IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Artriggerの特許一覧

<>
  • 特開-運賃管理方法 図1
  • 特開-運賃管理方法 図2
  • 特開-運賃管理方法 図3
  • 特開-運賃管理方法 図4
  • 特開-運賃管理方法 図5
  • 特開-運賃管理方法 図6
  • 特開-運賃管理方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128027
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】運賃管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220825BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220825BHJP
   G09F 21/04 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G06Q30/02 372
G06Q30/02 398
G06Q50/30
G09F21/04 S
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026323
(22)【出願日】2021-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】516047898
【氏名又は名称】株式会社Artrigger
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】堺谷 円香
(72)【発明者】
【氏名】茂木 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】旅客運送用の移動体の中の広告効果を高める運賃管理方法を提供する。
【解決手段】広告管理装置1は、顧客が移動体を利用する前に顧客が所有するICのIC識別子を取得する。移動体の中の広告表示装置2が、顧客が所有するICのIC識別子を広告管理装置1に送信する。広告管理装置1はIC識別子に関連付けられた広告映像を広告表示装置2に配信し、広告表示装置2は広告映像を顧客に提示する。広告管理装置1は、顧客が移動体の利用を終了した後に顧客が所有するICの情報を取得する。広告管理装置1は、IC識別子に対応する顧客に広告映像を配信した時間と、顧客による移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を、決済機能を有する装置に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客運送用の移動体で移動中に広告を表示するための広告表示装置と、前記広告表示装置に表示させる広告映像を管理する広告管理装置と、を含む広告配信システムにおいて実行される運賃管理方法であって、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を開始するために前記移動体の顧客が所有するIC(Integrated Circuit)の情報を読み出す第1装置から、前記ICを特定するためのIC識別子と前記第1装置を特定するための第1装置識別子とを取得するステップを実行し、
前記広告表示装置が、
前記IC識別子を取得するステップと、
取得した前記IC識別子を前記広告管理装置に送信するステップと、を実行し、
前記広告管理装置が、
前記広告表示装置から前記IC識別子を取得するステップと、
複数のIC識別子それぞれと各IC識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースを参照して、前記広告表示装置から取得したIC識別子に関連付けられた広告識別子を取得するステップと、
取得した前記広告識別子に対応する広告映像を前記広告表示装置に配信するステップと、を実行し、
前記広告表示装置が、
前記広告管理装置から受信した前記広告映像を前記顧客に提示するステップを実行し、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を終了するために前記顧客が所有する前記ICの情報を読み出す第2装置から、前記IC識別子と前記第2装置を特定するための第2装置識別子とを取得するステップと、
前記IC識別子に対応する顧客に前記広告映像を配信した時間と、前記顧客による前記移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を前記第2装置に送信するステップと、を実行する、
運賃管理方法。
【請求項2】
前記広告管理装置が、
前記第1装置から前記ICを読み出した日時及び位置それぞれを示す情報を取得するステップと、
前記IC識別子、前記日時及び位置それぞれを示す情報、及び前記広告識別子を関連付けて前記広告データベースに登録するステップと、をさらに実行する、
請求項1に記載の運賃管理方法。
【請求項3】
前記広告表示装置が、
前記顧客から前記広告映像をスキップすることを指示するスキップ指示情報を取得するステップと、
前記スキップ指示情報と前記IC識別子とを関連付けて前記広告管理装置に送信するステップと、をさらに実行し、
前記広告管理装置が、
前記IC識別子と、前記顧客にスキップを指示された前記広告映像の前記広告識別子とを対応づけて前記広告データベースに登録するステップとをさらに実行する、
請求項1又は2に記載の運賃管理方法。
【請求項4】
前記広告管理装置が、
前記広告表示装置から前記スキップ指示情報を取得した場合、新たな広告映像を前記スキップ指示情報を送信した前記広告表示装置に配信するステップをさらに実行する、
請求項3に記載の運賃管理方法。
【請求項5】
前記広告管理装置が、
前記スキップ指示情報に関連付けられて登録された前記広告識別子を、前記広告データベースにおいて前記IC識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子から除外するステップをさらに実行する、
請求項3又は4に記載の運賃管理方法。
【請求項6】
前記運賃管理方法が実行される前記広告配信システムにおいて、前記広告表示装置は、前記移動体に設置された複数の座席それぞれに対応づけられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の運賃管理方法。
【請求項7】
前記運賃管理方法が実行される前記広告配信システムにおいて、前記広告表示装置は、
前記ICの情報を読み取るためのICリーダと、
前記顧客から広告映像をスキップすることの指示を受け付けるためのインタフェースと、を備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の運賃管理方法。
【請求項8】
旅客運送用の移動体で移動中に広告を表示するための広告表示装置と、前記広告表示装置に表示させる広告映像を管理する広告管理装置と、を含む広告配信システムにおいて実行される運賃管理方法であって、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を開始するために前記移動体の顧客に対応づけられた識別子である顧客識別子を読み出す第1装置から、前記顧客識別子と前記第1装置を特定するための第1装置識別子とを取得するステップを実行し、
前記広告表示装置が、
前記顧客識別子を取得するステップと、
取得した前記顧客識別子を前記広告管理装置に送信するステップと、を実行し、
前記広告管理装置が、
前記広告表示装置から前記顧客識別子を取得するステップと、
複数の顧客識別子それぞれと各顧客識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースを参照して、前記広告表示装置から取得した顧客識別子に関連付けられた広告識別子を取得するステップと、
取得した前記広告識別子に対応する広告映像を前記広告表示装置に配信するステップと、を実行し、
前記広告表示装置が、
前記広告管理装置から受信した前記広告映像を前記顧客に提示するステップを実行し、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を終了するために前記顧客識別子を読み出す第2装置から、前記顧客識別子と前記第2装置を特定するための第2装置識別子とを取得するステップと、
前記顧客識別子に対応する顧客に前記広告映像を配信した時間と、前記顧客による前記移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を前記第2装置に送信するステップと、を実行する、
運賃管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運賃管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電車やバス、飛行機等の旅客運送用の移動体を利用するユーザは、一般に利用に応じた運賃を支払う。引用文献1には、タクシーの乗客が車内でカラオケ等の遊戯を行い、その歌唱力に応じて運賃を減額するとともに、その減額分をタクシーに配置された広告表示部で表示させる広告費で負担する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-12298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術のように、旅客運送用の移動体の中には、乗客に広告を提示することを目的とした表示部が設けられていることも多い。しかしながら、移動体内で広告が漠然と流されていたとしても、その広告の効果は必ずしも高いと限らない。
【0005】
本願の発明者は、旅客運送用の移動体の中で、乗客1人1人に広告を提示することによって広告の効果を高めうる可能性について認識するに至った。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、旅客運送用の移動体の中の広告効果を高め得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、旅客運送用の移動体で移動中に広告を表示するための広告表示装置と、前記広告表示装置に表示させる広告映像を管理する広告管理装置と、を含む広告配信システムにおいて実行される運賃管理方法である。この方法において、前記広告管理装置が、前記移動体の利用を開始するために前記移動体の顧客が所有するIC(Integrated Circuit)の情報を読み出す第1装置から、前記ICを特定するためのIC識別子と前記第1装置を特定するための第1装置識別子とを取得するステップを実行し、前記広告表示装置が、前記IC識別子を取得するステップと、取得した前記IC識別子を前記広告管理装置に送信するステップと、を実行し、前記広告管理装置が、前記広告表示装置から前記IC識別子を取得するステップと、複数のIC識別子それぞれと各IC識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースを参照して、前記広告表示装置から取得したIC識別子に関連付けられた広告識別子を取得するステップと、取得した前記広告識別子に対応する広告映像を前記広告表示装置に配信するステップと、を実行し、前記広告表示装置が、前記広告管理装置から受信した前記広告映像を前記顧客に提示するステップを実行し、前記広告管理装置が、前記移動体の利用を終了するために前記顧客が所有する前記ICの情報を読み出す第2装置から、前記IC識別子と前記第2装置を特定するための第2装置識別子とを取得するステップと、前記IC識別子に対応する顧客に前記広告映像を配信した時間と、前記顧客による前記移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を前記第2装置に送信するステップと、を実行する。
【0008】
前記運賃管理方法において、前記広告管理装置が、前記第1装置から前記ICを読み出した日時及び位置それぞれを示す情報を取得するステップと、前記IC識別子、前記日時及び位置それぞれを示す情報、及び前記広告識別子を関連付けて前記広告データベースに登録するステップと、をさらに実行してもよい。
【0009】
前記運賃管理方法において、前記広告表示装置が、前記顧客から前記広告映像をスキップすることを指示するスキップ指示情報を取得するステップと、前記スキップ指示情報と前記IC識別子とを関連付けて前記広告管理装置に送信するステップと、をさらに実行してもよく、前記広告管理装置が、前記IC識別子と、前記顧客にスキップを指示された前記広告映像の前記広告識別子とを対応づけて前記広告データベースに登録するステップとをさらに実行してもよい。
【0010】
前記運賃管理方法において、前記広告管理装置が、前記広告表示装置から前記スキップ指示情報を取得した場合、新たな広告映像を前記スキップ指示情報を送信した前記広告表示装置に配信するステップをさらに実行してもよい。
【0011】
前記運賃管理方法において、前記広告管理装置が、前記スキップ指示情報に関連付けられて登録された前記広告識別子を、前記広告データベースにおいて前記IC識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子から除外するステップをさらに実行してもよい。
【0012】
前記運賃管理方法が実行される前記広告配信システムにおいて、前記広告表示装置は、前記移動体に設置された複数の座席それぞれに対応づけられていてもよい。
【0013】
前記運賃管理方法が実行される前記広告配信システムにおいて、前記広告表示装置は、前記ICの情報を読み取るためのICリーダと、前記顧客から広告映像をスキップすることの指示を受け付けるためのインタフェースと、を備えてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様も、旅客運送用の移動体で移動中に広告を表示するための広告表示装置と、前記広告表示装置に表示させる広告映像を管理する広告管理装置と、を含む広告配信システムにおいて実行される運賃管理方法である。この方法において、前記広告管理装置が、前記移動体の利用を開始するために前記移動体の顧客に対応づけられた識別子である顧客識別子を読み出す第1装置から、前記顧客識別子と前記第1装置を特定するための第1装置識別子とを取得するステップを実行し、前記広告表示装置が、前記顧客識別子を取得するステップと、取得した前記顧客識別子を前記広告管理装置に送信するステップと、を実行し、前記広告管理装置が、前記広告表示装置から前記顧客識別子を取得するステップと、複数の顧客識別子それぞれと各顧客識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースを参照して、前記広告表示装置から取得した顧客識別子に関連付けられた広告識別子を取得するステップと、取得した前記広告識別子に対応する広告映像を前記広告表示装置に配信するステップと、を実行し、前記広告表示装置が、前記広告管理装置から受信した前記広告映像を前記顧客に提示するステップを実行し、前記広告管理装置が、前記移動体の利用を終了するために前記顧客識別子を読み出す第2装置から、前記顧客識別子と前記第2装置を特定するための第2装置識別子とを取得するステップと、前記顧客識別子に対応する顧客に前記広告映像を配信した時間と、前記顧客による前記移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を前記第2装置に送信するステップと、を実行する。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、旅客運送用の移動体の中の広告効果を高め得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る広告配信システムの構成を模式的に示す図である。
図2】実施の形態に係る広告管理部と広告表示装置とのそれぞれの機能構成を模式的に示す図である。
図3】移動体に備え付けられている広告表示装置を模式的に示す図である。
図4】実施の形態に係る広告配信システムで実行される運賃管理処理の流れを説明するためのシーケンス図の前半部である。
図5】実施の形態に係る広告配信システムで実行される運賃管理処理の流れを説明するためのシーケンス図の中盤部である。
図6】実施の形態に係る広告配信システムで実行される運賃管理処理の流れを説明するためのシーケンス図の後半部である。
図7】第2の変形例に係る広告管理装置と広告表示装置とのそれぞれの機能構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態の概要>
図1は、実施の形態に係る広告配信システムSの構成を模式的に示す図である。以下、図1を参照して、実施の形態の概要を述べる。
【0019】
実施の形態に係る広告管理システムSは、顧客Uが所有するICを読み出す装置(第1装置3)と、旅客運送用の移動体Mでの移動中に顧客Uに広告を表示するための広告表示装置2と、移動体の利用を終了するために顧客Uが所有するICの情報を読み出す装置(第2装置4)とを備える。
【0020】
具体的には、図1は、顧客Uが移動体Mとして電車又は地下鉄を利用する場合の例を示している。このため、図1に示す例では、第1装置3は乗車駅に設置された自動改札機であり、第2装置4は降車駅に設置された自動改札機であり、顧客Uが所有するICは交通系のプリペイド型の電子マネーのICカードや携帯電話に搭載されているICである。以下、本明細書において、移動体Mが電車や地下鉄であることを前提として説明するが、移動体Mは電車や地下鉄に限られず、バス、タクシー、旅客機、船舶等であってもよい。
【0021】
広告管理装置1は、第1装置3が取得した顧客UのICの情報を取得し、広告データベースDを参照してその情報に関連付けられている広告映像を取得する。広告管理装置1は、は移動体Mの中で顧客Uが広告映像を見るために用いられる広告表示装置2に広告映像を配信する。顧客Uが降車駅の自動改札機である第2装置4にICを接触させると、IC情報は広告管理装置1に送信される。第2装置4からIC情報を取得することを契機として、広告管理装置1は、顧客Uに配信した時間に基づいて、運賃の割引額を算出し第2装置4に送信する。これにより、第2装置4は、顧客Uによる移動体Mの利用の運賃から割引額を減算した額を、顧客Uの電子マネーの残高から引き落とす。
【0022】
広告配信システムSは、顧客Uが所有するICの情報に応じて顧客Uに配信する広告映像を選択できるので、顧客Uに適した広告映像を選択することができる。顧客Uは、広告映像を視聴することで運賃が減額されるので、広告映像を見ようとするインセンティブを得ることができる。これにより、広告配信システムSは、旅客運送用の移動体Mの中の広告効果を高め得ることができる。
【0023】
以下、広告配信システムSが実行する運賃管理処理の概要を(1)から(10)の順に説明するが、その番号は図1における(1)から(10)に対応する。
【0024】
(1)顧客Uは、乗車駅の自動改札機である第1装置3にICを接触させる。
(2)広告管理装置1は、第1装置3から、ICを特定するためのIC識別子と第1装置3を特定するための第1装置識別子とを取得する。
【0025】
(3)広告表示装置2は、移動体M内で顧客UのICからIC情報を取得して広告管理装置1に送信する。
(4)広告管理装置1は、複数のIC識別子それぞれと各IC識別子に関連付けて広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースDを参照して、広告表示装置2から取得したIC識別子に関連付けられた広告識別子を取得する。
【0026】
(5)広告管理装置1は、広告表示装置2に広告動画を配信する。
(6)広告表示装置2は、配信された広告動画を表示する。
(7)顧客Uは、降車駅の自動改札機である第2装置4にICを接触させる。
(8)広告管理装置1は、第2装置4から、IC識別子と第2装置4を特定するための第2装置識別子とを取得する。
【0027】
(9)広告管理装置1は、IC識別子に対応する顧客Uに広告映像を配信した時間と、顧客Uによる移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を第2装置4に送信する。
(10)第2装置4は電子マネーの決済機能を有しており、運賃から割引額を差し引いた金額を、顧客Uの電子マネーの残高から引き落とす。具体的には、第2装置4は、電子マネーの決済を実行するサーバ(不図示)と通信して決済処理を仲介し、決済の結果を顧客Uが所有するICに書き込む。
【0028】
これにより、顧客Uは広告映像を見ることで運賃が割引されるので、広告配信システムSは、移動体Mを利用する顧客Uに対して移動体M内で広告映像を見るためのインセンティブを与えることができる。結果として、広告配信システムSは、旅客運送用の移動体Mの中の広告効果を高め得ることができる。
【0029】
<実施の形態に係る広告管理装置1の機能構成>
図2は、実施の形態に係る広告管理装置1と広告表示装置2とのそれぞれの機能構成を模式的に示す図である。広告管理装置1は、記憶部10、通信部11、及び制御部12を備える。広告表示装置2は、記憶部20、通信部21、インタフェース22、表示部23、ICリーダ24、及び制御部25を備える。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってもよい。図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0030】
記憶部10は、広告管理装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や広告管理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0031】
通信部11は、広告管理装置1が外部の機器とやり取りするためのインタフェースであり、既知の有線又は無線LAN(Local Area Network)モジュールを用いて実現される。制御部12は、広告管理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部10に記憶されたプログラムを実行することによって識別子取得部120、データベース操作部121、広告配信部122、割引額算出部123、及び開始情報取得部124として機能する。
【0032】
記憶部20は、広告表示装置2を実現するコンピュータのBIOS等を格納するROMや広告管理装置1の作業領域となるRAM、OSやアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDDやSSD等の大容量記憶装置である。通信部21は、広告表示装置2が外部の機器とやり取りするためのインタフェースであり、既知の有線又は無線LANモジュールを用いて実現される。
【0033】
インタフェース22は、顧客Uが広告表示装置2に指示したり情報を読み取らせたりするための操作部であり、押下可能なボタンや既知のタッチパネルで実現できる。表示部23は、広告表示装置2が顧客Uに映像を提示するための部位であり、既知の液晶パネルや有機EL(Electroluminescence)等で実現される。ICリーダ24は、顧客Uが所有するICから情報を読み取るための装置であり、既知のRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダ等を用いて実現される。
【0034】
制御部25は、広告表示装置2のCPUやGPU等のプロセッサであり、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することによって識別子取得部250、広告提示部251、及びスキップ情報取得部252として機能する。
【0035】
なお、図2は、広告管理装置1が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、広告管理装置1は、例えばクラウドコンピューティングシステムのように複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部12を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0036】
広告表示装置2は、旅客運送用の移動体Mで移動中に広告を表示するための装置である。広告表示装置2は、移動体Mの中の座席と対応づけて設置されている。
【0037】
広告管理装置1は、広告表示装置2に表示させる広告映像を管理する装置である。広告管理装置1の識別子取得部120は、移動体Mの利用を開始するために移動体Mの顧客Uが所有するICの情報を読み出す第1装置3から、ICを特定するためのIC識別子と第1装置3を特定するための第1装置識別子とを取得する。例えば、移動体Mが電車や地下鉄の場合、第1装置3は、顧客Uの乗車駅の自動改札である。移動体Mが航空機である場合、第1装置3は、搭乗口に設けられている搭乗改札機である。
【0038】
具体的には、識別子取得部120は、第1装置3が取得してネットワークNを介して通信部11が第1装置識別子とともに受信したIC識別子を取得する。以下、本明細書において、制御部12の各部が通信部11を介して外部の装置との間で情報を送受信することを、通信部11の仲介を前提とて通信部11の記載は省略する。
【0039】
広告表示装置2の識別子取得部250は、IC識別子を取得する。具体的には、広告表示装置2が移動体Mの中に備え付けられている場合、識別子取得部250は、広告表示装置2が備えるICリーダ24が読み出したIC識別子を取得する。
【0040】
図3(a)-(b)は、移動体Mに備え付けられている広告表示装置2を模式的に示す図であり、移動体Mが電車や地下鉄の場合に移動体Mに備え付けられている広告表示装置2を例示する図である。具体的には、図3(a)は、広告表示装置2が車両内の上部から吊り下げられた状態で顧客Uに表示部を提示する態様を示している。また、図3(b)は、広告表示装置2が座席の背もたれの上部から引き出されて顧客Uに表示部を提示する態様を示している。
【0041】
図3(a)-(b)に図示はしていないが、広告表示装置2は、移動体Mに設置された複数の座席それぞれに対応づけて設置されている。顧客Uは移動体Mの座席に座った後、その座席に対応する広告表示装置2のICリーダ24に、所有するICを読み取らせる。識別子取得部250は、ICリーダ24が読み取ったIC識別子を通信部21及びネットワークNを介して広告管理装置1に送信する。以下、本明細書において、制御部25の各部が通信部21を介して外部の装置との間で情報を送受信することを、通信部21の仲介を前提として通信部21の記載は省略する。
【0042】
広告管理装置1の識別子取得部120は、広告表示装置2からIC識別子を取得する。データベース操作部121は、広告データベースDを参照して、広告表示装置2から取得したIC識別子に関連付けられた広告識別子を取得する。データベース操作部121は、広告識別子に対応する広告映像を広告データベースDから読み出す。ここで、広告データベースDは、複数の異なるIC識別子それぞれと、各IC識別子に関連付けて広告表示装置2に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶するデータベースである。
【0043】
広告配信部122は、取得した広告識別子に対応する広告映像を広告表示装置2に配信する。広告表示装置2の広告提示部251は、広告管理装置1から受信した広告映像を顧客Uに提示する。具体的には、広告提示部251は、広告管理装置1から受信した広告映像を表示部23に表示させることによって顧客Uに提示する。これにより、顧客Uは、移動体Mを利用して移動している間、広告表示装置2が提示する広告映像を視聴することができる。
【0044】
広告管理装置1の識別子取得部120は、第2装置4から、顧客Uが所有するICのIC識別子と第2装置4を特定するための第2装置識別子とを取得する。ここで、第2装置4は、移動体Mの利用を終了するために顧客Uが所有するICの情報を読み出すための装置であり、具体的には降車駅の自動改札機である。顧客Uは、降車駅で降りる際に所有するICを第2装置4に読み取らせる。
【0045】
割引額算出部123は、IC識別子に対応する顧客Uに広告映像を配信した時間と、顧客Uによる移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を算出する。割引額算出部123は、算出した割引額を第2装置に送信する。
【0046】
具体的には、割引額算出部123は、顧客Uに広告映像を配信した時間が長いほど、割引額を大きくする。また、割引額算出部123は、顧客Uによる移動体の利用時間が長いほど、割引額を大きくする。これにより、広告管理装置1は、移動体Mを利用中の顧客Uに広告動画を見ようとするインセンティブを与えることができる。
【0047】
広告管理装置1の開始情報取得部124は、第1装置3から顧客UのICを読み出した日時及び位置それぞれを示す情報を取得する。ICを読み出した位置は、例えば第1装置3の所在地である。データベース操作部121は、IC識別子、日時及び位置それぞれを示す情報、及び広告識別子を関連付けて広告データベースDに登録する。
【0048】
開始情報取得部124が顧客UのICを読み出した位置を取得することにより、データベース操作部121は、その位置の近傍に存在する店舗や広告主の広告映像を優先的に選択することができる。顧客Uには顧客Uの現在位置近傍の店舗等に関する広告映像が提示されるので、広告管理装置1は、顧客Uの興味を引く広告映像を選択する確率をあげることができる。
【0049】
ところで、広告表示装置2の表示部23に表示される広告動画の内容が、顧客Uにとって興味のあるものである保証はない。広告動画によっては顧客Uが全く関心のない内容のものであることもあり得る。そのため、顧客Uは、広告表示装置2のインタフェース22を介して、広告表示装置2に対して広告動画のスキップを指示することができる。
【0050】
スキップ情報取得部252は、顧客Uから広告映像をスキップすることを指示するスキップ指示情報を取得する。具体的には、インタフェース22が顧客Uから広告映像をスキップすることの指示を受け付けるためのインタフェースとして機能し、スキップ情報取得部252はインタフェース22を介して顧客Uからスキップ情報を取得する。続いて、スキップ情報取得部252は、スキップ指示情報とIC識別子とを関連付けて広告管理装置1に送信する。
【0051】
広告管理装置1のデータベース操作部121は、広告表示装置2から取得したIC識別子と、顧客Uにスキップを指示された広告映像の広告識別子とを対応づけて広告データベースDに登録する。これにより、広告管理装置1は、顧客U毎に各顧客Uが関心を持たない広告動画の広告識別子を収集することができる。
【0052】
データベース操作部121は、広告表示装置2からスキップ指示情報を取得した場合、広告配信部122は、新たな広告映像をスキップ指示情報を送信した広告表示装置2に配信する。これにより、広告管理装置1は、顧客Uに広告動画を配信することを継続することができる。なお、データベース操作部121は、スキップ指示情報に関連付けられて登録された広告識別子を、広告データベースDにおいてIC識別子に関連付けて広告表示装置2に表示させる広告映像を特定するための広告識別子から除外してもよい。これにより、広告管理装置1は、顧客Uが関心を持たない広告動画を再度顧客Uに配信することを抑制できる。これを継続することにより、広告管理装置1は、異なる顧客U毎に配信する広告動画を個別に調整することができる。
【0053】
<広告配信システムSが実行する運賃管理処理のシーケンス>
図4は、実施の形態に係る広告配信システムSで実行される運賃管理処理の流れを説明するためのシーケンス図の前半部である。図5は、実施の形態に係る広告配信システムSで実行される運賃管理処理の流れを説明するためのシーケンス図の中盤部である。図6は、実施の形態に係る広告配信システムSで実行される運賃管理処理の流れを説明するためのシーケンス図の後半部である。以下、図4図5、及び図6を参照して、広告配信システムSが実行する運賃管理シーケンスを説明する。
【0054】
図2において、第1装置3は、移動体Mの顧客Uが所有するICの情報を読み出す(S2)。第1装置3は、読み出したICを特定するためのIC識別子と、自身を特定するための第1装置識別子とを、広告管理装置1に送信する(S4)。
【0055】
広告管理装置1の識別子取得部120は、第1装置3からIC識別子と第1装置識別子とを取得する(S6)。広告表示装置2の識別子取得部250は、移動体Mの中において顧客Uが所持するICからIC識別子を取得する(S8)。識別子取得部250は、取得したIC識別子と自身を特定するための表示装置識別子とを広告管理装置1に送信する(S10)。
【0056】
広告管理装置1の識別子取得部120は、広告表示装置2からIC識別子と表示装置識別子とを取得する(S12)。データベース操作部121は、広告データベースDを参照して、広告表示装置2から取得したIC識別子に関連付けられた広告識別子を取得する(S14)。広告配信部122は、データベース操作部121が取得した広告識別子に対応する広告映像を、表示装置識別子に対応する広告表示装置2に配信する(S16)。広告表示装置2の広告提示部251は、広告管理装置1から取得した広告映像を表示部23に表示させることで顧客Uに提示する(S18)。
【0057】
図5において、広告表示装置2のスキップ情報取得部252が顧客Uから顧客Uからスキップ情報を取得しない間(S20のNo)、図4中のXに戻って広告提示部251は広告映像を表示部23に表示させることを継続する。スキップ情報取得部252が顧客Uから顧客Uからスキップ情報を取得すると(S20のYes)、スキップ情報取得部252は、スキップ指示情報とIC識別子とを関連付けて広告管理装置1に送信する(S22)。
【0058】
広告管理装置1のデータベース操作部121は、広告表示装置2からスキップ指示情報とIC識別子とを受信する(S24)。データベース操作部121は、取得したIC識別子と、顧客Uにスキップを指示された広告映像の広告識別子とを対応づけて広告データベースDに登録する(S26)。データベース操作部121は、顧客Uにスキップを指示された広告映像とは異なる新たな広告映像の広告識別子を広告データベースDから取得する(S28)。広告配信部122は、データベース操作部121が新たに取得した広告識別子に対応する広告映像を広告表示装置2に配信する(S30)。
【0059】
図6において、第2装置4は、移動体Mの利用を終了するために顧客Uが所有するICのIC識別子を読み出す(S32)。第2装置4は、読み出したIC識別子と、第2装置4を特定するための第2装置識別子とを広告管理装置1に送信する(S34)。
【0060】
図示はしないが、広告表示装置2は、広告表示装置2の表示部23側に人感センサを備えている。広告表示装置2の広告提示部251は、あらかじめ定められた所定の時間(例えば、30秒間)表示部23側に人物を検知しないことを条件として、広告動画を表示部23に表示させることを停止する(S36)。その後、図4中のXに戻って広告提示部251は広告映像を表示部23に表示させることを継続する。
【0061】
広告管理装置1の広告配信部122は、第2装置4からIC識別子と第2装置識別子とを受信することを契機として、広告表示装置2に配信している広告動画の配信を停止する(S38)。割引額算出部123は、IC識別子に対応する顧客Uに広告映像を配信した時間と、顧客Uによる移動体Mの利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を算出する(S40)。割引額算出部123は、算出した割引額を第2装置4に送信する(S42)。
【0062】
第2装置4は、広告管理装置1から割引額を取得する(S44)。第2装置4は、顧客Uに請求すべき運賃から取得した割引額を減算して得られる料金を顧客Uの電子マネーの残高から引き落とす決済処理を実行する(S46)。これにより、広告配信システムSは、顧客Uが広告動画を視聴した時間に応じて、顧客Uに請求すべき運賃から減額することができる。
【0063】
<実施の形態に係る広告管理装置1が奏する効果>
以上説明したように、実施の形態に係る広告管理装置1によれば、旅客運送用の移動体Mの中の広告効果を高め得ることができる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果をあわせ持つ。
【0065】
<第1の変形例>
上記では、広告表示装置2が移動体Mの中にあらかじめ設置されていることを前提に説明した。しかしながら、広告表示装置2は移動体Mの中にあらかじめ設置されていることは必須ではない。これに替えて、あるいはこれに加えて、顧客Uが所有しているスマートフォン等の携帯端末が広告表示装置2として機能してもよい。この場合、IC及びIC識別子情報はあらかじめスマートフォンに内蔵されていてもよい。
【0066】
<第2の変形例>
上記では、第1装置3及び第2装置4が、それぞれ顧客Uが所有するICからIC識別子を読み取る場合について説明した。これに替えて、第1装置3及び第2装置4は、顧客Uに割り当てられた識別子(例えば、顧客毎に一意に割り当てられた識別子を表すQR(Quick Response)コード(登録商標)やバーコード等のコード)を読み出すようにしてもよい。すなわち、上述した実施の形態に係る広告配信システムSにおいては、第1装置3及び第2装置4がICからIC識別子を読み出すことにより、そのICを所有する顧客を特定したのに対し、第2の変形例に係る広告配信システムSにおいては、顧客自体に割り当てられた識別子である顧客識別子を第1装置3及び第2装置4が読み出す点で異なる。
【0067】
一方、第2の変形例に係る広告配信システムにおいても、ひとたび顧客を特定した後にその顧客に広告を配信する手順は実施の形態に係る広告配信システムSと同様である。以下、第2の変形例に係る広告配信システムSを説明するが、上述した実施の形態に係る広告配信システムSと重複する説明については適宜省略又は簡略化して説明する。
【0068】
以下、顧客識別子がQRコードで表現されていることを例に説明するが、顧客識別子はQRコードに限られず、顧客を一意に特定できる情報であればバーコードや他の記号であってもよい。
【0069】
顧客Uは、あらかじめ広告配信システムSの管理者から顧客識別子を割り当てられており、顧客識別子を印刷した印刷物、又は電子的な情報の形で所持している。顧客Uが顧客識別子を電子的な情報の形で所持している場合、顧客Uは、例えば自身のスマートフォンの画面で顧客識別子を表示することができる。
【0070】
図7は、第2の変形例に係る広告管理装置1と広告表示装置2とのそれぞれの機能構成を模式的に示す図である。第2の変形例に係る広告表示装置2は、実施の形態に係る広告表示装置2と比較すると、ICリーダ24に替えて識別子リーダ26を備える点で異なる。第2の変形例に係る第1装置3、第2装置4、及び広告表示装置2の識別子リーダ26は、それぞれQRコードを読み込むための既知の撮像装置及び処理機能を備えている。
【0071】
広告管理装置1の識別子取得部120は、移動体の利用を開始するために移動体の顧客Uに対応づけられた識別子である顧客識別子を読み出す第1装置3から、顧客識別子と第1装置3を特定するための第1装置識別子とを取得する。
【0072】
広告表示装置2の識別子取得部250は、顧客識別子を取得する。具体的には、広告表示装置2が移動体Mの中に備え付けられている場合、識別子取得部250は、広告表示装置2が備える識別子リーダ26が読み出した顧客識別子を取得する。識別子取得部250は、識別子リーダ26が読み取った顧客識別子を広告管理装置1に送信する。
【0073】
第2の変形例に係る広告データベースDは、複数の異なる顧客識別子それぞれと、各顧客識別子に関連付けて広告表示装置2に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶するデータベースである。広告管理装置1のデータベース操作部121は、広告データベースDを参照して、広告表示装置2から取得した顧客識別子に関連付けられた広告識別子を取得する。続いて、データベース操作部121は、広告識別子に対応する広告映像を広告データベースDから読み出す。
【0074】
広告配信部122は、取得した広告識別子に対応する広告映像を広告表示装置2に配信する。広告表示装置2の広告提示部251は、広告管理装置1から受信した広告映像を顧客Uに提示する。具体的には、広告提示部251は、広告管理装置1から受信した広告映像を表示部23に表示させることによって顧客Uに提示する。
【0075】
広告管理装置1の識別子取得部120は、第2装置4から、第2装置4が読み出した顧客識別子と第2装置4を特定するための第2装置識別子とを取得する。割引額算出部123は、IC識別子に対応する顧客Uに広告映像を配信した時間と、顧客Uによる移動体の利用時間との総和の長短によって定まる運賃の割引額を算出する。割引額算出部123は、算出した割引額を第2装置に送信する。
【0076】
このように、第2の変形例に係る広告管理装置1も、実施の形態に係る広告管理装置1と同様に、移動体Mを利用中の顧客Uに広告動画を見ようとするインセンティブを与えることができる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・広告管理装置
10・・・記憶部
11・・・通信部
12・・・制御部
120・・・識別子取得部
121・・・データベース操作部
122・・・広告配信部
123・・・割引額算出部
124・・・開始情報取得部
2・・・広告表示装置
20・・・記憶部
21・・・通信部
22・・・インタフェース
23・・・表示部
24・・・ICリーダ
25・・・制御部
26・・・識別子リーダ
250・・・識別子取得部
251・・・広告提示部
252・・・スキップ情報取得部
3・・・第1装置
4・・・第2装置
D・・・広告データベース
N・・・ネットワーク
S・・・広告配信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客運送用の移動体で移動中に広告を表示するための広告表示装置と、前記広告表示装置に表示させる広告映像を管理する広告管理装置と、を含む広告配信システムにおいて実行される運賃管理方法であって、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を開始するために前記移動体の顧客が所有するIC(Integrated Circuit)の情報を読み出す第1装置から、前記ICを特定するためのIC識別子と前記第1装置を特定するための第1装置識別子とを取得するステップを実行し、
前記広告表示装置が、
前記IC識別子を取得するステップと、
取得した前記IC識別子を前記広告管理装置に送信するステップと、を実行し、
前記広告管理装置が、
前記広告表示装置から前記IC識別子を取得するステップと、
複数のIC識別子それぞれと各IC識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースを参照して、前記広告表示装置から取得したIC識別子に関連付けられた広告識別子を取得するステップと、
取得した前記広告識別子に対応する広告映像を前記広告表示装置に配信するステップと、を実行し、
前記広告表示装置が、
前記広告管理装置から受信した前記広告映像を前記顧客に提示するステップを実行し、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を終了するために前記顧客が所有する前記ICの情報を読み出す第2装置から、前記IC識別子と前記第2装置を特定するための第2装置識別子とを取得するステップと、
前記IC識別子に対応する顧客に前記広告映像を配信した時間が長いほど運賃の割引額を大きく定め、かつ前記顧客による前記移動体の利用時間が長いほど前記割引額を大きく定めた前記割引額を前記第2装置に送信するステップと、を実行する、
運賃管理方法。
【請求項2】
前記広告管理装置が、
前記第1装置から前記ICを読み出した日時及び位置それぞれを示す情報を取得するステップと、
前記IC識別子、前記日時及び位置それぞれを示す情報、及び前記広告識別子を関連付けて前記広告データベースに登録するステップと、をさらに実行する、
請求項1に記載の運賃管理方法。
【請求項3】
前記広告表示装置が、
前記顧客から前記広告映像をスキップすることを指示するスキップ指示情報を取得するステップと、
前記スキップ指示情報と前記IC識別子とを関連付けて前記広告管理装置に送信するステップと、をさらに実行し、
前記広告管理装置が、
前記IC識別子と、前記顧客にスキップを指示された前記広告映像の前記広告識別子とを対応づけて前記広告データベースに登録するステップとをさらに実行する、
請求項1又は2に記載の運賃管理方法。
【請求項4】
前記広告管理装置が、
前記広告表示装置から前記スキップ指示情報を取得した場合、新たな広告映像を前記スキップ指示情報を送信した前記広告表示装置に配信するステップをさらに実行する、
請求項3に記載の運賃管理方法。
【請求項5】
前記広告管理装置が、
前記スキップ指示情報に関連付けられて登録された前記広告識別子を、前記広告データベースにおいて前記IC識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子から除外するステップをさらに実行する、
請求項3又は4に記載の運賃管理方法。
【請求項6】
前記運賃管理方法が実行される前記広告配信システムにおいて、前記広告表示装置は、前記移動体に設置された複数の座席それぞれに対応づけられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の運賃管理方法。
【請求項7】
前記運賃管理方法が実行される前記広告配信システムにおいて、前記広告表示装置は、
前記ICの情報を読み取るためのICリーダと、
前記顧客から広告映像をスキップすることの指示を受け付けるためのインタフェースと、を備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の運賃管理方法。
【請求項8】
前記広告表示装置が、前記広告表示装置が備える人感センサがあらかじめ定められた所定の時間人物を検知しないことを条件として、前記広告映像の提示を停止させるステップをさらに実行する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の運賃管理方法。
【請求項9】
旅客運送用の移動体で移動中に広告を表示するための広告表示装置と、前記広告表示装置に表示させる広告映像を管理する広告管理装置と、を含む広告配信システムにおいて実行される運賃管理方法であって、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を開始するために前記移動体の顧客に対応づけられた識別子である顧客識別子を読み出す第1装置から、前記顧客識別子と前記第1装置を特定するための第1装置識別子とを取得するステップを実行し、
前記広告表示装置が、
前記顧客識別子を取得するステップと、
取得した前記顧客識別子を前記広告管理装置に送信するステップと、を実行し、
前記広告管理装置が、
前記広告表示装置から前記顧客識別子を取得するステップと、
複数の顧客識別子それぞれと各顧客識別子に関連付けて前記広告表示装置に表示させる広告映像を特定するための広告識別子とを記憶する広告データベースを参照して、前記広告表示装置から取得した顧客識別子に関連付けられた広告識別子を取得するステップと、
取得した前記広告識別子に対応する広告映像を前記広告表示装置に配信するステップと、を実行し、
前記広告表示装置が、
前記広告管理装置から受信した前記広告映像を前記顧客に提示するステップを実行し、
前記広告管理装置が、
前記移動体の利用を終了するために前記顧客識別子を読み出す第2装置から、前記顧客識別子と前記第2装置を特定するための第2装置識別子とを取得するステップと、
前記顧客識別子に対応する顧客に前記広告映像を配信した時間が長いほど運賃の割引額を大きく定め、かつ前記顧客による前記移動体の利用時間が長いほど前記割引額を大きく定めた前記割引額を前記第2装置に送信するステップと、を実行する、
運賃管理方法。