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特開2022-127982めっき液、めっき処理方法及び金属材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127982
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】めっき液、めっき処理方法及び金属材料
(51)【国際特許分類】
   C25D 3/38 20060101AFI20220825BHJP
   C25D 5/10 20060101ALI20220825BHJP
   C25D 5/16 20060101ALI20220825BHJP
   C25D 5/18 20060101ALI20220825BHJP
   C25D 5/34 20060101ALI20220825BHJP
   C25D 7/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
C25D3/38 101
C25D5/10
C25D5/16
C25D5/18
C25D5/34
C25D7/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026247
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】592074614
【氏名又は名称】日電精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】石原 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】大野 厚三
(72)【発明者】
【氏名】近藤 和夫
【テーマコード(参考)】
4K023
4K024
【Fターム(参考)】
4K023AA04
4K023BA06
4K023CA09
4K023CB07
4K023CB33
4K023DA02
4K023DA06
4K023DA07
4K023DA11
4K024AA09
4K024AB09
4K024AB19
4K024BA09
4K024BB11
4K024BB13
4K024BC10
4K024CA01
4K024CA02
4K024CA06
4K024CA08
4K024DA03
4K024DA04
4K024DA10
4K024GA12
(57)【要約】
【課題】簡単な工程でモールド樹脂との間の密着性に優れた粗化表面を形成することができるめっきに関する技術を提供する。
【解決手段】硫酸銅・5水和物を200g/L、硫酸を25g/L、塩酸を400ppm、インヒビターとしてポリエチレングルコールを13.75重量%、アクセラレータとして1,2-エタンジスルホン酸二水和物を7.5重量%含有しためっき液を用いてリードフレーム10にめっきを施すめっき処理方法であって、リードフレーム10を電極として第1電流を第1期間流し、金属材料10の表面の被膜の破壊処理をする第1被膜破壊処理と、第1被膜破壊処理後に、リードフレーム10を電極として第2電流を第2期間流し、めっき層を形成する第1めっき処理と、リードフレーム10を第3期間零電位として、被膜層を形成する第1被膜形成処理と、を所定回数繰り返すことにより、リードフレーム10にめっきを施すめっき処理方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸銅・5水和物を200g/L、硫酸を25g/L、塩酸を400ppm、インヒビターを13.75重量%、アクセラレータを7.5重量%含有したことを特徴とするめっき液。
【請求項2】
請求項1に記載のめっき液において、
前記インヒビターは、ポリエチレングルコールであり、
前記アクセラレータは、1,2-エタンジスルホン酸二水和物であることを特徴とするめっき液。
【請求項3】
金属材料にめっきを施すめっき処理方法であって、
請求項1又は請求項2に記載のめっき液を用いて、
前記金属材料を電極として第1電流を第1期間流し、前記金属材料表面の被膜の破壊処理をする第1被膜破壊処理と、
前記第1被膜破壊処理後に、前記金属材料を電極として第2電流を第2期間流し、めっき層を形成する第1めっき処理と、
前記金属材料を第3期間零電位として、被膜層を形成する第1被膜形成処理と、
を所定回数繰り返すことにより、前記金属材料にめっきを施すことを特徴とするめっき処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載のめっき処理方法において、
第1回目の前記第1被膜破壊処理の前に、
前記金属材料の表面の前処理と、
前記前処理後に、金属不活性剤によって前記金属材料の表面に被膜を形成する金属不活性化処理と、
を行うことを特徴とするめっき処理方法。
【請求項5】
金属材料の表面に形成した被膜と、
前記被膜の複数個所を破壊して、該破壊した箇所の前記金属材料を露出させた被膜破壊部と、
前記複数の各々の被膜破壊部において露出している前記金属材料の表面に形成しためっき部であって、底面部の断面積よりも上部の少なくとも一部の断面積の方が大きい形状のめっき粒子と、
を備えたことを特徴とする金属材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードフレームや回路基板の金属部分の表面のめっき方法であって、めっき面とモールド樹脂との間の密着強度を高めためっき方法、そのめっき方法に使用するめっき液及びそのめっきを施した金属材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、素材金属の表面に下地めっき層を介して貴金属めっき層が形成されたリードフレームのめっき方法において、素材金属上に極性反転成分を有しない直流電流又はパルス電流を用いてめっきされた平滑Niめっき層と、平滑Niめっき層の上に極性反転パルスを含む電流を用いてめっきされた粗面化Niめっき層とによって下地めっき層を形成するめっき方法があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-009334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来のめっき方法では、素材金属の表面に表面の形態が平坦な平滑Niめっきを施したうえで、表面形態が粗化された粗面化Niめっき層を形成し、さらにその表面に貴金属めっき層を形成するというように、多層化が必要であり、工程が複雑であるという課題があった。また、粗面化Niめっき層の粗化が不十分であるため、モールド樹脂との間の密着性が不十分であるという課題もあった。
【0005】
本発明は、こうした課題に鑑みなされたもので、簡単な工程でモールド樹脂との間の密着性に優れた粗化表面を形成することができるめっき液、めっき処置方法及びそのメッキを施した金属材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
[適用例1]
適用例1に記載のめっき液は、硫酸銅・5水和物を200g/L、硫酸を25g/L、塩酸を400ppm、インヒビターを13.75重量%、アクセラレータを7.5重量%含有したことを要旨とする。
【0008】
後述するように、このめっき液を用いて金属材料(10)にめっきを行うと、金属材料(10)の表面が粗化され、金属材料(10)を樹脂(30)でモールドした場合、モールド樹脂(30)との間の密着性に優れた粗化表面を形成することができる。
【0009】
[適用例2]
適用例2に記載のめっき液は、適用例1に記載のめっき液において、
前記インヒビターは、ポリエチレングルコールであり、
前記アクセラレータは、1,2-エタンジスルホン酸二水和物であることを要旨とする。
【0010】
このように、インヒビターをポリエチレングルコール、アクセラレータを1,2-エタンジスルホン酸二水和物とすることにより、金属材料(10)の表面に、大きな瘤状粒子(20)が密な状態で形成される。つまり、金属材料(10)の表面がさらに粗化され、金属材料(10)を樹脂(30)でモールドした場合、モールド樹脂(30)との間の密着性に優れた粗化表面を形成することができる。
【0011】
[適用例3]
適用例3に記載の発明は、金属材料(10)にめっきを施すめっき処理方法であって、
適用例1又は適用例2に記載のめっき液を用いて、
前記金属材料(10)を電極として第1電流を第1期間流し、前記金属材料(10)表面の被膜の破壊処理をする第1被膜破壊処理と、
前記第1被膜破壊処理後に、前記金属材料(10)を電極として第2電流を第2期間流し、めっき層を形成する第1めっき処理と、
前記金属材料(10)を第3期間零電位として、被膜層を形成する第1被膜形成処理と、
を所定回数繰り返すことにより、前記金属材料(10)にめっきを施すことを要旨とするめっき処理方法である。
【0012】
このようなめっき処理方法では、金属材料(10)の表面に被膜層が形成され、形成された被膜の破壊及び被膜の破壊処理をした部分へのめっき処置が繰り返されることにより、金属材料(10)の表面に粗化されためっきを形成することができる。また、金属材料(10)の表面に粗化されためっきが形成されるため、金属材料(10)を樹脂(30)でモールドした場合、モールド樹脂(30)との間の密着性に優れた粗化表面を形成することができる。
【0013】
[適用例4]
適用例4に記載のめっき処理方法は、適用例3に記載のめっき処理方法において、
第1回目の前記第1被膜破壊処理の前に、
前記金属材料(10)の表面の前処理と、
前記前処理後に、金属不活性剤によって前記金属材料(10)の表面に被膜を形成する金属不活性化処理と、
を行うことを要旨とする。
【0014】
このような、めっき処理方法では、適用例3に記載のめっき処理方法の前に、金属材料(10)の表面の前処理や金属不活性化処理が行われているため、金属材料(10)の表面の粗化めっきがより好ましい形態で形成される。したがって、金属材料(10)を樹脂(30)でモールドした場合、モールド樹脂(30)との間の密着性がより優れたものとすることができる。
【0015】
[適用例5]
適用例5に記載の金属材料は、
金属材料(10)の表面に形成した被膜(22)と、
前記被膜(22)の複数個所を破壊して、該破壊した箇所の前記金属材料(10)を露出させた被膜破壊部(C)と、
前記複数の各々の被膜破壊部(C)において露出している前記金属材料(10)の表面に形成しためっき部であって、底面部の断面積よりも上部の少なくとも一部の断面積の方が大きい形状のめっき粒子(20)と、
を備えたことを要旨とする。
【0016】
このような金属材料(10)では、その表面に、複数の瘤状粒子(20)が形成され、属材料(10)の表面が粗化される。したがって、金属材料(10)を樹脂(30)でモールドした場合、モールド樹脂(30)が、複数の瘤状粒子(20)の間に入り込んでモールドされるため、複数の瘤状粒子(20)とモールド樹脂(30)の密着性に優れた粗化表面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】粗化めっき処理の対象となるリードフレームの概略の構造を示す図である。
図2】粗化めっき処理の流れを模式的に示す図である。
図3】粗化めっき処理を行った金属材料の表面の形態を電子顕微鏡で観察した写真である。
図4】密着強度試験の方法を示す図である。
図5】従来の粗化めっき方法と本発明を適用した粗化めっき方法での密着強度を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明が適用された実施形態について適宜図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0019】
(めっき液の組成)
本実施形態におけるめっき処理(以下、「粗化めっき処理」とも呼ぶ)で使用するめっき液の組成は、下記の通りである。
【0020】
硫酸銅・5水和物:200[g/L]
硫酸:23.75[g/L]
塩素:40[ppm(mg/L)]
インヒビター(ポリエチレングルコール):13.75[vol%]
アクセラレータ(1,2-エタンジスルホン酸二水和物):7.5[vol%]
【0021】
(リードフレームの構造)
図1に基づき、粗化めっき処理の対象となる金属材料であるリードフレーム10の構造について説明する。図1は、粗化めっき処理の対象となるリードフレーム10の概略の構造を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は、リードフレーム10をモールド樹脂30でパッケージングした集積回路3の断面図である。
【0022】
リードフレーム10は、銅合金製であり、図1に示すように、半導体素子5を支持固定するダイパッド11、半導体素子5との配線(ボンディングワイヤ12)がつながるインナーリード13、外部配線との橋渡しをするアウターリード14などを備えている。
【0023】
このリードフレーム10は、図1(b)に示すように、モールド樹脂30で成形され、ICなどの集積回路3となる。この樹脂成形の際に発生する樹脂バリを確実に除去するために、リードフレーム10においてモールドする領域(図1(a)において「A」で示す領域)のみを粗化めっき処理し、モールドしない領域には、粗化めっきを施さないようになっている。
【0024】
(粗化めっき処理方法)
次に、図2に基づき、粗化めっき処理方法について説明する。図2は、粗化めっき処理の流れを模式的に示す図である。
【0025】
粗化めっき処理では、以下の(ア)~(カ)に示す処理手順により、リードフレーム10に粗化めっきを施す。
【0026】
(ア)前処理
図2(a)に示すように、リードフレーム10に前処理を行う。前処理は、銅合金であるリードフレーム10の表面に付着している油分や金属粉等の汚れを除去し、めっきに適した清浄な状態にするため行う、脱脂や酸洗いなどの処理である。本実施形態では、脱脂を行う。
【0027】
(イ)BTA被膜形成処理
図2(b)に示すように、金属不活性剤としてベンゾトリアゾール(以下、「BTA」とも呼ぶ)を用いて、リードフレーム10のBTA被膜21を形成する。
【0028】
(ウ)被膜破壊処理
リードフレーム10を陽極、含リン銅板を陰極として、電流密度が-16[mA/d]となる電流(第1電流)を流した状態を50[mS](第1期間)保ち、図2(c,f,i)に示すように、被膜22の破壊処理を行う。なお、被膜22を破壊した箇所を図2(c,f,i)の中で「C」で示す。
【0029】
(エ)めっき処理
次に、電流密度が+50[mA/d]となる電流(第2電流)を流した状態を50[mS](第2期間)保ち、図2(d、g、j)に示すように、瘤状粒子20を成長させるためのめっき処理を行う。
【0030】
(オ)被膜形成処理
次に、陽極と陰極の間の電位差を0[V]として50[mS](第3期間)保ち、図2(e、h)に示すように被膜22を形成する被膜形成処理を行う。
【0031】
(カ)(ウ)~(オ)を合計時間が26[秒]となるまで繰り返す。これにより、図2(c)~図2(j)に示すように、被膜22の破壊(各図に「C」で示す)と瘤状粒子20の成長とを繰り返す。
【0032】
最終的に、図2(k)に示すように多数の瘤状粒子20が高密度で形成されためっき層を得ることができる。
【0033】
(粗化めっき処理の特徴)
以上に説明した粗化めっき処理方法によりリードフレーム10にめっきを施すと、リードフレーム10の表面に一定の厚さのめっき層ではなく、図2(k)に模式的に示すように、リードフレーム10の表面に、大きさの異なる瘤状粒子20が成長しためっき層(粗化めっき層)が形成される。
【0034】
また、粗化めっき処理を行った金属材料10の表面の形態を電子顕微鏡で観察した写真を図3に示す。図3(a)は、上記めっき液及び粗化めっき処理方法によってめっき処理した金属材料10の表面を2000倍に拡大した拡大図、図3(b)は、他社のめっき方法によりめっき処理した金属材料10の表面を2000倍に拡大した拡大図である。
【0035】
図3(a)に示すように、本発明を適用した粗化めっきを施した金属材料10の表面には、大きさが2~3[μm]の瘤状粒子20であって、瘤状粒子20に対して更に細かい瘤状粒子20が形成されたランダムな形状の瘤状粒子20が緻密、かつ、立体的に連結された状態になっている。また、このときの表面粗さSaは3.0となっている。
ここで、瘤状粒子20は、底面部の断面積よりも上部の少なくとも一部の断面積の方が大きい形状のバルーン状あるいはバブル状の、いわゆるアンダーカットがある形状の粒子をいう。また、それらの形状の粒子が複数個連続して成長している場合も含まれる。
【0036】
これに対し、他社のめっき方法でめっき処理を施した金属材料10の表面には、ほぼ均一の大きさの小さな粒子が形成されているだけであり、表面粗さSaも1.5となっている。
【0037】
つまり、本発明を適用した粗化めっき処理方法を用いた場合、ランダムな形状の大きな瘤状粒子20が金属材料10の表面に緻密に形成される。したがって、モールド樹脂30の成形を行った場合、モールド樹脂30が各瘤状粒子20の間、特に、アンダーカットの部分に入り込んだ後、アンカー効果を発揮することになる。
【0038】
そして、従来の針状や円錐状、角錐状などの従来の粗化めっき方法によって形成される粒子よりも多くのモールド樹脂30を瘤状粒子20の間に充填することができるため、めっき層に対するモールド樹脂30の密着強度が高くなる。
【0039】
(密着強度試験結果)
ここで、図4及び図5に基づき、密着強度試験の方法と結果について説明する。図4は、密着強度試験の方法を示す図であり、図5は、従来の粗化めっき方法と本発明を適用した粗化めっき方法での密着強度を比較した図である。
【0040】
密着強度試験は、下記の(キ)~(シ)に示す手順により行う。
(キ)粗化めっきを施した試験フレーム10から1[cm]角のテストピース(金属材料10)を分断し個片にする。
【0041】
(ク)粗化めっき面を上にしてモールド樹脂30を成形する。
(条件)時間:90秒+α、温度:180[℃]
(ケ)乾燥させる。
(条件)時間:8時間、温度:175[℃]
【0042】
(コ)恒温恒湿器に入れて環境加速試験を行う。
(条件)時間:168時間、温度:88[℃]、湿度:85[%]
(環境加速度試験 JEDEC規格_MSL1準拠)
【0043】
(サ)リフロー加熱試験を行う。
(条件)回数:3回、時間:1分→1分、
温度:180~190[℃]→230~240[℃]
(環境加速度試験 JEDEC規格_MSL1準拠)
【0044】
(シ)シェア強度の試験を行う。
シェア試験では、図4に示すように、台座40の上にテストピースとして金属材料10を載置し、その上に成形したモールド樹脂30の側面をツール41で押して力を加える(図4の中において矢印で示している)。そしてモールド樹脂30がテストピースから剥離したときの圧力を密着強度とする。
【0045】
図5において、横軸はめっき処理方法及びモールド樹脂30のグレードを示し、縦軸は圧力[Mpa]を示している。
図5に示すように、従来のブラウンオキサイド処理によりめっき層を形成した場合、モールド樹脂30のグレードによって密着強度が変化するが、本発明を適用した粗化めっき処理によりめっき層を形成した場合は、最も低いグレードのモールド樹脂30であっても密着強度が高いことが分かる。
【0046】
(その他の実施形態)
(1)上記実施形態では、金属不活性剤としてベンゾトリアゾールを用いたが、イミダゾールやチアジアゾールなどを用いてもよい。
【0047】
(2)上記実施形態では、インヒビターとしてポリエチレングリコール(PEG)を用いたが、ヤーヌスグリーンB(JGB)などを用いてもよい。また、アクセラレータとして、ビス(3.スルフォプロピル)ジースルフィルド(SPS)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0048】
3… 集積回路 5… 半導体素子 10… リードフレーム 11… ダイパッド 12… ボンディングワイヤ 13… インナーリード 14… アウターリード 20… 瘤状粒子 21… BTA被膜 22… 被膜 30… モールド樹脂 40… 台座 41… ツール。
図1
図2
図3
図4
図5