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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128171
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】マルチコアファイバ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/02 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
G02B6/02 461
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026548
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】竹永 勝宏
【テーマコード(参考)】
2H250
【Fターム(参考)】
2H250AA52
2H250AC64
2H250AC66
2H250AC93
2H250AC94
2H250AC96
2H250AH22
2H250BB32
2H250BB33
2H250BC02
2H250BD10
2H250BD17
(57)【要約】
【課題】 曲げによってコアに生じる応力を低減し得るマルチコアファイバを提供する。
【解決手段】 マルチコアファイバ1は、コア11とコア11の外周面を囲うクラッド12とを有する複数のシングルコアファイバ(10A,10B)と、それぞれのシングルコアファイバ(10A,10B)のクラッド12の外周面を囲う樹脂から成る内側被覆層30と、を備え、少なくとも1つのシングルコアファイバ10Bが、内側被覆層30の中心軸30caの周りを回転するように螺旋状に配置される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと前記コアの外周面を囲うクラッドとを有する複数のシングルコアファイバと、
それぞれの前記シングルコアファイバの前記クラッドの外周面を囲い樹脂を含む被覆層と、
を備え、
少なくとも1つの前記シングルコアファイバが、前記被覆層の中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置される
ことを特徴とするマルチコアファイバ。
【請求項2】
螺旋状の前記シングルコアファイバが前記中心軸の周りを回転するピッチは、平均0.1回/m以上である
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバ。
【請求項3】
少なくとも1つの前記シングルコアファイバは、他の前記シングルコアファイバと互いに離隔している
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチコアファイバ。
【請求項4】
複数の前記シングルコアファイバの全てが、前記中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記シングルコアファイバが、前記中心軸に沿って配置される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
【請求項6】
1つの前記シングルコアファイバは、前記中心軸上に位置する
ことを特徴とする請求項5項に記載のマルチコアファイバ。
【請求項7】
螺旋状の前記シングルコアファイバが前記中心軸の周りを回転する方向は、長手方向に沿って周期的に反転し、
螺旋状の前記シングルコアファイバの外径は、螺旋状の前記シングルコアファイバの回転が反転する周期に同期する周期で増加と減少を交互に繰り返す
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
【請求項8】
螺旋状の前記シングルコアファイバが前記中心軸の周りを回転する方向は、長手方向に沿って周期的に反転し、
螺旋状の前記シングルコアファイバと前記中心軸との距離は、螺旋状の前記シングルコアファイバの回転が反転する周期に同期する周期で増加と減少を交互に繰り返す
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチコアファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に普及している光ファイバ通信システムに用いられる光ファイバは、一本のコアの外周がクラッドにより囲まれた構造をしており、このコアを光信号が伝搬することで情報が伝達される。そして、近年、光ファイバ通信システムの普及に伴い、伝達される情報量が飛躍的に増大している。
【0003】
こうした光ファイバ通信システムの伝送容量増大を実現するために、下記特許文献1に記載のように、複数のコアの外周が1つのクラッドにより囲まれたマルチコアファイバを用いて、それぞれのコアを伝搬する光により複数の信号を伝送させることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-104443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなマルチコアファイバは、長手方向と垂直な断面においてクラッドの中心軸の外側に位置するコアを有する。このため、マルチコアファイバが曲げられる場合、曲げ部において中心軸より内側に位置するコアには圧縮応力が生じ、中心軸より外側に位置するコアには引張応力が生じる。圧縮応力が生じるコアの屈折率は高くなり、引張応力が生じるコアの屈折率は低くなる傾向にあるため、例えば、スキューが生じる虞がある。このため、コアに生じる応力を小さくしたいとの要請がある。この要請には、例えば、コアと当該コアの外周面を囲うクラッドとを有する複数のシングルコアファイバのそれぞれの外周面を樹脂を含む被覆層によって囲って複数のシングルコアファイバを一体化することでマルチコアファイバ化することが考えられる。このような構成では、複数のシングルコアファイバ間に樹脂を含む被覆層が介在するため、曲げられた際に被覆層が緩衝し、シングルコアファイバのコアに生じる応力を低減し得る。しかし、このような構成であっても、曲げ部において中心軸より内側に位置するシングルコアファイバのコアには圧縮応力が生じ、中心軸より外側に位置するシングルコアファイバのコアには引張応力が生じる。このため、曲げによってコアに生じる応力をより低減したいとの要請がある。
【0006】
そこで、本発明は、曲げによってコアに生じる応力を低減し得るマルチコアファイバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的の達成のため、本発明のマルチコアファイバは、コアと前記コアの外周面を囲うクラッドとを有する複数のシングルコアファイバと、それぞれの前記シングルコアファイバの前記クラッドの外周面を囲い樹脂を含む被覆層と、を備え、少なくとも1つの前記シングルコアファイバが、前記被覆層の中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されることを特徴とするものである。
【0008】
このマルチコアファイバでは、当該マルチコアファイバが曲げられた場合における曲げ部位において、螺旋状のシングルコアファイバが、被覆層の中心軸より内側に位置する内側部位と外側に位置する外側部位とを有し、内側部位と外側部位とが長手方向に沿って交互に存在するようにし得る。上記のように螺旋状のシングルコアファイバは樹脂を含む被覆層に囲われている。このため、内側部位で生じる圧縮応力と当該内側部位に隣接する外側部位で生じる引張応力とによって被覆層が変形し、内側部位における圧縮応力と外側部位における引張応力とが互いに弱め合うようにし得る。このため、シングルコアファイバが中心軸に沿う方向に直線状に配置される場合と比べて、曲げによってシングルコアファイバのコアに生じる応力を低減し得る。
【0009】
また、螺旋状の前記シングルコアファイバが前記中心軸の周りを回転するピッチは、平均0.1回/m以上であることとしてもよい。
【0010】
少なくとも1つの前記シングルコアファイバは、他の前記シングルコアファイバと互いに離隔していることとしてもよい。
【0011】
シングルコアファイバ同士が互いに接する部位を有している場合、当該部位ではシングルコアファイバ同士の間に被覆層が介在しないことになる。このため、このマルチコアファイバによれば、それぞれのシングルコアファイバが他のシングルコアファイバと接する部位を有している場合と比べて、曲げられた際に少なくとも1つのシングルコアファイバに生じる応力を被覆層による緩衝によって低減し得、当該少なくとも1つのシングルコアファイバのコアに生じる応力を低減し得る。
【0012】
複数の前記シングルコアファイバの全てが、前記中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されることとしてもよい。
【0013】
このような構成にすることで、全てのシングルコアファイバのコアに対して、曲げによって生じる応力を低減し得る。
【0014】
或いは、少なくとも1つの前記シングルコアファイバが、前記中心軸に沿って配置されることとしてもよい。
【0015】
中心軸に沿って配置されるシングルコアファイバの全長は、螺旋状のシングルコアファイバの全長より短い。このため、例えば、特定のシングルコアファイバのコアを伝搬する光信号をヘッダ信号として利用し、螺旋状のシングルコアファイバのコアを伝搬する光信号を復調し得る。
【0016】
この場合、1つの前記シングルコアファイバは、前記中心軸上に位置することとしてもよい。
【0017】
このような構成にすることで、中心軸に沿うシングルコアファイバが中心軸上に位置しない場合と比べて、曲げられた際に中心軸に沿うシングルコアファイバのコアに生じる応力を小さくし得、当該シングルコアファイバのコアを伝搬する光の応力に伴う損失を小さくし得る。また、このシングルコアファイバは、螺旋状のシングルコアファイバと比べて、曲げられた際にコアに生じる応力が小さくなる傾向にある。このため、このシングルコアファイバのコアを伝搬する光の応力に伴う損失を、螺旋状のシングルコアファイバのコアを伝搬する光の応力に伴う損失より小さくし得る。
【0018】
螺旋状の前記シングルコアファイバが前記中心軸の周りを回転する方向は、長手方向に沿って周期的に反転し、螺旋状の前記シングルコアファイバの外径は、螺旋状の前記シングルコアファイバの回転が反転する周期に同期する周期で増加と減少を交互に繰り返すこととしてもよい。
【0019】
螺旋状の前記シングルコアファイバが前記中心軸の周りを回転する方向は、長手方向に沿って周期的に反転し、螺旋状の前記シングルコアファイバと前記中心軸との距離は、前記反転の周期に同期する周期で増加と減少を交互に繰り返すこととしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、曲げによってコアに生じる応力を低減し得るマルチコアファイバが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面の様子を概略的に示す図である。
図2図1のマルチコアファイバの長手方向におけるシングルコアファイバの様子を概略的に示す図である。
図3】本実施形態に係るマルチコアファイバの製造方法の工程を示すフローチャートである。
図4】シングルコアファイバ用母材が束ねられた様子を示す図である。
図5】線引き工程の様子を示す図である。
図6図1のマルチコアファイバが曲げられた状態におけるシングルコアファイバの様子を図2と同様の方法で示す図である。
図7】変形例に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面の様子を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るマルチコアファイバを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面の様子を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態では、マルチコアファイバ1は、複数のシングルコアファイバ(10A,10B)と、被覆層としての内側被覆層30と、外側被覆層40とを主な構成として備える。複数のシングルコアファイバ(10A,10B)のそれぞれは、コア11と、コア11の外周面を囲むクラッド12とを有する。長手方向と垂直な断面におけるシングルコアファイバ(10A,10B)のコア11の外形及びクラッド12の外形は円形状とされ、当該コア11はクラッド12の中心に配置されている。本実施形態では、複数のシングルコアファイバ(10A,10B)の外径は概ね同じであり、例えば、80μmとされる。なお、シングルコアファイバ10A,10Bの外径は特に制限されるものではなく、例えば、60μm、100μm、125μmであってもよい。また、少なくとも2つのシングルコアファイバ(10A,10B)の外径が互いに異なっていてもよい。また、長手方向と垂直な断面におけるコア11の外形は円形状に限定されず、長手方向と垂直な断面におけるクラッド12の外形は円形状に限定されない。また、シングルコアファイバ(10A,10B)は、コア11とクラッド12とを有していればよく、例えば、クラッド12は多層構造とされてもよい。
【0024】
コア11の屈折率はクラッド12の屈折率より高くされる。本実施形態では、コア11は何ら添加物の無いシリカガラスから成り、クラッド12はフッ素(F)等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成る。なお、コア11はゲルマニウム(Ge)等の屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成り、クラッド12は何ら添加物の無いシリカガラスから成っていてもよい。また、コア11は屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成り、クラッド12は屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成っていてもよい。また、屈折率が高くなるドーパント及び屈折率が低くなるドーパントは特に制限されるものではない。
【0025】
内側被覆層30は、それぞれのシングルコアファイバ(10A,10B)の間を埋めるとともに、それぞれのシングルコアファイバ(10A,10B)のクラッド12の外周面を囲む。また、外側被覆層40は、内側被覆層30の外周面を被覆する。本実施形態では、長手方向と垂直な断面における内側被覆層30及び外側被覆層40の外形は円形状とされ、外側被覆層40の外径は、例えば、250μmとされる。なお、外側被覆層40の外径は、特に制限されるものではなく、250μmより大きくても小さくてもよい。また、長手方向と垂直な断面における内側被覆層30及び外側被覆層40の外形は、楕円形状や多角形状等であってもよい。また、外側被覆層40は多層構造とされてもよく、マルチコアファイバ1は外側被覆層40を備えなくてもよい。
【0026】
内側被覆層30は、樹脂を含む材料から構成され、当該樹脂としては、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂が挙げられる。内側被覆層30を構成する材料は、樹脂以外に例えばフィラーとしての無機物等を含んでいてもよい。内側被覆層30のヤング率は、シングルコアファイバ(10A,10B)のクラッド12のヤング率より小さく、例えば、0.1MPa以上10MPa以下である。
【0027】
外側被覆層40は、内側被覆層30を構成する樹脂とは異なる樹脂を含む材料から構成され、当該樹脂として例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂が挙げられる。外側被覆層40を構成する材料は、樹脂以外に例えばフィラーとしての無機物等を含んでいてもよい。外側被覆層40のヤング率は、シングルコアファイバ(10A,10B)のクラッド12のヤング率より小さく、当該ヤング率は、例えば、上記の内側被覆層30のヤング率よりも大きくい。例えば、外側被覆層40のヤング率は100MPa以上2000MPaとされる。
【0028】
本実施形態では、シングルコアファイバの数が7つとされ、内側被覆層30の中心に1つのシングルコアファイバ10Aが配置され、他の6つのシングルコアファイバ10Bが内側被覆層30の外周に沿って互いに均等な間隔に配置されている。そして、中心のシングルコアファイバ10Aと外周側のそれぞれのシングルコアファイバ10Bとが三角格子状に配置されている。従って、隣接するシングルコアファイバ10A、10Bの中心間距離は、互いに等しくされており、複数のシングルコアファイバ(10A,10B)が内側被覆層30の中心軸30caに対して回転対称となる位置に配置されている。
【0029】
次に、マルチコアファイバ1の長手方向における複数のシングルコアファイバ(10A,10B)の配置について説明する。
【0030】
図2は、図1のマルチコアファイバ1の長手方向におけるシングルコアファイバ10A、10Bの様子を概略的に示す図である。なお、図2において、理解の容易のため、内側被覆層30を破線で示し、外側被覆層40を省略し、マルチコアファイバ1の長手方向と径方向の縮尺を実際のマルチコアファイバと変えて記載している。
【0031】
図2に示すように、中心のシングルコアファイバ10Aは、内側被覆層30の中心軸30caに沿って配置されるとともに、中心軸30ca上に位置している。しかし、シングルコアファイバ10Aは、中心軸30ca上に位置せずに中心軸30caから離隔していてもよい。外周側のシングルコアファイバ10Bは、内側被覆層30の中心軸30caの周りを、互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されている。図2において、外周側のシングルコアファイバ10Bは、矢印Aの方向に沿って、左回転するように配置されている。このようなマルチコアファイバ1では、シングルコアファイバ10Bが螺旋状に形成された状態で固化されており、シングルコアファイバ10Bのコア11には恒久的な捻れが付与されている。なお、この恒久的な捻じれの付与は、内側被覆層30がある状態において恒久的な捻じれが付与されていることを意味する。
【0032】
なお、図2において、螺旋状のシングルコアファイバ10Bは、内側被覆層30の中心軸30caの周りを同じピッチで回転しており、マルチコアファイバ1の単位長さ当たりのシングルコアファイバ10Bの回転数が概ね一定とされている。しかし、螺旋状のシングルコアファイバ10Bは、中心軸30caの周りを回転するピッチが変化する区間を有していてもよい。例えば、ある所定の区間において、螺旋状のシングルコアファイバ10Bの回転のピッチが、1回/mであり、他の区間で0.5回/mであるようにしてもよく、更に他の区間で、他のピッチで回転するようにしてもよい。また、螺旋状のシングルコアファイバ10Bは、ピッチが常に変化していてもよい。
【0033】
また、特に図示しないが、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが中心軸30caの周りを回転する方向は、一定ではなく、長手方向に沿って周期的に反転してもよく、非周期的に反転してもよい。つまり、螺旋状のシングルコアファイバ10Bは、所定の区間において右回転し、当該所定の区間と隣り合う区間において左回転するように配置されてもよい。なお、本明細書では、回転する方向が周期的に反転することには、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが右回転する右回転区間と当該右回転区間と隣り合い螺旋状のシングルコアファイバ10Bが左回転する左回転区間とから成る基準区間が1つ以上連なった特定区間が、連続して繰り返されることが含まれる。例えば、マルチコアファイバ1の1mの区間において右回りに1回転し、続く0.5mの区間において左周りに1回転し、続く1mの区間において右周りに1回転し、続く0.5mの区間において左周りに1回転する場合は、周期的に反転していることに含まれる。
【0034】
なお、シングルコアファイバ10Bは、内側被覆層30の中心軸30caの周りを平均0.1回/m以上のピッチで回転していることが好ましく、平均1回/m以上のピッチで回転していることがより好ましい。また、右回転または左回転しているそれぞれの区間では、0.5回転以上回転していることが好ましい。なお、シングルコアファイバ10Bが右回転区間及び左回転区間を有している場合におけるこのピッチは、右周りの回転数、及び、左周りの回転数をともに正として加算して、ピッチを計算する。例えば、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが、マルチコアファイバ1の0.5mの区間において内側被覆層30の中心軸30caの周りを右回りに1回転して、続く0.5mの区間において左回りに1回転する場合、1m当たりの回転数は、1+1=2回であり、この場合のシングルコアファイバ10Bの回転のピッチは2回/mとなる。
【0035】
また、特に図示しないが、シングルコアファイバ(10A,10B)の外径は、マルチコアファイバ1の長手方向において変化してもよい。また、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが中心軸30caの周りを回転する方向が長手方向に沿って周期的に反転する場合、この外径は、回転が反転する周期に同期する周期で増加と減少を交互に繰り返してもよい。例えば、この外径が、回転する方向が反転する反転部位から当該反転部位に隣接し回転する方向が反転された区間内における所定部位に向かって減少する。また、この外径が、この区間内における所定部位より上記の反転部位と反対側の特定部位から次に回転する方向が反転する反転部位に向かって増加する。そして、マルチコアファイバ1の長手方向に沿って、螺旋状のシングルコアファイバ10Bの外径のこのような増加と減少が交互に繰り返されてもよい。なお、特定部位と所定部位とが同じであってもよい。
【0036】
また、特に図示しないが、螺旋状のシングルコアファイバ10Bと中心軸30caとの距離は、マルチコアファイバ1の長手方向において変化してもよい。また、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが中心軸30caの周りを回転する方向が長手方向に沿って周期的に反転する場合、螺旋状のシングルコアファイバ10Bの外径と同様に、この距離は、回転が反転する周期に同期する周期で増加と減少を交互に繰り返してもよい。例えば、この距離が、回転する方向が反転する反転部位から当該反転部位に隣接し回転する方向が反転された区間内における所定部位に向かって減少する。また、この距離が、この区間内における所定部位より上記の反転部位と反対側の特定部位から次に回転する方向が反転する反転部位に向かって増加する。そして、マルチコアファイバ1の長手方向に沿って、螺旋状のシングルコアファイバ10Bと中心軸30caとの距離のこのような増加と減少が交互に繰り返されてもよい。なお、特定部位と所定部位とが同じであってもよい。また、螺旋状のシングルコアファイバ10Bと中心軸30caとの距離は、マルチコアファイバ1の長手方向と垂直な断面におけるシングルコアファイバ10Bの中心と中心軸30caとの距離である。
【0037】
次に、本実施形態に係るマルチコアファイバ1の製造方法について説明する。
【0038】
図3は、本実施形態に係るマルチコアファイバ1の製造方法の工程を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ1の製造方法は、バンドル工程SP1と、線引き工程SP2とを主な工程として備える。
【0039】
(バンドル工程SP1)
本工程では、まず、図1のマルチコアファイバ1におけるシングルコアファイバ(10A,10B)となる円柱状の複数のシングルコアファイバ用母材10Pを準備する。本実施形態では、シングルコアファイバ用母材10Pは、コア11となる円柱状のコアガラス体11Rと、クラッド12となるクラッドガラス体12Rとを含み、クラッドガラス体12Rはコアガラス体11Rの外周面を囲っている。図1に示すように本実施形態では、シングルコアファイバ(10A,10B)の数が7つであるため、7つのシングルコアファイバ用母材10Pを準備する。また、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pが互いに同じ大きさで同じ構成とされる。コアガラス体11Rはコア11と同じ材料から構成され、クラッドガラス体12Rはクラッド12と同様の材料から構成される。
【0040】
次に、これらシングルコアファイバ用母材10Pを束ねる位置に配置する。本実施形態では、シングルコアファイバ用母材10Pを最密配置して、コアガラス体11Rの中心間距離が同じとなるようにする。そして、束ねられる位置に配置されたシングルコアファイバ用母材10Pを例えば結束バンド51により結束する。結束バンド51は、樹脂製であっても金属製であってもよい。こうして、図4に示すように、シングルコアファイバ用母材10Pが結束された状態になる。
【0041】
次に、結束されたそれぞれのシングルコアファイバ用母材10Pの一方の端部にダミーガラスロッド52を固定した後に、結束バンド51を外す。なお、図4では、ダミーガラスロッド52が破線で示されている。ダミーガラスロッド52を溶着によって固定することが好ましい。溶着による固定であれば、不純物がシングルコアファイバ用母材10Pに付着することを効果的に抑制し得る。このようにそれぞれのシングルコアファイバ用母材10Pの一端にダミーガラスロッド52を固定することで、これらシングルコアファイバ用母材10Pは、束ねられた状態に維持され、マルチコアファイバ用母材となる。
【0042】
なお、本工程は結束バンド51を用いてそれぞれのシングルコアファイバ用母材10Pを束ねた後、ダミーガラスロッド52をそれぞれのシングルコアファイバ用母材10Pに溶着したが、必ずしもこのような手順とする必要はない。例えば、1つのシングルコアファイバ用母材10Pの一端にダミーガラスロッド52を適切な位置に固定する。次に他の1つのシングルコアファイバ用母材10Pを既にダミーガラスロッド52に固定されているシングルコアファイバ用母材10Pと隣り合うように配置して、配置された他の1つのシングルコアファイバ用母材10Pの一端をダミーガラスロッド52に固定する。これを繰り返して全てのシングルコアファイバ用母材10Pを適切な位置でダミーガラスロッド52に固定してもよい。また、隣接するシングルコアファイバ用母材10P間に隙間が形成されるようにシングルコアファイバ用母材10Pを束ねてもよい。
【0043】
(線引き工程SP2)
本工程は、複数のシングルコアファイバ用母材10Pが束ねられたマルチコアファイバ用母材の下端部を加熱してそれぞれのシングルコアファイバ用母材10Pからシングルコアファイバ素線を回転させながら線引きする工程である。
【0044】
図5は、線引き工程SP2の様子を示す図である。まず、バンドル工程SP1によって束ねられた複数のシングルコアファイバ用母材10Pから成るマルチコアファイバ用母材1Pを紡糸炉110に設置する。本実施形態では、マルチコアファイバ用母材1Pを、中心に位置するシングルコアファイバ用母材10Pの中心軸10caが回転軸となるように回転させるとともに、紡糸炉110の加熱部111を発熱させて、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pの下端部を加熱する。それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pの下端部は、溶融状態となり、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pからガラスが線引きされる。線引きされた溶融状態のガラスは、紡糸炉110から出るとすぐに固化して、コアガラス体11Rがコア11となり、クラッドガラス体12Rがクラッド12となることで、コア11とクラッド12とから構成されるシングルコアファイバ素線となる。ここで、上記のように、束ねられたシングルコアファイバ用母材10Pから成るマルチコアファイバ用母材1Pは、中心に位置するシングルコアファイバ用母材10Pの中心軸10caが軸となるように回転している。マルチコアファイバ用母材1Pをこのように回転させることで、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pから線引きされるシングルコアファイバ素線に中心軸10caを軸とした回転力が伝わる。このため、外側に位置する6つのシングルコアファイバ用母材10Pから線引きされるシングルコアファイバ素線は、中心軸10caの周りを回転するように螺旋状に形成され、中心に位置するシングルコアファイバ用母材10Pから線引きされるシングルコアファイバ素線は、中心軸10caに沿うように形成される。その後、これらシングルコアファイバ素線は、冷却装置120を通過して、適切な温度まで冷却される。例えば40℃~50℃まで冷却される。
【0045】
冷却装置120から出たこれらシングルコアファイバ素線は、内側被覆層30となる第1熱硬化樹脂を含む材料が入った第1コーティング装置131を通過し、第1熱硬化樹脂を含む材料によって囲われるとともに、それぞれのシングルコアファイバ素線の間が第1熱硬化樹脂を含む材料によって埋められる。第1コーティング装置131を通過したこれらシングルコアファイバ素線は、第1加熱炉132を通過し、第1加熱炉132内で加熱される。この加熱により、第1熱硬化樹脂を形成する材料が架橋して第1熱硬化樹脂が硬化し、内側被覆層30が形成される。
【0046】
なお、内側被覆層30を紫外線硬化樹脂を含む材料から形成する場合は、それぞれのシングルコアファイバ素線を第1紫外線硬化樹脂を含む材料が入った第1コーティング装置131を通過させる。そして、それぞれのシングルコアファイバ素線を第1紫外線硬化樹脂を含む材料によって囲うとともに、それぞれのシングルコアファイバ素線の間を第1紫外線硬化樹脂を含む材料によって埋める。その後、この第1紫外線硬化樹脂を含む材料に紫外線を照射して当該第1紫外線硬化樹脂を硬化させる。
【0047】
次に、内側被覆層30が形成されたシングルコアファイバ素線の束は、外側被覆層40となる第2熱硬化樹脂を含む材料が入った第2コーティング装置133を通過し、内側被覆層30の外周面が第2熱硬化樹脂を含む材料によって被覆される。第2コーティング装置133を通過したシングルコアファイバ素線の束は、第2加熱炉134を通過し、第2加熱炉134内で加熱される。この加熱により、第2熱硬化樹脂を形成する材料が架橋して第2熱硬化樹脂が硬化し、外側被覆層40が形成される。
【0048】
なお、外側被覆層40を紫外線硬化樹脂を含む材料から形成する場合は、第2紫外線硬化樹脂を含む材料が入った第2コーティング装置133によって内側被覆層30を第2紫外線硬化樹脂で被覆したのち、この第2紫外線硬化樹脂を含む材料に紫外線を照射して当該第2紫外線硬化樹脂を硬化させる。
【0049】
こうして、図1に示すマルチコアファイバ1が形成される。
【0050】
その後、マルチコアファイバ1は、ターンプーリー141により方向が変換され、リール142により巻取られる。
【0051】
なお、マルチコアファイバ用母材1Pの回転方向を反転させることで、螺旋状のシングルコアファイバ10Bの中心軸30caの周りを回転する方向が反転される。また、マルチコアファイバ用母材1Pの回転速度を変化させることで、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが中心軸30caの周りを回転するピッチが変化する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のマルチコアファイバ1は、コア11とコア11の外周面を囲うクラッド12とを有する複数のシングルコアファイバ(10A,10B)と、被覆層としての樹脂を含む内側被覆層30とを備える。内側被覆層30は、それぞれのシングルコアファイバ(10A,10B)のクラッド12の外周面を囲う。6つのシングルコアファイバ10Bが、内側被覆層30の中心軸30caの周りを回転するように螺旋状に配置される。
【0053】
図6は、図1のマルチコアファイバ1が曲げられた状態におけるシングルコアファイバ(10A、10B)の様子を図2と同様の方法で示す図である。図6に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ1では、マルチコアファイバ1が曲げられた曲げ部位において、螺旋状のシングルコアファイバ10Bが、内側被覆層30の中心軸30caより内側に位置する内側部位10Baと外側に位置する外側部位10Bbとを有し、内側部位10Baと外側部位10Bbとが長手方向に沿って交互に存在するようにし得る。上記のように螺旋状のシングルコアファイバ10Bは樹脂から成る内側被覆層30に囲われている。このため、内側部位10Baで生じる圧縮応力と当該内側部位10Baに隣接する外側部位10Bbで生じる引張応力とによって内側被覆層30が変形する。そして、外側部位10Bbが内側被覆層30の中心軸ca側に移動して内側部位10Baにおける圧縮応力と当該内側部位10Baに隣接する外側部位10Bbにおける引張応力とが互いに弱め合うようにし得る。従って、本実施形態のマルチコアファイバ1によれば、シングルコアファイバ10Bが中心軸30caに沿う方向に直線状に配置される場合と比べて、曲げによってシングルコアファイバ10Bのコア11に生じる応力を低減し得る。
【0054】
シングルコアファイバ同士が互いに接する部位を有している場合、当該部位ではシングルコアファイバ同士の間に被覆層が介在しないことになる。一方、本実施形態では、複数のシングルコアファイバ(10A,10B)の全ては、互いに離隔している。このため、本実施形態のマルチコアファイバ1によれば、それぞれのシングルコアファイバが他のシングルコアファイバと接する部位を有している場合と比べて、曲げられた際にシングルコアファイバ(10A,10B)に生じる応力を内側被覆層30による緩衝によって低減し得、シングルコアファイバ(10A,10B)のコア11に生じる応力を低減し得る。なお、少なくとも1つのシングルファイバは、他のシングルコアファイバの少なくとも1つと互いに接する部位を有していてもよい。しかし、少なくとも1つのシングルコアファイバは、他のシングルコアファイバと互いに離隔していることが好ましい。このような構成にすることで、それぞれのシングルコアファイバが他のシングルコアファイバと接する部位を有している場合と比べて、曲げられた際にコアに生じる応力を低減し得る。
【0055】
本実施形態では、シングルコアファイバ10Aが、中心軸30caに沿って配置される。このため、シングルコアファイバ10Aの全長は、他のシングルコアファイバ10Bの全長より短い。このため、例えば、シングルコアファイバ10Aのコア11を伝搬する光信号をヘッダ信号として利用し、他のシングルコアファイバ10Bのコア11を伝搬する光信号を復調し得る。
【0056】
本実施形態では、シングルコアファイバ10Aは、中心軸30ca上に位置している。このため、シングルコアファイバ10Aが中心軸ca上に位置しない場合と比べて、曲げられた際にコア11に生じる応力を小さくし得、シングルコアファイバ10Aのコア11を伝搬する光の応力に伴う損失を小さくし得る。また、シングルコアファイバ10Aは、螺旋状のシングルコアファイバ10Bと比べて、曲げられた際にコア11に生じる応力が小さくなる傾向にある。このため、シングルコアファイバ10Aのコア11を伝搬する光の応力に伴う損失を、螺旋状のシングルコアファイバ10Bのコア11を伝搬する光の応力に伴う損失より小さくし得る。なお、これらの観点では、シングルコアファイバ10Aのコア11が中心軸30ca上に位置していることが好ましい。
【0057】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】
例えば、上記実施形態では、マルチコアファイバ用母材1Pを、中心に位置するシングルコアファイバ用母材10Pの中心軸10caが軸となるように回転させることで、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pからシングルコアファイバ素線を回転させながら線引きする線引き工程SP2を例に説明した。しかし、線引き工程SP2では、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pからシングルコアファイバ素線を回転させながら線引きすればよい。例えば、第2加熱炉134より下方に配置されるスパンローラーによってマルチコアファイバ1を当該マルチコアファイバ1の中心軸が軸となるように回転させてもよい。このような構成にすることで、スパンローラーによるマルチコアファイバ1の回転が紡糸炉110内に位置する線引きされた溶融状態のガラスまで伝搬する。このため、このような構成であっても、それぞれのシングルコアファイバ用母材10Pからシングルコアファイバ素線を回転させながら線引きでき、外周側のシングルコアファイバ10Bを、内側被覆層30の中心軸30caの周りを回転するように螺旋状に形成できる。
【0059】
また、上記実施形態では、7つのシングルコアファイバ(10A,10B)を備えるマルチコアファイバ1を例に説明した。しかし、マルチコアファイバ1は、複数のシングルコアファイバを有し、複数のシングルコアファイバにおける少なくとも1つが螺旋状のシングルコアファイバであれよい。例えば、マルチコアファイバ1は、図7に示すような構成であってもよい。図7は、変形例に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面の様子を概略的に示す図である。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0060】
図7に示すように、本変形例のマルチコアファイバ1は、シングルコアファイバの数が4つとされる点において、上記実施形態のマルチコアファイバ1と主に異なる。本変形例では、4つのシングルコアファイバ10Bが内側被覆層30の外周に沿って互いに均等な間隔に配置されている。そして、これらシングルコアファイバ10Bの位置は、内側被覆層30の中心軸30caに対して回転対称となる位置である。また、特に図示しないが、これらシングルコアファイバ10Bは、内側被覆層30の中心軸30caの周りを、互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されている。このため、本変形例のマルチコアファイバ1では、中心軸30caに平行な方向に沿って配置されるシングルコアファイバを有さず、全てのシングルコアファイバ10Bが中心軸30caの周りを回転するように螺旋状に配置されている。このため、本変形例のマルチコアファイバ1では、全てのシングルコアファイバ10Bのコア11に対して、曲げによって生じる応力を低減し得る。
【0061】
なお、1つのシングルコアファイバが内側被覆層30の中心軸30caに平行な方向に沿って配置され、他の3つのシングルコアファイバが中心軸30caの周りを互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されてもよい。また、シングルコアファイバの数が2つや3つとされる場合には、例えば、複数のシングルコアファイバは、内側被覆層30の中心軸30caの周りを互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されてもよい。また、マルチコアファイバは、少なくとも1つの螺旋状のシングルコアファイバとともに、中心軸30caに沿って配置される複数のシングルコアファイバを備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上説明したように、本発明によれば、曲げによってコアに生じる応力を低減し得るマルチコアファイバが提供され、光ファイバ通信等の分野で利用することが期待される。
【符号の説明】
【0063】
1・・・マルチコアファイバ
10A、10B・・・シングルコアファイバ
11・・・コア
12・・・クラッド
30・・・内側被覆層(被覆層)
30ca・・・内側被覆層の中心軸
40・・・外側被覆層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7