(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128001
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】グラブバケット及びグラブバケット内の余水排出方法
(51)【国際特許分類】
E02F 3/47 20060101AFI20220825BHJP
B66C 3/02 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
E02F3/47 E
B66C3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026277
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000222668
【氏名又は名称】東洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】白川 隆司
(72)【発明者】
【氏名】高山 智久
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004PA06
3F004PC27
(57)【要約】
【課題】浚渫作業の能率化が可能なグラブバケット及びグラブバケット内の余水排出方法を提供する。
【解決手段】シェル21の開口周縁部23(当接部)と、対向するシェル31の開口周縁部33(当接部)との間に設けられた排水口61(余水排出手段)から、バケット内の余水を外部へ速やかに排出するので、浚渫作業の能率化が可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上フレームと、下フレームと、前記下フレームに開閉可能に吊持される一対のシェルと、前記一対のシェルと前記上フレームとを連結する一対のロッドと、前記一対のシェルが閉じられた状態でバケット内の余水を外部へ排出する余水排出手段と、を備えるグラブバケットであって、
前記余水排出手段は、前記シェルの側壁に設けられる排水口と、前記排水口の排水高さを調整する排水高調整部材と、を有することを特徴とするグラブバケット。
【請求項2】
前記排水口は、前記一対のシェルの当接部に設けられることを特徴とする請求項1に記載のグラブバケット。
【請求項3】
前記排水口は、前記側壁を貫通する孔であることを特徴とする請求項1に記載のグラブバケット。
【請求項4】
前記孔は、縦に間隔をあけて複数個設けられることを特徴とする請求項3に記載のグラブバケット。
【請求項5】
前記排水口は、金属ネットであることを特徴とする請求項1に記載のグラブバケット。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載のグラブバケットを用いて、バケット内の余水を外部へ排出することを特徴とするグラブバケット内の余水排出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浚渫に用いられるグラブバケット及びグラブバケット内の余水を排出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浚渫船等に設置されるグラブバケットは、海底に堆積した土砂を一対のシェルによって掴み揚げ、掴み揚げた土砂を土砂運搬船に積み込むときに用いられる。このとき、土砂とともに掴み揚げられる余水(海水)が多いと、余水分だけ土砂運搬船の積載量を費やしてしまい、結果として浚渫作業の能率を低下させたり、運搬時の汚濁流出が問題になる。また、土砂運搬船内で改良材と浚渫土とを混合する浚渫土改良作業においては、土砂とともに掴み揚げられる余水が多いと混合時の浚渫土含水比が高くなり、改良材の添加量が増えてコストアップにつながる。
【0003】
そこで、従来、グラブバケットを水面から浮かせた状態で一旦静止させて水切りを行っていたが、バケット内には一定量の余水が残留する。また、浚渫土改良作業において改良材の添加量が含水比に影響する場合は、シェルを一定量開口させてバケット内の余水を排出させていたが、この場合、バケット内の余水を排出するのに5分程度の時間を要しており、作業能率を向上させるには不十分であった。また、シェルの開口から汚泥が流出し、水質が汚染される問題が発生した。
【0004】
一方、特許文献1に記載された浚渫用グラブバケットは、シェル1,1が開いた状態で開口する上下一対の水抜き口15,16を備え、シェル1,1が閉じられる過程で、掬い板部2上を滑る土砂によって押し上げられた開閉蓋19,20が、水抜き口15,16を閉鎖するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、当該浚渫用グラブバケットは、可動部品である開閉蓋19,20が異物を挟んだり、開閉蓋19,20に押し下げる力が作用する等の不具合が発生した場合、水抜き口15,16が常時開放された状態となり、バケット内の土砂(浚渫土)が水抜き口15,16から外部へ流出し、浚渫作業の能率が低下する。
【0007】
本発明は、浚渫作業の能率化が可能なグラブバケット、及びグラブバケット内の余水を能率的に排出することが可能な方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のグラブバケットは、上フレームと、下フレームと、前記下フレームに開閉可能に吊持される一対のシェルと、前記一対のシェルと前記上フレームとを連結する一対のロッドと、前記一対のシェルが閉じられた状態でバケット内の余水を外部へ排出する余水排出手段と、を備えるグラブバケットであって、前記余水排出手段は、前記シェルの側壁に設けられる排水口と、前記排水口の排水高さを調整する排水高調整部材と、を有することを特徴とする。
本発明のグラブバケット内の余水排出方法は、上フレームと、下フレームと、前記下フレームに開閉可能に吊持される一対のシェルと、前記一対のシェルと前記上フレームとを連結する一対のロッドと、前記一対のシェルが閉じられた状態でバケット内の余水を外部へ排出する余水排出手段と、を備えるグラブバケットのバケット内の余水を排出する方法であって、前記シェルの側壁に設けられて排水高調整部材によって排水高さが調整された排水口から、バケット内の余水を外部へ排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浚渫作業の能率化が可能なグラブバケット、及びグラブバケット内の余水を能率的に排出することが可能な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態におけるグラブバケットの斜視図(バケット閉状態)である。
【
図2】第1実施形態におけるグラブバケットの斜視図(バケット開状態)である。
【
図3】第2実施形態におけるグラブバケットの斜視図(バケット閉状態)である。
【
図4】第2実施形態における余水排出手段の説明図である。
【
図5】第3実施形態におけるグラブバケットの斜視図(バケット閉状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。
便宜上、
図1乃至
図2に示される座標軸を以て、左右方向、前後方向、及び上下方向を定める。
図1、
図2に示されるように、グラブバケット1は、所謂、密閉型グラブバケットであって、上フレーム2、下フレーム3、及び下フレーム3に吊持される左右一対のシェル21,31を備える。上フレーム2は、吊りワイヤ(図示省略)が接続されるブラケット5,5を有する。下フレーム3には、開閉ワイヤ6が掛けられるブロック7(シーブ)が設けられる。
【0012】
シェル21は、前後一対のブラケット22,22を有する。ブラケット22,22の上端部は、下フレーム3に連結される。ブラケット22,22は、下フレーム3との連結部4,4を中心に回動可能である。他方、シェル31は、前後一対のブラケット32,32を有する。ブラケット32,32の上端部は、下フレーム3に連結される。ブラケット32,32は、下フレーム3との連結部4,4を中心に回動可能である。即ち、一対のシェル21,31は、下フレーム3との連結部4,4を中心に回動可能である。
【0013】
上フレーム2とシェル21とは、ロッド11によって連結される。ロッド11の上端部は、上フレーム2の左端部に連結される。ロッド11は、上フレーム2との連結部12,12(
図1に前側の連結部12のみ表示)を中心に回動可能である。ロッド11の下端部は、シェル21のブラケット22,22の下端部に連結される。ロッド11は、ブラケット22,22との連結部13,13を中心に回動可能である。他方、ロッド15の上端部は、上フレーム2の右端部に連結される。ロッド15は、上フレーム2との連結部16,16(
図1に前側の連結部16のみ表示)を中心に回動可能である。ロッド15の下端部は、シェル31のブラケット32,32の下端部に連結される。ロッド15は、ブラケット32,32との連結部17,17を中心に回動可能である。
【0014】
ここで、シェル21,31が開いた状態(
図2参照)から、ウィンチ(図示省略)を駆動して開閉ワイヤ6を巻き上げると、下フレーム3が上フレーム2に対して上方向へ移動して、シェル21が連結部4,4を中心に閉方向(
図2における「反時計回り方向」)へ回動するとともに、シェル31が連結部4,4を中心に閉方向(
図2における「時計回り方向」)へ回動する。これにより、シェル21,31の開口周縁部23,33が合一(当接)して、
図1に示されるように、シェル21,31が閉じられる(以下、シェル21,31が閉じた状態を「バケット閉状態」と称する)。
【0015】
一方、バケット閉状態(
図1参照)から、ウィンチ(図示省略)を駆動して開閉ワイヤ6を繰り出すと、下フレーム3が上フレーム2に対して下方向へ移動して、シェル21が連結部4,4を中心に開方向(
図1における「時計回り方向」)へ回動するとともに、シェル31が連結部4,4を中心に開方向(
図1における「反時計回り方向」)へ回動する。これにより、シェル21,31の開口周縁部23,33の前後方向へ延びる下端縁が、円軌道で相互に離隔して、
図2に示されるように、シェル21,31が開かれる(以下、シェル21,31が開いた状態を「バケット開状態」と称する)。
【0016】
左側のシェル21は、天板24、底板25、及び前後一対の側板26,26(
図1、
図2に前側の側板26のみ表示)を有する。底板25は、前後方向に延びる直線に垂直な平面による断面が略円弧形をなす。シェル21の前側の側板26(側壁)には、バケット閉状態におけるグラブバケット1の内部(以下「バケット内」と称する)の余水を排出するための余水排出手段が設けられる。
【0017】
余水排出手段は、バケット閉状態(
図1参照)において、シェル21の前側の縦の開口周縁部23(当接部)と、この開口周縁部23に対向するシェル31の前側の縦の開口周縁部33(当接部)との間に排水口61を設け、排水口61の排水高さHを、調整部材62乃至64(排水高調整部材)によって調整するように構成される。調整部材62,62、調整部材63,63、及び調整部材64,64には、耐摩耗鋼プレートが用いられる。また、調整部材62,62、調整部材63,63、及び調整部材64,64をシェル21,31に接合する方法は、溶接による接合、ボルト(図示省略)による接合(固定)等を適宜選択することができる。
【0018】
図1は、調整部材62,62、調整部材63,63、及び調整部材64,64を用いて、排水口61の排水高さがH1に調整された状態を示す。この状態では、調整部材62,62、調整部材63,63、及び調整部材64,64の対向面が合一(当接)することで、位置P1よりも上のバケット内の余水が、排水口61から外部へ排出される。他方、
図1に示される状態における最上段の調整部材64,64を取り外すことにより、排水高さは調整部材64,64の高さ分だけ下がってH2に調整され、位置P2よりも上のバケット内の余水が排水口61から外部へ排出される。
【0019】
ここで、密閉型グラブバケットを用いた従来の浚渫方法では、グラブバケットを水面から浮かせた状態で、シェルを一定量開口させてバケット内の余水を排出していたので、余水の排出に5分程度の時間がかかり、浚渫作業の能率を低下させていた。また、シェルの開口から流出した汚泥が水質を汚染する問題が発生した。
これに対し、第1実施形態では、シェル21の開口周縁部23(当接部)と、対向するシェル31の開口周縁部33(当接部)との間に設けられた排水口61(余水排出手段)から、バケット内の余水を外部へ速やかに排出することができるので、浚渫作業の能率化が可能である。また、バケット内の余水のみが排出されるので、周囲の水質を汚染することもない。
また、特許文献1に記載された浚渫用グラブバケットでは、可動部品である開閉蓋19,20が異物を挟んだり、開閉蓋19,20に押し下げる力が作用した場合、水抜き口15,16が常時開放された状態となり、バケット内の土砂(浚渫土)が水抜き口15,16から外部へ流出して浚渫作業の能率が低下する。
これに対し、第1実施形態では、調整部材62乃至64(排水高調整部材)を用いて排水口61の排水高さHを変えることにより、バケット内の余水の水位を調節するようにしたので、水中で動作する可動部品が無いことから、特許文献1に記載された浚渫用グラブバケットのような不具合が発生することがない。
【0020】
なお、第1実施形態では、シェル21の前側の開口周縁部23,33(当接部)間に排水口61を設け、排水口61の排水高さHを、調整部材62乃至64(排水高調整部材)によって調整するように構成したが、シェル21の後側の開口周縁部23,33間にも排水口61を設け、前後の排水口61の排水高さHを、調整部材62乃至64によって調整するように、余水排出手段を構成してもよい。
【0021】
(第2実施形態)
次に、
図3、
図4を参照して第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
【0022】
前述した第1実施形態では、シェル21の前側の開口周縁部23,33(当接部)間に排水口61を設け、排水口61の排水高さHを、調整部材62乃至64(排水高調整部材)によって調整するように余水排出手段を構成した。
これに対し、第2実施形態では、左右のシェル21,31の前側の側板26,36(側壁)に孔41乃至44(排水口)を設けて余水排出手段を構成した。
【0023】
シェル21の前側の側板26(側壁)には、バケット閉状態におけるグラブバケット1の内部(以下「バケット内」と称する)の余水を排出するための複数個(第2実施形態では「4個」)の円形の孔41乃至44(余水排出手段の排水口)が設けられる。孔41乃至44(孔41は「
図3」参照)は、シェル21の縦に延びる開口周縁部23に沿って一列(一直線上)に設けられる。孔41乃至44は、上下方向に一定間隔をあけて配置される。
【0024】
孔41乃至44の開口度は、シャッタ47A,47B(排水高調整部材)によって調整可能である。シャッタ47A,47Bは、縦の長さが相違する長方形の鋼板からなり、各孔41乃至44に対して設けられたフレーム51に着脱可能に装着される。
図4に示されるように、フレーム51は、側板26の外側面に設けられて孔41乃至44を挟んで左右両側に配置された一対のレール52,52と、レール52,52の下端に架設された桟53と、を有する。なお、最下段の孔41に対応するフレーム51は、シェル31の構造上、桟53を有していないが、当然、桟53を設けてもよい。
【0025】
一対のレール52,52は、左右対称をなし、バケット閉状態における水平面による断面がL形に形成される。レール52,52の前面には、シャッタ47A,47Bを保持するためのピン55が挿入される貫通孔54,54が設けられる。他方、シャッタ47A,47Bの左右両側には、レール52,52の貫通孔54,54に一致させた位置合わせ孔48,48が設けられる。
【0026】
一方、左側のシェル31は、天板34、底板35、及び前後一対の側板36,46を有する。ここで、シェル21とシェル31とは、余水排出手段(孔41乃至44、及びフレーム51)を含めて基本構造が左右対称である。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、シェル31に関する詳細な説明を省略する。
【0027】
次に、排水高さH(
図3、
図4参照)を調整する方法を説明する。
図4に示されるように、最下段のフレーム51にシャッタ47Aをセットし、レール52,52の貫通孔54,54と、シャッタ47Aの位置合わせ孔48,48とを一致させてピン55,55を挿入する。これにより、当該フレーム51に対するシャッタ47Aの上下方向への移動が阻止され、孔41は、シャッタ47Aによって全部が閉じられた状態(以下「全閉状態」と称する)、即ち、開度が0%の状態で保持される。
【0028】
一方、下から2段目のフレーム51にシャッタ47Bをセットし、レール52,52の貫通孔54,54と、シャッタ47B下側の位置合わせ孔48,48とを一致させてピン55,55を挿入する。これにより、当該フレーム51に対するシャッタ47Bの上下方向への移動が阻止され、孔42は、シャッタ47Bによって下部が閉じられた状態(以下「半開状態」と称する)で保持される。その結果、シャッタ47が孔42を遮った分だけ、孔42の開度が小さくなり、その結果、排水高さH(排水後の水位)が高くなる。なお、上から2段目のフレーム51及び最上段のフレーム51には、シャッタ47A,47Bをセットしない。これにより、孔43,44は、全閉状態となり、開度が100%で保持される。
【0029】
このようにして、浚渫を開始する前に、シャッタ47A,47Bを用いて、孔41乃至44の開度を全閉、半開、全開のいずれかの状態に設定することにより、バケット内の余水の排水高さHを調節する。ここで、排水高さHは、掘削厚さから推定されるバケット内の浚渫土の高さ(堆積高さ)に基づき決定される。
【0030】
グラブバケット1が水中から引き揚げられた直後、バケット内は、土砂(浚渫土)と水とで満たされている(便宜上、シェル21,31間の隙間から漏出される水は無視する)。バケット内の余水は、全開状態の孔43,44及び半開状態の孔42からバケット外へ排出される。バケット内の水位が低下して、バケット内の水位が孔42の下部を閉じているシャッタ47Bの上端位置に達すると、バケット内から外部への排水が停止し、バケット内の水位が排水高さH(目標水位)に保持される。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0031】
なお、第2実施形態では、シェル21,31の前側の側板26,36(側壁)に、孔41乃至44、及び各孔41乃至44に対してフレーム51を設けることで余水排出手段を構成したが、シェル21,31の後側の側板26,36にも、孔41乃至44、及び各孔41乃至44に対してフレーム51を設けるようにして、余水排出手段を構成してもよい。
また、第2実施形態では、全閉用のシャッタ47Aに対して縦の長さが短いシャッタ47Bを用いて孔42を半開状態にしたが、シャッタ47Aを縦にスライドさせることで、孔42を半開状態にするように構成してもよい。
また、孔41乃至44(排水口)の形状を円形としたが、例えば、長方形であってもよい。
また、第2実施形態では、シェル21,31の前側の側板26,36(側壁)に複数個(第1実施形態では「4個」)の孔41乃至44(排水口)を設けたが、最下段の孔41と下から2番目の孔42とを1つの長孔(長円形)としたり、最上段の孔44と上から2番目の孔43とを1つの長孔(長円形)としてもよい。
【0032】
(第3実施形態)
次に、
図5を参照して第3実施形態を説明する。
なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
【0033】
前述した第1実施形態では、シェル21の前側の開口周縁部23,33(当接部)間に排水口61を設け、排水口61の排水高さHを、調整部材62乃至64(排水高調整部材)によって調整するように余水排出手段を構成した。
これに対し、第3実施形態では、左右のシェル21,31の前側の側板26,36(側壁)に金属ネット45,45(排出口)を設けて余水排出手段を構成した。ここで、バケット内の余水の排水高さHは、プレート等の排水高調整部材(図示省略)によって金属製のネット45(排水口)の下部を部分的に遮断し(覆って)、金属ネット45,45の下端位置を変えることにより調整される。
【0034】
第3実施形態によれば、シェル21,31の側板26,36に設けられた金属ネット45,45を介して、バケット内の余水を外部へ速やかに排出することができるので、第1実施形態同様、浚渫作業の能率化が可能である。また、バケット内の余水のみが排出されるので、周囲の水質を汚染することもない。
【0035】
なお、第3実施形態では、余水排出手段の排水口として金属ネット45,45を用いたが、例えば、スリット、パンチングメタル等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 グラブバケット、2 上フレーム、3 下フレーム、11,15 ロッド、21,31 シェル、61 排水口、62,63,64 調整部材(排水高調整部材)