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特開2022-128043チューブ容器及びチューブ容器の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128043
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】チューブ容器及びチューブ容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/14 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
B65D35/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026353
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢島 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】坂本 果穂
(72)【発明者】
【氏名】浦川 直也
【テーマコード(参考)】
3E065
【Fターム(参考)】
3E065AA02
3E065BA01
3E065BA02
3E065BA05
3E065BA11
3E065BA14
3E065BA16
3E065BA18
3E065BA34
3E065BB03
3E065CA01
3E065CA02
3E065DA04
3E065DA11
3E065DB05
3E065DC02
3E065DD05
3E065EA04
3E065FA05
3E065FA06
3E065FA11
(57)【要約】
【課題】ハンドリング性に優れ、テープ材端部からの接着剤の溶出、及びテープ材の層間剥離を抑制することができる、チューブ容器を提供する。
【解決手段】対向する一対の端縁を有するシートを筒状とし、シートの内面における一対の端縁のそれぞれに沿う部分にテープ材が貼り合わされた胴部と、胴部の一方端に取り付けられた注出口部とを備え、テープ材は、帯状の基材を有し、基材の両面及び端面が樹脂により被覆されている、チューブ容器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の端縁を有するシートを筒状とし、前記シートの内面における前記一対の端縁のそれぞれに沿う部分にテープ材が貼り合わされた胴部と、
前記胴部の一方端に取り付けられた注出口部とを備え、
前記テープ材は、帯状の基材を有し、
前記基材の両面及び端面が樹脂により被覆されている、チューブ容器。
【請求項2】
前記テープ材の前記基材は、バリア性を有する層である、請求項1のチューブ容器。
【請求項3】
対向する一対の端縁を有するシートを筒状とし、前記シートの内面における前記一対の端縁のそれぞれに沿う部分にテープ材が貼り合わされた胴部と、前記胴部の一方端に取り付けられた注出口部とを備えるチューブ容器の製造方法であって、
前記テープ材は、
バリア性を有する帯状の基材と、
前記基材の前記胴部側に積層される第1の樹脂と、
前記基材の前記胴部の反対側に積層される第2の樹脂と、を備え、
前記第1の樹脂層は10μm以上70μm以下であり、
前記第2の樹脂層は10μm以上70μm以下であり、
前記テープ材よりも幅が広いシールバーによって、前記テープ材と前記胴部とをヒートシールする、チューブ容器の製造方法。
【請求項4】
対向する一対の端縁を有するシートを筒状とし、前記シートの内面における前記一対の端縁のそれぞれに沿う部分にテープ材が貼り合わされた胴部と、前記胴部の一方端に取り付けられた注出口部とを備えるチューブ容器の製造方法であって、
前記テープ材は、
バリア性を有する帯状の基材と、
前記基材の前記胴部側に積層される第1の樹脂と、
前記基材の前記胴部の反対側に積層される第2の樹脂と、を備え、
前記第1の樹脂層は10μm以上70μm以下であり、
前記第2の樹脂層は10μm以上70μm以下であり、
前記テープ材の端面は、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂と同一の樹脂で被覆されており、
シールバーによって、前記テープ材と前記胴部とをヒートシールする、チューブ容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ容器及びチューブ容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品や化粧品、食品等の包装材として、樹脂を主体とした材料からなるチューブ容器が広く用いられている。例えば、特許文献1には、内容物を抽出する注出ユニットと、注出ユニットに溶着され、内容物を収容する胴部とから構成されるチューブ容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-199280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブ容器の胴部は、胴部を構成するシートを筒状にして両端を貼り合わせることで形成される。シートを貼り合わせる方法としては、シートの内面どうしを貼り合わせて溶着する合掌貼り、シートの両端を突き合わせた突付け部をテープ材でシールする突付けテープ貼り、シートの内面と外面とを重ね合わせてテープ材でシールする封筒テープ貼り等がある。しかし、合掌貼りは、貼り合わせ部が胴部から突出するため、使用時に貼り合わせ部が手に当たり、ハンドリング性が悪くなるという問題がある。
【0005】
テープ材でシールする突付けテープ貼りや封筒テープ貼りは、合掌貼りと比べて胴部からの貼り合わせ部の突出が少なく、ハンドリング性を考慮すると好ましい。胴部を貼り合わせるためのテープ材には、胴部と溶着可能な樹脂層に加えて、貼り合わせ部のバリア性を確保するためにバリア層が設けられる。このようにテープ材を多層構造にした場合、テープ材の端部から層間に設けられる接着剤が露出してしまい、接着剤が内容物側に溶出する恐れがある。また、テープ材の各層間の界面が露出しているため、胴部を構成するテープ材の層間剥離が生じる恐れがある。
【0006】
それ故に、本発明は、ハンドリング性に優れ、テープ材端部からの接着剤の溶出、及びテープ材の層間剥離を抑制することができる、チューブ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るチューブ容器は、対向する一対の端縁を有するシートを筒状とし、シートの内面における一対の端縁のそれぞれに沿う部分にテープ材が貼り合わされた胴部と、胴部の一方端に取り付けられた注出口部とを備え、テープ材は、帯状の基材を有し、基材の両面及び端面が樹脂により被覆されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハンドリング性に優れ、テープ材端部からの接着剤の溶出、及びテープ材の層間剥離を抑制することができる、チューブ容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るチューブ容器の概略構成を示す正面図
図2図1に示したII-IIラインに沿う端面図
図3】チューブ容器の胴部を構成するシートの一例を示す断面図
図4】テープ材を胴部に貼付する前の状態を説明する図
図5】テープ材を胴部に貼付する前の状態を説明する図
図6】テープ材を胴部に貼付した後の状態を説明する図
図7図1に示した注出口部の斜視図
図8図7に示したVIII-VIIIラインに沿う断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施形態に係るチューブ容器の概略構成を示す正面図であり、図2は、図1に示したII-IIラインに沿う端面図であり、図3は、チューブ容器の胴部を構成するシートの一例を示す断面図である。
【0011】
チューブ容器100は、チューブ状の胴部1と、胴部1に取り付けられた注出口部2とを備える。
【0012】
胴部1は、内容物を収容するための部材であり、略平行な対向する一対の端縁を有するシート41を筒状として形成される。シート41の両端を貼り合わせる方法としては図2(a)に示すような、シート41の両端を突き合わせた突付け部をシート41の内面からテープ材20でシールする突付けテープ貼りや、図2(b)に示すような、シート41の内面と外面とをシート41の内面からテープ材20で貼り合わせる封筒テープ貼りが用いられる。胴部1の一方の端部5a(図1における下端)はシールされて閉塞されている。一方、胴部1の他方の端部5b(図1における上端)の近傍部分は、折り畳まれた状態で、後述するフランジ部4の外面8にシールされている。胴部1とフランジ部4との溶着部には、胴部1を構成するシート41が折り畳まれてなるプリーツ12が複数形成される。また、胴部1には、貼り合わせ部7(背貼り部)が形成される。図1における上下方向の胴部1の長さは、例えば、50~250mmとすることができる。
【0013】
チューブ容器100の胴部1を構成するシート41は、図3に示すように、紙層32の一方面側に、基材フィルム層33、バリア層34及びシーラント層35をこの順に積層し、紙層32の他方面側に紙保護層37を積層した多層シートである。
【0014】
(紙層)
紙層32は、チューブ容器100に強度及びコシを付与する構造層である。紙層32を構成する用紙の種類は特に限定されないが、強度、屈曲耐性、印刷適性を備える点で、片艶クラフト紙または両艶クラフト紙を用いることが好ましい。また、紙層32を構成する用紙として、必要に応じて、耐水紙、耐油紙、またはカップ原紙等を使用しても良い。
【0015】
紙層32に用いる紙の坪量は、50~200g/mであり、70~150g/mであることが好ましい。紙層32に用いる紙の坪量が50g/m未満である場合、胴部1のコシが不足する。コシを補うためには、例えば、紙層32より内側に設ける樹脂フィルムを厚くする必要があるが、樹脂比率の上昇に繋がり、環境負荷低減の面で望ましくない。また、紙層32に用いる紙の坪量が200g/mを超える場合、紙のコシや断熱性により、製筒性(製袋性)、成型性及び溶着性が悪化する上、製造コストも増加するため好ましくない。また、紙層32に含まれるセルロース繊維の質量は、紙層32の全質量の50%以上である。
【0016】
(基材フィルム層)
基材フィルム層33は、シート41に耐熱性と強靱性等の物理的強度とを付与する層である。基材フィルム層33は、バリア層34の基材となる層でもある。基材フィルム層33を構成するフィルムの材質は特に限定されないが、耐熱性及び物理的強度の観点から、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の延伸フィルムを用いることが好ましい。具体的には、例えば、GL-RD(凸版印刷株式会社製)を用いることができる。また、基材フィルム層33の代わりに紙層を設けても良い。
【0017】
(バリア層)
バリア層34は、酸素や水蒸気等を遮断して、内容物の保存性を向上させる機能層である。バリア層34は、例えば、シリカやアルミナ等の無機化合物の蒸着膜、アルミニウム等の金属蒸着膜、アルミニウム等の金属箔、板状鉱物及び/またはバリア性樹脂を含むバリアコート剤の塗膜の1種以上により構成することができる。バリアコート剤に用いるバリア性樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)等を使用することができ、バリアコート剤にはバリア性樹脂以外のバインダー樹脂が適宜配合される。バリア層34は、予め基材フィルム層33などの基材上に積層されてバリアフィルムを構成していても良いし、単層膜として設けられても良い。具体的には、例えば、ONBC(ユニチカ株式会社製)を用いることができる。
【0018】
(シーラント層)
シーラント層35は、貼り合わせ部7におけるテープ材20と胴部1との溶着および注出口部2と胴部1との溶着のために設けられる層である。シーラント層35の材質は特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂であることが好ましい。シーラント層35は、軟化温度が基材フィルム層33の軟化温度より20℃以上低い樹脂を用いる。シーラント層35の軟化温度が、基材フィルム層33の軟化温度より20℃以上低くない場合、シール時に基材フィルム層33が軟化してピンホールが発生する可能性が高くなるため好ましくない。シーラント層35の軟化温度は、基材フィルム層33の軟化温度より40℃以上低いことが好ましい。
【0019】
シーラント層35に用いる熱可塑性樹脂は、後述する注出口部2の材料を構成する熱可塑性樹脂に対して接着性を有するものであれば良いが、注出口部2に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましい。シーラント層35に用いる熱可塑性樹脂と注出口部2に用いる熱可塑性樹脂層とを同じにすることにより、胴部1と注出口部2とのシール強度を向上させることができる。
【0020】
(紙保護層)
紙保護層37は、シート41を構成する紙層32への内容物や汚れの付着から保護するための層である。紙保護層37の材料や形成方法は特に限定されないが、熱可塑性樹脂の押出コートや、耐水剤あるいは耐油剤等のコート剤のコートにより紙保護層37を積層することができる。紙保護層37の厚みは、0.2~50μmであることが好ましく、0.5~20μmであることがより好ましい。紙保護層37の厚みが0.2μm未満である場合、紙保護層37にピンホールが発生する可能性があり、紙層32の保護が不十分となる場合がある。また、紙保護層37の厚みが50μmを超える場合、樹脂使用量や製造コストの面で好ましくない。
【0021】
胴部1を構成するシート41の厚み(総厚)は、特に限定されないが、30~300μmであることが好ましい。胴部1を構成するフィルムの厚みが、この範囲であれば、製袋機やピロー・スティック包装機等を用いて胴部1を容易に筒状に加工することができる。また、紙層32を用いることによって強度とコシが付与されるため、一般的なラミネートチューブ(厚み300~500μm)と比べて、薄くすることができ、樹脂使用量も低減できる。
【0022】
胴部1を構成するシート41の樹脂比率を低減するため、シート41の質量のうち、紙層32の占める割合が50%以上であることが好ましい。樹脂の使用量を低減する観点では紙層32の割合は高いほど好ましい。
【0023】
尚、胴部1を構成するシート41は、バリア層34、シーラント層35の2層を備えていればよく、紙層32、基材フィルム層33及び紙保護層37は省略してもよい。また、紙層32と紙保護層37との間にはインキ層が設けられてもよい。また、紙保護層37とインキ層の積層順は逆であってもよく、この場合、耐摩性等を付与するために、インキ層上にオーバーコートニス層を積層してもよい。さらに、各層間には各層どうしを接着する接着剤が使用さてもよい。
【0024】
図4~6を用いて、テープ材20を用いたシート41の両端の貼り合わせについて説明する。図4及び図5は、テープ材を胴部に貼付する前の状態を説明する図であり、図6は、テープ材を胴部に貼付した後の状態を説明する図である。
【0025】
テープ材20は、第1の樹脂層21、第2の樹脂層22、及び基材23を備える。テープ材20を、シート41の一対の端縁及び/又はその近傍を含むようにシーラント層35に溶着することで、胴部1を形成することができる。基材23は帯状の形状を有し、基材23の一方の面が第1の樹脂層21により被覆され、他方の面が第2の樹脂層22により被覆されている。テープ材20を胴部1に溶着するとき、基材23の胴部1側に積層されるのが第1の樹脂層21であり、胴部1の反対側に積層されるのが第2の樹脂層22である。
【0026】
第1の樹脂層21は、胴部1のシーラント層35と溶着可能な層であり、第1の樹脂層21の厚みは、溶着前の状態において、10μm以上70μm以下であり、30μm以上50μm以下がより好ましい。第1の樹脂層21の材料は胴部1のシーラント層35と溶着可能であれば特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、シーラント層35に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましく、第1の樹脂層21に用いる熱可塑性樹脂とシーラント層35に用いる熱可塑性樹脂層とを同じにすることにより、胴部1とテープ材20とのシール強度を向上させることができる。
【0027】
第2の樹脂層22の厚みは、溶着前の状態において、10μm以上70μm以下であり、30μm以上50μm以下がより好ましい。第2の樹脂層22材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、第1の樹脂層21に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましい。
【0028】
基材23は、バリア性や遮光性を有する機能層であり、例えば、ポリプロピレン等の延伸フィルムやアルミニウム等の金属蒸着膜、アルミニウム等の金属箔などから、所望する機能に合わせて適宜択して用いることができる。基材23は、単層でも多層であってもよく、基材23の厚みは、例えば、9~40μmである。基材23として透明バリアフィルムを用いる場合、例えば、GL-RD、GL-ARH、GL-AE、GL-AN、GX(凸版印刷株式会社製)を適宜選択して用いることができる。
【0029】
テープ材20とシート41とは、シールバーを用いてヒートシールにより溶着される。シールバーは、テープ材20よりも幅が広く、すなわち、テープ材20を覆うように加熱可能な加熱部を有する。そのため、図4に記載のテープ材20のように、端面から基材23が露出したテープ材20であっても、溶着後は図5のように、溶着時に溶解した第1の樹脂層21または第2の樹脂層22の樹脂により、テープ材20の端面が被覆(保護)される。そのため、テープ材の端部から層間の接着剤がチューブ容器内に溶出してしまうのを抑制でき、チューブ容器100の内容物の味や色味が低下してしまうことを抑制できる。また、テープ材20の層間剥離が生じるのを抑制することができる。
【0030】
なお、図6に記載したテープ材20のように、溶着前の状態において、端面が端面樹脂24で覆われていてもよい。この場合においても、第1の樹脂層21の厚みは、溶着前の状態において、10μm以上70μm以下であり、30μm以上50μm以下がより好ましく、また、第2の樹脂層22の厚みは、10μm以上70μm以下であり、30μm以上50μm以下がより好ましい。このとき、溶着に用いられるシールバーは、テープ材20よりも幅が狭くてもよい。幅の狭いシールバーを用いた場合でも、予めテープ材20の端面が端面樹脂24で覆われているため、溶着後においても図5のようにテープ材20の端面が被覆(保護)される。図6に記載のテープ材20は、例えば、超音波スリットにより作製でき、このとき、端面樹脂24は、第1の樹脂層21または第2の樹脂層22と同一の材料で構成される。
【0031】
図7は、図1に示した注出口部の斜視図であり、図8は、図7に示したVIII-VIIIラインに沿う断面図である。注出口部2は、胴部1に収容された内容物を外部に抽出するためのスパウトであり、筒状の注出筒部3とフランジ部4とを備える。フランジ部4は、注出筒部3の一方の端部6a(図1における下端)に接続され、注出筒部3の外方に延伸する平板状の部分である。本実施形態では、フランジ部4は、注出筒部3の軸方向と直交する方向(図1における左右方向)に延伸するように形成されている。本実施形態では、フランジ部4は、円環状に形成されているが、胴部1を接合することができる限り、フランジ部4の形状は限定されず、楕円形、長円形、トラック形、多角形等であっても良い。
【0032】
注出口部2は、熱可塑性樹脂により成型されてもよいし、熱可塑性樹脂と樹脂以外のフィラーを含む材料により成型されてもよい。注出口部2の材料に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びシクロポリオレフィンのいずれか1種、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラーとしては、タルク、カオリン、紙粉及びセルロース繊維のいずれか1種、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。注出口部2の材料として、熱可塑性樹脂と、樹脂以外のフィラーの混合物を用いることにより、成型性や胴部1のシート材との熱溶着性を維持しつつ、樹脂の使用量を低減することが可能となる。注出口部2の成型方法は特に限定されないが、射出成形、真空成形・熱板圧空成型等のサーモフォーミング、コンプレッション成型等の既存の成型方法を利用可能である。
【0033】
図7及び図8に示すように、フランジ部4の外面8(注出筒部3の端部6b側の面)には、円環状の凸部9及び凹部10が設けられている。注出口部2のフランジ部4に胴部1を溶着する際、凸部9が最初に溶融し、溶融した樹脂が胴部1の内面とフランジ部4との間に広がる。また、溶融した樹脂の一部は凹部10に流れ込む。この結果、凸部9が溶融した樹脂を介して、胴部1の内面とフランジ部4の外面8とを面で溶着することができ、溶着強度を向上できる。
【0034】
チューブ容器100の製造時に胴部1及び注出口部2を溶着する方法としては、超音波溶着、高周波溶着、ヒートシール溶着、ホットエア溶着、胴部インサートのコンプレッション成型等を利用することができるが、紙の断熱性に左右されにくい点で超音波溶着を採
用することが好ましい。
【0035】
チューブ容器100は、図1に示すように、注出口部2の注出筒部3に螺合により着脱可能なスクリューキャップ11を更に備えていても良い。チューブ容器100がスクリューキャップ11を備える場合、チューブ容器100の開封後に再封することが容易となる。
【0036】
また、チューブ容器100は、スクリューキャップ11に代えて、ヒンジキャップを備えていても良い。ヒンジキャップを設ける場合、図1に示した注出筒部3に螺合によりヒンジキャップを注出口部2に取り付けても良い。あるいは、注出筒部3の外面にネジ山の代わりにリブを設け、リブを介した嵌合によりヒンジキャップを注出口部2に取り付けても良い。
【0037】
また、チューブ容器100は、スクリューキャップ11に代えて、注出筒部3と打栓により嵌合するキャップを備えてもよい。
【0038】
また、注出筒部3の端部6bには、チューブ容器100の未開封状態において注出筒部3を閉鎖するフィルムがシールされていても良い。
【0039】
更に、注出筒部3の内部は、チューブ容器100の未開封状態において容器内部を密閉状態に保つために、隔壁により閉鎖されていても良い。隔壁を設ける場合、注出筒部3の内周に沿って円形状のハーフカットを設けると共に、ハーフカットによって囲まれた部分に接続されるプルリングを設けることが好ましい。このように構成すれば、チューブ容器100の開封時には、使用者がプルリングを引っ張って隔壁のハーフカットの部分を破断させることにより、ハーフカットで囲まれた隔壁の一部を除去して、胴部1から注出筒部3へと内容物を注出するための開口部を形成することができる。
【0040】
以上、説明したように、本実施形態におけるチューブ容器100において、胴部1に貼付されたテープ材20の端面は、テープ材20の溶着時に溶解した第1の樹脂層21または第2の樹脂層22の樹脂により被覆される。そのため、テープ材が多層構造であったとしても、テープ材の端部から層間の接着剤が溶出してしまうのを抑制でき、また、テープ材の層間剥離が生じるのを抑制できる。
【0041】
また、テープ材20の基材23はバリア性を有する。これにより、チューブ容器100のシート41の接合部のバリア性が向上する。
【0042】
また、溶着前の状態において、テープ材20の第1の樹脂層21および第2の樹脂層22の厚みはいずれも10μm以上70μm以下であり、かつ、テープ材20は、テープ材20よりも幅広のシールバーを用いて溶着される。そのため、溶着時に溶解した第1の樹脂層21または第2の樹脂層22の樹脂により、テープ材20の端面が被覆(保護)することができる。
【0043】
また、テープ材20の端面は、溶着前の状態において、端面樹脂24で覆われていてもよい。これにより、テープ材20よりも幅の狭いシールバーを用いて溶着を行った場合でも、テープ材20の溶着時に融解した第1の樹脂層21または第2の樹脂層22の樹脂によりテープ材20の端面を被覆することができる。
【実施例0044】
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
【0045】
(シート作製)
シートA~Eを作製した。具体的な作製方法を説明する。
【0046】
坪量70g/mの未晒クラフト紙(王子製紙株式会社製)上に、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み15μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製)と、厚み50μmのポリエチレンとをこの順に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせた。未晒クラフト紙上に厚み15μmのポリエチレンを積層して胴部形成用のシートAを作製した。
【0047】
坪量70g/mの未晒クラフト紙(王子製紙株式会社製)上に、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み15μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製)と、厚み50μmのポリエチレンとをこの順に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせて胴部形成用のシートBを作製した。
【0048】
坪量120g/mの未晒クラフト紙(王子製紙株式会社製)上に、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み15μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製)と、厚み50μmのポリエチレンとをこの順に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせて胴部形成用のシートCを作製した。
【0049】
坪量70g/mの未晒クラフト紙(王子製紙株式会社製)上に、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み9μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)と、厚み15μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製)と、厚み50μmのポリエチレンとをこの順に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせて胴部形成用のシートDを作製した。
【0050】
厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み15μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製)と、厚み100μmのポリエチレンとをこの順に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせて胴部形成用のシートEを作製した。
【0051】
表1に作製したシートA~Eの構成を示す。なお、表1における胴部の構成欄に記載の数値は、紙の坪量(g/m)または層の厚み(μm)を表す。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例1)
厚み30μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み30μmのポリエチレン(PE)とを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した。
【0054】
シートA~Eのそれぞれに対して、作製したテープ材を、シートの両端を突き合わせた突付け部をシートの内面から、テープ材よりも幅広(幅12mm)のシールバーを用いて溶着して、5通りの直径35mm×長さ180の胴部を作製した。
【0055】
注出口部を、ポリエチレン樹脂を用い、射出成型により成型した。また、キャップを、ポリプロピレン樹脂を用い、射出成型により成型した。
【0056】
作製した5通りの胴部のそれぞれに、注出口部を専用の加工装置を用いて熱溶着することにより、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0057】
(実施例2)
厚み50μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み50μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出したテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0058】
(実施例3)
厚み30μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み70μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0059】
(実施例4)
厚み70μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み30μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0060】
(実施例5)
厚み10μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み10μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0061】
(実施例6)
厚み30μmのアイオノマーと、厚み9μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)と、厚み40μmのアイオノマーとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0062】
(実施例7)
厚み70μmのアイオノマーと、厚み9μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)と、厚み70μmのアイオノマーとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0063】
(実施例8)
厚み30μmのポリエチレンと、厚み25μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み30μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0064】
(実施例9)
厚み30μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み30μmのポリエチレンとを、この順に積層し、超音波スリットにより端面の基材が被覆された幅8mmのテープ材を作製した。作製したテープ材を、テープ材よりも幅が狭いシールバーを用いて、シートA~Eのそれぞれに溶着して、5通りの直径35mm×長さ180の胴部を作製した。それ以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0065】
(実施例10)
厚み40μmのポリエチレンと、厚み40μmの延伸ポリプロピレンと、厚み40μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0066】
(比較例1)
厚み9μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み9μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0067】
(比較例2)
厚み7μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み7μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0068】
(比較例3)
厚み4μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み70μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0069】
(比較例4)
厚み100μmのポリエチレンで幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0070】
(比較例5)
厚み30μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み30μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0071】
(比較例6)
作製したシートA~Eの一対の端縁のそれぞれを含む帯状の部分の内面同士を合掌状に突き合わせて溶着する合掌貼りにて胴部を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0072】
(比較例7)
厚み70μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み80μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0073】
(比較例8)
厚み80μmのポリエチレンと、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製)と、厚み80μmのポリエチレンとを、この順に積層し、端面から基材が露出した幅8mmのテープ材を作製した以外は、実施例1と同様にして、5つの内径35mmのチューブ容器を作製した。
【0074】
実施例1~10および比較例1~8で作製したチューブ容器のそれぞれに対して、端面保護評価、成形性評価、ハンドリング性評価、耐薬性評価を行った。
【0075】
端面保護評価は、テープ材の端面を顕微鏡で観察することで行った。テープ材の端面において、基材が露出していなければ端面保護あり(表1において○)、基材が露出していれば端面保護なし(表1において×)と評価した。
【0076】
成形性評価は、問題無くチューブ容器を作製できた場合を成形性が良好(表1において○)、やや成形しにくいがほぼ問題無くチューブ容器を作製できた場合を成形性が可(表1において△)、チューブ容器の作製が困難であった場合または作製できなかった場合を成形性が不良(表1において×)と評価した。
【0077】
ハンドリング性評価は、20人のモニターに対して、実際に使用した際の使用感についてヒアリングを行った。使用感が良好と回答した人数が15人以上であれば、ハンドリング性が良好(表1において○)、使用感が良好と回答した人数が14人以下であれば、ハンドリング性が不良(表1において×)と評価した。
【0078】
耐薬性評価は、作製したチューブ容器のそれぞれに濃度50%のエタノールを充填し、室温40℃、湿度75%の環境下で1か月保存した後、テープ材の層間剥離の有無を確認した。剥離が無ければ耐薬性が良好(表1において○)、剥離が有れば耐薬性が不良(表1において×)と評価した。
【0079】
面保護の有無の評価、成形性評価、ハンドリング性評価、耐薬性評価のいずれにおいても評価結果に「×」が無い場合は「○」、いずれかにおいて評価結果に「×」があった場合は「×」と評価した。
【0080】
表2に各実施例及び各比較例に係るテープ材の構成、テープ材の幅に対するシールバー幅、溶着前のテープ材の端面における端面樹脂の有無、各評価の結果、および総合評価の結果を示す。なお、表2におけるテープ材の構成欄に記載の数値は層の厚み(μm)を表す。
【0081】
【表2】
【0082】
実施例1~8、及び10に係るチューブ容器においては、溶着前の状態において、テープ材20の端面から基材が露出していたが、溶着前の状態において、テープ材20の第1の樹脂層21および第2の樹脂層22の厚みがいずれも10μm以上70μm以下であり、かつ、テープ材20よりも幅広のシールバーを用いてテープ材20を溶着したため、溶着時に溶解した第1の樹脂層21または第2の樹脂層22の樹脂により基材23の端面が保護されていた。
【0083】
実施例5に係るチューブ容器においては、テープ材の第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22の厚みがいずれも10μmとやや薄かったため、基材の端面を被覆する樹脂量が少なかったが、ほぼ問題無くチューブ容器を作製することができた。
【0084】
実施例6及び7に係るチューブ容器のテープ材は、第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22がアイオノマーであり、基材23がアルミニウム箔であったため、バリア性に加えて遮光性をテープ材に付与することができた。
【0085】
また、実施例9に係るチューブ容器においては、溶着前の状態において、テープ材20の第1の樹脂層21および第2の樹脂層22の厚みがいずれも10μm以上70μm以下であり、かつ、基材23の端面は端面樹脂24で被覆されていたため、テープ材20よりも幅の狭いシールバーを用いてテープ材20を溶着しても、基材23の端面は保護されていた。
【0086】
比較例1に係るチューブ容器のテープ材は、第1の樹脂層及び第2の樹脂層の厚みがいずれも9μmと薄かったため、基材の端面が被覆されにくく、耐薬性も低かった。また、胴部との溶着不良も生じやすかった。
【0087】
比較例2に係るチューブ容器のテープ材は、第1の樹脂層及び第2の樹脂層の厚みがいずれも7μmと薄かったため、基材の端面が被覆されておらず、耐薬性も低かった。また、胴部との溶着不良も生じやすかった。
【0088】
比較例3に係るチューブ容器のテープ材は、第1の樹脂層の厚みが4μmと薄かったため、第1の樹脂層の成膜ができない場合があり、胴部との溶着も困難であった。しかし、第2の樹脂層の厚みが70μmと厚かったため、基材23の端面は保護されていた。
【0089】
比較例4に係るチューブ容器のテープ材は、ポリエチレンの単層であった。そのため、延伸性の基材に由来する引っ張り代がテープ材に無く、安定的なチューブ容器の製袋が困難であった。
【0090】
比較例5に係るチューブ容器のテープ材は、溶着前の状態において、テープ材の端面から基材が露出していたものを用いたにも関わらず、テープ材よりも幅の狭いシールバーを用いてテープ材を溶着したため、基材の端面が被覆されておらず、耐薬性も低かった。
【0091】
比較例6に係るチューブ容器は、合掌貼りにて胴部を作製したため、胴部から突出した合掌シール部分が使用時に手に当たり、ハンドリング性が悪かった。また、合掌シール部分のコシが強く、チューブ容器の製袋がしにくかった。
【0092】
比較例7に係るチューブ容器のテープ材は、第1の樹脂層の厚みが80μmと厚かったため、テープ材自体の厚みが増し、製袋時に胴部にエンドシールを施すのが困難であった。
【0093】
比較例8に係るチューブ容器のテープ材は、第1の樹脂層及び第2の樹脂層の厚みがいずれも80μmと厚かったため、テープ材自体の厚みが増し、製袋時に胴部にエンドシールに施すのが困難であった。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係るチューブ容器は、医薬品化粧品、食品等の包装材として利用できる。
【符号の説明】
【0095】
1 胴部
2 注出口部
7 貼り合わせ部
20 テープ材
21 第1の樹脂層
22 第2の樹脂層
23 基材
24 端面樹脂
32 紙層
33 基材フィルム層
35 シーラント層
41 シート
100 チューブ容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8