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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127964
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 651
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026226
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】720010855
【氏名又は名称】山佐ネクスト株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐野 詳一
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 正樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】片平 遥子
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518EA02
2C518EA13
2C518EC04
2C518EC15
2C518EC22
2C518EC23
2C518EC26
(57)【要約】
【課題】演出効果の向上を図ることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】所定の契機で液晶表示装置27の画面の中央上端辺りに、光演出60が表示される。図7(D)に示すように、光演出60が、液晶表示装置27の画面の下端に到達すると、図7(E)に示すように、中リール13Mのバックライト34を点灯させる。その後、図7(F)に示すように、中リール13Mのバックライト34を消灯させるとともに、演出用ボタンライト36を点灯させる。さらに、液晶表示装置27の画面に、演出用ボタン42を模した演出用ボタン演出41を表示させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な表示手段と、
演出に使用される演出操作手段と、
前記表示手段と、前記演出操作手段との間に配置される複数のリールと、
前記演出操作手段を照光する演出操作照光手段と、
前記複数のリールをそれぞれ照光するリール照光手段と、を備える遊技機において、
前記表示手段に、前記複数のリールのうち、特定リールに向かう特定演出を実行させ、
前記特定演出の実行後、前記特定リールを照光する前記リール照光手段を点灯し、前記複数のリールのうち、前記特定リール以外のリールを照光する前記リール照光手段を消灯とする特定リール演出を実行させ、
前記特定リール演出の実行後、前記演出操作照光手段を点灯させる特定操作演出を実行させるとともに、前記表示手段に、前記演出操作手段の操作を促進する操作促進演出を実行させる演出制御手段を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、前記特定リール演出の実行後、前記特定操作演出を実行後に、前記操作促進演出を実行させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
少なくとも、前記特定リールの前記リール照光手段は、複数の照光部を有し、
前記特定リール演出は、前記表示手段側から前記演出操作手段側にむかって、前記複数の照光部を順次点灯させる演出であることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
上方液晶表示部と、遊技者の操作を受け付ける演出スイッチと一体の下方液晶表示部とを備え、演出スイッチに対する操作を指示するボタン画像を、上方液晶表示部から下方液晶表示部に、上方液晶表示部から下方液晶表示部を跨いで移動表示させる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-29554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、演出スイッチと一体の下方液晶表示部が設けられた遊技機は少なく、また、液晶表示部と演出スイッチとの間にリールが設けられていない遊技機は少ない。そのため、操作スイッチと一体の下方液晶表示部が設けられていない遊技機や、液晶表示部と演出スイッチとの間にリールが設けられた遊技機では、演出スイッチに対する操作が有効になっているにも拘わらず、そのことに遊技者が気付かず演出スイッチに対する操作に応じた演出が実行されないなど、演出効果が低下してしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、演出効果の向上を図ることが可能な遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、画像を表示可能な表示手段と、演出に使用される演出操作手段と、前記表示手段と、前記演出操作手段との間に配置される複数のリールと、前記演出操作手段を照光する演出操作照光手段と、前記複数のリールをそれぞれ照光するリール照光手段と、を備える遊技機において、前記表示手段に、前記複数のリールのうち、特定リールに向かう特定演出を実行させ、前記特定演出の実行後、前記特定リールを照光する前記リール照光手段を点灯し、前記複数のリールのうち、前記特定リール以外のリールを照光する前記リール照光手段を消灯とする特定リール演出を実行させ、前記特定リール演出の実行後、前記演出操作照光手段を点灯させる特定操作演出を実行させるとともに、前記表示手段に、前記演出操作手段の操作を促進する操作促進演出を実行させる演出制御手段を備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によると、演出操作手段に対する操作が有効になっていることに気付きやすく、演出効果の向上を図ることが可能である。
【0008】
また、演出制御手段は、前記特定リール演出の実行後、前記特定操作演出を実行後に、前記操作促進演出を実行させることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、より一層、演出操作手段に対する操作が有効になっていることに気付きやすく、演出効果の向上を図ることが可能である。
【0010】
また、少なくとも、前記特定リールの前記リール照光手段は、複数の照光部を有し、前記特定リール演出は、前記表示手段側から前記演出操作手段側にむかって、前記複数の照光部を順次点灯させる演出であることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、より一層、演出操作手段に対する操作が有効になっていることに気付きやすく、演出効果の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態であって、遊技機の一例であるスロットマシンの斜視図である。
図2】本発明の実施の形態であって、リールのバックライトの説明図である。
図3】本発明の実施の形態であって、遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態であって、図3のメイン制御基板、及びサブ制御基板の詳細を説明するためブロック図である。
図5】本発明の実施の形態であって、図3のメイン制御基板側で管理している遊技の状態の説明図である。
図6】本発明の実施の形態であって、遊技性の説明図である。
図7】本発明の実施の形態であって、特定の契機で実行する演出用ボタンの操作を促す演出を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について、図1図7を参照して説明する。
【0014】
本実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技用価値が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば、図1に示すように構成されている。すわなち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0015】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、図1に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L、13M、13R(本発明の「リール」に相当し、左リール13Mが「特定リール」に相当)が配置されている。これら左・中・右リール13L、13M、13Rには、複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から19番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L、13M、13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L、13M、13Rが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは各リール13L、13M、13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すわなち、3個すべてのリール13L、13M、13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。
【0016】
また、各リール13L、13M、13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L、13M、13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリール駆動モータ14が連結されている。
【0017】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するためのマックスベットスイッチ17、各リール13L、13M、13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L、13M、13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、本実施の形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また各リール13L、13M、13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L、21M、21Rは、各リール13L、13M、13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0018】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L、21M、21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示装置27が設けられる。
【0019】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置されたランプ部33が設けられ、下部パネル35の下方には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rがそれぞれ設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、ランプ部33には、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33は遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
【0020】
また、各リール13L、13M、13Rを支持する支持枠体(図示省略)には、各リール13L、13M、13R上の図柄を照らすためのバックライト34(図2参照)(本発明の「リール照光手段」に相当)が設けられている。バックライト34は、上段の図柄を照らす上段バックライト34U、中段の図柄を照らす中段バックライト34C、下段の図柄を照らす下段バックライト34Dから構成される。
【0021】
また、正面板9には入賞ラインが描かれ、リール13の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45、メダルの払出枚数を表示する払出枚数表示器46が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。また、払出枚数表示器46は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。なお、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメントDPとが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。なお、払出枚数表示器46は、発生したエラーに対応するエラーコードの表示にも用いられる。
【0022】
払出枚数表示器46の上部には、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知する有利区間ランプ47が配設されている。ここで、「有利区間」とは、遊技者にとって有利な後述する各ストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順や左ストップスイッチ21Lの操作タイミングの報知が許容される区間を意味する。
【0023】
この有利区間ランプ47は、後述する「非有利区間」から「有利区間」に移行したことを契機に後述するメイン制御基板100により点灯され、「有利区間」である間は常時点灯されている。そして、有利区間ランプ47は、「有利区間」から「非有利区間」に移行したことを契機にメイン制御基板100により消灯される。なお、有利区間ランプ47は「有利区間」である間に常時点灯する必要は必ずしもなく、「有利区間」のうち、少なくともAT状態において押し順役に当選した場合に、当選した押し順役の押し順が報知される遊技以降で点灯すればよい。
【0024】
また、クレジット表示器45と払出枚数表示器46とは別に有利区間ランプ47を設けることに限らず、有利区間ランプ47を設けずに、たとえば、クレジット表示器45又は払出枚数表示器46を構成する特定の7セグメントLEDのドット部を用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。この場合には、クレジット表示器45又は払出枚数表示器46を構成する7セグメントLEDのドット部が有利区間ランプ47に相当する。
【0025】
また、各リール13L、13M、13Rを支持する支持枠体(図示省略)が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(図3参照)が配設されている。また、ホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図3参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り換える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダからなる設定キースイッチ56が設けられている。
【0026】
また、操作板7の中央には、所定の演出において、遊技者が操作可能な演出用ボタン42(本発明の「演出操作手段」に相当)が設けられている。また、演出用ボタン42を背面から照らす演出用ボタンライト36(図3参照)(本発明の「演出操作照光手段」に相当)が設けられている。
【0027】
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0028】
図3において、セレクタセンサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられており、より詳しくは、メダルセレクタ48における中流部分に位置するセレクタセンサA及びB、メダルセレクタ48のメダル投入口25近傍に位置するセレクタセンサCを備えるものであり、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0029】
リール位置センサ55は、左、中、右リール13L、13M、13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば、左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・リール13L、13M、13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板100に出力する。本実施の形態では、例えば、リール位置センサ55が上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中断に位置するように構成されている。
【0030】
また、前面扉5の裏側には、設定変更スイッチ52、設定表示器89などが配置されている。なお、設定変更スイッチ52は押しボタン式のスイッチである。
【0031】
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、複数段階設けられた設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該スロットマシン1の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0032】
設定キースイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりオンオフが切り換えられ、設定変更中に、設定変更スイッチを1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。
【0033】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものであり、払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものであり、オーバーフローセンサ96は、ホッパーユニット43のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板100へ信号を出力する。
【0034】
このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPUが実装されたメイン制御基板100と、メイン制御基板100から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPUが実装されたサブ制御基板200とが別々に設けられており、メイン制御基板100からサブ制御基板200に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。
【0035】
また、メイン制御基板100のメインCPUは、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPUは、役抽選手段101(図4参照)による役抽選結果(後述する役の入賞に必要な情報も含む)に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板200(サブCPU)に送信する。
【0036】
メイン制御基板100のRAMはスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されており、メイン制御基板100のROMは予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
【0037】
サブ制御基板200のサブCPUは、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPUは、メイン制御基板100から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報に基づいてROMに格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板200のサブCPUは、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板200が有するI/Oポートを介して、液晶表示装置27やスピーカ31などの演出機器の制御を行う。また、サブ制御基板200のRAMは、各種データを一時的に記憶し、ROMは演出用の各種プログラムなどを記憶する。
【0038】
メイン制御基板100は、図4に示すように、役抽選手段101、リール回転制御手段102、図柄判定手段103、払出制御手段104、遊技状態制御手段105、区間制御手段106及び送信手段107の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0039】
メイン制御基板100は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0040】
メダル投入口25からメダルを投入して規定の賭け数を設定する、ベットスイッチ15やマックスベットスイッチ17を操作することによってクレジットメダルから規定の賭け数が設定されると、入賞ラインが設定され、規定の賭け数が設定された後、スタートスイッチ19を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段101により、抽選(役抽選)が行われ、左、中、右リール13L、13M、13Rの回転が開始する。
【0041】
この入賞ラインは、具体的には左、中、右リール13L、13M、13Rにそれぞれ表示されている図柄のうち表示窓11から視認可能な図柄を左、中、右リール13L、13M、13Rにつき1個ずつ繋いでできる、左、中、右リール13L、13M、13Rの全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄の組み合わせの並びを規定したラインである。なお、本実施の形態の入賞ラインは、左リール13Lの中段、中リール13Mの中段、右リール13Rの中段を結んだラインの1本である。また、入賞ラインは、1ラインを示したが、これに限定されず、2~5ライン、或いはV字形や山形を含めて6ライン以上としてもよい。
【0042】
左、中、右リール13L、13M、13Rの回転開始後、左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21Rの操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0043】
その後に、左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21Rのうち1個を操作すると、左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21Rのうち操作されたストップスイッチに対応した左、中、右リール13L、13M、13Rのいずれかがの回転が停止する。そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21Rの操作を終えると、3個すべての左、中、右リール13L、13M、13Rの回転が停止する。
【0044】
このとき、入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが揃うと、当該図柄の組み合わせに対応した処理が行われる。本実施の形態に係るスロットマシン1は、入賞ライン上に予め定められた図柄の組み合わせが揃うと遊技者に遊技用価値が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄の組み合わせが入賞ライン上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0045】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定値1~設定値6)設定されており、設定値によって当選確率の差がある役については、設定値1が最も低く、設定値6が最も高くなるように設定されている。なお、設定値の段階は、6段階に限定されず、6段階未満の段階であっても良い。
【0046】
また、入賞ライン上にリプレイ役(再遊技役)に対応する図柄の組み合わせが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。なお、リプレイ役(再遊技役)は、実際にメダルの払い出しはないものの、3枚のメダルが遊技者に付与されて、この付与されたメダルを用いて遊技が再度、行われるとみなすこともできる。すなわち、リプレイ役(再遊技役)は、入賞により、遊技者にメダルリプレイ役(再遊技役)が付与される役に含めることもできる。
【0047】
役抽選手段101は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、複数の当選役グループのいずれかに当選したか否かを決定する役抽選を行うものである。
【0048】
役抽選手段101は、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技状態用、RT遊技状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御基板100のROM上に記憶されている。
【0049】
役抽選手段101は、図示しない乱数発生手段と乱数抽出手段と役抽選テーブルを用いて、複数の当選役グループのいずれかに当選したか否かを決定する。ここで、乱数発生手段が発生する抽選用の乱数は、所定の範囲内(例えば、10進数で0~16383)で発生させるものであり、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
【0050】
本実施の形態では、役抽選手段101により抽選される役として、大別すると、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)、リプレイ役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆる再遊技役)、小役(メダルの払い出しを伴う役)が設けられている。
【0051】
リール回転制御手段102は、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様と役抽選手段101の役抽選結果とに基づき、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。リール回転制御手段102は、役抽選手段101が決定した当選役グループに属する役に入賞させるために、基本的にリール13L,13M,13Rの全てで、引き込み可能範囲内において構成図柄を入賞ラインに停止させる停止制御を行う。なお、各リール13L,13M,13Rには、許容されるすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)が設定されているため、操作タイミングが合わなければ入賞ラインに当選役にかかる図柄を揃えることができない場合があり、このような場合は、取りこぼし(非入賞)が発生する。
【0052】
図柄判定手段103は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、リール回転制御手段102により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
【0053】
払出制御手段104は、図柄判定手段103による判定結果に基づき、遊技者に所定の特典(利益)を付与するものであり、図柄判定手段103により、いずれかの役に入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段104は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。さらに、払出制御手段104は、図柄判定手段103により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数(3枚)のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
【0054】
遊技状態制御手段105は、一般的な遊技であるノーマル遊技が実行されるノーマル遊技状態、および、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技であるボーナス遊技が実行されるボーナス遊技状態を含む複数の遊技状態を制御するものである。具体的には、遊技状態制御手段105は、図5に示す、大別すると、ノーマル遊技状態、RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態を制御するものである。各遊技状態については後述する。
【0055】
区間制御手段106は、図6を用いて後述する左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21Rの操作対応を報知不可能な非有利区間と、報知可能な有利区間とを制御するものである。そして、後述する演出制御手段320を用いて左・中・右ストップスイッチ21L、21M、21Rの操作態様(押し順、又は左ストップスイッチ21Lの操作タイミング)を報知させる演出等を実行させる。
【0056】
また、区間制御手段106は、非有利区間中において、所定条件が成立した場合、例えば、役抽選手段101の役抽選の結果、予め定められた役に当選した場合に行われる「非有利区間」から「有利区間」への有利区間移行抽選に当選することにより「非有利区間」から「有利区間」へ移行させる。なお、役抽選の結果、予め定められた役に当選することを契機に実行される有利区間移行抽選により、有利区間へ移行することが決定された場合に移行する場合に限定されず、予め定められた役に当選することにより、有利区間移行抽選をすることなく非有利区間から有利区間へ移行するようにしても良い。
【0057】
有利区間は、遊技可能な遊技区間に上限が設定されており、非有利区間から有利区間へ移行後に計数が開始される遊技区間の消化ゲーム数が、所定の上限ゲーム数、例えば、1500ゲームに到達した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
【0058】
また、有利区間は、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数が所定枚数に到達したとき(上限差枚数)には、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。ただし、差枚数が0となった場合は、その後に賭け数の設定があっても減算は行わないようにしている。
【0059】
送信手段107は、メイン制御基板100からサブ制御基板200へ、種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、遊技状態、役抽選手段101の役抽選結果、図柄判定手段103による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段104によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
【0060】
サブ制御基板200は、図4に示すように、受信手段201、演出制御手段202(本発明の「演出制御手段」に相当)の各手段を有する。各手段の詳細については、後述する。
【0061】
以上の構成をもって、サブ制御基板200は、メイン制御基板100からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。具体的には、サブ制御基板200は、液晶表示装置27に動画等を表示させるためのデータを液晶表示装置27に出力したり、スピーカ31から音楽や音声を流すためのデータをスピーカに出力したり、ランプ部33の光源を一斉にあるいは個別に点滅等をさせるためのデータを出力したりする。
【0062】
受信手段201は、メイン制御基板100のコマンド送信手段107により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段201は、メイン制御基板100から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板200が備える各機能に通知を行う。
【0063】
演出制御手段202は、遊技状態制御手段105により制御される遊技状態や、区間制御手段106により制御される有利区間の状態に応じたスロットマシン1の演出を制御するものである。具体的には、各遊技状態や各演出状態に応じた演出、後述する特定演出、又はストップスイッチ21L、21M、21Rの操作順を報知する演出等を、液晶表示装置等を用いて、遊技者に報知する。
【0064】
次に、本実施の形態の遊技状態を、図5を参照して説明する。遊技状態制御手段105により制御される遊技状態は、大別すると、ノーマル遊技状態、RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態、ボーナス遊技状態とがある。
【0065】
「ノーマル遊技状態」のリプレイ役(再遊技役)への当選確率は、1/7.3に設定されている。「ノーマル遊技状態」には、「RT遊技状態」でボーナス移行役に当選、入賞することなく、所定の遊技区間、例えば、899ゲームを消化することにより移行する。
【0066】
「RT遊技状態」のリプレイ役(再遊技役)への当選確率は、「ノーマル遊技状態」より高く設定されている。「RT遊技状態」には、「RBB1」~「RBB4」の終了後に、移行する。
【0067】
「ボーナス内部中遊技状態」は、「ノーマル遊技状態」、「RT遊技状態」において、ボーナス移行役(「RBB1」~「RBB4」)に当選し当該ボーナス移行役を入賞させることができなかった場合に移行する。また、ボーナス内部中遊技状態では、リプレイ役(再遊技役)への当選確率がノーマル遊技状態よりも高く設定されている。
【0068】
「ボーナス遊技状態」は、ボーナス移行役(「RBB1」~「RBB4」)に当選し、ボーナス移行役を入賞させることで移行する。ここで、「RBB1」、「RBB2」は、所定の枚数、例えば、247枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RBB3」、「RBB4」は、所定の枚数、例えば、52枚を超えるメダルの払い出しで終了する。そして、「RBB1」~「RBB4」終了後は、RT遊技状態に移行する。
【0069】
次に、本実施の形態の遊技性を、図6を参照して説明する。本実施の形態では、非有利区間中の役抽選手段101による役抽選の結果、有利区間への移行に係る有利区間移行役に当選した場合、有利区間に移行する。なお、ボーナス移行役も有利区間移行役に含まれており、遊技状態が、「ボーナス遊技状態」の場合、ほとんどの場合において、「有利区間」に滞在していることとなる。
【0070】
まず、設定変更が行われると、非有利区間(非有利区間通常状態(図6))となる。非有利区間は、液晶表示装置27等を用いてストップスイッチ21L、21M、21Rの押し順を報知することが許容されない区間であり、有利区間は、当該報知が許容される区間である。
【0071】
非有利区間通常状態での役抽選の結果、有利区間移行役に当選した場合、有利区間通常状態に移行する。なお、非有利区間通常状態での役抽選の結果、有利区間移行役に含まれるボーナス移行役に当選した遊技で、ボーナス移行役に入賞した場合は、通常中ボーナス状態に移行する。
【0072】
有利区間には、「有利区間通常状態」、「通常中ボーナス状態」、「通常中CZ状態」、「AT状態」、「AT中ボーナス状態」、「AT中CZ状態」、「上乗せ特化状態」が設けられており、各状態の詳細については後述する。
【0073】
有利区間は、遊技可能な遊技区間に上限が設定されており、非有利区間から有利区間へ移行後に計数が開始される遊技区間の消化ゲーム数が、所定の上限ゲーム数、例えば、1500ゲームに到達した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間(非有利区間通常状態)へ移行するようにしている。
【0074】
また、有利区間は、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数が所定枚数に到達したとき(上限差枚数)には、有利区間から非有利区間(非有利区間通常状態)へ移行するようにしている。ただし、差枚数が0となった場合は、その後に賭け数の設定があっても減算は行わないようにしている。
【0075】
有利区間通常状態は、非有利区間(非有利区間通常状態)から通常中ボーナス状態に移行した場合を除き、非有利区間(非有利区間通常状態)から有利区間に移行した場合に、滞在する状態であり、非有利区間(非有利区間通常状態)から有利区間に移行した場合は、ほぼ有利区間通常状態である。
【0076】
有利区間通常状態では、所定の遊技期間(例えば、50ゲーム)を経過する度に、後述する通常中CZ状態に移行するか否かの通常中CZ移行抽選が行われ、CZ移行抽選に当選した場合、後述する通常中CZ状態に移行し、当選しなかった場合は、有利区間通常状態を継続する。また、役抽選手段101の役抽選の結果、所定の役に当選した場合、通常中CZ状態に移行するか否かの通常中CZ移行抽選を行うようにしてもよい。
【0077】
有利区間通常状態は、上限のゲーム数(例えば、250ゲーム)が定められており、上限のゲーム数に到達し、通常中CZ状態への移行が決定しなかった場合には、非有利区間通常状態に移行する。
【0078】
ボーナス移行役に入賞した場合は、通常中ボーナス状態に移行する。
【0079】
RT遊技状態でボーナス移行役に当選して通常中ボーナス状態に移行した場合と、ノーマル遊技状態でボーナス移行役に当選して通常中ボーナス状態に移行した場合とでは、設定される通常中ボーナスレベルが異なり、ノーマル遊技状態でボーナス移行役に当選して通常中ボーナス状態に移行した場合よりも、RT遊技状態でボーナス移行役に当選して通常中ボーナス状態に移行した場合のほうが、低い段階の通常中ボーナスレベルが設定された状態で、通常中ボーナス状態が実行される。具体的には、RT遊技状態でボーナス移行役に当選して通常中ボーナス状態に移行した場合は、通常中ボーナスレベルとして、抽選により、「0」又は「1」が設定され、ノーマル遊技状態でボーナス移行役に当選して通常中ボーナス状態に移行した場合は、通常中ボーナスレベルとして、「2」が設定される。なお、通常中ボーナスレベルについては、後述する。
【0080】
通常中ボーナス状態は、6段階(「0」~「5」)の通常中ボーナスレベルがあり、終了時の通常中ボーナスレベルにより、遊技者に付与される恩恵が異なる。そして、通常中ボーナス状態は、所定の契機において、特定役(例えば、「バー」-「バー」-「バー」の図柄組合せ)を停止表示させるための所謂「狙え演出」が液晶表示装置27に表示され、特定役が入賞した場合に、通常中ボーナスレベルが1段階昇格し、特定役が入賞しなかった場合には、通常中ボーナスレベルが維持されることとなっている。
【0081】
通常中ボーナス状態終了時の通常中ボーナスレベルが「0」の場合は、非有利区間(非有利区間通常状態)に移行し、「1」~「5」の場合は、通常中CZ状態に移行するが、通常中ボーナスレベルが「1」で通常中CZ状態に移行した場合は、通常中CZレベル「0」が設定され、通常中ボーナスレベルが「2」で通常中CZ状態に移行した場合は、通常中CZレベル「1」が設定され、通常中ボーナスレベルが「3」で通常中CZ状態に移行した場合は、通常中CZレベル「2」が設定され、通常中ボーナスレベルが「4」で通常中CZ状態に移行した場合は、通常中CZレベル「3」が設定され、通常中ボーナスレベルが「5」で通常中CZ状態に移行した場合は、通常中CZレベル「4」が設定される。なお、通常中CZレベルについては、後述する。
【0082】
通常中CZ状態は、15ゲームで構成され、5段階(「0」~「4」)の通常中CZレベルがあり、終了時の通常中CZレベルにより、遊技者に付与される恩恵が異なる。そして、通常中CZ状態は、役抽選手段101の役抽選結果に基づいて、通常中CZレベルの通常中CZレベル昇格抽選が行われる。なお、通常中CZレベル昇格抽選に当選した場合には、通常中CZ状態のゲーム数が残っていたとしても、再度15ゲームが設定される。
【0083】
通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「0」の場合は、非有利区間(非有利区間通常状態)に移行する。通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「1」の場合は、AT状態に移行する。通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「2」の場合は、通常中CZ状態中の所謂レア役の当選回数に基づく、上乗せ抽選が行い、AT状態のゲーム数に上乗せ抽選で獲得した上乗せゲームを上乗せし、AT状態に移行する。通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「3」、「4」の場合は、上乗せ特化状態を経由して、AT状態に移行する。詳細は後述するが、上乗せ特化状態は、AT状態のゲーム数を上乗せする状態であり、上乗せの期待度が異なる複数の上乗せ特化状態がある。
【0084】
通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「3」の場合は、第1上乗せ特化状態でAT状態のゲーム数の上乗せを行うとともに、通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「2」の場合の恩恵である上乗せを行い、AT状態に移行する。つまり、通常中CZレベルが「3」で通常中CZ状態を終了した場合、通常中CZレベルが「2」で通常中CZ状態を終了した場合の恩恵も付与される。通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「4」の場合は、第1上乗せ特化状態より上乗せの期待度の高い第2上乗せ特化状態でAT状態のゲーム数の上乗せ、第1上乗せ特化状態でAT状態のゲーム数の上乗せを行うとともに、通常中CZ状態終了時の通常中CZレベルが「2」の場合の恩恵である上乗せを行い、AT状態に移行する。つまり、通常中CZレベルが「4」で通常中CZ状態を終了した場合、通常中CZレベルが「2」及び通常中CZレベル「3」で通常中CZ状態を終了した場合の恩恵も付与される。なお、通常中CZ状態中に、ボーナス移行役に当選し、通常中ボーナス状態に移行した場合、当該通常中ボーナス状態では、通常中ボーナスレベルの昇格の代わり、通常中CZレベルの昇格が行われ、通常中ボーナス状態終了後、通常中CZ状態に復帰する。
【0085】
RT遊技状態で、通常中CZ状態への移行が決定した場合と、ノーマル遊技状態通常中CZ状態への移行が決定した場合とでは、設定される通常中CZレベルが異なり、ノーマル遊技状態で通常中CZ状態への移行が決定した場合よりも、RT遊技状態で、通常中CZ状態への移行が決定した場合のほうが、低い段階の通常中CZレベルが設定されることがある。具体的には、RT遊技状態で、通常中CZ状態への移行が決定した場合、通常中CZレベルとして、「0」が設定され、ノーマル遊技状態通常中CZ状態への移行が決定した場合、抽選により、「0」又は「1」が設定される。つまり、この場合は、通常中CZ状態への移行が決定した段階で、AT状態への移行が決定していることがあることになる。
【0086】
AT状態は、押し順役に当選した場合、当選した押し順役の押し順が報知(ナビ)される状態であり、報知された押し順に従ってストップスイッチ21L、21M、21Rを操作することにより、当選した小役やリプレイ役を入賞させることができる。
【0087】
AT状態の初期ゲーム数は、50ゲームである。AT状態中は、役抽選手段101の役抽選結果に基づいて、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合、AT状態のゲーム数が上乗せされる。なお、上乗せされるゲーム数は、「30」、「50」、「100」のいずれかである。
【0088】
AT状態中は、役抽選手段101の役抽選結果に基づいて、ポイント獲得抽選を行っている。そして、AT状態中に獲得したポイント数が所定数(例えば、20)に達する毎に、上乗せ特化状態に移行するか否かの上乗せ特化状態移行抽選が行われ、当選した場合は、上乗せ特化状態に移行する。そして、AT状態のゲーム数が「0」になると、非有利区間(非有利区間通常)に移行する。なお、AT状態中に、ボーナス移行役に当選し、ボーナス移行役に入賞した場合は、AT中ボーナス状態に移行する。
【0089】
RT遊技状態でボーナス移行役に当選してAT中ボーナス状態に移行した場合と、ノーマル遊技状態でボーナス移行役に当選してAT中ボーナス状態に移行した場合とでは、設定されるAT中ボーナスレベルが異なり、ノーマル遊技状態でボーナス移行役に当選してAT中ボーナス状態に移行した場合よりも、RT遊技状態でボーナス移行役に当選してAT中ボーナス状態に移行した場合のほうが、低い段階のAT中ボーナスレベルが設定された状態で、AT中ボーナス状態が実行される。具体的には、RT遊技状態でボーナス移行役に当選してAT中ボーナス状態に移行した場合は、AT中ボーナスレベルとして、抽選により、「0」又は「1」が設定され、ノーマル遊技状態でボーナス移行役に当選してAT中ボーナス状態に移行した場合は、通常中ボーナスレベルとして、「2」が設定される。なお、AT中ボーナスレベルについては、後述する。
【0090】
AT中ボーナス状態は、5段階(「0」~「4」)のAT中ボーナスレベルがあり、終了時のAT中ボーナスレベルにより、遊技者に付与される恩恵が異なる。そして、AT中ボーナスレベルは、所定の契機において、特定役(例えば、「バー」-「バー」-「バー」の図柄組合せ)を停止表示させるための所謂「狙え演出」が液晶表示装置27に表示され、特定役が入賞した場合に、AT中ボーナスレベルが1段階昇格し、特定役が入賞しなかった場合には、AT中ボーナスレベルが維持されることとなっている。
【0091】
AT中ボーナス終了時のAT中ボーナスレベルが「0」の場合は、AT状態に移行し、AT中ボーナス終了時のAT中ボーナスレベルが「1」~「4」の場合は、AT中CZ状態に移行するが、AT中ボーナスレベルが「1」でAT中CZ状態に移行した場合は、AT中CZレベル「0」が設定され、AT中ボーナスレベルが「2」でAT中CZ状態に移行した場合は、AT中CZレベル「1」が設定され、AT中ボーナスレベルが「3」でAT中CZ状態に移行した場合は、AT中CZレベル「2」が設定され、AT中ボーナスレベルが「4」で通常中CZ状態に移行した場合は、AT中CZレベル「3」が設定される。なお、AT中CZレベルについては、後述する。
【0092】
AT中CZ状態は、15ゲームで構成され、4段階(「0」~「3」)のAT中CZレベルがあり、終了時のAT中CZレベルにより、遊技者に付与される恩恵が異なる。そして、AT中CZ状態は、役抽選手段101の役抽選結果に基づいて、AT中CZレベルのAT中CZレベル昇格抽選が行われる。なお、AT中CZレベル昇格抽選に当選した場合には、AT中CZ状態のゲーム数が残っていたとしても、再度15ゲームが設定される。
【0093】
AT中CZ状態終了時のAT中レベルが「0」の場合は、AT状態へ移行する。AT中CZ状態終了時のAT中CZレベルが「1」の場合は、AT中CZ状態中の所謂レア役の当選回数に基づく、上乗せ抽選を行い、AT状態のゲーム数に上乗せ抽選で獲得した上乗せゲームを上乗せし、AT状態に移行する。AT中CZ状態終了時のAT中レベルが「2」の場合は、第1上乗せ特化状態でAT状態のゲーム数の上乗せを行うとともに、AT中CZ状態終了時のAT中CZレベルが「1」の場合の恩恵である上乗せを行い、AT状態に移行する。つまり、AT中CZレベルが「2」でAT中CZ状態を終了した場合、AT中CZレベルが「1」でAT中CZ状態を終了した場合の恩恵も付与される。AT中CZ状態終了時のAT中レベルが「3」の場合は、第1上乗せ特化状態より上乗せ期待度の高い第2上乗せ特化状態でAT状態のゲーム数の上乗せ、第1上乗せ特化状態でAT状態のゲーム数の上乗せを行うとともに、AT中CZ状態終了時のAT中CZレベルが「2」の場合の恩恵である上乗せを行い、AT状態に移行する。つまり、AT中CZレベルが「3」でAT中CZ状態を終了した場合、AT中CZレベルが「2」及びAT中CZレベル「3」でAT中CZ状態を終了した場合の恩恵も付与される。
【0094】
上乗せ特化状態は、AT状態のゲーム数の上乗せを行う状態である。上乗せ特化状態は、上乗せされるゲーム数の期待度が異なる第1上乗せ特化状態と第2上乗せ特化状態を有する。
【0095】
第1上乗せ特化状態のゲーム数は、10ゲームである。第1上乗せ特化状態中は、毎ゲーム、AT状態のゲームを上乗せする上乗せゲーム数の抽選が行われる。なお、当該抽選に基づき、上乗せされるゲーム数は、「30」、「50」、「100」または「200」のいずれかである。
【0096】
第2上乗せ特化状態のゲーム数は、1ゲームである。第2上乗せ特化状態では、継続抽選を行い、継続抽選の抽選結果が非当選になるまで、継続抽選に繰り返し、継続抽選に当選となった回数分、リール演出を行い、上乗せされるゲーム数を報知する。なお、リール演出が1回行われる毎に、AT状態のゲーム数に、50ゲームの上乗せがされることとなる。また、第2上乗せ特化状態では、第2上乗せ特化状態を継続するか否かの特化状態継続抽選も行われ、当選の場合、第2上乗せ特化状態を継続し、非当選の場合、AT状態に移行する。
【0097】
次に、所定の契機で実行する演出用ボタン42の操作を促す演出を、図7を用いて説明する。
【0098】
図7(A)は、所定の契機で実行する演出用ボタン42の操作を促す演出の実行前の状態を示す。所定の契機(本実施の形態では、通常中CZ移行抽選に当選し、通常中CZ状態への移行を告知するタイミング)になると、図7(B)に示すように、液晶表示装置27の画面の中央上端辺りに、光演出60が表示される。なお、左リール13L、中リール13M、右リール13Rのバックライトは消灯状態である。そして、図7(C)、図7(D)に示すように、光演出60は、徐々に、液晶表示装置27の画面の下端に伸びていく。なお、光演出60が本発明の特定演出に相当する。
【0099】
図7(D)に示すように、光演出60が、液晶表示装置27の画面の下端に到達すると、図7(E)に示すように、中リール13Mのバックライト34(上段バックライト34U、中段バックライト34C、下段バックライト34D)を点灯(本発明の特定リール演出に相当)させる。
【0100】
その後、図7(F)に示すように、中リール13Mのバックライト34(上段バックライト34U、中段バックライト34C、下段バックライト34D)を消灯させるとともに、演出用ボタンライト36を点灯(本発明の特定操作演出に相当)させる。さらに、液晶表示装置27の画面に、演出用ボタン42を模した演出用ボタン演出41(本発明の操作促進演出に相当)を表示させる。
【0101】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0102】
例えば、中リール13Mのバックライト(上段バックライト34U、中段バックライト34C、下段バックライト34D)を全て同時に点灯させたが、上段バックライト34U、中段バックライト34C、下段バックライト34Dの順に点灯させるようにしてもよい。また、演出用ボタンライト36の点灯と演出用ボタン演出41の表示を同時に行わせるようにしたが、演出用ボタンライト36を点灯させた後、演出用ボタン演出41の表示を行わせるようにしてもよい。
【0103】
さらに、所定の契機として、通常中CZ移行抽選に当選し、通常中CZ状態への移行を告知するタイミングを説明したが、これに限定されず、演出用ボタン42操作を促す演出を実行されるタイミングであれば、特に限定されない。例えば、のAT状態への移行やボーナス当選を告知するタイミング等の状態の移行を告知するタイミングであってもよいし、AT状態の上乗せを告知するタイミングであってもよい。
【0104】
以上のように、本発明では、演出操作手段に対する操作が有効になっていることに気付きやすく、演出効果の向上を図る効果を奏することが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1…スロットマシン、13L、13M、13R…リール、21L,21M,21R…ストップスイッチ、27…液晶表示装置、34…バックライト、34U…上段バックライト、34C…中段バックライト、34D…下段バックライト、36…演出用ボタンライト、42・・・演出用ボタン、100…メイン制御基板、200…サブ制御基板、202…演出制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7