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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128374
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】サンダル
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/12 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
A43B3/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021067378
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】597076336
【氏名又は名称】中村 憲三
(72)【発明者】
【氏名】中村 憲三
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA11
4F050AA22
4F050BD11
4F050HA17
4F050HA53
4F050LA10
(57)【要約】
【課題】足の指や足の裏を刺激することのできるサンダルを提供する。
【解決手段】この履物サンダル1は、台部本体2と台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の板状のポール3を備えて、さらに、第二趾と第三趾の股にあたる領域から第三趾、第四趾、第五趾を越えた領域までの足指バンド4を備えている。板状のポール3を足の指の第一趾と第二趾の股で挟み、残りの足指の第三趾、第四趾、第五趾を、足指バンド4に入れて着用するのである。板状のポール3を足の指の第一趾と第二趾の股で挟み込み、サンダル1を持ち上げ歩行を開始した時点から足の指や足の裏が動きはじめるので、使用者の身体に好ましい影響を効果的に与えることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンダルの台部本体において、第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の板状のポールを備え、第二趾と第三趾の股にあたる領域から第三趾と第四趾を越え、さらに、第五趾を越えた領域までの足指バンドを備えたことを特徴とするサンダル。
【請求項2】
請求項1記載のサンダルにおいて、第二趾と第三趾の股にあたる領域から第三趾と第四趾を越え、さらに、第五趾を越えた領域までの前記足指バンドに代えて、第三趾と第四趾の股にあたる領域から、第四趾と第五趾を越えた領域までの足指バンドを備えたことを特徴とするサンダル。
【請求項3】
請求項1記載のサンダルにおいて、第二趾と第三趾の股にあたる領域から第三趾と第四趾を越え、さらに、第五趾を越えた領域までの前記足指バンドに代えて、第四趾と第五趾の股にあたる領域から、第五趾を越えた領域までの足指バンドを備えたことを特徴とするサンダル。
【請求項4】
請求項1記載のサンダルにおいて、第二趾と第三趾の股にあたる領域から第三趾と第四趾を越え、さらに、第五趾を越えた領域までの前記足指バンドに代えて、第二趾と第三趾の股の領域、さらに、第三趾と第四趾の股の領域、さらに、第四趾と第五趾の股の領域に、上方に立ち上がるポールを備えたことを特徴とするサンダル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏を刺激する、サンダルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下駄や草履やサンダルなどの履物は、足の親指である第一趾と足の人差し指である第二趾の股で鼻緒の前坪を挟み、足の指の甲側と足の甲側をつかって鼻緒を持ち上げて使用するものである。そのため、足の指や足の裏側にも力が入りよく動くので、健康に良い影響を与えてきた。しかし現代では、鼻緒付きの履物を殆ど使用しなくなり、足の指や足の裏側が刺激されることが少なくなった。この問題点に関し、下記[特許文献1]には、常時着用した状態で生活することが可能な、鼻緒付き中敷きに関する発明が開示されている。
【0003】
しかしながら、[特許文献1]に記載の発明のように、鼻緒付き中敷きを着用した状態で靴を履くのでは、鼻緒の持つ効力が少なくなるという問題点があった。靴とは足の指や足の甲で、靴全体を持ち上げて歩行するのである。その鼻緒付き中敷きを、靴の中に入れて使用するのだが、鼻緒付き中敷きよりも先に足の甲側が靴のアッパーを持ち上げるので、鼻緒の持つ効力を妨げる要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-047940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、係る問題点に鑑みなされたもので、靴やハイヒールやパンプスやサンダルやスリッパなど硬い底に守られて、刺激されることの少なくなった足の指や足の裏を、刺激することのできる、サンダルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、サンダルの台部本体2において、前記台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の板状のポール3を備え、第二趾と第三趾の股にあたる領域から、第三趾、第四趾、さらに、第五趾を越えた領域までの、足指バンド4を備えたことを特徴とするサンダル1を提供することにより、上記課題を解決する。
【0007】
第2の手段は、サンダルの前記台部本体2において、前記台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の前記板状のポール3を備え、第二趾と第三趾の股にあたる領域から、第三趾と第四趾と第五趾を越えた領域までの前記足指バンド4に代えて、第三趾と第四趾の股にあたる領域から、第四趾と第五趾を越えた領域までの足指バンド6を備えたことを特徴とするサンダル1を提供することにより、上記課題を解決する。
【0008】
第3の手段は、サンダルの前記台部本体2において、前記台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の前記板状のポール3を備え、第二趾と第三趾の股にあたる領域から、第三趾、第四趾、さらに、第五趾を越えた領域までの前記足指バンド4に代えて、第四趾と第五趾の股にあたる領域から第五趾を越えた領域までの足指バンド9を備えたことを特徴とするサンダル1を提供することにより上記課題を解決する。
【0009】
第4の手段は、サンダルの前記台部本体2において、前記台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の前記板状のポール3を備え、第二趾と第三趾の股にあたる領域から、第三趾、第四趾、さらに、第五趾を越えた領域までの前記足指バンド4に代えて、第二趾と第三趾の股の領域に、上方に立ち上がるポール8を備え、第三趾と第四趾の股の領域にも上方に立ち上がるポール9を備え、さらに、第四趾と第五趾の股の領域にも上方に立ち上がるポール10を備えたことを特徴とするサンダル1を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るサンダルは、第一趾と第二趾の股がポールを挟み込むと、ポールを掴む動作がはじまる。ポールを掴んだ足指と、足指バンドに入っている足指で、台部本体を持ち上げ歩行するので、足の指や足の裏が動き、足の裏に効果的な刺激を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る第1の形態のサンダル1を示す斜視図である。
図2】本発明に係る第1の形態のサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
図3】本発明に係るサンダル1の、台部2の表面上から出ている、板状のポール3を示す斜視図である。
図4】本発明に係るサンダル1の、台部2の表面上から出ている円筒状のポール5の例を示す斜視図である。
図5】本発明に係る第2の形態のサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
図6】本発明に係る第3の形態のサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
図7】本発明に係る第4の形態のサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施の形態においては、履物の一例としてサンダルについて記載する。勿論、本発明は、室内用サンダルやスリッパや室内用スリッパにも、適用できるものである。
【0013】
本発明に係るサンダル1の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、台部本体2と台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の板状のポール3を備え、さらに、足指の第三趾と第四趾と第五趾が入る足指バンド4を備えた、本発明に係るサンダル1の全体の斜視図である。なお、図面においては便宜上、片側の右足用のサンダル1のみを記載した。
【0014】
なお、ポールを下駄の鼻緒で説明する。前坪とは、鼻緒を台部に挿げる三点のうちの一点を担っているもので、第一趾と第二趾の股に入る鼻緒の一部の前坪のことである。その前坪は、鼻緒を挿げるためだけの前坪であるため、前坪の名称を用いずに、ポールと名称を用いている。
【0015】
ポールの形状としては、図4に示すように、円筒状のポール5でも構わないが、図3に示すように、偏平な板状のポール3のほうが第一趾と第二趾や第一趾と第二趾の足指の股が、ポールを掴みやすくて好ましい。板状のポール3は、台部本体2の表面上から板状のポールの上部まで同一な厚みでも良いが、図3に示すように、台部本体2の表面上から同じ厚みに成形し、最上部にかけて厚く成形するのが好ましい。この形成によれば、足指の股がポールから抜けるのを防止する機能を有する。これはポールを挟み持ち上げるとき、第一趾と第二趾、さらに、第一趾と第二趾の股がポールを掴んでいなければならず、力を必要とする。台部本体2の表面上からポールの上部まで同一な太さでは、足指の股から抜けやすく、第一趾と第二趾、さらに、第一趾と第二趾の股にかかる、掴んでいる負担が大きくなり、長時間の使用は難しくなる。
【0016】
図2は、図1を、踵部方向からみたところの背面図である。
【0017】
また、図3は、サンダル1の台部2の表面上から出ているところの板状のポール3の斜視図である。高さに限定はなく、背丈のある第一趾と同じ高さかそれ以上の高さが好ましい。
【0018】
ポールの材質に関しては、シリコンゴム等の比較的柔軟な合成樹脂を用いることが好ましいが、これに限定されるわけでは無く、プラスチック等の硬質な合成樹脂の他にも、紙や紙紐、布や布紐、ゴムや合成ゴム、植物繊維や植物繊維の束、その他の素材を用いることができる。また、複数の素材を組み合わせて構成することもできる。
【0019】
また、図4は、台部2の表面上から出ているところの、他のポールの例で、円筒状ポール5を示す斜視図である。円筒状のポール5は、台部本体2の表面上から同じ太さに成形し、最上部にかけて太く成形したほうが好ましく、抜けを防止する機能を有する。
【0020】
また、図5は、板状のポール3と足指の第四趾と第五趾が入る足指バンド6を備えたサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
【0021】
また、図6は、板状のポール3と足指の第五趾が入る足指バンド7を備えたサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
【0022】
さらに、図7は、第一趾と第二趾の股にあたる領域の板状のポール3と、第二趾と第三趾の股にあたる領域に板状のポール8と、第三趾と第四趾の股にあたる領域に板状のポール9、さらに第四趾と第五趾の股にあたる領域に板状のポール10を備えたサンダル1を、踵部方向からみたところの背面図である。
【0023】
本発明に係るサンダル1は、図1図2に示すように、台部本体2と台部本体2の第一趾と第二趾の股にあたる領域に、上方に立ち上がる単独の板状のポール3を備えている。板状のポール3を足の指の第一趾と第二趾の股で挟みこみ、残りの足指の第三趾、第四趾、第五趾を、第二趾と第三趾の股にあたる領域から、第三趾、第四趾、さらに、第五趾を越えた領域まで備えられた足指バンド4に入れて着用するのである。尚、第二趾と第三趾の股にあたる領域から、第三趾、第四趾、第五趾を越えた領域まで備えられた足指バンド4の幅を、第五趾の先端から第五趾の付け根を越えて足の側部の領域まで広げてかけても、効力においては変わりがなく構わない。また、足指バンド4の幅を狭めて、足の側部の一部の領域に、紐としてかけても構わない。
【0024】
台部本体2は、スリッパやサンダルや屋内用サンダルなどの履物の標準的な台部形状を想定した平面視形状に形成されている。台部本体2のサイズは、特に限定されず適宜設定される。足の裏のサイズに合わせて様々な大きさに形成される。足の裏よりも大きく又は小さく形成されても構わないが、足の裏が台部本体2からはみ出さない程度が好ましい。スリッパやサンダルなどの履物と同様、左足用と右足用の左右対称の台部本体2が好ましい。幼児や子供の足の裏のサイズに合わせて形成して、幼児用や子供用をつくることもできる。
【0025】
台部本体2の材質に関しては、市場にでているスリッパやサンダルの材質で構わない。屋内用としてのサンダル1に関しても、屋内用として市場にでているスリッパやサンダルの材質で構わないが、床を傷つけないよう、特に柔軟で軽量の材質、発泡プラスチックや合成ゴムや天然ゴムやコルクを用いることが好ましいが、布地や紙地の表面に塩化ビニル樹脂を塗布した人工素材や布地や紙地の表面にポリウレタン樹脂を塗布した人工素材など様々な素材を用いることができる。
【0026】
板状のポール3の位置は、図1図2に示すように、台部本体2の中心から外れているので、第一趾と第二趾の股で板状のポール3を掴み、台部本体2を持ち上げようとすると、板状のポール3が支点となって台部本体2が足の裏からずれてしまう。ここで、第1の形態の足指バンド4は、図1図2に示すように、第二趾と第三趾の股にあたる領域から第三趾、第四趾、第五趾を越えた領域まで備えられており、その足指バンド4に、第三趾、第四趾、第五趾を入れて着用するのである。この構成によれば、この足指バンド4に足指が入っていると、台部本体2が足裏からずれることはなく、第一趾と第二趾がポールを掴んで、足指バンド4のなかの足指とともに、台部本体2を持ち上げ歩行できる。第一趾と第二趾の股がポールを挟むと、第一趾と第二趾がポール3を掴む動作がはじまり、足の裏が動きだし刺激を与えることができる。足の指や足の裏が動くことで、足の甲部やアキレス腱や脹脛など、膝から下の運動量が増すのである。だから、効果的な刺激を与えることができる。足指バンド4を、第一趾と第二趾の股にあたる領域から第二趾と第三趾と第四趾を越え、さらに、第五趾を越えた領域までの足指バンドを備えても良いが、第一趾と第二趾の股でポール3と足指バンド4の両方を挟み込むのは、足指の股の負担が大きくなるので好ましくはない。
【0027】
また、第2の形態の足指バンド6は、図5に示すように、第三趾と第四趾の股にあたる領域から第五趾を越えた領域まで備えられており、その足指バンド6に第四趾、第五趾を入れて着用するのである。この構成によれば、足指バンド6に入れるのは、第1の形態の三本の足指よりも少なく、第四趾、第五趾の二本の足指のために、第一趾と第二趾に負担が増し、足指や足の裏への刺激が大きくなり好ましい。
【0028】
また、第3の形態の足指バンド7は、図6に示すように、第四趾と第五趾の股にあたる領域から第五趾を越えた領域まで備えられており、その足指バンド7に、第五趾を入れて着用するのである。この構成によれば、足指バンド7に入れるのは、第1の形態の三本の足指と第2の形態の二本の足指よりも少なく第五趾の一本の足指のために、さらに、第一趾と第二趾に負担が増し、足指や足の裏への刺激が大きくなり好ましい。
【0029】
また、第4の形態には足指バンドは備えずに、図7に示すように、台部本体2の表面上に板状ポール3と板状ポール8と板状のポール9と板状のポール10の合計四本のポールを備えている。この構成によれば、足指バンドを用いないために、足指や足指の股に負担が集中して、運動能力と力を必要とするので、お年寄りには困難である。だが、足を鍛えたい人にとっては、トレーニングの道具となるから好ましい。ポールの大きさは、同じ大きさや同じ太さや同じ厚さでなくてもよく、それぞれのポールが異なる形状であってもよい。
【0030】
尚、第一趾と第二趾の股にあたる領域の板状のポールは必要であるが、第二趾と第三趾の股と第三趾と第四趾の股、さらに、第四趾と第五趾の股のそれぞれの領域のポールに限定はないが、それらの股の領域のどこかに、一本のポールがあればよい。どこの股の領域を選択するか、何本のポールを立ち上げるのか、選択できることはいうまでもない。
【0031】
尚、上記に示したサンダル1の各部、板状のポール3や円筒状のポール5や足指バンドを含めた、それらの形状、寸法、構成、デザイン等は一例であるから、開示された例示に限定されるものでは無く、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【0032】
たとえば、本実施の形態の板状のポール3は偏平な板状となっているが、偏平な楕円柱状や円柱状や偏平な円筒状や偏平な流線形状などの様々な形状を選択することができる。さらに、糸を束ねた束を、布や柔軟な合成樹脂で覆うなどして構成したポールも好適である。さらに、大きさや太さや厚みなど、足指の股の開く範囲内で選択することができることもいうまでもない。
【0033】
また、第三趾、第四趾、第五趾を、一本ずつしか入らない足指バンドに入れるようにしても構わないが、足の弱っている人には、足指を一本一本足指バンドに入れるのは難しい。効果としては、第一の形態の足指バンド4と変わらないので、第三趾、第四趾、第五趾の三本が入る、着用しやすい足指バンド4が好ましい。
【0034】
さらに、台部本体や足指バンド、さらに、ポールなどを、段ボールや厚紙などで個別につくり、貼り合わせて作ることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 サンダル
2 台部本体
3 板状のポール
4 第三趾と第四趾と第五趾が入る、足指バンド
5 円筒状のポール
6 第四趾と第五趾が入る、足指バンド
7 第五趾が入る、足指バンド
8 第二趾と第三趾の股にあたる領域の、板状のポール
9 第三趾と第四趾の股にあたる領域の、板状のポール
10 第四趾と第五趾の股にあたる領域の、板状のポール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7