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  • 特開-ナノバブル発生撹拌玉 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128240
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ナノバブル発生撹拌玉
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/20 20220101AFI20220825BHJP
   B01F 31/00 20220101ALI20220825BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20220825BHJP
   B01F 25/70 20220101ALI20220825BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20220825BHJP
   B65D 23/04 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B01F3/04 Z
B01F11/00 B
B01F15/02 C
B01F5/18
B65D23/00 A
B65D23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026662
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】513172962
【氏名又は名称】渡辺 隼人
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 厚子
【テーマコード(参考)】
3E062
4G035
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
3E062AA04
3E062AA20
3E062AB04
3E062AC02
3E062AC03
3E062BA20
3E062KA04
4G035AB04
4G035AC37
4G035AE13
4G035AE17
4G036AB11
4G037AA11
4G037EA01
4G037EA10
(57)【要約】
【課題】ペイントスプレー、成分の沈殿する薬剤などに使われる一般的な撹拌玉は、単なる球体であり、振ることにより沈殿した成分を分散、均一に撹拌させるが、そのような撹拌玉ではナノバブルの発生が極めて不十分であった。
【解決手段】この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に収納し、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、ナノバブルが発生するようにしたことを特徴とするものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に収納し、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、ナノバブルが発生するようにしたことを特徴とするナノバブル発生撹拌玉。
【請求項2】
中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に設けたストローに取り付け、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、ナノバブルが発生するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のナノバブル発生撹拌玉。
【請求項3】
中空構造の中空体が、中空構造の壁面に1mm以上の穴を2個以上設けてあることでナノバブルが発生するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のナノバブル発生撹拌玉。
【請求項4】
中空構造の中空体が、中空構造の壁面に各種の模様が形成される所定間隔の穴を2個以上設けてあることでナノバブルが発生するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のナノバブル発生撹拌玉。
【請求項5】
中空構造の中空体が、ポリエチレンテレフタレート(PET、比重1.38前後)、ポリスチレン(比重1.05前後)、スチールなど水より重い素材からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のナノバブル発生撹拌玉。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノバブルを効率よく発生させることができるナノバブル発生撹拌玉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペイントスプレー、成分の沈殿する薬剤などに使われる一般的な撹拌玉は、単なる球体であり、振ることにより沈殿した成分を分散、均一に撹拌させるが、そのような撹拌玉ではナノバブルの発生が極めて不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特にありません。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来の撹拌玉が単なる球体であり、振ることにより沈殿した成分を分散、均一に撹拌させるが、そのような撹拌玉ではナノバブルの発生が極めて不十分であった。
そこでこの発明のナノバブル発生撹拌玉は極めて単純な構造で、非常に効率的にナノバブルを発生させることができるナノバブル発生撹拌玉を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に収納し、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、ナノバブルが発生するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
またこの発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に設けたストローに取り付け、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、ナノバブルが発生するようにしたことをも特徴とするものである。
【0007】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体が、中空構造の壁面に1mm以上の穴を2個以上設けてあることでナノバブルが発生するようにしたことをも特徴とするものである。
【0008】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体が、中空構造の壁面に各種の模様が形成される所定間隔の穴を2個以上設けてあることでナノバブルが発生するようにしたことをも特徴とするものである。
【0009】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体が、ポリエチレンテレフタレート(PET、比重1.38前後)、ポリスチレン(比重1.05前後)、スチールなど水より重い素材からなることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に収納し、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、極めて効率的に非常に高濃度のナノバブルを発生させることができるという利点がある。
【0011】
またこの発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉であって、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に設けたストローに取り付け、該液体収納容器を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、非常に安定した状態でナノバブルを発生させることができる。
【0012】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体が、中空構造の壁面に1mm以上の穴を2個以上設けてあることでナノバブルが発生するという、非常に単純な構造で低コストに作製できるという利点がある。
【0013】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体が、中空構造の壁面に各種の模様が形成される所定間隔の穴を2個以上設けてあることでナノバブルが発生するという、非常に単純な構造でかつファッション性に優れた製品を作製できるという利点がある。
【0014】
この発明のナノバブル発生撹拌玉は、中空構造の中空体が、ポリエチレンテレフタレート(PET、比重1.38前後)、ポリスチレン(比重1.05前後)、スチールなど水より重い素材からなるものであり、より効率的にナノバブルを発生させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1はナノバブル発生撹拌玉の実施方法を示した説明図であり、(a)は液体収納容器の概略斜視図、(b)はナノバブル発生攪拌玉の概略斜視図である。(実施例1)
図2図2はナノバブル発生撹拌玉の実施方法を示した説明図であり、(a)は液体収納容器の概略斜視図、(b)はナノバブル発生攪拌玉の概略斜視図である。(実施例2)
図3図3はナノバブル発生撹拌玉の実施方法を示した説明図であり、(a)は液体収納容器の概略斜視図、(b)はナノバブル発生攪拌玉の概略斜視図である。(実施例3)
図4図4はナノバブル発生撹拌玉の実施方法を示した説明図であり、(a)は液体収納容器の概略斜視図、(b)はナノバブル発生攪拌玉の概略斜視図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明のナノバブル発生撹拌玉の第1実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において11はボトルなどの液体収納容器であり、その例としては液体の化粧品や清涼飲料、果実飲料等のドリンク剤、液体肥料容器などが挙げられる。
上記液体収納容器11には、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴13を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉12が収納されるのである。
このナノバブル発生撹拌玉12をボトルなどの液体収納容器11に収納し、該液体収納容器11を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、極めて効率的に非常に高濃度のナノバブル14が発生する。
【0017】
上記ナノバブル発生撹拌玉12は、中空構造の中空体を基本構造としておればよく、球状やラグビーボール型、円柱型、ハート型その他の適宜形状とすることができる。
なお図1においては球状のナノバブル発生撹拌玉12に、適宜間隔で液体が通過する穴13を形成してあるのである。
そしてこのナノバブル発生撹拌玉12をボトルなどの液体収納容器11に収納し、該液体収納容器11を上下に振ることにより、液体が通過する穴13におけるせん断、圧壊作用により、極めて効率的にナノバブル14が発生するのである。
【0018】
図2は本発明のナノバブル発生撹拌玉の第2実施例を示すものである。
この例においても、液体収納容器21には、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴23を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉22が収納されているのである。
このナノバブル発生撹拌玉22をボトルなどの液体収納容器21に収納し、該液体収納容器21を上下に振ることにより、せん断、圧壊作用により、極めて効率的に非常に高濃度のナノバブル24が発生する。
【0019】
上記ナノバブル発生撹拌玉22は球状であり、この球場のナノバブル発生撹拌玉22に、球状の上下の頂点25を通り適宜感覚で複数本の円形の仮想線上に沿って液体が通過する穴23を形成してあるのである。
そしてこのナノバブル発生撹拌玉22をボトルなどの液体収納容器21に収納し、該液体収納容器21を上下に振ることにより、液体が通過する穴23におけるせん断、圧壊作用により、極めて効率的にナノバブル24が発生するのである。
【0020】
図3は本発明のナノバブル発生撹拌玉の第3実施例を示すものである。
この例においては、液体収納容器31には、上部の噴射部32にストロー33が取り付けられており、このストロー33外周の適宜位置に、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴35を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉34がはめ込まれているのである。
このナノバブル発生撹拌玉34をこのストロー33外周の適宜位置に取り付け、該液体収納容器31を上下に振ることにより、ストロー33からの液体の噴射に伴い、またナノバブル発生撹拌玉34におけるせん断、圧壊作用により、極めて効率的に非常に高濃度のナノバブル36が発生する。
【0021】
図4は本発明のナノバブル発生撹拌玉の第4実施例を示すものである。
この例においては、液体収納容器41には、上部の噴射部42にストロー43が取り付けられており、このストロー43外周の適宜位置に、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴45を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉44がはめ込まれているのである。
このナノバブル発生撹拌玉44をこのストロー43外周の適宜位置に取り付け、該液体収納容器41を上下に振ることにより、ストロー43からの液体の噴射に伴い、またナノバブル発生撹拌玉44におけるせん断、圧壊作用により、極めて効率的に非常に高濃度のナノバブル46が発生する。
【0022】
一般的に化粧品などで使用されている160ccのボトルにおいて、振り方条件としては、上下の幅を10cm以上、10秒間に10回とし、穴径は2mm、穴数は撹拌玉に水分が残らないように8箇所をバランスよく配置したものを用いた。
中空かつ穴の開いたナノバブル発生撹拌玉の数量を1個では、1mlあたり、発生ナノバブル量は平均3.5E×7(3,500万個)であった。
中空かつ穴の開いたナノバブル発生撹拌玉の数量を3個では、1mlあたり、発生ナノバブル量は平均1.0E×8(1億個)であった。
中空かつ穴の開いたナノバブル発生撹拌玉の数量を5個では、1mlあたり、発生ナノバブル量は平均2.2E×8(2.2億個)の発生量であった。
中空、穴の開いた撹拌玉の数量が増すごとにナノバブル発生量が増加した。
また、上下の幅を10cm以上、20秒間に20回とした場合は、約10%の平均発生量が増加した。また、液体が通過する穴をつゆ型、マーキス型を配置しても同様な結果が出た。
さらに、ナノバブル発生撹拌玉自体をラグビーボール型、円柱型、ハート型などでも穴をバランスよく配置することでも同様の結果が得られた。つまり、ナノバブル発生撹拌玉の入った容器を上下に振り、ナノバブル発生撹拌玉内部を液体が、通過することによりせん断、圧壊され、ナノバブルが発生することがわかつた。
【0023】
以上のナノバブル発生撹拌玉のメリットとしては、一般的に使用されている化粧品容器やドリンク容器、液体肥料容器など容器口より入る大きさの攪拌玉を入れることによりナノバブルを発生させることが可能となった。
したがって、ナノバブル発生用のパーツを化粧品容器やドリンク容器、液体肥料容器内などの何処かに設置しなくて良い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉を用意することにより、このナノバブル発生撹拌玉をボトルなどの液体収納容器に収納し、該液体収納容器を上下に振るだけで、せん断、圧壊作用により、極めて効率的に非常に高濃度のナノバブルを発生させることができる。
しかも、中空構造の中空体でかつ液体が通過する穴を中空構造の壁面に複数個設けたナノバブル発生撹拌玉を準備するだけでよく、非常に低コストで高密度のナノバブルを得ることができ、化粧品容器やドリンク容器、液体肥料容器などに好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0025】
11 液体収納容器
12 ナノバブル発生撹拌玉
13 液体が通過する穴
14 ナノバブル
21 液体収納容器
22 ナノバブル発生撹拌玉
23 液体が通過する穴
24 ナノバブル
25 球状の上下の頂点
31 液体収納容器
32 噴射部
33 ストロー
34 ナノバブル発生撹拌玉
35 穴
36 ナノバブル
41 液体収納容器
42 噴射部
43 ストロー
44 ナノバブル発生撹拌玉
45 穴
46 ナノバブル

図1
図2
図3
図4