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  • 特開-差動減速機 図1
  • 特開-差動減速機 図2
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  • 特開-差動減速機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127927
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】差動減速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
F16H1/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026172
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】591218307
【氏名又は名称】株式会社ニッセイ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 光明
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA50
3J027GA01
3J027GB03
3J027GC03
3J027GC13
3J027GC22
3J027GD04
3J027GD07
3J027GD13
3J027GE03
3J027GE11
3J027GE18
3J027GE23
3J027GE27
3J027GE29
(57)【要約】
【課題】外歯歯車と変換部材との摺動抵抗を低減させることができる差動減速機を提供することを目的とする。
【解決手段】外歯歯車2の遊星運動を、反力プレート30を介して中心軸C0と同軸の回転運動に変換し、内歯歯車3に設けられた出力部15から出力する差動減速機1において、外歯歯車2における反力プレート30と対向する側面に複数の円形の凹部28を形成し、凹部28に潤滑剤を充填する。潤滑剤により外歯歯車2と反力プレート30との間の摺動面の摺動抵抗が低減され、差動減速機1の損失を低減することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内歯歯車が形成された出力部と、
前記内歯歯車と同軸で前記内歯歯車内に貫通するように配置されており、中心軸に対して偏心する偏心部を有している入力軸と、
前記偏心部に外装され、前記内歯歯車に内接して噛み合い、第1摺動部を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車に隣接して配置され、第1摺動部材を介して前記第1摺動部と摺動可能である第2摺動部を有し、前記外歯歯車の遊星運動を前記中心軸と同軸の回転運動に変換する変換部材と、
前記変換部材の外方に配置され、第2摺動部材を介して前記変換部材に設けられた第3摺動部と摺動可能である第4摺動部を有する板部材と、
を備えており、
前記外歯歯車には、前記変換部材と対向する側面に凹部が形成されている
ことを特徴とする差動減速機。
【請求項2】
前記凹部の少なくとも一部は、前記中心軸方向から見て前記変換部材と重なっている
ことを特徴とする請求項1に記載の差動減速機。
【請求項3】
前記凹部は、前記外歯歯車の側面に複数設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の差動減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動減速機に関し、特に外歯歯車における側面の摺動抵抗を低減させることができる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、内歯歯車と、偏心部を備えた入力軸と、偏心部に外装され内歯歯車に内接して噛み合う外歯歯車と、外歯歯車に隣接して配置され、外歯歯車の遊星運動を入力軸と同軸の回転運動に変換する十字状の変換部材と、を備えた差動減速機が開示されている。また、外歯歯車は、変換部材と摺動可能である第1摺動部を有している。
【0003】
この差動減速機では、外部からモータ等の動力によって入力軸を回転させることにより、偏心部が偏心運動し、外歯歯車が内歯歯車に内接した状態で偏心及び自転運動する。このため第1摺動部も偏心及び自転運動するが、外歯歯車と変換部材とは第1摺動部の方向に沿って摺動するように配置されているため、変換部材を介して外歯歯車の自転成分のみが出力部より取り出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-45964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような差動減速機の構造において、外歯歯車と変換部材とが摺動する際の摺動抵抗が大きいと、差動減速機全体のエネルギー損失が大きくなってしまう。このため、この摺動抵抗をできるだけ小さく抑える必要がある。
【0006】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされ、その目的は、外歯歯車の側面に凹部を設けることにより、外歯歯車と変換部材との摺動抵抗を低減させることができる差動減速機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の差動減速機は、内歯歯車が形成された出力部と、前記内歯歯車と同軸で前記内歯歯車内に貫通するように配置されており、中心軸に対して偏心する偏心部を有している入力軸と、前記偏心部に外装され、前記内歯歯車に内接して噛み合い、第1摺動部を有する外歯歯車と、前記外歯歯車に隣接して配置され、第1摺動部材を介して前記第1摺動部と摺動可能である第2摺動部を有し、前記外歯歯車の遊星運動を前記中心軸と同軸の回転運動に変換する変換部材と、前記変換部材の外方に配置され、第2摺動部材を介して前記変換部材に設けられた第3摺動部と摺動可能である第4摺動部を有する板部材と、を備えており、前記外歯歯車には、前記変換部材と対向する側面に凹部が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の差動減速機は、請求項1に記載の差動減速機であって、更に、前記凹部の少なくとも一部は、前記中心軸方向から見て前記変換部材と重なっていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の差動減速機は、請求項1または2に記載の差動減速機であって、更に、前記凹部は、前記外歯歯車の側面に複数設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の差動減速機によれば、外歯歯車の側面に設けられた凹部に、潤滑剤を充填することができる。このため、外歯歯車と変換部材と間の摺動面に潤滑剤が供給され易く、摺動抵抗を低減させることができ、差動減速機の損失を低減させることができる。
また、請求項2記載の差動減速機によれば、外歯歯車の側面に設けられた凹部のうち少なくとも一部は、中心軸方向から見て変換部材と重なっているため、凹部に充填された潤滑剤が保持され易く、外歯歯車と変換部材との摺動抵抗をより低減させることができる。
また、請求項3記載の差動減速機によれば、凹部は外歯歯車の側面に複数設けられているため、凹部に充填された潤滑剤がより保持され易く、外歯歯車と変換部材との摺動抵抗をより低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態である差動減速機の中央縦断面図である。
図2】差動減速機の分解斜視図である。
図3】差動減速機からブラケット及び補強プレートを取り外した状態の正面図である。
図4】差動減速機からブラケットを取り外した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、差動減速機1の中央縦断面図である。図2は、差動減速機1の分解斜視図である。本実施形態の差動減速機1は、例えば産業用ロボットの関節部分などに使用される。
【0011】
差動減速機1は、外歯歯車2が内歯歯車3と噛み合いながら偏心回転する偏心搖動型の減速機である。差動減速機1は、外歯歯車2と、内歯歯車3と、ケース4と、入力軸5とを備えている。
【0012】
ケース4は、円筒状の主ケース6と、主ケース6における入力側(図1の右側)に配置され、外形が主ケース6と略同一の円形である当てプレート7と、当てプレート7を挟んで主ケース6とは反対側に配置され、外形が主ケース6及び当てプレート7と略同一の円形であるブラケット8とから成り、主ケース6、当てプレート7、及びブラケット8は、ブラケット8側から当てプレート7を貫通して主ケース6に螺合される複数のボルト9,9・・により一体に締結されている。主ケース6は、内周面にクロスローラ11の軌道面が形成されている。つまり主ケース6はクロスローラベアリング12の外輪も兼ねている。また、主ケース6、当てプレート7、及びブラケット8には、複数のボルト9,9・・を避けた位置に、複数の貫通孔13が形成されている。
【0013】
主ケース6の径方向内側には、円筒状の内歯歯車3が配置されている。内歯歯車3は、外周面にクロスローラ11の軌道面が形成されており、クロスローラ11を介して、主ケース6に対して回転可能に軸支されている。クロスローラ11は、中心軸C0に垂直な方向から見て、内歯歯車3の径方向外側に、内歯と重なる位置に配置されている。つまり内歯歯車3は、クロスローラベアリング12の内輪も兼ねている。内歯歯車3において、出力側(図1の左側)の端面には、複数のボルト穴14を備えた出力部15が形成されている。ケース4(貫通孔13)または出力部15(ボルト穴14)のどちらか一方を固定側とし、他方を出力側として相手側装置と連結される。
【0014】
内歯歯車3の内周面において、出力部15側の部分には内歯が形成されず、円盤状のベアリングハウジング16が圧入により固定されている。内歯歯車3の入力側の端面には、後述する反力プレート30と対向する位置に、全周に亘って中心軸C0を中心とする円環状の凹溝17が形成されている。
【0015】
外歯歯車2の内側には、中空筒状の入力軸5が配置されている。入力軸5は、配線や駆動軸等を通すために、中心軸C0を中心とする円形の中空部18が設けられた円筒状とされている。入力軸5の中心軸C0は、内歯歯車3の軸線と同軸である。
【0016】
入力軸5の両端には、第1ボールベアリング20a及び第2ボールベアリング20bを配置するための支持部21が夫々形成されている。入力軸5は、第1ボールベアリング20aを介してブラケット8の内周面に回転可能に軸支され、また第2ボールベアリング20bを介してベアリングハウジング16の内周面に回転可能に軸支されている。入力軸5における各支持部21,21の間には、中心軸C0から偏心量δ1だけオフセットした偏心軸C1を中心として、支持部21よりも外径が大きい円筒面を有する偏心部22が形成されている。
【0017】
偏心部22の径方向外側には、円周方向に全周に亘って配設される横断面円形状の複数のニードルローラ23を介して、1枚の外歯歯車2が回転可能に支持されている。全てのニードルローラ23を総合して、外歯歯車2を支持するニードルベアリングが形成されている。つまり偏心部22は、ニードルベアリングの内輪としての軌道面を兼ねている。各ニードルローラ23は、中心軸C0と同じ方向を向いて配設されており、各ニードルローラ23の軸方向の長さは、偏心部22の軸方向の幅と略同一である。各ニードルローラ23の軸方向への移動は、第1ボールベアリング20a及び第2ボールベアリング20bの側面により規制されている。
【0018】
図3は、差動減速機1を中心軸C0の入力側から見た正面図であり、差動減速機1からブラケット8及び後述する補強プレート40を取り外した状態を示している。図4は、差動減速機1を中心軸C0の入力側から見た正面図であり、差動減速機1からブラケット8を取り外した状態を示している。図4では、補強プレート40の固定状態を示している。
【0019】
入力軸5の入力側の端面には、4箇所にボルト穴24が形成されている。ボルト穴24は円周状に等間隔で形成され、駆動軸(図示略)を連結可能な形状となっている。また、入力軸5には、入力側の端面から出力側にかけて8箇所に円形の貫通孔25が形成されている。各貫通孔25は円形であり、中心軸C0に対して偏心軸C1側(図4の上側)の部分に、ボルト穴24を避ける位置に形成されている。貫通孔25は、中心軸C0に対して偏心軸C1とは反対側(図4の下側)には形成されていない。貫通孔25は肉抜き部としての機能を果たし、差動減速機1の駆動時において、入力軸5及び外歯歯車2の偏心に起因する回転バランスの偏りを改善することができる。
【0020】
外歯歯車2は、内歯歯車3の歯数よりも僅かに少ない歯数を有しており、内歯歯車3に偏心位置で内接している。外歯歯車2における入力側の側面には、角形状の2個の当てブロック26a,26bが、外歯歯車2と一体に形成されている。各当てブロック26a,26bには、外歯歯車2の円周方向の各々両側の側面に第1摺動部27a,27bが形成されている。各当てブロック26a,26bは、第1摺動部27a,27bが各々互いに平行になるように形成されている。外歯歯車2には、後述する反力プレート30と対向する側面(入力側)に、当てブロック26a,26bを避ける位置に複数の円形の凹部28が形成されている。複数の凹部28のうち大部分は、中心軸C0方向から見て、反力プレート30と重なる位置に形成されている。また、凹部28には潤滑剤が充填されている。
【0021】
当てプレート7の径方向内側には、薄板円盤形状の反力プレート30が配置されている。反力プレート30の内周側には、互いに180度対称な位置に形成された2つの切り欠き33a,33bが形成されており、外周側には、互いに180度対称な位置に形成された2つの切り欠き33c,33dが形成されている。一方の対になる切り欠き33a,33bは、それぞれ円周方向の両側の側面に平行な第2摺動部34a,34bを有している。また、他方の対になる切り欠き33c,33dは、それぞれ円周方向の両側の側面に平行な第3摺動部34c,34dを有している。一方の対になる切り欠き33a,33bと、他方の対になる切り欠き33c,33dとは、第2摺動部34a,34bと第3摺動部34c,34dとが直交するように形成されている。第1摺動部27a,27bと第2摺動部34a,34bとの間には、横断面円形状の第1ニードルローラ35aが各2個ずつ配置されており、一方の対になる切り欠き33a,33bは、第1ニードルローラ35aを介して当てブロック26a,26bの第1摺動部27a,27bと摺動可能である。反力プレート30は、第1ニードルローラ35aによって外歯歯車2に対して第2摺動部34a,34bの方向(図3の横方向)に摺動可能である。また、外歯歯車2と反力プレート30とは、側面同士が摺動するようになっている。
【0022】
反力プレート30の側面には、12箇所にネジ孔36が形成されている。ネジ孔36のうち一部は、切り欠き33a,33b,33c,33dを両側から挟む位置に形成されている。つまり、ネジ孔36は、第2摺動部34a,34b及び第3摺動部34c,34dの近くに形成されている。
【0023】
当てプレート7は円環形状であり、内周面には、第3摺動部34c,34dと平行に対向する第4摺動部37a,37bを備えた突部38a,38bが、内周方向に向かって突出するように形成されている。第3摺動部34c,34dと第4摺動部37a,37bとの間には、第1ニードルローラ35aと同形状の第2ニードルローラ35bが各2個ずつ配置されている。反力プレート30は、第2ニードルローラ35bを介して当てプレート7に対して第3摺動部34c,34dの方向(図3の縦方向)に摺動可能である。
【0024】
内歯歯車3の側面に形成された凹溝17は、中心軸C0の方向から見て、少なくとも一部が反力プレート30、第1ニードルローラ35a、及び第2ニードルローラ35bと重なる位置にある。凹溝17には潤滑剤が充填されており、反力プレート30、第1ニードルローラ35a、及び第2ニードルローラ35bに潤滑剤が供給され易い構造となっている。
【0025】
反力プレート30における外歯歯車2とは反対の側面には、外形が反力プレート30と略同一の薄板円盤形状である補強プレート40が固定されている。補強プレート40には、反力プレート30に形成されたネジ孔36に対応する位置に12個の貫通孔が形成されている。補強プレート40は、各々の貫通孔を通してネジ孔36に締結される皿ネジ41により、反力プレート30と一体に結合されている。貫通孔は皿ネジ41の頭部を収めるようにテーパ状に形成されており、皿ネジ41頭部の補強プレート40の端面からの突出量を抑えている。反力プレート30は、中心軸C0の方向から見て、第2摺動部34a,34b(切り欠き33a,33b)及び第3摺動部34c,34d(切り欠き33c,33d)と重なるように配置されている。
【0026】
本実施形態では、反力プレート30には、例えば炭素鋼(S-C材)、クロムモリブデン鋼(SCM材)、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM材)、高炭素クロム軸受鋼(SUJ材)等を使用し、熱処理によって高強度に調整をしている。一方、補強プレート40には、例えば冷間圧延鋼板(SPC材)、ステンレス鋼板(SUS材)等を使用し、金属プレス加工によって形成している。また、補強プレート40に、よりヤング率が大きい材料を使えば、より剛性を高めた差動減速機のモデルを製作することもできる。
【0027】
主ケース6と内歯歯車3との間でクロスローラベアリング12の出力側には、オイルシール50が配置されている。当てプレート7における出力側の端面には、貫通孔13よりも径方向内側に、全周に亘って凹溝51が形成されており、該凹溝51にはOリング52が配置されている。また、ブラケット8における出力側の端面には、貫通孔13よりも径方向内側に、全周に亘って凹溝53が形成されており、該凹溝53にはOリング54が配置されている。
【0028】
以上のように構成された差動減速機1において、図示しない駆動原の動力によって入力軸5が回転することで、偏心部22が偏心運動し、外歯歯車2が内歯歯車3に内接した状態で偏心及び自転運動する。このため、各当てブロック26a,26bも偏心及び自転運動するが、各当てブロック26a,26bは反力プレート30に対して第2摺動部34a,34bの方向(横方向)に摺動するように配置されており、かつ反力プレート30は当てプレート7に対して第3摺動部34c,34dの方向(縦方向)に摺動するように配置されているため、各摺動部が摺動しながら動力が伝達されることによって、反力プレート30を介して外歯歯車2の自転成分のみが取り出され、内歯歯車3がケース4に対して相対的に回転する。つまり反力プレート30は、外歯歯車2の偏心回転運動を、中心軸C0を中心とした回転運動に変換する、いわゆる自在継手と同様の機能を果たしている。また、当てプレート7は、外歯歯車2の遊星運動から内歯歯車3と相対的に回転する回転運動を取り出すキャリアの機能を果たしている。このとき、差動減速機1内に充填された潤滑剤は、オイルシール50,Oリング52,及びOリング54によって封止されている。
【0029】
このように、上記形態の差動減速機1によれば、外歯歯車2の側面に設けられた凹部28に潤滑剤を充填することができるため、外歯歯車2と反力プレート30との側面同士の摺動抵抗を低減させることができる。このため、差動減速機1の損失を低減させることができる。
【0030】
また、凹部28のうち少なくとも一部は、中心軸C0方向から見て、反力プレート30と重なる位置に形成されている。このため、凹部28に充填された潤滑剤が保持され易く、外歯歯車2と反力プレート30との摺動抵抗をより低減させることができる。
【0031】
また、凹部28は外歯歯車2の側面に複数設けられているため、凹部28に充填された潤滑剤がより保持され易く、外歯歯車2と反力プレート30との摺動抵抗をより低減させることができる。
【0032】
以上のように、本実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態に加えうる変更の例について説明する。
【0033】
例えば、本実施形態では入力軸5は中空形状であり、中心軸C0を中心とする円形の中空部16が設けられた円筒状とされているが、入力軸は中空形状でなくてもよい。また、本実施形態では第1摺動部26a,26bと第2摺動部27a,27bとの間には第1ニードルローラ35aが配置されており、第3摺動部34c,34dと第4摺動部37a,37bとの間には第2ニードルローラ35bが配置されているが、ニードルローラの代わりに滑り軸受を配置しても良い。また、本実施形態では補強プレート40は一枚の円盤としたが、複数の板を用意して切り欠き33a、33b、33c、33dをそれぞれ別々に覆うように固定してもよい。
【0034】
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
本実施形態の当てプレート7は、本発明の板部材の一例である。本実施形態の反力プレート30は、本発明の変換部材の一例である。本実施形態の第1ニードルローラ35aは、本発明の第1摺動部材の一例である。本実施形態の第2ニードルローラ35bは、本発明の第2摺動部材の一例である。
【符号の説明】
【0035】
1 差動減速機
2 外歯歯車
3 内歯歯車
4 ケース
5 入力軸
7 当てプレート
8 ブラケット
12 クロスローラベアリング
15 出力部
17 凹溝
22 偏心部
26a,26b 当てブロック
27a,27b 第1摺動部
28 凹部
30 反力プレート
33a,33b,33c,33d 切り欠き
34a,34b 第2摺動部
34c,34d 第3摺動部
35a 第1ニードルローラ
35b 第2ニードルローラ
36 ネジ孔
37a,37b 第4摺動部
40 補強プレート
41 皿ネジ
C0 中心軸
C1 偏心軸
図1
図2
図3
図4