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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128146
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】浮遊シェルター
(51)【国際特許分類】
   B63C 9/06 20060101AFI20220825BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B63C9/06
E04H9/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026514
(22)【出願日】2021-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】516322728
【氏名又は名称】有限会社アグリプロジェクト
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】深代 光治
【テーマコード(参考)】
2E139
【Fターム(参考)】
2E139AA07
2E139AB23
(57)【要約】
【課題】大量の瓦礫等が流れるような津波等において浮遊状態を維持し易い浮遊シェルターを提供する。
【解決手段】避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されている、浮遊シェルター。
【請求項2】
避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記本体部(10)の底面(10b)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次上昇する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面である、浮遊シェルター。
【請求項3】
避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記本体部(10)の底面(10c)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次下降する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面である、浮遊シェルター。
【請求項4】
前記底面(10c)の下端近傍に放射状に突出する複数の安定板(12)をさらに有する、請求項3に記載の浮遊シェルター。
【請求項5】
前記側面(10a)が円錐台形状である場合、前記側面(10a)の下端位置(B)における直径(D1)が、上端位置(A)における直径(D)の2分の1より大きい、請求項2又3に記載の浮遊シェルター。
【請求項6】
前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍である、請求項1~5のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【請求項7】
前記バラスト(45)が、多数のバラスト個体から構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【請求項8】
前記本体部(10)又は前記天蓋部(20)に設けた換気口(24)と、
前記換気口(24)を開閉するために設けられかつ振動を検知して閉じるトリガーバルブと、をさらに有する、請求項1~7のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【請求項9】
重機により前記浮遊シェルター(1)を吊り下げるために前記天蓋部(20)の表面に取り付けられた吊りフック(22)をさらに有する、請求項1~8のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【請求項10】
前記天蓋部(20)の表面に取り付けられた識別標識(23)をさらに有する、請求項1~9のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【請求項11】
前記天蓋部(20)に設けられた第2のハッチ(21)をさらに有する、請求項1~10のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波や洪水の際に避難者を収容して浮遊するシェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
津波や洪水の際に避難するための設備又は施設として、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊式のシェルターが提案されている。特許文献1には、略たまご形状の中空構造体の浮遊式のシェルターが開示されている。特許文献2には、上部が球形で下部が逆円錐形状の中空体を有し、中空体の外部に補強用の支柱及び斜材と下部のフロートとを取り付けた津波用避難施設が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3541197号公報
【特許文献2】特開2015-54565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大きな津波や洪水では大量の瓦礫等も一緒に流れるため、浮遊式シェルターはそれらと衝突して大きな衝撃や損傷を受ける可能性がある。特許文献1の略たまご形状の場合、外面の大部分が上方から下方に向かって外側に傾斜しているため、瓦礫等がその傾斜面の上に衝突するとシェルターを下方に押し下げる力を及ぼし、シェルターが沈みがちになる。また、特許文献2のように中空体の外部に複雑な支柱等を取り付けた場合、瓦礫等がからみついて安定な浮遊状態が妨げられたり、障害物に引っ掛かったりし易くなるため、場合によっては水中に引きずり込まれるおそれもある。
【0005】
以上の現状に鑑み、本発明は、大量の瓦礫等が一緒に流れるような津波や洪水であっても水面での安定な浮遊状態を維持し易い浮遊シェルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく本発明は、以下の構成を提供する。括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付している。
【0007】
- 本発明の態様は、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されている。
- 本発明の別の態様は、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記本体部(10)の底面(10b)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次上昇する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面である。
- 本発明のさらに別の態様は、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記本体部(10)の底面(10c)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次下降する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面である。
- 上記態様において、前記底面(10c)の下端近傍に放射状に突出する複数の安定板(12)をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、前記側面(10a)が円錐台形状である場合、前記側面(10a)の下端位置(B)における直径(D1)が、上端位置(A)における直径(D)の2分の1より大きいことが、好適である。
- 上記態様において、前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍であることが、好適である。
- 上記態様において、前記バラスト(45)が、多数のバラスト個体から構成されていることが好適である。
- 上記態様において、前記本体部(10)又は前記天蓋部(20)に設けた換気口(24)と、
前記換気口(24)を開閉するために設けられかつ振動を検知して閉じるトリガーバルブと、をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、重機により前記浮遊シェルター(1)を吊り下げるために前記天蓋部(20)の表面に取り付けられた吊りフック(22)をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、前記天蓋部(20)の表面に取り付けられた識別標識(23)をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、前記天蓋部(20)に設けられた第2のハッチ(21)をさらに有することが、好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の浮遊シェルターによれば、本体部が上方から下方へ直径が小さくなる円錐形状の側面を有し、又は、円錐台形状若しくは円筒形状の側面であって底面が上向きに凸の曲面を形状の側面を有し、かつ、吃水位置が側面のほぼ上端位置となるように調整されているので、大量の瓦礫等が流れるような津波や洪水の際、側面や底面に衝突した瓦礫等が浮遊シェルターに対して上向きの力を与えるので、浮遊シェルターが水面での安定な浮遊状態を維持し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図である。
図2図2(a)は、本発明の第2の実施形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図であり、(b)は(a)のI-I断面図である。
図3図3(a)は、本発明の第3の実施形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図であり、(b)は(a)のII-II断面図である。
図4図4(a)は第2の実施形態の変形形態の、(b)は第3の実施形態の変形形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図である。
図5図5は、図4(b)の実施形態の変形形態を概略的示した外観斜視図である。
図6図6は、本発明による浮遊シェルターが水面を浮遊する状態を例示したものである。
図7図7は、本体部の側面に対して様々な角度で負荷される同じ大きさの力と、その分力を模式的に示している。
図8図8は、本発明の浮遊シェルターの非使用時の保管状態の一例を示す概略斜視図である。
図9図9は、第1の実施形態の浮遊シェルターの内部空間内の構成例を示す概略的な縦断面図である。
図10図10は、図8のIII-III断面を概略的に示した図である。
図11図11は、本発明の浮遊シェルターを家屋と連結して保管する形態の一例を概略的に示した図である。
図12図12は、本発明の浮遊シェルターを車両により搬送する形態の一例を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各実施形態の図面において、同一又は類似の要素については同一又は類似の符号を用いて示している。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態の浮遊シェルター(以下、単に「シェルター」と称する場合がある)を概略的に示した外観斜視図である。浮遊シェルター1は、津波や洪水の際に、通常は水のない場所で水かさが増したときに避難者を収容して水面に浮遊することができる。シェルター1は、主要部として本体部10とその上の天蓋部20とを有する。
【0012】
第1の実施形態の本体部10は、上方から下方へ向かって直径が小さくなる円錐形状の側面10aを有する。したがって、通常の向きの円錐の底面が本体部10の上端位置Aにあり、通常の向きの円錐の頂点が本体部10aの下端位置Bにある。本体部10は、上端が開口した中空体であり、避難者を収容するための内部空間40を有する。内部空間40内の構成例については後述する。側面10aは、所定の厚さと材質で形成された側壁の外面である。側壁には、避難者が出入りするためのハッチ11が適宜の箇所に設けられている。
【0013】
本体部10の側面10aが円錐形状であるとき、側面10aの上端位置Aから下端位置Bまでの鉛直方向の長さHが、上端位置Aにおける直径Dの1.5倍~2.5倍であることが好ましい。図示の例では、長さHは直径Dの約2倍である。
【0014】
天蓋部20は、本体部10の上端開口を覆うように本体部10の側壁上端に続いている。天蓋部20は、例えば図示のように略ドーム形状とすることができる。天蓋部20の形状はこれに限られず、例えば円筒形状、円錐形状、円錐台形状でもよい。天蓋部20も中空体であり、内部空間40と一体に連続した内部空間を有する。好ましくは、天蓋部20の天頂部に予備的な第2のハッチ21が設けられている。
【0015】
なお、浮遊シェルター1の密閉性及び耐久性を確保するための構造については公知技術であるので、本明細書では詳細には説明しない。
【0016】
さらに本体部10の内部空間40内には、錘となるバラスト45が搭載されている。好ましくは、バラスト45は、シェルター1の本体部10の下部に搭載される。これによりシェルター1の重心が低くなり、水中において図示の姿勢を保持しやすくする。
【0017】
シェルター1は、水中において浮力を受ける。浮力は、シェルター1における水中に埋没した体積すなわち吃水位置より下方部分の体積と水の密度の積に比例する。浮力はシェルター1の重量と平衡する。したがってシェルター1の吃水位置は、シェルター1の重量によって変動する。本発明では、シェルター1自体の重量と、それに乗る予定の避難者全員の重量とを加算し、それを考慮してバラスト45の重量が予め調整されている。その場合、シェルター1の吃水位置が、本体部10の側面10aの上端位置Aとなるようにバラスト45を調整する。吃水位置は、厳密に上端位置Aでなくともよく、ほぼこの位置を目標とする程度でよい。
【0018】
バラスト45は、多数のバラスト個体45aから構成されている。例えば、同じ重量の複数のバラスト個体45aの組合せでもよい。また、別の例では、重量の異なる複数の種類のバラスト個体の組合せでもよい。バラスト45の重量は、バラスト個体45aの数及び/又は種類で調整することができる。バラスト個体45aは、例えば、水や液体を充填した密封容器とすることができ、又は、金属製の錘とすることもできる。
【0019】
本体部10の側面10aの上端位置Aが喫水位置であるとき、水没する本体部10の側面10aに瓦礫等が衝突することになる。したがって、側面10aの逆向きの円錐面は、衝突した瓦礫等の衝撃力を受けて、その衝撃力をシェルター1に対する上向きの力に変換する機能を有する。この作用については、図6で詳細に説明する。
【0020】
好ましくは、シェルター1には換気口24が設けられている。図示の例では、換気口24が天蓋部20の壁に設けられいるが、本体部10の側壁に設けてもよい。換気口24は、シェルター1が浮遊を開始するまでは開いており、浮遊の開始時点で閉じるようにバルブが取り付けられている。好ましくは、地震や津波等に起因するシェルター1の振動を検知して自動的に閉じるトリガーバルブを用いる。シェルター1内の空気(酸素)は、所定の定員の避難者が救出されるまでの間(例えば数時間~1日程度)は十分に呼吸できる量であることが好ましい。
【0021】
好ましくは、重機によりシェルター1を吊り下げるために天蓋部20の表面に吊りフック22が取り付けられている。図示の例では、一対の吊りフック22が対角線上に取り付けられている。
【0022】
また好ましくは、天蓋部20の表面に、識別標識23が取り付けられていることが好ましい。これは、シェルター1又はその中の避難者を特定するための標識であり、救助に役立つものである。
【0023】
図2(a)は、本発明の第2の実施形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図であり、(b)は(a)のI-I断面図である。ただし、ここでは、シェルター1の外郭形状のみを示し、図1に示した他の構成要素は省略している。
【0024】
第2の実施形態の本体部10は、上方から下方へ向かって直径が小さくなる円錐台形状の側面10aを有する。したがって、通常の向きの円錐台の下面が本体部10の上端位置Aであり、通常の向きの円錐台の上面が本体部10aの下端位置Bである。第1の実施形態と同様に、本体部10は、上端が開口した中空体であり、避難者を収容するための内部空間を有し、上端開口は天蓋部20により覆われている。
【0025】
本体部10の側面10aが、円錐台形状であるとき、側面10aの上端位置Aから下端位置Bまでの鉛直方向の長さHが、上端位置Aにおける直径Dの1.5倍~2.5倍であることが好ましい。図示の例では、長さHは直径Dの約2倍である。また、側面10aの下端位置Bにおける直径D1が、上端位置Aにおける直径Dの2分の1以上であることが好ましい。なお、これらの数値はこの範囲に限定されるものではない。
【0026】
第2の実施形態のシェルター1の本体部10は、特徴的な形状の底面10bを有する。底面10bは、上向きに凸の曲面からなる。本体部10の底面10bは、図2(b)に示す中心軸Cを含む縦断面にて、側面10aの下端位置Bから中心軸Cまで漸次上昇する、上向きに凸の曲線を描いている。この曲線は、例えば円弧、楕円弧、放物線等である。そして、この断面における、上向きに凸の曲線を母線として中心軸Cの周りで360°回転させた回転面が、底面10bである。
【0027】
図3(a)は、本発明の第3の実施形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図であり、(b)は(a)のII-II断面図である。ただし、ここでは、シェルター1の外郭形状のみを示し、図1に示した他の構成要素は省略している。
【0028】
第3の実施形態の本体部10は、第2の実施形態と同様に、上方から下方へ向かって直径が小さくなる円錐台の形状の側面10aを有する。したがって、通常の向きの円錐台の下面が本体部10の上端位置Aであり、通常の向きの円錐台の上面が本体部10aの下端位置Bである。第1及び第2の実施形態と同様に、本体部10は、上端が開口した中空体であり、避難者を収容するための内部空間を有し、上端開口は天蓋部20により覆われている。
【0029】
本体部10の側面10aが、円錐台形状であるとき、側面10aの上端位置Aから下端位置Bまでの鉛直方向の長さHが、上端位置Aにおける直径Dの1.5倍~2.5倍であることが好ましい。図示の例では、長さHは直径Dの約1.5倍である。また、側面10aの下端位置Bにおける直径D1が、上端位置Aにおける直径Dのの2分の1以上であることが好ましい。なお、これらの数値はこの範囲に限定されるものではない。
【0030】
第3の実施形態のシェルター1の本体部10は、特徴的な形状の底面10cを有する。底面10cは、第2の実施形態とは異なる形状の上向きに凸の曲面からなる。本体部10の底面10cは、図3(b)に示す中心軸Cを含む縦断面にて、側面10aの下端位置Bから中心軸Cまで漸次下降する、上向きに凸の曲線を描いている。この曲線は、例えば円弧、楕円弧、放物線等である。そして、この断面における、上向きに凸の曲線を母線として中心軸Cの周りで360°回転させた回転面が、底面10cである。
【0031】
第2及び第3の実施形態では、本体部10が特徴的な形状の底面10b、10cを有するので、側面10aに加えてこれらの底面10b、10cも水中の瓦礫等の衝撃力を受けてシェルター1に対する上向きの力に変換する面として機能する。したがって、第2及び第3の実施形態の側面10aの円錐台形状の傾斜は、第1の実施形態の円錐形状の傾斜と同程度でもよいが、第1の実施形態に比べて緩やかでもよい。この作用については、図6で詳細に説明する。
【0032】
図4(a)は第2の実施形態の変形形態の、(b)は第3の実施形態の変形形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図である。これらの変形形態では、本体部10の側面10aが、円錐台形状ではなく円筒形状である。これらの変形形態では、専ら底面10b、10cが、水中の瓦礫等の衝撃力を受けてシェルター1に対する上向きの力に変換する面として機能する。この作用については、図6で詳細に説明する。
【0033】
図5は、図4(b)に示した実施形態の変形形態の浮遊シェルターを概略的に示した外観斜視図である。この変形形態では、シェルター1において、本体部10の底面10cの下端近傍に、広い面を鉛直方向に平行に向けて放射状に突出する複数の安定板12が取り付けられている。1枚の安定板12は、所定の厚さの略三角形の板状部材であり、最大幅wと高さhを有する。最大幅wは、本体部10の下端位置Bでの直径の約4分の1であり、高さhは、底面部10cの鉛直長さの約4分の1である。安定板12の寸法は、この寸法に限定されないが、瓦礫等が引っ掛かり易くならない程度にすることが好ましい。安定板12は、シェルター1の図示の姿勢を安定に保持するために寄与する。図示の例では、4枚の安定板12が周方向に90°毎に等角度間隔で取り付けられている。この安定版12は、図3に示した第3の実施形態の底面10cにも取り付けることができる。
【0034】
図6は、本発明による浮遊シェルターが水面Sの近傍で浮遊する状態を例示したものである。ここでは、一例として第1の実施形態のシェルター1を示している。シェルター1の吃水位置は、本体部10のほぼ上端位置Aに設定されている。津波や洪水の発生時には、水中に多量の瓦礫等60が存在し、それらが浮遊するシェルター1に無作為に衝突する。水中に位置する本体部10の側面10aが逆向き円錐形状の側面10aを有するので、側面にこれらの瓦礫等60が衝突したときの衝撃力は、シェルター1に対して上向きに作用する傾向がある。
【0035】
図7は、本体部10の側面10aを含む部分断面と、側面10aに対して様々な角度でかかる同じ大きさの力F1~F4及びその分力を模式的に示している。力F1~F4は、瓦礫等による衝撃力である。力F1~F4の各々について、側面10aに垂直な方向の分力を符号f1~f4でそれぞれ示している。側面10aに平行な方向の分力はシェルター1に対して作用しないので符号を付していない。側面10aに垂直な方向の分力f1~f4が、シェルター1に対して実質的にかかる力であり、いずれも斜め上向きの力となる。したがって、シェルター1は、瓦礫等60により揉まれながらも常に水面Sの方に向かう力を受けるので、水中への沈み込みが生じ難くなる。また、本体部10の側面は、滑らかな曲面であるので、瓦礫等が引っ掛かり難い。
【0036】
このような作用は、図2図5に示した第2及び第3の実施形態及びそれらの変形形態における逆向きの円錐台形状の側面をもつシェルターでも同様である。また、特に図2図5に示した実施形態では、それらの特徴的な底面の形状すなわち上向きに凸の曲面が、瓦礫等60の衝突によってシェルター1に対する上向きの力を与えることに大きく寄与する。
【0037】
図8は、第1の実施形態の浮遊シェルターの非使用時の保管状態の一例を示す概略斜視図である。例えば、ベース50が、シェルター1の本体部10の下部を挿入固定するための孔51を有する。シェルター1の固定手段の図示は省略している。また図示しないが、例えばベース50に階段を設けることで、避難時にシェルター1に簡単に乗り込むことができる。第2及び第3実施形態の浮遊シェルターについても同様に適宜のベースを用いて保管することができる。
【0038】
図9及び図10を参照して、浮遊シェルターの内部構成の具体例を説明する。図9は、第1の実施形態の浮遊シェルターの内部空間内の構成例を示す概略的な縦断面図である。図10は、図9のIII-III断面を概略的に示している。
【0039】
本体部10の内部空間40(天蓋部20の内部空間も含む)は、必要に応じて幾つかの階層に区画することができる。また、必要に応じて隔壁を設けることもできる。ハッチ11から直接入る空間は床板42を有する部屋のように構成されている。部屋には、避難者Xが着席できる椅子又はベンチなどの座席41が設置されている。座席41の下の空きスペースに、食料、水、薬品、衣類等の緊急時の備品を配置することができる。通信機器、照明機器なども適宜配置することが好ましい。また、避難者Xが各々装着するシートベルト等の身体固定手段46も装備することが好ましい。部屋から天蓋部20の第2ハッチ21へ登るための梯子43が壁面に設けられている。トリガーバルブ等により開閉可能な換気口24は、この例では天蓋部20に取り付けられているが、本体部20の側壁に取り付けてもよい。また、本体部10の側壁に窓47を設けることによって、シェルター1が水中に没しているか否かを確認することができる。窓47は、例えば強化アクリル板など強度のある透明材料とする。避難者は、シェルター1が水中にないことを確認できれば、救助を待つことなく自ら外に出ることを判断できる。
【0040】
床板42の下層にはバラスト45が搭載されている。例えば床板42に形成された下層に通じる扉42aを通してバラスト個体を出し入れすることができる。バラスト45の重量を適切とするために、バラスト個体の数により調整する。実際に乗り込む避難者が予定より増えた場合はバラスト個体を減らし、減った場合はバラスト個体を増やす。このために、調整用の予備のバラスト個体を図8に示したベースに装備しておくことが好ましい。
【0041】
図9の浮遊シェルター1の大きさは、一例として、鉛直方向の全長が約15m、上端位置Aにおける直径が約6m、内部空間40の床板42と上端位置Aとの間が約2m、床板42の位置の直径が約1.8mである。また、図2及び図3に示した第2及び第3の実施形態の場合、一例として、上端位置Aにおける直径が約6m、下端位置Bにおける直径が約3.5mである。しかしながら、浮遊シェルターの大きさはこれらの寸法に限定されない。
【0042】
図11は、本発明の浮遊シェルター1を家屋と連結して保管する形態の一例を概略的に示した図である。シェルター1は、例えば、図8に示したベース50に設置されている。ベース50は、家屋70に隣接して設置されている。さらに、家屋70の出入口の1つと、シェルター1のハッチ11とを連結する連結通路71が設けられている。図示の例では、連結通路71の一端が家屋70の2階の窓の窓枠に位置し、連結通路71の他端がハッチ11の周囲に位置している。連結通路71は例えば図示のようなダクト形状、又は橋のような形状とすることができ、図示しない適宜の手段で所定の位置に支持されている。緊急時にシェルター1が直ちに浮遊できるように、連絡通路71と浮遊シェルター1とは固定されていないか、又は、直ちに解除できる手段で固定されている。日常的に家屋70からシェルター1に出入りして慣れることによって、緊急時にも直ちにシェルターに入ることができる。
【0043】
図12は、本発明の浮遊シェルターを車両により搬送する形態の一例を概略的に示した図である。浮遊シェルター1は、トレーラー車両81に搭載して適宜の車両80により牽引することによって容易に搬送することができる。目的地に到達した後、クレーンなどの重機を用いて図8に示したベース50に設置する。
【0044】
以上に説明した本発明の浮遊シェルターは、例えば以下のように使用される。津波や洪水等の際に避難者がハッチから乗り込んだ後、周囲の水かさが増えると浮力によって浮遊し始め、水流によって浮遊する。そのまま周囲の風雨の状況が治まるか水がひくまでシェルター内で待機する。シェルターは、側面が逆円錐状又は底面が上向きに凸の曲面となっているため、瓦礫等の衝撃力が上向きの力として作用し、水面での浮遊状態を維持し易いと共に、救助される場合も発見されやすい。周囲の状況が治まった後、上部の第2ハッチを開け、例えば発煙筒やライト等を用いて救助を求める。
【0045】
この結果、従来は土石流などで家屋に押し潰されそうになるなどの状況下で、2、3分で浮遊シェルターに入って避難することができ、家屋が倒壊や流出しても生存することができる。また、行方不明者を低減することができる。本発明の浮遊シェルターは小型であり、運搬や移動も容易であるので一般家庭でも利用し易い。車での避難ができない人、特に高齢者などに適している。
【0046】
また、ここで図示し、説明した各実施形態は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、多様な変形形態が可能である。また、各実施形態について説明した各構成要素は、他の実施形態に適用可能な場合、それらを適用し形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 シェルター
10 本体部
10a 本体部側面
10b、10c 本体部底面
11 ハッチ
12 安定板
20 天蓋部
21 第2ハッチ
22 フック
23 識別標識
24 換気バルブ
41 座席
42 床板
43 梯子
44 備品
45 バラスト
45a バラスト個体
46 シートベルト
50 設置ベース
60 浮遊物
70 家屋
71 連絡通路
80 車両
81 トレーラー車両
A 本体部上端位置
B 本体部下端位置
C 中心軸
D 本体部上端直径
D1 本体部下端直径
H 本体部鉛直長さ
X 避難者
w 安定板幅
h 安定板長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍である、浮遊シェルター。
【請求項2】
避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記本体部(10)の底面(10b)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次上昇する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面である、浮遊シェルター。
【請求項3】
避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、
前記本体部(10)の底面(10c)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次下降する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面であり、かつ、
前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍である、浮遊シェルター。
【請求項4】
前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍である、請求項2に記載の浮遊シェルター。
【請求項5】
前記本体部(10)又は前記天蓋部(20)に設けた換気口(24)と、
前記換気口(24)を開閉するために設けられかつ振動を検知して閉じるトリガーバルブと、をさらに有する、請求項1~のいずれかに記載の浮遊シェルター。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
- 本発明の態様は、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍である
- 本発明の別の態様は、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、かつ、
前記本体部(10)の底面(10b)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次上昇する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面である。
- 本発明のさらに別の態様は、避難者を収容して水面に浮遊する浮遊シェルター(1)であって、
上方から下方へと直径が小さくなる円錐台形状、又は円筒形状の側面(10a)と避難者を収容するための内部空間(40)と避難者が出入りするためのハッチ(11)とを具備する本体部(10)と、
前記本体部(10)の上端開口を覆う天蓋部(20)と、
前記内部空間(40)内に搭載されたバラスト(45)と、を有し、
前記バラスト(45)は、前記浮遊シェルター(1)の吃水位置が前記本体部(10)の側面(10a)の略上端位置(A)となるように調整されており、
前記本体部(10)の底面(10c)が、中心軸(C)を含む縦断面にて前記側面(10a)の下端位置(B)から前記中心軸(C)まで漸次下降する上向きに凸の曲線を、前記中心軸(C)の周りで回転させた回転面であり、かつ、
前記側面(10a)の上端位置(A)から下端位置(B)までの鉛直方向の長さ(H)が、上端位置(A)における直径(D)の1.5倍~2.5倍である
- 上記態様において、前記本体部(10)又は前記天蓋部(20)に設けた換気口(24)と、
前記換気口(24)を開閉するために設けられかつ振動を検知して閉じるトリガーバルブと、をさらに有することが、好適である。