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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127891
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】容器供給装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20220825BHJP
   B65B 69/00 20060101ALI20220825BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G07F9/00 108
B65B69/00 Z
B65G47/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026120
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 健弘
【テーマコード(参考)】
3E044
3E058
3F080
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DB14
3E044FB06
3E044FB15
3E058AA02
3E058BA06
3E058FA20
3F080AA22
3F080BA01
3F080CC30
3F080DA04
3F080DB01
(57)【要約】
【課題】缶飲料を補充する際の補充作業の負荷を減らすとともに効率化でき、かつ小型で簡易な構造の容器供給装置を提供する。
【解決手段】略矩形の底板11と、該底板の長手方向の一端に立設された前板12と、該底板の長手方向の他端に前板よりも低く立設された後板13とを有する全体が略コの字状の載置部10であり、円筒形の容器21が多数収納された箱20を、収納された該容器が横倒しになるような向きで、底板と前板と後板で支持する載置部と、底板と前板との接続部に近接して設けられ、底板と前板との接続線の方向を回転軸として載置部を回動可能とする回転軸部14と、一端に載置部と回転軸部が装着された棚板31を複数有し、箱から転がり出た容器を該棚板に1列1段に並べるストッカー部30と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の底板と、該底板の長手方向の一端に立設された前板と、該底板の長手方向の他端に前板よりも低く立設された後板とを有する全体が略コの字状の載置部であり、
円筒形の容器が多数収納された箱を、収納された該容器が横倒しになるような向きで、底板と前板と後板で支持する載置部と、
前記底板と前記前板との接続部に近接して設けられ、前記底板と前記前板との接続線の方向を回転軸として前記載置部を回動可能とする回転軸部と、
一端に前記載置部と前記回転軸部が装着された棚板を複数有し、前記箱から転がり出た前記容器を該棚板に1列1段に並べるストッカー部と、
を有することを特徴とする容器供給装置。
【請求項2】
前記棚板に、前記載置部と前記回転軸部が装着された一端が対向する他端に比べ高くなる様に、傾斜が付けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器供給装置。
【請求項3】
前記ストッカー部に、多段に重なって前記棚板を転がってくる前記容器を規制して一段にするローラー軸が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の容器供給装置。
【請求項4】
前記棚板の、前記載置部と前記回転軸部が装着された一端が対向する他端に、前記容器の落下を防ぐストッパーが装着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の容器供給装置。
【請求項5】
前記ストッカー部の棚板に、前記容器が転がる方向に沿ってガイド板が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の容器供給装置。
【請求項6】
前記回転軸部は、前記載置部を150°回動可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の容器供給装置。
【請求項7】
前記棚板の他端に、並べられた前記容器を前記棚板から前記ストッカー部の外部に放出しながら計数する機構を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の容器供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、ジュース、ビール等の缶飲料やボトル飲料を、それを多数収納した段ボール箱から効率的に補充することができる小型で簡易な容器供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
缶飲料やボトル飲料(以下、合わせて缶飲料と称する。)は、多数(例えば24本)の缶飲料が入った段ボール箱(ケース)単位で出荷されている(特許文献1)。この缶飲料を自動販売機に補充する際、箱中の缶の数と補充する本数が一致することは稀であるため、缶飲料補充員は拠点にて箱を開梱し、補充する本数の缶飲料を取出し(ピッキング)、コンテナーに入れ、自販機まで運び充填するという作業を行っている。
【0003】
段ボール箱から本数を数えながら人手で缶飲料を取り出すのは手間がかかり、また補充員の負荷も大きい。このような作業をより効率的に行おうとすれば、例えば特許文献2のような、段ボール箱の自動開箱、物品取り出し、折畳み装置の導入が考えられるが、このような大掛かりな装置を各拠点に導入するのは現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2711743号公報
【特許文献2】特許第2551295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、缶飲料を補充する際の補充作業の負荷を減らすとともに効率化でき、かつ小型で簡易な構造の容器供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、
略矩形の底板と、該底板の長手方向の一端に立設された前板と、該底板の長手方向の他端に前板よりも低く立設された後板とを有する全体が略コの字状の載置部であり、
円筒形の容器が多数収納された箱を、収納された該容器が横倒しになるような向きで、底板と前板と後板で支持する載置部と、
前記底板と前記前板との接続部に近接して設けられ、前記底板と前記前板との接続線の方向を回転軸として前記載置部を回動可能とする回転軸部と、
一端に前記載置部と前記回転軸部が装着された棚板を複数有し、前記箱から転がり出た前記容器を該棚板に1列1段に並べるストッカー部と、
を有することを特徴とする容器供給装置である。
【0007】
上記容器供給装置において、前記棚板に、前記載置部と前記回転軸部が装着された一端が対向する他端に比べ高くなる様に、傾斜が付けられていて良い。
【0008】
上記容器供給装置において、前記ストッカー部に、多段に重なって前記棚板を転がってくる前記容器を規制して一段にするローラー軸が設けられていて良い。
【0009】
上記容器供給装置において、前記棚板の、前記載置部と前記回転軸部が装着された一端が対向する他端に、前記容器の落下を防ぐストッパーが装着されていて良い。
【0010】
上記容器供給装置において、前記ストッカー部の棚板に、前記容器が転がる方向に沿ってガイド板が設けられていて良い。
【0011】
上記容器供給装置において、前記回転軸部は、前記載置部を150°回動可能として良い。
【0012】
上記容器供給装置において、前記棚板の他端に、並べられた前記容器を前記棚板から前記ストッカー部の外部に放出しながら計数する機構を有していて良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の容器供給装置によれば、比較的簡易な構成で、ダンボール箱などの箱に収納された複数種類の缶やボトル等の円筒状の容器を効率的に所望の数量に応じて取り出すことができる容器供給装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の容器供給装置の載置部と回転軸部の一形態の模式図である。
図2】本発明の容器供給装置の載置部と回転軸部をストッカー部に装着した一形態の模式図である。
図3】本発明の容器供給装置の載置部と回転軸部の動作を説明する模式図である。
図4】本発明の容器供給装置の一形態の模式構成図である。
図5】本発明の容器供給装置の別形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また以下に示す実施形態では、発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。また各図面は説明のためのもので、各部の寸法の比率は厳密には正確でない場合がある。
【0016】
図1は、本発明の容器供給装置の載置部と回転軸部の一形態の模式図である。また図2は、本発明の容器供給装置の載置部と回転軸部をストッカー部に装着した一形態の模式図である。本発明の容器供給装置の載置部10は、底板11の長手方向の一端に前板12、他端に後板13がそれぞれ立設され、全体が略コの字状である。底板11は略矩形であり、前板12と接続している部分に近接して、底板11と前板12の接続線が伸びる方向を回転軸とする回転軸部14が設けられている。従って、回転軸部14を中心として、載置部10全体がその形状を保ったまま回動可能である。回転軸部14の機構は公知のものを適宜採用できるので、特に詳述しない。
【0017】
底板11と前板12、後板13がなす内角は略直角でよいが、特に後板13は若干鈍角とすると、円筒形の缶飲料やプラスチックボトル飲料などの容器(以下では特に区別せず缶ともいう。)21が収納された段ボール箱(以下、単に箱ともいう。)20の載せ下ろしがスムーズにできるため、より好ましい。また底板11、前板12、後板13の大きさは、載置する箱の大きさに合わせ適宜設定されれば良く、特に制限はない。また缶21が収納された段ボール箱20は比較的重量があることを考慮して、底板11、前板12、後板13の材質、厚み、強度は適当なもの(例えば金属板、硬質樹脂、木材など)を選択すれば良い。また後板13の底板11から測った高さは、前板12よりも低くされている。これも、箱20の載せ下ろしをスムーズにするためである。
【0018】
箱20を底板11に載置する際は、箱20の一側面22を開封して缶21が取り出せるようにしたうえで箱20を横倒しの向きで載置する。ここで横倒しの向きとは、図1にも
示した様に、缶21の円筒の軸の方向が、底面板11、前面板12のいずれに対しても平行な方向に延びる向きである。一般的に、開封される一側面22の幅Aは、隣接する側面の幅Bよりも小さい面である。載置したときには、開けられた一側面22を前板12がふさぐ形になるので、缶21が転がり落ちてしまうことはない。
【0019】
上述のような載置部10、回転軸部14は、図2に示す様にストッカー部30の棚板31の一端に回転軸部14を固定するような態様で装着される。すると、載置部10は棚板31の一端を中心に、前板12が棚板31上に載る角度まで回動可能となる。回動可能な範囲は、特に限定するものではないが、前板12が棚板31上に載った状態を基準として、図2での時計回り方向に150°の範囲に回動可能とすると好ましい。ただし150°という数値は厳密なものでなく、±10°程度の誤差を含み得るものである。
【0020】
回転可能な角度が小さいと、回動した状態において底板11が水平に近くなり、箱20を載置する際に開口された一側面22が横向きに近くなり、缶21が転がり落ちてしまいやすくなってしまう。逆に、回転可能な角度が大きすぎると、回動した状態において底板11が垂直に近くなり、箱20を搭載する際に横方向からはめ込む態様となって搭載しにくく、また回動させる角度が大きくなって負荷が大きくなってしまう。
【0021】
ストッカー部30は棚板31を複数備えており、載置部10、回転軸部14もそれぞれの棚板31に装着することができる。従って、棚板31ごとに異なった種類の飲料などが収納された箱20を装着することができる。またそれぞれの棚板31は、載置部10、回転軸部14が装着された一端側が高く、それに対向する他端側が低くなるように傾斜がつけられている。そのため、棚板31上の缶21が自然に他端側に転がってゆくようにすることができる。
【0022】
図3は、本発明の容器供給装置の載置部と回転軸部の動作を説明する模式図である。まず、載置部10を棚板31の外部側に回動し、開口した一側面が前板12側となるようにして、箱20を前述した横倒しの向きで底板11、後板13で支持されるように載置する。そして後板13側を持ち上げる様にして円弧矢印の様に回動させる(図3(a))。
【0023】
前板12が棚板31上に載った状態まで回動させると、箱20も棚板31上に完全に載った状態となる(図3(b))。そして、収納されていた缶を残して箱20のみを斜め矢印方向に引き上げて取り外す。このとき後板13は前板12よりも低く立設されているため、箱20が取り外しやすい。また、後板13が底板11に対して鈍角で立設されているとさらに取り外しやすい。
【0024】
箱20が取り外されると、多数重なって収納されていた缶21は自然に崩れて転がり、傾斜のついた棚板31上を他端側に転がって行く(図3(c))。なお、缶を一度に多数投入することにより、1缶ずつ投入する場合に比べて、姿勢が安定する。このようにして箱20からストッカー部30の棚板31上に缶21が並んで行く。
【0025】
図4は、本発明の容器供給装置の一形態の模式構成図であり、棚板31を側面側から見たものである。本実施形態の容器供給装置1は、ストッカー部30の棚板31が3段に設けられ、それぞれの一端部に載置部10、回転軸部14が取り付けられている。それぞれの載置部10に載置された箱20から転がり出た異なる種類の缶21a、21b、21cがそれぞれの棚板31に並べられている。
【0026】
箱から転がり出た缶21a、21b、21cは、傾斜した棚板31上を自然に他端側に転がって行く。箱の中で多数積み重なった状態から転がり出てくるので、最初のうちは多段に重なった状態で転がってくることがあるが、棚板31の途中に設けられたローラー軸
32で規制されて1段の並びに整列される。棚板31の他端には、並べられた缶を前記棚板からストッカー部30の外部に放出しながら計数する機構34が設けられ、それぞれの種類の缶21a、21b、21cを自動販売機等への補充に必要な数だけ棚板から放出してコンテナー40に供給されるようにすることができる。機構34は例えばフォトセンサや光電管とカウンター、転がってくる缶の動きを規制する機構などを適宜組み合わせて構成することができ、いずれも公知のものであるので特に詳述しない。自動販売機等への補充員はそのコンテナー40を運んで自動販売機などへ缶を補充することができる。
【0027】
それぞれの棚板に、缶が途中で側方(図4においては、紙面の法線に沿う方向)に落下しない様にガイド板33を設けても良い。ガイド板33は転がって行く缶21の端面に沿った方向に設けられ、缶21の片側または両側に設けることができる。
【0028】
容器供給装置1はより簡易な機構とすることもでき、例えば、棚板31の他端には単なるストッパー(図示せず)の部材を設けて缶が他端から転がり落ちないようにしておくだけでも良い。補充員は他端側からストッパーで保持された缶を必要な数量だけピックアップしてコンテナー40に入れる。缶を1本ピックアップすると、次の缶が自然にストッパーの部位に転がってくるので、複数の缶をピックアップするのも容易である。
【0029】
上記のいずれの構成においても、補充員個々の必要数量に関わりなく、ストッカー部の空き具合に応じて箱を開封してセットして缶を補充しておけば、個々の補充員は自身が必要とする種類、必要な本数の缶を適宜ピックアップするだけで良く、従来の様に、補充員が複数の種類の缶を取り出すために複数の段ボール箱を開封して必要な数の缶を取り出さなければならないのに比較して、補充員の作業負荷を大きく削減でき、作業効率を高めることができる。
【0030】
図5は、本発明の容器供給装置の別形態の模式図である。一般的に、缶21の円筒軸方向の長さは20cm前後であることから、缶を収納する箱のサイズもそれに応じた大きさである。従って図5に示す様に、載置部、回動軸部を一つの棚板に複数列取り付ける構成とすることは困難なことではない。複数列の載置部、回動軸部を取り付けた棚板を複数段設ければ、より多種類の缶のピックアップに対応でき、より好ましい。
【符号の説明】
【0031】
1・・・容器供給装置
10・・・載置部
11・・・底板
12・・・前板
13・・・後板
14・・・回転軸部
20・・・箱
21・・・缶
22・・・一側面
30・・・ストッカー部
31・・・棚板
32・・・ローラー軸
33・・・ガイド板
34・・・缶を放出しながら計数する機構
40・・・コンテナー
図1
図2
図3
図4
図5