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  • 特開-補機バッテリ搭載構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127985
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】補機バッテリ搭載構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/04 20060101AFI20220825BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20220825BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20220825BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220825BHJP
【FI】
B60R16/04 B
B60K13/04
B60R16/04 Y
B62D25/20 J
B62D25/20 Z
H01M2/10 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026254
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】時野 拓一郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 信介
【テーマコード(参考)】
3D038
3D203
5H040
【Fターム(参考)】
3D038BA07
3D038BA14
3D038BA17
3D038BB01
3D038BC02
3D038BC16
3D038BC20
3D203AA02
3D203BB07
3D203BB23
3D203BB24
3D203BB25
3D203CB09
3D203CB25
3D203DB06
5H040AA28
5H040AS07
5H040AY05
5H040AY14
5H040CC28
5H040CC33
5H040CC38
5H040GG26
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】リアフロア下に配置される補機バッテリを排気管の放射熱から保護する。
【解決手段】補機バッテリ10は、リアフロアパネル14から吊り下げ支持された補機バッテリ収容ケース12内に収容されている。補機バッテリ収容ケース12に隣接してメインマフラ(排気管)16が配置されている。補機バッテリ収容ケース12の、メインマフラ16に対向する側面を覆うように遮熱板48が配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成されたリアフロアパネルと、
前記リアフロアパネルの前記開口をふさぐように、かつ前記リアフロアパネルから下方に突出するように固定され、補機バッテリを前記リアフロアパネル下に収容する補機バッテリ収容ケースと、
前記補機バッテリ収容ケースの、当該補機バッテリ収容ケースに隣接配置された排気管に対向する側面を覆うように配置された遮熱板と、
を備えた、補機バッテリ搭載構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電装機器等に電力を供給する補機バッテリの搭載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、灯火類、車載コンピュータ、カーオーディオ等の電装機器に電力を供給する補機バッテリ(以下、バッテリと記す。)を搭載している。下記特許文献1には、車両のシャシフレーム(2)の側面に棚部(11)を固定し、棚部(11)の上側にバッテリ(18)を、下側にインバータ(9)、電子制御ボックス(10)等の電子部品を固定した構造が示されている。棚部(11)の上側には、バッテリ(18)を覆って収容するようにアッパカバー(19)が固定され、下側には、インバータ(9)、電子制御ボックス(10)等を覆って収容するロアカバー(14)が固定されている。バッテリ(18)、インバータ(9)等の電子、電気機器が、シャシフレーム(2)と同じか、より低い位置に、アッパカバー(19)およびロアカバー(14)に収容されて搭載されている。なお、上記の( )内の部材名および符号は、下記特許文献1で用いられている部材名および符号であり、本願の実施形態の説明で用いられる部材名および符号とは関連しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-81830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンを搭載する車両においては、排気管が車両の低い位置、例えばフロアより低い位置に配置されることが多い。補機バッテリなどの電子、電気機器をフロアより低い位置に搭載する場合、その配置によっては、電子、電気機器が排気管からの熱を受ける可能性がある。
【0005】
本発明は、フロア下方に搭載された補機バッテリが排気管から受ける熱を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る補機バッテリ搭載構造は、開口が形成されたリアフロアパネルと、リアフロアパネルの開口をふさぐように、かつリアフロアパネルから下方に突出するように固定され、補機バッテリをリアフロアパネル下に収容する補機バッテリ収容ケースと、補機バッテリ収容ケースの、当該補機バッテリ収容ケースに隣接配置された排気管に対向する側面を覆うように配置された遮熱板と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
遮熱板によって排気管から放射される熱が遮られ、補機バッテリが受ける熱が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】補機バッテリ搭載構造を示す分解斜視図である。
図2】アンダボデーの骨格部材と補機バッテリおよびメインマフラとの位置関係を示す平面図である。
図3】補機バッテリ収容ケースとアンダボデーの骨格部材との位置関係を示す平面図である。
図4図3に示すA-A線による断面図である。
図5図3に示すB-B線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。以下の説明において、特段の断りがない限り、前後左右上下等の相対位置および向きを表す語句は、車両に関する相対位置および向きを表す。各図において、矢印FRの向きが前方、矢印UPの向きが上方、矢印LHの向きが左方である。
【0010】
図1は、本実施形態の補機バッテリ搭載構造を示す図であり、補機バッテリ10、補機バッテリ10を収容する補機バッテリ収容ケース12、乗用車等の後部に設けられる荷室の底を規定するリアフロアパネル14、および排気管の一部を構成するメインマフラ16を示す分解斜視図である。図2は、車両のアンダボデーの骨格部材と、補機バッテリ10およびメインマフラ16の位置関係を示す平面図である。
【0011】
補機バッテリ10は、灯火類、車載コンピュータ、カーオーディオなど車載された電子、電気機器に電力を供給するバッテリであり、一般的には、定格端子電圧は12Vである。補機バッテリ収容ケース12は、概略直方体の外形を有する補機バッテリ10を収容するよう概略直方体形状を有し、上面が開放している。補機バッテリ収容ケース12の大きさは、補機バッテリ10に適合した大きさであり、補機バッテリ10の出し入れを考慮してより一回り大きくされている。例えば、補機バッテリ収容ケース12の内寸は、補機バッテリ10の最も大きい部分の寸法に対して110~120%としてよい。補機バッテリ収容ケース12は、樹脂製のアウタケース18と、鋼板製のインナケース20を有してよい。アウタケース18は、補機バッテリ10を収容する空間を外部から隔てる。樹脂製とすることで、容易に補機バッテリ10の形状に適合した形状に成形することができる。インナケース20は、補機バッテリ10を吊り下げ支持する。アウタケース18が、補機バッテリ収容ケース12の内部を外部から隔てる機能を有しているので、インナケース20は、補機バッテリ10を支持できれば、その形状が箱形状でなくてもよい。例えば、かごのような形状であってもよい。また、インナケース20は、外部からの衝突物から補機バッテリ10を保護する機能を有してよい。
【0012】
リアフロアパネル14は、開口22を有し、この開口22は、補機バッテリ収容ケース12が装着されることによってふさがれる。補機バッテリ収容ケース12は、リアフロアパネル14に装着されると、リアフロアパネル14から下方に突出し、リアフロアパネル14から吊り下げた状態で支持される。したがって、補機バッテリ収容ケース12に収容された補機バッテリ10は、リアフロアパネル14下に搭載される。メインマフラ16は、リアフロアパネル14の下方に配置され、左右方向において、補機バッテリ収容ケース12に隣接するように配置されている。
【0013】
アンダボデーの骨格部材は、車体後部の左右を前後方向に延びる1対のリアサイドメンバ24L,24Rと、リアサイドメンバ24L,24Rの後端に結合され、左右方向に延びるロワバックメンバ26を含む。骨格部材は、さらに、ロワバックメンバ26より前方に位置し、左右方向に延びて両端がそれぞれリアサイドメンバ24L,24Rに結合しているクロスメンバ28を含む。クロスメンバ28よりも前方であって、リアフロアパネル14の前縁部の下方には、後輪駆動用のモータ30が配置されている。
【0014】
図3は、補機バッテリ収容ケース12とアンダボデーの骨格部材の位置関係を示す平面図である。図4は、図3に示すA-A線による断面図、図5図3に示すB-B線による断面図である。収容された補機バッテリ10は、補機バッテリ10を横切るように配置され、上面に当接するバッテリクランプ32により、補機バッテリ収容ケース12内に固定されている。補機バッテリ収容ケース12の開口22を覆うようにデッキボード34が配置されている。デッキボード34は取り外し可能であり、補機バッテリ10の交換など、補機バッテリ10へのアクセスを要する際には取り外される。
【0015】
アウタケース18の上部の開口の縁には、全周にわたってアウタケースフランジ36が設けられ、アウタケースフランジ36がリアフロアパネル14の開口22の縁に載置される。アウタケースフランジ36とリアフロアパネル14の間には、全周にわたってシール材38が配置され、補機バッテリ収容ケース12内を外部に対して封止する。
【0016】
インナケース20の上部の開口の縁にもフランジが形成され、このインナケースフランジ40は、アウタケースフランジ36を覆うように形成されている。インナケース20は、インナケースフランジ40をリアフロアパネル14またはアンダボデーの骨格部材にボルト締結することにより、アンダボデーに固定されている。インナケース20は、図3に示されるように、リアサイドメンバ24Lに対して3本のボルト42で固定され、ロワバックメンバ26に対して1本のボルト44で固定され、クロスメンバ28に対して1本のボルト46で固定されている。インナケースフランジ40を固定すると、インナケースフランジ40は、アウタケースフランジ36を押し、アウタケースフランジ36をリアフロアパネル14の開口22の縁に向けて押圧する。これにより、シール材38がつぶされて、リアフロアパネル14とアウタケースフランジ36の間が封止される。
【0017】
図4に示されるように補機バッテリ収容ケース12に隣接して排気管、特にメインマフラ16が配置されている。メインマフラ16からの放射熱から補機バッテリ収容ケース12、および補機バッテリ10を保護するために、遮熱板48が設けられている。遮熱板48は、補機バッテリ収容ケース12とメインマフラ16の間に配置され、補機バッテリ収容ケース12のメインマフラ16側の側面の一部を、または全体を覆うように配置される。補機バッテリ収容ケース12と対向する排気管の部分が、メインマフラ16のように表面積の大きな部分でなく管形状の部分であれば、排気管に対向する側面の、影響を受ける部分のみに遮熱板を設けるようにしてよい。遮熱板48は、さらに、メインマフラ16の上方に延び、リアフロアパネル14とメインマフラ16の間に位置する部分を有してよい。
【0018】
アウタケース18の底部には、一方向水抜き弁50が設けられている(図5参照)。荷室内に液体がこぼれ、補機バッテリ収容ケース12内に浸入しても、一方向水抜き弁50から排出され、補機バッテリ10が液体に浸かることがない。一方で、外部からの液体等の浸入は阻止される。
【0019】
補機バッテリの形状は略直方体で、水平面内の断面は四角形である。また,水平面内の断面積に比して高さが高い。このような形状的特徴を有する補機バッテリに適合したフロア下の収容空間を、リアフロアパネルを深絞りによって形成することは難しい。本実施形態においては、補機バッテリを収容する空間を、リアフロアパネルとは別の部品によって形成することで、補機バッテリの形状に適合した、つまり補機バッテリがちょうど収まる収容空間を形成した。補機バッテリの収容空間を外部から隔てるために、補機バッテリを収容するケースは樹脂製としてよい。樹脂製とすることで、任意の形状とすることができ、補機バッテリの形状に適合させることができ、かつ内部を外部から隔てる機能を容易に達成することができる。また、補機バッテリの重量を支持するために、樹脂製のケースの内側に鋼板製のケースまたはかごを設けることができ、樹脂製のケースでは強度が不足する場合に有効である。
【符号の説明】
【0020】
10 補機バッテリ、12 補機バッテリ収容ケース、14 リアフロアパネル、16 メインマフラ(排気管)、18 アウタケース、20 インナケース、22 開口、24L,24R リアサイドメンバ、26 ロワバックメンバ、28 クロスメンバ、36 アウタケースフランジ、38 シール材、40 インナケースフランジ、48 遮熱板。
図1
図2
図3
図4
図5