げガイド11にピン30で連結されており、上流側端部が第1折り曲げガイド11の移動に応じて装置幅方向に揺動するように支持されている。
【0034】
また、第2折り曲げガイド12は、シート走行方向の下流側端部を出口側ガイド移動機構50によって下フレーム5に対し装置幅方向に移動可能に支持されている。この出口側ガイド移動機構50の詳細は後述する。
【0035】
段ボールシート1は、主としてこの第2折り曲げガイド12を通過する過程でパネルを折り畳まれていくが、この折り畳み過程で、段ボールシート1の折り畳み部分の内面側の罫線位置が次第に内側(装置幅方向の内側)に移動していくのに対応するように、左右の第2折り曲げガイド12は段ボールシートの移動方向下流側に行くにしたがってその先端規制部(出口側先端規制部)12aの位置を次第に内側(装置幅方向の内側)に寄せるように横傾斜した基本配置となっている。
【0036】
下流側折り曲げガイド13は、上流側から順に第1ガイドプレート13Aと第2ガイドプレート13Bとを備えており、各ガイドプレート13A,13Bは板状であって、水平に配置されている。
また、段ボールシート1の折り曲げ部分に接触する各ガイドプレート13A,13Bの先端規制部13Aa,13Ba(図4(b),(c)参照)のうち、下流側の第2ガイドプレート13Bの先端規制部13Baは、そのシート走行方向の下流側部分は、下流に向けて次第に装置幅方向の内側に寄るように横傾斜した配置となっている。
【0037】
さらに、第2折り曲げガイド12の下流側端部付近からシート走行方向の下流側においては、第2折り曲げガイド12及び下流側折り曲げガイド13それぞれの装置幅方向の外側に、多数のゲージローラ60が各ガイド12,13に沿って並んで配置されている。ゲージローラ60は、鉛直方向の回転軸周りに回転自在に装備され、図示しない駆動モータにより回転する。
【0038】
このゲージローラ60が配置された部分では、図3(a)~(c)に示すように、略直角程度まで折り曲げられた段ボールシート1が、シート内側面を各ガイド12,13によって案内され、シート外側面をゲージローラ60によって案内されて、次第に折り曲げ加工が進行するようになっている。
【0039】
また、図1(a)に示すように、下フレーム5にはネジ軸40が螺合しており、ネジ軸40はモータ(第1アクチュエータ)41により回転駆動されるようになっている。したがって、モータ41を駆動してネジ軸40を回転させると、下フレーム5が機械の幅方向に移動するようになっており、ネジ軸40及びモータ41等から下フレーム5を機械幅方向に移動させると共に、下フレーム5に固定された下流側折り曲げガイド13を機械幅方向に移動させるフレーム移動機構46が構成されている。また、図示していないが上フレーム2も下フレーム5と一体となって移動するようになっている。
【0040】
したがって、第1折り曲げガイド11を移動するモータ25と下フレームを移動するモータ41とを協働させることにより、第1折り曲げガイド11の装置幅方向位置を調整することができる。またこれにより、第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの位置が、第1折り曲げガイド11側から下流側折り曲げガイド13側に向けて適切な寄り量で次第に内側(装置幅方向の内側)に寄っていくように微調整することができる。このように、本実施形態では、両モータ25,モータ41により、第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの装置幅方向への傾き(横傾斜状態)を調整する調整機構が構成されている。
【0041】
また、ガイド位置調整装置は、上記の入口側ガイド移動機構45と、フレーム移動機構46と、出口側ガイド移動機構50とを備えて構成され、折り曲げガイド装置は、このようなガイド位置調整装置を含んで構成される。
【0042】
ここで、図4を参照して、出口側ガイド移動機構50について説明する。
下フレーム5及び第2折り曲げガイド12は、何れもシート走行方向に沿って延在しており、下フレーム5の外側(装置幅方向の外側)に、第2折り曲げガイド12が位置している。出口側ガイド移動機構50は、第2折り曲げガイド12の下流側端部に、下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間のスペースに配設されている。
また、本実施形態の出口側ガイド移動機構50は、下フレーム5に対して第2折り曲げガイド12の下流側端部を装置幅方向に移動させることで、第2折り曲げガイド12の先端規制部(出口側先端規制部)12aを装置幅方向に移動させる。
【0043】
出口側ガイド移動機構50は、第2アクチュエータとして、下フレーム5に取り付けられシート走行方向に沿って伸縮する流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)51と、流体圧シリンダ51のピストンロッド51aのシート走行方向への移動を受けて第2折り曲げガイド12の下流側端部を装置幅方向へ移動させる移動方向変換機構52とを備えている。本実施形態では、流体圧シリンダ51にエアシリンダを適用している。
【0044】
流体圧シリンダ51は、下フレーム5の装置幅方向外側に取り付けられたブラケット53aを介して図示しないボルト等で固定され、同じく図示しないボルト等でブラケット53aに固定された補助ブラケット53bによって背面側端部(流体圧シリンダ51のピストンロッド51a突出端と逆側の端部)を支持されている。また、流体圧シリンダ51は、図示しない流体圧調整弁(エア圧調整弁)を通じて流体圧室(エア圧室)の圧力が調整されて、内部のピストン51bを移動させ、ピストンロッド51aの突出ストロークを調整されるようになっている。
【0045】
移動方向変換機構52は、下フレーム5にブラケット53aを介して固定された補助ブラケット53cに支持され、軸線を鉛直方向に向けて配置されたピン54aと、このピン54aに揺動可能に支持されると共に、第2折り曲げガイド12の下流側端部に取り付けられたブラケット59にピン54bを介して連結された揺動部材55と、揺動部材55に設けられ、シート走行方向に対して装置幅方向に傾斜し、ピストンロッド51aの可動端部に当接可能な当接面55aと、当接面55aをピストンロッド51aの可動端部に圧接させるコイルバネ(付勢部材)56と、を備えている。なお、図4(a)では、揺動部材55に、便宜上の網掛け模様を付している。
【0046】
なお、ピン54bは、第2折り曲げガイド12の装置幅方向内側に取り付けられたブラケット59に支持され軸線を鉛直方向に向けて配置されている。また、コイルバネ56は、基端を下フレーム5に固定された補助ブラケット53dに支持され、先端を揺動部材55の当接面55aとは逆側の背面55bに当接させて、補助ブラケット53dと揺動部材55の背面55bとの間に、圧縮状態で介装されている。
【0047】
また、本実施形態では、ピストンロッド51aの可動端部には、上面視L字型の補助ブラケット53eを介して支持されたローラ57が装備され、ピストンロッド51aの可動端部の動きはこのローラ57を介して当接面55aに伝達される。補助ブラケット53eは、流体圧シリンダ51の動きに連動してシート走行方向へ移動する移動部材に相当する。補助ブラケット53eの先端側は、上下に分割されており、補助ブラケット53eの上下の先端部に、軸線を鉛直方向に向けて軸57dが支持され、ローラ57は、この軸57dに支持されている。なお、本実施形態では、ローラ57は上下方向に直列状に配置された3つローラ57a,57b,57cから構成される。上下方向中間部のローラ57aは、当接面55aに当接し、上方及び下方のローラ57b,57cは、後述のローラガイド溝58の溝面に当接している。ローラ57の構成はこれに限定されるものではない。
【0048】
本実施形態では、ブラケット53aの装置幅方向外側の面の一部が凹まされ形成されたローラガイド溝58が設けられている。ローラガイド溝58は、シート進行方向に延在し、ローラ57a~57cのうち、上方及び下方のローラ57b,57cは、ローラガイド溝58の溝面に当接し、ローラガイド溝58内を転動する。ローラガイド溝58は、ローラ57の位置を装置幅方向内側にシフトさせ、下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間のスペースの装置幅方向の狭さに対処すると共に、ローラ57aが当接面55aと当接することで軸57dが当接面55aから受ける反力に対して支持し、ローラ57やピストンロッド51aの荷重負担を軽減している。
【0049】
そして、本ガイド位置調整装置には、図1(a)に示すように、下フレーム5を移動するモータ41や第1折り曲げガイド11を移動するモータ25や流体圧シリンダ51の流体圧を制御するために、フォルダグルア用制御盤42が設けられている。この制御盤42には、第1折り曲げガイド11を開方向あるいは閉方向に動かすよう駆動モータ25に指示する押釦スイッチや流体圧シリンダ51の流体圧調整によりピストンロッド51aの突出ストロークを調整するスイッチなどを装備したスイッチ類44が接続されている。また、制御盤42には製函機全体の生産管理をする生産管理装置43からの寸法データ等が入るようになっている。
【0050】
本発明の一実施形態にかかるフォルダグルアは上述のように構成されているので、フォルダグルア用制御盤42は、生産管理装置43から段ボールシート1の罫線C1,C2の位置情報を得ると、モータ41を回転させて下フレーム5を移動させ、第1折り曲げガイド11の先端規制部11aが罫線C1,C2の真下(図1(a)参照)に来るように配置する。
【0051】
オペレータはこの状態でシートを通紙して折畳み状態を確認し、下流側折り曲げガイド13の位置が適切であるかどうかを判断し、拡げたり狭めたりする必要があれば、押釦スイッチ44で指示を出す。例えば下流側折り曲げガイド13を狭める指示をしたとする。すると制御盤44は、下フレーム5を狭めるようにモータ41を制御すると共に、第1折り曲げガイド11(即ち、上流側折り曲げガイド10の入口側先端規制部)を拡げるようにモータ25を駆動する。このようにして、第1折り曲げガイド11の位置を変えることなく、下流側折り曲げガイド13の位置を狭めることができる。拡げる場合は全く逆の制御をすればよい。
【0052】
本フォルダグルアによれば、折り曲げガイド6のうちの下流側折り曲げガイド13の幅方向位置を変更しても上流側折り曲げガイド10の入口側先端規制部(第1折り曲げガイド11)の幅方向位置は変わらないように連携して動作させるので、上流側折り曲げガイド10の入口側先端規制部(第1折り曲げガイド11)の幅方向位置に影響を与えることなく、下流側折り曲げガイド13の幅方向位置を調整でき、製造する段ボール箱の箱深さ(見かけの箱深さを含む)に応じて下流側折り曲げガイド13の幅方向位置を設定することによって、箱深さが深い段ボール箱であっても適正に製造することができる。
【0053】
まず、本ガイド位置調整装置では、箱深さ(見かけの箱深さを含む)が深い段ボール箱を製造する場合には、以下の方法により、フレーム移動機構46と、出口側ガイド移動機構50と、入口側ガイド移動機構45とを作動させて、ガイド位置を調整する。
【0054】
つまり、段ボールシート1の走行方向長さ(通常、箱深さに対応する)が予め設定された所定値以上であるか否かを判断し、段ボールシート1の走行方向長さが所定値以上の場合には、下記のように本方法を実施し、走行方向長さが所定値未満の場合に対して各折り曲げガイド11,12,13の幅方向位置を操作する。
【0055】
なお、段ボールシート1の走行方向長さに関する所定値は、例えば予め実験によって設定することができる。また、段ボールシート1の走行方向長さと、ガイド位置の調整結果を記録し、オーダー毎、あるいは製函機毎の固有の所定値を設定してもよい。あるいは、オペレータが折り曲げられた段ボールシート1を確認し、ガイド位置を調整する必要があると判断した際、この時の段ボールシート1の走行方向長さを所定値に設定してもよい。
【0056】
まず、図5(a)に示す通常状態(箱深さが深くない段ボールシートを製造する状態)から、モータ(第1アクチュエータ)41を作動させて、図5(b)に示すように、下フレーム5を装置幅方向の内側に平行移動させる。下フレーム5の移動(下流側折り曲げガイド13の装置幅方向の内側への移動)の完了後、あるいは、下フレーム5の移動(下流側折り曲げガイド13の装置幅方向の内側への移動)と同時に、モータ(第3アクチュエータ)25を作動させて、第1折り曲げガイド11を、下フレーム5の移動分を相殺するように装置幅方向の外側に平行移動させる。次に、流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)51を作動させて、図5(c)に示すように、第2折り曲げガイド12のシート走行方向の下流側端部を装置幅方向の外側に移動させる。
【0057】
図5(a)~図5(c)中に、第1折り曲げガイド11の先端規制部11aの装置幅方向位置を一点鎖線L1で示し、第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの下流側端部の装置幅方向位置を一点鎖線L2、L3で示している。下フレーム5の装置幅方向の内側への移動と共に、第1折り曲げガイド11を装置幅方向の外側に平行移動させることで、第1折り曲げガイド11の先端規制部11aの装置幅方向位置はL1で変化しないが、第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの下流側端部の装置幅方向位置は、L2からL3へと装置幅方向の内側へ変化する。これに対して、第2折り曲げガイド12のシート走行方向の下流側端部を装置幅方向の外側に移動させることで、第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの下流側端部の装置幅方向位置は、L3からL2へと戻される。
【0058】
なお、流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)51には、第2折り曲げガイド12が装置幅方向の外側に移動する際、ゲージローラ60への衝突を防止するインターロックがかかっている。この場合、下フレーム5の移動が完了しないと、流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)51は作動しない。あるいは、第2折り曲げガイド12が移動してもゲージローラ60に衝突しない位置まで下フレーム5が移動しない限り、流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)51は作動しない。
【0059】
分割されずに1本で構成された上流側折り曲げガイド10(図5に二点鎖線で示す)の場合は、例えば図5(b)に示すように、下フレーム5の移動(下流側折り曲げガイド13の装置幅方向の内側への移動)の完了後、図5(c)に示すように、モータ25及び流体圧シリンダ51を作動させて、上流側折り曲げガイド10を、下フレーム5の移動分を相殺するように装置幅方向の外側に平行移動させる。あるいは、下フレーム5の移動が完了する前であっても、上流側折り曲げガイド10がゲージローラ60に衝突しない位置まで下流側折り曲げガイド13が移動していれば、モータ25及び流体圧シリンダ51を作動させて、上流側折り曲げガイド10を装置幅方向の外側に平行移動させる。
【0060】
段ボールシート1は、その先端(シート搬送方向下流側端部)を基準にして折り曲げが進行する。図5(a)に示す通常状態で、箱深さが深くない一般的な段ボール箱を製造する場合は、段ボールシート1の後端(シート搬送方向上流側端部)が、図6(a)に示すように位置するとき、段ボールシート1の後端は、図6(b)に示すように折れ曲がる。製造する箱深さが深くない場合(段ボールシート1の走行方向長さが所定値未満の場合)は、段ボールシート1の先端は後端から大きくは離隔していないため、段ボールシート1の先端の折れ曲がりは大きくなく、これに追従して折れ曲がる段ボールシート1の後端が第1ガイドプレート13Aと干渉することはない。
【0061】
一方、図5(a)に示す通常状態で、箱深さが深い段ボール箱を製造する場合は、段ボールシート1の後端が、図6(c)に示すように位置するとき、段ボールシート1の後端は、図6(d)に示すように折れ曲がる。製造する箱深さが深い場合(段ボールシート1の走行方向長さが所定値以上の場合)は、段ボールシート1の先端は後端から大きく離隔しているため、段ボールシート1の先端の折れ曲がりは大きく、これに追従して折れ曲がる段ボールシート1の後端は第1ガイドプレート13Aと干渉してしまう。
【0062】
そこで、箱深さが深い段ボール箱を製造する場合に、図5(b)に示すように、下フレーム5を装置幅方向の内側に平行移動させると、段ボールシート1の後端が、図7(c)に示すように位置するときに、段ボールシート1の先端の折れ曲がりが大きくても、図7(d)に示すように、段ボールシート1の後端が第1ガイドプレート13Aと干渉することが回避される。これにより、段ボールシート1の後端側が第1ガイドプレート13Aの上流側半部を抱き込んでしまうことを回避できる。
なお、製造する箱深さが深くない場合には、段ボールシート1の後端(シート搬送方向上流側端部)が図7(a)に示す位置にあっても、段ボールシート1の後端は、図7(b)に示すように、第1ガイドプレート13Aと干渉することなく折れ曲がる。このため、本折り曲げガイド装置では、製造する箱深さが深くない場合には、下フレーム5の装置幅方向の内側への平行移動は行わない。
【0063】
しかし、下フレーム5を装置幅方向の内側に平行移動させることで、第1ガイドプレート13Aを含んだ下流側折り曲げガイド13を装置幅方向の内側に平行移動させているので、この下フレームに支持されている第1折り曲げガイド11や第2折り曲げガイド12も装置幅方向の内側に平行移動されてしまう。
【0064】
段ボールシート1は、主として、第2折り曲げガイド12を通過する過程で罫線に沿って折り畳まれていくもので、第2折り曲げガイド12の出口も、折り曲げ位置を決定する重要な部分であり、第2折り曲げガイド12の出口が装置幅方向の内側に移動してしまうと、却って、折れ精度の不安定化要因となってしまう。
また、第1折り曲げガイド11の位置も第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの装置幅方向への傾き(横傾斜状態)に影響する。
【0065】
そこで、図5(c)に示すように、第2折り曲げガイド12のシート走行方向の下流側端部を装置幅方向の外側に移動させると共に、モータ(第3アクチュエータ)25を作動させて、第1折り曲げガイド11を装置幅方向の外側に平行移動させる。これにより、図5(a),(b),(c)に示すように、第2折り曲げガイド12の先端規制部(出口側先端規制部)12aを、第1折り曲げガイド11の先端規制部(入口側先端規制部)11aの装置幅方向位置から内側の範囲で移動させることで、第2折り曲げガイド12の先端規制部12aの装置幅方向への傾き(横傾斜状態)を維持することができる。また下フレーム5の装置幅方向の内側への平行移動の影響を相殺することができ、折れ精度の不安定化要因を排除し、折れ精度を安定させることができる。
【0066】
また、第2折り曲げガイド12を装置幅方向に移動する出口側ガイド移動機構50が、下フレーム5に取り付けられシート走行方向に沿って伸縮する流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)51と、流体圧シリンダ51のピストンロッド51aのシート走行方向への移動を受けて第2折り曲げガイド12の下流側端部を装置幅方向へ移動させる移動方向変換機構52とを備えて構成されるので、支持フレームと第2ガイド部材との間の限られたスペースを利用して、出口側ガイド移動機構50を配設することができる。
【0067】
移動方向変換機構52は、下フレーム5にピン54aを介して揺動可能に支持された揺動部材55と、揺動部材55に設けられシート走行方向に対して装置幅方向に傾斜しピストンロッド51aの可動端部に当接可能な当接面55aと、当接面55aをピストンロッド51aの可動端部に圧接させるコイルバネ56とを備えて構成されるので、当接面55aを通じて、流体圧シリンダ51の力を増幅させて第2折り曲げガイド12の下流側端部に伝達することができ、出力の小さな流体圧シリンダ51を用いて第2折り曲げガイド12の下流側端部を装置幅方向へ移動させることができる。
【0068】
さらに、ピストンロッド51aの可動端部には、移動時に自由回転しながら当接面55aに当接してシート走行方向の力を揺動部材に伝達可能なローラ57が装備されているので、ピストンロッド51aの可動端部から当接面55aを通じた第2折り曲げガイド12への力の伝達ロスが軽減され、出口側ガイド移動機構50の作動を円滑にでき、流体圧シリンダ51の負担も軽減される。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0070】
例えば、上記実施形態では、出口側ガイド移動機構50を下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間のスペース内に配設しているが、出口側ガイド移動機構の配設箇所は下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間のスペース内に限定されない。
ただし、出口側ガイド移動機構50を下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間のスペース内に配設することで、装置の大型化が抑制される。
【0071】
また、出口側ガイド移動機構50のアクチュエータに、シート走行方向に沿って伸縮する流体圧シリンダ51を適用し、下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間の限られたスペース内に出口側ガイド移動機構50が収まるように工夫したが、下フレーム5と第2折り曲げガイド12との間のスペースに支障がなければ、様々な態様の出口側ガイド移動機構を適用しうる。
【0072】
例えば、図4(d)は図4(a)に一点鎖線で示す枠線内部分の変形例を示しており、図4(d)に示すように、流体圧シリンダ51に替えて、モータ81を用いるようにしてもよい。モータ81を用いる場合、回転運動を直線運動に変換する変換機構が必要である。この変換機構としては、例えばモータ81としてサーボモータを用いて、モータ81の回転軸81aに雄ねじを設け、補助ブラケット53eに回転軸81aの雄ねじに螺合する雌ねじを設けた構成を適用することができる。この場合、雄ねじと雌ねじとの間にボールを介装したボールねじ機構を適用することが好ましい。
【0073】
このような構成により、流体圧シリンダ51の伸縮に替えて、モータ81を回転させることで、補助ブラケット53eをモータ81の動きに連動してシート走行方向へ移動する移動部材として構成することができ、流体圧シリンダ51を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、モータ81としてサーボモータを適用する場合、精度よく無段階調整することができるので、上流側折り曲げガイド10(第2折り曲げガイド12)の装置幅方向位置を最適な位置に設定することが容易になる。
なお、回転運動を直線運動に変換する変換機構には、種々のものが開発されているが、適宜選択して採用すれればよい。
【0075】
さらに、図8は出口側ガイド移動機構の他の変形例を示しており、図8(a)は第1変形例の出口側ガイド移動機構50Aを示し、図8(b)は第2変形例の出口側ガイド移動機構50Bを示し、図8(c)は第3変形例の出口側ガイド移動機構50Cを示し、図8(d)は第4変形例の出口側ガイド移動機構50Dを示している。
【0076】
図8(a)に示すように、第1変形例の出口側ガイド移動機構50Aは、エアシリンダ(流体圧シリンダ)51Aを、下フレーム5及び第2折り曲げガイド12に沿ったシート走行方向に伸縮するように下フレーム5に取り付けて、エアシリンダ51Aのピストンロッドの先端部と、第2折り曲げガイド12に取り付けられたブラケット59aとの間に、L字型のリンク71を介装している。このL字型のリンク71は、その中間部(屈曲部)を、鉛直方向に向いた支持軸(下フレーム5に固定される)に取り付けられ、一端をピストンロッドの先端部に、他端をブラケット59aに回転可能にピン結合される。これにより、エアシリンダ51Aがシート走行方向に伸縮すると、ブラケット59aを介して第2折り曲げガイド12が装置幅方向に移動する。
【0077】
図8(b)に示すように、第2変形例の出口側ガイド移動機構50Bは、エアシリンダ(流体圧シリンダ)51Bを、下フレーム5及び第2折り曲げガイド12に沿ったシート走行方向に伸縮するように下フレーム5に取り付けて、エアシリンダ51Bのピストンロッドの先端部と、第2折り曲げガイド12に取り付けられたブラケット59bとの間にリンク72を介装している。このリンク72の一端はピストンロッドの先端部に、他端はブラケット59bに装着された回転部材73の偏心位置に取り付けられた回転軸74に一体結合されている。これにより、エアシリンダ51Bがシート走行方向に伸縮すると、リンク72の揺動と共に回転軸74が回転し、回転部材73と共にブラケット59b及び第2折り曲げガイド12が装置幅方向に移動する。
【0078】
図8(c)に示すように、第3変形例の出口側ガイド移動機構50Cは、エアシリンダ(流体圧シリンダ)51Cを、装置幅方向に伸縮するように下フレーム5に取り付けて、エアシリンダ51Cのピストンロッドの先端部に連動部材75Aを連結している。連動部材75Aは、ピストンロッドの先端部に連結された一端部を、ガイド76を介して装置幅方向に移動可能に支持され、他端部を第2折り曲げガイド12に取り付けられたブラケット59cに連結されている。これにより、エアシリンダ51Cが装置幅方向に伸縮すると、連動部材75Aがガイド76に案内されて装置幅方向に移動し、ブラケット59c及び第2折り曲げガイド12が装置幅方向に移動する。
【0079】
図8(d)に示すように、第4変形例の出口側ガイド移動機構50Dは、一対のエアシリンダ(流体圧シリンダ)51Cを、装置幅方向に伸縮するように下フレーム5に取り付けて、2つのエアシリンダ51Cのピストンロッドの先端部にそれぞれ連動部材75Bを連結している。連動部材75Bは、両端部をそれぞれピストンロッドの先端部に連結され、それぞれガイド76を介して装置幅方向に移動可能に支持され、中間部を第2折り曲げガイド12に取り付けられたブラケット59dに連結されている。これにより、エアシリンダ51Cが装置幅方向に伸縮すると、連動部材75Bがガイド76に案内されて装置幅方向に移動し、ブラケット59d及び第2折り曲げガイド12が装置幅方向に移動する。連動部材75Bは両端をガイド76に案内されつつエアシリンダ51Cで駆動され、中間部のブラケット59dを装置幅方向に移動させるので、第2折り曲げガイド12の装置幅方向の移動が無理なく安定して行われる。
【0080】
また、図8(c),(d)には、第2アクチュエータとしてエアシリンダ(流体圧シリンダ)51C,51Dを用いた例を説明したが、これらの変形例においても、第2アクチュエータとして流体圧シリンダ51C,51Dに替えて、モータ81を用いるようにしてもよい。
【0081】
例えば、図8(c),(d)の変形例については、流体圧シリンダ51C,51Dに替えて、例えば図8(e)に示すようにモータ81及び回転運動を直線運動に変換する変換機構を適用することができる。なお、図8(e)は図8(c),(d)おいて一点鎖線で囲んだ部分についてのみ表示しており、変換機構は、例えばモータ81としてサーボモータを用いて、モータ回転軸81aに設けた雄ねじ及び装置幅方向へ移動する連動部材75A,75Bに回転軸81aの雄ねじに螺合する雌ねじを設けた構成を適用したボールねじ機構等から構成することができる。
【0082】
このように、流体圧シリンダ51A~51Dに替えて、モータ81を用いた場合も、図8(c),(d)に示す変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、前記同様に、モータ81としてサーボモータを適用する場合、精度よく無段階調整することができるので、上流側折り曲げガイド10(第2折り曲げガイド12)の装置幅方向位置を最適な位置に設定することが容易になる。
【0083】
なお、上述の実施形態では上流側折り曲げガイド10は、第1折り曲げガイド11及び第2折り曲げガイド12に分割された構成や、一本で分割されていない構成としたが、これに限定されない。上流側折り曲げガイド10は例えば3本以上に分割された構成としても良い。この場合、3本以上に分割された折り曲げガイドのうち、上流側折り曲げガイド10における最も出口側の先端規制部を、最も入口側の先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、装置幅方向に移動させるよう構成することにより、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
〔3〕付記
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0085】
(付記1)
段ボールシートをシート走行方向に走行させながら折り畳んで箱にするフォルダグルアに左右に対をなして装備され、前記シート走行方向の上流側から順に配置される上流側ガイド部材及び下流側ガイド部材を備え、前記上流側ガイド部材及び前記下流側ガイド部材を支持する支持フレームを第1アクチュエータによって前記シート走行方向と直角な装置幅方向に平行移動させるフレーム移動機構を備えた折り曲げガイド装置に装備されるガイド位置調整装置であって、
前記上流側ガイド部材は、前記段ボールシートの折り曲げ部分に接触する先端規制部のうち、少なくとも、前記上流側ガイド部材の入口側先端規制部及び出口側先端規制部を備えると共に、
第2アクチュエータによって、前記支持フレームに対して、前記出口側先端規制部を、前記入口側先端規制部の装置幅方向位置から内側の範囲で、前記装置幅方向に移動させる出口側ガイド移動機構を備えている
ことを特徴とするガイド位置調整装置。
【0086】
(付記2)
前記支持フレーム及び前記上流側ガイド部材は、何れも前記シート走行方向に沿って延在し、
前記出口側ガイド移動機構は、前記支持フレームと前記上流側ガイド部材との間の前記シート走行方向に沿って延在するスペースに配置される
ことを特徴とする付記1に記載のガイド位置調整装置。
【0087】
(付記3)
前記出口側ガイド移動機構は、
前記第2アクチュエータであって、前記支持フレームに取り付けられ前記シート走行方向に沿って伸縮する流体圧シリンダと、
前記流体圧シリンダのピストンロッドの前記シート走行方向への移動を前記上流側ガイド部材の下流側端部を前記装置幅方向へ移動させる移動方向へ変換する移動方向変換機構と、を備えている
ことを特徴とする付記1又は付記2に記載のガイド位置調整装置。
【0088】
(付記4)
前記出口側ガイド移動機構は、
前記第2アクチュエータであって、前記支持フレームに取り付けられたモータと、
前記モータの回転軸の回転を前記上流側ガイド部材の前記下流側端部を前記装置幅方向へ移動させる移動方向へ変換する移動方向変換機構と、を備えている
ことを特徴とする付記1又は付記2に記載のガイド位置調整装置。
サーボモータを適用する場合、無段階調整を適用することが好ましい。
【0089】
(付記5)
前記移動方向変換機構は、
前記支持フレームに揺動可能に支持されると共に前記上流側ガイド部材の前記下流側端部に連結された揺動部材と、
前記揺動部材に設けられ、前記シート走行方向に対して前記装置幅方向に傾斜し、前記第2アクチュエータの動きに連動して前記シート走行方向へ移動する移動部材の可動端部に当接可能な当接面と、
前記当接面を前記可動端部に圧接させる付勢部材と、を備えている
ことを特徴とする付記3又は付記4に記載のガイド位置調整装置。
【0090】
(付記6)
前記移動端部には、前記当接面に垂直な方向の力のみを前記揺動部材に伝達可能なローラが装備されている
ことを特徴とする付記5に記載のガイド位置調整装置。
【0091】
(付記7)
前記上流側ガイド部材が、上流側から第1ガイド部材及び第2ガイド部材を備えて構成される
ことを特徴とする付記1~付記6の何れか1項に記載のガイド位置調整装置。
【0092】
(付記8)
第3アクチュエータによって前記上流側ガイド部材の前記入口側先端規制部を前記装置幅方向に移動させる入口側ガイド移動機構を備える
ことを特徴とする付記1~7の何れか1項に記載のガイド位置調整装置。
【0093】
(付記9)
段ボールシートを走行させながら折り畳んで箱にするフォルダグルアに左右に対をなして装備され、上流側から順に配置される上流側ガイド部材、下流側ガイド部材を備え、
付記1~付記8の何れか1項に記載されたガイド位置調整装置を備えている
ことを特徴とする折り曲げガイド装置。
【0094】
(付記10)
前記第2ガイド部材の前記シート走行方向の上流側端部と前記第1ガイド部材の前記下流側端部とがリンク結合される
ことを特徴とする付記9に記載の折り曲げガイド装置。
【0095】
(付記11)
前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材に装備され、前記段ボールシートの折り曲げ部分に接触する先端規制部のうち、前記第2ガイド部材の先端規制部は、下流に向けて次第に装置幅方向の内側に寄るように横傾斜した配置となっている
ことを特徴とする付記8又は付記9に記載の折り曲げガイド装置。
【0096】
(付記12)
前記下流側ガイド部材は、上流側から順に第1ガイドプレートと第2ガイドプレートとを備え、
前記段ボールシートの折り曲げ部分に接触する先端規制部のうち、前記第2ガイドプレートの先端規制部の前記シート走行方向の下流側部分は、下流に向けて次第に前記装置幅方向の内側に寄るように横傾斜した配置となっている
ことを特徴とする付記9~付記11の何れか1項に記載の折り曲げガイド装置。
【0097】
(付記13)
付記9~付記12の何れか1項に記載されたガイド位置調整装置を備えている
ことを特徴とするフォルダグルア。
【0098】
(付記14)
付記13に記載されたフォルダグルアを備えている
ことを特徴とする製函機。
【0099】
(付記15)
付記8に記載されたガイド位置調整装置により、前記上流側ガイド部材及び前記下流側ガイド部材の装置幅方向位置を調整する折り曲げガイド位置調整方法であって、
前記段ボールシートの走行方向長さが予め設定された所定値以上の場合には、前記走行方向長さが所定値未満の場合に対して、前記第1アクチュエータを作動させて前記支持フレームを装置幅方向の内側に平行移動させると共に、前記第3アクチュエータを作動させて、前記上流側ガイド部材の少なくとも前記入口側先端規制部を装置幅方向の外側に移動させ、その後、前記第2アクチュエータを作動させて、前記出口側先端規制部を、前記入口側先端規制部の装置幅方向位置の内側の範囲で、装置幅方向の外側に移動させる
ことを特徴とする折り曲げガイド位置調整方法。
【符号の説明】
【0100】
1 段ボールシート
1A 段ボール箱
2 上フレーム
3 プーリ
4 搬送ベルト
5 下フレーム(支持フレーム)
6 折り曲げガイド(折畳み定規)
7 折畳みバー
8 折畳みベルト
10 上流側折り曲げガイド(上流側ガイド部材)
11 上流側折り曲げガイド10の第1折り曲げガイド(第1ガイド部材)
11a 第1折り曲げガイド(第1ガイド部材)の先端規制部(入口側先端規制部)
12 上流側折り曲げガイド10の第2折り曲げガイド(第2ガイド部材)
12a 第2折り曲げガイド(第2ガイド部材)の先端規制部(出口側先端規制部)
13 下流側折り曲げガイド(下流側ガイド部材)
13a 下流側折り曲げガイド13の先端規制部
13A 下流側折り曲げガイド13の第1ガイドプレート
13Aa 第1ガイドプレート13Aの先端規制部
13B 下流側折り曲げガイド13の第2ガイドプレート
13Ba 第2ガイドプレート13Bの先端規制部
20 ピン
21 摺動腕
22 軸受
23 軸
24 偏心輪
25 モータ(第3アクチュエータ)
30,31 ピン
40 ネジ軸
41 モータ(第1アクチュエータ)
42 フォルダグルア用制御盤
43 生産管理装置
44 スイッチ類
45 入口側ガイド移動機構
46 フレーム移動機構
50 出口側ガイド移動機構
51 流体圧シリンダ(第2アクチュエータ)
51a ピストンロッド
51b ピストン
52 移動方向変換機構
53a,59 ブラケット
53b,53c,53d 補助ブラケット
53e シート走行方向へ移動する移動部材としての補助ブラケット
54a,54b ピン
55 揺動部材
55a 揺動部材55の当接面
56 コイルバネ(付勢部材)
55b 揺動部材55の背面
57 ローラ
57d 軸
58 ローラガイド溝
60 ゲージローラ
C,C1,C2 罫線
S スロット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10