(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012812
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】給湯器用熱交換器
(51)【国際特許分類】
F23L 17/14 20060101AFI20220107BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20220107BHJP
F24H 8/00 20220101ALI20220107BHJP
F24H 9/00 20220101ALI20220107BHJP
【FI】
F23L17/14 J
F23L17/14 R
F24H1/14 B
F24H8/00
F24H9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114904
(22)【出願日】2020-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠 純
(72)【発明者】
【氏名】野中 諒一
【テーマコード(参考)】
3L034
3L036
【Fターム(参考)】
3L034BA26
3L034BB03
3L036AA04
3L036AA13
3L036AA14
(57)【要約】
【課題】ドレンが排気トップから外部に飛散することを抑制する。
【解決手段】二次熱交換器10は、自身の内部に複数の伝熱管40が配置される通過空間PSが構成され、通過空間PSから前後方向一方側に向かって気体が流れる構成をなすケース30と、複数の伝熱管40に対して前後方向一方側に設けられ、通過空間PSから流れ込む気体を流す第1通路55を有するとともに前後方向一方側に向かうにつれて第1通路55が狭くなる狭窄部50と、狭窄部50に対して前後方向一方側に配置され、第1通路55から流れ込む気体を流す第2通路62を有する排気トップ60と、を備えている。第2通路62は、第1下面部71と、第1下面部71よりも前後方向一方側に配置されるとともに第1下面部71の表面に対して上方に立ち上がる立ち上がり壁72と、具備する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の伝熱管を備える潜熱回収型の給湯器用熱交換器であって、
自身の内部に前記複数の伝熱管が配置される配置空間が構成され、前記配置空間から前後方向一方側に向かって気体が流れる構成をなす配管収容部と、
前記複数の伝熱管に対して前記前後方向一方側に設けられ、前記配置空間から流れ込む気体を流す第1通路を有するとともに前記前後方向一方側に向かうにつれて前記第1通路が狭くなる狭窄部と、
前記狭窄部に対して前記前後方向一方側に配置され、前記第1通路から流れ込む気体を流す第2通路を有する排気トップと、
を備え、
前記第2通路は、下面部と、前記下面部よりも前記前後方向一方側に配置されるとともに前記下面部の表面に対して上方に立ち上がる立ち上がり壁と、具備する
給湯器用熱交換器。
【請求項2】
前記立ち上がり壁と前記下面部とが負圧領域を構成する
請求項1に記載の給湯器用熱交換器。
【請求項3】
前記第2通路は、前記立ち上がり壁と一体として構成されるとともに前記立ち上がり壁の上端部から前記前後方向一方側に続く構成で配置される第2下面部を有する
請求項1又は請求項2に記載の給湯器用熱交換器。
【請求項4】
前記第2下面部の表面は、前記前後方向一方側となるにつれて上位置となる傾斜面である
請求項3に記載の給湯器用熱交換器。
【請求項5】
前記第1通路は、下壁部を具備し、
前記下面部と前記下壁部とが一体として構成されている
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の給湯器用熱交換器。
【請求項6】
前記立ち上がり壁は、前記第2通路における前記前後方向一端側に設けられ、
前記下面部が、前記下壁部の上端部から前記立ち上がり壁の下端部まで続いている
請求項5に記載の給湯器用熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯器用熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、副熱交換器により燃焼排ガス中の潜熱を回収する潜熱回収型の給湯器が知られている。特許文献1の燃焼装置は、箱型のハウジングと、ハウジングの内部に配設される複数の伝熱管と、ハウジングの前端に設けられる排気トップと、を備える。排気トップは、ハウジング内部を通過した排気ガスを外部空間に排出する排気通路を収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の燃焼装置は、熱交換器付近の構成において、排気トップ内の排気通路の通過断面積は、ハウジング内の通過断面積に比べて大幅に小さくなっている。このように、排気トップが狭くなっていると、排気トップを流れる排気の流速が高められるが、伝熱管付近でドレン(凝縮水)が生じた場合に、伝熱管付近で漂っているドレンや落下しようとするドレンなどが、加速された排気の流れに乗って排気トップから外部に飛散する懸念がある。
【0005】
本開示では、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、ドレンが排気トップから外部に飛散することを抑制し得る給湯器用熱交換器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つである給湯器用熱交換器は、
複数の伝熱管を備える潜熱回収型の給湯器用熱交換器であって、
自身の内部に前記複数の伝熱管が配置される配置空間が構成され、前記配置空間から前後方向一方側に向かって気体が流れる構成をなす配管収容部と、
前記複数の伝熱管に対して前記前後方向一方側に設けられ、前記配置空間から流れ込む気体を流す第1通路を有するとともに前記前後方向一方側に向かうにつれて前記第1通路が狭くなる狭窄部と、
前記狭窄部に対して前記前後方向一方側に配置され、前記第1通路から流れ込む気体を流す第2通路を有する排気トップと、
を備え、
前記第2通路は、下面部と、前記下面部よりも前記前後方向一方側に配置されるとともに前記下面部の表面に対して上方に立ち上がる立ち上がり壁と、具備する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一つである給湯器用熱交換器は、ドレンが排気トップから外部に飛散することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の二次熱交換器を備える給湯装置の内部構造を概略的に例示する正面図である。
【
図2】
図2は、
図1の給湯装置の構成を概念的に例示する説明図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の二次熱交換器を概略的に例示する斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3の二次熱交換器から排気トップを省略した状態を例示する斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4の二次熱交換器から蓋部を外した状態を概略的に例示する斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の二次熱交換器の側断面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の二次熱交換器の前端側の一部を右側斜め上方から見た断面図である。
【
図9】
図9は、
図7において気流の状態を概略的に示した説明図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の二次熱交換器の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される〔1〕~〔6〕の特徴は、矛盾しない範囲でどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕複数の伝熱管を備える潜熱回収型の給湯器用熱交換器であって、
自身の内部に前記複数の伝熱管が配置される配置空間が構成され、前記配置空間から前後方向一方側に向かって気体が流れる構成をなす配管収容部と、
前記複数の伝熱管に対して前記前後方向一方側に設けられ、前記配置空間から流れ込む気体を流す第1通路を有するとともに前記前後方向一方側に向かうにつれて前記第1通路が狭くなる狭窄部と、
前記狭窄部に対して前記前後方向一方側に配置され、前記第1通路から流れ込む気体を流す第2通路を有する排気トップと、
を備え、
前記第2通路は、下面部と、前記下面部よりも前記前後方向一方側に配置されるとともに前記下面部の表面に対して上方に立ち上がる立ち上がり壁と、具備する
給湯器用熱交換器。
【0011】
従来の熱交換器では、配管収容部において排気中の水蒸気が凝縮してドレン(凝縮水)が生じた場合、このドレンは、加速された気流に乗って前後方向一方側に飛散しようとする。しかしながら、上記〔1〕の給湯器用熱交換器は、第1通路(狭窄部の通路)から第2通路(排気トップの通路)に流れ込む気体において下面部側を通る気体が、立ち上がり壁によって遮られやすい。下面部側を通る気流は相対的にドレンが含まれやすく、このような気流が立ち上がり壁付近に滞留しやすいため、下面部側を通る気流に含まれるドレンは、立ち上がり壁付近に落下又は付着しやすくなる。したがって、上記の給湯器用熱交換器は、ドレンが排気トップから外部に飛散することを抑制することができる。特に、この給湯器用熱交換器は、ドレンを含みやすい下面部側の気流が立ち上がり壁に遮られやすいため、ドレンの放出をより効果的に抑えることができる。
【0012】
上記の〔2〕の給湯器用熱交換器は、〔1〕の給湯器用熱交換器において、上記立ち上がり壁と上記下面部とが負圧領域を構成する。
【0013】
上記〔2〕の給湯器用熱交換器は、上記立ち上がり壁と上記下面部とによって負圧領域を構成することができ、上記下面部側を流れる気流(ドレンが含まれやすい気流)を、上記立ち上がり壁側且つ上記下面部側に引き込みやすく、これらの付近に滞留させやすい。つまり、この給湯器用熱交換器は、下面部側を流れる気流をより一層立ち上がり壁付近に滞留させることができ、ドレンを立ち上がり壁付近に落下又は付着させる効果を高めやすい。
【0014】
〔3〕の給湯器用熱交換器は、〔1〕又は〔2〕の給湯器用熱交換器において、上記第2通路は、上記立ち上がり壁と一体として構成されるとともに上記立ち上がり壁の上端部から上記前後方向一方側に続く構成で配置される第2下面部を有する。
【0015】
上記の〔3〕の給湯器用熱交換器は、第2下面部を立ち上がり壁の上端部と一体的に連続させることができ、立ち上がり壁の上端部に続く形で第2下面部を簡易に設けることができる。そのため、排気トップは、立ち上がり壁がその下流側の下面部とは別体として設けられる構成(例えば、立ち上がり壁の上端部がその下流側の下面部から離間する形で立ち上がり壁が独立して第2通路内に突出するような構成)に比べて、簡易な構成で連続性を高めることができる。
【0016】
〔4〕の給湯器用熱交換器は、〔3〕に記載の給湯器用熱交換器において、上記第2下面部の表面は、上記前後方向一方側となるにつれて上位置となる傾斜面である。
【0017】
上記の〔4〕の給湯器用熱交換器は、仮に第2下面部の表面にドレンが付着したとしても、そのドレンを第2下面部の表面(傾斜面)によって前後方向他方側へ移動させることができる。そのため、排気トップから外部へのドレンが排出されることをより一層抑えることができる。
【0018】
〔5〕の給湯器用熱交換器は、〔1〕から〔4〕のいずれか一つに記載の給湯器用熱交換器において、上記第1通路は、下壁部を具備し、上記下面部と上記下壁部とが一体として構成されている。
【0019】
上記の〔5〕の給湯器用熱交換器は、上記下面部と上記下壁部との連続性を高めやすい構成をより簡易に実現することができる。この構成において、更に、上記下面部と上記下壁部とが同一部材によって構成され且つ上記下面部と上記下壁部とが隙間なく連続していると尚良い。この構成であれば、第2通路の下面部付近に存在するドレンが上記下面部と上記下壁部との境界付近の隙間に入り込むことを抑えることができる。
【0020】
〔6〕の給湯器用熱交換器は、〔5〕に記載の給湯器用熱交換器において、上記立ち上がり壁は、上記第2通路における上記前後方向一端側に設けられ、上記下面部が、上記下壁部の上端部から上記立ち上がり壁の下端部まで続いている。
【0021】
上記の〔6〕の給湯器用熱交換器は、立ち上がり壁が第2通路における前後方向他端側に設けられる構成と比べて、排気トップにおける上記下面部の長さを大きくすることができる。この給湯器用熱交換器は、排気トップにおいてより広い範囲で気流を安定させることができ、上記の配置空間を流れた排気を良好に外部へと排出させ易くなる。よって、この給湯器用熱交換器は、気流を安定させる効果とドレンの排出を抑える効果を、いずれも生じさせることができる。
【0022】
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に関する。
(給湯装置1の構成)
図1及び
図2で示す給湯装置(給湯器)1は、第1ガスバーナ2、入水管4、出湯管6、熱交換器8、第1連結管15などを備えており、外部から供給された水道水を加熱して出湯させる機能を有する。第1ガスバーナ2(給湯バーナ)は、燃焼ガスを燃焼させて燃焼排気(排気ガス)を発生させる部分である。入水管4は、入水口16からの水が流れ込む経路として構成され、出湯管6は、出湯口18へ湯を送り出す経路として構成されている。熱交換器8は、入水管4と出湯管6との間に介在する給湯側伝熱管部11を備えており、給湯側伝熱管部11の内部を通る水に対して第1ガスバーナ2での燃焼によって生じた熱を伝えるように機能する部分である。
【0023】
熱交換器8は、一次熱交換器9及び二次熱交換器10を備えており、一次熱交換器9は、第1ガスバーナ2の燃焼排気経路の上流側に配置され、二次熱交換器10は、燃焼排気経路の下流側に配置されている。給湯側伝熱管部11は、第1伝熱管部12及び第3伝熱管部13を備えており、伝熱管部12は二次熱交換器10に備えられており、第3伝熱管部13は一次熱交換器9に備えられている。入水管4の下流側には、二次熱交換器10の伝熱管部12が接続されており、伝熱管部12の下流側には、第1連結管15が接続されている。第1連結管15の下流側には、一次熱交換器9の第3伝熱管部13が接続されており、第3伝熱管部13の下流側には、出湯管6が接続されている。
【0024】
熱交換器8は、潜熱回収型の給湯器用熱交換器であり、一次熱交換器9によって燃焼排気の顕熱を回収した後、二次熱交換器10によって潜熱を回収するように機能する。具体的には、一次熱交換器9は、第3伝熱管部13内を通る水に対して第1ガスバーナ2で発生した燃焼排気に含まれる燃焼熱を伝熱し、顕熱の熱エネルギーを通水に伝達する形で熱交換する。また、二次熱交換器10は、伝熱管部12内を通る水に対し、第1ガスバーナ2で発生した燃焼排気が一次熱交換器9を通過した後の燃焼熱を伝熱し、潜熱の熱エネルギーを通水に伝達するように熱交換する。
【0025】
また、給湯装置1は、第2ガスバーナ102、戻り配管104、往き配管106、第2連結管115などを備えており、上述した熱交換器8を利用して風呂の追い炊き等を行う機能を有する。第2ガスバーナ102(風呂バーナ)は、燃焼ガスを燃焼させて燃焼排気(排気ガス)を発生させる部分である。戻り配管104は、入口116を介して浴槽20側からの水を熱交換器8へと導く経路である。往き配管106は、熱交換器8からの水を、出口118を介して浴槽20側へと導く経路である。上述した熱交換器8は、戻り配管104と往き配管106との間に介在する風呂側伝熱管部111を備えており、風呂側伝熱管部111の内部を通る水に対して第2ガスバーナ102での燃焼によって生じた熱を伝えるように機能する。
【0026】
風呂側伝熱管部111は、第2伝熱管部112及び第4伝熱管部113を備えており、第2伝熱管部112は二次熱交換器10に備えられており、第4伝熱管部113は一次熱交換器9に備えられている。戻り配管104の下流側には、二次熱交換器10の第2伝熱管部112が接続されており、第2伝熱管部112の下流側には、第2連結管115が接続されている。第2連結管115の下流側には、一次熱交換器9の第4伝熱管部113が接続されており、第4伝熱管部113の下流側には、往き配管106が接続されている。上述した一次熱交換器9は、第4伝熱管部113内を通る水に対して第2ガスバーナ102で発生した燃焼排気に含まれる燃焼熱を伝熱し、顕熱の熱エネルギーを通水に伝達する形で熱交換する。また、二次熱交換器10は、第2伝熱管部112内を通る水に対し、第2ガスバーナ102で発生した燃焼排気が一次熱交換器9を通過した後の燃焼熱を伝熱し、潜熱の熱エネルギーを通水に伝達するように熱交換する。
【0027】
また、給湯装置1は、ドレン配管22及び中和器24を備える。ドレン配管22は、上流側が二次熱交換器10のドレン継手26(
図3参照)に接続されており、下流側が中和器24に接続されている。二次熱交換器10において潜熱の回収によって生じたドレンは、ドレン継手26を介して二次熱交換器10の外部に排出され、ドレン配管22を通じて中和器24に送られる。
【0028】
また、給湯装置1は、制御装置としてのコントローラ28を備える。コントローラ28は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成されており、給湯装置1に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成されており、給湯装置1に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る構成となっている。例えば、給湯装置1は、図示しない通水センサによって入水管4内の通水を検知した場合に、第1ガスバーナ2を動作させて湯を生成することを行う。別の例として、給湯装置1は、図示しない通水センサによって戻り配管104内の通水を検知した場合に、第2ガスバーナ102を動作させて風呂の追い炊き等を行う。
【0029】
(二次熱交換器10の構成)
次に、
図3~
図8を用いて、二次熱交換器10の構成について説明する。なお、本実施例では、伝熱管40の配列方向を二次熱交換器10の上下方向とする。具体的には、複数の第1伝熱管41が所定方向に重なった積層構造をなしており、これら複数の第1伝熱管41の積層方向が上下方向である。同様に、複数の第2伝熱管42が所定方向に重なった積層構造をなしており、これら複数の第2伝熱管42の積層方向が上下方向である。具体的には、蓋部33と底壁部32とが向かい合う方向(対向方向)が上下方向である。蓋部33と底壁部32とが向かい合う方向のうち、蓋部33側が上側であり、底壁部32側が下側である。本明細書では、上下方向と直交する方向のうちの所定の第1方向が左右方向である。具体的には、二次熱交換器10を平面視したとき(上方側からみたとき)の長手方向又は短手方向のうちの一方が左右方向であり、
図3等の例では、二次熱交換器10を平面視したときの長手方向が左右方向である。具体的には、
図1のように給湯装置1を正面視したとき(前側からみたとき)の左右方向が二次熱交換器10の左右方向である。左右方向一方側を二次熱交換器10の右方側とし、左右方向他方側を二次熱交換器10の左方側とする。また、二次熱交換器10の上記上下方向及び上記左右方向と直交する方向が二次熱交換器10の前後方向である。前後方向一方側が二次熱交換器10の前方側であり、前後方向他方側が二次熱交換器10の後方側である。前方側は、前後方向のうちの排気トップ60が設けられる側であり、後方側は、前後方向のうちの流入口36が設けられる側である。即ち、二次熱交換器10において排気ガスの流入側が後方側であり、排気ガスの流出側が前方側である。なお、上記上下方向は鉛直方向と同一の方向であってもよく、鉛直方向に対して若干傾斜した方向であってもよい。
【0030】
二次熱交換器10は、給湯器用熱交換器の一例に相当し、
図3及び
図4に示すように、ケース(配管収容部)30と、伝熱管部12及び第2伝熱管部112と、狭窄部50と、排気トップ60と、を有する。ケース30は、周壁部31と、底壁部32と、蓋部(第1壁部である上壁部)33と、一対のヘッダ38,39と、一対の第2ヘッダ138,139とを備える。周壁部31は、排気ガスの通過空間PSを囲んでいる。第2壁部である底壁部32は、周壁部31の下端側に設けられている。蓋部(上壁部)33は、周壁部31の上方側の端部に設けられた開口部34を閉塞している。
【0031】
ケース30は、上下方向両側にそれぞれ蓋部33及び底壁部32が設けられている。周壁部31は、蓋部33及び底壁部32に連結され、箱状に構成されている。ケース30は、自身の内部に複数の伝熱管40が配置される通過空間(配置空間)PSが構成され、通過空間PSから前後方向一方側に向かって気体が流れる構成をなしている。
【0032】
通過空間PSは、左右方向一方側に伝熱管部12が設けられ、左右方向他方側に第2伝熱管部112が設けられる。伝熱管部12は、上流側がヘッダ38を介して入水口16側の配管(具体的には入水管4)と連通した状態とされ、下流側がヘッダ39を介して出湯口18側の配管(具体的には第1連結管15)と連通した状態とされる。第2伝熱管部112は、上流側が第2ヘッダ138を介して入口116側の配管(具体的には戻り配管104)と連通した状態とされ、下流側が第2ヘッダ139を介して出口118側の配管(具体的には第2連結管115)と連通した状態とされる。
【0033】
周壁部31は、前後方向一方側に排気ガスの排出口35が設けられ、前後方向他方側に排気ガスの流入口36が設けられ、左右方向一方側に後述する伝熱管40を取り付ける側壁部37が設けられている。側壁部37は、周壁部31における側壁部37を除いた部分に対して分離及び連結可能に構成されている。
【0034】
伝熱管部12は、ケース30内に収容される複数(本実施例では7つ)の伝熱管40を備える。複数の伝熱管40は、
図6に示すように、複数の第1伝熱管41と、複数の第2伝熱管42とを具備する。複数の伝熱管40は、各々が共通形状をなしている。複数の伝熱管40の各々は、蛇行状であって、且つ非回転対称な形態をなしている。
【0035】
狭窄部50は、
図6に示すように、複数の伝熱管40に対して前後方向一方側に設けられている。狭窄部50は、
図7に示すように、通過空間PSから流れ込む気体を流す第1通路55を有している。第1通路55は、前後方向一方側に向かうにつれて狭くなっている。すなわち、第1通路55は、前後方向一方側に向かうにつれて気体の通過断面積が小さくなっている。狭窄部50は、ケース30内の通過空間PSと後述する排気トップ60内の第2通路62との間で気体の排気抵抗が高まることを抑制し、潜熱回収後の燃焼排ガスを円滑に排気トップ60側に流れるようにする。
【0036】
第1通路55は、
図7、
図8に示すように、第1下壁部51と、第1上壁部52と、を具備している。第1下壁部51は、本発明の「下壁部」に相当する。第1下壁部51は、第1通路55の下側の壁部を構成している。第1下壁部51は、へ字状に屈曲する板形状であり、ケース30の前後方向一端側(具体的には前後方向他端(排出口35)よりもわずかに前後方向他方側)かつ下端側に位置している。第1下壁部51は、平坦な板状の底壁51Aと、底壁51Aに対して前後方向一方側に傾斜した傾斜壁51Bと、を有している。底壁51Aおよび傾斜壁51Bは、一体的に形成されている。底壁51Aの前後方向他端は、底壁部32の上面に接触している。傾斜壁51Bの上端部(本発明の「下壁部の上端部」に相当)51Cは、排出口35の下縁よりも上方に位置している。第1下壁部51は、後述する第1下面部71と一体に構成されている。具体的には、第1下面部71と第1下壁部51は、同一の部材によって構成されており、具体的には、同一の板材を折り曲げた構成をなす。例えば、立ち上がり壁72と第2下面部73とが同一の板材として連続しており、立ち上がり壁72と第2下面部73の境界部は隙間なく連続した折れ曲がり部として構成されている。例えば、底壁51Aと傾斜壁51Bは、同一の部材が折れ曲がった構成をなし、底壁51Aと傾斜壁51Bは隙間なく連続している。また、第1下面部71と傾斜壁51Bは、同一の部材が折れ曲がった構成をなし、第1下面部71と傾斜壁51Bは隙間なく連続している。
【0037】
第1上壁部52は、
図7に示すように、第1通路55の上側の壁部を構成している。第1上壁部52は、3か所で屈曲する板形状であり、ケース30の前後方向一端かつ上端側に位置している。第1上壁部52は、第1上板部52Aと、第1上板部52Aの前後方向一端に連なる第2上板部52Bと、第2上板部52Bの前後方向一端に連なる第3上板部52Cと、第3上板部52Cの前後方向一端に連なる第4上板部52Dと、を有している。第1上板部52A、第2上板部52B、第3上板部52C、および第4上板部52Dは、一体的に形成されている。第1上板部52Aは、蓋部33の下面に接している。第1上板部52Aの前後方向他端は、最も上位置に配置された伝熱管部12(第1伝熱管41)と上下方向で重なっている。第2上板部52Bは、前後方向一方側となるにつれて下位置となるように下り傾斜である。第3上板部52Cは、前後方向一方側となるにつれて上位置となる上り傾斜であり、第2上板部52Bよりも傾斜が緩くなっている。第4上板部52Dは、前後方向一方側となるにつれて上位置となる上り傾斜である。第4上板部52Dは、排出口35の上縁の下方に位置している。
【0038】
排気トップ60は、
図7、
図8に示すように、狭窄部50に対して前後方向一方側に配置されている。排気トップ60は、カバー部61と、第2通路62と、を備えている。カバー部61は、左右方向に長い周壁状(
図3参照)である。カバー部61は、排出口35を覆うように、周壁部31の前後方向一方側に固定されている。カバー部61は、第2通路62を内部に収容している。カバー部61の前後方向一端には、内側かつ前後方向他方側に折り返された折り返し部61Aが形成されている。折り返し部61Aの下縁および上縁は、前後方向一方側となるにつれて上位置となる上り傾斜である。
【0039】
第2通路62は、第1通路55から流れ込む気体を流す。第2通路62は、第2下壁部70と、第2上壁部63と、を備えている。第2下壁部70は、第2通路62の下側の壁部を構成している。第2下壁部70は、第1下面部71と、立ち上がり壁72と、第2下面部73と、を有している。第1下面部71、立ち上がり壁72、および第2下面部73は、一体的に形成されている。第1下面部71、立ち上がり壁72、および第2下面部73は、同一の部材によって構成されており、具体的には、同一の板材を折り曲げた構成をなす。例えば、立ち上がり壁72と第2下面部73とが同一の板材として連続しており、立ち上がり壁72と第2下面部73の境界部は隙間なく連続した折れ曲がり部として構成されている。第1下面部71は、本発明の「下面部」に相当する。第1下面部71は、平坦な板状であり、前後方向一方側となるにつれて上位置となる上り傾斜である。第1下面部71の前後方向他端は、ケース30の前後方向一方側の内側に位置している。第1下面部71の前後方向他端は、狭窄部50の第1下壁部51(傾斜壁51Bの上端部51C)とつながっている。これにより、第1下面部71と第1下壁部51とが一体として構成されている。第1下面部71は、第1下壁部51の上端部51Cから立ち上がり壁72の下端部72Aまで続いている。
【0040】
立ち上がり壁72は、第1下面部71よりも前後方向一方側に配置されている。立ち上がり壁72は、第2通路62における前後方向一端側に設けられている。具体的には、第2通路62における前後方向の中央位置よりも前側に設けられ、立ち上がり壁72から第2通路62の前端までの距離のほうが、立ち上がり壁72から第2通路62の後端までの距離よりも小さくなっている。立ち上がり壁72は、折り返し部61Aの下縁よりも前後方向他方側に位置している。立ち上がり壁72は、第1下面部71の表面に対して上方に立ち上がっている。立ち上がり壁72は、第1下面部71の前後方向一端71Aから上方に突出している。立ち上がり壁72の壁面は、例えば前後方向に直交している。立ち上がり壁72は、折り返し部61Aの下縁よりも低位置に位置している。
【0041】
立ち上がり壁72と第1下面部71の一部(一端側部分81)とによって負圧領域80が構成されている。立ち上がり壁72及び第1下面部71は、負圧領域80を構成する負圧領域構成部材として機能する。具体的には、立ち上がり壁72と第1下面部71の一部(一端側部分81)とが、前後方向一方側(前方側)かつ下方側に凹んだ構成をなす隅の部分を構成しており、この隅の部分の内側の領域(立ち上がり壁72の後方側且つ一端側部分81の上方側の領域)が負圧領域80として構成される。負圧領域80は、立ち上がり壁72の近傍において負圧を発生させる領域である。一端側部分81とは、第1下面部71における前後方向中央位置よりも前側の部分である。立ち上がり壁72の近傍とは、例えば、立ち上がり壁72より前後方向他方側(後方側)の領域であって、かつ一端側部分81より上方側の領域であり、具体的には、立ち上がり壁72と一端側部分81とで構成される角部の内側に収まる空間の領域である。
【0042】
第2下面部73は、立ち上がり壁72の上端部72Bから前後方向一方側に続く構成で配置されている。第2下面部73は、立ち上がり壁72と一体として構成されている。第2下面部73の表面は、前後方向一方側となるにつれて上位置となる傾斜面である。第2下面部73は、前端部が最も高く後端部が最も低い傾斜面であり、第2下面部73の後端部は立ち上がり壁72の前端部となっている。本実施形態では、第2下面部73の表面は平坦面であるが、第2下面部73の表面の一部又は全部が湾曲した面であってもよい。第2下面部73の前後方向一端は、折り返し部61Aの下縁に対して、上方から重なるようにして接触している。第2下面部73の前後方向に対する傾斜角度は、第1下面部71の前後方向に対する傾斜角度よりも大きくなっている。
【0043】
第2上壁部63は、第2通路62の上側の壁部を構成している。第2上壁部63は、へ字状に屈曲する板形状である。第2上壁部63は、第2上壁部63は、平坦な板状の上壁63Aと、上壁63Aの前後方向一端から上方に立ち上がる前壁63Bと、を有している。上壁63Aの前後方向他端は、第1上壁部52の第4上板部52Dの前後方向一方側に位置している。上壁63Aの前後方向に対する傾きは、第4上板部52Dの前後方向に対する傾きと同じである。前壁63Bは、例えば前後方向に直交している。前壁63Bは、折り返し部61Aの上縁に組み付けられている。
【0044】
(本構成の効果)
上記の二次熱交換器10は、ケース30において排気中の水蒸気が凝縮してドレン(凝縮水)が生じた場合、このドレンが狭窄部50の第1通路55で加速された気流(
図7の黒塗り矢印参照)に乗って前後方向一方側に飛散しようとする。しかしながら、本構成の二次熱交換器10では、排気トップ60の第2通路62が、第1下面部71よりも前後方向一方側に配置されるとともに第1下面部71の表面に対して上方に立ち上がる立ち上がり壁72を具備している。そのため、狭窄部50の第1通路55から第2通路62に流れ込む気体の一部が、立ち上がり壁72によって遮られることになる。これにより、第2通路62を通過する気流の一部を、前後方向一方側に向かう状態から変化させることができる。例えば、第2通路62を通過する気流は、立ち上がり壁72の近くで渦などが生じ、流れが滞留する。そのため、ドレンが第1通路55で加速された気流によって前後方向一方側に移動しようとしても、変化した気流の一部によって前後方向一方側に向かう気流から外すことができる。したがって、二次熱交換器10は、ドレンが排気トップ60から外部に飛散することを抑制することができる。ドレンが排気トップ60から外部に飛散することを抑制することができれば、外部に飛散したドレンが前面部の排気トップ周り等に付着して腐食が生じることなどを効果的に抑制し得る。
【0045】
上記の二次熱交換器10は、立ち上がり壁72と第1下面部71とが負圧領域構成部材として機能し、立ち上がり壁72と第1下面部71とが負圧領域80を構成する。そのため、
図9,10に示すように、立ち上がり壁72と第1下面部71とによってこれらの近傍の領域に負圧を発生させ、第1下面部71側を流れる気流(ドレンが含まれやすい気流)を、立ち上がり壁72及び第1下面部71の近傍に引き込むことができる。具体的には、
図10のように、立ち上がり壁72と一端側部分81とによって構成される隅の部分の内側の空間に、気流を滞留させる渦を発生させることができる。したがって、ドレンが含まれる気流が立ち上がり壁72の前側に移動することを抑え、この気流を立ち上がり壁72の後方側で滞留させることができる。よって、気流の滞留時に、ドレンが第1下面部71に落下したり、立ち上がり壁72や第1下面部71に付着しやすくなり、ドレンの排出を抑える効果を一層高めることができる。
【0046】
上記の二次熱交換器10において、第2通路62は、立ち上がり壁72と一体として構成されるとともに立ち上がり壁72の上端部72Bから前後方向一方側に続く構成で配置される第2下面部73を有している。この構成によって、第2下面部73を立ち上がり壁72の上端部72Bと連続させることができ、立ち上がり壁72と第2下面部73とを一体化し易くなる。そのため、排気トップ60は、立ち上がり壁72が第2下面部73と別体として設けられる構成(例えば、立ち上がり壁を第2通路内に突出させるように組み付ける構成)に比べて、簡易な構成とすることができる。
【0047】
上記の二次熱交換器10において、第2下面部73の表面は、前後方向一方側となるにつれて上位置となる傾斜面である。この構成によって、第2下面部73の表面に付着するドレンを、第2下面部73の表面を伝わらせて前後方向他方側へと移動させることができる。そのため、排気トップ60から外部へのドレンの飛散をより一層抑え易くなる。
【0048】
上記の二次熱交換器10において、第1通路55は、第1下壁部51を具備している。第1下面部71と第1下壁部51とが一体として構成されている。この構成によって、第1下面部71と第1下壁部51との間に継ぎ目などの隙間が生じることがない。そのため、第2通路62の第1下面部71において前後方向他方側へと伝わるドレンを、隙間に入り込ませることなく第1下面部71から第1下壁部51へと円滑に移動させることができる。
【0049】
上記の二次熱交換器10において、立ち上がり壁72は、第2通路62における前記前後方向一端側に設けられていている。第1下面部71が、第1下壁部51の上端部51Cから立ち上がり壁72の下端部72Aまで続いている。この構成によって、排気トップ60は、立ち上がり壁72が第2通路62における前後方向他端側に設けられる構成と比べて、第1下面部71の長さを大きくすることができる。これにより、排気トップ60は、第2通路62における大部分において気流が安定するため、配置空間で生じる排気を良好に外部へと排出させ易くなる。一方で、第2通路62において気流から第1下面部71へと落下しきれなかったドレンを、排気トップ60から排出する過程の最終段階で気流から外す構成とすることができる。
【0050】
<第2実施形態>
第2実施形態の二次熱交換器10について、
図11、
図12を参照して説明する。第2実施形態の二次熱交換器210は、狭窄部、および排気トップの構成が第1実施形態と異なり、それ以外の構成等は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態の同様の構成については、同一の符号を用いて説明しつつ詳しい説明を省略する。
【0051】
(二次熱交換器210の構成)
狭窄部50は、
図11、
図12に示すように、第1実施形態と異なり、第1下壁部51を具備していない。排気トップ260は、カバー部261と、第2通路262と、を備えている。カバー部261は、円筒状に形成されている。カバー部261の前後方向一端は、前後方向一方側に開口する円形状の開口部261Aが形成されている。カバー部261の前後方向他端は、前後方向一方側に折り返された折り返し部261Bが形成されている。
【0052】
第2通路262は、第2下壁部270を備えている。第2通路262は、第1実施形態と異なり、第2上壁部を備えていない。第2下壁部270は、第1下面部271と、立ち上がり壁272と、第2下面部273と、第3下面部274と、を有している。第1下面部271、立ち上がり壁272、第2下面部273、および第3下面部274は、一体的に形成されている。第1下面部271は、本発明の「下面部」に相当する。第1下面部271は、平坦な板状であり、カバー部261の前後方向他端の内側に位置している。第1下面部271は、カバー部261の折り返し部261Bの下縁の下面に重なるように接触している。第1下面部271は、折り返し部261Bの下縁から立ち上がり壁272の下端部272Aまで続いている。
【0053】
立ち上がり壁272は、第1下面部271の前後方向一端271Aから上方に立ち上がっている。立ち上がり壁272の壁面は、例えば前後方向に直交している。立ち上がり壁272は、排出口35の下縁よりもわずかに上方の位置まで立ち上がっている。
【0054】
立ち上がり壁272と、第1下面部271と、カバー部261の折り返し部261Bの下縁と、によって負圧領域280が構成される。負圧領域280は、立ち上がり壁272と、第1下面部271と、折り返し部261Bの下縁と、によって構成される隅の部分であり、前後方向一方側かつ下方側に凹んだ構成をなしている。負圧領域280は、立ち上がり壁272の近傍に負圧を発生させる。立ち上がり壁272の近傍とは、例えば、立ち上がり壁272より前後方向他方側、かつ第1下面部271および折り返し部261Bの下縁より上方側の領域である。立ち上がり壁272の近傍とは、立ち上がり壁272と、第1下面部271および折り返し部261Bの下縁とで構成される角部の内側に収まる空間である。
【0055】
第2下面部273は、立ち上がり壁272の上端部272Bから前後方向一方側に続く構成で配置されている。第2下面部273は、立ち上がり壁272と一体として構成されている。第2下面部273の表面は、前後方向一方側となるにつれて上位置となる傾斜面である。
【0056】
第3下面部274は、平坦な板状であり、第2下面部273の前後方向一端から前後方向一方側に延びている。第3下面部274の壁面は、上下方向に直交している。第3下面部274の前後方向一端は、カバー部261の開口部261Aよりもわずかに前後方向他方側に位置している。
【0057】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0058】
上述した各実施形態において、立ち上がり壁が、第2下壁部の連続した壁部の一部として構成されていたが、平坦な壁面から上方側に突出する一枚の壁部など、その他の構成であってもよい。また、立ち上がり壁は、第2下壁部を構成する他の壁部と別体であってもよい。
【0059】
上述した各実施形態において、立ち上がり壁は、壁面が前後方向に直交していたが、前後方向一方側に向かって上位置となるように傾斜する構成や、前後方向他方側に向かって上位置となるように傾斜する構成であってもよい。
【0060】
上述した各実施形態において、第1下面部は、平坦な壁面であったが、立ち上がり壁の前後方向他方側に下方に凹む溝部が形成されていてもよい。このような構成によって、第2通路62を通過する気流をより一層変化させ易くなる。
【0061】
上述した各実施形態において、第2下面部は、前後方向に対して傾斜する構成であったが、上下方向に直交するような壁部として構成されてもよい。
【0062】
上述した第1実施形態において、第1上壁部52および第2上壁部63は、別体として構成されていたが、一体として構成されていてもよい。
【0063】
上述した各実施形態では、第2伝熱管部112を備える構成としたが、第2伝熱管部112を備えていなくてもよい。
【0064】
上述した各実施形態では、二次熱交換器10をガス器具用熱交換器としたが、熱交換器8をガス器具用熱交換器としてもよいし、一次熱交換器9をガス器具用熱交換器としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…給湯装置
10,210…二次熱交換器(給湯器用熱交換器)
30…ケース(配管収容部)
31…周壁部
32…底壁部
33…蓋部(上壁部)
40…伝熱管
50…狭窄部
51…第1下壁部(下壁部)
51C…第1下壁部の上端部
55…第1通路
60,260…排気トップ
62,262…第2通路
71,271…第1下面部(下面部)
72,272…立ち上がり壁
72A,272A…立ち上がり壁の下端部
72B,272B…立ち上がり壁の上端部
73,273…第2下面部
PS…通過空間(配置空間)