(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127910
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム方法及びサーバ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220825BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220825BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026143
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】松井 聡弥
(72)【発明者】
【氏名】武田 飛鳥
(72)【発明者】
【氏名】古山 恵介
(72)【発明者】
【氏名】田添 政宗
(72)【発明者】
【氏名】玉井 康太
(57)【要約】
【課題】ユーザにポイントを付与する仕組みを改善することで、ゲームに対するユーザの興趣性を高めることができるゲームプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザの端末装置にゲームを提供するサーバのプロセッサに実行させるゲームプログラムであって、プロセッサに、端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象キャラクタ群の中から選択したキャラクタをユーザに獲得させる獲得キャラクタとして特定するガチャを複数回連続して実行するステップと、ガチャにより特定された獲得キャラクタがユーザの所有キャラクタと異なる種類である場合に、獲得キャラクタをユーザに付与する一方、ガチャにより特定された獲得キャラクタが所有キャラクタと同じ種類である場合に、ユーザに報酬を付与するステップと、を実行させ、ユーザに付与する報酬は、所有キャラクタと種類が重複する獲得ゲーム媒体の数等によって異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末装置にゲームを提供するサーバのプロセッサに実行させるゲームプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体を前記ユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行するステップと、
前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、前記獲得ゲーム媒体を前記ユーザに付与する一方、前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記ユーザに報酬を付与するステップと、
を実行させ、
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の数によって異なる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の価値によってさらに異なる、
請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項3】
複数回連続して実行された前記抽選ゲームにおいて、前記ユーザに付与する前記獲得ゲーム媒体の数が、所定数以下である場合、次回に実行される複数回連続して実行する前記抽選ゲームで前記ユーザに付与する報酬を、今回の報酬よりも割り増しする、
請求項1又は2記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ユーザが前記抽選ゲームを実行する権利を購入した場合に、次回に実行される複数回連続して実行する前記抽選ゲームにおいて、購入特典としての報酬を前記ユーザにさらに付与する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ユーザが購入した前記抽選ゲームを実行する権利に付随するチケットを使用し、所定価値以上のゲーム媒体の特定が確約された前記抽選ゲームを複数回連続して実行した結果、特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記チケットの利用特典としての報酬を前記ユーザにさらに付与する、
請求項4記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記ユーザに付与する報酬は、ポイント又はアイテムのいずれかである、
請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
ユーザが使用する端末装置にゲームを提供するサーバのプロセッサが実行するゲーム方法であって、
前記プロセッサが、
前記端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体を前記ユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行するステップと、
前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、前記獲得ゲーム媒体を前記ユーザに付与する一方、前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記ユーザに報酬を付与するステップと、
を実行し、
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の数によって異なる、
ゲーム方法。
【請求項8】
ユーザが使用する端末装置にゲームを提供するサーバであって、
前記端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体を前記ユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行する第1処理部と、
前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、前記獲得ゲーム媒体を前記ユーザに付与する一方、前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記ユーザに報酬を付与する第2処理部と、
を備え、
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の数によって異なる、
サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム方法及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、抽選対象となる複数のキャラクタの中からユーザに獲得させるキャラクタを抽選する抽選ゲームを実行するゲームシステムが開示されている。このゲームシステムでは、抽選されたキャラクタが、ユーザが所有しているキャラクタと同一種類である場合に、ユーザにポイントを付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポイントの付与はユーザをゲームに引き付ける要因となる。しかしながら、ポイントが思うように溜まらないと、ゲームに対するユーザの興趣が削がれる要因になる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザにポイントを付与する仕組みを改善することで、ゲームに対するユーザの興趣性を高めることができるゲームプログラム、ゲーム方法及びサーバを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様であるゲームプログラムは、ユーザが使用する端末装置にゲームを提供するサーバのプロセッサに実行させるゲームプログラムであって、プロセッサに、端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体をユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行するステップと、抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、獲得ゲーム媒体をユーザに付与する一方、抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、ユーザに報酬を付与するステップと、を実行させ、ユーザに付与する報酬は、所有ゲーム媒体と種類が重複する獲得ゲーム媒体の数によって異なる。
【0007】
本発明の他の態様であるゲーム方法は、ユーザが使用する端末装置にゲームを提供するサーバのプロセッサが実行するゲーム方法であって、プロセッサが、端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体をユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行するステップと、抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、獲得ゲーム媒体をユーザに付与する一方、抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、ユーザに報酬を付与するステップと、を実行し、ユーザに付与する報酬は、所有ゲーム媒体と種類が重複する獲得ゲーム媒体の数によって異なる。
【0008】
本発明の他の態様であるサーバは、ユーザが使用する端末装置にゲームを提供するサーバであって、端末装置からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体をユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行する第1処理部と、抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、獲得ゲーム媒体をユーザに付与する一方、抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、ユーザに報酬を付与する第2処理部と、を備え、ユーザに付与する報酬は、所有ゲーム媒体と種類が重複する獲得ゲーム媒体の数によって異なる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザにポイントを付与する仕組みを改善することで、ゲームに対するユーザの興趣性を高めることができるゲームプログラム、ゲーム方法及びサーバを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態におけるゲームシステムの構成を例示する図である。
【
図2】
図1に示すサーバの機能構成を例示する図である。
【
図3】
図1に示す端末装置の機能構成を例示する図である。
【
図4】ガチャで獲得キャラクタを特定する際の出現確率を設定する確率テーブルの内容を例示する図である。
【
図5】獲得キャラクタのレアリティごとに設定されるポイントを例示する図である。
【
図6】10連ガチャに連続してはずれた回数に応じて設定されるポイントを例示する図である。
【
図7】本実施形態に係るゲームシステムにおいて、10連ガチャが実行されたときの処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[ゲームシステムのシステム構成]
図1は、本発明の実施形態におけるゲームシステム1の概略構成図である。同図に示すように、ゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備える。
【0013】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワークNを介して接続する。ネットワークNは、例えば、インターネット、移動体通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0014】
[サーバのハードウェア構成]
サーバ20は、例えば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータが該当し得る。
図1に示すように、サーバ20は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25とを備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0015】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、例えば、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0016】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出した各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0017】
なお、本実施形態におけるプログラムは、例えば、複数の端末装置10とサーバ20との協働によりゲームを実現するゲームプログラムである。また、各種データには、例えば、ゲーム情報等のゲームに関するデータ、ユーザ情報、及び端末装置10とサーバ20との間で送受信する指示や通知が含まれる。
【0018】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0019】
通信IF24は、サーバ20における各種データの送受信を制御する。
【0020】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含むことができる。
【0021】
[端末装置のハードウェア構成]
端末装置10は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の携帯端末が該当し得る。端末装置10は、ユーザがコンピュータゲームを実行する際にプレイヤとして使用可能な可搬型の端末であることが望ましい。
【0022】
図1に示すように、端末装置10は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、タッチスクリーン16とを備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0023】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPU及びGPU等を含み得る。プロセッサ11は、例えば、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0024】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROM、及びRAM等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラム及び各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0025】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等の不揮発性記憶装置により構成される。ストレージ13には、例えば、ゲームに関する各種データが格納される。
【0026】
通信IF14は、各種データの送受信を制御する。通信IF14は、例えば、無線LAN(Local Area Network)又は携帯電話回線網等を介した通信、及び近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0027】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、例えば、端末装置10が備える物理ボタンやカメラ、マイク、スピーカ等を含むことができる。
【0028】
タッチスクリーン16は、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品である。入力部17は、例えばタッチパッドによって構成される。表示部18は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0029】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作等)により、入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部17は、例えば、タッチセンシング部を含むことができる。タッチセンシング部は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0030】
[サーバの機能構成]
図2は、サーバ20の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データ及びプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、及び、複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0031】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザ及び端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10又はパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に従って、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成及び保存することができる。
【0032】
図2に示すように、サーバ20は、機能的な構成として、例えば、制御部210と記憶部220とを有する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222及びユーザ情報223がある。
【0033】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222及びユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0034】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0035】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値や、クエストに関する情報を含む。クエストは、達成条件が設定されたゲーム内のイベントである。このクエストには、達成条件に加え失敗条件が設定されていてもよい。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0036】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、及びゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品、カード等が挙げられる。
【0037】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213及び同期処理部214を有する。
【0038】
送受信部211は、各種データを送信又は受信する。例示的に、送受信部211は、各種データ及びプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0039】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20及び端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0040】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。例示的に、サーバ処理部212は、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードの追加、更新、又は削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0041】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。例示的に、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードを、追加、更新、又は削除する。
【0042】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。例えば、同期処理部214は、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0043】
[端末装置の機能構成]
図3は、端末装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、及び、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0044】
図3に示すように、端末装置10は、機能的な構成として、例えば、制御部110と記憶部120とを有する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122及びユーザ情報123がある。
【0045】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122及びユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0046】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含むため、ここでの説明を省略する。
【0047】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであるが、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含むため、ここでの説明を省略する。
【0048】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113及び表示制御部114を有する。
【0049】
操作受付部111は、タッチスクリーン16の入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的に、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作を受け付けた場合に、入力位置の座標及び入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作が挙げられる。入力操作は、タッチスクリーン16に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。操作受付部111は、例えば、連続して検知されていた入力操作が途切れたことを検出した場合に、入力部17に対する入力操作が解除されたものと検知する。
【0050】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてユーザに入力された操作についても、上記入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0051】
送受信部112は、各種データを送信又は受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0052】
送受信部112は、ゲーム情報122又はユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、及びマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータ及びそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0053】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた操作に関する操作情報(以下、「第1操作情報」ともいう。)を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報(以下、「第2操作情報」ともいう。)を、サーバ20から受信する。
【0054】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0055】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的に、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0056】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置及び向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域及びこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0057】
仮想カメラの位置及び向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離及び角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121及び221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0058】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標及び入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加又は削除する。
【0059】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0060】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(user interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0061】
[抽選ゲームの抽選結果に応じてポイントを付与する機能]
本実施形態におけるゲームシステム1は、上述した各構成において、抽選ゲームの抽選結果に応じて報酬を付与する機能を有することに特徴がある。具体的に、複数回連続して実行する抽選ゲームにおいて、複数回の抽選によりそれぞれ特定されたゲーム媒体のいずれかが、ユーザが所有しているゲーム媒体と同じである場合に、ゲーム媒体の重複数や重複したゲーム媒体の価値に応じてユーザに報酬を付与することに特徴がある。
【0062】
抽選ゲームは、抽選の対象となるゲーム媒体(以下、「抽選対象ゲーム媒体」ともいう。)群の中から選択したゲーム媒体を、ユーザに獲得させるゲーム媒体(以下、「獲得ゲーム媒体」ともいう。)として特定するゲームである。
【0063】
具体的に、抽選ゲームは、ガチャ、くじ引き、宝箱等のように抽選機能を有するゲームであり、ソーシャルゲーム中に組み込まれるゲームである。
【0064】
ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、キャラクタ、アイテム、カード等を含む。ゲーム媒体は、ゲーム内において、例えば、取得、保有、使用、交換、売却、廃棄等され得る。ゲーム媒体の価値には、例えば、キャラクタやアイテムの価値(レベルやレアリティ等)、カードの枚数等が含まれる。レアリティはゲーム媒体の希少性を表す。また、ゲーム媒体には、価値の違いの他に、属性等の種類の違いを示す性質が付与される。
【0065】
ユーザに付与する報酬として、例えば、ポイント、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタ、カード等を用いることができる。
【0066】
なお、本機能は、ソーシャルゲーム全般に適用することができるとともに、アプリケーションをダウンロードして実行するゲームアプリにも適用可能である。
【0067】
以下においては、例示的に、「抽選ゲーム」が「ガチャ」であり、「報酬」が「ポイント」であり、「ゲーム媒体」が「キャラクタ」であり、「ゲーム媒体の価値」が「キャラクタのレアリティ」である場合について説明する。
【0068】
ガチャは、ガチャを引くためのガチャ筐体(抽選ゲームを実行する権利)を入手し、そのガチャ筐体に設けられる抽選指示部に実行指示操作を入力することで抽選を行うゲームである。ガチャ筐体は、例えば、ユーザが特定の条件を成立させることや、イベントにより配布されること、ユーザが購入すること等によって入手することができる。特定の条件には、例えば、クエストを攻略する、ボスキャラに勝利する、対戦相手に勝利する、所定のスキルやレベルに到達する等が含まれる。
【0069】
以下に、複数回連続して実行するガチャ(以下、「連ガチャ」ともいう。)をユーザが選択して実行する場合の処理内容について説明する。本実施形態では、例示的に、10回連続してガチャを引く「10連ガチャ」を実行する場合について説明する。連続して実行する回数は10回に限定されず、9回以下であってもよいし、11回以上であってもよい。また、以下では、ソーシャルゲームを前提として、端末装置10のゲーム進行部113とサーバ20のサーバ処理部212との間で各処理が実行される場合について説明するが、ゲームアプリのように、端末装置10のゲーム進行部113が各処理を実行することとしてもよい。
【0070】
図2に示すサーバ20のサーバ処理部212は、端末装置10において10連ガチャの実行を指示する操作が入力されると、その10連ガチャに対応する抽選対象キャラクタ群の中から獲得キャラクタを特定するガチャを10回連続して実行する。
【0071】
各ガチャでは、
図4に例示する確率テーブルに基づいて、獲得キャラクタが特定される。同図の確率テーブルには、抽選対象キャラクタとして、A乃至Eの5つのキャラクタが登録されている。それぞれのキャラクタには、レアリティ及び出現確率が設定されている。レアリティは、そのキャラクタの希少性を表す価値であり、c,b,a,sの順に価値が高くなる。出現確率は、ガチャを引いたときに、そのキャラクタが獲得キャラクタとして特定される確率である。例えば、キャラクタA,Bは、レアリティが最も低いcに設定され、出現確率が最も高い40%に設定されている。他方、キャラクタEは、レアリティが最も高いsに設定され、出現確率が最も低い1%に設定されている。
【0072】
本実施形態における10連ガチャは、ガチャにより特定された獲得キャラクタが、ユーザが所有するキャラクタ(以下、「所有キャラクタ」ともいう。)と異なるキャラクタである場合に、その獲得キャラクタをユーザに付与する一方、ガチャにより特定された獲得キャラクタが、所有キャラクタと同じである場合には、ユーザにポイントを付与する。
【0073】
本実施形態では、獲得キャラクタと所有キャラクタとが同じかどうかを基準にして、獲得キャラクタを付与するのか、ポイントを付与するのかを決定するが、付与対象を決定する際の判定基準は、キャラクタ同士が同じかどうかには限定されない。例えば、獲得キャラクタと所有キャラクタとが同じ種類のキャラクタであるかどうかにより、獲得キャラクタを付与するのか、ポイントを付与するかを決定してもよい。
【0074】
ユーザに対して付与するポイントは、以下(1)乃至(4)の条件により異ならせることができる。
【0075】
(1)ユーザに対して付与するポイントは、所有キャラクタと同じである(重複する)と判定された獲得キャラクタの数及び当該獲得キャラクタのレアリティによって異ならせることができる。例えば、所有キャラクタと重複すると判定された獲得キャラクタの数が増えるにつれてポイントを増やし、所有キャラクタと重複すると判定された獲得キャラクタのレアリティが高くなるにつれてポイントを増やす。
【0076】
図5を参照して、具体的に説明する。同図に示すように、例えば、獲得キャラクタのレアリティが、最も低いcである場合、その獲得キャラクタごとに1ポイント付与する。獲得キャラクタのレアリティが、二番目に低いbである場合、その獲得キャラクタごとに5ポイント付与する。獲得キャラクタのレアリティが、二番目に高いaである場合、その獲得キャラクタごとに10ポイント付与する。獲得キャラクタのレアリティが、最も高いsである場合、その獲得キャラクタごとに15ポイント付与する。
【0077】
ここで、
図5のようにポイントが設定されている状況下で10連ガチャを実行し、特定された10体の獲得キャラクタが全て所有キャラクタと重複したとする。そして、10体の獲得キャラクタのレアリティとして、cが1体、bが7体、aが2体であったとする。
【0078】
この場合、{(1ポイント×1)+(5ポイント×7)+(10ポイント×2)}により算出される56ポイントがユーザに付与されることになる。
【0079】
なお、上記ではポイントを算定する際に、所有キャラクタと重複すると判定された獲得キャラクタの数及び当該獲得キャラクタのレアリティに基づいて算定しているが、獲得キャラクタの数のみに基づいて算定することとしてもよい。この場合、獲得キャラクタのレアリティにかかわらず、獲得キャラクタ1体のポイントを所定のポイントに設定し、獲得キャラクタの数を乗算してポイントを算定することとすればよい。また、重複すると判定された獲得キャラクタの数に応じてポイントが高くなるように、所定のポイントを段階的に設定することとしてもよい。
【0080】
(2)ユーザに対して付与するポイントは、10連ガチャを実行した結果の「あたり」、「はずれ」によって異ならせることができる。「あたり」、「はずれ」について以下に説明する。
【0081】
10連ガチャを実行した結果、獲得キャラクタとして、例えば、キャラクタAが1体、キャラクタCが7体、キャラクタDが2体特定されたとする。この場合、ユーザがキャラクタA、キャラクタC及びキャラクタDの全てを既に所有していれば、この10連ガチャで新しいキャラクタを獲得できなかったことになる。したがって、この10連ガチャの結果を「はずれ」とする。
【0082】
他方、ユーザがキャラクタA、キャラクタC及びキャラクタDのいずれか一つでも未所有であれば、この10連ガチャで新しいキャラクタを獲得できたことになる。したがって、この10連ガチャの結果を「あたり」とする。
【0083】
本実施形態では、10連ガチャの結果が「はずれ」の場合に、連続して「はずれ」になった回数に応じてユーザにポイントを付与する。このポイントは、上記(1)のポイントとは別に付与してもよいし、上記(1)のポイントに替えて付与してもよい。
【0084】
図6を参照して、具体的に説明する。同図に示すように、例えば、10連ガチャに1回はずれた場合には1ポイント付与し、2回連続してはずれた場合には5ポイント付与し、3回連続してはずれた場合には10ポイント付与する。つまり、連続してはずれた回数が増えるにつれてユーザに付与するポイントが増えることになる。この場合、連続してはずれた回数に上限を設けることとしてもよい。例えば、上限を5回に設定した場合、5回以上連続してはずれたときのポイントは、5回以上のいずれの回数であっても同じポイントになる。連続してはずれた回数は、あたりになると、リセットされる。なお、上記では、連続してはずれた回数に1回はずれた場合も含めているが、含めなくてもよい。
【0085】
連続してはずれた場合に、上記のように特定のポイントを付与するのではなく、付与するポイントを所定の割合だけ割り増ししてユーザに付与することとしてもよい。例えば、10連ガチャに1回はずれた場合には付与するポイントを10%割り増しして付与し、2回連続してはずれた場合には付与するポイントを15%割り増しして付与し、3回連続してはずれた場合には付与するポイントを25%割り増しして付与する。
【0086】
10連ガチャの結果が「はずれ」かどうかの判定基準は、上記の新しいキャラクタを獲得したかどうかには限定されない。例えば、新しいキャラクタが獲得された場合であっても、獲得された新しいキャラクタが所定数以下である場合には「はずれ」と判定してもよい。さらに、獲得された新しいキャラクタが所定数以下であっても、新しいキャラクタの中にレアリティが所定価値以上となるキャラクタが含まれている場合には、「あたり」と判定してもよい。
【0087】
(3)ユーザに対して付与するポイントは、ユーザが課金パックを購入したかどうかによって異ならせることができる。課金パックは、例えば、ガチャ筐体と、アイテム、キャラクタ又はガチャチケット等とをセットにしてゲーム内で販売される。
【0088】
ユーザがガチャ筐体を含む課金パックを購入した場合に、次回に実行される10連ガチャにおいて、課金パックを購入した特典(以下、「購入特典」ともいう。)としてのポイントをユーザに付与する。
【0089】
購入特典としてのポイントは、上記(1)、(2)のポイントとは別に付与することができる。ユーザにポイントを付与する際に、購入特典として特定のポイントを付与してもよいし、購入特典とは別に付与するポイントを所定の割合だけ割り増しして付与することとしてもよい。
【0090】
購入特典の付与は、購入後の1回に限定してもよいし、購入後の所定回数以内に限定してもよい。
【0091】
(4)ユーザに対して付与するポイントは、ガチャ筐体を含む課金パックに付随するプレミアムガチャチケットを使用して10連ガチャを実行したかどうかによって異ならせることができる。
【0092】
プレミアムガチャチケットは、10連ガチャを実行した際に、例えばレアリティがa以上となるキャラクタの特定を確約するガチャチケットである。なお、プレミアムガチャチケットで確約するレアリティは、a以上であることに限定されず、他のレアリティ値以上であってもよい。
【0093】
ユーザがプレミアムガチャチケットを使用して、10連ガチャを実行した結果、特定された獲得キャラクタが、所有キャラクタと同じである場合に、プレミアムガチャチケットを利用した特典(以下、「利用特典」ともいう。)としてのポイントをユーザに付与する。
【0094】
利用特典としてのポイントは、上記(1)乃至(3)のポイントとは別に付与することができる。ユーザにポイントを付与する際に、利用特典として特定のポイントを付与してもよいし、利用特典とは別に付与するポイントを所定の割合だけ割り増しして付与することとしてもよい。
【0095】
利用特典としてのポイントは、プレミアムガチャチケットを利用した場合に付与することに限定されず、例えばガチャチケット等の他のチケットを利用した場合に付与することとしてもよい。
【0096】
図7を参照して、本実施形態に係るゲームシステム1において、10連ガチャが実行されたときの処理手順の一例について説明する。
【0097】
最初に、サーバ20のサーバ処理部212は、端末装置10から送信される10連ガチャの実行指示(ステップS101)に基づいて、ガチャを実行する(ステップS102)。
【0098】
続いて、サーバ処理部212は、ガチャにより特定された獲得キャラクタが、所有キャラクタと同じキャラクタであるか否かを判定する(ステップS103)。この判定がYESである場合(ステップS103;YES)に、サーバ処理部212は、ガチャにより特定された獲得キャラクタをポイント付与の対象とし(ステップS104)、後述するステップS106に処理を移行する。
【0099】
上記ステップS103において、ガチャにより特定された獲得キャラクタが所有キャラクタと異なるキャラクタであると判定された場合(ステップS103;NO)に、サーバ処理部212は、その獲得キャラクタをユーザに付与する対象とする(ステップS105)。
【0100】
続いて、サーバ処理部212は、ガチャを10回実行したか否かを判定する(ステップS106)この判定がNOである場合(ステップS106;NO)に、サーバ処理部212は、上記ステップS102に処理を移行する。
【0101】
上記ステップS106において、ガチャを10回実行したと判定された場合(ステップS106;YES)に、サーバ処理部212は、上記ステップS104でポイント付与の対象にした獲得キャラクタの数及び当該獲得キャラクタのレアリティに基づいて、ポイントを算定する(ステップS107)。
【0102】
続いて、サーバ処理部212は、10連ガチャに連続してはずれた回数に基づいて、ポイントを算定する(ステップS108)。
【0103】
続いて、サーバ処理部212は、ガチャ筐体を含む課金パックの購入後に最初に10連ガチャが実行された場合に、購入特典用のポイントを算定する(ステップS109)。
【0104】
続いて、サーバ処理部212は、プレミアムガチャチケットを利用して10連ガチャが実行された場合に、利用特典用のポイントを算定する(ステップS110)。
【0105】
続いて、サーバ処理部212は、上記ステップS107からステップS110で算定した各ポイント及び上記ステップS105でユーザに付与する対象とした獲得キャラクタのデータを端末装置10に送信する(ステップS111)。これにより、10連ガチャの成果となるポイント及び獲得キャラクタをユーザに付与することができる。そして、本処理手順を終了する。
【0106】
上述したように、実施形態におけるゲームシステム1によれば、10連ガチャを実行させて、各ガチャにより特定される獲得キャラクタが、ユーザの所有キャラクタと異なる場合に、当該獲得キャラクタをユーザに付与する一方、各ガチャにより特定される獲得キャラクタが、所有キャラクタと同じである場合に、所有キャラクタと重複した獲得キャラクタの数及び当該獲得キャラクタのレアリティに応じたポイントをユーザに付与することができる。
【0107】
また、10連ガチャの結果が連続してはずれになった場合には、次回の10連ガチャを実行したときに、今回のポイントよりも割り増ししたポイントをユーザに付与することができる。
【0108】
また、ユーザがガチャ筐体を含む課金パックを購入した場合には、次回の10連ガチャを実行したときに、購入特典としてのポイントをさらに付与することができる。
【0109】
さらに、レアリティがa以上となるキャラクタの特定を確約するプレミアムガチャチケットを使用して10連ガチャを実行し、ガチャにより特定された獲得キャラクタが所有キャラクタと同じである場合には、プレミアムガチャチケットの利用特典としてのポイントをさらに付与することができる。
【0110】
したがって、実施形態におけるゲームシステム1によれば、ユーザにポイントを付与する仕組みを改善したゲームプログラム、ゲーム方法及びサーバを提供することができ、それによりゲームに対するユーザの興趣性を高めることが可能となる。
【0111】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0112】
例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。また、上述した実施形態におけるゲームシステム1は、端末装置10が備える機能のうち少なくとも一部をサーバ20が備えるように構成されていてもよいし、サーバ20が備える機能のうち少なくとも一部を端末装置10が備えるように構成されていてもよい。さらに、端末装置10及びサーバ20以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、他の装置にゲームシステム1における処理の少なくとも一部を実行させてもよい。つまり、本実施形態においてゲームプログラム121及び221を実行するコンピュータは、端末装置10、サーバ20、及び他の装置によって構成されてもよい。
【0113】
ここで、本発明の実施形態は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0114】
[付記1]
ユーザが使用する端末装置(10)にゲームを提供するサーバ(20)のプロセッサ(21)に実行させるゲームプログラム(221)であって、
前記プロセッサ(21)に、
前記端末装置(10)からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体を前記ユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行するステップと、
前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、前記獲得ゲーム媒体を前記ユーザに付与する一方、前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記ユーザに報酬を付与するステップと、
を実行させ、
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の数によって異なる、
ゲームプログラム(221)。
【0115】
これにより、複数回連続して抽選ゲームを実行させて、各抽選ゲームにより特定される獲得ゲーム媒体が、ユーザの所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、当該獲得ゲーム媒体をユーザに付与する一方、各抽選ゲームにより特定される獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、所有ゲーム媒体と種類が重複した獲得ゲーム媒体の数に応じた報酬をユーザに付与することが可能となる。
【0116】
[付記2]
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の価値によってさらに異なる、
付記1記載のゲームプログラム(221)。
【0117】
これにより、複数回連続して実行させる各抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、所有ゲーム媒体と種類が重複した獲得ゲーム媒体の数及び当該獲得ゲーム媒体の価値に応じた報酬をユーザに付与することが可能となる。
【0118】
[付記3]
複数回連続して実行された前記抽選ゲームにおいて、前記ユーザに付与する前記獲得ゲーム媒体の数が、所定数以下である場合、次回に実行される複数回連続して実行する前記抽選ゲームで前記ユーザに付与する報酬を、今回の報酬よりも割り増しする、
付記1又は2記載のゲームプログラム(221)。
【0119】
これにより、複数回連続して実行させる各抽選ゲームによって付与される獲得ゲーム媒体の数が少ない場合には、次回の抽選ゲームを実行したときに、今回の報酬よりも割り増しした報酬をユーザに付与することが可能となる。
【0120】
[付記4]
前記ユーザが前記抽選ゲームを実行する権利を購入した場合に、次回に実行される複数回連続して実行する前記抽選ゲームにおいて、購入特典としての報酬を前記ユーザにさらに付与する、
付記1から3のいずれか一に記載のゲームプログラム(221)。
【0121】
これにより、ユーザが抽選ゲームを実行する権利を購入した場合には、次回の抽選ゲームを実行したときに、購入特典としての報酬をさらに付与することが可能となる。
【0122】
[付記5]
前記ユーザが購入した前記抽選ゲームを実行する権利に付随するチケットを使用し、所定価値以上のゲーム媒体の特定が確約された前記抽選ゲームを複数回連続して実行した結果、特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記チケットの利用特典としての報酬を前記ユーザにさらに付与する、
付記4記載のゲームプログラム(221)。
【0123】
これにより、所定価値以上のゲーム媒体の特定を確約するチケットを使用して抽選ゲームを実行し、特定された獲得ゲーム媒体が所有ゲーム媒体と同じ種類である場合には、チケットの利用特典としての報酬をさらに付与することが可能となる。
【0124】
[付記6]
前記ユーザに付与する報酬は、ポイント又はアイテムのいずれかである、
付記1から5のいずれか一に記載のゲームプログラム(221)。
【0125】
これにより、各抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、所有ゲーム媒体と種類が重複した獲得ゲーム媒体の数等に応じたポイント又はアイテムをユーザに付与することが可能となる。
【0126】
[付記7]
ユーザが使用する端末装置(10)にゲームを提供するサーバ(20)のプロセッサ(21)が実行するゲーム方法であって、
前記プロセッサ(21)が、
前記端末装置(10)からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体を前記ユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行するステップと、
前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、前記獲得ゲーム媒体を前記ユーザに付与する一方、前記抽選ゲームにより特定される前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記ユーザに報酬を付与するステップと、
を実行し、
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の数によって異なる、
ゲーム方法。
【0127】
これにより、複数回連続して抽選ゲームを実行させて、各抽選ゲームにより特定される獲得ゲーム媒体が、ユーザの所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、当該獲得ゲーム媒体をユーザに付与する一方、各抽選ゲームにより特定された獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、所有ゲーム媒体と種類が重複した獲得ゲーム媒体の数に応じた報酬をユーザに付与することが可能となる。
【0128】
[付記8]
ユーザが使用する端末装置(10)にゲームを提供するサーバ(20)であって、
前記端末装置(10)からの実行指示に基づいて、抽選対象ゲーム媒体群の中から選択したゲーム媒体を前記ユーザに獲得させる獲得ゲーム媒体として特定する抽選ゲームを、複数回連続して実行する第1処理部(212)と、
前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記ユーザが所有するゲーム媒体である所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、前記獲得ゲーム媒体を前記ユーザに付与する一方、前記抽選ゲームにより特定された前記獲得ゲーム媒体が、前記所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、前記ユーザに報酬を付与する第2処理部(212)と、
を備え、
前記ユーザに付与する報酬は、前記所有ゲーム媒体と種類が重複する前記獲得ゲーム媒体の数によって異なる、
サーバ(20)。
【0129】
これにより、複数回連続して抽選ゲームを実行させて、各抽選ゲームにより特定される獲得ゲーム媒体が、ユーザの所有ゲーム媒体と異なる種類である場合に、当該獲得ゲーム媒体をユーザに付与する一方、各抽選ゲームにより特定される獲得ゲーム媒体が、所有ゲーム媒体と同じ種類である場合に、所有ゲーム媒体と種類が重複した獲得ゲーム媒体の数に応じた報酬をユーザに付与することが可能となる。
【符号の説明】
【0130】
1…ゲームシステム、10…端末装置、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、14…通信IF、15…入出力IF、16…タッチスクリーン、17…入力部、18…表示部、20…サーバ、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信IF、25…入出力IF、110…制御部、111…操作受付部、112…送受信部、113…ゲーム進行部、114…表示制御部、120…記憶部、121…ゲームプログラム、122…ゲーム情報、123…ユーザ情報、210…制御部、211…送受信部、212…サーバ処理部、213…データ管理部、214…同期処理部、220…記憶部、221…ゲームプログラム、222…ゲーム情報、223…ユーザ情報、N…ネットワーク