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特開2022-128355現金の出金方法、現金出金機、サーバ及び現金出金システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128355
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】現金の出金方法、現金出金機、サーバ及び現金出金システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20220825BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20220825BHJP
【FI】
G06Q40/02
G07D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026833
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 一郎
【テーマコード(参考)】
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA01
3E141CB04
3E141FC01
5L055BB01
(57)【要約】
【課題】現金を要求する利用者に現金を出金する際にサーバを介在させる。
【解決手段】現金の出金方法は、ネットワークを通じてサーバに接続されるとともに現金の出金を行う現金出金機を有する現金所有者から利用者への現金の出金方法であって、サーバが利用者の端末からの出金の要求を受信するステップと、サーバと利用者の端末との間で利用者の認証処理を行うステップと、サーバが受信した出金の要求に応じて現金所有者の選択を行うステップと、サーバが選択に基づく現金所有者の端末に受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を送信するステップと、サーバが現金出金機から送信した出金の要求に基づく現金の出金の通知を受信するステップと、サーバが利用者の口座からの送信した出金の要求に応じた金額を出金させるステップと、サーバが現金所有者の口座への送信した出金の要求に応じた金額を入金させるステップとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じてサーバに接続されるとともに現金の出金を行う現金出金機を有する現金所有者から利用者への現金の出金方法であって、
前記サーバが前記利用者の端末からの出金の要求を受信する出金要求受信ステップと、 前記サーバと前記利用者の端末との間で利用者の認証処理を行う認証ステップと、
前記サーバが前記受信した出金の要求に応じて前記現金所有者の選択を行う選択ステップと、
前記サーバが前記選択に基づく前記現金所有者の端末に前記受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を送信する現金出金要求送信ステップと、
前記サーバが前記現金出金機から前記送信した出金の要求に基づく現金の出金の通知を受信する出金通知受信ステップと、
前記サーバが前記利用者の口座からの前記送信した出金の要求に応じた金額を出金させる口座出金ステップと、
前記サーバが前記現金所有者の口座への前記送信した出金の要求に応じた金額を入金させる口座入金ステップと
を含む現金の出金方法。
【請求項2】
前記口座出金ステップは、前記現金所有者への報酬を含む金額を前記出金の要求に応じた金額として出金させ、
前記口座入金ステップは、前記報酬を含む金額を前記出金の要求に応じた金額として入金させる
請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項3】
前記報酬は、デジタルデータにより構成される請求項2に記載の現金の出金方法。
【請求項4】
前記口座出金ステップは、手数料を含む金額を前記出金の要求に応じた金額として出金させる請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項5】
前記利用者の口座及び前記現金所有者の口座は、前記サーバの外側に配置される請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項6】
前記選択ステップは、前記利用者の位置と前記現金所有者の位置とに基づく前記現金所有者の選択を含む請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項7】
前記サーバが前記選択ステップにおいて選択された現金所有者に基づいて前記利用者が更に選択した現金所有者の通知を前記利用者の前記端末から受信する選択現金所有者通知受信ステップを更に有し、
前記現金出金要求送信ステップは、前記利用者により前記選択された現金所有者の前記端末に前記通知を送信する
請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項8】
前記現金出金機及び前記サーバは、前記利用者の前記端末及び前記現金所有者の前記端末が前記サーバに接続されるネットワークと異なるネットワークを通じて接続される請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項9】
前記サーバが前記現金の出金における前記現金所有者の評価を前記利用者の前記端末から受信する評価受信ステップを更に含む請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項10】
前記サーバが前記現金出金機から前記現金の出金の際の前記利用者を撮影した動画を受信する動画受信ステップを更に有する請求項1に記載の現金の出金方法。
【請求項11】
現金を所有する現金所有者が保持する現金出金機であって、
利用者の端末から送信された現金の出金の要求に基づいて選択された前記現金所有者の端末に前記現金の出金の要求を送信するサーバと無線通信を介したネットワーク接続を行う通信部と、
現金の出金を行う現金出金部と、
前記通信部及び前記現金出金部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記現金所有者の前記端末に送信された前記現金の出金の要求に基づく現金を前記現金出金部に出金させる出金制御と、前記現金の出金の後に前記通信部に現金の出金の通知を前記サーバへ送信させる出金通知送信制御とを行う
現金出金機。
【請求項12】
前記現金の出金の際の前記利用者を撮影して動画を生成する撮影部を更に備え、
前記制御部は、前記生成された動画を前記通信部に前記サーバに対して送信させる制御を更に行う
請求項11に記載の現金出金機。
【請求項13】
現金を所有する現金所有者が保持する現金出金機とネットワークを通じて接続されるとともに現金の出金を要求する利用者への前記現金出金機からの現金の出金の制御を行うサーバであって、
前記現金出金機と無線通信を介したネットワーク接続を行う通信部と、
前記利用者の端末からの出金の要求を前記通信部が受信した場合に前記受信した出金の要求に応じて前記現金所有者の選択を行う現金所有者選択制御と、前記通信部に前記受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を前記選択に基づく前記現金所有者の端末へ送信させる出金要求送信制御と、前記現金出金機からの前記出金の要求に基づく現金の出金の通知を前記通信部が受信した場合に前記利用者の口座から前記出金の要求に応じた金額を出金させる口座出金制御と、前記現金出金機からの前記現金の出金の通知を前記通信部が受信した場合に前記現金所有者の口座へ前記出金の要求に応じた金額を入金させる口座入金制御とを行う制御部と
を備える
サーバ。
【請求項14】
前記利用者のデータが登録される利用者データを保持する利用者データ保持部と、
前記現金所有者及び前記現金出金機のデータが登録される現金所有者データを保持する現金所有者データ保持部と
を更に備え、
前記現金所有者選択制御は、前記利用者データに登録された前記利用者の端末からの前記出金の要求を前記通信部が受信した場合に前記現金所有者データに登録された前記現金所有者を前記受信した出金の要求に応じて選択し、
前記出金要求送信制御は、前記現金の出金の要求を前記現金所有者データに登録された前記現金所有者の端末へ送信させ、
前記口座出金制御は、前記現金所有者データに登録された前記現金出金機からの前記現金の出金の通知を前記通信部が受信した場合に前記利用者データに登録された前記利用者の口座から前記出金の要求に応じた金額を出金させ、
前記口座入金制御は、前記現金所有者データに登録された前記現金出金機からの前記現金の出金の通知を前記通信部が受信した場合に前記現金所有者データに登録された前記現金所有者の口座へ前記出金の要求に応じた金額を入金させる
請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
現金を所有する現金所有者が保持する現金出金機と、当該現金出金機とネットワークを通じて接続されるとともに現金の出金を要求する利用者への前記現金出金機からの現金の出金の制御を行うサーバを備える現金出金システムであって、
前記現金出金機は、
前記利用者の端末からの現金の出金の要求を受信して、前記現金の出金の要求に基づいて選択された前記現金所有者の端末に前記現金の出金の要求を送信する前記サーバと無線通信を介したネットワーク接続を行う通信部と、
現金の出金を行う現金出金部と、
前記現金所有者の前記端末に送信された前記現金の出金の要求に基づく現金を前記現金出金部に出金させる出金制御と、前記現金の出金の後に前記通信部に現金の出金の通知を前記サーバへ送信させる出金通知送信制御とを行う第1の制御部と
を備え、
前記サーバは、
前記現金出金機と無線通信を介したネットワーク接続を行う通信部と、
前記利用者の端末からの出金の要求を前記通信部が受信した場合に前記受信した出金の要求に応じて前記現金所有者の選択を行う現金所有者選択制御と、前記通信部に前記受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を前記選択に基づく前記現金所有者の端末へ送信させる出金要求送信制御と、前記現金出金機からの前記現金の出金の通知を前記通信部が受信した場合に前記利用者の口座から前記出金の要求に応じた金額を出金させる口座出金制御と、前記現金出金機からの前記現金の出金の通知を前記通信部が受信した場合に前記現金所有者の口座へ前記出金の要求に応じた金額を入金させる口座入金制御とを行う第2の制御部と
を備える
現金出金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現金の出金方法、現金出金機、サーバ及び現金出金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードや電子貨幣(電子マネー)の普及に伴い、現金を使用する機会が減少している。いわゆるキャッシュレス化が進み、現金自動支払い機(CD:Cash Dispenser)や現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine)の減少が進むと予想されている。CDやATMは、銀行等の金融機関とオンライン接続され、利用率に対して場所代等の高い維持費が必要となるためである。
【0003】
一方、現金に限定された決済に使用する等、現金の需要は依然として存在する。また、高齢者、特に郊外に住む高齢者においては、銀行やATMの所在地に出向くことが困難な場合がある。そこで、現金を求める利用者に現金を届けるサービスが提案されている。例えば、現金支払いサーバと、ネットワークと、ネットワークを通じて現金支払いサーバに接続する複数のクライアント端末とを含むアドホック現金支払いネットワークが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このアドホック現金支払いネットワークでは、現金要求側のユーザが端末を使用して現金を求める要求を現金支払いサーバへ送信する。この現金を求める要求には現金要求側のユーザの端末の位置を含む。この位置に基づいて、現金支払いサーバは、現金要求側ユーザに近接する1以上の他のユーザを見つけ、これらの近接ユーザの少なくとも1人が要求金額の現金を提供する意思があり提供可能であることを検証する。この提供側のユーザから要求側のユーザに現金の譲渡が行われる。この現金の譲渡は、手渡しによる譲渡が想定される。この現金の譲渡の後、提供側のユーザの端末及び要求側のユーザの端末の間でデジタルデータを交換し、譲渡の確認が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2014-527226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、現金の譲渡に現金支払いサーバが介在できないという問題がある。このため、譲渡の確認が適切に行われず、取引の安全性が担保されないという問題がある。
【0007】
そこで、本開示では、現金を要求する利用者に対して現金を出金する現金出金方法において、現金の出金にサーバが介在する現金の出金方法、現金出金機、サーバ及び現金出金システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の現金の出金方法は、ネットワークを通じてサーバに接続されるとともに現金の出金を行う現金出金機を有する現金所有者から利用者への現金の出金方法であって、上記サーバが上記利用者の端末からの出金の要求を受信する出金要求受信ステップと、上記サーバと上記利用者の端末との間で利用者の認証処理を行う認証ステップと、上記サーバが上記受信した出金の要求に応じて上記現金所有者の選択を行う選択ステップと、上記サーバが上記選択に基づく上記現金所有者の端末に上記受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を送信する出金要求送信ステップと、上記サーバが上記現金出金機から上記送信した出金の要求に基づく現金の出金の通知を受信する出金通知受信ステップと、上記サーバが上記利用者の口座からの上記送信した出金の要求に応じた金額を出金させる口座出金ステップと、上記サーバが上記現金所有者の口座への上記送信した出金の要求に応じた金額を入金させる口座入金ステップとを含む現金の出金方法である。
【0009】
また、本開示の現金出金機は、現金を所有する現金所有者が保持する現金出金機であって、通信部と、現金出金部と、制御部とを備える。通信部は、利用者の端末から送信された現金の出金の要求に基づいて選択された上記現金所有者の端末に上記現金の出金の要求を送信するサーバと無線通信を介したネットワーク接続を行う。現金出金部は、現金の出金を行う。制御部は、上記通信部及び現金出金部を制御し、上記現金所有者の上記端末に送信された現金の出金の要求に基づく現金を上記現金出金部に出金させる出金制御と、上記現金の出金の後に上記通信部に上記現金の出金の通知を上記サーバへ送信させる出金通知送信制御とを行う。
【0010】
また、本開示のサーバは、現金を所有する現金所有者が保持する現金出金機とネットワークを通じて接続されるとともに現金の出金を要求する利用者への上記現金出金機からの現金の出金の制御を行うサーバであって、通信部と、制御部とを備える。通信部は、上記現金出金機と無線通信を介したネットワーク接続を行う。制御部は、上記利用者の端末からの出金の要求を上記通信部が受信した場合に上記受信した出金の要求に応じて上記現金所有者の選択を行う現金所有者選択制御と、上記通信部に上記受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を上記選択に基づく上記現金所有者の端末へ送信させる出金要求送信制御と、上記現金出金機から上記出金の要求に基づく現金の出金の通知を上記通信部が受信した場合に上記利用者の口座から上記出金の要求に応じた金額を出金させる口座出金制御と、上記現金出金機から上記出金の要求に基づく現金の出金の通知を上記通信部が受信した場合に上記現金所有者の口座へ上記出金の要求に応じた金額を入金させる口座入金制御とを行う。
【0011】
また、本開示の現金出金システムは、現金を所有する現金所有者が保持する現金出金機と、当該現金出金機とネットワークを通じて接続されるとともに現金の出金を要求する利用者への上記現金出金機からの現金の出金の制御を行うサーバを備える現金出金システムである。上記現金出金機は、通信部と、現金出金部と、第1の制御部とを備える。通信部は、上記利用者の端末からの現金の出金の要求を受信して、上記現金の出金の要求に基づいて選択された上記現金所有者の端末に上記現金の出金の要求を送信するサーバと無線通信を介したネットワーク接続を行う。現金出金部は、現金の出金を行う。第1の制御部は、上記現金所有者の上記端末に送信された現金の出金の要求に基づく現金を上記現金出金部に出金させる出金制御と、上記現金の出金の後に上記通信部に上記現金の出金の通知を上記サーバへ送信させる出金通知送信制御とを行う。上記サーバは、通信部と、第2の制御部とを備える。通信部は、上記現金出金機と無線通信を介したネットワーク接続を行う。第2の制御部は、上記利用者の端末からの出金の要求を上記通信部が受信した場合に上記受信した出金の要求に応じて上記現金所有者の選択を行う現金所有者選択制御と、上記通信部に上記受信した出金の要求に基づく現金の出金の要求を上記選択に基づく上記現金所有者の端末へ送信させる出金要求送信制御と、上記現金出金機から上記出金の要求に基づく現金の出金の通知を上記通信部が受信した場合に上記利用者の口座から上記出金の要求に応じた金額を出金させる口座出金制御と、上記現金出金機から上記出金の要求に基づく現金の出金の通知を上記通信部が受信した場合に上記現金所有者の口座へ上記出金の要求に応じた金額を入金させる口座入金制御とを行う。
【発明の効果】
【0012】
本開示の現金の出金方法、現金出金機、サーバ及び現金出金システムによれば、現金を要求する利用者に現金を出金する現金出金方法における現金の出金にサーバが介在することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1Aは、実施形態の現金出金機を示す外観図である。
図1B図1Bは、実施形態の現金出金機の使用例を示す図である。
図2図2は、実施形態の現金出金システムを示す図である。
図3図3は、実施形態の利用者データを示す図である。
図4図4は、実施形態の現金所有者データを示す図である。
図5図5は、実施形態の取引データを示す図である。
図6図6は、実施形態の現金の出金の手順を示すシーケンス図である。
図7図7は、実施形態の現金出金機を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0015】
(1.第1の実施形態)
[現金出金機]
図1Aは、実施形態の現金出金機を示す外観図である。同図は、本開示の実施形態に係る現金出金機100の一例を示す図である。また、図1Aは現金出金機100の外観を表す図である。この現金出金機100は、可搬型に構成され、現金の保持及び保持した現金の出金を行うものである。この現金出金機100は、現金を必要とする利用者に現金を届けるサービスを請け負う現金所有者が帯同する装置である。現金の在高(残金)や出金データを記録し、上位に転送する機能を有する。
【0016】
図1Aの現金出金機100は、筐体の上部に操作パネル101が配置され、前面上部に出金口102が配置されて構成される。操作パネル101は、現金出金機100を操作する際の情報の入出力を行うパネルであり、例えば、タッチパネルを備える表示パネルにより構成することができる。出金口102は、現金を取り出す際に使用する開口部である。なお、前面下部には、紙幣カセット取り出しエリア103が配置される。この紙幣カセット取り出しエリア103は、紙幣を保持する紙幣カセットを取り出すエリアである。なお、紙幣カセットは、後述する現金収納部140を構成する。
【0017】
[現金出金機の使用例]
図1Bは、実施形態の現金出金機の使用例を示す図である。同図は、本開示の実施形態に係る現金出金機100の使用例を示す図である。同図の現金出金機100は、車600の荷室に配置される例を表したものである。このように、現金出金機100は、車600により搬送することができる。なお、車600には、現金出金機100を駆動するための電源装置等が配置され、車600に配置された状態において、後述するサーバ400との通信や現金の出金を行うことができる。現金所有者は、現金出金機100を車600に搭載して利用者の指定する場所に移動することができる。
【0018】
[現金出金システム]
図2は、実施形態の現金出金システムを示す図である。同図は、本開示の第1の実施形態に係る現金出金システム1の構成例を示す図である。同図の現金出金システム1は、現金出金のサービスを提供する事業者4のサーバ400に登録された利用者3の要求する現金をサーバ400に登録された現金所有者2が配達するサービスである。また、同図には、現金出金機100及びサーバ400のブロック図を記載した。
【0019】
同図の現金出金システム1は、現金出金機100と、現金所有者端末200と、利用者端末300と、サーバ400とを備える。現金出金機100、利用者端末300及び現金所有者端末200は、ネットワーク10を介してサーバ400に接続される。ネットワーク10は、例えば、有線ネットワーク及び無線ネットワークにより構成することができる。また、ネットワーク10には、インターネットを使用したバーチャルプライベートネットワーク(VPN:Virtual Private Network)等の商用ネットワークサービスを適用することができる。
【0020】
同図を使用して現金出金サービスの概要を説明する。まず、利用者3が利用者端末300を使用してサーバ400に現金の出金の要求を送信する(1)。次に、サーバ400が登録している現金所有者のうちの現金所有者2を選択する(2)。これは、現金所有者2の現金所有者端末200に利用者3の現金の出金の要求を通知することにより行われる。次に、現金所有者2は、現金を準備して利用者3の指定する日時及び指定する場所に移動する。この際、現金所有者2は、図1において説明した現金出金機100を帯同させる。次に、現金所有者2が現金出金機100を操作する(3)。具体的には、現金出金機100の操作パネル101を使用して現金の出金の指示を入力する。これにより、現金出金機100が現金(同図の現金9)を出金する(4)。この現金9は、利用者3に引き渡される(5)。現金の出金後、サーバ400は、利用者3及び現金所有者2の口座を有する金融機関(金融機関5)に対して上述の現金の出金に応じた金額の入金及び出金の指示を送信する(6)。なお、便宜上、利用者3及び現金所有者2の口座は、同じ金融機関5に保有されるものと想定する。
【0021】
このように、利用者3の口座及び現金所有者2の口座は、事業者4のサーバ400の外側に配置される。事業者4は、現金出金のサービスのみを提供することができる。
【0022】
利用者端末300は、利用者3が保持する端末である。この利用者端末300には、例えば、スマートフォンを適用することができる。利用者端末300は、現金出金サービスのアプリケーションソフトウェアを備える。利用者3は、このアプリケーションソフトウェアを介して現金出金サービスを利用することができる。なお、利用者3は、現金出金サービスにユーザ登録する必要がある。この登録には、利用者3の情報及び使用する利用者端末300の情報を登録する。以下、利用者3が利用者端末300を使用してサーバ400に送信する現金の出金の要求を利用者出金要求と称する。この利用者出金要求には、利用者3の識別コード等の他、要求する現金の金額や現金の受け取り場所及び日時が含まれる。
【0023】
また、利用者3は、現金所有者2から現金の引き渡しの後に、現金所有者2を評価することもできる。この場合、利用者3は、利用者端末300を介して現金所有者2の評価結果をサーバ400に送信することができる。また、例えば、利用者は、利用者端末300に生体認証データ(虹彩、指紋、手のひら静脈等の情報があらかじめ登録されている)を有することにより、当該生体認証データを用いて本人認証を行い、よりセキュアな通信を行うことができる。また、認証結果を利用者端末300からネットワーク10を通じてサーバ400に送信するようにしても良い。
【0024】
現金所有者端末200は、現金所有者2が保持する端末である。この現金所有者端末200には、例えば、スマートフォンを適用することができる。現金所有者端末200は、利用者端末300と同様に、現金出金サービスのアプリケーションソフトウェアを備える。現金所有者2は、このアプリケーションソフトウェアを介して現金出金サービスを利用することができる。なお、現金所有者2は、利用者3と同様に、現金出金サービスにユーザ登録する必要がある。この登録には、現金所有者2の情報、使用する現金所有者端末200及び現金出金機100の情報を登録する。登録された現金所有者2は、出金可能な現金や自身の所在地等のデータをサーバ400に送信する。また、現金所有者端末200には、利用者3からの利用者出金要求に基づく現金の出金の要求がサーバ400から送信される。
【0025】
なお、利用者端末300及び現金所有者端末200には、スマートフォンの他に、携帯型のパーソナルコンピュータ等を使用することもできる。
【0026】
[現金出金機の構成]
現金出金機100は、操作パネル101と、制御部110と、通信部120と、GPS通信部130と、現金収納部140と、現金出金部150とを備える。
【0027】
通信部120は、無線通信を行うものである。この通信部120は、ネットワーク10を介してサーバ400と接続する。
【0028】
GPS通信部130は、GPS衛生からの信号を受信して現在位置を出力するものである。
【0029】
現金収納部140は、現金を収納するものである。この現金収納部140は、紙幣を収納する。また、現金収納部140は、出金の際に収納した現金を現金出金部150に移動させる。
【0030】
現金出金部150は、制御部110の制御に基づいて、現金を出金するものである。この現金出金部150は、現金収納部140から移動された現金を出金する。現金出金部150は、例えば、前述の出金口102の内側に配置することができる。この場合、現金の出金は、出金口102が開いた際に現金出金部150に載置された現金を外部から取り出し可能な状態にすることにより行うことができる。現金が取り出された後には、出金口102が閉じられる。
【0031】
制御部110は、現金出金機100の全体を制御するものである。具体的には、制御部110は、通信部120における送信及び受信の制御、GPS通信部130からの現在位置の取得、現金出金部150の現金の出金の制御を行う。
【0032】
また、制御部110は、サーバ400により現金所有者端末200に送信された現金の出金の要求に基づく現金を現金出金部150に出金させる出金制御を行う。この出金制御は、現金所有者2が操作パネル101から入力した出金の指示に基づいて行うことができる。また、この出金制御は、サーバ400が送信する出金の指示に基づいて行うこともできる。
【0033】
また、制御部110は、上述の現金の出金の後に通信部120を制御して現金の出金の通知をサーバ400へ送信させる出金通知送信制御を行う。
【0034】
なお、現金出金機100の構成は、この例に限定されない。例えば、異常時に警報を発する装置や盗難を防止する装置を付加することもできる。また、同図の現金出金機100は、可搬式のキャッシュディスペンサーを想定したものであるが、他の構成の現金出金機100を使用することもできる。例えば、通信機能を備えて電子キーにより解錠する金庫に構成された現金出金機100を使用することもできる。なお、制御部110は、特許請求の範囲に記載の第1の制御部の一例である。
【0035】
[サーバの構成]
サーバ400は、制御部410と、通信部420と、利用者データ保持部430と、現金所有者データ保持部440と、取引データ保持部450とを備える。
【0036】
通信部420は、ネットワーク10に接続するものである。この通信部420は、ネットワーク10を介して現金出金機100、現金所有者端末200、利用者端末300及び金融機関5のサーバ(不図示)と接続する。
【0037】
利用者データ保持部430は、利用者3のデータである利用者データ(後述する利用者データ431)を保持するものである。利用者データには、利用者3を識別するデータが登録される。利用者データ保持部430には、利用者データをデータベースとして保持する記憶装置を使用することができる。利用者データの詳細については後述する。
【0038】
現金所有者データ保持部440は、現金所有者2のデータである現金所有者データ(後述する現金所有者データ441)を保持するものである。現金所有者データには、現金所有者を識別するデータが登録される。現金所有者データ保持部440には、現金所有者データをデータベースとして保持する記憶装置を使用することができる。現金所有者データの詳細については後述する。
【0039】
取引データ保持部450は、現金出金サービスに係る取引を記録するものである。取引データ保持部450には、取引を記録する記憶装置を使用することができる。取引データ保持部450に記録される取引の詳細については後述する。
【0040】
制御部410は、サーバ400の全体を制御するものである。具体的には、制御部410は、通信部420における送信及び受信の制御並びに利用者データ保持部430、現金所有者データ保持部440及び取引データ保持部450に対するデータの入出力の制御を行う。
【0041】
また、制御部410は、利用者3の認証及び現金所有者2の認証を行う。この認証は、それぞれ利用者端末300及び現金所有者端末200を介して行うことができる。
【0042】
また、制御部410は、利用者端末300からの利用者出金要求を通信部420が受信した場合に受信した利用者出金要求に応じて現金所有者2の選択を行う現金所有者選択制御を行う。現金所有者2の選択は、例えば、利用者出金要求に含まれる現金の金額や現金の受け取り場所等に基づいて、現金所有者データ保持部440に保持された現金所有者データに登録された現金所有者を選択することにより行うことができる。また、制御部410は、複数の現金所有者を選択することもできる。その後、制御部410は、通信部420に選択した現金所有者を利用者端末300へ送信させる。制御部410は利用者端末300から本人認証された情報とともに、出金要求を受けるため、第三者がデータを改ざんして出金を要求することはできない。
【0043】
利用者3は、利用者端末300に送信された現金所有者から1人を選択し、選択した現金所有者をサーバ400に送信する。制御部410は、利用者端末300からの選択された現金所有者を通信部420が受信すると、通信部420に利用者出金要求に基づく現金の出金の要求(以下、現金出金要求と称する)を利用者3が選択した現金所有者2の現金所有者端末200へ送信させる現金出金要求送信制御を行う。この現金出金要求には、現金の金額や現金の引き渡し場所等の情報が含まれる。
【0044】
その後、現金所有者2が現金出金機100を操作して現金出金機100に現金を出金ささせると、現金出金機100が現金の出金の通知をサーバ400に対して送信する。制御部410は、現金出金機100からの現金の出金の通知を通信部420が受信した際に出金の終了を把握することができる。また、この際、制御部410(サーバ400)は、現金所有者2から利用者3への現金の引き渡しが終了したものと判断することができる。
【0045】
その後、制御部410は、利用者3の口座から利用者出金要求に応じた金額を出金させる口座出金制御と、現金所有者2の口座へ利用者出金要求に応じた金額を入金させる口座入金制御とを行う。これらの口座には、利用者データ及び現金所有者データに登録された口座を使用する。また、利用者3の口座からの出金においては、利用者出金要求に係る現金の金額に現金出金システム1の手数料及び現金所有者2への報酬が加算された金額が出金される。また、現金所有者2の口座への入金においては、利用者出金要求に係る現金の金額に報酬が加算された金額が入金される。なお、現金所有者2への報酬は、電子マネー等のデジタルデータを使用して支払うこともできる。
【0046】
また、制御部410は、利用者端末300から現金所有者2の評価結果が送信された際に、当該評価結果により現金所有者データの信頼度を更新することができる。また、制御部410は、この評価結果を現金所有者端末200に送信することができる。
【0047】
なお、サーバ400の名称は、「サーバ」に限定されるものではなく、他の名称、例えば、「情報処理装置」を適用することができる。また、制御部410は、特許請求の範囲に記載の第2の制御部の一例である。
【0048】
なお、現金出金システム1の構成は、この例に限定されない。例えば、現金出金機100及びサーバ400を接続するネットワークは、同図のネットワーク10とは異なるネットワークを使用することもできる。具体的には、現金出金機100及びサーバ400は、より高いセキュリティのネットワークにより接続することができる。
【0049】
[利用者データ]
図3は、実施形態の利用者データを示す図である。同図は、本開示の第1の実施形態に係る利用者データ431の一例を示す図である。利用者データ431は、利用者コード、利用者情報、利用者端末データ、認証データ、口座情報及び信頼度により構成することができる。
【0050】
利用者コードは、登録された利用者3を識別するコードである。利用者情報は、利用者3の氏名等の情報である。利用者端末データは、利用者端末300を識別するデータである。認証データは、利用者端末300を介した利用者3の認証に使用するデータである。この認証データには、生体認証のデータを使用することができる。口座情報は、利用者3の金融機関5における口座の情報である。信頼度は、利用者3の現金出金サービスに係る信頼度である。この信頼度は、現金所有者2の評価結果により変化する。
【0051】
[現金所有者データ]
図4は、実施形態の現金所有者データを示す図である。同図は、本開示の第1の実施形態に係る現金所有者データ441の一例を示す図である。現金所有者データ441は、現金所有者コード、現金所有者情報、現金所有者端末データ、認証データ、現金出金機データ、所有現金情報、位置情報、口座情報及び信頼度により構成することができる。
【0052】
現金所有者コードは、登録された現金所有者2を識別するコードである。現金所有者情報は、現金所有者2の氏名等の情報である。現金所有者端末データは、現金所有者端末200を識別するデータである。認証データは、現金所有者端末200を介した現金所有者2の認証に使用するデータである。この認証データには、生体認証のデータを使用することができる。現金出金機データは、現金出金機100を識別するデータである。所有現金情報は、現金所有者2が所有する現金の情報である。この所有現金情報は、現金所有者2が出金可能な現金を表す。位置情報は、現金所有者2の現在の所在を表す情報である。口座情報は現金所有者2の金融機関5における口座の情報である。信頼度は、現金所有者2の現金出金サービスに係る信頼度である。この信頼度は、利用者3の評価結果により変化する。
【0053】
[取引データ]
図5は、実施形態の取引データを示す図である。同図は、本開示の第1の実施形態に係る取引データ451の一例を示す図である。取引データ451は、取引ID、取引コード、利用者コード、現金所有者コード、金額、手数料及び報酬により構成することができる。
【0054】
取引IDは、現金出金の取引を識別するものである。取引コードは、取引の種類を表すコードである。この取引コードは、利用者3からの現金出金要求の受信や現金出金機100からの現金の出金の通知の受信等を表すコードにより構成される。利用者コード及び現金所有者コードは、取引の当事者のコードを表す。金額は、出金の金額を表す。手数料及び報酬は、それぞれ出金サービスの手数料及び現金所有者2への報酬を表す。
【0055】
[現金の出金]
図6は、実施形態の現金の出金の手順を示すシーケンス図である。同図は、本開示の第1の実施形態に係る現金出金システム1における現金の出金の手順の一例を示す図である。なお、同図の「金融機関5」は、金融機関5のサーバを表す。
【0056】
まず、利用者3が利用者端末300を操作して現金出金サービスのアプリケーションソフトウェアを起動してサーバ400との通信を開始する。利用者端末300及びサーバ400との間において認証が行われる(ステップS101)。このとき利用者端末300を操作している者が本人であることを確認するために生体認証を用いることもできる。この利用者3の認証情報をサーバ400に送信し、サーバ400側で認証することもできる。あるいは、利用者端末300内だけで認証を行うこともできる。なお、ステップS101は、特許請求の範囲に記載の認証ステップの一例である。次に、利用者端末300から利用者出金要求が送信され、サーバ400により受信される(ステップS102)。なお、ステップS102は、特許請求の範囲に記載の出金要求受信ステップの一例である。
【0057】
利用者出金要求を受信したサーバ400は、受信した利用者出金要求に含まれる金額や位置情報等に基づいて現金所有者データ441に含まれる現金所有者を選択する(ステップS103)。例えば、サーバ400は、利用者3の位置に近接する現金所有者を複数選択することができる。なお、ステップS103は、特許請求の範囲に記載の選択ステップの一例である。次に、サーバ400は、選択した現金所有者の候補を現金所有者端末200に送信して現金所有者を提示する(ステップS104)。
【0058】
利用者3は、利用者端末300においてサーバ400から送信された現金所有者を確認し、1人を選択する(ステップS105)。この際、利用者3は、信頼度等に基づいて現金所有者を選択することができる。次に、利用者3は、選択した現金所有者(現金所有者2)をサーバ400に送信し、選択した現金所有者(以下、選択現金所有者と称する)を通知する。この通知は、サーバ400により受信される(ステップS106)。なお、ステップS106は、特許請求の範囲に記載の選択現金所有者通知受信ステップの一例である。
【0059】
利用者端末300からの選択現金所有者の通知を受信したサーバ400は、選択現金所有者に係る現金所有者2の現金所有者端末200に現金出金要求を送信する(ステップS107)。なお、ステップS107は、特許請求の範囲に記載の現金出金要求送信ステップの一例である。次に、現金所有者端末200及びサーバ400の間において認証を行う(ステップS108)。現金所有者2は、現金所有者端末200のアプリケーションソフトウェアを使用して現金出金要求を確認し、受諾する旨を応答する(ステップS109)。現金所有者2は、現金出金機100を帯同して現金出金の位置(場所)に移動する。
【0060】
現金出金の場所に移動して利用者3と面会した現金所有者2は、現金出金機100を操作する(ステップS110)。この操作により、現金出金機100は、サーバ400との間においてネットワーク接続を開始する(ステップS111)。これにより、現金出金機100及びサーバ400の間においてネットワークコネクションが確立される。この際、現金出金機100は、取引IDや現在地をサーバ400に送信することができる。次に、現金出金機100は、現金を出金する(ステップS112)。具体的には、現金出金機100の制御部110が現金出金部150に現金を出金させる。出金された現金は、利用者3に引き渡される。次に、現金出金機100は、出金の通知をサーバ400に送信し(ステップS113)、出金が終了した旨を連絡する。なお、ステップS113は、特許請求の範囲に記載の出金通知受信ステップの一例である。サーバ400からの応答(ステップS114)を受信すると、現金出金機100は、ネットワーク接続を停止する(ステップS115)。
【0061】
次に、利用者3は、利用者端末300のアプリケーションソフトウェアを使用して現金の受領をサーバ400に通知する(ステップS116)。
【0062】
次に、サーバ400は、利用者3の口座からの出金の指示を金融機関5のサーバに送信する(ステップS117)。この利用者3の口座からの出金の金額には、手数料及び報酬が含まれる。なお、ステップS117は、特許請求の範囲に記載の口座出金ステップの一例である。金融機関5のサーバは、この指示の送信に対して応答する(ステップS118)。次に、サーバ400は、現金所有者2の口座への入金の指示を金融機関5のサーバに送信する(ステップS119)。この現金所有者2の口座への入金の金額には、報酬が含まれる。なお、ステップS119は、特許請求の範囲に記載の口座入金ステップの一例である。金融機関5のサーバは、この指示の送信に対して応答する(ステップS120)。
【0063】
次に、利用者3は、利用者端末300のアプリケーションソフトウェアを使用して現金所有者2に対する評価結果をサーバ400に送信する(ステップS121)。サーバ400は、受信した評価結果に基づいて現金所有者データ441における現金所有者2の信頼度を更新する。また、サーバ400は、受信した評価結果を現金所有者端末200に送信する(ステップS122)。
【0064】
以上の手順により、現金出金システム1にて現金の出金を行うことができる。なお、現金所有者2及び利用者3は、現金の出金場所等について現金所有者端末200及び利用者端末300をそれぞれ使用して交渉することもできる。この場合、交渉結果が現金所有者端末200及び利用者端末300からサーバ400に送信される。また、現金所有者2が利用者3を評価することもできる。この評価の結果は、現金所有者端末200からサーバ400に送信することができる。サーバ400は、この評価の結果に基づいて利用者データ431における利用者3の信頼度を更新し、評価の結果を利用者端末300に送信することができる。
【0065】
[実施例の効果]
現金の出金の際、現金出金機100とサーバ400とがネットワーク接続されるため、サーバ400が現金の出金を把握することができる。現金所有者2から利用者3への現金の出金にサーバ400が介在することができ、取引の安全性を向上させることができる。
【0066】
(2.第2の実施形態)
上述の第1の実施形態の現金出金機100は、現金の出金の際、サーバ400とネットワーク接続されていた。これに対し、本開示の第2の実施形態の現金出金機100は、現金の警送の機能を備える点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0067】
[現金出金機の構成]
図7は、実施形態の現金出金機を示すブロック図である。同図は、本開示の第2の実施形態に係る現金出金機100の構成例を示す図である。同図の現金出金機100は、撮影部160を更に備える点で、図2の現金出金機100と異なる。
【0068】
撮影部160は、人物等を撮影して動画を生成するものである。この撮影部160は、現金の出金の様子を撮影して動画を生成し、制御部110に出力する。撮影部160は、例えば、現金出金機100の前面に配置されたカメラにより構成することができる。撮影部160により現金出金機100からの現金の出金や出金された現金の利用者3への引き渡しの様子を撮影することができる。制御部110は、通信部420に撮影された動画をサーバ400へ送信させる制御を行う。このように取引の様子を動画に記録してサーバ400に送信することにより、取引における不測の事態に備えることができる。
【0069】
なお、現金出金システム1における現金の警送は、この例に限定されない。例えば、サーバ400と接続可能なロボット等を使用することもできる。
【0070】
これ以外の現金出金機100の構成は本開示の第1の実施形態における現金出金機100の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
[実施例の効果]
このように、本開示の第2の実施形態の現金出金機100は、取引の様子を撮影する撮影部160を備えることにより、現金出金機100に警送の機能を付加することができる。現金の輸送における安全性を向上させることができる。
【0072】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 現金出金システム
10 ネットワーク
100 現金出金機
110 制御部
120 通信部
150 現金出金部
160 撮影部
200 現金所有者端末
300 利用者端末
400 サーバ
410 制御部
420 通信部
430 利用者データ保持部
431 利用者データ
440 現金所有者データ保持部
441 現金所有者データ
450 取引データ保持部
451 取引データ
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7