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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012803
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】低燃焼性燃料燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/24 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
F23D14/24 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114892
(22)【出願日】2020-07-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】河本 祐作
(72)【発明者】
【氏名】田口 脩平
(72)【発明者】
【氏名】友澤 健一
(72)【発明者】
【氏名】服部 成真
【テーマコード(参考)】
3K019
【Fターム(参考)】
3K019AA02
3K019AA06
3K019BA02
3K019BD09
(57)【要約】
【課題】 低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて安定して燃焼できるようにすると共に、燃焼時にNOxが発生するを抑制する。
【解決手段】 燃焼用空気Airを導く空気案内管10の中央部に、低燃焼性燃料Gを供給する燃料供給管20を設け、この燃料供給管の先端部の外周に低燃焼燃料を外周側に噴出させる放射状噴出口21を設けると共に、この放射噴出口よりも燃料供給管の下流側の外周に一次燃焼管30を設け、燃料供給管の先端部の外周と一次燃焼管の内周との間に旋回用内羽根31を設け、さらに一次燃焼管の下流側の先端部の外周と前記の空気案内管の内周との間に旋回用外羽根32を設けた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼用空気を導く空気案内管の中央部に、低燃焼性燃料を供給する燃料供給管を設け、この燃料供給管の先端部の外周に前記の低燃焼燃料を外周側に噴出させる放射状噴出口を設け、この放射噴出口よりも燃料供給管の下流側の外周に一次燃焼管を設け、燃料供給管の先端部の外周と一次燃焼管の内周との間に旋回用内羽根を設け、さらに一次燃焼管の下流側の先端部の外周と前記の空気案内管の内周との間に旋回用外羽根を設けたことを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の低燃焼性燃料がアンモニアであることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の燃料供給管の先端部の放射状噴出口から噴出されて空気案内管を流れる燃焼用空気と一緒に一次燃焼管に導かれた低燃焼性燃料を、前記の旋回用内羽根により旋回させて燃焼用空気と混合させながら一次燃焼管内で一次燃焼させて、一次燃焼管内から下流側の空気案内管内に導くと共に、前記の放射状噴出口から噴出されて空気案内管を流れる燃焼用空気と一緒に一次燃焼管の外周側に導かれた低燃焼性燃料を、前記の旋回用外羽根により旋回させて燃焼用空気と混合させながら、一次燃焼管の下流側の空気案内管内に導いて二次燃焼させることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の一次燃焼管内を流れる燃焼用空気の量と、一次燃焼管の外周と前記の空気案内管の内周との間を流れる燃焼用空気の量との比が、50:50~20:80の範囲であることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の燃料供給管の先端部の外周に前記の低燃焼燃料を外周側に噴出させる放射状噴出口を2列以上設けたことを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給管を通して供給される低燃焼性燃料を、空気案内管を通して導かれた燃焼用空気と混合させて燃焼させる低燃焼性燃料燃焼装置に関するものである。特に、低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて安定して燃焼できるようにすると共に、燃焼時におけるNOxの発生を抑制するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる燃焼装置においては、一般に、燃料として、炭化水素系燃料が使用されている。
【0003】
しかし、このように燃焼装置において炭化水素系燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させた場合、二酸化炭素などの温室効果ガスが多く発生するという問題があった。
【0004】
そして、近年においては、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減することが要望され、燃料に炭化水素系燃料以外のものを用いることが検討されている。
【0005】
また、従来から、燃焼装置における燃料として、低燃焼性燃料のアンモニアを用いることが知られている。しかし、アンモニアは炭化水素系燃料に比べて燃焼性が悪くて、燃焼時に失火しやすく、また燃焼時にNOxが発生しやすくなるという問題があった。
【0006】
そして、従来においては、燃焼性が悪い低燃焼性燃料のアンモニアを燃焼させるにあたって、特許文献1に示されるように、燃料にアンモニアを噴出させるバーナーチップの下流側にディフューザーを配置し、アンモニアを自然吸引された燃焼用空気と一緒にディフューザーの周辺を迂回させて混合させ、このように混合されたアンモニアと燃焼用空気とを、渦流状態にしてディフューザーの上側に滞留させて燃焼させ、アンモニアの燃焼性を高めるようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、特許文献1のように燃焼用空気を自然吸引させる場合、多くのアンモニアを燃焼させる大型の燃焼装置に用いることは困難であり、また前記のようにアンモニアと燃焼用空気とを渦流状態にしてディフューザーの上側に滞留させて、アンモニアを一気に燃焼させるようにした場合、燃焼時における火炎温度が高くなって、NOxの発生が多くなるという問題もあった。
【0008】
また、特許文献2においては、低燃焼性燃料のアンモニアと燃焼用空気とを予混合させて均一化させた後、このように予混合させたガスを、スワラにより旋回させて強く攪拌しながら燃焼させて、アンモニアの燃焼性を高めるようにしたものが提案されている。
【0009】
しかし、特許文献2のように、アンモニアと燃焼用空気とを予混合させたガスを、スワラにより旋回させて強く攪拌しながら燃焼させるようにした場合、特許文献1の場合と同様に、アンモニアが一気に燃焼されて火炎温度が高くなり、NOxの発生が多くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実公昭50-8257号公報
【特許文献2】特開2016-130619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、アンモニアのような低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる場合における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
すなわち、本発明は、前記のようにアンモニアのような低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させるあたり、低燃焼性燃料を燃焼用空気と適切に混合させて、低燃焼性燃料を安定して燃焼できるようにすると共に、低燃焼性燃料が一気に燃焼されて火炎温度が高くなり、燃焼時におけるNOxの発生を抑制することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のような課題を解決するため、燃焼用空気を導く空気案内管の中央部に、低燃焼性燃料を供給する燃料供給管を設け、この燃料供給管の先端部の外周に前記の低燃焼性燃料を外周側に噴出させる放射状噴出口を設け、この放射状噴出口よりも燃料供給管の下流側の外周に一次燃焼管を設け、燃料供給管の先端部の外周と一次燃焼管の内周との間に旋回用内羽根を設け、さらに一次燃焼管の下流側の先端部の外周と前記の空気案内管の内周との間に旋回用外羽根を設けた。
【0014】
ここで、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の低燃焼性燃料にアンモニアを用いるようにしている。
【0015】
そして、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の燃料供給管の先端部の放射状噴出口から噴出されて空気案内管を流れる燃焼用空気と一緒に一次燃焼管に導かれた低燃焼性燃料を、前記の旋回用内羽根により旋回させて燃焼用空気と混合させながら一次燃焼管内で一次燃焼させて、一次燃焼管内から下流側の空気案内管内に導くと共に、前記の放射状噴出口から噴出されて空気案内管を流れる燃焼用空気と一緒に一次燃焼管の外周側に導かれた低燃焼性燃料を、前記の旋回用外羽根により旋回させて燃焼用空気と混合させながら、一次燃焼管の下流側の空気案内管内に導いて二次燃焼させるようにしている。
【0016】
ここで、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の一次燃焼管内を流れる燃焼用空気の量と、一次燃焼管の外周と前記の空気案内管の内周との間を流れる燃焼用空気の量との比を、50:50~20:80の範囲にすることが好ましい。このようにすると、燃料供給管の先端部の放射状噴出口から噴出された低燃焼性燃料と一緒に一次燃焼管に導かれて燃焼される燃焼用空気の量が多くなって、一次燃焼管内に導かれた低燃焼性燃料が一次燃焼管内で完全燃焼するということがなく、火炎温度か急激に上昇するのが防止されて、NOxが発生するのが抑制されるようになる。そして、一次燃焼管内で燃焼されずに残った低燃焼性燃料が、燃焼排ガスと一緒に一次燃焼管を通してその下流側の空気案内管内に導かれると共に、この一次燃焼管の外周と空気案内管との間に導かれた燃焼用空気と残りの低燃焼性燃料とが前記の旋回用外羽根により混合されて一次燃焼管の下流側の空気案内管に導かれ、これらの低燃焼性燃料が一緒になって二次燃焼されるようになる。
【0017】
また、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の燃料供給管の先端部の外周に前記の低燃焼性燃料を外周側に噴出させる放射状噴出口を2列以上設けることが好ましい。このようにすると、前記の前記の燃料供給管を通して放射状噴出口から噴出される低燃焼性燃料を、一次燃焼管に導かれる低燃焼性燃料と、一次燃焼管の外周と空気案内管の内周との間に導かれる低燃焼性燃料とに分けることが簡単に行えるようになり、放射状噴出口の穴の大きさや位置でそれぞれの量を調整できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明における低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のように前記の燃料供給管の先端部の放射状噴出口から噴出されて空気案内管を流れる燃焼用空気と一緒に一次燃焼管に導かれた低燃焼性燃料を、前記の旋回用内羽根により旋回させて燃焼用空気と混合させながら一次燃焼管内で一次燃焼させて、一次燃焼管内から下流側の空気案内管内に導くと共に、前記の放射状噴出口から噴出されて空気案内管を流れる燃焼用空気と一緒に一次燃焼管の外周側に導かれた低燃焼性燃料を、前記の旋回用外羽根により旋回させて燃焼用空気と混合させながら、一次燃焼管の下流側の空気案内管内に導いて二次燃焼させるようにしたため、燃焼用空気と低燃焼性燃料とを一緒にして旋回させることにより、燃焼しにくい低燃焼性燃料を燃焼用空気とよく攪拌混合させて燃焼させやすくでき、さらに低燃焼性燃料が燃焼用空気と二段階で混合されて、二段階で燃焼されるようになって、低燃焼性燃料が安定して燃焼されるようになると共に、低燃焼性燃料を一度に燃焼用空気と強く混合させて燃焼させる場合のように火炎温度が高くなるということが防止され、燃焼時にNOxが発生するのも抑制されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置の構造を示した概略断面説明図である。
図2】同実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置において、空気案内管の下流側から見た概略断面図である。
図3】同実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置において、一次燃焼管内に導かれる燃焼用空気の量と、一次燃焼管の外周と空気案内管の内周との間に導かれる燃焼用空気の量との比を変更させて、アンモニアガスを燃焼させた場合に、NOxの発生量が変化する状態を示した概略説明図である。
図4】同実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置の変更例において、燃料供給管の先端部に複数の放射状噴出口を設けるにあたり、燃料供給管の先端部の外周において、複数の放射状噴出口を異なる位置に2列設けた状態を示した概略断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態における低燃焼性燃料燃焼装置においては、図1及び図2に示すように、燃焼用空気Airを導く空気案内管10の中央部に、低燃焼性燃料のアンモニアガスGを供給する燃料供給管20を設け、この燃料供給管20の先端部の外周に、前記のアンモニアガスGを外周側に噴出させる複数の放射状噴出口21を設けて、各放射状噴出口21からアンモニアガスGを燃料供給管20の外周側における空気案内管10内に向けて噴出させるようにしている。
【0022】
また、前記の放射状噴出口21よりも燃料供給管20の下流側の外周に、一次燃焼管30を燃料供給管20から下流側に延出するように設け、この一次燃焼管30の内周と燃料供給管20の外周との間に旋回用内羽根31を設けると共に、この一次燃焼管30の下流側の先端部の外周と前記の空気案内管10の内周との間に旋回用外羽根32を設けている。
【0023】
そして、この実施形態における低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の燃料供給管20の先端部に設けた各放射状噴出口21からアンモニアガスGを噴出させるようにし、空気案内管10内を流れる燃焼用空気Airと一緒になって前記の一次燃焼管30内に導かれたアンモニアガスGを、前記の旋回用内羽根31によって一次燃焼管30内で旋回させるようにして前記の燃焼用空気Airと混合させて燃料供給管20の先端に導き、このように一次燃焼管30内で燃焼用空気Airと混合されたアンモニアガスGをスパークプラグ(図示せず)により着火させて、前記のアンモニアガスGを、一次燃焼管30内からその下流側の空気案内管10内に向けて一次燃焼させるようにしている。
【0024】
また、前記のように燃料供給管20の先端部に設けた各放射状噴出口21から噴出させたアンモニアガスGにおいて、前記の一次燃焼管30内に導かれずに、前記の空気案内管10内を流れる燃焼用空気Airと一緒になって一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれたアンモニアガスGを、前記の旋回用外羽根32によって旋回させるようにして前記の燃焼用空気Airと混合させて前記の一次燃焼管30の下流側に空気案内管10内に導き、このように導かれた燃焼用空気Airと混合されたアンモニアガスGとを、一次燃焼管30の下流側における空気案内管10内において二次燃焼させるようにしている。
【0025】
このように、燃料供給管20の先端部に設けた各放射状噴出口21からアンモニアガスGを噴出させ、空気案内管10内を流れる燃焼用空気Airと一緒になって一次燃焼管30内に導かれたアンモニアガスGを、旋回用内羽根31により一次燃焼管30内で旋回させるようにして燃焼用空気Airと混合させて、一次燃焼管30内からその下流側における空気案内管10内に向けて一次燃焼させると共に、一次燃焼管30内に導かれずに、空気案内管10内を流れる燃焼用空気Airと一緒になって一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれたアンモニアガスGを、旋回用外羽根32によって旋回させるようにして前記の燃焼用空気Airと混合させて、前記の一次燃焼管30の下流側における空気案内管10内において二次燃焼させるようにすると、アンモニアガスGが前記の燃焼用空気Airと二段階で十分に混合されて二段階で安定して燃焼されるようになり、燃焼時に失火するということがなくなると共に、燃料供給管20から供給されるアンモニアガスGを燃焼用空気Airと一度に混合されて燃焼される場合のように火炎温度が高くなるのが防止されて、燃焼時にNOxが発生するのが抑制されるようになる。
【0026】
また、前記のように空気案内管10内を流れる燃焼用空気Airと一緒になって一次燃焼管30内に導かれたアンモニアガスGを、一次燃焼管30内で燃焼用空気Airと混合させて一次燃焼させるにあたり、一次燃焼管30内に導かれる燃焼用空気Airの量が少なすぎると、低燃焼性燃料であるアンモニアガスGを一次燃焼管30内で安定して燃焼させることが困難になって失火するおそれが生じる一方、一次燃焼管30内に導かれる燃焼用空気Airの量が多くなりすぎると、一次燃焼管30内で多くの燃焼用空気AirとアンモニアガスGが強く混合させて一次燃焼され、一次燃焼時における火炎温度が高くなって、多くのNOxが発生するようになる。
【0027】
このことを実験して確かめたところ、一次燃焼管30内に導かれる一次燃焼用の燃焼用空気Airの量と、一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれる二次燃焼用の燃焼用空気Airの量との比を、図3に示すように、50:50~20:80の範囲にすることが好ましいことが分かった。このようにすると、アンモニアガスGを一次燃焼管30内で安定して燃焼させることができると共に、一次燃焼管30内に導かれたアンモニアガスGが一次燃焼管30内で完全燃焼されて火炎温度か急激に上昇するということがなく、NOxが発生するのが約300ppm以下に抑制されるようになる。
【0028】
また、このように一次燃焼管30内に導かれる燃焼用空気Airの量を少なくして、一次燃焼管30内に導かれたアンモニアガスGを一次燃焼させると、一次燃焼管30内で燃焼されずに残ったアンモニアガスGが、燃焼排ガスと一緒に一次燃焼管30を通してその下流側の空気案内管10内に導かれると共に、一次燃焼管30の外周と空気案内管10との間に導かれた燃焼用空気AirとアンモニアガスGとが、前記の旋回用外羽根32により混合されて一次燃焼管30の下流側の空気案内管10に導かれ、これらが前記の燃焼排ガスと一緒になって導かれたアンモニアガスGと混合されて、この空気案内管10内で二次燃焼されるようになる。このため、二次燃焼時においても、アンモニアガスGが急激に燃焼されて火炎温度か急激に上昇するということがなく、NOxが発生するのが抑制されるようになる。
【0029】
ここで、この実施形態における低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の燃料供給管20の先端部の外周に、周方向に沿ってアンモニアガスGを噴出させる複数の放射状噴出口21を1列設けただけであるが、各放射状噴出口21からアンモニアガスGを空気案内管10内に噴出させて、一次燃焼管30内に導かれるアンモニアガスGの量と、一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれるアンモニアガスGの量とを調整するため、例えば、図4に示すように、燃料供給管20の先端部の異なる位置の外周に、周方向に沿ってアンモニアガスGを噴出させる複数の放射状噴出口21を2列設けるようにすることができる。
【0030】
このようにした場合、燃料供給管20の上流側に設けた放射状噴出口21からはアンモニアガスGを噴出させる勢いが強くなって、アンモニアガスGが遠くへ飛んで、一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれるアンモニアガスGの量を多くできるようになる。
【0031】
また、図示していないが、燃料供給管20の先端部の外周に、複数の放射状噴出口21を周方向に沿って設けるにあたり、燃料供給管20の先端部の外周に設ける各放射状噴出口21の大きさを異ならせるようにすることもできる。
【0032】
このようにした場合、大きな径の放射状噴出口21からは、アンモニアガスGを噴出させる勢いが強くなって、アンモニアガスGが遠くへ飛んで、一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれるアンモニアガスGの量を多くできるようになる。
【0033】
これらに示すように、放射状噴出口21の位置や大きさや、放射状噴出口21の列の数を変更させることで、一次燃焼管30内に導かれるアンモニアガスGと、一次燃焼管30の外周と空気案内管10の内周との間に導かれるアンモニアガスGとの割合を調整できるようになる。
【0034】
また、図に示す実施形態においては、燃焼装置として、開放型のバーナーの例を示したが、ラジアントチューブ式のバーナーにも利用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
10 :空気案内管
20 :燃料供給管
21 :放射状噴出口
30 :一次燃焼管
31 :旋回用内羽根
32 :旋回用外羽根
Air :燃焼用空気
G :アンモニアガス(低燃焼性燃料)
図1
図2
図3
図4