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特開2022-128394光学イメージングシステム、撮像モジュール及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128394
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】光学イメージングシステム、撮像モジュール及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20220825BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129313
(22)【出願日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】202110199773.7
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 興晨
(72)【発明者】
【氏名】黄 国顔
(72)【発明者】
【氏名】游 家志
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087KA02
2H087LA03
2H087PA05
2H087PA17
2H087PB05
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA12
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】薄型化や短尺化を実現し、結像品質が良好な光学イメージングシステムを提供する。
【解決手段】光学イメージングシステムは、物体側から像側へと順に、像側面が近光軸で凹面である第1レンズと、負の屈折率を有する第2レンズと、正の屈折率を有し、且つ像側面が近光軸で凹面である第3レンズと、負の屈折率を有する第4レンズと、正の屈折率を有する第5レンズと、を備え、前記光学イメージングシステムは、95℃/mm<FOV/TL5<105/mm、1mm-1<FNO/TL4<1.5mm-1という条件式を満足する。上記条件式において、FOVは前記光学イメージングシステムの最大視野角であり、TL5は前記第5レンズの物側面から結像面までの光軸方向での距離であり、FNOは光学イメージングシステムの絞り数であり、TL4は前記第4レンズの物側面から前記結像面までの光軸方向での距離である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学イメージングシステムであって、物体側から像側へと順に、
像側面が近光軸で凹面である第1レンズと、
負の屈折率を有する第2レンズと、
正の屈折率を有し、且つ像側面が近光軸で凹面である第3レンズと、
負の屈折率を有する第4レンズと、
正の屈折率を有する第5レンズと、を備え、
前記光学イメージングシステムは、95℃/mm<FOV/TL5<105/mm、1mm-1<FNO/TL4<1.5mm-1という条件式を満足し、
上記条件式において、FOVは前記光学イメージングシステムの最大視野角であり、TL5は前記第5レンズの物側面から結像面までの光軸方向での距離であり、FNOは光学イメージングシステムの絞り数であり、TL4は前記第4レンズの物側面から前記結像面までの光軸方向での距離であることを特徴とする光学イメージングシステム。
【請求項2】
前記第4レンズの物側面は近光軸で凹面であり、前記第4レンズの像側面は、近光軸で凸面であることを特徴とする請求項1に記載の光学イメージングシステム。
【請求項3】
前記第5レンズの像側面は近光軸で凹面であり、前記第5レンズの像側面は縁に近いところで凸面であり、前記第5レンズの物側面と像側面の少なくとも一方は非球面であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学イメージングシステム。
【請求項4】
前記光学イメージングシステムは、1.5<Imgh/f<2.0という条件式を満足し、
上記条件式において、Imghは、前記光学イメージングシステムの最大視野角に対応する像高の半分であり、fは、前記光学イメージングシステムの有効焦点距離であることを特徴とする請求項1に記載の光学イメージングシステム。
【請求項5】
前記光学イメージングシステムは、0.75<(V2+V3+V5)/(V1+V4)<1という条件式を満足し、
上記条件式において、V1は前記第1レンズの分散係数であり、V2は前記第2レンズの分散係数であり、V3は前記第3レンズの分散係数であり、V4は前記第4レンズの分散係数であり、V5は前記第5レンズの分散係数であることを特徴とする請求項1に記載の光学イメージングシステム。
【請求項6】
前記光学イメージングシステムは、3<TL1/f<3.5という条件式を満足し、
上記条件式において、TL1は前記第1レンズの物側面から結像面までの光軸方向での距離であり、fは前記光学イメージングシステムの有効焦点距離であることを特徴とする請求項1に記載の光学イメージングシステム。
【請求項7】
前記光学イメージングシステムは、f/EPD<2.5という条件式を満足し、
上記条件式において、fは前記光学イメージングシステムの有効焦点距離であり、EPDは前記光学イメージングシステムの瞳入り直径であることを特徴とする請求項1に記載の光学イメージングシステム。
【請求項8】
前記光学イメージングシステムは、2.4<V4/V5<3.0という条件式を満足し、
上記条件式において、V4は前記第4レンズの分散係数であり、V5は前記第5レンズの分散係数であることを特徴とする請求項1に記載の光学イメージングシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の光学イメージングシステムと、
前記光学イメージングシステムの像側に設けられた感光素子と、
を備えることを特徴とする撮像モジュール。
【請求項10】
ケースと、請求項9に記載する撮像モジュールと、を備え、
前記撮像モジュールは、前記ケースに設けられていることを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光学イメージング技術分野に関し、具体的に光学イメージングシステム、撮像モジュール及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像機能を有する携帯型電子製品の普及に伴い、光学システムの需要が高まっている。一般に、光学イメージングシステムの感光素子は、フォトカプラー素子(Charge Coupled Device,CCD)や相補酸化金属半導体コンポーネント(Complementary Metal-Oxide Semiconductor Sensor,CMOSS)であり、半導体製造プロセス技術の精進に伴い、受光素子の画素サイズが縮小され、高画素分野への展開が進み、画質への要求も益々増加している。
【0003】
従来、携帯型電子装置に搭載される光学イメージングシステム、例えば4枚レンズ構成は、スマートフォン(Smart Phone)やPDA(Personal Digital Assistant)等の電子装置の流行により、光学イメージングシステムは、画素と結像品質の急速な上昇を示しているが、既知の4枚タイプの光学イメージングシステムは、より高次の撮影システム、例えば広角や望遠といった機能を満たすことはできない。現在の五枚の光学イメージングシステムは、撮像品質が良好であることに加えて、広角または望遠の単一機能を有することができるが、光学イメージングシステムの全体長さは容易に短縮されず、小型化電子製品の応用に差し障る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題を鑑みて、光学イメージングシステム、撮像モジュール及び電子装置を提供して、上記の問題を解決する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係る光学イメージングシステムは、物体側から像側へと順に、像側面が近光軸で凹面である第1レンズと、負の屈折率を有する第2レンズと、正の屈折率を有し、且つ像側面が近光軸で凹面である第3レンズと、負の屈折率を有する第4レンズと、正の屈折率を有する第5レンズと、を備え、前記光学イメージングシステムは、95℃/mm<FOV/TL5<105/mm、1mm-1<FNO/TL4<1.5mm-1という条件式を満足し、上記条件式において、FOVは前記光学イメージングシステムの最大視野角であり、TL5は前記第5レンズの物側面から結像面までの光軸方向での距離であり、FNOは光学イメージングシステムの絞り数であり、TL4は前記第4レンズの物側面から前記結像面までの光軸方向での距離である。
【0006】
上述した光学イメージングシステムは、コンパクトな空間排布や合理的な屈曲力配分により、薄型化や短尺化を実現し、電子製品の小型化に有利である。上記条件を満たす場合、入射光線を光学イメージングシステムに入射した際の屈折角度の変化を緩やかにすることができ、光学イメージングシステムの収差の過剰な増殖を効果的に回避し、迷光の形成を低減し、結像品質が良好で、焦点距離が大きく、遠景を鮮明に撮影することができるとともに、広い画角を有し、近景を鮮明に撮影することができる。
【0007】
いくつかの態様において、前記第4レンズの物側面は近光軸で凹面であり、前記第4レンズの像側面は、近光軸で凸面である。
【0008】
いくつかの態様において、前記第5レンズの像側面は近光軸で凹面であり、前記第5レンズの像側面は縁に近いところで凸面であり、前記第5レンズの物側面と像側面の少なくとも一方は非球面である。
【0009】
いくつかの態様において、前記光学イメージングシステムは、1.5<Imgh/f<2.0という条件式を満足し、
上記条件式において、Imghは、前記光学イメージングシステムの最大視野角に対応する像高の半分であり、fは、前記光学イメージングシステムの有効焦点距離である。
【0010】
いくつかの態様において、前記光学イメージングシステムは、0.75<(V2+V3+V5)/(V1+V4)<1という条件式を満足し、
上記条件式において、V1は前記第1レンズの分散係数であり、V2は前記第2レンズの分散係数であり、V3は前記第3レンズの分散係数であり、V4は前記第4レンズの分散係数であり、V5は前記第5レンズの分散係数である。
【0011】
いくつかの態様において、前記光学イメージングシステムは、3<TL1/f<3.5という条件式を満足し、
上記条件式において、TL1は前記第1レンズの物側面から結像面までの光軸方向での距離であり、fは前記光学イメージングシステムの有効焦点距離である。
【0012】
いくつかの態様において、前記光学イメージングシステムは、f/EPD<2.5という条件式を満足し、
上記条件式において、fは前記光学イメージングシステムの有効焦点距離であり、EPDは前記光学イメージングシステムの瞳入り直径である。
【0013】
いくつかの態様において、前記光学イメージングシステムは、2.4<V4/V5<3.0という条件式を満足し、
上記条件式において、V4は前記第4レンズの分散係数であり、V5は前記第5レンズの分散係数である。
【0014】
本発明の一実施形態による撮像モジュールは、上述したような光学イメージングシステムと、前記光学イメージングシステムの像側に設けられた感光素子と、を備える。
【0015】
本発明の一実施形態に係る電子装置は、ケースと、前記ケースに設けられる上記のような撮像モジュールと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本願の第1実施形態に係る光学イメージングシステムの構造を示す図である。
図2】本願の第1実施形態における光学イメージングシステムのフィールドカーブと歪みとの概略図。
図3】本願の第2実施形態に係る光学イメージングシステムの概略構成図である。
図4】本願の第2実施形態における光学イメージングシステムのフィールドカーブと歪みとの概略図。
図5】本願の第3実施形態に係る光学イメージングシステムの概略構成図である。
図6】本願の第3実施形態における光学イメージングシステムのフィールドカーブと歪みとの概略図。
図7】本願の第4実施形態に係る光学イメージングシステムの概略構成図である。
図8】本願の第4実施形態における光学イメージングシステムのフィールドカーブと歪みとの概略図。
図9】本願の実施形態に係る撮像モジュールの構造を示す図である。
図10】本願の実施形態に係る電子装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明するが、図面において、先頭から終端までの同一または類似の符号が、同一または類似の素子または同一または類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照して説明した実施形態は例示的なものであり、本願発明を解釈するためであり、本願を制限するものではない。
【0018】
図1に示すように、本実施形態における光学イメージングシステム10は、物体側から像側に向かって順に、第1レンズL1、負の屈折力を有する第2レンズL2、正の屈折力を有する第3レンズL3、負の屈折力を有する第4レンズL4及び正の屈折力を有する第5レンズL5を備える。
【0019】
第1レンズL1は、物側面S3および像側面S4を有している。第2レンズL2は、物側面S6及び像側面S7を有する。第3レンズL3は、物側面S8および像側面S9を有する。第4レンズL4は、物側面S10および像側面S11を有する。第4レンズL5は、物側面S12および像側面S13を有する。図1において、設計の必要性のために、物側面S1と像側面S2とを有する仮想面L0を設ける必要がある。
【0020】
なお、仮想面L0の像側面S2は、第1レンズL1の物側面S3に接する。第1レンズL1の像側面S4は、近光軸で凹面となっている。第3レンズL3の像側面S9は、近光軸で凹面となっている。第4レンズL4の物側面S10は近光軸で凹面であり、第4レンズL4の像側面S11は近光軸で凸面である。第5レンズL5の像側面S13は近光軸で凹面であり、第5レンズL5の像側面S13は縁に近いところで凸面であり、第5レンズL5の物側面S12と像側面S13の少なくとも一方は非球面である。
【0021】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、95%/mm<FOV/TL5<105/mm、1mm-1<FNO/TL4<1.5mm-1という条件式を満足する。
ここで、FOVは、光学イメージングシステム10の最大画角であり、TL5は、第5レンズL5の物側面12から撮像面IMAまでの光軸方向での距離であり、FNOは、光学イメージングシステム10の絞り数であり、TL4は、第4レンズL4の物側面10から撮像面IMAまでの光軸方向での距離である。
【0022】
上記条件を満たす場合、入射光線を光学イメージングシステム10に入射する際の屈折角度の変化を緩やかにすることができ、光学イメージングシステム10の収差の過剰増殖を効果的に避けることができ、迷光の発生を低減し、結像品質が良好で、焦点距離が大きく、遠景を鮮明に撮影することができ、また、画角が大きく、近景を鮮明に撮影することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、1.5<Imgh/f<2.0という条件式を満足する。
ここで、Imghは光学イメージングシステム10の最大視野角に対応する像高の半分であり、fは光学イメージングシステムの焦点距離である。これにより、光学イメージングシステム10の望遠特性の向上に寄与する。
【0024】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、0.75<(V2+V3+V5)/(V1+V4)<1という条件式を満足する。
ここで、V1は第1レンズL1の分散係数であり、V2は第2レンズL2の分散係数であり、V3は第3レンズL3の分散係数であり、V4は第4レンズL4の分散係数であり、V5は第5レンズL5の分散係数である。これにより、色収差補正と像収差補正との間で良好なバランスをとることができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、3<TL1/f<3.5という条件式を満足する。
ここで、TL1第1レンズL1の物側面S3から結像面IMAまでの光軸方向での距離であり、fは光学イメージングシステム10の焦点距離である。これにより、光学イメージングシステム10に望遠特性を持たせながら、光学イメージングシステム10の全長を短くすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、f/EPD<2.5という条件式を満足する。
ここで、fは光学イメージングシステム10の焦点距離であり、EPDは光学イメージングシステム10の瞳入り直径である。このように、fとEPDの比は、光学イメージングシステム10の進光量と絞り数を制御して、光学イメージングシステム10に絞りの効果とより遠い景深範囲とを持たせ、さらに、光学イメージングシステム10が無限遠物体を鮮明に撮像できるとともに、近くの物体に対しても優れた解像力を有するように構成され、光学イメージングシステム10の撮像品質を向上させる。
【0027】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、2.4<V4/V5<3.0という条件式を満足する。
ただし、V4は第4レンズL4の分散係数、V5は第5レンズL5の分散係数である。このように、色収差の補正に寄与する。
【0028】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、ダイヤフラムSTOをさらに含む。ダイヤフラムSTOは、何れか1つのレンズの表面、または、第1レンズL1の前、または、任意の2つのレンズの間、または、第4レンズL4の像側面S9に配置されてもよい。例えば、図1において、絞りSTOは、第2レンズL2の物側面S6に設けられており、その絞りの種類は、迷光を低減するためにフレア絞り(GlareStop)や視野絞り(FieldStop)などであり、映像品質の向上に寄与することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、光学イメージングシステム10は、物側面S14及び像側面S15を有する赤外フィルタL6を更に備える。赤外フィルタL6は、第5レンズL5の像側に設けられ、例えば可視光等の他の波長域の光線をフィルタリングする一方、赤外光のみを通過させることで、暗い環境や他の特殊な応用場面でも光学イメージングシステム10を結像させることができる。
【0030】
上述した光学イメージングシステム10は、コンパクトな空間排布や合理的な屈曲力配分により、薄型化や短尺化を実現し、電子製品の小型化に有利である。上記条件を満たす場合、入射光線を光学イメージングシステム10に入射する際の屈折角度の変化を緩やかにして、光学イメージングシステム収差10の過剰な増殖を効果的に回避し、迷光の発生を低減でき、結像品質が良好で、焦点距離が大きく、遠景を鮮明に撮影でき、また、大きな視野角を持ち、近景を鮮明に撮影することができる。
【0031】
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態における光学イメージングシステム10は、物体側から像側に向かって順に、第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、負の屈折力を有する第2レンズL2、正の屈折力を有する第3レンズL3、負の屈折力を有する第4レンズL4、正の屈折力を有する第5レンズL5及び赤外フィルタL6を備える。
【0032】
第1レンズL1の物側面S3は、近光軸で凸面であり、第1レンズL1の像側面S4は、近光軸で凹面である。
【0033】
第2レンズL2の物側面S6は、近光軸で凸面であり、第2レンズL2の像側面S7は、近光軸で凸面である。
【0034】
第3レンズL3の物側面S8は、近光軸で凹面であり、第3レンズL3の像側面S9は、近光軸で凹面である。
【0035】
第4レンズL4の物側面S10は、近光軸で凹面であり、第4レンズL4の像側面S11は、近光軸で凸面である。
【0036】
第5レンズL5の物側面S12は、近光軸で凸面であり、第5レンズL5の像側面S13は、近光軸で凹面である。
【0037】
光学イメージングシステム10が撮像に使用される時に、被写体から発せられる若しくは反射した光が、物体側から光学イメージングシステム10に入射し、且つ第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5及び赤外フィルタL6を順次に通過し、最終的に結像面IMAに収束する。
【0038】
表1は、本実施形態の光学イメージングシステムの特性を示す表であり、そのうち、焦点距離、屈折率及びアッベ数の基準波長が何れも558nmであり、Y半径、厚さ及び焦点距離の単位が何れもミリメートル(mm)である。
【0039】
【表1】
【0040】
ここで、fは光学系10の焦点距離、FNOは光学系10の絞りサイズ、FOVは光学系10の最大画角である。
【0041】
【表2】
【0042】
なお、光学イメージングシステム10のレンズの表面は非球面である可能性があり、これらの非球面の表面について、非球面表面の非球面方程式は、次の通りである。
【0043】

【0044】
ただし、Zはレンズ面のうちZ軸に平行な高さを表し、rは頂点からの径方向距離を表し、cは頂点における表面の曲率を表し、kは円錐定数を表し、A4、A6、A8、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次対応次数の非球面係数を表す。本願実施例では、第1レンズから第5レンズの物側面及び像側面はいずれも非球面であり、各非球面の表面に対応する円錐定数k及び非球面係数は表2に示す通りである。
【0045】
図2は、第1実施形態の光学イメージングシステム10のフィールドカーブ曲線及び歪み曲線を示している。フィールドカーブと歪みとの基準波長は455nmであり、フィールドカーブ曲線は、子午像面の曲がりと弧矢像面の曲がりを表す。ここで、弧矢像面の曲がりと子午像面の曲がりの最大値が何れも0.3mm未満であり、良好な補償が得られるものである。歪み曲線は、異なる視野角に対応する歪みの大きさの値を示し、最大な歪みが20%未満であり、歪みも良好に補正されている。
【0046】
<第2実施形態>
図3に示すように、本実施形態における光学イメージングシステム10は、物体側から像側に向かって順に、第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、負の屈折力を有する第2レンズL2、正の屈折力を有する第3レンズL3、負の屈折力を有する第4レンズL4、正の屈折力を有する第5レンズL5及び赤外フィルタL6を備える。
【0047】
第1レンズL1の物側面S3は、近光軸で凸面であり、第1レンズL1の像側面S4は、近光軸で凹面である。
【0048】
第2レンズL2の物側面S6は、近光軸で凸面であり、第2レンズL2の像側面S7は、近光軸で凸面である。
【0049】
第3レンズL3の物側面S8は、近光軸で凹面であり、第3レンズL3の像側面S9は、近光軸で凹面である。
【0050】
第4レンズL4の物側面S10は、近光軸で凹面であり、第4レンズL4の像側面S11は、近光軸で凸面である。
【0051】
第5レンズL5の物側面S12は、近光軸で凸面であり、第5レンズL5の像側面S13は、近光軸で凹面である。
【0052】
光学イメージングシステム10が撮像に使用される時に、被写体から発せられる若しくは反射した光が、物体側から光学イメージングシステム10に入射し、且つ第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5及び赤外フィルタL6を順次に通過し、最終的に結像面IMAに収束する。
【0053】
表3は、本実施形態の光学イメージングシステムの特性を示す表であり、そのうち、焦点距離、屈折率及びアッベ数の基準波長が何れも558nmであり、Y半径、厚さ及び焦点距離の単位が何れもミリメートル(mm)である。






















【0054】
【表3】
【0055】
ここで、fは光学系10の有効焦点距離、FNOは光学系10の絞りサイズ、FOVは光学系10の最大画角である。





















【0056】
【表4】
【0057】
図4は、第2実施形態の光学イメージングシステム10のフィールドカーブ曲線及び歪み曲線を示している。フィールドカーブと歪みとの基準波長は455nmであり、フィールドカーブ曲線は、子午像面の曲がりと弧矢像面の曲がりを表す。ここで、弧矢像面の曲がりと子午像面の曲がりの最大値が何れも0.3mm未満であり、良好な補償が得られるものである。歪み曲線は、異なる視野角に対応する歪みの大きさの値を示し、最大な歪みが20%未満であり、歪みも良好に補正されている。
【0058】
<第3実施形態>
図5に示すように、本実施形態における光学イメージングシステム10は、物体側から像側に向かって順に、第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、負の屈折力を有する第2レンズL2、正の屈折力を有する第3レンズL3、負の屈折力を有する第4レンズL4、正の屈折力を有する第5レンズL5及び赤外フィルタL6を備える。
【0059】
第1レンズL1の物側面S3は、近光軸で凸面であり、第1レンズL1の像側面S4は、近光軸で凹面である。
【0060】
第2レンズL2の物側面S6は、近光軸で凸面であり、第2レンズL2の像側面S7は、近光軸で凸面である。
【0061】
第3レンズL3の物側面S8は、近光軸で凹面であり、第3レンズL3の像側面S9は、近光軸で凹面である。
【0062】
第4レンズL4の物側面S10は、近光軸で凹面であり、第4レンズL4の像側面S11は、近光軸で凸面である。
【0063】
第5レンズL5の物側面S12は、近光軸で凸面であり、第5レンズL5の像側面S13は、近光軸で凹面である。
【0064】
光学イメージングシステム10が撮像に使用される時に、被写体から発せられる若しくは反射した光が、物体側から光学イメージングシステム10に入射し、且つ第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5及び赤外フィルタL6を順次に通過し、最終的に結像面IMAに収束する。
【0065】
表5は、本実施形態の光学イメージングシステムの特性を示す表であり、そのうち、焦点距離、屈折率及びアッベ数の基準波長が何れも558nmであり、Y半径、厚さ及び焦点距離の単位が何れもミリメートル(mm)である。
























【0066】
【表5】
【0067】
ここで、fは光学系10の焦点距離、FNOは光学系10の絞りサイズ、FOVは光学系10の最大画角である。




















【0068】
【表6】
【0069】
図6は、本願の実施例に係る光学イメージングシステム10の、視野および歪みの基準波長が455nm、メリジオナル像面湾曲およびサジタル像面湾曲をそれぞれ表す視野および歪み曲線、並びに、視野および歪みの最大値が0.3mm未満で、補償されたメリジオナル曲およびメリジオナル像面湾曲をそれぞれ示す。歪曲線は、異なる画角の歪の大きさの値を示し、最大歪が20%未満、歪曲が良好に補正されている。
【0070】
<第4実施形態>
図7に示すように、本実施形態における光学イメージングシステム10は、物体側から像側に向かって順に、第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、負の屈折力を有する第2レンズL2、正の屈折力を有する第3レンズL3、負の屈折力を有する第4レンズL4、正の屈折力を有する第5レンズL5及び赤外フィルタL6を備える。
【0071】
第1レンズL1の物側面S3は、近光軸で凸面であり、第1レンズL1の像側面S4は、近光軸で凹面である。
【0072】
第2レンズL2の物側面S6は、近光軸で凸面であり、第2レンズL2の像側面S7は、近光軸で凸面である。
【0073】
第3レンズL3の物側面S8は、近光軸で凹面であり、第3レンズL3の像側面S9は、近円周で凹面である。
【0074】
第4レンズL4の物側面S10は、近光軸で凹面であり、第4レンズL4の像側面S11は、近円周で凸面である。
【0075】
第5レンズL5の物側面S12は、近光軸で凸面であり、第5レンズL5の像側面S13は、近光軸で凹面である。
【0076】
光学イメージングシステム10が撮像に使用される時に、被写体から発せられる若しくは反射した光が、物体側から光学イメージングシステム10に入射し、且つ第1レンズL1、ダイヤフラムSTO、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5及び赤外フィルタL6を順次に通過し、最終的に結像面IMAに収束する。
【0077】
表7は、本実施形態の光学イメージングシステムの特性を示す表であり、そのうち、焦点距離、屈折率及びアッベ数の基準波長が何れも558nmであり、Y半径、厚さ及び焦点距離の単位が何れもミリメートル(mm)である。
【0078】
【表7】
【0079】
ここで、fは光学系10の有効焦点距離、FNOは光学系10の絞りサイズ、FOVは光学系10の最大画角である。
【0080】
【表8】
【0081】
図8は、本願の実施例に係る光学イメージングシステム10の電界歪曲及び歪曲収差図であって、参照波長が455nmであり、電界歪曲曲線が子午像面湾曲及び矢示像面湾曲を示し、円弧時歪み及び子午面湾曲の最大値は、いずれも0.3mm未満であり、補償された補償が得られたことを示している。歪曲線は、異なる画角の歪の大きさの値を示し、最大歪が20%未満、歪曲が良好に補正されている。
【0082】
表9は、第1の実施の形態から第4の実施の形態における光学イメージングシステムにおけるFOV/TL5、FNO/TL4、Imgh/f、(V2+V3+V5)/(V1+V4)、TL1/f、f/EPD、V4/V5の値を示す図である。
【0083】
【表9】
【0084】
図9に示すように、本願の実施例に係る光学イメージングシステム10は、本願の実施例に係る撮像モジュール100に適用できる。撮像モジュール100は、受光素子20および上記のいずれかの実施形態の光学イメージングシステム10を含む。受光素子20は、光学イメージングシステム10の像側に設けられる。
【0085】
感光素子20は、相補金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor,CMOS)イメージセンサや電荷結合素子(Charge-coupled Device,CCD)を採用することができる。
【0086】
なお、図10に示すように、本開示の実施形態に係る撮像モジュール100は、本開示の実施形態に係る電子装置200に適用可能である。電子装置200は、ケース210と、ケース210に取り付けられる撮像モジュール100とを備える。
【0087】
本願実施例の電子装置200は、ドライブレコーダ、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、電子書籍リーダー、携帯型マルチメディアプレーヤー(PMP)、携帯電話機、テレビ電話機、デジタルスチルカメラ、モバイル医療機器、ウェアラブル機器等の撮像をサポートする電子装置を含むが、これらに限定されるものではない。
【0088】
上記の各実施形態は、ただ本発明の技術的解決策を説明するためのものであり、限定することを意図するものではなく、好ましい実施形態を参照して、本発明について詳細に説明しているが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解決策を修正または同等に置換できることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0089】
100 撮像モジュール
10 光学イメージングシステム
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 赤外フィルタ
STO ダイヤフラム
S3、S6、S8、S10、S12、S14 物側面
S4、S7、S9、S11、S13、S15 像側面
IMA 結像面
20 感光素子
200 電子装置
210 ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10